JP7089585B2 - 鞍乗り型車両のエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
そして、車体フレームの一部を構成するパイプ部材の内部途中に、仕切り板を設け、インフレーターが発生させたガスをエアバッグユニットに導くガス通路を直接形成したエアバッグ装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗型車両のエアバッグ装置において、エアバッグ装置を容易に構成するとともに、コンパクトに配置し、且つ、エアバッグを鉛直上方に展開できるようにすることを目的とする。
この構成によれば、リテーナーとインフレーターを別体にすることで、車両の構成部材間のスペースを利用して、エアバッグ装置を配置することができ、エアバッグ装置の省スペース化を実現し、エアバッグ装置をコンパクトに配置できる。そして、エアバッグの上方展開を行う際に、垂直方向に展開させることができる。また、エアバッグ装置を容易に構成できる。
この構成によれば、ハンドルのグリップ間の空間を利用して、エアバッグを展開でき、エアバッグのデザイン上の自由度を向上できる。
この構成によれば、ガス通路をヘッドパイプの周囲に配置して、ガス通路の長さを短くできる。これにより、エアバッグを展開するのに必要となるガスの量および、展開までにかかる時間を低減できる。
この構成によれば、ガス通路をヘッドパイプの側方に配置して、ガス通路の長さを短くできる。これにより、エアバッグを展開するのに必要となるガスの量および、展開までにかかる時間を低減できる。
この構成によれば、ガス通路をヘッドパイプの前方に配置して、ガス通路の長さを短くできる。これにより、エアバッグを展開するのに必要となるガスの量および、展開までにかかる時間を低減できる。
この構成によれば、ガス通路をヘッドパイプの後方に配置して、ガス通路の長さを短くできる。これにより、エアバッグを展開するのに必要となるガスの量および、展開までにかかる時間を低減できる。
車両側面視において、ヘッドパイプ14は、自動二輪車1に設定される所定のキャスター角の分だけ鉛直方向に対し後傾している。ステアリングシャフト20は、ヘッドパイプ14に挿通されて軸支され、車両側面視で後傾して配置される。
シート13は、リアフレーム17の上方に設けられる。シート13は、運転者が着座する前側シート13aと、同乗者が着座する後側シート13bとを一体に備える。
運転者が左右の足を置くステップフロア25,25は、前側シート13aの前下方に左右一対で設けられる。
車体カバー26は、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を前方及び左右側方から覆うフロントカバー27と、フロントカバー27の後縁に連続し、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を後方から覆うインナーカバー28とを備える。
また、車体カバー26は、前側シート13aの前下方に位置するセンターカバー29と、ステップフロア25,25の下方で車体を下方から覆うアンダーカバー30を備える。そして、車体カバー26はさらに、シート13の下方でリアフレーム17,17を側方から覆うリアサイドカバー31を備える。
自動二輪車1は、フロントフェンダー34及びリアフェンダー35を備える。
車速等の自動二輪車1に関する情報を表示するメーター36は、ハンドル23の前方に配置される。バックミラー37は、ハンドル23に取り付けられる。
車両側面視では、インナーカバー28、センターカバー29及び前側シート13aの前面によって、下方に窪む跨ぎ空間38が区画される。乗員は、自動二輪車1に乗降する際に、跨ぎ空間38を介して自動二輪車1を跨ぐことができる。
エアバッグ装置50は、エアバッグ52と、リテーナー52aと、インフレーター53と、接続チューブ51により構成される。
なお、インフレーター53は、自動二輪車1のコントロールユニット(不図示)に接続されるものであり、コントロールユニットには、加速度センサー(不図示)が接続している。
なお、接続チューブ51は、フレキシブルな耐圧チューブにより構成される。また、急激に接続チューブ51内の圧力が上昇した場合に変形するものが用いられる。接続チューブ51をエアバッグ基布により構成しても良い。
ハンドルステム20aの上端には、ハンドルポスト23aが取り付けられており、ハンドルポスト23aの上面には2つのハンドルホルダー23bが、車両左右方向に並べて設けられている。そして、ハンドルホルダー23bにリテーナー52aが取り付けられるものである。
リテーナー52aは、ハンドルホルダー23bの上部に取付けられるとともに、ハンドル23のライズ部23r間に配置される。また、リテーナー52aの下面には、接続チューブ51の上端が接続しており、接続チューブ51は、ハンドルホルダー23b間を通る構成となっている。
このため、接続チューブ51は、ヘッドパイプ14の近傍から(本実施例においては側部から)ヘッドパイプ(14)の上部に跨って、ヘッドパイプ14およびハンドルステム20aに沿って配置される。
インフレーター53は、ヘッドパイプ14の近傍に配設されるものであり、フロントカバー27の外側面よりも、車両内側に配置されている。そして、インフレーター53は、車両左右方向において、ヘッドパイプ14の左側方に位置している。なお、ヘッドパイプ14の右側には、キーシリンダーおよびハンドルロック機構(不図示)が設けられるものである。
接続パイプ53aとリテーナー52aとを接続する接続チューブ51は、ハンドル23を直進位置に保持した状態において、一定の弛みを持つように構成されている。
自動二輪車1の加速度センサー(不図示)が所定値以上の加速度を検出した場合、コントロールユニット(不図示)が、インフレーター53が作動させる。これにより、インフレーター53がガスを発生させる。
インフレーター53により発生したガスは、接続パイプ53aおよび接続チューブ51を介して、リテーナー52a内のエアバッグ52に供給される。
そして、流入したガスによりエアバッグ52が膨張し、エアバッグ52がリテーナー52aの一部を開裂させて、リテーナー52aより上方に展開する。また、エアバッグ52の展開時に発生する衝撃は、リテーナー52aは、ハンドルホルダー23b、ハンドルポスト23a、ハンドルステム20aを介しいて、ヘッドパイプ14により受け止められる。
図4において、状態Aは、ハンドル23を左に回動した状態であり、状態Bは、ハンドル23を右に回動した状態である。なお、状態Aおよび状態Bにおいて、ハンドル23は限界まで回動されている状態であり、ブリッジ部材22とメインフレーム15との間に設けられるハンドルストッパー(不図示)により、ハンドル23の最大回動範囲が制限されている。
また、状態Aおよび状態Bにおいて、ハンドル23を回動していない状態での、ハンドル23、リテーナー52aおよび接続チューブ51を二点鎖線で示している。
接続チューブ51には、弛みが設けられており、ハンドル23を限界まで回動した場合でも、ハンドル23の動きを規制することは無い。
これにより、インフレーター53をヘッドパイプ14の左側に配置していても、接続チューブ51の弛みにより、ハンドル23の左回動が阻害されない。
このように、状態A,および状態Bにおいて、接続チューブ51がハンドル23の操作に影響を与えることが無い。そして、接続チューブ51により、インフレーター53とリテーナー52aとが接続されるので、ハンドルを回動した状態でもエアバッグ装置50が作動可能となる。
また、ハンドル23を回動した場合にも、ヘッドパイプ14周りに、接続チューブ51が沿うので、接続チューブ51が動くための空間を小さくできる。
すなわち、状態Aおよび状態Bにおいて、リテーナー52aは、回転しても、位置が変わることはない。このため、ハンドル23の回動に関係なく、ハンドルステム20a上にエアバッグ52を展開可能となる。
さらに、インフレーター53とリテーナー52aを別体としているので、ハンドルホルダー23b上には、エアバッグ52を収納するリテーナー52aが配置される。これにより、インフレーター53とリテーナー52aを一体にするものを配置するよりも、リテーナー52aの上面が低い位置に配置される。
この構成によれば、リテーナー52aとインフレーター53を別体にするので、配置のために、ひとまとまりの空間を必要としない。そして、他の構成部材の間を利用して配置することができ、エアバッグ装置50の省スペース化が実現できる。
また、エアバッグ52を展開する際に、鉛直方向に展開させることができる。自動二輪車1において、ハンドルステム20aの回動軸上の開放された空間を利用するので、エアバッグ52を鉛直方向に展開できる。運転者の上半身の前方において、エアバッグ52を鉛直方向に展開させることにより、衝突時に運転者がエアバッグ52と接触するまでの時間を長くし、エアバッグ52の展開完了までに必要となる時間を長くできる。これにより、展開可能となるエアバッグの設計上の自由度を向上できる。
ハンドルステム20aの回動軸上の空間は、メーター36を見るための空間として用いられており、ハンドルステム20aの回動軸上にリテーナー52aを配置するので、インフレーター53と共に配置する場合に比べて、運転者の視界を遮る領域を小さくできる。これにより、運転に必要となる視界を確保しながら、運転者の上半身近くにエアバッグ52を配置することができる。
また、エアバッグ52の展開時の衝撃をメインフレーム15に接続するヘッドパイプ14により受けるので、リテーナー52aの向きがズレ難く、エアバッグ52を上方に展開できる。
この構成によれば、ハンドル23のグリップ部23g間の空間を利用して、エアバッグ52を展開でき、エアバッグ52のデザイン上の自由度を向上できる。
また、前輪2にブレーキを加えた場合には、ハンドル23が直進位置に戻るので、運転者の前方において、エアバッグ52を展開することができる。
この構成によれば、接続チューブ51をヘッドパイプ14の周囲に配置して、接続チューブ51の長さを短くできる。これにより、エアバッグ52を展開するのに必要となるガスの量および、展開までにかかる時間を低減できる。また、接続チューブ51を短くできるので、エアバッグ装置50の重量を低減できる。
図5は、本発明の第2の実施の形態において、インフレーターをヘッドパイプの前方に配置する構成を示す左側面図であり、図6は、本発明の第2の実施の形態において、インフレーターをヘッドパイプの後方に配置する構成を示す左側面図である。
ガス通路部54は、インフレーター53において発生したガスをリテーナー52aに供給するものであり、リテーナー52a内においてガスがエアバッグ52内に流入する。そして、エアバッグ52が膨張することとなる。
ガス通路部54は、ハンドルポスト23aに取付けられている。ガス通路部54は、側面視において逆L字状に構成されており、下方に延出された下部54aとハンドルポスト23a上に取付けられる上部54bにより構成されている。
そして、ガス通路部54の内部には、ガス通路54cが設けられており、このガス通路54cを介して、インフレーター53からリテーナー52aにガスが供給される。
そして、ガス通路部54の上部54bは、ハンドルステム20aの回動軸と直交する平面に沿って延出されており、上部54bの上面にはリテーナー52aが取り付けられている。
そして、ガス通路部54の上部54bが、左右のハンドル23の下端23d間に配置され、左右のハンドル23の間にリテーナー52aが配置される。
この様に、ガス通路部54は、ヘッドパイプ14の近傍から(図5に示す構成においては、前部から)、ヘッドパイプ14の上部を跨ぐように設けられている。
そして、図5に示す構成と同様に、ガス通路部54により、インフレーター53とリテーナー52aとが接続されている。
ガス通路部54は、ハンドルポスト23aに取付けられ、ガス通路部54は、側面視において逆L字状に構成されている。そして、下方に延出された下部54aとハンドルポスト23a上に取付けられる上部54bにより構成されている。
ガス通路部54の上部54bは、ハンドルステム20aの回動軸と直交する平面に沿って延出されており、上部54bの上面にはリテーナー52aが取り付けられている。
また、図6に示す構成において、ガス通路部54の上部54bは、図5に示す構成と同様に、左右のハンドル23の間に配置される。そして、ガス通路部54の上部54bの上面に、リテーナー52aが配置される。これにより、左右のハンドル23の間にリテーナー52aが配置されることとなる。
また、ガス通路部54は、ヘッドパイプ14の近傍から(図6に示す構成においては後部から)、ヘッドパイプ14の上部を跨ぐように設けられている。
まず、図5に示すエアバッグ装置50aの作用について説明する。
ハンドル23を回動した場合に、インフレーター53およびリテーナー52aがハンドル23とともに回動する。このため、インフレーター53およびリテーナー52aが、ハンドル23の動きを阻害せず、ハンドル23が回動されても、リテーナー52aは、ハンドルステム20aの回動軸上に位置する。
エアバッグ装置50aの荷重は、ハンドルポスト23a、ハンドルステム20aを介して、ヘッドパイプ14に支持され、ハンドル23の操作に与える影響が少なくなる。
さらに、インフレーター53をハンドルステム20aの前方に配置するので、インフレーター53とリテーナー52aを一体にするものを配置するよりも、リテーナー52aの上面が低い位置に配置される。
ガス通路部54がハンドルポスト23aの後部に接しながら、ハンドルステム20aと平行に前下方に延出されている。このため、ハンドルステム20aとヘッドパイプ14の前方において、フロントカバー27内に大きな空間を設けられる。
インフレーター53がヘッドパイプ14の周囲で、ヘッドパイプ14の後方に設けられるため、フロンドカバー27内の配線の構成などに影響を与えることなく、エアバッグ装置50bを配置できる。
14 ヘッドパイプ
15 メインフレーム
20 ステアリングシャフト
20a ハンドルステム
22 ブリッジ部材
23 ハンドル
23a ハンドルポスト
23b ハンドルホルダー
23c 中央部
23d 下端
23g グリップ部
23r ライズ部
27 フロントカバー
32 ウインドスクリーン
50 エアバッグ装置
50a エアバッグ装置
50b エアバッグ装置
51 接続チューブ
52 エアバッグ
52a リテーナー
53 インフレーター
53a 接続パイプ
54 ガス通路部
54a 下部
54b 上部
54c ガス通路
55 ステー
Claims (6)
- インフレーター(53)と、前記インフレーター(53)が放出するガスによって膨張するエアバッグ(52)と、前記エアバッグ(52)を収納するリテーナー(52a)とを備える鞍乗り型車両のエアバッグ装置において、
ヘッドパイプ(14)に回動可能に取り付けられるハンドルステム(20a)を有し、
前記インフレーター(53)と前記リテーナー(52a)とが別体に配置され、
車両側面視で前記リテーナー(52a)は、前記ハンドルステム(20a)の回動軸(L)上に設けられ、
車両側面視で前記インフレーター(53)は、前記ヘッドパイプ(14)の周囲に取り付けられ、
前記リテーナー(52a)と前記インフレーター(53)は、前記インフレーター(53)と前記リテーナー(52a)との相対回動を許容する弛みが設けられたチューブから成るガス通路(51)でつながれており、
前記リテーナー(52a)は、前記ハンドルステム(20a)に設けられるハンドルホルダー(23b)に取り付けられていることを特徴とする鞍乗り型車両のエアバッグ装置。 - 前記リテーナー(52a)は、車両平面視で、ハンドル(23)のグリップ部(23g)間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
- 前記ガス通路(51)は、前記ヘッドパイプ(14)の近傍から上部を跨ぐように設けられていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
- 前記ガス通路(51)は、前記ヘッドパイプ(14)の側部から上部を跨ぐように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
- 前記ガス通路(54c)は、前記ヘッドパイプ(14)の前部から上部を跨ぐように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
- 前記ガス通路(54c)は、前記ヘッドパイプ(14)の後部から上部を跨ぐように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
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