JP2013130616A - マゼンタトナー - Google Patents

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肇 田所
Kaori Matsushima
香織 松島
Hiroyuki Yasukawa
裕之 安川
Michiyo Fujita
美千代 藤田
Masaharu Shiraishi
雅晴 白石
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Abstract

【課題】大量印刷が行われる場合においても、帯電安定性が確保されるマゼンタトナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂、および、キナクリドン顔料を含むマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなるマゼンタトナーにおいて、マゼンタ着色剤として、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物が、前記キナクリドン顔料100質量部に対して1〜20質量部の割合で含有されていることを特徴とする。また、前記マゼンタ着色剤は、前記マゼンタトナー粒子中の分散粒径が個数基準のメディアン径で10〜25nmのものであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式による画像形成方法に用いられるマゼンタトナーに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、刷版が不要なため、オフセット印刷機の代替機として広く普及しており、種々のニーズに対応するため、高速化・高機能化が図られている。
特にカラー画像形成装置において、数千枚から数万枚に及ぶ大量印刷を行う場合においては、印刷の初期段階から最終段階まで高い画像濃度が維持される画像濃度安定性が必要とされる。画像濃度ムラを抑制する方法としては、摩擦帯電されることにより現像・転写機能を担うトナーを、温湿度環境や画素率の変化などに依存せず帯電安定性が確保されるものとすることが考えられる。
特許文献1には、帯電安定性が確保されるトナーとして、スルホン酸アミドが荷電制御剤として含有されているものが開示されている。
しかしながら、このようなトナーによっても、帯電安定性が十分に確保されず、画像濃度ムラの発生を十分に抑制することができなかった。
特開平8−137137号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、大量印刷が行われる場合においても、帯電安定性が確保されるマゼンタトナーを提供することにある。
本発明のマゼンタトナーは、結着樹脂、および、キナクリドン顔料を含むマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなるマゼンタトナーにおいて、
マゼンタ着色剤として、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物が、前記キナクリドン顔料100質量部に対して1〜20質量部の割合で含有されていることを特徴とする。
本発明のマゼンタトナーにおいては、前記マゼンタ着色剤は、前記マゼンタトナー粒子中の分散粒径が、個数基準のメディアン径で10〜25nmのものであることが好ましい。
本発明のマゼンタトナーによれば、マゼンタ着色剤として、キナクリドン顔料と共にフタルイミドメチル化キナクリドン化合物が特定範囲の割合で含有されていることにより、このフタルイミドメチル化キナクリドン化合物が優れた帯電制御作用を発揮することから、大量印刷が行われる場合においても、帯電安定性が確保され、その結果、画像濃度ムラの発生が抑制される。
以下、本発明について詳細に説明する。
<マゼンタトナー>
本発明のマゼンタトナーは、結着樹脂、および、キナクリドン顔料を含むマゼンタ着色剤含有するマゼンタトナー粒子よりなるマゼンタトナーにおいて、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物が、キナクリドン顔料100質量部に対して1〜20質量部の割合で含有されているものである。
なお、本発明において、マゼンタトナーとは、マゼンタトナー粒子の集合体のことをいう。
本発明のマゼンタトナーは、結着樹脂、並びに、マゼンタ着色剤としてキナクリドン顔料およびフタルイミドメチル化キナクリドン化合物を含有するマゼンタトナー粒子から構成され、このマゼンタトナー粒子には、必要に応じて、キナクリドン顔料およびフタルイミドメチル化キナクリドン化合物以外の着色剤(以下、「他の着色剤」ともいう。)、離型剤、磁性粉、荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよい。
また、本発明のマゼンタトナーにおいては、マゼンタトナー粒子に対して、流動化剤などの外添剤が外部添加されていてもよい。
〔結着樹脂〕
本発明のマゼンタトナーにおいては、結着樹脂としては、特に限定されないが、酸価が5〜20mgKOH/gのものであることが好ましい。
結着樹脂の酸価が上記範囲内であることにより、結着樹脂による帯電の湿度安定性が抑制され、本発明の効果が顕著となる。
本発明において、酸価は、以下のようにして測定されるものである。
「JIS K 2501−2003 石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に準拠し、試料をキシレンとジメチルホルムアミド(1+1)を混合した滴定溶剤に溶かす。次いで、電位差滴定法により0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液で滴定し、滴定曲線上の変曲点を終点とする。水酸化カリウム溶液の終点までの滴定量から、試料(結着樹脂)1g中に含有されるカルボキシル基を中和するのに必要とされる水酸化カリウム(KOH)のmg数で示される酸価を算出する。
結着樹脂としては、具体的には、スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
結着樹脂として、スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂を用いる場合においては、これらを形成すべき重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂として、ポリエステル樹脂を用いる場合においては、当該ポリエステル樹脂は、公知の多価アルコールと、公知の多価カルボン酸とにより得ることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類;およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。また、3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族カルボン酸;トリメット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。不飽和基を有する多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などの不飽和脂肪族カルボン酸;およびこれらの酸無水物または酸塩化物;コーヒー酸などの不飽和芳香族カルボン酸などが挙げられる。これらの多価カルボン酸は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合においては、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と、テレフタル酸またはフタル酸とが縮重合されたものであることが好ましい。
結着樹脂のガラス転移点は、10〜63℃であることが好ましく、より好ましくは35〜48℃である。
結着樹脂のガラス転移点が過度に低い場合においては、トナーの耐熱保管性を損なうおそれがある。一方、結着樹脂のガラス転移点が過度に高い場合においては、定着温度の上昇を招くおそれがある。
本発明において、ガラス転移点は、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)を用いて測定される。
具体的には、試料(結着樹脂)4.5mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移点とする。
結着樹脂の重量平均分子量は、定着温度設定と画像堅牢度との観点から、6,000〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜300,000である。
本発明において、結着樹脂の重量平均分子量の測定は、GPCにより測定される。
具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流し、試料(結着樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
〔マゼンタ着色剤〕
本発明のマゼンタトナーにおいては、マゼンタ着色剤は、キナクリドン顔料およびフタルイミドメチル化キナクリドン化合物から構成されるが、必要に応じて他の着色剤が含有されていてもよい。
(キナクリドン顔料)
本発明のマゼンタトナーにおいては、キナクリドン顔料としては、公知の種々のものを用いることができる。このようなキナクリドン顔料は、下記一般式(1)で表わすことができ、本体に置換基を持たない無置換キナクリドン顔料、置換基を有する置換キナクリドン顔料、置換基の異なるものの組み合わせからなる固溶体キナクリドン顔料などが知られており、いずれも好適に用いることができる。これらの代表例としては、具体的には、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(2,9−ジメチルキナクリドン)、同202(2,9−ジクロロキナクリドン)、同209(3,10−ジクロロキナクリドン)などが挙げられる。これらのキナクリドン顔料は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)中、XおよびZは、各々独立に、水素原子、または、アルキル基、ハロゲン基などの置換基を示す。なお、一般式(1)において示す数字は、置換基の位置番号を示す。
キナクリドン顔料の含有量は、マゼンタトナー中3〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜8質量%である。
(フタルイミドメチル化キナクリドン化合物)
本発明のマゼンタトナーにおいては、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物は、具体的には、下記式(1)で表わされる基(以下、「フタルイミドメチル基」ともいう。)が、上記一般式(1)で表わされるキナクリドン顔料に置換されたもの、すなわち下記一般式(2)で表わされるものである。
上記一般式(2)中、nは1〜3の整数を示し、XおよびZは、各々独立に、水素原子、または、アルキル基、ハロゲン基などの置換基を示す。
フタルイミドメチル化キナクリドン化合物は、1〜2個のフタルイミドメチル基がキナクリドン顔料に置換されたもの(一般式(2)においてnが1〜2)であることが好ましく、1個のフタルイミドメチル基がキナクリドン顔料に置換されたもの(一般式(2)においてnが1)であることがより好ましい。
また、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物は、フタルイミドメチル基が、キナクリドン顔料の置換位置番号において3位および/または10位に置換されたものであることが好ましい。
さらに、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物は、フタルイミドメチル基が、キナクリドン顔料の置換位置番号において3位および/または10位に置換されており、かつ、XまたはZの置換基がメチル基であって、当該メチル基がキナクリドン顔料の置換位置番号において2位および9位に置換されたものであることが好ましい。
以下、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物の例示化合物(1−1)〜(1−4)を示す。
例示化合物(1−1)は、無置換のキナクリドン顔料(C.I.ピグメントバイオレット19)に1個のフタルイミドメチル基が3位に置換されたものである。
例示化合物(1−2)は、2個の塩素原子が2,9位に置換されたキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド202)に1個のフタルイミドメチル基が3位に置換されたものである。
例示化合物(1−3)は、2個のメチル基が2,9位に置換されたキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122)に1個のフタルイミドメチル基が3位に置換されたものである。
例示化合物(1−4)は、2個のメチル基が2,9位に置換されたキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122)に2個のフタルイミドメチル基が3位,10位に置換されたものである。
フタルイミドメチル化キナクリドン化合物の含有量は、キナクリドン顔料100質量部に対して1〜20質量部とされ、より好ましくは4〜16質量部である。
フタルイミドメチル化キナクリドン化合物の含有量が上記範囲であることにより、優れた帯電制御作用を発揮し、大量印刷が行われる場合においても、帯電安定性が確保され、その結果、画像濃度ムラの発生が抑制される。
(分散粒径)
本発明のマゼンタトナーにおいては、マゼンタ着色剤の分散粒径、具体的には、マゼンタトナー粒子中の分散粒径が、個数基準のメディアン径で10〜25nmであることが好ましく、より好ましくは12〜20nmである。
マゼンタ着色剤の分散粒径が上記範囲であることにより、彩度の高い画像が得られ、また、トナー帯電量分布がシャープとなり、解像度の高い画像が得られる。
なお、本発明においては、マゼンタ着色剤の分散粒径は、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物の含有量が微量であるために、実質的にキナクリドン顔料の粒径と考えられる。
本発明において、マゼンタ着色剤の分散粒径は、以下のようにして測定されるものである。
まず、マゼンタトナー粒子を紫外線硬化性樹脂に包埋して24時間硬化した後、ウルトラミクロトーム「MT−7」(RMC社製)で切削し、厚さ100nmの観察用切片を切り出して観察用試料とする。作製した観察用試料を透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子(株)製「JEM−2010F」)にて50000倍の視野で観察する。観察されたマゼンタ着色剤粒子200個についてそれぞれ水平フェレ径を測定し、その個数算術平均値とする。
マゼンタ着色剤の個数基準のメディアン径の粒度分布における変動係数(CV値)は10〜120%であることが好ましく、より好ましくは20〜50%である。
変動係数(CV値)が上記範囲であることにより、彩度の高い画像が得られ、また、トナー帯電量分布がシャープとなり、解像度の高い画像が得られる。
本発明において、マゼンタ着色剤の個数基準のメディアン径の粒度分布における変動係数(CV値)は、下記数式(1)によって算出される。このCV値が小さくなるほど粒度分布がシャープであることを示し、従って粒子の大きさが揃っていることを意味する。
数式(1):CV値(%)=(S2/Dn)×100
〔上記数式(1)中、S2は個数基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数基準における平均径を示す。〕
本発明において、マゼンタ着色剤を構成するキナクリドン顔料は、例えば、ソルベントミリング法、ソルトミリング法などの微粒化処理が施されたものを用いることが好ましい。特に、マゼンタ着色剤の分散粒径を上記範囲とするためにはソルトミリング法による微粒化処理が施されたものであることが好ましい。
ソルトミリング法は、具体的には、顔料を、水溶性有機溶剤および水溶性無機塩と共に、ニーダーなどで機械的に摩砕した後、水で洗浄し、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩とを除去する方法である。
本発明において、キナクリドン顔料の微粒化処理としてソルトミリング法を採用する場合においては、キナクリドン顔料、水溶性有機溶剤および水溶性無機塩を摩砕(以下、「ソルトミリング」ともいう。)する前のキナクリドン顔料の粒径は、個数基準のメディアン径で20〜300nmであることが好ましく、より好ましくは25〜200nmであり、特に好ましくは30〜150nmである。
また、本発明においては、ソルトミリングはキナクリドン顔料単独で行ってもよいが、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物と共に行うことが、マゼンタトナーの帯電安定性を確保する観点から、好ましい。
本発明においては、ソルトミリング時間、ソルトすなわち水溶性無機塩の粒径を調整することによりマゼンタ着色剤の分散粒径を制御することができる。
ソルトミリング法において用いられる水溶性無機塩は、水に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムが好ましい。
水溶性無機塩は、キナクリドン顔料をより微細化する観点から、粒径が小さい方が好ましい。水溶性無機塩の粒径は、個数基準のメディアン径で0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。
また、水溶性無機塩の使用量は、処理効率および生産効率の観点から、キナクリドン顔料の1〜30質量倍であることが好ましく、より好ましくは5〜25質量倍である。
ソルトミリング法において用いられる水溶性有機溶剤は、キナクリドン顔料および水溶性無機塩を湿潤するものであり、水に溶解(混和)し、かつ、水溶性無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、有機溶剤が蒸発し易い状態となるため、安全性の観点から、沸点が120℃以上のものを用いることが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性有機溶剤の使用量は、水溶性無機塩に対して5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%であり、特に好ましくは15〜50質量%である。
水溶性有機溶剤の使用量が上記範囲内にあることにより、均一なソルトミリングが可能となり、キナクリドン顔料の粒径が均一となりやすく、かつ、摩砕物のやわらかさが適度に維持され、ソルトミリング時に剪断力が適度に付加されるため、微細化効果が得られる。
〔他の着色剤〕
本発明のマゼンタトナーにおいては、必要に応じてキナクリドン顔料およびフタルイミドメチル化キナクリドン化合物以外の他の着色剤が含有されていてもよい。
他の着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同139、同144、同149、同150、同166、同177、同178、同184、同222、同238、同269などのマゼンタ用着色剤などが挙げられる。これらの着色剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
他の着色剤が含有される場合においては、その含有量は、キナクリドン顔料100質量部に対して10〜50質量部であることが好ましく、マゼンタトナー中10〜30質量%であることが好ましい。
〔離型剤〕
本発明のマゼンタトナーにおいては、必要に応じて離型剤が含有されていてもよい。離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。このようなワックスとしては、具体的には、低分子量のポリプロピレン、ポリエチレン、または、酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスが挙げられる。
離型剤の含有量は、マゼンタトナー中1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。
〔磁性粉〕
本発明のマゼンタトナーにおいては、必要に応じて磁性粉が含有されていてもよい。磁性粉としては、例えば、マグネタイト、γ−ヘマタイト、各種フェライトなどが挙げられる。
磁性粉の含有量は、マゼンタトナー中10〜500質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜200質量%である。
〔荷電制御剤〕
本発明のマゼンタトナーにおいては、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物が優れた帯電制御作用を発揮することから、基本的には荷電制御剤は不要であるが、帯電量の微調整のために公知の荷電制御剤が含有されていてもよい。
〔外添剤〕
本発明のマゼンタトナーは、そのままマゼンタトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、マゼンタトナー粒子に対し、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で用いることができる。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。
外添剤としては種々のものを組み合わせて用いることができる。
外添剤の添加量は、マゼンタトナー100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部である。
〔マゼンタトナーの粒径〕
本発明のマゼンタトナーは、粒径が体積基準のメディアン径で4〜10μmであることが好ましく、より好ましくは6〜9μmである。
マゼンタトナーの体積基準のメディアン径が上記範囲内にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーン画像の画質が向上し、さらに、細線やドットなどの画質が向上する。
本発明において、マゼンタトナーの体積基準のメディアン径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出される。
具体的には、試料(マゼンタトナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(マゼンタトナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、分散液を調製し、この分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメディアン径とされる。
〔マゼンタトナーの製造方法〕
本発明のマゼンタトナーは、公知の種々の方法によって製造することができる。本発明のマゼンタトナーを製造する方法の代表的なものとしては、例えば、界面活性剤を含有する水系媒体中で形成した結着樹脂粒子と、キナクリドン顔料およびフタルイミドメチル化キナクリドン化合物を含有するマゼンタ着色剤とを、水系媒体中で凝集、融着してマゼンタトナー粒子を作製する乳化重合会合法と呼ばれる方法が挙げられる。この乳化重合会合法によって作製されたマゼンタトナーは、確実に粒径や形状の揃ったものとなるために、高い細線再現性や微細なドット画像形成の機会の多いデジタル方式の画像形成に使用するトナーとして、特に好適に用いることができる。
乳化重合会合法を用いる場合においては、結着樹脂粒子を作製する必要があるが、この結着樹脂粒子を作製する方法としては、(a)結着樹脂としてスチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂などを用いる場合においては、例えば、上述した重合性モノマーを水系媒体中に分散させて乳化粒子(油滴)を形成した後、重合開始剤を作用させて結着樹脂粒子を得る、いわゆる乳化重合法やミニエマルション重合法による方法、(b)結着樹脂としてポリエステル樹脂などを用いる場合においては、ポリエステル樹脂を溶剤中に溶解させ、これを水系媒体中に分散させて乳化粒子(油滴)を形成した後、溶剤を除去する、いわゆる溶解懸濁法による方法などが挙げられる。上記(a)の重合法は、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報などに開示されている。また、上記(b)の懸濁法は、例えば、特開2010−191043号公報に開示されている。
本発明のマゼンタトナーを乳化重合会合法によって製造する場合の一例を下記具体的に示す。
(1)水系媒体中において、ミニエマルション重合法によって結着樹脂粒子を形成して当該結着樹脂粒子が分散されてなる分散液を調製する結着樹脂粒子分散液調製工程
(2)水系媒体中に、キナクリドン顔料およびフタルイミドメチル化キナクリドン化合物を含有するマゼンタ着色剤が分散されてなる分散液を調製するマゼンタ着色剤分散液調製工程
(3)水系媒体中で結着樹脂粒子およびマゼンタ着色剤を凝集、融着させて会合粒子を形成する凝集、融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する熟成工程
(5)会合粒子の分散系(水系媒体)から会合粒子を濾別し、当該会合粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(6)洗浄処理された会合粒子を乾燥してマゼンタトナー粒子を得る乾燥工程
また、必要に応じて下記工程を加えることができる。
(7)乾燥処理されたマゼンタトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
(1)結着樹脂粒子分散液調製工程
この結着樹脂粒子分散液調製工程においては、ミニエマルション重合法によって、結着樹脂を形成するための重合性モノマーを水系媒体中に機械的エネルギーを加えて分散させて乳化粒子(油滴)を形成した後、重合開始剤を作用させて重合性モノマーを重合し、結着樹脂粒子が分散されてなる分散液が調製される。
本発明において、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
〔分散安定剤〕
水系媒体中において液滴を安定化した状態において重合することや、水系媒体中に分散された結着樹脂粒子などを安定的に凝集、融着させる観点から、水系媒体中には分散安定剤が添加されていることが好ましい。
分散安定剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナなどのものがある。また、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウムなどの、一般に界面活性剤として使用することができるものを分散安定剤として使用することができる。
また、以下の界面活性剤を使用することもできる。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩;オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなどの脂肪酸塩などのイオン性界面活性剤や、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤が挙げられる。
以上の分散安定剤および/または界面活性剤は、所望に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔重合開始剤〕
結着樹脂粒子分散液調製工程において使用される重合開始剤としては、公知の種々の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用することができる。油溶性の重合開始剤の具体例としては、例えば、以下に示すアゾ系またはジアゾ系重合開始剤および過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
(1)アゾ系またはジアゾ系重合開始剤:2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,17−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなど。
(2)過酸化物系重合開始剤:ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビスー(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなど。
また、乳化重合会合法で結着樹脂粒子を形成する場合においては、水溶性の重合開始剤を使用することができる。水溶性の重合開始剤の具体例としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素などが挙げられる。
〔連鎖移動剤〕
結着樹脂粒子分散液調製工程においては、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマーなどを挙げることができる。
結着樹脂粒子の水系媒体中における分散径は、体積基準のメディアン径で10〜70nmとされることが好ましく、より好ましくは30〜70nmである。
結着樹脂粒子の水系媒体中における体積基準のメディアン径は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定されるものである。
具体的には、まず、50mlのメスシリンダーに試料(結着樹脂粒子)を数滴滴下し、これに純水25mlを添加し、超音波洗浄機「US−1」(as one社製)を用いて、3分間分散処理することにより測定用試料を作製する。次に、測定用試料3mLを「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)のセル内に投入し、Sample Loadingの値が0.1〜100の範囲内にあることを確認した後、下記測定条件および溶媒条件に従って測定を行う。
−測定条件−
Transparency(透明度):Yes
Refractive Index(屈折率):1.59
Particle Density(粒子密度):1.05g/cm
Spherical Particles(球形粒子):Yes
−溶媒条件−
Refractive Index(屈折率):1.33
Viscosity(粘度):High(temp) 0.797×10-3Pa・s
Low(temp) 1.002×10-3Pa・s
本発明に係るマゼンタトナー粒子中に、結着樹脂およびマゼンタ着色剤の他に、離型剤や荷電制御剤などの内添剤を含有させる場合は、例えば、この結着樹脂粒子分散液調製工程において、予め、結着樹脂を形成するための重合性モノマーに溶解または分散させておくことによってマゼンタトナー粒子中に導入することができる。
また、このような内添剤は、別途内添剤のみよりなる内添剤粒子の分散液を調製し、(3)凝集、融着工程において結着樹脂粒子およびマゼンタ着色剤と共に当該内添剤粒子を凝集させることにより、マゼンタトナー粒子中に導入することもできる。
(2)マゼンタ着色剤分散液調製工程
このマゼンタ着色剤分散液調製工程においては、キナクリドン顔料およびフタルイミドメチル化キナクリドン化合物を含むマゼンタ着色剤を水系媒体中に分散することにより、マゼンタ着色剤分散液が調製される。マゼンタ着色剤の分散処理は、水系媒体中において界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。マゼンタ着色剤の分散処理に使用する分散機としては特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザ、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザなどの加圧分散機、サンドグラインダ、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機が挙げられる。
使用される界面活性剤としては、上述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。
ここで、マゼンタ着色剤を構成するキナクリドン顔料は、上述したソルトミリング法による微粒化処理が施されたものを用いることが好ましい。また、ソルトミリング法による微粒化処理を実施する前に公知のソルベントミリング法による予備摩砕を行ってもよい。特に、キナクリドン顔料のソルトミリング法による微粒化処理において、ソルトミリング時にフタルイミドメチル化キナクリドン化合物が添加されたものを用いることが好ましい。
このマゼンタ着色剤分散液調製工程において調製されるマゼンタ着色剤分散液中のマゼンタ着色剤の分散径は、体積基準のメディアン径で10〜25nmであることが好ましく、12〜20nmがより好ましい。このような分散径のマゼンタ着色剤を調製することにより、得られるマゼンタトナー粒子中におけるマゼンタ着色剤の分散粒径を適当なものにすることができる。
このマゼンタ着色剤分散液中のマゼンタ着色剤の体積基準のメディアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」で測定されるものである。
(3)凝集、融着工程
この凝集、融着工程においては、結着樹脂粒子およびマゼンタ着色剤を凝集、融着することにより、会合粒子が形成される。凝集、融着の具体的な方法としては、塩析/融着法を用いることが好ましい。また、当該凝集、融着工程においては、必要に応じて、結着樹脂粒子およびマゼンタ着色剤と共に、内添剤粒子を凝集、融着させることもできる。
ここで、「塩析/融着法」とは、水系媒体中に塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、結着樹脂粒子のガラス転移点以上であって、かつ、融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することによって、結着樹脂粒子およびマゼンタ着色剤の塩析を進行させると同時に融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、さらに、必要に応じて粒子形状を制御するために加熱を継続して行う方法である。
〔凝集剤〕
凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムであることが好ましい。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
(4)熟成工程
この熟成工程は、加熱温度と時間の制御を行うことにより、粒径が一定で分布が狭く形成した会合粒子表面が平滑だが均一な形状を有するものとなるよう制御する。具体的には、凝集、融着工程において加熱温度を低めにして結着樹脂粒子同士の融着の進行を抑制させて均―化を促進させ、この熟成工程においても加熱温度を低めに、かつ、時間を長くして会合粒子を所望の平均円形度となる、すなわち表面が均一な形状のものとなるよう制御する。
(5)洗浄工程
この洗浄工程においては、まず、会合粒子の分散液の冷却処理(急冷処理)を行う。この冷却処理は、例えば1〜20℃/分の冷却速度で行う。冷却処理の具体的な方法としては、特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法などの公知の方法を例示することができる。
次に、冷却処理した会合粒子分散液を固液分離し、固液分離した会合粒子を洗浄する。すなわち、冷却処理を行って所定温度に冷却した会合粒子の分散液から当該会合粒子を固液分離する固液分離処理を行い、固液分離して形成された会合粒子のトナーケーキ(ウェット状態にある会合粒子をケーキ状に凝集させた集合物)より界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する。固液分離処理の代表的なものとしてはろ過処理が挙げられるが、ろ過処理の具体的な方法としては、例えば遠心分離法やヌッチェなどの使用による減圧ろ過法、フィルタプレスなどを使用するろ過法などを用いることができる。
(6)乾燥工程
この乾燥工程においては、洗浄処理されたトナーケーキを解砕して乾燥処理を行い、乾燥処理された会合粒子、すなわち、マゼンタトナー粒子が形成される。この工程において使用することのできる乾燥機としては、例えば、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などの公知の乾燥処理機や、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられる。乾燥処理された会合粒子の含水量は5質量%以下とすることが好ましく2質量%以下がより好ましい。
なお、乾燥処理された会合粒子同士が弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合は、当該凝集体を解砕処理することも可能である。解砕処理装置の具体例としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサなどの機械式解砕処理装置が挙げられる。
(7)外添剤添加工程
この外添剤添加工程では、乾燥処理したマゼンタトナー粒子に必要に応じて外添剤を添加、混合することが行われる。
乾燥工程までの工程を経て作製されたマゼンタトナー粒子は、そのままマゼンタトナー粒子として使用することが可能であるが、帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、その表面に公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子、滑材を外添剤として添加することが好ましい。
<乾式現像剤>
本発明のマゼンタトナーは、磁性または非磁性のマゼンタトナーのみよりなる一成分現像剤であっても、マゼンタトナーとキャリアとが混合されてなる二成分現像剤であってもよい。
本発明のマゼンタトナーを二成分現像剤として用いる場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などで被覆した樹脂被覆型キャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
樹脂被覆型キャリアにおいて用いられる被覆樹脂としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
分散型キャリアにおいて用いられるバインダー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの粒径は、体積基準のメディアン径で15〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜80μmである。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
〔画像形成方法〕
本発明のマゼンタトナーは、一般的な電子写真方式による画像形成方法に好適に用いることできる。特に、圧力を付与すると共に加熱することができる加熱加圧定着方式による画像形成方法であることが好ましい。加熱加圧定着方式を採用する場合においては、定着温度(定着ニップ部における加熱部材の表面温度)が80〜110℃、好ましくは80〜95℃となる温度とされる比較的低温の定着温度において定着する画像形成方法に好適に用いられる。
また、本発明のマゼンタトナーは、定着線速度が200〜600mm/secである高速定着の画像形成方法にも好適に用いられる。
本発明のマゼンタトナーによれば、マゼンタ着色剤として、キナクリドン顔料と共にフタルイミドメチル化キナクリドン化合物が特定範囲の割合で含有されていることにより、このフタルイミドメチル化キナクリドン化合物が優れた帯電制御作用を発揮することから、大量印刷が行われる場合においても、帯電安定性が確保され、その結果、画像濃度ムラの発生が抑制される。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:マゼンタトナーの作製例1〕
(1)マゼンタ着色剤の作製
キナクリドン顔料「Lionogen Red 2B(C.I.ピグメントバイオレット19)」(東洋インキ社製)50質量部、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物として上記例示化合物(1−1)5質量部、水溶性無機塩として塩化ナトリウム(個数基準のメディアン径:10μm)500質量部および水溶性有機溶剤としてジエチレングリコール(東京化成社製)150質量部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、50℃で10時間摩砕(ソルトミリング)した。その後、摩砕物を5Lの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間加熱撹拌してスラリー状とした後、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび水溶性有機溶剤を除去し、50℃の熱風オーブンで約24時間乾燥して、マゼンタ着色剤〔1〕を作製した。
(2)マゼンタ着色剤分散液の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム8質量部をイオン交換水160質量部に投入し、撹拌して界面活性剤溶液を調製した。この界面活性剤溶液に、マゼンタ着色剤〔1〕24質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック社製)を用いて分散処理を行い、マゼンタ着色剤分散液〔1〕を調製した。
(3)結着樹脂粒子分散液の調製
スチレン724.71質量部、n−ブチルアクリレート295.87質量部、メタクリル酸38.66質量部およびn−オクチルメルカプタン8.84質量部を混合し、加熱してモノマー溶液を得た。さらに、純水3336.8質量部にドデシル硫酸ナトリウム1.93質量部を溶解した界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液にモノマー溶液を加え、高速撹拌して、モノマー乳化液を調製した。
次に、撹拌装置、冷却管、窒素導入装置、および温度計を装着した重合槽にモノマー乳化液を加え、撹拌を行いながら窒素を導入し、重合槽の内温を80℃に維持した。この状態で、過硫酸カリウム9.92質量部を純水188.5gに溶解した重合開始剤溶液を加え、窒素気流下にて撹拌を行いながら80℃で6時間重合反応を行った。その後、室温まで冷却し内容物をろ過して結着樹脂粒子分散液〔1〕を調製した。
この結着樹脂粒子の重量平均分子量は21,000、ガラス転移点は46.2℃、酸価は16.0mgKOH/gであった。
(4)マゼンタトナー粒子の作製
結着樹脂粒子分散液〔1〕316.48質量部、マゼンタ着色剤分散液〔1〕32.7質量部および純水120.41質量部を混合し、0.5N水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整した後、撹拌装置、冷却管および温度計を装着した反応槽に投入し、撹拌を行った。さらに、塩化マグネシウム6水和物20.9質量部を純水13.64質量部に溶解した塩化マグネシウム水溶液を、撹拌を行いながらゆっくり滴下した。撹拌を行いながら反応槽の内温を85℃まで昇温した。内温を85℃に維持し、撹拌しながら内液をサンプリングし、「コールターマルチサイザー」(コールター社製)を用いて会合粒子の粒径の測定を行い、体積基準のメディアン径が6.5μmに達した時点で、塩化ナトリウム64.25質量部を純水256.99質量部に溶解した塩化ナトリウム水溶液を加え、さらに撹拌下で85℃に維持し、粒径測定およびフロー式粒子像分析装置「FIPA−2100」(Sysmex社製)を用い、粒径の変動がないことを確認すると共に、円形度を測定し、円形度が0.965に達した時点で冷却を行い、室温まで冷却した。その後、ろ過、洗浄を繰り返した後、乾燥を行い、マゼンタトナー粒子〔1〕を作製した。
(5)外添剤の添加
マゼンタトナー粒子〔1〕に対し、疎水性シリカ(数平均一次粒子径:12nm)1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径:20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し、マゼンタトナー〔1〕を作製した。
マゼンタトナー〔1〕の体積基準のメディアン径は6.53μm、変動係数(CV値)は18.9%、平均円形度は0.966であった。
なお、マゼンタトナー粒子〔1〕中のマゼンタ着色剤〔1〕の分散粒径(水平フェレ径の平均値)は、上述した測定方法によって測定したところ、19nmであった。
〔実施例2:マゼンタトナーの作製例2〕
マゼンタトナーの作製例1の(1)マゼンタ着色剤の作製において、キナクリドン顔料を「Cinquasia Magenta RT−235D(C.I.ピグメントレッド202)」(BASF社製)に変更し、また、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物を上記例示化合物(1−2)に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔2〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔2〕をマゼンタ着色剤〔1〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔2〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔2〕の分散粒径を表1に示す。
〔実施例3:マゼンタトナーの作製例3〕
マゼンタトナーの作製例1の(1)マゼンタ着色剤の作製において、キナクリドン顔料を「Symuler Super Magenta RY(C.I.ピグメントレッド122)」(DIC社製)に変更し、また、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物を上記例示化合物(1−3)に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔3〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔3〕をマゼンタ着色剤〔1〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔3〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔3〕の分散粒径を表1に示す。
〔実施例4:マゼンタトナーの作製例4〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物としての例示化合物(1−3)の添加量を0.5質量部に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔4〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔4〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔4〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔4〕の分散粒径を表1に示す。
〔実施例5:マゼンタトナーの作製例5〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物としての例示化合物(1−3)の添加量を10質量部に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔5〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔5〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔5〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔5〕の分散粒径を表1に示す。
〔実施例6:マゼンタトナーの作製例6〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、ソルトミリング時間を5時間に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔6〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔6〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔6〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔6〕の分散粒径を表1に示す。
〔実施例7:マゼンタトナーの作製例7〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、ソルトミリング時間を20時間に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔7〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔7〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔7〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔7〕の分散粒径を表1に示す。
〔実施例8:マゼンタトナーの作製例8〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物を上記例示化合物(1−4)に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔8〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔8〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔8〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔8〕の分散粒径を表1に示す。
〔実施例9:マゼンタトナーの作製例9〕
テレフタル酸1243質量部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物1830質量部およびビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物840質量部を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3質量部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、ポリエステルを得た。これにシクロヘキサノン1500質量部を加えて溶解し、無水酢酸250質量部を加えて130℃で加熱した。さらに加熱減圧して溶媒、未反応酸を除去し、ポリエステル樹脂〔1〕を得た。ポリエステル樹脂〔1〕の重量平均分子量は21,000、ガラス転移点は60℃、酸価は8mgKOH/g、水酸価は16mgKOH/gであった。
ポリエステル樹脂〔1〕100質量部、マゼンタトナーの作製例3において得られたマゼンタ着色剤〔3〕4質量部、酢酸エチル110質量部をボールミルで48時間分散し、樹脂溶液を調製した。炭酸カルシウム分散液7質量部とカルボキシメチルセルロースの2質量%水溶液100質量部を撹拌し、これに樹脂溶液50質量部をゆっくり投入して懸濁液を調製した。その後、懸濁液を減圧下で溶媒を除去し、次いで6N塩酸100質量部を加えて炭酸カルシウムを除去、さらに水洗、乾燥、分級し、マゼンタトナー粒子〔9〕を得た。
このマゼンタトナー粒子〔9〕に対し、疎水性シリカ(数平均一次粒子径:12nm)1質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し、マゼンタトナー〔9〕を作製した。
マゼンタトナー〔9〕の体積基準のメディアン径は7.4μm、変動係数(CV値)は28.2%、平均円形度は0.978であった。
なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔9〕の分散粒径を表1に示す。
〔比較例1:マゼンタトナーの作製例10〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物を添加しなかったことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔10〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔10〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔10〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔10〕の分散粒径を表1に示す。
〔比較例2:マゼンタトナーの作製例11〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物としての例示化合物(1−3)の添加量を15質量部に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔11〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔11〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔11〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔11〕の分散粒径を表1に示す。
〔比較例3:マゼンタトナーの作製例12〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、ソルトミリング時間を50時間に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔12〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔12〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔12〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔12〕の分散粒径を表1に示す。
〔比較例4:マゼンタトナーの作製例13〕
マゼンタトナーの作製例3の(1)マゼンタ着色剤の作製において、ソルトミリング時間を1時間に変更したことの他は同様にしてマゼンタ着色剤〔13〕を作製し、このマゼンタ着色剤〔13〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔13〕を作製した。なお、上述した測定方法によって測定したマゼンタトナー粒子中のマゼンタ着色剤〔13〕の分散粒径を表1に示す。
〔比較例5:マゼンタトナーの作製例14〕
マゼンタトナーの作製例9において、マゼンタトナーの作製例10で得られたマゼンタ着色剤〔10〕をマゼンタ着色剤〔3〕の代わりに用いたことの他は同様にしてマゼンタトナー〔14〕を作製した。
〔現像剤の作製例1〜14〕
フェライト粒子(体積基準メディアン径:50μm(パウダーテック社製))100質量部と、メチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体樹脂(体積基準のメディアン径:85nm)4質量部とを、水平撹拌羽根式高速撹拌装置に投入し、撹拌羽根の周速8m/s、温度30℃の条件で15分間混合した後、120℃まで昇温して撹拌を4時間継続した。その後、冷却し、200メッシュの篩を用いてメチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体樹脂の破片を除去することにより、樹脂被覆型キャリアを作製した。
この樹脂被覆型キャリアを、マゼンタトナー〔1〕〜〔14〕の各々に対し、トナー濃度が7質量%となるように混合し、マゼンタ現像剤〔1〕〜〔14〕を作製した。
〔評価〕
マゼンタ現像剤〔1〕〜〔14〕を用いて、下記評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価1:帯電安定性〕
マゼンタ現像剤を50mlのガラス瓶に入れ、これを温度23℃、湿度50%RHで8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーを用いて50rpmで10分間および60分間摩擦撹拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用いた。帯電量比(摩擦撹拌時間60分間の帯電量/摩擦撹拌時間10分間)を算出し、0.7以上1.3以下を合格とした。
〔評価2:画像濃度安定性〕
マゼンタ現像剤をカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に投入し、トナー付着量8g/m2 のベタ画像をプリントした。1枚目と連続プリント10000枚目との画像濃度を透過濃度計「TD904」(マクベス社製)を用いて測定し、その濃度差が0.04未満である場合を合格とした。

Claims (5)

  1. 結着樹脂、および、キナクリドン顔料を含むマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなるマゼンタトナーにおいて、
    マゼンタ着色剤として、フタルイミドメチル化キナクリドン化合物が、前記キナクリドン顔料100質量部に対して1〜20質量部の割合で含有されていることを特徴とするマゼンタトナー。
  2. 前記マゼンタ着色剤は、前記マゼンタトナー粒子中の分散粒径が、個数基準のメディアン径で10〜25nmのものであることを特徴とする請求項1に記載のマゼンタトナー。
  3. 前記フタルイミドメチル化キナクリドン化合物は、1〜2個のフタルイミドメチル基がキナクリドン顔料に置換されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマゼンタトナー。
  4. 前記フタルイミドメチル化キナクリドン化合物は、フタルイミドメチル基が、キナクリドン顔料の置換位置番号において3位および/または10位に置換されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のマゼンタトナー。
  5. 前記フタルイミドメチル化キナクリドン化合物は、フタルイミドメチル基が、キナクリドン顔料の置換位置番号において3位および/または10位に置換されており、かつ、メチル基がキナクリドン顔料の置換位置番号において2位および9位に置換されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のマゼンタトナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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