JP5599058B2 - トナー - Google Patents
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Description
前記結着樹脂のSP値をδB(cal/cm3)1/2とし、前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂のSP値をδP(cal/cm3)1/2としたとき、δBが8.70以上9.50以下であり、δPが8.80以上10.00以下であり、
前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂の重量平均分子量をMwとし、個数平均分子量をMnとしたとき、Mwが1.0×104以上3.0×104以下であり、Mw/Mnが2.3以上3.0以下であり、
前記トナー粒子中の前記エステルワックスの含有量が、前記トナー粒子中の前記結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上15.0質量部以下であり、
前記トナー粒子中の前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂の含有量が、前記トナー粒子中の前記結着樹脂100.0質量部に対して5.0質量部以上25.0質量部以下であり、
前記エステルワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃および加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、前記エステルワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が、1500(ppm)以下であるトナーであり、
前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂のピーク分子量をMpとしたとき、Mpが1.0×10 4 以上3.0×10 4 以下であり、前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂の低分子量成分(分子量がピーク分子量Mp未満の領域)の酸価をα(mgKOH/g)とし、高分子量成分(分子量がピーク分子量Mp以上の領域)の酸価をβ(mgKOH/g)としたとき、
0.80≦α/β≦1.20
を満たす
ことを特徴とする。
0.20≦δB−δW≦1.00
8.20≦δW≦9.30
であるとよい。
0.40≦δB−δW≦0.80
8.20≦δW≦8.80
であるとよい。
0.40≦δB−δW≦0.80
8.20≦δW≦8.80
を満たす場合には上記効果はさらに向上する。
結着樹脂、ビニル系極性樹脂およびエステルワックスの溶解度パラメータ(SP値)は、濁度滴定法により以下のように求めた。
δml=φpl×δpl+(1−φpl)δg 式(1)
δmh=φph×δph+(1−φph)δg 式(2)
δ=(δml+δmh)/2 式(3)
ビニル系極性樹脂の分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定した。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
ビニル系極性樹脂、結着樹脂およびエステルワックスの酸価は以下の方法により測定した。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとした。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得た。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求めた。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いた。
(A)本試験
粉砕した極性樹脂および結着樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解した。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとした。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行った。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
極性樹脂Lの分子量による分取は以下の通り行った。
LC−908(日本分析工業株式会社製)
JRS−86(同社製:リピートインジェクタ)
JAR−2(同社製:オートサンプラー)
FC−201(ギルソン社製:フラクションコレクタ)
JAIGEL−1H〜5H(20φ×600mm:分取カラム)
温度:40℃
溶媒:THF
流量:5ml/min.
検出器:RI
加熱脱着装置を用いたエステルワックスの揮発成分濃度の測定は以下の通り行った。
加熱脱着装置:TurboMatrixATD(パーキンエルマー社製)
GC/MS:TRACE DSQ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
チューブ温度:200℃
トランスファー温度:300℃
バルブ温度:300℃
カラム圧力:150kPa
入口スプリット:25ml/min
出口スプリット:10ml/min
2次吸着管材質:TenaxTA
保持時間:10min
脱着時2次吸着管温度:−30℃
2次吸着管脱着温度:300℃
カラム:ウルトラアロイ(金属製カラム)UT−5(内径0.25mm、液相0.25μm、長さ30m)
カラム昇温条件:60℃(3min),350℃(20.0℃/min),350℃(10min)
あらかじめ10mgのTenaxTA吸着剤をガラスウールで挟んだ加熱脱着装置用のガラスチューブを作製し、不活性雰囲気ガスを流した状態下で、300℃において3時間コンディショニングを行ったものを用意した。その後、重水素化ヘキサデカン(ヘキサデカンD34)100ppmのメタノール溶液5μLをTenaxTAに吸着させ、内部標準入りガラスチューブとした。
ワックス約1mgをあらかじめ300℃で焼き出ししたアルミホイルに包み、[内部標準入りガラスチューブの作製]で準備した、専用チューブに入れる。このサンプルを加熱脱着装置用のフッ素樹脂製キャップでフタをし、装置へセットした。
上記操作で得られたピークのうち、内部標準である重水素化ヘキサデカンのリテンションタイム以降のピークをすべて積分し、下式に従い全ピークの合計値を算出した。この際、ピークとは異なるノイズピーク等を積分値に加えないよう注意が必要である。
ワックスの揮発性分濃度(ppm)=(A1/B1×0.0005*1×0.77*2)/C1×1000000
*1・・・スタンダード溶液5μL中の重水素化ヘキサデカンの体積(μL)
*2・・・ヘキサデカンの密度(mg/μL)
A1・・・重水素化ヘキサデカン以降の全ピーク面積
B1・・・重水素化ヘキサデカン(内部標準)のピーク面積
C1・・・秤量したワックスの質量(mg)
ワックス1からワックス10として以下の表1および表2に示したワックスを用いた。ワックスの製造例を以下に示す。
スターラー、温度計および還流管を備えた1リットルの丸底三ツ首フラスコにトルエン300部を入れ、120℃にて還流させた。
・ベヘン酸 100.0部
・ベヘニルアルコール 96.0部
・p−トルエンスルホン酸 0.5部
還流下にて上記材料を加え、6時間120℃にてエステル化反応を進行させた。この間、生成する水はトルエン/水共沸にて系中より除いた。反応終了後にp−トルエンスルホン酸を炭酸水素ナトリウムを用いて中和した。得られた溶液をエバポレーションすることでトルエンを除去した。生成物を90℃に加熱後セライトろ過することによりp−トルエンスルホン酸ナトリウムを除去し、ワックス1を得た。
ワックス1の製造例において使用する材料を表1に記載のものに変える以外はワックス1の製造例と同様にしてワックス2乃至ワックス9を合成した。
極性樹脂1から極性樹脂21として以下の表3および表4に示した極性樹脂を用いた。極性樹脂の製造例を以下に示す。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中にキシレン(沸点144℃)300部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
・スチレン 95.10部
・メタクリル酸メチル 2.50部
・メタクリル酸 2.40部
・開始剤 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 2.00部
の混合液を添加した後、重合温度を170℃、反応時の圧力を0.150MPaにて重合を5時間行った。その後、減圧下にて脱溶剤工程を3時間行い、キシレンを除去して、粉砕することで極性樹脂1を得た。極性樹脂1の物性を表4に示す。
極性樹脂1の製造例において、モノマー組成、開始剤量、反応時圧力および反応温度を表2に記載のものに変更する以外は極性樹脂1の製造例と同様にして極性樹脂2乃至極性樹脂20を合成した。極性樹脂2乃至極性樹脂20の物性を表4に示す。なお、反応時圧力に関して、大気圧と表示してある場合、還流下において反応系を開放して合成を行った。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・フマル酸 48.00部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 64.00部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物 64.00部
・触媒 シュウ酸チタン酸K 0.035部
上記ポリエステルモノマーおよび触媒を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で220℃で20時間反応を行い、更に10乃至20mmHgの減圧下で1時間反応させた。その後、170℃に降温し、無水トリメリット酸を0.15部添加して、170℃で1.0時間反応させ、降温後粉砕し、極性樹脂21を得た。極性樹脂21の物性を表4に示す。
下記材料を混合し、アトライター(三井鉱山社製)にてジルコニアビーズ(3/16in)とともに200rpmで3時間撹拌し、ビーズを分離して着色剤分散液を得た。
・スチレン 36.0部
・着色剤 C.I.Pigment Blue 15:3 6.0部
(トナー1)
下記の方法により懸濁重合トナーを製造した。
・スチレン 44.0部
・アクリル酸n−ブチル 20.0部
・極性樹脂1 15.0部
・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0部
上記材料を混合し、2時間撹拌して極性樹脂を溶解させ、極性樹脂含有単量体組成物を得た。
・着色剤分散液 42.0部
上記材料を混合した。続いて混合物を60℃に加温し、10.0部のワックス1を加えた。次いで、重合開始剤 パーブチルO(日油社製)5.0部を添加し、5分間撹拌した。
トナー1の製造例において、モノマー組成、ワックス種、極性樹脂種、ワックス添加部数、極性樹脂添加部数を表5に記載のものに変更する以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー2乃至トナー33およびトナー35乃至トナー49を合成した。トナー2乃至トナー33およびトナー35乃至トナー49の物性値を表5に示す。
下記の方法により、溶解懸濁トナーを製造した。
・キシレン 300.0部
・ワックス1 100.0部
を温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ中に入れ、窒素雰囲気下、150℃に昇温した。
・アクリロニトリル 84.0部
・マレイン酸モノブチル 120.0部
・ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート 5.0部
・キシレン 200.0部
の混合溶液を3時間かけて滴下し、さらに150℃で60分間保持して重合を行った。これをメタノール2000部に投入した後、ろ過、乾燥して、ワックス分散剤を得た。
平均粒子径20μmに解砕したワックス1:100.0部を、メタノール:100.0部に入れ、回転数150rpmで10分間撹拌して洗浄した後、濾別した。これを3回繰り返した後、濾別し、乾燥してワックスを回収した。
直径20mmのジルコニアビーズを入れたアトライター(三井金属社製)に、着色剤 C.I.Pigment Blue:20.0部、酢酸エチル:80.0部を入れ、回転数300回転/分で8時間回転させた。ジルコニアビーズを分離して顔料分散液を得た。
・結着樹脂 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体 100.0部
(スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合比=80:20、Mp=22000、Mw=35000、Mw/Mn=2.4、Tg=54℃)
・極性樹脂1 15.0部
・ワックス分散液 20.0部
・着色剤分散液 30.0部
・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0部
を均一に混合してトナー組成物を形成した。
下記の方法により、乳化凝集トナーを製造した。
フラスコ中で下記の材料を混合し、水系媒体を調製した。
・イオン交換水 500.0部
・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製) 6.0部
・アニオン性界面活性剤 ネオゲンSC(第一工業製薬製) 10.0部
・スチレン 80.0部
・アクリル酸n−ブチル 20.0部
・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0部
上記の混合溶液を上記水系媒体中に分散・乳化して、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水溶液50部を投入した。次いで、系内を十分に窒素で置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が温度70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これによりアニオン性樹脂微粒子分散液を得た。
・イオン交換水 100.0部
・着色剤 C.I.Pigment Blue15:3 6.0部
・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製) 1.0部
上記成分を混合溶解し、ウルトラタラックスT50(IKA社製)により10分間分散し、着色剤粒子分散液を得た。
・イオン交換水 100.0部
・ワックス2 10.0部
・カチオン性界面活性剤 サニゾールB50(花王製) 5.0部
上記成分を温度95℃に加熱して、ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液を得た。
・イオン交換水 100.0部
・酢酸エチル 50.0部
・極性樹脂14 15.0部
上記成分を混合撹拌した。その溶解液をウルトラタラックスT50で乳化させながら、温度80℃で加熱して6時間保持することで脱溶剤を行い、シェル形成用微粒子分散液を得た。
上記樹脂微粒子分散液、上記着色剤粒子分散液、上記離型剤粒子分散液、及びポリ塩化アルミニウム1.2部を混合して、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら温度51℃まで加熱した。温度51℃で60分保持した後、ここに上記シェル形成用微粒子分散液を添加した。その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら温度97℃まで加熱して3時間保持した。
下記の方法により粉砕法トナーを製造した。
・結着樹脂 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体 100.0部
(スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合比=80:20、Mp=22000、Mw=35000、Mw/Mn=2.4、Tg=54℃)
・着色剤 C.I.Pigment Blue15:3 6.0部
・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0部
・ワックス2 10.0部
上記材料を溶解混練して粉砕した。さらに、極性樹脂15の樹脂微粒子(個数平均粒子径:300nm)15.0部を添加して、ハイブリダイゼーション・システム(奈良機械製)で処理することにより、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対してトナー1の製造例と同様にして流動性向上剤を添加し、トナー52を得た。
上記トナー1乃至トナー51を表6に記載の組み合わせにて評価を行った。
(1)評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが mm/secから240mm/secとなるようにした。
(2)評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを200g充填して評価を行った。なお、イエロー、マゼンタ、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたイエロー、マゼンタ、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
(3)定着器は、加熱温度を190℃±20℃に制御できるようにソフトウエアを変更した。
〔1−1〕現像スジ
2000枚出力時および6000枚出力後に、ベタ画像(M/S=0.45mg/cm2)を出力した。また、同時にカートリッジ内の現像ローラー表面を目視にて観察した。以下に判定基準を示す。
A:6000枚出力時においてもベタ画像上および現像ローラー表面にスジが確認されない。実使用上全く問題ないレベル。
B:6000枚出力時において現像ローラー表面にスジが1ないし4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題ないレベル。
C:6000枚出力時においてベタ画像上にスジが確認される。2000枚出力時においては現像ローラー表面にスジが1ないし4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:2000枚出力時において。ベタ画像上にスジが確認される。実使用上問題となる可能性が高いレベル。
2000枚出力時および6000枚出力後に、ハーフトーン画像(M/S=0.10mg/cm2)を出力した。また、同時にカートリッジ内の現像ローラー上のトナーを除去し、現像ローラ表面を目視にて観察した。以下に判定基準を示す。
A:2000枚出力時および6000枚出力時においてハーフトーン画像上にトナーの現像ローラー融着による濃度ムラが見られず、また、現像ローラー上の目視でもトナー融着が確認されない。
B:6000枚出力時においてハーフトーン画像上に現像ローラー融着による濃度ムラは見られないが、現像ローラー上の目視では現像ローラー端部に融着が確認される。しかし、実使用上の問題はないレベル。
C:6000枚出力時においてハーフトーン画像上に現像ローラー融着による濃度ムラが端部に確認され、現像ローラー上の目視では現像ローラー全面に融着が確認される。2000枚出力時においてはハーフトーン画像上に濃度ムラは見られないが、現像ローラー上の目視では端部に融着が確認される。しかし、実使用上問題となる可能性は低いレベル。
D:6000枚出力時においてハーフトーン画像上に現像ローラー融着による濃度ムラが全面に確認される。2000枚出力時においてはハーフトーン画像上に現像ローラー融着による濃度ムラが端部に確認され、現像ローラー上の目視では現像ローラー全面に融着が確認される。実使用上問題となる可能性が高いレベル。
〔2−1〕定着器汚染
常温常湿環境(23℃/50%RH)下に、トナーを充填したプロセスカートリッジおよび転写紙PB PAPER GF−500(64g/m2)を48時間放置した。
A:定着器汚染に起因する画像濃度ムラは確認されず、また、周辺部材汚染に起因する紙詰まりの不具合は発生しない。
B:定着器汚染に起因する画像濃度ムラが僅かに確認されるが、周辺部材汚染に起因する紙詰まりの不具合は発生しない。実使用上問題ないレベル。
C:定着器汚染に起因する画像濃度ムラが確認されるが、周辺部材汚染に起因する紙詰まりの不具合は発生しない。実使用上問題になる可能性は低いレベル。
D:定着器汚染に起因する画像濃度ムラが確認される。また、周辺部材汚染に起因する紙詰まりの不具合が発生する。実使用上問題になる可能性が高いレベル。
高温環境(60℃/10%RH)に50mlポリカップに秤量したトナー(5g)を入れ、3日間放置した。
放置後のトナー凝集状態を観察し、保存安定性を評価した。判断基準を以下に示す。
A:トナーの流動性は高く、実使用上全く問題はない。
B:やや凝集しているが、実使用上問題はない。
C:やや凝集が目立つが、実使用上の問題は小さい。
D:凝集しており、実使用上の問題が大きい。
〔4−1〕こすり試験
トナーが充填されたプロセスカートリッジを常温常湿環境下(23℃/50%RH)にて48時間放置する。その後、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像を出力する。転写紙上のトナー乗り量は、0.45(mg/cm2)とし、定着開始温度を評価した。尚、転写紙は、Fox River Bond(90g/m2)を使用した。定着器は、LBP−5400(キヤノン製)の定着器を外部へ取り外し、レーザービームプリンター外でも動作するようにした外部定着器を用いた。尚、外部定着器は、定着温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを240mm/secの定着条件で測定した。
A:定着開始点が150℃以下
B:定着開始点が150℃を超えて170℃以下
C:定着開始点が170℃を超えて190℃以下
D:定着開始点が190℃を超える
こすり試験の評価方法において、転写紙上のトナー載り量を0.90(mg/cm2)に変更する以外はこすり試験の評価方法と同様にして未定着画像を出力した。その後、こすり試験と同様の条件にて定着を行い、定着開始温度を評価した。
A:定着開始点が150℃以下
B:定着開始点が150℃を超えて170℃以下
C:定着開始点が170℃を超えて190℃以下
D:定着開始点が190℃を超える
高温時耐巻きつき性については、こすり試験の評価方法において転写紙をPB PAPER GF−500(64g/m2)に変更する以外はこすり試験と同様の条件で定着評価を行った。
A:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が230℃以上
B:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が210℃以上230℃未満
C:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が190℃以上210℃未満
D:巻きつきなく通紙できた温度の最大温度が190℃未満
Claims (4)
- 結着樹脂、エステルワックスおよびカルボキシル基含有ビニル系樹脂を含有するトナーであって、水系媒体中で造粒することによって得られるトナー粒子を有するトナーにおいて、
前記結着樹脂のSP値をδB(cal/cm3)1/2とし、前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂のSP値をδP(cal/cm3)1/2としたとき、δBが8.70以上9.50以下であり、δPが8.80以上10.00以下であり、
前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂の重量平均分子量をMwとし、個数平均分子量をMnとしたとき、Mwが1.0×104以上3.0×104以下であり、Mw/Mnが2.3以上3.0以下であり、
前記トナー粒子中の前記エステルワックスの含有量が、前記トナー粒子中の前記結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上15.0質量部以下であり、
前記トナー粒子中の前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂の含有量が、前記トナー粒子中の前記結着樹脂100.0質量部に対して5.0質量部以上25.0質量部以下であり、
前記エステルワックスの加熱脱着/GC/MS分析において、加熱温度200℃および加熱時間10分におけるヘキサデカンのピーク検出時間以降に検出される揮発成分について、前記エステルワックス質量を基準としたヘキサデカン換算の濃度が、1500(ppm)以下であり、
前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂のピーク分子量をMpとしたとき、Mpが1.0×10 4 以上3.0×10 4 以下であり、前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂の低分子量成分(分子量がピーク分子量Mp未満の領域)の酸価をα(mgKOH/g)とし、高分子量成分(分子量がピーク分子量Mp以上の領域)の酸価をβ(mgKOH/g)としたとき、
0.80≦α/β≦1.20
を満たす
ことを特徴とするトナー。 - 前記結着樹脂の酸価をAvB(mgKOH/g)とし、前記エステルワックスの酸価をAvW(mgKOH/g)とし、前記カルボキシル基含有ビニル系樹脂の酸価をAvP(mgKOH/g)としたとき、AvBが2.0以下であり、AvWが1.5以下であり、AvPが8.0以上25.0以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記エステルワックスのSP値をδW(cal/cm3)1/2としたとき、
0.20≦δB−δW≦1.00
8.20≦δW≦9.30
を満たす請求項1または2に記載のトナー。 - 前記トナー粒子が、重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物の粒子を形成し、前記重合性単量体組成物の前記粒子に含まれる前記重合性単量体を重合させて得られたトナー粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
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JP2010224621A JP5599058B2 (ja) | 2010-10-04 | 2010-10-04 | トナー |
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