JP5553068B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の製造方法として、重合法は、例えば粉砕法などに比べ、製造時の所要エネルギーが少ないこと、トナーの小粒径化を図ることができること、微粉成分の発生を抑えることができることなどの利点を有する。
重合法としては、例えば、懸濁重合法や乳化凝集法などが知られており、中でも乳化凝集法は、形状の制御が容易である点で好ましく採用されている。
乳化凝集法は、乳化重合などによって製造された結着樹脂の微粒子と、他のトナー構成成分、例えば着色剤の微粒子とを、凝集剤を用いて凝集させる凝集工程の後、凝集停止剤を用いて、結着樹脂の微粒子の凝集を停止させる凝集停止工程を経る方法である。凝集工程および凝集停止工程において用いられる凝集剤および凝集停止剤としては、一般に金属塩などが用いられている(特許文献1参照)。
しかしながら、凝集剤や凝集停止剤として金属塩を用いる場合においては、凝集粒子には金属塩に由来の金属元素が残存することとなる。このような金属元素を含有する化合物は、高い吸湿性を有するものである場合があることから、得られるトナーについても、吸湿性が高いものとなり、その結果、画像形成処理の環境条件によってはトナーの帯電量にバラツキが生じ、画像欠陥が発生するという問題がある。具体的には、高温高湿環境下において多数部印刷する場合においては、カブリや画像濃度低下などの画像欠陥が生じる。
特開2003−66648号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、粒径および粒度分布を効果的に制御することができ、また、優れた帯電特性を有する静電荷像現像用トナーを製造する方法を提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
水系媒体中に結着樹脂の微粒子が分散されてなる分散液に、2価または3価の金属元素を有する化合物よりなる凝集剤を添加することにより、当該結着樹脂の微粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子の凝集系に凝集停止剤を添加することにより、前記凝集粒子の成長を停止させる凝集停止工程とを有し、
前記凝集停止剤が、下記式(1)で表わされる構造(1)および下記式(2)で表わされる構造(2)の少なくとも一方を有する化合物よりなり、当該凝集停止剤は金属元素を含まないことを特徴とする。

〔式(1)中、R1 〜R4 は、水素原子、ヒドロキシ基または有機基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただし、R1 およびR4 のうち少なくとも1つはヒドロキシ基を示す。また、R1 〜R3 のうち少なくとも2つが互いに結合して単環構造または多環構造を形成していてもよい。 a は、結合手、水素原子またはヒドロキシ基を示す。

〔式(2)中、R5 〜R9 は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基または有機基を示す。ただし、R5 およびR6 のうち少なくとも1つはヒドロキシ基を示す。 b は、結合手を示す。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記凝集剤が、2価または3価の金属元素がFe、ZnまたはAlのものよりなることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記凝集停止剤が、前記構造(1)および前記構造(2)の両者を有する化合物よりなることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記凝集停止剤が、前記式(1)において、R1 およびR4 がヒドロキシ基である構造を有する化合物よりなることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、凝集停止工程において、凝集停止剤として式(1)で表わされる構造(1)および式(2)で表わされる構造(2)の少なくとも一方を有する化合物(以下、「特定の構造を有する化合物」ともいう。)を用いることにより、優れた凝集緩和効果が得られ、その結果、粒径および粒度分布を効果的に制御することができ、また、当該凝集停止剤が金属塩を含まないことから、製造過程において用いられる金属塩の使用量が低減され、従って、得られるトナーに含有される金属塩に由来の金属元素の含有量が低減されるので、優れた帯電特性を有するトナーを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂を含有し、必要に応じて着色剤や離型剤、荷電制御剤などのトナー構成成分を含有するトナー粒子からなるトナーを製造する方法であって、少なくとも、水系媒体中に結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう。)が分散されてなる分散液に、2価または3価の金属元素を有する化合物よりなる凝集剤を添加することにより、当該結着樹脂微粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子の凝集系に凝集停止剤として特定の構造を有する化合物を添加することにより、凝集粒子の成長を停止させる凝集停止工程とを有する方法である。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、結着樹脂微粒子を溶解しない有機溶媒が好ましい。
本発明のトナーの製造方法の一例を示すと、例えば、トナー構成成分として着色剤、離型剤および荷電制御剤を含有するトナー粒子を得る場合は、以下の工程が挙げられる。
(1)水系媒体中に着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)が分散されてなる分散液(以下、「着色剤微粒子分散液」という。)を調製する着色剤微粒子分散液調製工程
(2)水系媒体中に、離型剤および荷電制御剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液(以下、「結着樹脂微粒子分散液」という。)を調製する結着樹脂微粒子分散液調製工程
(3)水系媒体中に着色剤微粒子および結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液に、2価または3価の金属元素を有する化合物よりなる凝集剤を添加することにより、当該着色剤微粒子および結着樹脂微粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程
(4)凝集粒子の凝集系に、凝集停止剤として特定の構造を有する化合物を添加することにより、凝集粒子の成長を停止させる凝集停止工程
(5)凝集粒子を熱エネルギーによって熟成させることにより、形状を制御してトナー粒子を形成する熟成工程
(6)トナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から凝集剤、凝集停止剤、界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程
(7)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
また、必要に応じて、以下の工程を加えることができる。
(8)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
(1)着色剤微粒子分散液調製工程
この着色剤微粒子分散液調製工程は、トナー粒子に着色剤を導入する場合に、必要に応じて行うものである。
着色剤微粒子分散液は、水系媒体中に着色剤を分散させることにより得られる。
分散の方法としては、分散機を用いるなど、公知の種々の方法を採用することができる。
着色剤微粒子分散液における着色剤微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で例えば10〜300nmの範囲にあることが好ましい。
本発明において、着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定されるものである。
〔着色剤〕
トナー粒子に含有される着色剤としては、例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄、染料、その他の顔料などの公知の種々のものを用いることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられ、黒色酸化鉄としては、例えば、マグネタイト、ヘマタイト、三酸化チタン鉄などが挙げられる。
染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などが挙げられる。
その他顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同150、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60などが挙げられる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、トナー粒子中に1〜10質量%とされることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。
着色剤の含有量が過少である場合は、得られるトナーに所望の着色力が得られないおそれがあり、一方、着色剤の含有量が過多である場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
着色剤をトナー粒子中に導入する方法としては、この例のように結着樹脂微粒子とは別個に着色剤のみからなる着色剤微粒子を作製してこれらを凝集させる方法に限定されず、例えば、結着樹脂微粒子分散液調製工程において着色剤が含有された結着樹脂微粒子の分散液を調製し、この着色剤含有結着樹脂微粒子を凝集させる方法を選択することもできる。
〔分散剤〕
着色剤微粒子分散液調製工程においては、水系媒体には、分散剤が添加されていてもよく、分散剤としては、従来公知の種々の界面活性剤などを用いることができる。
(2)結着樹脂微粒子分散液調製工程
結着樹脂微粒子は、トナーの技術分野において公知の製造方法、例えば、乳化重合法、転相乳化法、懸濁重合法、溶解懸濁法などにより製造することができる。中でも、乳化重合法による製造方法が好ましい。
乳化重合法においては、結着樹脂を得るための重合性単量体を水系媒体中に分散させて乳化粒子を形成した後、重合開始剤を添加して重合性単量体を重合させることにより、結着樹脂微粒子が形成される。
〔結着樹脂〕
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂としてビニル系樹脂を用いる場合、結着樹脂を得るための重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
(1)スチレンおよびその誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンおよびこれらの誘導体など。
(2)メタクリル酸エステルおよびその誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの誘導体など。
(3)アクリル酸エステルおよびその誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルおよびこれらの誘導体など。
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレンなど。
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体など。
また、ビニル系樹脂を得るための重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などのイオン性解離基を有する単量体を用いることができる。具体的には、以下のものがある。
カルボキシル基を有する重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。また、スルフォン酸基を有する重合性単量体としては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸などが挙げられる。さらに、リン酸基を有する重合性単量体としてはアシドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、ビニル系樹脂を得るための重合性単量体として、多官能性ビニル類を使用することができ、これにより、架橋構造を有するビニル系樹脂が形成される。多官能性ビニル類としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
〔重合開始剤〕
結着樹脂微粒子分散液調製工程において重合開始剤を使用する場合、従来公知の種々のものを用いることができる。
重合開始剤の具体例としては、例えば、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)が好ましく用いられる。その他、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物、アゾビスイソブチロニトリルなどを用いてもよい。
〔連鎖移動剤〕
結着樹脂微粒子分散液調製工程においては、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば、2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合、結着樹脂を形成するための重合性単量体としては多価カルボン酸およびその誘導体、並びに、多価アルコールおよびその誘導体が用いられる。
多価カルボン酸およびその誘導体としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などのジカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上のカルボン酸類;これらの酸無水物、あるいは酸塩化物などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、多価アルコールおよびその誘導体としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,7−ヘプタングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの3価以上の多価脂肪族アルコール類;上記3価以上の多価脂肪族アルコール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、その酸価が40mgKOH/g、水酸基価が60mgKOH/g以下であることが好ましい。
なお、ポリエステル樹脂の酸価および水酸基価は定法により測定される値である。
〔界面活性剤〕
結着樹脂微粒子分散液調製工程において、水系媒体には、界面活性剤が添加されていてもよく、界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
結着樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した樹脂微粒子分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
結着樹脂微粒子分散液調製工程において得られる結着樹脂微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で20〜400nmの範囲にあることが好ましい。
本発明において、結着樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定されるものである。
また、トナー粒子に離型剤または荷電制御剤を含有させる場合においては、この結着樹脂微粒子分散液調製工程において添加することができる。
〔離型剤〕
トナー粒子中に離型剤が含有される場合においては、離型剤としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、脂肪酸エステルなどを用いることができる。
離型剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜25質量部とされ、好ましくは3〜15質量部とされる。
〔荷電制御剤〕
トナー粒子中に荷電制御剤が含有される場合においては、荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
(3)凝集工程
この凝集工程は、水系媒体中に着色剤微粒子および結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液に、2価または3価の金属元素を有する化合物よりなる凝集剤を添加することにより、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程である。
この凝集工程においては、その終始もしくは適宜の間にわたって、結着樹脂のガラス転移点以上で加熱して凝集粒子を構成する結着樹脂微粒子同士を融着させてもよい。
〔凝集剤〕
本発明における凝集工程においては、凝集剤としては、2価または3価の金属元素を有する化合物が用いられる。
このような凝集剤としては、例えば、2価または3価の金属元素を有する水溶性金属塩またはその水和物、ポリシリカ鉄、ポリ塩化アルミニウムなどが挙げられる。
2価または3価の金属元素を有する水溶性金属塩としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどの2価の金属塩;塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの3価の金属塩などが挙げられる。
ポリシリカ鉄は、一般式[SiO2 n ・[Fe2 3 ]で表される、平均分子量が20万〜50万ダルトン程度の安定した重合ケイ酸に鉄が導入された化合物である。
このポリシリカ鉄によれば、鉄由来の電荷中和作用と重合ケイ酸による架橋作用により、塩化第二鉄などの他の鉄系凝集剤を単独で使用した場合よりも高い凝集力が発揮される。
ポリシリカ鉄としては、ケイ素と鉄とのモル比(Si/Fe)が0.25〜3.0の範囲のものが好ましく、凝集粒子の粒度分布の制御性の観点から、0.25〜1.0の範囲のものを使用することが特に好ましい。
これらの凝集剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
凝集剤としては、凝集時の粒径制御性の観点から、2価または3価の金属元素がFe、ZnまたはAlのものであることが好ましい。
凝集剤の添加量は、分散液中の水系媒体1Lに対して1〜500mmolとされることが好ましく、2〜200mmolとされることがより好ましい。凝集剤がポリシリカ鉄である場合は、分散液中の水系媒体1Lに対して[Fe2 3 ]基準で1〜100mmolとされることが好ましく、2〜50mmolとされることがより好ましい。
凝集工程において、凝集剤を添加する際の分散液の温度は特に限定されないが、結着樹脂のガラス転移点以下であることが好ましい。
また、凝集工程において、分散液のpHは7以下に調整されることが好ましい。分散液のpHが7より大きい場合は、凝集時の粗大粒子の発生を抑制することができず、得られるトナーの粒度分布が広くなるおそれがある。
(4)凝集停止工程
この凝集停止工程は、上記の凝集工程において凝集粒子が所望の粒子径になった時点で、凝集停止剤として特定の構造を有する化合物を凝集粒子の凝集系に添加することにより、凝集粒子における結着樹脂微粒子間の凝集力を低下させて凝集粒子の粒径成長を停止させる工程である。
〔凝集停止剤〕
本発明における凝集停止工程においては、凝集停止剤としては、上記式(1)で表わされる構造(1)および上記式(2)で表わされる構造(2)の少なくとも一方を有する化合物が用いられる。
本発明においては、凝集停止剤として特定の構造を有する化合物を用いることにより、当該特定の構造を有する化合物がキレート作用を発揮し、凝集粒子の成長を効果的に停止させることができる。
凝集停止剤としては、構造(1)および構造(2)の少なくとも一方を有するものであれば特に限定されずに用いることができる。
構造(1)を示す式(1)においては、R1 〜R4 は、水素原子、ヒドロキシ基または有機基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただし、R1 およびR4 のうち少なくとも1つはヒドロキシ基を示す。また、R1 〜R3 のうち少なくとも2つが互いに結合して単環構造または多環構造を形成していてもよい。
式(1)において、R1 〜R4 により示される有機基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、アルコキシ基、グルコシル基、ルチノシル基、ラムノシル基、置換されたアルコキシ基、置換されたアシルオキシ基などが挙げられる。
凝集停止剤としては、粒径制御性の観点から、式(1)におけるR1 およびR4 がヒドロキシ基である構造(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン構造)を有する化合物が好ましく用いられる。
構造(2)を示す式(2)においては、R5 〜R9 は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基または有機基を示す。ただし、R5 およびR6 のうち少なくとも1つはヒドロキシ基を示す。
式(2)において、R5 〜R9 により示される有機基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基、アルコキシ基、グルコシル基、ルチノシル基、ラムノシル基、置換されたアルコキシ基、置換されたアシルオキシ基などが挙げられる。
凝集停止剤として、構造(1)を有する化合物としては、例えば、下記例示化合物(1−1)〜(1−10)が挙げられ、具体的には、カテキン(例示化合物(1−1))、エピカテキン(例示化合物(1−2))、エピガロカテキン(例示化合物(1−3))、エピガロカテキンガラート(例示化合物(1−4))、クロロゲン酸(例示化合物(1−5))、エラグ酸(例示化合物(1−6))、ピロガロール(例示化合物(1−7))、カテコール(例示化合物(1−8))、1,2,3,5−テトラヒドロキシベンゼン(例示化合物(1−9))、ヘキサヒドロキシベンゼン(例示化合物(1−10))などが挙げられる。
凝集停止剤として、構造(2)を有する化合物としては、例えば、下記例示化合物(1−20)〜(1−27)が挙げられ、具体的には、モリン(例示化合物(1−20))、カエンプフェロール(例示化合物(1−21))、ナリンゲニン(例示化合物(1−22))、ナリンジン(例示化合物(1−23))、へスペレチン(例示化合物(1−24))、ヘスペリジン(例示化合物(1−25))、アピゲニン(例示化合物(1−26))、ジオスミン(例示化合物(1−27))などが挙げられる。
凝集停止剤として、構造(1)および構造(2)の両者を有する化合物としては、例えば、下記例示化合物(1−30)〜(1−32)が挙げられ、具体的には、クエルセチン(例示化合物(1−30))、ルチン(例示化合物(1−31))、ミリセチン(例示化合物(1−32))などが挙げられる。
凝集停止剤としては、粒径制御性の観点から、構造(1)および構造(2)の両者を有する化合物が好ましく用いられる。
凝集停止剤としての特定の構造を有する化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
凝集停止剤の水系媒体に対する添加量は、凝集系中の水系媒体1Lに対して1〜1000mmolとされることが好ましく、4〜400mmolとされることがより好ましい。
(5)熟成工程
熟成工程は、必要に応じて行われるものであって、当該熟成工程においては、凝集粒子を熱エネルギーにより所望の形状になるまで熟成させる熟成処理が行われる。
熟成工程において、加熱温度は例えば、結着樹脂のガラス転移点以上100℃以下であることが好ましい。
(6)濾過、洗浄工程
濾過、洗浄工程は、一般的に行われる公知のトナー粒子の製造方法における濾過、洗浄工程に従って行うことができる。
濾過、洗浄工程において、具体的な濾過、洗浄を行う時点でのトナー粒子の分散系のpHは、1.0〜5.0に調整されていることが好ましい。このようなpHに調整されていることによって、トナー粒子中に取り込まれなかった凝集剤、界面活性剤、着色剤などを効果的に洗浄して除去することができる。
(7)乾燥工程
乾燥工程は、一般的に行われる公知のトナー粒子の製造方法における乾燥工程に従って行うことができる。
(8)外添剤添加工程
上記のトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加してもよい。
流動化剤としては、例えば、数平均一次粒子径が10〜1000nm程度の、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸亜鉛、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛などよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、スチレン−メチルメタクリレート共重合体微粒子などの有機微粒子が挙げられる。
外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらの外添剤の添加量は、その合計の添加量がトナー粒子100質量部に対して好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部とされる。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
以上のようなトナーの製造方法によって得られたトナーによれば、優れた帯電特性が発揮されて、画像品質の高い可視画像を形成することができる。
〔トナーの粒径〕
トナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜8μmであることが好ましく、より好ましくは5〜8μmである。この粒径は、製造時において使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、結着樹脂の組成などによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することなどができる。
本発明において、トナーの体積基準のメジアン径は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。
具体的には、試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、試料分散液を調製し、この試料分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
〔トナーの粒度分布〕
トナーの体積基準の粒度分布における変動係数(Cv値)は、2〜22%であること好ましく、より好ましくは5〜20%である。
体積基準の粒度分布における変動係数(Cv値)は、トナーの粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、下記式(x)によって定義されるものである。
式(x):Cv値(%)=(個数粒度分布における標準偏差)/(個数粒度分布におけるメジアン径)×100
このCv値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、トナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、Cv値が上記範囲にあることにより、大きさの揃ったトナー粒子が得られることになるので、デジタル方式による画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像を形成する場合において、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルまたはそれ以上の高画質の写真画像を形成することができる。
〔トナーの平均円形度〕
トナーの平均円形度は、帯電特性の安定性、低温定着性の観点から、平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、0.950〜0.995であることがより好ましい。
平均円形度が上記の範囲であることにより、個々のトナー粒子が破砕しにくくなって摩擦帯電付与部材の汚染が抑制されてトナーの帯電性が安定し、また、記録材に転写されたトナー層におけるトナー粒子の充填密度が高くなって定着性が向上し、定着オフセットが発生しにくくなる。
本発明において、トナーの平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定されるものである。
具体的には、試料(トナー)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々の粒子について下記式(y)に従って円形度を算出し、各粒子の円形度を加算し、全粒子数で除することにより算出した値である。HPF検出数が上記の範囲であれば、再現性が得られる。
式(y):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
〔現像剤〕
本発明の製造方法により得られたトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、例えば、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの粒径は、体積基準のメジアン径で20〜100μmであることが好ましく、より好ましくは25〜80μmである。
本発明において、キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
好ましいキャリアとしては、磁性粒子の表面が樹脂により被覆されている樹脂被覆キャリア、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを挙げることができる。樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、本発明のトナーの製造方法は、結着樹脂が含有されたコア粒子とその外周面を被覆するシェル樹脂よりなるシェル層とよりなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなるトナーの製造に適用することもできる。
本発明によれば、凝集停止工程において、凝集停止剤として特定の構造を有する化合物を用いることにより、優れた凝集緩和効果が得られ、その結果、粒径および粒度分布を効果的に制御することができ、また、当該凝集停止剤が金属塩を含まないことから、製造過程において用いられる金属塩の使用量が低減され、従って、得られるトナーに含有される金属塩に由来の金属元素の含有量が低減されるので、優れた帯電特性を有するトナーを製造することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。結着樹脂微粒子の体積基準のメジアン径、着色剤微粒子の体積基準のメジアン径、トナーの体積基準のメジアン径、Cv値、平均円形度の測定は、それぞれ上述の通りに行った。
〔トナーの製造例1:実施例1〕
(1)着色剤微粒子分散液調製工程
ドデシル硫酸ナトリウム10質量%の水溶液900質量部を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)100質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子分散液〔1〕を調製した。この着色剤微粒子分散液〔1〕に分散される着色剤微粒子の粒径は、体積基準のメジアン径で150nmであった。
(2)結着樹脂微粒子分散液調製工程
撹拌装置を取り付けたフラスコ内においてに、スチレン448質量部、n−ブチルアクリレート165質量部、メタクリル酸16質量部、n−オクチルメルカプタン2質量部およびパラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)80質量部を90℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8質量部をイオン交換水1780質量部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径330nmを有する乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、これを80℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、結着樹脂微粒子分散液〔1〕を調製した。この結着樹脂微粒子分散液〔1〕に分散される結着樹脂微粒子の粒径は、体積基準のメジアン径で190nmであった。
(3)凝集工程
結着樹脂微粒子分散液〔1〕2105質量部、イオン交換水900質量部および着色剤微粒子分散液〔1〕200質量部を、撹拌装置、温度センサー、窒素導入装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調整し、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、凝集剤として塩化マグネシウム6水和物17質量部(結着樹脂微粒子分散液中の水系媒体1Lに対して33mmolとなる量)をイオン交換水100質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、これを60分間かけて85℃まで昇温し、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子を凝集させて凝集粒子を成長させた。
(4)凝集停止工程
「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)によって凝集粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.5μmとなった時点で、凝集系に凝集停止剤としてカテキン(例示化合物(1−1))48.5質量部(凝集系中の水系媒体1Lに対して65mmolとなる量)をイオン交換水350質量部に溶解した溶液を添加し、凝集粒子の成長を停止させた。
(5)熟成工程、濾過,洗浄工程、乾燥工程
熟成処理として液温85℃にて3時間にわたり加熱撹拌することにより、凝集粒子を融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4に調整し、撹拌を停止した。トナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返し、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子〔1〕を得た。
(6)外添剤添加工程
得られたトナー粒子〔1〕に対し、疎水性シリカ(数平均一次粒子径12nm、疎水化度68)1質量%および疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径20nm、疎水化度63)1質量%を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機杜製)により混合した。その後、目開き45μmのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔1〕を製造した。
このトナー〔1〕の体積基準のメジアン径は6.63μm、Cv値は22.2%であった。
〔トナーの製造例2〜9:実施例2〜9〕
トナーの製造例1において、(3)凝集工程において用いられる凝集剤および(4)凝集停止工程において用いられる凝集停止剤を表1に示すものに変更したことの他は同様にしてトナー〔2〕〜〔9〕を製造した。
〔トナーの製造例10:比較例1〕
トナーの製造例1において、(4)凝集停止工程において用いられる凝集停止剤を、塩化ナトリウム113質量部を純水350mlに溶解したものに変更したことの他は同様にしてトナー〔10〕を製造した。
〔トナーの製造例11:比較例2〕
トナーの製造例1において、(4)凝集停止工程において凝集停止剤を用いなかったことの他は同様にしてトナー〔11〕を製造した。
〔評価〕
得られたトナー〔1〕〜〔11〕について、当該トナー1gと体積平均粒径32μmのアクリル樹脂コートフェライトキャリア19gとからなる現像剤を20ccのガラス瓶に入れ、HH環境(温度30℃、湿度80%RH)、NN環境(温度20℃、湿度50%RH)およびLL環境(温度10℃、湿度20%RH)の各環境に24時間放置した後、振とう機「YS−LD」(株式会社ヤヨイ製)を用い、振とう角度45度、200ストローク/分で20分間振とうして、トナーおよびキャリアを帯電させた。
平行平板(アルミ)電極間に現像剤を摺動させながら配置し、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが1.0kV、ACバイアスが4.0kV、2.0kHzの条件でトナーを現像させた際の現像されたトナーの電荷量と質量を測定し、単位質量当たりの電荷量Q/m(μC/g)を帯電量とした。結果を表2に示す。
以上の結果より、本発明の製造方法に係る実施例1〜9によれば、凝集停止剤として特定の構造を有する化合物を用いたことにより、粒径(体積基準のメジアン径)および粒度分布(Cv値)を効果的に制御することができることが確認され、また、優れた帯電特性を有するトナーが得られることが確認された。

Claims (4)

  1. 結着樹脂を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
    水系媒体中に結着樹脂の微粒子が分散されてなる分散液に、2価または3価の金属元素を有する化合物よりなる凝集剤を添加することにより、当該結着樹脂の微粒子を凝集させて凝集粒子を形成する凝集工程と、
    前記凝集粒子の凝集系に凝集停止剤を添加することにより、前記凝集粒子の成長を停止させる凝集停止工程とを有し、
    前記凝集停止剤が、下記式(1)で表わされる構造(1)および下記式(2)で表わされる構造(2)の少なくとも一方を有する化合物よりなり、当該凝集停止剤は金属元素を含まないことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。

    〔式(1)中、R1 〜R4 は、水素原子、ヒドロキシ基または有機基を示し、これらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。ただし、R1 およびR4 のうち少なくとも1つはヒドロキシ基を示す。また、R1 〜R3 のうち少なくとも2つが互いに結合して単環構造または多環構造を形成していてもよい。 a は、結合手、水素原子またはヒドロキシ基を示す。

    〔式(2)中、R5 〜R9 は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基または有機基を示す。ただし、R5 およびR6 のうち少なくとも1つはヒドロキシ基を示す。 b は、結合手を示す。
  2. 前記凝集剤が、2価または3価の金属元素がFe、ZnまたはAlのものよりなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記凝集停止剤が、前記構造(1)および前記構造(2)の両者を有する化合物よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記凝集停止剤が、前記式(1)において、R1 およびR4 がヒドロキシ基である構造を有する化合物よりなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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