JP4218815B2 - 鞍乗型車両用エアバック装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鞍乗型車両用エアバック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年自動車において、衝突に伴う乗員への衝撃を緩和するためにエアバック装置が用いられ、広く一般に普及するに至っており、自動二輪車等の鞍乗型車両においても、エアバック装置の採用が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車体幅方向に延びるバー状のハンドルがヘッドパイプに回動可能に支持され、またヘッドパイプに支持されたハンドルの前方を風防部材で覆った鞍乗型車両では、特に、前方への乗員の移動による衝撃を効果的に緩和できるようにエアバッグを膨張させるが、この場合風防部材やハンドルで衝撃荷重を受けるように配置する必要がある。
【0004】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、エアバックにより衝撃を効果的に緩和できる鞍乗型車両用エアバック装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0006】
請求項1に記載の発明は、『ヘッドパイプに支持されたハンドルの前方を風防部材で覆った鞍乗型車両において、前記ハンドルと前記風防部材の間で車体にエアバッグを支持するとともに、前記風防部材に沿って前記ハンドルと前記風防部材の間にエアバッグが膨張可能であることを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0007】
この請求項1に記載の発明によれば、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、この衝撃をエアバッグの背面の風防部材により確実に支えることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、『前記風防部材が後方に延びるウインドシールドを備え、前記エアバッグを前記ウインドシールドに沿って膨張させることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0009】
この請求項2に記載の発明によれば、エアバッグがウインドシールドに沿って膨張することができ、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ウインドシールドによって一層確実に支えることができ効果的である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、『前記ウインドシールドは、その周縁に補強部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0011】
この請求項3に記載の発明によれば、ウインドシールドの周縁に補強部を備えることから、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ウインドシールドによって一層確実に支えることができ効果的であり、視界を妨げず広い範囲で補強することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、『車体幅方向に延びるバー状のハンドルがヘッドパイプに回動可能に支持された鞍乗型車両において、前記ハンドルの回動中心近傍にエアバッグを支持するとともに、前記エアバッグは、前記ハンドルで支持可能に前記ハンドルに沿って車体左右方向に乗員側を凹状となるように翼状に膨張可能であることを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0013】
この請求項4に記載の発明によれば、エアバッグがハンドルに沿って車体左右方向にエアバッグが膨張することができ、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ハンドルによって一層確実に支えることができ効果的である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、『車両側面視で、前記ハンドルの後ろ上方から下方にわたってエアバッグが膨張可能であることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0015】
この請求項5に記載の発明によれば、ハンドルの後ろ上方から下方にわたってエアバッグが膨張することができ、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ハンドルによって一層確実に支えることができ効果的である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、『前記ハンドルと相対移動可能に前記エアバッグが車体に支持されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0017】
この請求項6に記載の発明によれば、ハンドルに対して相対移動可能にエアバッグが車体に支持されるから、ハンドルが重くならず、操作フィーリングが良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の鞍乗型車両用エアバック装置の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態に限定されない。
【0019】
図1は鞍乗型車両用エアバック装置を備えるスクータ型車両の側面図、図2は鞍乗型車両用エアバック装置を備えるスクータ型車両の平面図、図3はウインドシールドの斜視図、図4はエアバックを展開した状態のスクータ型車両の側面図、図5はエアバックを展開した状態のスクータ型車両の平面図、図6はエアバッグを示す図である。
【0020】
この実施の形態の鞍乗型車両としてスクータ型車両を示し、このスクータ型車両の車体1にはハンドル2と、このハンドル2を回動可能に支持するヘッドパイプ3と、このヘッドパイプ3の下部からシート4の下方まで延設される左右一対の下メインフレーム5と、ヘッドパイプ3の上部からシート4の下方まで延設される左右一対の上メインフレーム6と、この下メインフレーム5及び上メインフレーム6に連結されてシート4の後方に延びるリヤフレーム7等のフレーム部材を含む車体構成部材が備えられている。下メインフレーム5と上メインフレーム6の間には、連結フレーム8が連結され、この連結フレーム8により補強されている。
【0021】
ヘッドパイプ3には、フロントフォーク9が回動可能に支持され、このフロントフォーク9の下部に前輪10が支持され、上部に車体幅方向に延びるバー状のハンドル2がヘッドパイプ3に回動可能に支持され、このハンドル2により操向される。
【0022】
下メインフレーム5、上メインフレーム6及びリヤフレーム7にユニットスイングエンジン11が支持され、このユニットスイングエンジン11に後輪12が支持されている。上メインフレーム6に設けたブラケット13と、リヤフレーム7に設けたブラケット14及びシートレール15にシート4が支持されている。
【0023】
この鞍乗型車両の車体構成部材は、フロントカウル20とリヤカウル21で覆われ、リヤカウル21はシート4の下周囲を覆い、シート4の前方にまで延びて、フロントカウル20とシート4との間にはステップ部22が設けられ、シート4に着座した乗員23がステップ部22に足を載せて運転するようになっている。
【0024】
ヘッドパイプ3の前側にはサポート部材31を介してフロントカウル20が支持されている。サポート部材31は、ヘッドパイプ3の前側に固定された支持ブラケット30に支持された左右一対の前支持フレーム31aと、下メインフレーム5に支持された左右一対の後支持フレーム31bと、この左右一対の前支持フレーム31aに連結された車体幅方向に延びる前連結フレーム31cと、この前連結フレーム31cと後支持フレーム31bとを連結する左右一対の後連結フレーム31dと、この左右一対の後連結フレーム31dの上部と前連結フレーム31cの両側とを連結して支持する左右一対の支持フレーム31eから構成される。
【0025】
さらに、上メインフレーム6には、フロントカウル20方向に向けて前側に延びる補強部材40が設けられている。フロントカウル20には、図1及び図3に示すように、メッシュワイヤを有するウインドシールド200が設けられている。このウインドシールド200は、樹脂で形成され、その周縁に補強部200aが形成されている。
【0026】
このように車体幅方向に延びる前端部40aを備えた補強部材40の後端部40bを、ハンドル2を回動可能に支持するヘッドパイプ3を含むフレーム部材に固着する。
【0027】
また、ヘッドパイプ2からシート4より下方まで延設された後、後方に延びるフレーム部材と前輪10の間に、衝撃が加わった時に変形する補強部材40をフレーム部材に支持することで、補強部材40がダンパとなり、しかも車体のピッチングの発生を緩和できる。
【0028】
このスクータ型車両では、エアバック装置50が配置され、車体1が所定の衝撃力で障害物に衝突したときに、乗員23の前方にエアバック51を瞬時に膨らませて展開するようになっている。
【0029】
この実施の形態では、ヘッドパイプ3に支持されたハンドル2の前方を風防部材Aを構成するフロントカウル20及びウインドシールド200で覆われており、図4及び図5に示すように、ハンドル2と風防部材Aの間で車体にエアバッグ51を支持するとともに、風防部材Aのウインドシールド200に沿ってハンドル2とウインドシールド200の間にエアバッグ51が膨張可能に構成されている。また、風防部材Aが後方に延びるウインドシールド200を備えており、エアバッグ51はウインドシールド200に沿って膨張すると共に、車両側面視で、ハンドル2の後ろ上方から下方にわたって膨張可能である。また、ハンドル2と相対移動可能にエアバッグ51が車体に支持されており、ハンドル2が重くならず、操作フィーリングが良い。
【0030】
なお、この実施の形態では風防部材Aが、別体のフロントカウル20とウインドシールド200で構成されるが、ウインドシールド200をフロントカウル20と一体に形成してもよい。
【0031】
このスクータ型車両の衝突時にエアバッグ51が膨張すると、衝撃がエアバッグ51にかかるが、この衝撃をエアバッグ51の背面のウインドシールド200により確実に支えることができる。しかも、エアバッグ51がウインドシールド200に沿って膨張することができ、エアバッグ51の膨張時に衝撃がエアバッグ51にかかるが、ウインドシールド200によって一層確実に支えることができ効果的である。ウインドシールド200は、図3に示すように、その周縁に補強部200aを備えることから、エアバッグ51の膨張時に衝撃がエアバッグ51にかかるが、エアバッグ51にかかる衝撃をウインドシールド200によって一層確実に支えることができ効果的であり、また視界を妨げず広い範囲で補強することができる。
【0032】
また、ハンドル2の後ろ上方から下方にわたってエアバッグ51が膨張することができ、エアバッグ51の膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ハンドル2によって一層確実に支えることができ効果的である。
【0033】
また、エアバッグ51は、ハンドル2に沿って車体左右方向に膨張可能であり、エアバッグ51の膨張時に衝撃がエアバッグ51にかかるが、ハンドル2によって一層確実に支えることができ効果的である。
【0034】
このエアバッグ51は、図6に示すように、乗員23の頭部や胴部に対向する部分51aは上下方向に長くし、両腕に対向する部分51bはハンドル2に沿わせるようにし、展開したエアバッグ51の左右を翼状にし、さらに乗員23側を凹状になるようにすることができる。左右の幅の狭い凸面のエアバッグだと、乗員23が左右方向に滑ってしまい、受け止めることが困難であるが、この実施の形態のように左右の幅が広く、しかも乗員23を凹状にすることで、乗員23を外すことなく受け止められる。
【0035】
【発明の効果】
前記したように、請求項1に記載の発明では、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、この衝撃をエアバッグの背面の風防部材により確実に支えることができる。
【0036】
請求項2に記載の発明では、エアバッグがウインドシールドに沿って膨張することができ、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ウインドシールドによって一層確実に支えることができ効果的である。
【0037】
請求項3に記載の発明では、ウインドシールドの周縁に補強部を備えることから、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ウインドシールドによって一層確実に支えることができ効果的であり、視界を妨げず広い範囲で補強することができる。
【0038】
請求項4に記載の発明では、エアバッグがハンドルに沿って車体左右方向にエアバッグが膨張することができ、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ハンドルによって一層確実に支えることができ効果的である。
【0039】
請求項5に記載の発明では、ハンドルの後ろ上方から下方にわたってエアバッグが膨張することができ、エアバッグの膨張時に衝撃がエアバッグにかかるが、ハンドルによって一層確実に支えることができ効果的である。
【0040】
請求項6に記載の発明では、ハンドルに対して相対移動可能にエアバッグが車体に支持されるから、ハンドルが重くならず、操作フィーリングが良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】鞍乗型車両用エアバック装置を備えるスクータ型車両の側面図である。
【図2】鞍乗型車両用エアバック装置を備えるスクータ型車両の平面図である。
【図3】ウインドシールドの斜視図である。
【図4】エアバックを展開した状態のスクータ型車両の側面図である。
【図5】エアバックを展開した状態のスクータ型車両の平面図である。
【図6】エアバッグを示す図である。
【符号の説明】
1 車体
2 ハンドル
3 ヘッドパイプ
4 シート
50 エアバック装置
51 エアバッグ
A 風防部材

Claims (6)

  1. ヘッドパイプに支持されたハンドルの前方を風防部材で覆った鞍乗型車両において、
    前記ハンドルと前記風防部材の間で車体にエアバッグを支持するとともに、
    前記風防部材に沿って前記ハンドルと前記風防部材の間にエアバッグが膨張可能であることを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。
  2. 前記風防部材が後方に延びるウインドシールドを備え、
    前記エアバッグを前記ウインドシールドに沿って膨張させることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。
  3. 前記ウインドシールドは、その周縁に補強部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。
  4. 車体幅方向に延びるバー状のハンドルがヘッドパイプに回動可能に支持された鞍乗型車両において、
    前記ハンドルの回動中心近傍にエアバッグを支持するとともに、
    前記エアバッグは、前記ハンドルで支持可能に前記ハンドルに沿って車体左右方向に乗員側を凹状となるように翼状に膨張可能であることを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。
  5. 車両側面視で、前記ハンドルの後ろ上方から下方にわたってエアバッグが膨張可能であることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。
  6. 前記ハンドルに対して相対移動可能に前記エアバッグが車体に支持されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。
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