JP5907605B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法の如き記録方法に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真のプロダクションプリンティングや写真印刷への展開が盛んに行われている。それに伴い、電子写真方式における画像形成において、プロダクションプリンティングや写真印刷に必須の要素である、高画質、高現像性および高耐光性が強く求められるようになってきている。
電子写真方式においてフルカラー画像を形成する場合、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの各色トナーを用いて減法混色によりフルカラー画像を形成することが一般的に行われている。そして、上記方式を用いて高画質を達成するためには、トナー中に含有される着色剤の種類、量をコントロールすることおよびその分散性を高めることによって高い着色力、広い色域、高い透明性を達成することが求められている。この要求は、視覚的な観点から、イエロートナーに対して特に高い。
上記背景から、高画質を達成するために、イエロー着色剤として顔料よりもトナー中での分散性が良好で、高着色力、広色域および高透明性を達成しやすい染料を用いる検討が行われている。
特許文献1では、高画質を達成できる着色剤として、C.I.Solvent Yellow162(以下、S.Y.162ともいう)を用いたイエロートナーの検討が行われている。
また、特許文献2では、S.Y.162、又は、S.Y.162及びアゾ系イエロー顔料と特定の結着樹脂とを組み合わせ、発色性(特にグリーン再現性)に優れたイエロートナーの検討が行われている。
特開2000−105485号公報 特開2001−324835号公報
本発明の課題は、画質性能(着色力、色域及び透過性)及び耐光性を高度に両立するトナーを提供することにある。
本発明は以下の通りである。
結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
重合性単量体に着色剤を溶解または分散して重合性単量体組成物を得る工程、
該重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有させた水系媒体中に分散して造粒する工程、及び
造粒された重合性単量体組成物の粒子中に含有される重合性単量体を重合しトナー粒子を得る工程、
を有し、
前記着色剤が着色剤Aと着色剤Bを含有し、前記着色剤Aが分子構造中にアゾ結合を含まないイソインドリン顔料であり、
前記着色剤BがC.I.Solvent Yellow 162であり、
前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Aの含有量をC(質量部)とし、前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Bの含有量をC(質量部)としたときに、C+Cが3.0質量部以上、20.0質量部以下であり、C/(C+C)が0.05以上、0.30以下であることを特徴とするトナーの製造方法
結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
結着樹脂及び着色剤を有機溶媒に溶解または分散して樹脂溶液を調製する工程、
得られた樹脂溶液を水系媒体中に分散して造粒する工程、及び
造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去してトナー粒子を得る工程、
を有し、
前記着色剤が着色剤Aと着色剤Bを含有し、前記着色剤Aが分子構造中にアゾ結合を含まないイソインドリン顔料であり、
前記着色剤BがC.I.Solvent Yellow 162であり、
前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Aの含有量をC (質量部)とし、前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Bの含有量をC (質量部)としたときに、C +C が3.0質量部以上、20.0質量部以下であり、C /(C +C )が0.05以上、0.30以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
本発明によれば、画質性能(着色力、色域及び透過性)及び耐光性を高度に両立するイエロートナーを提供することができる。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記トナー粒子が水系媒体中で生成されたものであり、
前記着色剤が着色剤Aと着色剤Bを含有し、前記着色剤Aが分子構造中にアゾ結合を含まないイソインドリン顔料であり、
前記着色剤BがC.I.Solvent Yellow 162であり、
前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Aの含有量をC(質量部)とし、前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Bの含有量をC(質量部)としたときに、C+Cが3.0質量部以上、20.0質量部以下であり、C/(C+C)が0.05以上、0.30以下であることを特徴とする。
本発明において上記課題が解決された理由を以下のように考察している。
一般的に、カラートナーに用いられる着色剤は染料と顔料の二つに大別される。このうち染料は着色力及び透明性が高く、色域も広いが耐光性に課題がある。一方、顔料は耐光性が高いが着色力、透明性および色域に課題がある。
染料の中でもS.Y.162は色域が広く、また、染料の中では耐光性に優れるためイエロートナー用着色剤として用いられる。
しかしながら、顔料と比較した耐光性のレベルは高くはないため、耐光性を高めるために他の顔料と併用することが一般的である。
しかし、イエロートナーに用いられる一般的な顔料であるアゾ顔料とS.Y.162とを併用し、さらに、水系媒体中でトナー粒子を得た場合、S.Y.162の添加量から予測されるよりも画像濃度が向上せず、且つ、色域が狭くなる。さらに、併用されるS.Y.162の添加量が少なくなるほどその傾向は顕著である。また、S.Y.162とアゾ顔料を併用した場合には、高速現像時に画像弊害を発生しやすい。
これらの原因として、S.Y.162の構造中に含まれるアゾ結合がアゾ顔料のアゾ結合と強く相互作用することにより、S.Y.162がトナー中で顔料周辺に偏在するためと考えている。
従って、本発明において、S.Y.162と併用する顔料としてアゾ結合を含まないイソインドリン顔料を用い、S.Y.162と顔料との相互作用を適度なものとし、トナー中でのS.Y.162の偏在を抑制した。
また、S.Y.162の全着色剤中に占める割合を上記の如く特定の範囲とすることで、高耐光性を確保した。これらの技術思想により、本発明のトナーにおいて、画質性能(着色力、色域及び透過性)及び耐光性の高度な両立を可能にしたと考える。
本発明において、着色剤Aは分子構造中にアゾ結合を含まないイソインドリン顔料である。具体例として、C.I.Pigment Yellow 139(以後単に、P.Y.139ともいう)及びC.I.Pigment Yellow 185(以後単に、P.Y.185ともいう)等が挙げられ、好ましくはP.Y.185である。なお、着色剤Aはアゾ結合を含まないイソインドリン顔料であれば上記具体例に限定されず用いることができる。
本発明において、S.Y.162と上記アゾ結合を含まないイソインドリン顔料を併用した場合、その他の要件との相乗効果により、着色力が高く、色域が広く、耐光性および現像性にすぐれたものとなる。さらには、着色剤AとしてP.Y.185を用いた場合、S.Y.162との相互作用が最適であるため、S.Y.162の偏在が抑制されることに加え、P.Y.185の分散性も良好となる。そのため、着色力が更に高まる。
ここで、着色剤Aとして分子構造中にアゾ結合を含む顔料を用いた場合、上記した通り
、S.Y.162のアゾ結合と顔料のアゾ結合との強い相互作用により、顔料周辺にS.Y.162の偏在が生じる。
本発明において、結着樹脂100質量部に対する着色剤Aの含有量をC(質量部)とし、結着樹脂100質量部に対する着色剤Bの含有量をC(質量部)としたときに、C+Cは3.0質量部以上、20.0質量部以下であり、好ましくは、5.0質量部以上、10.0質量部以下である。
+Cが3.0質量部未満の場合、着色力および色域に弊害を生じる。一方、C+Cが20.0質量部を超える場合、透過性及び現像性に弊害を生じる。
また、C/(C+C)は0.05以上、0.30以下であり、好ましくは0.10以上、0.15以下である。
/(C+C)が0.05以上、0.30以下である場合、その他の要件との相乗効果により、着色力が高く、色域が広く、耐光性および現像性に優れたものとなる。また、C/(C+C)が0.10以上、0.15以下である場合には、当該効果はより向上する。
/(C+C)は着色剤中に占めるS.Y.162の割合を表すことから、着色力、色域および耐光性に対する影響が大きい。C/(C+C)が0.05未満の場合、全着色剤に占めるS.Y.162の比率が低いため、着色力、色域および透過性に弊害を生じる。一方、C/(C+C)が0.30を超える場合、全着色剤に占めるS.Y.162の比率が高いため、耐光性に弊害を生じる。
本発明において、着色剤AのpHをpHとし、着色剤BのpHをpHとしたときに、pH及びpHの差の絶対値|pH−pH|が1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下である。
|pH−pH|が1.0以下である場合、着色剤AとS.Y.162との凝集が更に抑制されることにより、色域がより広くなる。また、|pH−pH|が0.3以下である場合には上記効果はさらに向上する。
なお、上記pH及びpHは着色剤に適宜表面処理を施すこと等により調整することが可能である。
以下、本発明のトナーに用いられる材料に関して説明する。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特段の制限なく公知の樹脂を用いることができる。
具体的には、以下の;ビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用できる。なお、ビニル系樹脂としてはスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等に代表されるスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等に代表される不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等に代表される不飽和カルボン酸;マレイン酸等に代表される不飽和ジカルボン酸;マレイン酸無水物等に代表される不飽和ジカルボン酸無水物;アクリロニトリル等に代表されるニトリル系ビニル単量体;塩化ビニル等に代表される含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロスチレン等に代表されるニトロ系ビニル単量体;等の単量体の単重合体または共重合体を用いることができる。
本発明において、上記着色剤Aおよび着色剤Bの他に、色味調整等の目的で、耐光性、着色力、色域、透過性および現像性に影響を与えない範囲で、特段の制限なく、従来公知の黒、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色、並びに他の色の顔料、染料、及び磁性体等を用いることができる。
黒色着色剤としては、カーボンブラックに代表される黒色顔料等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物;ジスアゾ化合物;縮合アゾ化合物;アゾ結合を含むイソインドリノン化合物;ベンズイミダゾロン化合物;アンスラキノン化合物;アゾ金属錯体;メチン化合物;アリルアミド化合物等に代表されるイエロー顔料およびイエロー染料等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物;縮合アゾ化合物;ジケトピロロピロール化合物;アントラキノン化合物;キナクリドン化合物;塩基染料レーキ化合物;ナフトール化合物:ベンズイミダゾロン化合物;チオインジゴ化合物;ペリレン化合物等に代表されるマゼンタ顔料およびマゼンタ染料等が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物;塩基染料レ−キ化合物等に代表されるシアン顔料およびシアン染料等が挙げられる。
さらに本発明のトナーは、上記着色剤Aおよび着色剤Bの他に、耐光性、着色力、色域、透過性および現像性に影響を与えない範囲で、着色剤として磁性材料を含有させた磁性トナーとすることも可能である。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。磁性材料としては、以下の、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等に代表される酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等に代表される金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金及びその混合物等が挙げられる。
さらに、本発明のトナーには、現像性を向上させる目的で、極性樹脂をトナー粒子に含有させることが好ましい。本発明において極性樹脂とはその構造中にカルボキシ基を有する樹脂を指す。また、下記SP値とは、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値であり、2成分系溶液の溶解度の目安となるものである。
本発明のトナーに用いられる極性樹脂は、酸価3.0(mgKOH/g)以上であることが好ましい。また、前記極性樹脂を極性樹脂Lとし、本発明に用いられる結着樹脂のSP値をδ(cal/cm1/2、極性樹脂LのSP値をδ(cal/cm1/2としたときに、下記式(1)および(2)の関係を満たすことが好ましい。
8.70≦δ≦9.50 (1)
0.00≦|δ−δ|≦0.70 (2)
上記関係式を満たすことにより、SP値の序列と極性樹脂が持つ酸価により、トナー粒子は結着樹脂からなる内層、結着樹脂と極性樹脂Lが相溶した外層の2層構造をとると考えられる。そして、外層に分布するカルボキシ基により、S.Y.162のトナー粒子表層への析出を効果的に抑制することが可能となり、現像性がさらに向上する。
また、本発明のトナーには上記した極性樹脂Lに加え、極性樹脂Hを含有することが更に好ましい。この場合、前記極性樹脂HのSP値をδ(cal/cm1/2としたときに、上記式(1)および(2)の関係式を満たすことに加え、下記式(3)の関係を満たすことが特に好ましい。
1.00≦δ−δ≦3.00 (3)
上記関係式を満たすことにより、SP値の序列と極性樹脂が持つ酸価により、トナー粒子は内側から、結着樹脂からなる内層、結着樹脂と極性樹脂Lが相溶した中間層、そして極性樹脂Hからなる表層の3層構造をとると考えられる。また、中間層と表層の間には界面が存在すると考えられる。そして、中間層及び表層に存在するカルボキシ基と中間層と表層の間に存在する界面がS.Y.162のトナー粒子表層への析出をさらに効果的に抑制することにより、現像性が一層向上する。
ここで、上記極性樹脂Lの酸価は、25.0(mgKOH/g)以下であることが好ましく、上記極性樹脂Hの酸価は、20.0(mgKOH/g)以下であることが好ましい。
本発明のトナーに用いられる極性樹脂としてはカルボキシ基を有するものであれば特段の制限なく公知の樹脂を用いることができる。具体的にはカルボキシ基含有ビニル系樹脂
;カルボキシ基含有ポリエステル系樹脂;カルボキシ基含有ポリウレタン系樹脂;カルボキシ基含有ポリアミド系樹脂等が挙げられる。なお、カルボキシ基含有ビニル系樹脂としては以下の;不飽和カルボン酸;不飽和ジカルボン酸;等に代表されるカルボキシ基含有モノマーの単重合体、および、上記カルボキシ基含有モノマーと;スチレン系単量体;不飽和カルボン酸エステル;不飽和ジカルボン酸無水物;ニトリル系ビニル単量体;含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロ系ビニル単量体;等との共重合体等を用いることができる。
中でも、本発明においては着色剤のトナー粒子表層への析出を効果的に抑制するという観点からビニル系極性樹脂とポリエステル系極性樹脂を併用することがより好ましい。
極性樹脂の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、5乃至30質量部であることが好ましい。
本発明のトナー粒子には、トナー特性向上のために、さらに離型剤を含有してもよい。具体例として、以下の;ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル等に代表される単官能エステルワックス類;セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネート等に代表される二官能エステルワックス類;グリセリントリベヘネート等に代表される三官能エステルワックス類;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等に代表される四官能エステルワックス類;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート等に代表される六官能エステルワックス類;ポリグリセリンベヘネート等に代表される多官能エステルワックス類;カルナバワックス、ライスワックス等に代表される天然エステルワックス類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;酸アミドワックス等が挙げられる。
離型剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、1乃至40質量部であることが好ましい。
本発明のトナー粒子には、トナー特性向上のために、さらに荷電制御剤を含有してもよい。具体例としては、負帯電用荷電制御剤として以下の、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等に代表される芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体;アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。また、正帯電用荷電制御剤として以下の、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物等が挙げられる。なお、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸等に代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体あるいは結着樹脂の項に示したビニル系モノマーと上記スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体等を用いることができる。
荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.1乃至10質量部であることが好ましい。
本発明のトナーには、トナー特性向上のために、流動性向上剤を含有してもよい。本発明のトナーに用いられる流動性向上剤としては、特段の制限なく従来公知の流動性向上剤を用いることができる。具体的には以下の;フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等に代表されるフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等に代表される脂肪酸金属塩;酸化チタン粉末、酸化アルミニ
ウム粉末、酸化亜鉛粉末等に代表される金属酸化物または上記金属酸化物を疎水化処理した粉末;及び湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等に代表されるシリカ微粉末またはそれらシリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルに代表される処理剤により表面処理を施した表面処理シリカ微粉末等が挙げられる。
流動性向上剤の使用量としては、トナー粒子100質量部に対して、0.01乃至5質量部であることが好ましい。
続いて、以下に本発明のトナーの製造方法に関して説明する。
本発明のトナーの製造方法としては、水系媒体中においてトナー粒子を生成するものであれば特段の制限なく従来公知の方法を用いることができる。具体的には、懸濁重合法;溶解懸濁法;乳化凝集法等が挙げられる。中でも着色剤Aの分散性が良好になるという観点から、懸濁重合法および溶解懸濁法が好ましく、懸濁重合法がより好ましい。
懸濁重合法においてトナー粒子を得る場合には、重合性単量体に着色剤、並びに必要に応じて、極性樹脂、離型剤、及び荷電制御剤等その他材料を均一に溶解または分散して重合性単量体組成物とする。その後、この重合性単量体組成物を必要に応じて分散安定剤を含有させた水系媒体中に適当な撹拌器を用いて分散して造粒する。その後、造粒された粒子中に含有される重合性単量体を重合して、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。上記トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤を混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合の重合性単量体としては、結着樹脂の項に示したビニル系単量体が挙げられる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに重合開始剤を用いてもよい。本発明のトナーの製造に用いられる重合開始剤としては、特段の制限なく公知の重合開始剤を用いることができる。具体的には以下の、;2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等に代表されるアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチルパーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等に代表される過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を用いることができる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに水系媒体に無機または有機の分散安定剤を含有してもよい。分散安定剤としては特段の制限なく公知の分散安定剤を用いることができる。具体的には無機の分散安定剤として以下の、ヒドロキシアパタイト、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等に代表されるリン酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等に代表される炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等に代表される金属水酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等に代表される硫酸塩、メタケイ酸カルシウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。また、有機の分散安定剤としては以下の、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等が挙げられる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに水系媒体に界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては特段の制限なく公知の界面活性剤を用いることができる。具体的には以下の、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等に代表されるアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両性界面活性剤;ノニオン性界面活
性剤;等が挙げられる。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて上記無機化合物を生成させて用いてもよい。
例えばヒドロキシアパタイトや第三リン酸カルシウムなどのリン酸カルシウム類の場合、高撹拌下において、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液を混合するとよい。
一方、溶解懸濁法においてトナー粒子を得る場合には、有機溶媒に、結着樹脂及び着色剤、並びに必要に応じて、極性樹脂、離型剤、及び荷電制御剤等その他材料を均一に溶解または分散して樹脂溶液を調製する。得られた樹脂溶液を水系媒体中に分散して造粒し、造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去して、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤を混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
上記有機溶剤としては、トナー組成物を溶解、及び/又は分散可能な溶媒であれば特に限定されるものではない。好ましいものとしては、有機溶剤の沸点が150℃未満の揮発性であることが、除去容易である点から好ましい。該有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフランなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
以下に本発明に係る物性値の測定方法に関して説明する。
(着色剤のpH測定)
着色剤のpHは、JIS K5101−17−1:2004により規定された方法により測定する。JIS K5101−17−1:2004は、JIS Z8802−1984で規定された、ガラス電極と比較電極からなる検出部と、検出された電位差を表示する指示部とで構成されるpHの再現性が±0.02以内、±0.05以内、又は±0.1以内のpH計を用いて、着色剤顔料の水性懸濁液pHを測定するものであり、以下に述べる煮沸法により行う。
煮沸法では、試料(本発明では、着色剤)5.0gを300mLの三角フラスコ中に小数点第1位の桁まで秤取る。その後、この試料に蒸留法やイオン交換法により精製した後約5分間煮沸し、溶存する二酸化炭素を脱気した水100mLを加える。続いて、栓を外した状態のまま約5分間加熱して煮沸状態にした後、更に5分間煮沸する。なお、試料が分散し難い時は、湿潤剤として純度95%のエタノール5乃至10mLを三角フラスコに加え、試料を良く分散させた後に、上記エタノールの添加量を含めた液量が100mLとなるように水を加える。5分間煮沸後、三角フラスコに栓をした状態で、常温まで放冷後、栓を開き煮沸により減少した量に相当する水を加えて補い、再び栓をして1分間振り混ぜた後、5分間静置したものを試料の水性懸濁液とする。
上記方法により処理した顔料の水性懸濁液をJIS Z8802−1984の7で規定された測定方法により、以下のようにガラス電極によるpH計でpHを測定する。
まず、電極を洗浄したものをJIS Z8802−1984の7で規定された手法により、pH計の調整を行う。
次に、上記方法により調製された水性懸濁液を測定値が変化しない程度の液量10〜25mLをとる。その後、水性懸濁液の液温が±0.1℃以上変化がないようにし、上述したJIS Z8802−1984の7で規定されたガラス電極を有するpH計により測定を行う。引き続いて測定される3回の結果が、用いるpH計の再現性に応じて、それぞれ±0.02、±0.05、又は±0.1以内の範囲で一致するまで行った値を平均し、着色剤のpHとする。
(樹脂のSP値測定)
極性樹脂および結着樹脂の溶解度パラメータ(SP値)は、濁度滴定法により以下のよ
うに求める。まず、樹脂約0.5gを100mlビーカー中に秤量する。続いて樹脂の良溶媒としてアセトン(SP値 δ=9.77(cal/cm1/2)を10mlホールピペットで加え、マグネチックスターラーを用いて撹拌し、樹脂を溶解させてサンプルとする。続いてSP値の低い貧溶媒としてヘキサン(SP値 δpl=7.24(cal/cm1/2)を50mlのビュレットを用いてサンプルに滴下し、濁りが生じた点のヘキサンの滴下量からその時のヘキサンの体積分率φplを求める。次にSP値の高い貧溶媒としてメタノール(SP値 δph=14.50(cal/cm1/2)を50mlのビュレットを用いてサンプルに滴下し、濁りが生じた点のメタノールの滴下量からその時のメタノールの体積分率φphを求める。ヘキサンを滴下して生じた濁点における樹脂のSP値δml、およびメタノールを滴下して生じた濁点における樹脂のSP値δmhは、それぞれ、以下の式(1)および式(2)から求めることができる。また、δmlおよびδmhの平均値が樹脂のSP値δであり、以下の式(3)から求めることができる。
δml=φpl×δpl+(1−φpl)δ 式(1)
δmh=φph×δph+(1−φph)δ 式(2)
δ=(δml+δmh)/2 式(3)
なお、今回は良溶媒としてアセトン、低SP値の貧溶媒としてヘキサン、高SP値の貧溶媒としてメタノールをそれぞれ用いたが、樹脂が溶解しにくい場合や、濁りが生じにくい場合には適宜SP値が既知の他種の溶媒を用いてもよい。
(極性樹脂の酸価測定)
極性樹脂の酸価は以下の方法により測定した。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。極性樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定した。具体的には、以下の手順に従って測定した。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとした。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得た。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求めた。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いた。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した極性樹脂および結着樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解した。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとした。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行った。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出した。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
続いて、以下に本発明のトナーを用いることができる画像形成方法に関して説明する。
本発明のトナーは特段の制限なく従来公知の画像形成方法に対して用いることが可能である。具体的には非磁性1成分接触現像方式、磁性1成分ジャンピング現像方式、2成分ジャンピング現像方式等が挙げられる。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。以下にトナーの製造方法について記載する。製造例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
(着色剤の製造例)
着色剤1から着色剤7として、以下の表1に示す着色剤を用いた。
着色剤の製造例を以下に示す。
<着色剤4の製造例>
・イオン交換水 1500質量部
・Paliotol Yellow D1155(BASF社製:P.Y.185)
100質量部
上記材料を撹拌・混合し、Paliotol Yellow D1155を水中に懸濁させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて上記懸濁液をpH11に調整した。ここに20質量部の不均化ロジン1(酸価:170mgKOH/g)および33質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液30質量部を添加した。液温を98℃に昇温した後、温度を保ったまま1時間撹拌した。65℃に降温した後、31質量%濃度の塩酸約60質量部を添加してpHを4に調整して着色剤を沈殿させた。沈殿した組成物をろ別し、イオン交換水によって洗浄した後乾燥し、着色剤4を得た。着色剤4のpHは5.0であった。
<着色剤5>
着色剤4の製造例において、不均化ロジン1を不均化ロジン2(酸価:140mgKOH/g)に変更する以外は着色剤4の製造例と同様にして着色剤5を得た。着色剤5のpHは5.2であった。
<着色剤6>
着色剤5の製造例において、Paliotol Yellow D1155をECY217(大日精化社製:C.I.Pigment Yellow 17、以下単に、P.Y.17ともいう)に変更する以外は着色剤5の製造例と同様にして着色剤6を得た。着色剤6のpHは5.2であった。
なお、着色剤1としてはPaliotol Yellow D1155を、着色剤2としてはNeptun Yellow 075(BASF社製:S.Y.162)を、着色
剤3としてはPaliotol Yellow D1819(BASF社製:C.I.Pigment Yellow 139、以下単に、P.Y.139ともいう)を、着色剤7としてはECY217をそれぞれ特別な処理をすることなく用いた。各着色剤のpHは以下の表1に示す値であった。
Figure 0005907605
(極性樹脂の製造例)
極性樹脂A1乃至極性樹脂A3、並びに、極性樹脂B1乃至極性樹脂B4として、以下の表2および表3に示す極性樹脂を用いた。
極性樹脂の製造例を以下に示す。
<極性樹脂A1>
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中にキシレン(沸点144℃)300質量部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、
・スチレン 91.70質量部
・メタクリル酸メチル 2.50質量部
・メタクリル酸 3.30質量部
・メタクリル酸‐2−ヒドロキシエチル 2.50質量部
・開始剤:ジ−tert−ブチルパーオキサイド 2.00質量部
の混合液を添加した後、重合温度140℃にて重合を5時間行った。その後、減圧下にて脱溶剤工程を3時間行い、キシレンを除去して、粉砕することで極性樹脂A1を得た。極性樹脂A1の物性を表2に示す。
<極性樹脂A2およびA3>
極性樹脂A1の製造例において、使用する単量体を表2に記載の物に変更する以外は極性樹脂A1の製造例と同様にして極性樹脂A2および極性樹脂A3を得た。
<極性樹脂B1>
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に
・テレフタル酸 24.00質量部
・イソフタル酸 24.00質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 115.20質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物 12.80質量部
・触媒:シュウ酸チタンカリウム 0.035質量部
上記ポリエステルモノマーおよび触媒を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下220℃で20時間反応を行い、更に10〜20mmHgの減圧下で1時間反応させた。その後、170℃に降温し、無水トリメリット酸を0.15質量部添加して、170℃で1.0時間反応させ、降温後粉砕し、極性樹脂B1を得た。極性樹脂B1の物性を表3に示す。
<極性樹脂B2乃至極性樹脂B4>
極性樹脂B1の製造例において、使用する単量体を表3に記載の物に変更する以外は極性樹脂B1の製造例と同様にして極性樹脂B2乃至極性樹脂B4を得た。
Figure 0005907605
Figure 0005907605
(トナーの製造例)
(トナー1)
下記の方法により懸濁重合トナーを製造した。
・スチレン 34.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 30.0質量部
・極性樹脂A1 15.0質量部
・極性樹脂B1 5.0質量部
・荷電制御剤:ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部
・着色剤2 1.0質量部
上記材料を混合し、2時間撹拌して極性樹脂を溶解させ、極性樹脂含有単量体組成物を得た。
・スチレン 36.0質量部
・着色剤1 6.0質量部
上記材料を混合し、アトライター(三井鉱山社製)にてジルコニアビーズ(3/16インチ)とともに200rpmで3時間撹拌し、ビーズを分離して着色剤分散液を得た。
・極性樹脂含有単量体組成物 86.0質量部
・着色剤分散液 42.0質量部
上記材料を混合した。続いて混合物を60℃に加温し、離型剤として10.0質量部のベヘン酸ベヘニルを加えた。次いで、重合開始剤 パーブチルO(日油社製)5.0質量部を添加し5分間撹拌して、トナー用重合性単量体組成物を得た。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−NaPO水溶液850質量部および10%塩酸8.0質量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl水溶液68質量部を添加し、微少な難水溶性分散剤Ca(POを含む水系媒体を調製した。トナー用重合性単量体組成物に重合開始剤投入後、5分たった後に、60℃のトナー用重合成単量体組成物を温度60℃に加温した水系媒体に投入し、クレアミックスを15000rpmで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら60℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに5時間反応させた。重合終了後、液温を約20℃に降温し、希塩酸を加えて水
系媒体のpHを3.0以下として難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た。
その後、トナー粒子100.0質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m/g)2.0質量部を加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用い、3000rpmで15分間混合してトナー1を得た。トナー1の物性を表6に示す。
(トナー2乃至トナー8、トナー11乃至トナー39)
トナー1の製造例において、着色剤種、モノマー組成、極性樹脂種および極性樹脂添加部数を表4および表5に記載のものに変更する以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー2乃至トナー8およびトナー11乃至トナー39を合成した。トナー2乃至トナー8およびトナー11乃至トナー39の物性値を表6に示す。
(トナー9)
下記の方法により、溶解懸濁トナーを製造した。
(離型剤分散剤の製造例)
・キシレン 300.0質量部
・ベヘン酸ベヘニル 100.0質量部
を温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ中に入れ、窒素雰囲気下、150℃に昇温した。
・スチレン 100.0質量部
・アクリロニトリル 84.0質量部
・マレイン酸モノブチル 120.0質量部
・ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート 5.0質量部
・キシレン 200.0質量部
の混合溶液を3時間かけて滴下し、さらに150℃で60分間保持して重合を行った。これをメタノール2000質量部に投入した後、ろ過、乾燥して、離型剤分散剤を得た。
(離型剤分散液の製造例)
平均粒子径20μmに解砕したベヘン酸ベヘニル:100.0質量部を、メタノール:100.0質量部に入れ、回転数150rpmで10分間撹拌して洗浄した後、濾別した。これを3回繰り返した後、濾別し、乾燥して離型剤を回収した。
得られた離型剤:90.0質量部、前記離型剤分散剤10.0質量部、酢酸エチル:100.0質量部を、直径20mmのジルコニアビーズを入れたアトライター(三井鉱山社製)に入れ、150rpmで2時間分散させた。ジルコニアビーズを分離して、離型剤分散液を得た。
(着色剤分散液の製造例)
ジルコニアビーズ(3/16インチ)を入れたアトライター(三井鉱山社製)に、着色剤1:20.0質量部、酢酸エチル:80.0質量部を入れ、回転数300回転/分で8時間回転させた。ジルコニアビーズを分離して着色剤分散液を得た。
(トナーの製造例)
・結着樹脂:スチレン/アクリル酸n−ブチル共重合体 100
.0質量部
(スチレン/アクリル酸n−ブチル共重合比=70:30(質量)、ピーク分子量Mp=22000、Mw=35000、Mw/Mn=2.4、Tg=51℃)
・極性樹脂A1 15.0質量部
・極性樹脂B1 5.0質量部
・離型剤分散液 20.0質量部
・着色剤分散液 30.0質量部
・着色剤2 1.0質量部
・荷電制御剤:ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部
・酢酸エチル 300.0質量部
を均一に混合してトナー組成物を形成した。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−NaPO水溶液850質量部および10%塩酸8.0質量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl2水溶液68質量部を添加し、微少な難水溶性分散剤Ca(POを含む水系媒体を調製した。
水系媒体を30乃至35℃に保持し、回転数15000rpmを維持しつつ、上記トナー組成物を水系媒体に投入し、2分間造粒した。その後、イオン交換水500質量部を投入した。通常のプロペラ撹拌装置に変更し、水系媒体を30乃至35℃に保持し、撹拌装置の回転数を150rpmとして、容器内を52kPaに減圧して酢酸エチルの残留量が200ppmになるまで留去した。
次いで、水系媒体を80℃に昇温し、80℃で30分間加熱処理した。これを冷却速度0.15℃/分で25℃まで冷却した。内温を20.0乃至25.0℃に保持しつつ、水系分散媒体中に希塩酸を添加し、難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対してトナー1の製造例と同様に流動性向上剤を添加し、トナー9を得た。
(トナー10)
下記の方法により、乳化凝集トナーを製造した。
(樹脂微粒子分散液の調製)
フラスコ中で下記の材料を混合し、水系媒体を調製した。
・イオン交換水 500.0質量部
・非イオン性界面活性剤:ノニポール400(花王製) 6.0質量部
・アニオン性界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬製) 10.0質量部
また、下記の材料を混合し、混合溶液を得た。
・スチレン 70.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 30.0質量部
・荷電制御剤:ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部
上記の混合溶液を上記水系媒体中に分散・乳化して、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水溶液50質量部を投入した。次いで、系内を十分に窒素で置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が温度70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これによりアニオン性樹脂微粒子分散液を得た。
(着色剤粒子分散液の調製)
・イオン交換水 100.0質量部
・着色剤1 6.0質量部
・着色剤2 1.0質量部
・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製) 1.0質量部
上記成分を混合溶解し、ウルトラタラックスT50(IKA社製)により10分間分散し、着色剤粒子分散液を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
・イオン交換水 100.0質量部
・ベヘン酸ベヘニル 10.0質量部
・カチオン性界面活性剤 サニゾールB50(花王製) 5.0質量部
上記成分を温度95℃に加熱して、ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液を得た。
(シェル形成用微粒子分散液1の調製)
・イオン交換水 100.0質量部
・酢酸エチル 50.0質量部
・極性樹脂A1 15.0質量部
上記成分を混合撹拌した。その溶解液をウルトラタラックスT50で乳化させながら、温度80℃で加熱して6時間保持することで脱溶剤を行い、シェル形成用微粒子分散液を得た。
(シェル形成用微粒子分散液2の調製)
・イオン交換水 100.0質量部
・酢酸エチル 50.0質量部
・極性樹脂B1 5.0質量部
上記成分を混合撹拌した。その溶解液をウルトラタラックスT50で乳化させながら、温度80℃で加熱して6時間保持することで脱溶剤を行い、シェル形成用微粒子分散液を得た。
(トナー粒子の作製)
上記樹脂微粒子分散液、上記着色剤粒子分散液、上記離型剤粒子分散液、及びポリ塩化アルミニウム1.2質量部を混合して、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら温度51℃まで加熱した。温度51℃で60分保持した後、ここに上記シェル形成用微粒子分散液1およびシェル形成用微粒子分散液2を添加した。その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら温度97℃まで加熱して6時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を行った。これをさらに温度40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返した後、ヌッチェ式吸引ろ過によりろ紙(No.5A)を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対してトナー1の製造例と同様にして流動性向上剤を添加し、トナー10を得た。
(実施例1乃至21、比較例1乃至6、参考例1乃至12)
上記トナー1乃至トナー39を表7および表8に記載の組み合わせにて後述する評価を行った。なお、参考例1乃至12に関しては、画質の項目のみ評価を行った。
また、実施例10を参考例10Bとする。
Figure 0005907605
Figure 0005907605
Figure 0005907605
続いて、以下に本発明の評価方法および評価基準について説明する。
なお、画像形成装置としては市販のレーザープリンターであるHP Color LaserJet Enterprise CP4525dn(HP社製)の改造機を用いた。
この評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが300mm/secとなるようにした。
(2)評価に用いるカートリッジはイエローカートリッジを用いた。すなわち、市販のイエローカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを220g充填して評価を行った。なお、シアン、マゼンタ、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたシアン、マゼンタ、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
〔1〕画質
常温常湿環境(23℃/50%RH)下に、トナーを充填したプロセスカートリッジ、
普通紙「キヤノンカラーレーザーコピア用紙」(キヤノン社製:81.4g/m)、高グロス紙「HP Laser Photo Paper 220g」(HP社製:220g/m)およびOHPシート「CG3700」(3M社製)を72時間放置した。その後、濃度検知補正を行い、続いて1%の印字比率の画像をキヤノンカラーレーザーコピア用紙に1000枚出力した。
その後、キヤノンカラーレーザーコピア用紙上にトナー載り量0.45(mg/cm)の画像を定着温度190℃、プロセススピード300mm/secにて出力した。同様にCG3700上にトナー載り量0.45(mg/cm)の画像を定着温度190℃、プロセススピード80mm/secにて出力した。また、HP Laser Photo
Paper 220g上に、X−Riteカラー反射濃度計(color refledtion densitometer X−Rite404A)によって測定した画像濃度が1.40±0.05となるように調整した画像を定着温度190℃、プロセススピード80mm/secにて出力した。
〔1−1〕着色力
キヤノンカラーレーザーコピア用紙上の画像に関して、画像濃度をX−Riteカラー反射濃度計を用いて測定した。続いて、トナー1乃至トナー27を用いた画像の画像濃度をトナー28乃至トナー39を用いた画像の画像濃度と比較することにより(着色剤Aの添加部数が同じトナー同士を比較する)、S.Y.162の添加量に対する画像濃度の上昇量を求めた。その後、以下の評価基準に基づき着色力の評価を行った。
A:画像濃度が1.60以上かつ画像濃度の上昇量が0.20(1/質量部)以上であり、着色力に非常に優れる。
B:画像濃度が1.50以上かつ画像濃度の上昇量が0.15(1/質量部)以上(但し、評価Aの場合を除く)であり、着色力に優れる。
C:画像濃度が1.40以上かつ画像濃度の上昇量が0.10(1/質量部)以上(但し、評価A及びBの場合を除く)であり、着色力において実使用上問題ないレベルである。D:画像濃度が1.40未満または画像濃度の上昇量が0.10(1/質量部)未満であり、着色力において劣ったレベルである。
〔1−2〕色域
着色力測定と同様の画像に関してそれらのa、bおよび彩度(C)を「Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて測定した。続いて、トナー1乃至トナー27を用いた画像の彩度(C)をトナー28乃至トナー39を用いた画像の彩度(C)と比較することにより(着色剤Aの添加部数が同じトナー同士を比較する)、S.Y.162の添加量に対する彩度(C)の上昇量を求めた。その後、以下の評価基準に基づき色域の評価を行った。
A:彩度(C)が85.0以上かつ彩度(C)の上昇量が10.0以上であり、色域が非常に広い。
B:彩度(C)が82.5以上かつ彩度(C)の上昇量が7.5以上(但し、評価Aの場合を除く)であり、色域が広い。
C:彩度(C)が80.0以上かつ彩度(C)の上昇量が5.0以上(但し、評価A及びBの場合を除く)であり、色域において実使用上問題ないレベルである。
D:彩度(C)が80.0未満または彩度(C)の上昇量が5.0未満であり、色域において劣ったレベルである。
〔1−3〕透過性
透過型OHP「9550」(3M社製)にて、CG3700上の画像を白色スクリーン上に投影し、投影画像上のaおよびbを測定した。投影画像とキヤノンカラーレーザーコピア用紙上の画像との色差(ΔE)の値から以下の評価基準に基づき透過性の評価を行った。
A:色差(ΔE)が10.0未満であり、透過性に非常に優れる。
B:色差(ΔE)が10.0以上15.0未満であり、透過性に優れる。
C:色差(ΔE)が15.0以上20.0未満であり、透過性において実使用上問題ないレベル。
D:色差(ΔE)が20.0以上であり、透過性において実使用上問題となるレベル。
〔2〕耐光性
HP Laser Photo Paper 220g上の画像に対し、スーパー蛍光灯フェードメーター FL(スガ試験機社製)中にて強度80000(lux)の光を600時間照射し、照射前後の画像濃度の変化率を求めた。その変化率の値から、以下の評価基準に基づき耐光性の評価を行った。なお、画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(color refledtion densitometer X−Rite404A)によって測定した。
A:画像濃度変化率が20%未満であり、耐光性に非常に優れる。
B:画像濃度変化率が20%以上25%未満であり、耐光性に優れる。
C:画像濃度変化率が25%以上30%未満であり、耐光性において実使用上問題ないレベル。
D:画像濃度変化率が30%以上であり、耐光性において実使用上問題となるレベル。
〔3〕現像性
常温常湿環境(23℃/50%RH)下、低温低湿環境(15℃/10%RH)下および高温高湿環境(30℃/80%RH)下に、トナーを充填したプロセスカートリッジおよびキヤノンカラーレーザーコピア用紙を72時間放置した。また、高温高湿環境下にはHP Laser Photo Paper 220gも同様に放置した。その後、各環境下にて濃度検知補正を行い、続いて1%の印字比率の画像をキヤノンカラーレーザーコピア用紙に10000枚出力した。
〔3−1〕低温低湿環境部材汚染
10000枚出力後、常温常湿環境下および低温低湿環境下において、ハーフトーン画像を1枚出力した。またプロセスカートリッジ(CRG)内の現像ローラに関して目視観察を行った。その後、以下の評価基準に基づき、部材汚染の評価を行った。
A:現像ローラ上に全く着色が認められず、ハーフトーン画像上にも部材汚染に起因する画像弊害は認めらない。非常に優れたレベル。
B:現像ローラ上にやや着色が認められるものの、ハーフトーン画像上には部材汚染に起因する画像弊害は認められない。優れたレベル。
C:現像ローラ上に着色が認められるものの、ハーフトーン画像上には部材汚染に起因する画像弊害は認められない。実使用上問題ないレベル。
D:現像ローラ上に着色が認められ、ハーフトーン画像上には部材汚染に起因する画像弊害が発生する。実使用上問題となるレベル。
〔3−2〕高温高湿環境カブリ
10000枚出力後、常温常湿環境下および高温高湿環境下において、印字されないよう一部分を覆って保護したHP Laser Photo Paper 220g上に印字濃度0%の画像を1枚出力した。続いて、画像上および保護した部分の白色度を、ブルーフィルターを搭載したリフレクトメーター(「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」東京電色株式会社製)にて測定し、白色度の差からカブリを算出した。その後、以下の評価基準に基づきカブリを評価した。
A:カブリが0.5%未満であり、非常に優れたレベル。
B:カブリが0.5%以上、1.0%未満であり、優れたレベル。
C:カブリが1.0%以上、1.5%未満であり、実使用上問題ないレベル。
D:カブリが1.5%以上であり、劣ったレベル。
Figure 0005907605
Figure 0005907605

Claims (6)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    重合性単量体に着色剤を溶解または分散して重合性単量体組成物を得る工程、
    該重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有させた水系媒体中に分散して造粒する工程、及び
    造粒された重合性単量体組成物の粒子中に含有される重合性単量体を重合しトナー粒子を得る工程、
    を有し、
    前記着色剤が着色剤Aと着色剤Bを含有し、
    前記着色剤Aが分子構造中にアゾ結合を含まないイソインドリン顔料であり、
    前記着色剤BがC.I.Solvent Yellow 162であり、
    前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Aの含有量をC(質量部)とし、前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Bの含有量をC(質量部)としたときに、C+Cが3.0質量部以上、20.0質量部以下であり、C/(C+C)が0.05以上、0.30以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    結着樹脂及び着色剤を有機溶媒に溶解または分散して樹脂溶液を調製する工程、
    得られた樹脂溶液を水系媒体中に分散して造粒する工程、及び
    造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去してトナー粒子を得る工程、
    を有し、
    前記着色剤が着色剤Aと着色剤Bを含有し、
    前記着色剤Aが分子構造中にアゾ結合を含まないイソインドリン顔料であり、
    前記着色剤BがC.I.Solvent Yellow 162であり、
    前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Aの含有量をC(質量部)とし、前記結着樹脂100質量部に対する前記着色剤Bの含有量をC(質量部)としたときに、C+Cが3.0質量部以上、20.0質量部以下であり、C/(C+C)が0.05以上、0.30以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
  3. 前記着色剤AがC.I.Pigment Yellow 185であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法
  4. 前記着色剤AのpHをpHとし、前記着色剤BのpHをpHとしたときに、pH及びpHの差の絶対値|pH−pH|が1.0以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法
  5. 前記トナー粒子がカルボキシ基を有する酸価3.0(mgKOH/g)以上の極性樹脂Lをさらに含有し、前記結着樹脂のSP値をδ(cal/cm1/2とし、極性樹脂LのSP値をδ(cal/cm1/2としたときに、下記式(1)および(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法
    8.70≦δ≦9.50 (1)
    0.00≦|δ−δ|≦0.70 (2)
  6. 前記トナー粒子がカルボキシ基を有する酸価3.0(mgKOH/g)以上の極性樹脂Hをさらに含有し、極性樹脂HのSP値をδ(cal/cm1/2としたときに、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法
    1.00≦δ−δ≦3.00 (3)
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