JP7155279B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両の前部にエアバッグ装置をコンパクトに配置できるようにすることを目的とする。
また、上記発明において、前記メーター(36)は、上面の表示面(36b)が車両側面視で後下がりとなるように傾斜して設けられ、前記ヒンジ(36c)は、回動軸線が車幅方向に指向するとともに、前記メーター(36)の後端部に設けられても良い。
また、上記発明において、前記リテーナー(51)及び前記メーター(36)は、前記ハンドル(23)の前方に設けられても良い。
また、上記発明において、前記開口(51e)を覆うとともに前記エアバッグ(52)によって開裂される蓋部材(54)が設けられ、前記メーター(36)は、前記蓋部材(54)を上方から覆っても良い。
この構成によれば、メーターは、リテーナーの開口を開閉可能に覆い、開口が開いた状態では開口からエアバッグが上方に展開可能である。このため、メーターの下方のスペースを利用してリテーナーを配置でき、自動二輪車の前部にエアバッグ装置をコンパクトに配置できる。
また、上記発明において、メーターは、上面の表示面が車両側面視で後下がりとなるように傾斜して設けられ、ヒンジは、回動軸線が車幅方向に指向するとともに、メーターの後端部に設けられても良い。この構成によれば、車両側面視で後下がりに配置されるメーターが、メーターの後端部のヒンジで回動するため、リテーナーの開口を効率良く開くことができる。
また、上記発明において、リテーナー及びメーターは、ハンドルの前方に設けられても良い。この構成によれば、ハンドルの前方のメーターの下方に位置するリテーナーからエアバッグを上方に展開させることができる。
また、上記発明において、開口を覆うとともにエアバッグによって開裂される蓋部材が設けられ、メーターは、蓋部材を上方から覆う。この構成によれば、リテーナー内への異物の侵入を蓋部材によって防止できる。
自動二輪車1は、車体フレーム10と、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11と、車体フレーム10の後部に支持されるパワーユニット12と、後輪3と、乗員が跨るようにして着座するシート13とを備えるスクーター型の鞍乗り型車両である。
車両側面視において、ヘッドパイプ14は、自動二輪車1に設定される所定のキャスター角の分だけ鉛直方向に対し後傾している。ステアリングシャフト20は、ヘッドパイプ14に挿通されて軸支され、車両側面視で後傾して配置される。
シート13は、リアフレーム17の上方に設けられる。シート13は、運転者が着座する前側シート13aと、同乗者が着座する後側シート13bとを一体に備える。
運転者が左右の足を置くステップフロア25,25は、前側シート13aの前下方に左右一対で設けられる。
車体カバー26は、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を前方及び左右側方から覆うフロントカバー27と、フロントカバー27の後縁に連続し、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を後方から覆うインナーカバー28とを備える。
また、車体カバー26は、前側シート13aの前下方に位置するセンターカバー29と、ステップフロア25,25の下方で車体を下方から覆うアンダーカバー30と、シート13の下方でリアフレーム17,17を側方から覆うリアサイドカバー31とを備える。
自動二輪車1は、フロントフェンダー34及びリアフェンダー35を備える。
車速等の自動二輪車1に関する情報を表示するメーター36は、ハンドル23の前方に配置される。バックミラー37,37は、ハンドル23に取り付けられる。
車両側面視では、インナーカバー28、センターカバー29及び前側シート13aの前面によって、下方に窪む跨ぎ空間38が区画される。乗員は、自動二輪車1に乗降する際に、跨ぎ空間38を介して自動二輪車1を跨ぐことができる。
図2及び図3を参照し、メーター36は、車速等を表示する表示部を収納するハウジング36aと、ハウジング36aの上面に設けられる表示面36bとを備える。
ハウジング36aは、平たい箱状に形成され、板厚方向が上下方向に指向するように配置される。ハウジング36aは、上方から見ると、車幅方向に長い略矩形状である。
メーター36は、ヘッドパイプ14の上方且つハンドルポスト23aの前方で、車幅の中央に配置される。メーター36は、後上方の運転者がメーター36を見易いように、上面の表示面36bが後下がりに傾斜するように配置される。
メーター36は車体に固定されるため、ハンドル23が左右に操舵されても左右に回動しない。
ここで、ヒンジ36cは、車幅方向に延びてメーター36を軸支するヒンジ軸であり、例えば、車体フレーム10のヘッドパイプ14に設けられるステー部、または、車体カバー26に設けられるステー部等を介して車体に支持される。なお、ヒンジ36cは、後述のリテーナー51に支持されても良い。
メーター36の下面には、メーター36用のハーネスの接続部を下方から覆うカバー40が取り付けられる。
フロントカバー27は、メーター36を前上方から覆うバイザー39を備える。バイザー39は、メーター36の前方で後上がりに延びる庇状の壁部である。バイザー39は、フロントカバー27の前面部の上部27aがメーター36よりも上方に延出したものである。
ウインドスクリーン32は、乗員がウインドスクリーン32を通して前方を視認できるように、透光性を有する素材で形成される。バイザー39は、前上方からメーター36の上面に届く光を遮るように設けられる。バイザー39は、非透明であり、ウインドスクリーン32よりも透光性が低い。
車体フレーム10は、ヘッドパイプ14から前方に延びるステー14a(図3)を備える。ヘッドライト33及びフロントカバー27は、ステー14aに支持される。
エアバッグ装置50は、箱状のリテーナー51と、リテーナー51に収納されるエアバッグ52と、エアバッグ52内にガスを放出するインフレーター53と、リテーナー51の上面を塞ぐ蓋部材54とを備える。
図3~図5を参照し、リテーナー51は、メーター36の下方に配置される。リテーナー51は、ヘッドパイプ14の前上方で車幅の中央に配置される。リテーナー51は、車両前後方向で、操舵系11とウインドスクリーン32との間に配置される。リテーナー51は、ステー14aに支持される。
詳細には、リテーナー51は、略矩形の底壁51aと、底壁51aの前縁から上方に延びる前壁51bと、底壁51aの後縁から上方に延びる後壁51cと、底壁51aの左右の側縁から立設される側壁51d,51dと、上面の開口51eとを備える。
車両側面視では、底壁51aと開口51eとは略平行である。リテーナー51は、車両側面視で、開口51eがメーター36の下面に沿うように、後下がりに傾斜して配置される。
車両側面視では、前壁51b及び後壁51cは略平行であり、後上がりに傾斜する。
左右の側壁51d,51dは、互いに対向し、車両前後方向に真っ直ぐに延びる。
リテーナー51の車幅方向の長さは、メーター36の車幅方向の全長よりも小さい。
インフレーター53は、円筒状のハウジング53aを備える。ハウジング53aの内部には、ガス発生剤、及び、このガス発生剤にガスを発生する反応を開始させるイニシエータが設けられる。イニシエータは点火装置を備える。インフレーター53のガスの放出部53bはエアバッグ収納空間Sの内部に位置する。
インフレーター53は、平面視でメーター36の前部に下方から重なる。すなわち、インフレーター53は、少なくとも一部がメーター36の下方に配置される。このため、メーター36の下方の空間を利用してインフレーター53をコンパクトに配置できる。
蓋部材54は、蓋周壁部54bの内周面が開口51eの周縁部の外周面に嵌合することでリテーナー51に取り付けられる。
蓋部材54は、エアバッグ52が展開する際に開裂する開裂部61と、エアバッグ52が展開した後もリテーナー51の開口51eに固定されている固定部62とを備える。
開裂部61は、車両側面視で蓋部材54の前部であり、固定部62は、車両側面視で蓋部材54の後部である。
メーター36の下面は、カバー40を介して蓋部材54の蓋上面部54aに結合されている。
図3~図7を参照し、インフレーター53からガスが放出されると、エアバッグ52は、ガスによって膨張し、リテーナー51の開口51eを通って上方に展開する。エアバッグ52が膨張すると、蓋部材54はエアバッグ52によって押されて開裂し、メーター36は、エアバッグ52によって押されてヒンジ36cを中心に後方に回動する。これにより、開口51eは開かれる。
また、メーター36の前部は、開裂部61の上方に位置して開口51eの前部を上方から覆う。
メーター36の後部は、固定部62の上方に位置して開口51eの後部を上方から覆う。
ヒンジ36cは、開口51eの後部の真上に位置する。
開口51eの前部から上方に展開するエアバッグ52は、開口51eの上方のバイザー39の後面及びウインドスクリーン32の後面によって後上方へガイドされ、上方に展開する。
本実施の形態では、メーター36が回動してリテーナー51の開口51eを開くため、メーター36の下方にリテーナー51の開口51eを配置できる。このため、メーター36の下方のスペースを使用してリテーナー51をコンパクトに配置できる。
メーター36は、車両側面視でメーター36の下面が鉛直方向に対し後傾する角度まで開く。開いた状態のメーター36の下面及び開裂部61は、エアバッグ52の上方への展開をエアバッグ52の後方側からガイドする。
リテーナー51は、ヘッドパイプ14の上方に設けられ、上下方向において乗員の頭部から胸にかけての上半身部に近くなる。このため、展開状態のエアバッグ52の上下の長さを小さくしても乗員を適切に保護でき、エアバッグ装置50を小型化できる。
この構成によれば、メーター36がリテーナー51の開口51eを開閉可能に覆い、開口51eが開いた状態では開口51eからエアバッグ52が上方に展開可能である。このため、メーター36の下方のスペースを利用してリテーナー51を配置でき、自動二輪車1の前部にエアバッグ装置50をコンパクトに配置できる。
また、メーター36は、上面の表示面36bが車両側面視で後下がりとなるように傾斜して設けられ、ヒンジ36cは、回動軸線が車幅方向に指向するとともに、メーター36の後端部に設けられても良い。この構成によれば、車両側面視で後下がりに配置されるメーター36が、メーター36の後端部のヒンジ36cで回動するため、リテーナー51の開口51eを効率良く開くことができる。
また、リテーナー51及びメーター36は、ハンドル23の前方に設けられる。この構成によれば、ハンドル23の前方のメーター36の下方に位置するリテーナー51からエアバッグ52を上方に展開させることができる。
また、開口51eを覆うとともにエアバッグ52によって開裂される蓋部材54が設けられ、メーター36は、蓋部材54を上方から覆う。この構成によれば、リテーナー51内への異物の侵入を蓋部材54によって防止できる。
上記実施の形態では、メーター36は後方に回動して開口51eを開くものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、メーター36は、前端部のヒンジを介し、前方に回動して開口51eを開いても良い。また、メーター36は、車幅方向に回動して開口51eを開いても良い。
また、蓋部材54を設けずに、メーター36の下面で開口51eを直接覆っても良い。
また、メーター36は、ハンドル23の前方に設けられるものとして説明したが、メーター36は、ハンドル23の近傍に設けられれば良く、例えば、ハンドル23の後方に配置されても良い。
また、上記実施の形態では鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、及び4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
23 ハンドル
36 メーター
36b 表示面
36c ヒンジ
50 エアバッグ装置
51 リテーナー
51e 開口
52 エアバッグ
53 インフレーター
54 蓋部材
Claims (7)
- インフレーター(53)と、前記インフレーター(53)が放出するガスによって膨張するエアバッグ(52)と、前記エアバッグ(52)を収納するリテーナー(51)とを備え、前記リテーナー(51)の開口(51e)から前記エアバッグ(52)が上方に展開するエアバッグ装置を備える鞍乗り型車両において、
前記リテーナー(51)は、操舵用のハンドル(23)の近傍に設けられるメーター(36)の下方に設けられ、
前記メーター(36)は、前記開口(51e)を開閉可能に覆うことを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記メーター(36)は、ヒンジ(36c)によって回動し、前記開口(51e)を開くことを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
- 前記メーター(36)は、上面の表示面(36b)が車両側面視で後下がりとなるように傾斜して設けられ、
前記ヒンジ(36c)は、回動軸線が車幅方向に指向するとともに、前記メーター(36)の後端部に設けられることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。 - 前記メーター(36)は、前記開口(51e)を開いた状態で、前記開口(51e)の一部を上方から覆うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
- 前記メーター(36)は、後方に回動して前記開口(51e)の前部を開放させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
- 前記リテーナー(51)及び前記メーター(36)は、前記ハンドル(23)の前方に設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
- 前記開口(51e)を覆うとともに前記エアバッグ(52)によって開裂される蓋部材(54)が設けられ、
前記メーター(36)は、前記蓋部材(54)を上方から覆うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
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