JP2006072157A - トナーの製造方法およびトナー - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを低減しつつ、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを製造することができるトナーを環境に優しい方法により提供すること。
【解決手段】樹脂を主材料とする第1の分散質611を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質612を分散した第2の分散液とをpH6以下とした状態で混合して、分散液6を得る混合工程と、分散液6を液滴状に吐出し、固化部3内を搬送させつつ、分散液6中の分散媒62を除去し、第1の分散質611および第2の分散質612由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体9を得る分散媒除去工程とを有する。また、混合工程に先立ち、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を小さくするように調製するpH調製工程を有する。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂を主材料とする第1の分散質611を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質612を分散した第2の分散液とをpH6以下とした状態で混合して、分散液6を得る混合工程と、分散液6を液滴状に吐出し、固化部3内を搬送させつつ、分散液6中の分散媒62を除去し、第1の分散質611および第2の分散質612由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体9を得る分散媒除去工程とを有する。また、混合工程に先立ち、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を小さくするように調製するpH調製工程を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、トナーの製造方法およびトナーに関するものである。
主として樹脂材料で構成された微粒子、すなわち樹脂微粒子としては、例えば、電子写真方式を採用するプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に用いられるトナーがある。
トナーの製造方法としては、トナーを構成する樹脂を含む分散質が分散媒中に微分散した分散液を液滴として吐出し、その液滴を、筒状の搬送部内を搬送しつつ、分散媒を除去して分散質由来の微粒子を凝集して凝集体とし、これをトナー粒子とするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
トナーの製造方法としては、トナーを構成する樹脂を含む分散質が分散媒中に微分散した分散液を液滴として吐出し、その液滴を、筒状の搬送部内を搬送しつつ、分散媒を除去して分散質由来の微粒子を凝集して凝集体とし、これをトナー粒子とするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1では、前述の分散液の調整に際し、分散剤等を含む水溶液に対し、予め樹脂と着色剤とを混合した材料を分散質として分散させる。
しかしながら、特許文献1の方法では、樹脂と着色剤との混合材料を分散質として分散させて分散液を調整するため、調製した分散液中で樹脂同士または着色剤同士が凝集しやすい。その結果、得られる分散液中の分散質の粒径や形状や、分散質間での着色剤の含有量にバラツキを生じる場合がある。
このような分散液を用いてトナー製造を行うと、得られるトナーも、粒径や形状のバラツキや、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを生じてしまう。
しかしながら、特許文献1の方法では、樹脂と着色剤との混合材料を分散質として分散させて分散液を調整するため、調製した分散液中で樹脂同士または着色剤同士が凝集しやすい。その結果、得られる分散液中の分散質の粒径や形状や、分散質間での着色剤の含有量にバラツキを生じる場合がある。
このような分散液を用いてトナー製造を行うと、得られるトナーも、粒径や形状のバラツキや、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを生じてしまう。
粒径や形状のバラツキの大きいトナーは、各トナー粒子間での特性が大きく異なるため、トナー粒子同士を摩擦帯電させる際に、帯電不良を起こしたり、トナー粒子を感光ドラムに静電的に付着(転写)させる際に、転写不良を起こすおそれがある。また、粒径や形状のバラツキの大きいトナーは、耐久性の低いものとなってしまい、その結果、長期にわたり良好な画像を形成することが難しい。
また、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキの大きいトナーは、例えばOHPシートに画像形成した場合に、発色性や透明性の低いものとなってしまう。
また、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキの大きいトナーは、例えばOHPシートに画像形成した場合に、発色性や透明性の低いものとなってしまう。
本発明の目的は、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを低減しつつ、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを製造することができるトナーの製造方法およびトナーを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のトナーの製造方法は、樹脂および着色剤を含む分散液を用いて、樹脂および着色剤を含んで構成されたトナーを製造する方法であって、
樹脂を主材料とする第1の分散質を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質を分散した第2の分散液とを、これらのpHの差を6以下とした状態で混合して、混合分散液を得る混合工程と、
前記混合分散液の液滴を形成するとともに、前記液滴から分散媒を除去し、前記第1の分散質および前記第2の分散質由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体を得る分散媒除去工程とを有することを特徴とする。
本発明のトナーの製造方法は、樹脂および着色剤を含む分散液を用いて、樹脂および着色剤を含んで構成されたトナーを製造する方法であって、
樹脂を主材料とする第1の分散質を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質を分散した第2の分散液とを、これらのpHの差を6以下とした状態で混合して、混合分散液を得る混合工程と、
前記混合分散液の液滴を形成するとともに、前記液滴から分散媒を除去し、前記第1の分散質および前記第2の分散質由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体を得る分散媒除去工程とを有することを特徴とする。
これにより、吐出される分散液中の第1の分散質および第2の分散質の粒径および形状の均一化を図ることができるので、分散媒除去工程において、粒径および形状の均一化が図られた第1の分散質および第2の分散質の集合体として凝集体を得ることができる。その結果、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。
また、得られる凝集体間での凝集体中における第1の分散質由来の微粒子と第2の分散質由来の微粒子との数の均一化を図ることができる。その結果、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを低減することができる。
特に、本発明は、混合工程において、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を6以下とすることにより、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができるため、前述した効果をより確実にもたらすことができる。
特に、本発明は、混合工程において、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を6以下とすることにより、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができるため、前述した効果をより確実にもたらすことができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記混合工程に先立ち、前記第1の分散液のpHと前記第2の分散液のpHとの差が小さくなるように、前記第1の分散液および前記第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程を有することが好ましい。
これにより、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差をより確実に6以下とし、トナーの形状および粒径の均一化、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量の均一化を図ることができる。
これにより、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差をより確実に6以下とし、トナーの形状および粒径の均一化、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量の均一化を図ることができる。
本発明のトナーの製造方法は、樹脂および着色剤が分散質として分散媒中に微分散した分散液を用いて、樹脂および着色剤を含んで構成されたトナーを製造する方法であって、
樹脂を主材料とする第1の分散質を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質を分散した第2の分散液とをこれらのpHの差が小さくなるように、前記第1の分散液および前記第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程と、
前記第1の分散液と前記第2の分散液とを混合して、混合分散液を得る混合工程と、
前記混合分散液の液滴を形成するとともに、前記液滴から分散媒を除去し、前記第1の分散質および前記第2の分散質由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体を得る分散媒除去工程とを有することを特徴とする。
樹脂を主材料とする第1の分散質を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質を分散した第2の分散液とをこれらのpHの差が小さくなるように、前記第1の分散液および前記第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程と、
前記第1の分散液と前記第2の分散液とを混合して、混合分散液を得る混合工程と、
前記混合分散液の液滴を形成するとともに、前記液滴から分散媒を除去し、前記第1の分散質および前記第2の分散質由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体を得る分散媒除去工程とを有することを特徴とする。
これにより、吐出される分散液中の第1の分散質および第2の分散質の粒径および形状の均一化を図ることができるので、分散媒除去工程において、粒径および形状の均一化が図られた第1の分散質および第2の分散質の集合体として凝集体を得ることができる。その結果、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。
また、得られる凝集体間での凝集体中における第1の分散質由来の微粒子と第2の分散質由来の微粒子との数の均一化を図ることができる。その結果、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを低減することができる。
特に、本発明は、混合工程に先立ち、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を小さくすることにより、混合工程において、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができるため、前述した効果をより確実にもたらすことができる。
特に、本発明は、混合工程に先立ち、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を小さくすることにより、混合工程において、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができるため、前述した効果をより確実にもたらすことができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の分散液および前記第2の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性であることが好ましい。
これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第2の分散質の平均粒径は、前記第1の分散質の平均粒径よりも小さいことが好ましい。
これにより、第1の分散質の周囲に第2の分散質が均一に存在するようにして、凝集体を得ることができるので、トナー粒子表面に露出する着色剤の量を低減しつつ、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキも抑えることができる。
これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第2の分散質の平均粒径は、前記第1の分散質の平均粒径よりも小さいことが好ましい。
これにより、第1の分散質の周囲に第2の分散質が均一に存在するようにして、凝集体を得ることができるので、トナー粒子表面に露出する着色剤の量を低減しつつ、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキも抑えることができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の分散質の平均粒径をDm1とし、前記第2の分散質の平均粒径をDm2としたときに、Dm1およびDm2が0.1<Dm2/Dm1<0.5なる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の分散質同士の隙間に第2の分散質を存在させるようにして、凝集体を得ることができるので、第1の分散質の周囲に第2の分散質をより均一に存在させることができる。
これにより、第1の分散質同士の隙間に第2の分散質を存在させるようにして、凝集体を得ることができるので、第1の分散質の周囲に第2の分散質をより均一に存在させることができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記混合工程において、前記第1の分散液と前記第2の分散液とのほかに、離型剤を主材料とする第3の分散質が分散した第3の分散液を混合することが好ましい。
これにより、吐出される分散液中の第1の分散質、第2の分散質、および第3の分散質の粒径および形状の均一化を図ることができるので、分散媒除去工程において、粒径および形状の均一化が図られた第1の分散質、第2の分散質、および第3の分散質の集合体として凝集体を得ることができる。その結果、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。
また、得られる凝集体間での凝集体中における第1の分散質由来の微粒子と第2の分散質由来の微粒子と第3の分散質由来の微粒子との数の均一化を図ることができる。その結果、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤および離型剤の含有量のバラツキを低減することができる。
これにより、吐出される分散液中の第1の分散質、第2の分散質、および第3の分散質の粒径および形状の均一化を図ることができるので、分散媒除去工程において、粒径および形状の均一化が図られた第1の分散質、第2の分散質、および第3の分散質の集合体として凝集体を得ることができる。その結果、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。
また、得られる凝集体間での凝集体中における第1の分散質由来の微粒子と第2の分散質由来の微粒子と第3の分散質由来の微粒子との数の均一化を図ることができる。その結果、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤および離型剤の含有量のバラツキを低減することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第3の分散質の平均粒径は、前記第1の分散質の平均粒径よりも小さいことが好ましい。
これにより、第1の分散質の周囲に第3の分散質が均一に存在するようにして、凝集体を得ることができるので、トナー粒子表面に露出する離型剤の量を低減しつつ、トナー粒子間でのトナー粒子中における離型剤の含有量のバラツキも抑えることができる。
これにより、第1の分散質の周囲に第3の分散質が均一に存在するようにして、凝集体を得ることができるので、トナー粒子表面に露出する離型剤の量を低減しつつ、トナー粒子間でのトナー粒子中における離型剤の含有量のバラツキも抑えることができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の分散質の平均粒径をDm1とし、前記第3の分散質の平均粒径をDm3としたときに、Dm1およびDm3が0.1<Dm3/Dm1<1.0なる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の分散質同士の隙間に第3の分散質を存在させるようにして、凝集体を得ることができるので、第1の分散質の周囲に第3の分散質をより均一に存在させることができる。
これにより、第1の分散質同士の隙間に第3の分散質を存在させるようにして、凝集体を得ることができるので、第1の分散質の周囲に第3の分散質をより均一に存在させることができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記混合工程に先立ち、前記第1の分散液のpHと前記第3の分散液のpHとの差を小さくするように、前記第1の分散液および前記第3の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程を有することが好ましい。
これにより、第1の分散質と第3の分散質とが吐出前に不本意に凝集するのを防止することができる。
これにより、第1の分散質と第3の分散質とが吐出前に不本意に凝集するのを防止することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記混合工程において、前記第1の分散液のpHと前記第3の分散液のpHとの差は、6以下であることが好ましい。
これにより、第1の分散質と第3の分散質とが吐出前に不本意に凝集するのをより確実に防止することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の分散液および前記第3の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性であることが好ましい。
これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができる。
これにより、第1の分散質と第3の分散質とが吐出前に不本意に凝集するのをより確実に防止することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記第1の分散液および前記第3の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性であることが好ましい。
これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができる。
本発明のトナーの製造方法では、前記分散媒は、主として水および/または水との相溶性に優れる液体で構成されたものであることが好ましい。
これにより、分散液中における分散質の分散性をさらに高めることができ、分散液中における分散質を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのばらつきが特に小さいものとすることができる。また、有機溶媒を実質的に用いることなく、または、極めて少量の有機溶媒を用いて、分散液を調製することができるため、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。
本発明のトナーは、本発明の製造方法を用いて得られたことを特徴とする。
これにより、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを低減しつつ、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。
これにより、分散液中における分散質の分散性をさらに高めることができ、分散液中における分散質を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのばらつきが特に小さいものとすることができる。また、有機溶媒を実質的に用いることなく、または、極めて少量の有機溶媒を用いて、分散液を調製することができるため、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。
本発明のトナーは、本発明の製造方法を用いて得られたことを特徴とする。
これにより、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを低減しつつ、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。
以下、本発明のトナー(トナー粒子)の製造方法およびトナーの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明のトナーの製造方法に用いられるトナー製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図、図2は、図1に示すトナー製造装置のヘッド部付近の拡大断面図である。
図1は、本発明のトナーの製造方法に用いられるトナー製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図、図2は、図1に示すトナー製造装置のヘッド部付近の拡大断面図である。
[分散液]
まず、本発明で用いる分散液6について説明する。本発明のトナーは、分散液6を用いて製造されるものである。分散液としては、例えば、懸濁液(サスペンション)や乳化液(エマルション、乳濁液、乳状液)等が挙げられる。なお、本明細書中において、「懸濁液」とは、液状の分散媒中に、固体(固形)の分散質(懸濁粒子)が分散した分散液(懸濁コロイドを含む)のことを指し、「乳化液(エマルション、乳濁液、乳状液)」とは、液状の分散媒中に、液状の分散質(分散粒子)が分散した分散液のことを指す。また、分散液中には、固体状の分散質と、液状の分散質とが併存していてもよい。このような場合、分散液中における分散質のうち、固体状の分散質の占める割合が液状の分散質の占める割合よりも大きいものを懸濁液といい、液状の分散質の占める割合が固体状の分散質の占める割合よりも大きいものを乳化液という。また、特に、本発明で用いる分散液は脱気処理が施されたものであるのが好ましい。脱気処理については、後に詳述する。
分散液6は、分散媒62中に分散質(分散相)61が微分散した構成となっている。
まず、本発明で用いる分散液6について説明する。本発明のトナーは、分散液6を用いて製造されるものである。分散液としては、例えば、懸濁液(サスペンション)や乳化液(エマルション、乳濁液、乳状液)等が挙げられる。なお、本明細書中において、「懸濁液」とは、液状の分散媒中に、固体(固形)の分散質(懸濁粒子)が分散した分散液(懸濁コロイドを含む)のことを指し、「乳化液(エマルション、乳濁液、乳状液)」とは、液状の分散媒中に、液状の分散質(分散粒子)が分散した分散液のことを指す。また、分散液中には、固体状の分散質と、液状の分散質とが併存していてもよい。このような場合、分散液中における分散質のうち、固体状の分散質の占める割合が液状の分散質の占める割合よりも大きいものを懸濁液といい、液状の分散質の占める割合が固体状の分散質の占める割合よりも大きいものを乳化液という。また、特に、本発明で用いる分散液は脱気処理が施されたものであるのが好ましい。脱気処理については、後に詳述する。
分散液6は、分散媒62中に分散質(分散相)61が微分散した構成となっている。
<分散媒>
分散媒62は、後述する第1の分散質611を分散可能なものであればいかなるものであってもよいが、主として、一般に溶媒として用いられているような材料(以下、「溶媒材料」ともいう)で構成されたものであるのが好ましい。
このような材料としては、例えば、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、フルフリルアルコール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物系溶媒、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、アクリルアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
分散媒62は、後述する第1の分散質611を分散可能なものであればいかなるものであってもよいが、主として、一般に溶媒として用いられているような材料(以下、「溶媒材料」ともいう)で構成されたものであるのが好ましい。
このような材料としては、例えば、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、フルフリルアルコール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物系溶媒、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、アクリルアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
上記の材料の中でも、分散媒62としては、主として水および/または水との相溶性に優れる液体(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が30g以上の液体)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、例えば、分散媒62中における第1の分散質611の分散性を高めることができ、分散液6中における第1の分散質611を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのバラツキの少ないものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナー(トナー粒子)は、粒子間での大きさ、形状のバラツキが小さく、円形度の大きいものとなる。また、特に、分散媒62が、水で構成されたものであると、例えば、トナーの製造工程において、実質的に有機溶媒を揮発しないようにすることができる。その結果、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法、すなわち、環境に優しい方法でトナーを製造することができる。
また、分散媒62の構成材料として複数の成分の混合物を用いる場合、分散媒の構成材料としては、前記混合物を構成する少なくとも2種の成分の間で、共沸混合物(最低沸点共沸混合物)を形成し得るものを用いるのが好ましい。これにより、後述するトナー製造装置の固化部において、分散媒62を効率良く除去することが可能となる。また、後述するトナー製造装置の固化部において、比較的低い温度で分散媒62を除去することが可能となり、最終的に得られるトナー(トナー粒子)の特性の劣化をより効果的に防止できる。例えば、水との間で、共沸混合物を形成し得る液体としては、二硫化炭素、四塩化炭素、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン、アニソール、2−メトキシエタノール、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、フルフリルアルコール、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン、アクリロニトリル、アセトニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、アクリルアルデヒド等が挙げられる。
また、分散媒62の沸点は、特に限定されないが、180℃以下であるのが好ましく、150℃以下であるのがより好ましく、35〜130℃であるのがさらに好ましい。このように、分散媒62の沸点が比較的低いものであると、後述するトナー製造装置の固化部において、分散媒62を比較的容易に除去することが可能となる。また、分散媒62としてこのような材料を用いることにより、最終的に得られるトナー粒子中における分散媒62の残留量を特に少ないものにすることができる。その結果トナーとしての信頼性がさらに高まる。
なお、分散媒62中には、上述した材料以外の成分が含まれていてもよい。例えば、分散媒62中には、後に第1の分散質611の構成成分として例示する材料や、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等の各種添加剤等が含まれていてもよい。
なお、分散媒62中には、上述した材料以外の成分が含まれていてもよい。例えば、分散媒62中には、後に第1の分散質611の構成成分として例示する材料や、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等の各種添加剤等が含まれていてもよい。
<分散質>
分散質61は、主として、樹脂を主材料とする第1の分散質611と、着色剤を主材料とする第2の分散質612とからなる。
(第1の分散質)
第1の分散質611は、少なくとも、主成分としての樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む材料で構成されている。樹脂の前駆体としては、例えば、当該樹脂のモノマー、ダイマー、オリゴマー等が挙げられる。
以下、第1の分散質611の構成材料について説明する。
分散質61は、主として、樹脂を主材料とする第1の分散質611と、着色剤を主材料とする第2の分散質612とからなる。
(第1の分散質)
第1の分散質611は、少なくとも、主成分としての樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む材料で構成されている。樹脂の前駆体としては、例えば、当該樹脂のモノマー、ダイマー、オリゴマー等が挙げられる。
以下、第1の分散質611の構成材料について説明する。
1.樹脂(バインダー樹脂)
樹脂(バインダー樹脂)としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、後述するトナー製造装置の固化部において、第1の分散質611中の原料を重合反応させることによりトナーを製造する場合には、通常、上記の樹脂材料のモノマー、ダイマー、オリゴマー等を用いる。
第1の分散質611中における樹脂の含有量は、特に限定されないが、2〜98wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。
樹脂(バインダー樹脂)としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、後述するトナー製造装置の固化部において、第1の分散質611中の原料を重合反応させることによりトナーを製造する場合には、通常、上記の樹脂材料のモノマー、ダイマー、オリゴマー等を用いる。
第1の分散質611中における樹脂の含有量は、特に限定されないが、2〜98wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。
2.溶媒
第1の分散質611中には、その成分の少なくとも一部を溶解する溶媒が含まれていてもよい。これにより、例えば、分散液6中における第1の分散質611の流動性を高めることができ、分散液6中における第1の分散質611を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのバラツキの少ないものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナー(トナー粒子)は、粒子間での大きさ、形状のバラツキが小さく、円形度の大きいものとなる。
溶媒としては、第1の分散質611を構成する成分の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、後述するようなトナー製造装置の固化部において、容易に除去されるものであるのが好ましい。
第1の分散質611中には、その成分の少なくとも一部を溶解する溶媒が含まれていてもよい。これにより、例えば、分散液6中における第1の分散質611の流動性を高めることができ、分散液6中における第1の分散質611を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのバラツキの少ないものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナー(トナー粒子)は、粒子間での大きさ、形状のバラツキが小さく、円形度の大きいものとなる。
溶媒としては、第1の分散質611を構成する成分の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、後述するようなトナー製造装置の固化部において、容易に除去されるものであるのが好ましい。
また、溶媒は、前述した分散媒62との相溶性が低いもの(例えば、25℃における分散媒100gに対する溶解度が30g以下のもの)であるのが好ましい。これにより、分散液6中において、第1の分散質611を安定した状態で微分散させることができる。
また、溶媒の組成は、例えば、前述した樹脂、着色剤の組成や、分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
また、溶媒の組成は、例えば、前述した樹脂、着色剤の組成や、分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
例えば、溶媒としては、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、2−メトキシエタノール等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、フルフリルアルコール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化合物系溶媒、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系溶媒、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、アクリルアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。この中でも特に、有機溶媒を含むものであるのが好ましく、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、芳香族複素環化合物系溶媒、アミド系溶媒、ハロゲン化合物系溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、ニトロ系溶媒、アルデヒド系溶媒から選択される1種または2種以上を含むものであるのがより好ましい。このような溶媒を用いることにより、第1の分散質611中において、比較的容易に、前述したような各成分を十分均一に分散させることができる。
(第2の分散質)
第2の分散質612は、着色剤を主材料として構成されている。
着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第2の分散質612中における着色剤の含有量は、特に限定されないが、2〜98wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。
第2の分散質612は、着色剤を主材料として構成されている。
着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第2の分散質612中における着色剤の含有量は、特に限定されないが、2〜98wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。
分散液6中における着色剤の含有量は、特に限定されないが、0.1〜10wt%であるのが好ましく、0.3〜3.0wt%であるのがより好ましい。着色剤の含有量が前記下限値未満であると、着色剤の種類によっては、十分な濃度の可視像を形成するのが困難になる可能性がある。一方、着色剤の含有量が前記上限値を超えると、最終的に得られるトナーの定着特性や帯電特性が低下する可能性がある。
このような第2の分散質612には、着色剤以外の成分が含まれていてもよい。
また、分散液6中には、ワックスなどの離型剤が含まれていてもよい。
このような第2の分散質612には、着色剤以外の成分が含まれていてもよい。
また、分散液6中には、ワックスなどの離型剤が含まれていてもよい。
離型剤としては、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、綿ロウ、木ロウ等の植物系ワックス・ロウ、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス・ロウ、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス・ロウ、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油ワックス・ロウ等の天然ワックス・ロウや、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス(ポリエチレン樹脂)、ポリプロピレンワックス(ポリプロピレン樹脂)、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス・ロウ等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、離型剤としては、さらに低分子量の結晶性高分子樹脂を使用してもよく、例えば、ポリn−ステアリルメタクリレート、ポリn−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等を使用することもできる。
分散液6中における離型剤の含有量は、特に限定されないが、1.0wt%以下であるのが好ましく、0.5wt%以下であるのがより好ましい。離型剤の含有量が多すぎると、最終的に得られるトナー粒子中において、離型剤が遊離、粗大化して、トナー粒子表面への離型剤のしみ出し等が顕著に起こり、トナーの転写効率が低下する傾向を示す。
離型剤の軟化点は、特に限定されないが、50〜180℃であるのが好ましく、60〜160℃であるのがより好ましい。
離型剤の軟化点は、特に限定されないが、50〜180℃であるのが好ましく、60〜160℃であるのがより好ましい。
このような離型剤は、分散液6中に第3の分散質として含まれていてもよい。すなわち、分散液6は、離型剤を主材料とする第3の分散質を分散媒62中に分散していてもよい。
また、分散液6中には、これら以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、乳化分散剤、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。この中でも、乳化分散剤を用いた場合、例えば、分散液6中における第1の分散質611や第2の分散質612(分散液6中に離型剤が分散質として含まれる場合は、第3の分散質も含む。以下、同様。)の分散性を向上させることが可能となる。ここで、乳化分散剤としては、例えば、乳化剤、分散剤、分散助剤等が挙げられる。
また、分散液6中には、これら以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、乳化分散剤、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。この中でも、乳化分散剤を用いた場合、例えば、分散液6中における第1の分散質611や第2の分散質612(分散液6中に離型剤が分散質として含まれる場合は、第3の分散質も含む。以下、同様。)の分散性を向上させることが可能となる。ここで、乳化分散剤としては、例えば、乳化剤、分散剤、分散助剤等が挙げられる。
分散剤としては、例えば、燐酸三カルシウム等の無機系分散剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等の非イオン性有機分散剤、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、オレイン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)等のアニオン性有機分散剤、4級アンモニウム塩等のカチオン性有機分散剤等が挙げられる。この中でも、非イオン性有機分散剤またはアニオン性有機分散剤が特に好ましい。
分散液6中における分散剤の含有量は、特に限定されないが、3.0wt%以下であるのが好ましく、0.01〜1.0wt%であるのがより好ましい。
また、分散助剤としては、例えば、アニオン、カチオン、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
分散助剤は、分散剤と併用するものであるのが好ましい。分散液6が分散剤を含むものである場合、分散液6中における分散助剤の含有量は、特に限定されないが、2.0wt%以下であるのが好ましく、0.005〜0.5wt%であるのがより好ましい。
また、分散助剤としては、例えば、アニオン、カチオン、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
分散助剤は、分散剤と併用するものであるのが好ましい。分散液6が分散剤を含むものである場合、分散液6中における分散助剤の含有量は、特に限定されないが、2.0wt%以下であるのが好ましく、0.005〜0.5wt%であるのがより好ましい。
前記帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフミン酸等が挙げられる。
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、分散液6中には、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム等が添加されていてもよい。
また、分散液6中には、第1の分散質611や第2の分散質612などの分散質以外の成分が、不溶分として分散していてもよい。例えば、分散液6中には、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等が分散していてもよい。
また、分散液6中には、第1の分散質611や第2の分散質612などの分散質以外の成分が、不溶分として分散していてもよい。例えば、分散液6中には、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等が分散していてもよい。
分散液6では、第1の分散質611および第2の分散質612が分散媒62中に微分散した状態となっている。
分散液6中における第1の分散質611や第2の分散質612の平均粒径は、特に限定されないが、0.05〜1.0μmであるのが好ましく、0.1〜0.8μmであるのがより好ましい。第1の分散質611や第2の分散質612の平均粒径がこのような範囲の値であると、最終的に得られるトナー粒子は、十分に円形度が高く、各粒子間での特性、形状の均一性に優れたものとなる。
分散液6中における第1の分散質611や第2の分散質612の平均粒径は、特に限定されないが、0.05〜1.0μmであるのが好ましく、0.1〜0.8μmであるのがより好ましい。第1の分散質611や第2の分散質612の平均粒径がこのような範囲の値であると、最終的に得られるトナー粒子は、十分に円形度が高く、各粒子間での特性、形状の均一性に優れたものとなる。
分散液6中における第1の分散質611の含有量は、特に限定されないが、1〜99wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。第1の分散質611の含有量が前記下限値未満であると、最終的に得られるトナー粒子の円形度が低下する傾向を示す。一方、第1の分散質611の含有量が前記上限値を超えると、分散媒62の組成等によっては、分散液6の粘性が高くなり、最終的に得られるトナー(トナー粒子)の形状、大きさのバラツキが大きくなる傾向を示す。
分散液6中においては、第1の分散質611や第2の分散質612は、固体状のものであってもよいし、液状のものであってもよいし、これらが併存していてもよい。すなわち、分散液6は懸濁液であってもよいし、乳化液であってもよい。
分散液6中においては、第1の分散質611や第2の分散質612は、固体状のものであってもよいし、液状のものであってもよいし、これらが併存していてもよい。すなわち、分散液6は懸濁液であってもよいし、乳化液であってもよい。
第1の分散質611や第2の分散質612が液状(例えば、溶液状態、溶融状態)のものである場合、分散媒62中に微分散した第1の分散質611や第2の分散質612の平均粒径を、比較的容易に、上記のような範囲の値にすることができる。また、第1の分散質611や第2の分散質612が液状のものである場合、第1の分散質611や第2の分散質612などの各分散質間での形状、大きさのバラツキを特に小さいものとすることができるため、最終的に得られるトナーは、各トナー粒子間での形状、大きさのバラツキが特に小さいものとなる。
また、第1の分散質611や第2の分散質612が固体状のものである場合、最終的に得られるトナー中に溶媒等の不要成分が残存するのをより効果的に防止することができる。その結果、トナーの信頼性は特に優れたものとなる。また、第1の分散質611や第2の分散質612が固体状のものである場合、すなわち、分散液6が懸濁液である場合、例えば、分散液6としての懸濁液は、乳化液を経由して調製されたものであってもよい。これにより、上述したような、第1の分散質611や第2の分散質612が固体状のものである場合の利点を十分に発揮しつつ、第1の分散質611や第2の分散質612が液状のものである場合の利点も効果的に発揮される。
また、分散媒62中に分散している第1の分散質611や第2の分散質612は、例えば、各粒子間で、ほぼ同一の組成を有するものであってもよいし、異なる組成を有するものであってもよい。例えば、分散液6は、第1の分散質611として、主として樹脂材料で構成されたものと、主としてワックスで構成されたものとを含むようなものであってもよい。
また、分散液6が乳化液(エマルション)である場合、当該分散液6は、O/W型エマルション、すなわち、水性の分散媒62中に、油性(ここでは、水に対する溶解度が小さい液体のことを指す)の第1の分散質611や第2の分散質612が分散したものであるのが好ましい。これにより、各粒子間での形状、大きさのバラツキが小さいトナーを安定的に製造することができる。また、分散媒62に水性の液体を用いることにより、後述するようなトナー製造装置の固化部における有機溶媒の揮発量を少なく、または実質的に有機溶媒を揮発しないものとすることができる。その結果、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。
また、分散液6中における第1の分散質611の平均粒径をDm1[μm]、トナー粒子の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.005≦Dm1/Dt≦0.5の関係を満足するのが好ましく、0.01≦Dm1/Dt≦0.2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、各粒子間での、形状、大きさのバラツキが特に小さいトナーを得ることができる。
以上説明したような分散液6は、例えば、以下のような方法を用いて調製することができる。
以上説明したような分散液6は、例えば、以下のような方法を用いて調製することができる。
本発明のトナーの製造方法では、樹脂を主材料とする第1の分散質611を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散液とをそれぞれ調製し、これらのpHの差を小さくした後に、これらを混合することにより分散液6を得る。以下、第1の分散液の調製、第2の分散液の調製、第1の分散液および/または第2の分散液のpH調整、第1の分散液と第2の分散液との混合について、順次説明する。
<第1の分散液(樹脂分散液)の調製>
(第1の方法)
まず、水または水との相溶性に優れる液体(水溶性の液体)に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、トナーの主成分となる樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む樹脂液を調製する。樹脂液の調製には、例えば、樹脂材料に加えて前述した溶媒を用いてもよい。また、樹脂液は、樹脂材料を加熱することにより得られる溶融した液体であってもよい。
(第1の方法)
まず、水または水との相溶性に優れる液体(水溶性の液体)に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、トナーの主成分となる樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む樹脂液を調製する。樹脂液の調製には、例えば、樹脂材料に加えて前述した溶媒を用いてもよい。また、樹脂液は、樹脂材料を加熱することにより得られる溶融した液体であってもよい。
次に、上記樹脂液を、攪拌した状態の水性溶液中に、徐々に滴下しながら加えていくことにより、水性の分散媒中に、樹脂材料を含む第1の分散質611が分散した第1の分散液(以下、樹脂分散液ともいう)が得られる。このような方法で、第1の分散液を調製することにより、第1の分散液(分散液6)中における第1の分散質611の円形度をさらに高めることができる。その結果、最終的に得られるトナー粒子は、円形度が特に高く、各粒子間での形状のバラツキが特に小さいものとなる。なお、樹脂液の滴下を行う際、水性溶液および/または樹脂液を加熱してもよい。また、樹脂液の調製に溶媒を用いた場合、例えば、上記のような滴下を行った後に、得られた第1の分散液を加熱したり、減圧雰囲気下に置くこと等により、第1の分散質611中に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去してもよい。例えば、第1の分散質611中に含まれる溶媒の大部分を除去することにより、第1の分散液を懸濁液として得ることができる。
(第2の方法)
また、第1の分散液は、以下のような方法(第2の方法)によっても、調製することができる。
まず、水または水との相溶性に優れる液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、樹脂材料を含む、粉末状または粒状の材料を用意する。
次に、この粉末状または粒状の材料を、攪拌した状態の水性溶液中に、徐々に投入していくことにより、水性の分散媒中に、樹脂材料を含む第1の分散質611が分散した分散液6が得られる。このような方法で、第1の分散液を調製した場合、後述するようなトナー製造装置の固化部において、実質的に有機溶媒を揮発しないようにすることができる。その結果、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。なお、前記材料を投入する際、例えば、水性溶液を加熱しておいてもよい。
また、第1の分散液は、以下のような方法(第2の方法)によっても、調製することができる。
まず、水または水との相溶性に優れる液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、樹脂材料を含む、粉末状または粒状の材料を用意する。
次に、この粉末状または粒状の材料を、攪拌した状態の水性溶液中に、徐々に投入していくことにより、水性の分散媒中に、樹脂材料を含む第1の分散質611が分散した分散液6が得られる。このような方法で、第1の分散液を調製した場合、後述するようなトナー製造装置の固化部において、実質的に有機溶媒を揮発しないようにすることができる。その結果、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。なお、前記材料を投入する際、例えば、水性溶液を加熱しておいてもよい。
また、上記のような第1の分散液の調製方法において、樹脂材料として複数種の樹脂を用いる場合、複数種の樹脂材料(結着樹脂)を含む混練物を用いてもよい。すなわち、上述した第1の方法での「樹脂材料」として、複数種の樹脂材料を含む混練物を用いてもよいし、第2の方法での「粉末状または粒状の材料」として、複数種の樹脂材料を含む混練物を用いてもよい。これにより、例えば、トナー粒子を、各構成成分がより均一に混ざり合ったものとして得ることができる。特に、トナーの構成成分として、分散性、相溶性に劣る2種以上の成分を含む場合であっても、上記のような効果を得ることができる。なお、混練物としては、例えば、樹脂成分以外の成分を含むものを用いることができる。これにより、上記のような効果はさらに顕著なものとなる。
また、第1の分散液の調製には、例えば、特願2003−113428号明細書に記載された方法を適用してもよい。すなわち、粉末状または粒状の樹脂材料(混練物)を含む液体を複数のノズルから噴射させ、各ノズルから噴射した前記液体同士を衝突させて、前記樹脂材料(混練物)を微粒化させ、微粒化した第1の分散質611を含む第1の分散液を得る方法を適用してもよい。これにより、第1の分散液中に含まれる第1の分散質611の大きさを、容易に、比較的小さいもの(前述した範囲の大きさ)とすることができ、また、各第1の分散質611の大きさのバラツキを小さくすることができる。
<第2の分散液(着色剤分散液)の調製>
第2の分散質612が分散した第2の分散液は、前述した第1の分散液の調製と同様の方法により、調整することができる。すなわち、前述した第1の分散液の調整方法の説明において、「樹脂材料」を「着色剤」に置換した方法により、第2の分散液を調整することができる。
第2の分散質612が分散した第2の分散液は、前述した第1の分散液の調製と同様の方法により、調整することができる。すなわち、前述した第1の分散液の調整方法の説明において、「樹脂材料」を「着色剤」に置換した方法により、第2の分散液を調整することができる。
第2の分散質612の平均粒径は、第1の分散質611の平均粒径よりも小さいのが好ましい。これにより、後述する分散媒除去工程において、第1の分散質611の周囲に第2の分散質612が均一に存在するようにして、凝集体9を得ることができるので、トナー粒子表面に露出する着色剤の量を低減しつつ、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキも抑えることができる。
この場合、第1の分散質611の平均粒径をDm1とし、第2の分散質612の平均粒径をDm2としたときに、Dm1およびDm2が0.1<Dm2/Dm1<0.5なる関係を満足するのが好ましく、0.15<Dm2/Dm1<0.4なる関係を満足するのがより好ましい。これにより、第1の分散質611同士の隙間に第2の分散質612を存在させるようにして、凝集体9を得ることができるので、第1の分散質611の周囲に第2の分散質612をより均一に存在させることができる。
なお、用いる分散媒は、第1の分散液と同じであっても、異なっていてもよい。
なお、用いる分散媒は、第1の分散液と同じであっても、異なっていてもよい。
<第1の分散液および/または第2の分散液のpH調整>
次に、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が小さくなるように、第1の分散液および第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整する。すなわち、後述する混合工程に先立ち、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が小さくなるように、第1の分散液および第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程を有する。これにより、より確実に、第1の分散質611と第2の分散質612とが吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのを防止することができ、その結果、トナーの形状および粒径の均一化、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量の均一化を図ることができる。これは、異なるpHの第1の分散液と第2の分散液とを混合した場合、これらの混合によるpHの変動ができるだけ小さく抑えられるためである。
次に、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が小さくなるように、第1の分散液および第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整する。すなわち、後述する混合工程に先立ち、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が小さくなるように、第1の分散液および第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程を有する。これにより、より確実に、第1の分散質611と第2の分散質612とが吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのを防止することができ、その結果、トナーの形状および粒径の均一化、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量の均一化を図ることができる。これは、異なるpHの第1の分散液と第2の分散液とを混合した場合、これらの混合によるpHの変動ができるだけ小さく抑えられるためである。
このpHの調整は、第1の分散液および第2の分散液のうちの少なくとも一方へのpH調整剤の添加により行うのが好ましい。pH調整剤としては、トナーの特性に悪影響を与えるものでなければ、特に限定されず、例えば、硝酸、塩酸、酢酸などの酸の水溶液、または、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などのアルカリの水溶液、DPDリン酸緩衝剤、グッド緩衝剤などの緩衝剤などを用いることができる。これらの中でも、中和反応により生じる塩が実質的に固体として析出せずに分散媒中に溶解するものが好ましい。また、酸またはアルカリを用いる場合には、弱酸、弱アルカリを用いるのが好ましく、また、HCLなどの強酸、NaOHなどの強アルカリを用いる場合には、できるだけ希釈して用いるのが好ましい。
また、このようなpH調整剤を用いてpH調整工程を行うと、後述する混合工程において、緩衝作用によりpHの安定化を図り、第1の分散質611と第2の分散質612とが吐出前に不本意に凝集するのをより確実に防止することができる。
また、このようなpH調整剤を用いてpH調整工程を行うと、後述する混合工程において、緩衝作用によりpHの安定化を図り、第1の分散質611と第2の分散質612とが吐出前に不本意に凝集するのをより確実に防止することができる。
また、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差は、6以下となっているのが好ましく、4以下となっているのがより好ましい。これにより、第1の分散質611と第2の分散質612とが吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのをより確実に防止することができる。
また、第1の分散液および第2の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性であるのが好ましい。これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質611同士および第2の分散質612同士の不本意な凝集を防止することができる。
なお、前述の第1の分散液および第2の分散液の調整後にすでに、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が6以下となっている場合、このpH調整工程を省略することができる。
また、第1の分散液および第2の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性であるのが好ましい。これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質611同士および第2の分散質612同士の不本意な凝集を防止することができる。
なお、前述の第1の分散液および第2の分散液の調整後にすでに、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が6以下となっている場合、このpH調整工程を省略することができる。
<第1の分散液と第2の分散液との混合>
前述したような方法により得られた樹脂分散液と、着色剤分散液とを混合・攪拌する。これにより、第1の分散質611および第2の分散質612が分散媒62中に分散した混合分散液(分散液6)を得る(混合工程)。
このようにして得られた分散液6中には、前述したように調製した第1の分散液中の第1の分散質611と第2の分散液中の第2の分散質612とが、その粒径をほとんどそのまま保った状態で分散される。
この混合工程において、前述した第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が小さくなるように調整されている。これにより、第1の分散質611と第2の分散質612とが吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのを防止することができる。
前述したような方法により得られた樹脂分散液と、着色剤分散液とを混合・攪拌する。これにより、第1の分散質611および第2の分散質612が分散媒62中に分散した混合分散液(分散液6)を得る(混合工程)。
このようにして得られた分散液6中には、前述したように調製した第1の分散液中の第1の分散質611と第2の分散液中の第2の分散質612とが、その粒径をほとんどそのまま保った状態で分散される。
この混合工程において、前述した第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差が小さくなるように調整されている。これにより、第1の分散質611と第2の分散質612とが吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのを防止することができる。
また、分散液6が離型剤を含むものである場合、この混合工程において、第1の分散液と第2の分散液とのほかに、離型剤を主材料とする第3の分散質が分散した第3の分散液を混合するのが好ましい。これにより、後述する分散媒除去工程において、吐出される分散液6中の第1の分散質611、第2の分散質612、および第3の分散質の粒径および形状の均一化を図ることができるので、粒径および形状の均一化を図られた第1の分散質611、第2の分散質612、および第3の分散質の集合体として凝集体9を得ることができる。その結果、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。
また、得られる凝集体9間での凝集体9中における第1の分散質611由来の微粒子と第2の分散質612由来の微粒子と第3の分散質由来の微粒子との数の均一化を図ることができる。その結果、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤および離型剤の含有量のバラツキを低減することができる。このようなトナーは、例えばOHPシートに画像形成を行った場合、優れた発色性および透明性を有するとともに、現像器内での離型剤の露出による凝集を防止しつつ、定着装置での良好な離型性により優れた定着特性を発揮する。
なお、第3の分散質612が分散した第3の分散液は、前述した第1の分散液の調製と同様の方法により、調整することができる。すなわち、前述した第1の分散液の調整方法の説明において、「樹脂材料」を「離型剤」に置換したような方法により、第3の分散液を調整することができる。
また、このように調製した第3の分散液中の第3の分散質は、後述する混合工程を経て、分散液6中に分散することとなるが、その粒径はほとんどそのまま保たれる。
また、このように調製した第3の分散液中の第3の分散質は、後述する混合工程を経て、分散液6中に分散することとなるが、その粒径はほとんどそのまま保たれる。
第3の分散質の平均粒径は、第1の分散質611の平均粒径よりも小さいのが好ましい。これにより、後述する分散媒除去工程において、第1の分散質611の周囲に第3の分散質が均一に存在するようにして、凝集体9と得ることができるので、トナー粒子表面に露出する離型剤の量を低減しつつ、トナー粒子間でのトナー粒子中における離型剤の含有量のバラツキも抑えることができる。
また、第1の分散質611の平均粒径をDm1とし、第3の分散質の平均粒径をDm3としたときに、Dm1およびDm3が0.1<Dm3/Dm1<1.0なる関係を満足するのが好ましく、0.2<Dm3/Dm1<0.9なる関係を満足するのがより好ましい。これにより、後述する分散媒除去工程において、第1の分散質611同士の隙間に第3の分散質を存在させるようにして、凝集体9を得ることができるので、第1の分散質611の周囲に第3の分散質をより均一に存在させることができる。
また、この混合工程に先立ち、第1の分散液のpHと第3の分散液のpHとの差を小さくするように調整するpH調整工程を有するのが好ましい。これにより、第1の分散質611と第3の分散質とが吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのを防止することができる。このpHの調整は、前述したようなpH調整剤の添加により行うことができる。
また、この混合工程において、前述した第1の分散液のpHと第3の分散液のpHとの差が6以下となっているのが好ましい。これにより、第1の分散質611と第3の分散質が吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのをより確実に防止することができる。
また、第1の分散液および第3の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性であるのが好ましい。これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質611同士および第3の分散質同士の不本意な凝集を防止することができる。
また、第1の分散液および第3の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性であるのが好ましい。これにより、より確実に、混合工程において、第1の分散質611同士および第3の分散質同士の不本意な凝集を防止することができる。
また、第1の分散液、第2の分散液、第3の分散液のうち、pHの差が小さい2つの分散液を混合した後に、残りの分散液を混合するのが好ましい。例えば、第1の分散液、第2の分散液、第3の分散液のpHの値が第1の分散液、第2の分散液、第3の分散液の順になっており、かつ、第1の分散液のpHと第2の分散液のPHとの差よりも、第1の分散液のpHと第3の分散液のPHとの差が大きい場合、まず、第1の分散液と第2の分散液とを混合した後に、これに第3の分散液を加えて混合する。これにより、第1〜3の分散質が吐出前(後述する分散媒除去工程に供される前)に不本意に凝集するのをより確実に防止することができる。
また、上記のような方法で得られた分散液6を、後述するトナー製造装置での吐出に供する前に、脱気処理を施す(脱気工程に供する)のが好ましい。これにより、分散液6中の気体の溶存量を低減させることができ、後述するトナー製造装置の固化部において、液滴状に吐出された分散液6から分散媒62を除去する際に、当該分散液6中に気泡等が発生するのを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られるトナー中に異形状のトナー粒子(中空粒子、欠落粒子等)が混入するのを効果的に防止することができる。したがって、各トナー粒子が均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーを容易かつ確実に得ることができる。また、これにより、最終的に得られるトナーを、転写性、流動性、クリーニング性等の特性が特に優れたものとすることができる。また、分散液6に脱気処理を施すことにより、最終的に得られるトナー粒子中における空孔(空隙)の割合を小さいものとすることができる。その結果、トナーに信頼性はさらに向上する。
脱気処理の方法は、特に限定されないが、例えば、分散液に超音波振動を与える方法(超音波振動法)や、分散液を減圧雰囲気中に置く方法(減圧法)等を用いることができる。
脱気処理の方法として減圧法を用いる場合、分散液が置かれる雰囲気の圧力は、80kPa以下であるのが好ましく、0.1〜40kPaであるのがより好ましく、1〜27kPaであるのがさらに好ましい。脱気処理時における雰囲気圧力がこのような範囲内の値であると、分散液6中における第1の分散質611の形状を十分に保持しつつ、溶存する気体を効率良く除去することができる。
脱気処理の方法として減圧法を用いる場合、分散液が置かれる雰囲気の圧力は、80kPa以下であるのが好ましく、0.1〜40kPaであるのがより好ましく、1〜27kPaであるのがさらに好ましい。脱気処理時における雰囲気圧力がこのような範囲内の値であると、分散液6中における第1の分散質611の形状を十分に保持しつつ、溶存する気体を効率良く除去することができる。
本発明のトナーの製造方法は、前述したようにpHの調整された第1の分散液と第2の分散液とを混合して、分散液6(混合分散液)を得る混合工程と、分散液6の液滴を形成するとともに、前記液滴から分散媒62を除去し、第1の分散質611および第2の分散質612由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体9を得る分散媒除去工程とを有する点に特徴を有する。
前述したようにして得られた分散液6(混合分散液)は、第1の分散質611および第2の分散質612の粒径および形状の均一化が図られる。すなわち、後述する分散媒除去工程において、吐出される分散液6中の第1の分散質611および第2の分散質612の粒径および形状の均一化を図ることができるので、粒径および形状の均一化を図られた第1の分散質611および第2の分散質612の集合体として凝集体9を得ることができる。その結果、均一な形状を有するとともに、粒度分布の幅の小さいトナーを得ることができる。このようなトナーは、優れた帯電特性および転写特性を発揮する。
また、得られる凝集体9間での凝集体9中における第1の分散質611由来の微粒子と第2の分散質612由来の微粒子との数の均一化を図ることができる。その結果、トナー粒子間でのトナー粒子中における着色剤の含有量のバラツキを低減することができる。このようなトナーは、例えばOHPシートに画像形成を行った場合、優れた発色性および透明性を有する。
特に、本発明は、混合工程において、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を6以下とする、および/または、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を予め小さくすることにより、第1の分散質同士および第2の分散質同士の不本意な凝集を防止することができるため、前述した効果をより確実にもたらすことができる。
分散媒除去工程は、例えば、図示のようなトナー製造装置1を用いて行うことができる。以下、トナー製造装置1およびトナー製造装置1を用いた凝集体、トナー粒子の製造方法について詳細に説明する。
分散媒除去工程は、例えば、図示のようなトナー製造装置1を用いて行うことができる。以下、トナー製造装置1およびトナー製造装置1を用いた凝集体、トナー粒子の製造方法について詳細に説明する。
[トナー製造装置]
トナー製造装置1は、上述したような分散液6(特に、脱気処理を施した分散液6)を吐出するヘッド部2と、ヘッド部2に分散液6を供給する分散液供給部4と、ヘッド部2から吐出された分散液6が搬送される固化部3と、製造された凝集体9を回収する回収部5とを有している。ヘッド部2から吐出された分散液6は、固化部3において分散媒61が除去される。その結果、第1の分散質611由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体9が得られる(分散媒除去工程)。分散媒除去工程は、後述する接合工程より温和な条件で行うのが好ましい。これにより、ヘッド部2から吐出された液滴状の分散液6の形状(略球形状)を保持しつつ、分散媒62を除去することができ、得られる凝集体9は比較的円形度の大きいものとなる。
トナー製造装置1は、上述したような分散液6(特に、脱気処理を施した分散液6)を吐出するヘッド部2と、ヘッド部2に分散液6を供給する分散液供給部4と、ヘッド部2から吐出された分散液6が搬送される固化部3と、製造された凝集体9を回収する回収部5とを有している。ヘッド部2から吐出された分散液6は、固化部3において分散媒61が除去される。その結果、第1の分散質611由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体9が得られる(分散媒除去工程)。分散媒除去工程は、後述する接合工程より温和な条件で行うのが好ましい。これにより、ヘッド部2から吐出された液滴状の分散液6の形状(略球形状)を保持しつつ、分散媒62を除去することができ、得られる凝集体9は比較的円形度の大きいものとなる。
分散液供給部4には、上述したような分散液6が蓄えられており、当該分散液6は、ヘッド部2に送り込まれる。
分散液供給部4は、ヘッド部2に分散液6を供給する機能を有するものであればよいが、図示のように、分散液6を攪拌する攪拌手段41を有するものであってもよい。これにより、例えば、第1の分散質611が分散媒中に分散しにくいものであっても、第1の分散質611が十分均一に分散した状態の分散液6を、ヘッド部2内に供給することができる。
分散液供給部4は、ヘッド部2に分散液6を供給する機能を有するものであればよいが、図示のように、分散液6を攪拌する攪拌手段41を有するものであってもよい。これにより、例えば、第1の分散質611が分散媒中に分散しにくいものであっても、第1の分散質611が十分均一に分散した状態の分散液6を、ヘッド部2内に供給することができる。
ヘッド部2は、分散液貯留部21と、圧電素子22と、吐出部23とを有している。
分散液貯留部21には、上述したような分散液6が貯留されている。
分散液貯留部21に貯留された分散液6は、圧電素子22の圧力パルス(圧電パルス)により、吐出部23から固化部3に吐出される。
このように、本発明では、吐出液として分散液を用いる点に特徴を有する。これにより、以下のような効果が得られる。
分散液貯留部21には、上述したような分散液6が貯留されている。
分散液貯留部21に貯留された分散液6は、圧電素子22の圧力パルス(圧電パルス)により、吐出部23から固化部3に吐出される。
このように、本発明では、吐出液として分散液を用いる点に特徴を有する。これにより、以下のような効果が得られる。
すなわち、吐出液として分散液を用いることにより、吐出部から吐出液(分散液)を吐出する際に、微視的に粘度の低い分散媒の部分で選択的に切断され、液滴として吐出される。このため、吐出される分散液の大きさは、各液滴で大きさのバラツキが小さいものとなる。したがって、最終的に得られるトナーは、各粒子(トナー粒子)間での大きさのバラツキが小さいものとなる。
そして、吐出部から吐出された液滴は、分散媒の表面張力により、吐出後速やかに球形状となる。さらに、分散液で構成された液滴は、固化部内を搬送される際においても、形状の安定性に優れており、略球形状を保持した状態で固化する。したがって、最終的に得られるトナー(トナー粒子)は、円形度が大きく、各粒子間での形状のバラツキが小さいものとなる。
これに対し、吐出液として溶液や溶融液を用いた場合、このような効果は得られない。すなわち、このような吐出液は、微視的に見ても一様な粘度を有しているため、吐出部から吐出される際に、いわゆる液切れが悪い状態になり易く、液滴が尾を引くような形状になりやすい。また、固化部内を搬送される際においても、上記のような尾を引いたような形状になり易い。したがって、吐出液として溶液や溶融液を用いた場合、最終的に得られるトナー(トナー粒子)は、各粒子間での大きさ、形状のバラツキが大きく、トナー粒子の円形度が小さいものになり易い。
吐出部23の形状は、特に限定されないが、略円形状であるのが好ましい。これにより、吐出される分散液6や、固化部内において形成される凝集体9、さらには、最終的に得られるトナー粒子の真球度を高めることができる。
吐出部23が略円形状のものである場合、その直径(ノズル径)は、例えば、5〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。吐出部23の直径が前記下限値未満であると、目詰まりが発生し易くなり、吐出される分散液6の大きさのバラツキが大きくなる場合がある。一方、吐出部23の直径が前記上限値を超えると、分散液貯留部21の負圧と、ノズルの表面張力との力関係によっては、吐出される分散液6が気泡を抱き込んでしまう可能性がある。
吐出部23が略円形状のものである場合、その直径(ノズル径)は、例えば、5〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。吐出部23の直径が前記下限値未満であると、目詰まりが発生し易くなり、吐出される分散液6の大きさのバラツキが大きくなる場合がある。一方、吐出部23の直径が前記上限値を超えると、分散液貯留部21の負圧と、ノズルの表面張力との力関係によっては、吐出される分散液6が気泡を抱き込んでしまう可能性がある。
また、ヘッド部2の吐出部23付近(特に、吐出部23の開口内面や、ヘッド部2の吐出部23が設けられている側の面(図中の下側の面))は、分散液6に対し撥液性を有するのが好ましい。これにより、分散液6が吐出部付近に付着するのを効果的に防止することができる。その結果、いわゆる、液切れの悪い状態になったり、分散液6の吐出不良が発生するのを効果的に防止することができる。また、吐出部付近への分散液6の付着が効果的に防止されることにより、吐出される液滴の形状の安定性が向上し(各液滴間での形状、大きさのバラツキが小さくなり)、最終的に得られるトナー粒子の形状、大きさのバラツキも小さくなる。
このような撥液性を有する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂や、シリコーン系材料等が挙げられる。
また、ヘッド部2の吐出部23付近(特に、吐出部23の開口内面や、ヘッド部2の吐出部23が設けられている側の面(図中の下側の面))は、疎水化処理が施されているのが好ましい。これにより、例えば、分散液6の分散媒62が主として水で構成されたものである場合に、上記のような撥液性をより好適に発揮することができ、上記のような効果がより顕著なものとして現れる。疎水化処理の方法としては、例えば、疎水性材料(例えば、前述した撥液性を有する材料)で構成された被膜の形成等が挙げられる。ところで、水は、各種液体の中でも比較的高い粘性を有するものであるが、このような水を分散媒62の構成材料として用いても、分散液6が吐出部付近に付着すること等による不都合の発生が効果的に防止される。したがって、ヘッド部2の吐出部23付近に疎水化処理が施されていると、有機溶媒を実質的に含まない、または、ほとんど含まない分散液6を好適に用いることができ、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。
また、ヘッド部2の吐出部23付近(特に、吐出部23の開口内面や、ヘッド部2の吐出部23が設けられている側の面(図中の下側の面))は、疎水化処理が施されているのが好ましい。これにより、例えば、分散液6の分散媒62が主として水で構成されたものである場合に、上記のような撥液性をより好適に発揮することができ、上記のような効果がより顕著なものとして現れる。疎水化処理の方法としては、例えば、疎水性材料(例えば、前述した撥液性を有する材料)で構成された被膜の形成等が挙げられる。ところで、水は、各種液体の中でも比較的高い粘性を有するものであるが、このような水を分散媒62の構成材料として用いても、分散液6が吐出部付近に付着すること等による不都合の発生が効果的に防止される。したがって、ヘッド部2の吐出部23付近に疎水化処理が施されていると、有機溶媒を実質的に含まない、または、ほとんど含まない分散液6を好適に用いることができ、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。
図2に示すように、圧電素子22は、下部電極(第1の電極)221、圧電体222および上部電極(第2の電極)223が、この順で積層されて構成されている。換言すれば、圧電素子22は、上部電極223と下部電極221との間に、圧電体222が介挿された構成とされている。
この圧電素子22は、振動源として機能するものであり、振動板24は、圧電素子(振動源)22の振動により振動し、分散液貯留部21の内部圧力を瞬間的に高める機能を有するものである。
この圧電素子22は、振動源として機能するものであり、振動板24は、圧電素子(振動源)22の振動により振動し、分散液貯留部21の内部圧力を瞬間的に高める機能を有するものである。
ヘッド部2は、圧電素子駆動回路(図示せず)から所定の吐出信号が入力されていない状態、すなわち、圧電素子22の下部電極221と上部電極223との間に電圧が印加されていない状態では、圧電体222に変形が生じない。このため、振動板24にも変形が生じず、分散液貯留部21には容積変化が生じない。したがって、吐出部23から分散液6は吐出されない。
一方、圧電素子駆動回路から所定の吐出信号が入力された状態、すなわち、圧電素子22の下部電極221と上部電極223との間に所定の電圧が印加された状態では、圧電体222に変形が生じる。これにより、振動板24が大きくたわみ(図2中下方にたわみ)、分散液貯留部21の容積の減少(変化)が生じる。このとき、分散液貯留部21内の圧力が瞬間的に高まり、吐出部23から粒状の分散液6が吐出される。
1回の分散液6の吐出が終了すると、圧電素子駆動回路は、下部電極221と上部電極223との間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子22は、ほぼ元の形状に戻り、分散液貯留部21の容積が増大する。なお、このとき、分散液6には、分散液供給部4から吐出部23へ向かう圧力(正方向への圧力)が作用している。このため、空気が吐出部23から分散液貯留部21へ入り込むことが防止され、分散液6の吐出量に見合った量の分散液6が分散液供給部4から分散液貯留部21へ供給される。
上記のような電圧の印加を所定の周期で行うことにより、圧電素子22が振動し、粒状の分散液6が繰り返し吐出される。
このように、分散液6の吐出(噴射)を、圧電体222の振動による圧力パルスで行うことにより、分散液6を一滴ずつ間欠的に吐出することができ、また、吐出される分散液6の形状が安定する。その結果、各粒子(各トナー粒子)間での形状、大きさのバラツキの小さい樹脂微粒子(トナー)を得ることができるとともに、製造されるトナー粒子を真球度の高いもの(幾何学的に完全な球形に近い形状)にすることが比較的容易にできる。
このように、分散液6の吐出(噴射)を、圧電体222の振動による圧力パルスで行うことにより、分散液6を一滴ずつ間欠的に吐出することができ、また、吐出される分散液6の形状が安定する。その結果、各粒子(各トナー粒子)間での形状、大きさのバラツキの小さい樹脂微粒子(トナー)を得ることができるとともに、製造されるトナー粒子を真球度の高いもの(幾何学的に完全な球形に近い形状)にすることが比較的容易にできる。
また、上記のようにして分散液を吐出(噴射)することにより、圧電体の振動数、吐出部の開口面積(ノズル径)、分散液の温度・粘度、分散液の一滴分の吐出量、分散液中に占める分散質の含有率、分散液中における分散質の粒径等を比較的正確にコントロールすることができ、製造すべきトナーを所望の形状、大きさに制御することが容易にできる。また、これらの条件等をコントロールすることにより、例えば、トナーの製造量等を容易かつ確実に管理することができる。
また、分散液の吐出に圧電体の振動を用いることにより、より確実に分散液を所定間隔で吐出することができる。このため、吐出される粒状の分散液同士が、衝突、凝集するのを効果的に防止することができ、異形状の粉末の形成をより効果的に防止することができる。
また、分散液の吐出に圧電体の振動を用いることにより、より確実に分散液を所定間隔で吐出することができる。このため、吐出される粒状の分散液同士が、衝突、凝集するのを効果的に防止することができ、異形状の粉末の形成をより効果的に防止することができる。
ヘッド部2から固化部3に吐出される分散液6の初速度は、例えば、0.1〜10m/秒であるのが好ましく、2〜8m/秒であるのがより好ましい。分散液6の初速度が前記下限値未満であると、凝集体9、トナーの生産性が低下する。一方、分散液6の初速度が前記上限値を超えると、最終的に得られるトナー粒子の真球度が低下する傾向を示す。
また、ヘッド部2から吐出される分散液6の粘度は、特に限定されないが、例えば、0.5〜200[mPa・s]であるのが好ましく、1〜25[mPa・s]であるのがより好ましい。分散液6の粘度が前記下限値未満であると、吐出される粒子(粒状の分散液6)の大きさを十分に制御するのが困難となり、最終的に得られるトナー粒子のバラツキが大きくなる場合がある。一方、分散液6の粘度が前記上限値を超えると、形成される粒子の径が大きくなり、分散液6の吐出速度が遅くなるとともに、分散液6の吐出に要するエネルギー量も大きくなる傾向を示す。また、分散液6の粘度が特に大きい場合には、分散液6を液滴として吐出できなくなる。
また、ヘッド部2から吐出される分散液6の粘度は、特に限定されないが、例えば、0.5〜200[mPa・s]であるのが好ましく、1〜25[mPa・s]であるのがより好ましい。分散液6の粘度が前記下限値未満であると、吐出される粒子(粒状の分散液6)の大きさを十分に制御するのが困難となり、最終的に得られるトナー粒子のバラツキが大きくなる場合がある。一方、分散液6の粘度が前記上限値を超えると、形成される粒子の径が大きくなり、分散液6の吐出速度が遅くなるとともに、分散液6の吐出に要するエネルギー量も大きくなる傾向を示す。また、分散液6の粘度が特に大きい場合には、分散液6を液滴として吐出できなくなる。
また、ヘッド部2から吐出される分散液6(ヘッド部2内での分散液6)の温度は、特に限定されないが、後に詳述する固化部3内の温度(分散媒除去工程における処理温度)より低いものであるのが好ましい。これにより、ヘッド部2内で分散媒62が揮発し、吐出される分散液6の組成(濃度)が経時的に変化するのを効果的に防止することができる。また、噴霧直後に、分散液6から分散媒62が揮発することにより、分散液6が不本意に固化するのを効果的に防止することができる。具体的には、吐出部23付近において、吐出される前の(液切れする前の)分散液6から分散媒62が揮発することにより、吐出部23が目詰まりを起こすのを効果的に防止することができる。特に、ヘッド部2から吐出される分散液6(ヘッド部2内での分散液6)の温度をT0[℃]、後に詳述する固化部3内の温度(分散媒除去工程における処理温度)をT1[℃]としたとき、−5≦T1−T0≦60の関係を満足するのが好ましく、−5≦T1−T0≦50の関係を満足するのがより好ましく、5≦T1−T0≦40の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、上述したような効果をさらに顕著なものとすることができる。
また、ヘッド部2から吐出される分散液6は、予め加温されたもの(特に、後に詳述する固化部3内の温度以下の温度に加温されたもの)であってもよい。このように分散液6を加温することにより、例えば、第1の分散質611が室温で固体状態(または粘度が比較的高い状態)のものであっても、吐出時において、分散質を溶融状態(または粘度が比較的低い状態、軟化状態)にさせることができる。その結果、後述する固化部3において、粒状の分散液6中に含まれる第1の分散質611および第2の分散質612の凝集が円滑に進行し、得られる凝集体9の円形度が特に高いものとなり、その結果、最終的に得られるトナー粒子についても円形度が高いものとすることができる。
また、分散液6の一滴分の吐出量は、分散液6中に占める第1の分散質611や第2の分散質612の含有率等により若干異なるが、0.05〜500plであるのが好ましく、0.5〜5plであるのがより好ましい。分散液6の一滴分の吐出量をこのような範囲の値にすることにより、凝集体9を適度な粒径のものにすることができる。その結果、最終的に得られるトナー粒子についても、適度な粒径のものにすることができる。
ところで、ヘッド部2から吐出される粒状の分散液6は、一般に、分散液6中の第1の分散質611に比べて十分に大きいものである。すなわち、粒状の分散液6中には、多数個の第1の分散質611および第2の分散質612が分散した状態となっている。このため、第1の分散質611や第2の分散質612の粒径のバラツキが比較的大きいものであっても、吐出される粒状の分散液6中に占める第1の分散質611および第2の分散質612の割合は、各液滴でほぼ均一である。したがって、第1の分散質611や第2の分散質612の粒径のバラツキが比較的大きい場合であっても、分散液6の吐出量をほぼ均一とすることにより、本工程で得られる凝集体9は粒径のバラツキの小さいものとなる。このような傾向は、より顕著なものとなる。例えば、吐出される分散液6の平均粒径をDd[μm]、分散液6中における第1の分散質611の平均粒径をDm1[μm]としたとき、Dm1/Dd<0.5の関係を満足するのが好ましく、Dm1/Dd<0.2の関係を満足するのがより好ましい。
また、吐出される分散液6の平均粒径をDd[μm]、製造されるトナー粒子の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.05≦Dt/Dd≦1.0の関係を満足するのが好ましく、0.1≦Dt/Dd≦0.8の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、十分に微細で、かつ、円形度が大きく、粒度分布がシャープなトナーを比較的容易に得ることができる。
圧電素子22の振動数(圧電パルスの周波数)は、特に限定されないが、1kHz〜500MHzであるのが好ましく、5kHz〜200MHzであるのがより好ましい。圧電素子22の振動数が前記下限値未満であると、トナーの生産性が低下する。一方、圧電素子22の振動数が前記上限値を超えると、粒状の分散液6の吐出が追随できなくなり、分散液6一滴分の大きさのバラツキが大きくなる可能性がある。
図示の構成のトナー製造装置1は、ヘッド部2を複数個有している。そして、これらのヘッド部2から、それぞれ、粒状の分散液6が固化部3に吐出される。
各ヘッド部2は、ほぼ同時に分散液6を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのヘッド部で、分散液6の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するヘッド部2から吐出された粒状の分散液6が固化する前(凝集体9になる前)に、粒状の分散液(液滴)同士が衝突し、これらが凝集するのをより効果的に防止することができる。
各ヘッド部2は、ほぼ同時に分散液6を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのヘッド部で、分散液6の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するヘッド部2から吐出された粒状の分散液6が固化する前(凝集体9になる前)に、粒状の分散液(液滴)同士が衝突し、これらが凝集するのをより効果的に防止することができる。
また、図2に示すように、トナー製造装置1は、ガス流供給手段10を有しており、このガス流供給手段10から供給されたガスが、ダクト101を介して、ヘッド部2−ヘッド部2間に設けられた各ガス噴射口7から、ほぼ均一の圧力で噴射される構成となっている。これにより、吐出部23から間欠的に吐出された粒状の分散液6の間隔を保ちつつ、分散液6を搬送し、凝集体を得る(固化させる)ことができる。その結果、吐出される粒状の分散液6(液滴)同士の衝突、凝集がより効果的に防止される。
また、ガス流供給手段10から供給されたガスをガス噴射口7から噴射することにより、固化部3において、ほぼ一方向(図中、下方向)に流れるガス流を形成することができる。このようなガス流が形成されると、固化部3内の粒状の分散液6(凝集体9)をより効率良く搬送することができる。
また、ガス噴射口7からガスが噴射されることにより、各ヘッド部2から吐出される粒子の間に気流カーテンが形成され、例えば、隣り合うヘッド部から吐出された各粒子間での衝突、凝集をより効果的に防止することが可能となる。
また、ガス噴射口7からガスが噴射されることにより、各ヘッド部2から吐出される粒子の間に気流カーテンが形成され、例えば、隣り合うヘッド部から吐出された各粒子間での衝突、凝集をより効果的に防止することが可能となる。
また、ガス流供給手段10には、熱交換器11が取り付けられている。これにより、ガス噴射口7から噴射されるガスの温度を好ましい値に設定することができ、固化部3に吐出された粒状の分散液6を効率良く固化させることができる。
また、このようなガス流供給手段10を有すると、ガス流の供給量を調整すること等により、吐出部23から吐出された分散液6の固化速度等を容易にコントロールすることも可能となる。
また、このようなガス流供給手段10を有すると、ガス流の供給量を調整すること等により、吐出部23から吐出された分散液6の固化速度等を容易にコントロールすることも可能となる。
ガス噴射口7から噴射されるガスの温度は、分散液6中に含まれる第1の分散質611や第2の分散質612、分散媒62の組成等により異なるが、通常、0〜70℃であるのが好ましく、15〜60℃であるのがより好ましい。ガス噴射口7から噴射されるガスの温度がこのような範囲の値であると、得られる凝集体9の形状の均一性、安定性を十分に高いものとしつつ、分散液6中に含まれる分散媒62を効率良く除去することができ、結果として、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。
また、ガス噴射口7から噴射されるガスの湿度は、例えば、50%RH以下であるのが好ましく、30%RH以下であるのがより好ましい。ガス噴射口7から噴射されるガスの湿度が50%RH以下であると、後述する固化部3において、分散液6に含まれる分散媒62を効率良く除去することが可能となり、凝集体9(トナー)の生産性がさらに向上する。
また、粒状の分散液6が吐出される固化部3内の温度(分散媒除去工程における処理温度)は、第1の分散質611を構成する樹脂材料のガラス転移点以下の処理温度で行う。これにより、固化部3内(分散媒除去工程)において、第1の分散質611由来の複数個の微粒子が軟化しこれらの微粒子同士が接合するのをより効果的に防止しつつ、分散媒61を除去することができ、得られる凝集体9の形状の均一性、安定性を十分に高いものとすることができる。また、異形状の樹脂微粒子、特に、中空粒子が発生するのを効果的に防止することができ、その結果、各粒子間での形状、大きさのバラツキがより小さい樹脂微粒子を得ることができるとともに、製造される樹脂微粒子を真球度の高いもの(幾何学的に完全な球形に近い形状)にすることが比較的容易にできる。
第1の分散質611が複数種の樹脂材料(樹脂成分)で構成されたものである場合、すなわち、第1の分散質611が複数種の樹脂材料を含むものである場合、粒状の分散液6が吐出される固化部3内の温度(分散媒除去工程における処理温度)は、第1の分散質611中の主成分をなす樹脂材料のガラス転移点以下であるのが好ましく、第1の分散質611を構成する全樹脂成分についてのガラス転移点以下であるのがより好ましい。これにより、異形状の樹脂微粒子、特に、中空粒子が発生するのをより確実に防止することができ、その結果、各粒子間での形状、大きさのバラツキがさらに小さい樹脂微粒子を得ることができる。
具体的には、粒状の分散液6が吐出される固化部3内の温度(分散媒除去工程における処理温度(雰囲気温度))は、分散液6中に含まれる第1の分散質611や第2の分散質612、分散媒62の組成等により異なるが、通常、0〜50℃であるのが好ましく、15〜40℃であるのがより好ましい。固化部3内の温度がこのような範囲の値であると、得られる凝集体9の形状の均一性、安定性を十分に高いものとしつつ、分散液6中に含まれる分散媒62を効率良く除去することができ、結果として、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。また、凝集体9の形成をより円滑に進行させることができるため、トナー製造装置1の小型化に寄与することができる。
また、特に、粒状の分散液6が吐出される固化部3内の温度(分散媒除去工程における処理温度)は、第1の分散質611を構成する樹脂材料のガラス転移点との間で、以下のような関係を満足するのが好ましい。すなわち、粒状の分散液6が吐出される固化部3内の温度(分散媒除去工程における処理温度)をT1[℃]、第1の分散質611を構成する樹脂材料のガラス転移点をTg[℃]としたとき、0≦Tg−T1≦70の関係を満足するのが好ましく、0≦Tg−T1≦60の関係を満足するのがより好ましく、0≦Tg−T1≦30の関係を満足するのがさらに好ましく、5≦Tg−T1≦26の関係を満足するのが最も好ましい。このような関係を満足することにより、得られる凝集体9の形状の均一性、安定性を十分に高いものとしつつ、分散液6中に含まれる分散媒62を効率良く除去することができ、結果として、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。なお、第1の分散質611が複数種の樹脂材料(樹脂成分)で構成されたものである場合、Tgとして、これらの各成分の重量基準の加重平均値として求められる値を採用することができる。
ヘッド部2から吐出された粒状の分散液6は、固化部3を搬送されつつ固化することにより、第1の分散質611由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体9となる。すなわち、吐出された分散液6中の分散媒62が除去されるのに伴い、ヘッド部2から吐出された液滴単位ごとに、分散液6中に含まれる第1の分散質611および第2の分散質612が凝集し、その結果、凝集体9が得られる。なお、第1の分散質611や第2の分散質612中に前述したような溶媒が含まれる場合には、通常、当該溶媒も固化部3において除去される。また、本工程で得られる凝集体9は、後述する接合工程に供されるまでの間、その形状を保持するだけの安定性を有していればよく、例えば、その内部に分散媒62の一部が残存していてもよい。このような場合であっても、後述するような接合工程等を行うことにより、残存する分散媒等を十分に除去することができる。
分散液6中に含まれる第1の分散質611や第2の分散質612の粒径は、通常、得られる凝集体9(吐出される粒状の分散液6)に比べて、十分に小さいものである。したがって、得られる凝集体9は、十分に円形度の大きいものとなる。
また、固化部3内において分散媒61が除去されるため、得られる凝集体9は、通常、吐出部23から吐出される液滴状の分散液6に比べて小さいものとなる。このため、吐出部23の面積(開口面積)が比較的大きい場合であっても、得られる凝集体9の大きさを比較的小さいものとすることができる。したがって、本発明では、ヘッド部2が、特別な精密加工を施すことにより得られたものでなくても(比較的容易に製造できるものであっても)、十分に微細な凝集体9、トナー粒子を得ることができる。
また、固化部3内において分散媒61が除去されるため、得られる凝集体9は、通常、吐出部23から吐出される液滴状の分散液6に比べて小さいものとなる。このため、吐出部23の面積(開口面積)が比較的大きい場合であっても、得られる凝集体9の大きさを比較的小さいものとすることができる。したがって、本発明では、ヘッド部2が、特別な精密加工を施すことにより得られたものでなくても(比較的容易に製造できるものであっても)、十分に微細な凝集体9、トナー粒子を得ることができる。
また、上記のように、本発明では吐出部23の面積を極端に小さくする必要がないので、比較的容易に、各ヘッド部2から吐出される分散液6の粒度分布を、十分にシャープなものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナーも、各粒子間での粒径のバラツキの小さいもの、すなわち、粒度分布がシャープなものとなる。
また、ヘッド部2から吐出された液滴単位ごとに、凝集体9を得るので、粒径のバラツキの小さい凝集体9を得ることができる。特に、本発明では、分散液6中における第1の分散質611および第2の分散質612の粒径および形状のバラツキが小さいので、得られる凝集体9も、粒径および形状のバラツキが小さいものとなる。
また、ヘッド部2から吐出された液滴単位ごとに、凝集体9を得るので、粒径のバラツキの小さい凝集体9を得ることができる。特に、本発明では、分散液6中における第1の分散質611および第2の分散質612の粒径および形状のバラツキが小さいので、得られる凝集体9も、粒径および形状のバラツキが小さいものとなる。
固化部3は、筒状のハウジング31で構成されている。
トナーの製造時において、ハウジング31内は、所定範囲の温度に保たれているのが好ましい。これにより、製造条件の差による各トナー粒子(凝集体9)間での特性のバラツキを少なくすることができ、トナー全体としての信頼性が向上する。また、例えば、ハウジング31内は、その長手方向(分散液6、凝集体の搬送方向)に、互いに異なる温度の複数の領域を有していてもよい。これにより、異形状の凝集体9(トナー粒子)が発生するのを防止しつつ、より円滑に分散媒62を除去し、凝集体9(トナー粒子)の生産性の向上等を図ることができる。
トナーの製造時において、ハウジング31内は、所定範囲の温度に保たれているのが好ましい。これにより、製造条件の差による各トナー粒子(凝集体9)間での特性のバラツキを少なくすることができ、トナー全体としての信頼性が向上する。また、例えば、ハウジング31内は、その長手方向(分散液6、凝集体の搬送方向)に、互いに異なる温度の複数の領域を有していてもよい。これにより、異形状の凝集体9(トナー粒子)が発生するのを防止しつつ、より円滑に分散媒62を除去し、凝集体9(トナー粒子)の生産性の向上等を図ることができる。
このように、ハウジング31内の温度を所定の範囲に保つ目的で、例えば、ハウジング31の内側または外側に熱源、冷却源を設置したり、ハウジング31を、熱媒体または冷却媒体の流路が形成されたジャケットとしてもよい。
また、図示の構成では、ハウジング31内の圧力は、圧力調整手段12により調整される構成となっている。このように、ハウジング31内の圧力を調整することにより、吐出された分散液6中の分散媒62を効率良く除去することが可能となり、トナーの生産性が向上する。なお、図示の構成では、圧力調製手段12は、接続管121でハウジング31に接続されている。また、接続管121のハウジング31と接続する端部付近には、その内径が拡大した拡径部122が形成されており、さらに、凝集体9等の吸い込みを防止するためのフィルター123が設けられている。
また、図示の構成では、ハウジング31内の圧力は、圧力調整手段12により調整される構成となっている。このように、ハウジング31内の圧力を調整することにより、吐出された分散液6中の分散媒62を効率良く除去することが可能となり、トナーの生産性が向上する。なお、図示の構成では、圧力調製手段12は、接続管121でハウジング31に接続されている。また、接続管121のハウジング31と接続する端部付近には、その内径が拡大した拡径部122が形成されており、さらに、凝集体9等の吸い込みを防止するためのフィルター123が設けられている。
ハウジング31内の圧力は、特に限定されないが、150kPa以下であるのが好ましく、100〜120kPaであるのがより好ましく、100〜105kPaであるのがさらに好ましい。ハウジング31内の圧力が前記範囲内の値であると、例えば、異形状の凝集体9の発生等を十分に防止しつつ、液滴状の分散液6から分散媒62(分散媒62を構成する溶媒材料)を、より円滑に除去することができる。
また、上記の説明では、固化部3において、分散液6から分散媒62が除去されることにより、粒状の分散液6中の第1の分散質611および第2の分散質612が凝集し、凝集体9が得られるものとして説明したが、凝集体9は、このようにして得られるものに限定されない。例えば、第1の分散質611中に樹脂材料の前駆体(例えば、前記樹脂材料に対応するモノマー、ダイマー、オリゴマー等)が含まれる場合、固化部3において、分散媒61の除去とともに、重合反応を進行させることにより、凝集体9を得るような方法であってもよい。言い換えると、凝集体9を構成する樹脂は、第1の分散質611の構成材料と実質的に同一なものであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、ハウジング31には、電圧を印加するための電圧印加手段8が接続されている。電圧印加手段8で、ハウジング31の内面側に、粒状の分散液6(凝集体9)と同じ極性の電圧を印加することにより、これにより、以下のような効果が得られる。
また、ハウジング31には、電圧を印加するための電圧印加手段8が接続されている。電圧印加手段8で、ハウジング31の内面側に、粒状の分散液6(凝集体9)と同じ極性の電圧を印加することにより、これにより、以下のような効果が得られる。
通常、トナー粒子や、その製造中間体としての凝集体9は、正または負に帯電している。このため、凝集体9(分散液6)と異なる極性に帯電した帯電物があると、凝集体9は、当該帯電物に、静電的に引き付けられ付着するという現象が起こる。一方、凝集体9と同じ極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物と凝集体9とは、互いに反発しあい、前記帯電物表面に凝集体9が付着するという現象を効果的に防止することができる。したがって、ハウジング31の内面側に、粒状の分散液6(凝集体9)と同じ極性の電圧を印加することにより、ハウジング31の内面に分散液6(凝集体9)が付着するのを効果的に防止することができる。これにより、異形状のトナー粉末の発生をより効果的に防止することができるとともに、凝集体9の回収効率も向上する。
ハウジング31は、回収部5付近に、図1中の下方向に向けて、その内径が小さくなる縮径部311を有している。このような縮径部311が形成されることにより、凝集体9の回収を効率良く回収することができる。なお、前述したように、吐出部23から吐出された分散液6は、固化部3において固化される(凝集体9となっている)が、回収部5付近においてはこのような固化(凝集体9の形成)はほぼ完全に完了しており、縮径部311付近では、各粒子が接触しても凝集等の問題はほとんど発生しない。
粒状の分散液6を固化することにより得られた凝集体9は、回収部5に回収される。
上記のような分散媒除去工程の処理時間(分散液6が液滴状に噴射されてから凝集体9が回収部5に回収されるまでの時間)は、5〜120秒であるのが好ましく、5〜60秒であるのがより好ましく、5〜20秒であるのがさらに好ましい。分散媒除去工程の処理時間がこのような範囲内の値であると、得られる凝集体9の強度を十分なものとしつつ(回収部9内や、後述する接合工程に供されるまでに凝集体9が分解、崩壊するのを十分に防止しつつ)、トナーとしての生産性を十分に高めることができる。
上記のような分散媒除去工程の処理時間(分散液6が液滴状に噴射されてから凝集体9が回収部5に回収されるまでの時間)は、5〜120秒であるのが好ましく、5〜60秒であるのがより好ましく、5〜20秒であるのがさらに好ましい。分散媒除去工程の処理時間がこのような範囲内の値であると、得られる凝集体9の強度を十分なものとしつつ(回収部9内や、後述する接合工程に供されるまでに凝集体9が分解、崩壊するのを十分に防止しつつ)、トナーとしての生産性を十分に高めることができる。
上記のようにして得られた凝集体9に対しては、後述する接合工程に供する前に、例えば、エアレーション、真空脱気(減圧脱気)、加温等の各種処理を施してもよい。凝集体9に対してエアレーションを施すことにより、凝集体9中に残存する分散媒の量(例えば、含水量)を低下させることができ、その結果、後述する接合工程(接合処理)をより好適に行うことができる。すなわち、凝集体9中に残存する分散媒の量を低下させることにより、接合工程(接合処理)を、凝集体9の構成材料の劣化、変性等をより効果的に防止しつつ、短時間で効率良く行うことができる。
凝集体9の含水量(含水率)は、特に限定されないが、15wt%以下であるのが好ましく、0.1〜12wt%であるのがより好ましく、0.2〜10wt%であるのがさらに好ましい。凝集体9中の含水量が多過ぎると、後述する接合工程を効率良く行うのが困難になるとともに、最終的なトナー粒子における含水量を十分に少なくするのが困難になる可能性がある。トナー粒子中に比較的多くの水が含まれていると、帯電が不安定になるという問題を生じる可能性がある。なお、本工程(分散媒除去工程)においては、凝集体9の含水量(含水率)を必要以上に低下させる必要はない。すなわち、凝集体9が比較的多量の分散媒(水)を含む場合であっても、後述するような接合工程等において残存する分散媒を除去することができるためである。また、本工程において、凝集体9の含水量(含水率)を必要以上に低下させると、凝集体9の構成材料の劣化、変性等を招きやすくなる。
その後、上記のようにして得られた凝集体9に対して、凝集体9を構成する複数個の微粒子を溶融接合する接合処理を施すことができる(接合工程)。
その後、上記のようにして得られた凝集体9に対して、凝集体9を構成する複数個の微粒子を溶融接合する接合処理を施すことができる(接合工程)。
このように、一旦、凝集体を形成した後に、凝集体を構成する微粒子を溶融接合する接合工程を有すると、均一な形状を有する(特に、円形度の大きい略球形状の)トナー粒子を、確実に得ることができるとともに、得られるトナー粒子の機械的安定を優れたものとすることができる。すなわち、前述したような分散媒除去工程により、一旦、ある程度の形状の安定性を有し、かつ、円形度が比較的大きい(略球形状の)凝集体を得た後に、接合工程(接合処理)を行うことにより、凝集体の形状、大きさ等を基本的には保持しつつ、凝集体の表面付近に存在する凹凸の程度を緩和し、さらに、凝集体を構成する分散質由来の微粒子同士の結合力(接合強度)を向上させることにより、円形度の大きい略球形状の形状を有し、かつ、機械的安定性に優れたトナー粒子を得ることができる。
接合工程(接合処理)における処理温度は、一般に、前記樹脂微粒子を構成する樹脂材料(第1の分散質611を構成する樹脂材料)のガラス転移点以上である。これにより、凝集体9を構成する複数個の微粒子同士をより確実に接合することができ、最終的に得られるトナー粒子の機械的強度(機械的安定性)を特に優れたものとすることができる。また、樹脂微粒子を構成する樹脂材料(第1の分散質611を構成する樹脂材料)のガラス転移点以上の温度で接合工程(接合処理)を行うことにより、最終的に得られるトナー粒子の円形度(真球度)を、容易かつ確実に比較的大きいものとすることができる。
接合工程(接合処理)における処理温度は、分散媒除去工程における処理温度よりも高いのが好ましい。これにより、微粒子の溶融接合を、より円滑に進行させることができる。また、凝集体9中に比較的多量の分散媒62等が含まれる場合であっても、分散媒等の含有量(残存量)を効果的に低減させることができ、さらには、最終的なトナー粒子中に実質的に分散媒等が残存しないようにすることができる。
より具体的には、分散媒除去工程における処理温度をT1[℃]、接合工程における処理温度をT2[℃]としたとき、0≦T2−T1≦200の関係を満足するのが好ましく、10≦T2−T1≦200の関係を満足するのがより好ましく、20≦T2−T1≦100の関係を満足するのがさらに好ましく、25≦T2−T1≦80の関係を満足するのが最も好ましい。このような関係を満足することにより、構成成分の劣化、変性を十分に防止しつつ、得られるトナー粒子の形状の均一性、安定性を十分に高いものとし、さらに、トナー粒子の円形度を比較的大きいものとすることができる。
また、接合工程(接合処理)における処理温度をT2[℃]、トナー粒子を構成する樹脂材料(第1の分散質611を構成する樹脂材料)の融点をTm[℃]としたとき、−100≦T2−Tm≦110の関係を満足するのが好ましく、−80≦T2−Tm≦80の関係を満足するのがより好ましく、−50≦T2−Tm≦70の関係を満足するのがさらに好ましく、−40≦T2−Tm≦30の関係を満足するのが最も好ましい。このような関係を満足することにより、構成成分の劣化、変性を十分に防止しつつ、得られるトナー粒子の形状の均一性、安定性を十分に高いものとし、さらに、トナー粒子の円形度を比較的大きいものとすることができる。なお、トナー粒子を構成する樹脂材料(第1の分散質611を構成する樹脂材料)が複数種の樹脂材料(樹脂成分)で構成されたものである場合、Tmとして、これらの各成分の重量基準の加重平均値として求められる値を採用することができる。
また、特に、接合工程(接合処理)における処理温度は、トナー粒子を構成する樹脂材料(第1の分散質611を構成する樹脂材料)のガラス転移点以上で、かつ、トナー粒子を構成する樹脂材料(第1の分散質611を構成する樹脂材料)の融点以下の温度であるのが好ましい。これにより、上記のような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
また、接合工程(接合処理)における処理温度の具体的な値は、特に限定されないが、接合工程(接合処理)の処理時間が後述するような範囲内の値である場合、通常、50〜200℃であるのが好ましく、60〜150℃であるのがより好ましい。このような関係を満足することにより、構成成分の劣化、変性を十分に防止しつつ、得られるトナー粒子の形状の均一性、安定性を十分に高いものとし、さらに、トナー粒子の円形度を比較的大きいものとすることができる。
上記のような接合工程(接合処理)の処理時間は、特に限定されないが、接合工程(接合処理)の処理温度が前述したような範囲内の値である場合、0.01〜10秒であるのが好ましく、0.05〜10秒であるのがより好ましく、0.1〜5秒であるのがさらに好ましい。接合工程の処理時間がこのような範囲内の値であると、トナーの構成材料の劣化、変性等を十分に防止しつつ、トナー粒子の円形度を十分に大きいものとすることができる。
また、接合処理(接合工程)は、いかなる方法で行ってもよいが、例えば、ヒータによる加熱、熱風による加熱、高周波加熱やマイクロ波加熱等の誘導加熱などを用いることができる。これらの中でも、正確な加熱温度の制御を容易にできる点で、誘導加熱が好ましい。特に、接合処理に用いる加熱方法としては、マイクロ波加熱、すなわち、凝集体9にマイクロ波を照射して加熱するのが好ましい。これにより、凝集体9全体を均一に加熱することができるので、凝集体9を構成する複数個の微粒子同士をより確実に接合することができ、最終的に得られる樹脂微粒子の機械的強度(機械的安定性)を特に優れたものとすることができる。また、分散媒62が水などである場合、凝集体9中に残存する分散媒62を選択的に加熱することができるので、凝集体9中の樹脂の劣化、変性を十分に防止しつつ、凝集体9を構成する複数個の微粒子同士を接合することができる。この場合、マイクロ波による加熱を単独で行ってもよいし、ヒータ、熱風などによる他の加熱手段と併用して行ってもよい。
以上説明したように、本発明では、吐出液として分散液を用いることにより、製造するトナー粒子の粒径が十分に小さい場合であっても、容易に、その円形度を十分に高いものとし、かつ、粒度分布がシャープなものとすることができる。これにより、得られるトナーは、各粒子間での帯電が均一で、かつ、トナーを印刷に用いたときに、現像ローラ上に形成されるトナーの薄層が平準化、高密度化したものとなる。その結果、カブリ等の欠陥を生じ難く、よりシャープな画像を形成することができる。また、トナー粒子の形状、粒径が揃っているため、トナー全体(トナー粒子の集合体)としての嵩密度を大きくすることができる。その結果、同一容積のカートリッジ内へのトナーの充填量をより多くしたり、カートリッジの小型化を図る上でも有利である。
以上のようにして得られたトナーに対しては、必要に応じて、エアレーション、分級処理、外添処理等の各種処理を施してもよい。
以上のようにして得られたトナーに対しては、必要に応じて、エアレーション、分級処理、外添処理等の各種処理を施してもよい。
分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
また、外添処理に用いられる外添剤としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、チタニア、酸化亜鉛、アルミナ、マグネタイト等の金属酸化物、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、脂肪族金属塩等の無機材料で構成された微粒子、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族金属塩等の有機材料で構成された微粒子やこれらの複合物で構成された微粒子等が挙げられる。
また、外添処理に用いられる外添剤としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、チタニア、酸化亜鉛、アルミナ、マグネタイト等の金属酸化物、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、脂肪族金属塩等の無機材料で構成された微粒子、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族金属塩等の有機材料で構成された微粒子やこれらの複合物で構成された微粒子等が挙げられる。
また、外添剤としては、上記のような微粒子の表面に、HMDS、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、フッ素含有シラン系カップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施したものを用いてもよい。
以上のようにして製造される本発明のトナーは、均一な形状を有し、粒度分布のシャープな(幅の小さい)ものである。特に、本発明では、真球に近い形状のトナー粒子を得ることができる。
以上のようにして製造される本発明のトナーは、均一な形状を有し、粒度分布のシャープな(幅の小さい)ものである。特に、本発明では、真球に近い形状のトナー粒子を得ることができる。
具体的には、トナー(トナー粒子)は、下記式(I)で表される平均円形度Rが0.95以上であるのが好ましく、0.96以上であるのがより好ましく、0.97以上であるのがさらに好ましく、0.98以上であるのが最も好ましい。平均円形度Rが0.95以上であると、トナーの転写効率は、さらに優れたものとなる。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
また、トナーは、各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であるのが好ましく、0.015以下であるのがより好ましく、0.01以下であるのがさらに好ましい。各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であると、帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
また、トナーは、各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であるのが好ましく、0.015以下であるのがより好ましく、0.01以下であるのがさらに好ましい。各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であると、帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
以上のようにして得られるトナーの体積基準の平均粒径は、2〜20μmであるのが好ましく、4〜10μmであるのがより好ましい。トナーの平均粒径が前記下限値未満であると、均一に帯電させるのが困難になるとともに、静電潜像担持体(例えば、感光体等)表面への付着力が大きくなり、結果として、転写残トナーの増加を招く場合がある。一方、トナーの平均粒径が前記上限値を超えると、トナーを用いて形成される画像の輪郭部分、特に文字画像やライトパターンの現像での再現性が低下する。
また、トナーは、各粒子間での粒径の標準偏差が1.5μm以下であるのが好ましく、1.3μm以下であるのがより好ましく、1.0μm以下であるのがさらに好ましい。各粒子間での粒径の標準偏差が1.5μm以下であると、帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
また、トナー粒子の含水量(含水率)は、特に限定されないが、5wt%以下であるのが好ましく、0.01〜4wt%であるのがより好ましく、0.02〜1wt%であるのがさらに好ましい。トナー粒子中の含水量が多過ぎると、帯電が不安定になるという問題を生じる可能性がある。なお、トナー粒子中の含水量を極端に少なくしようとすると、トナーの構成材料の劣化、変性等を招きやすくなるため、必要以上に含水量を少なくする必要はない。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下、本実施形態について、前述した実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
また、トナー粒子の含水量(含水率)は、特に限定されないが、5wt%以下であるのが好ましく、0.01〜4wt%であるのがより好ましく、0.02〜1wt%であるのがさらに好ましい。トナー粒子中の含水量が多過ぎると、帯電が不安定になるという問題を生じる可能性がある。なお、トナー粒子中の含水量を極端に少なくしようとすると、トナーの構成材料の劣化、変性等を招きやすくなるため、必要以上に含水量を少なくする必要はない。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下、本実施形態について、前述した実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態は、凝集体(トナー粒子)の製造に用いるトナー製造装置のヘッド部の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様の構成を有する。
図3は、本実施形態のトナー製造装置のヘッド部付近の構造を模式的に示す図である。
図3に示すように、本実施形態のトナー製造装置では、ヘッド部2に、音響レンズ(凹面レンズ)25が設置されている。このような音響レンズ25が設置されることにより、例えば、圧電素子22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)を、吐出部23付近の圧力パルス収束部26で収束させることができる。その結果、圧電素子22が発生した振動エネルギーを、分散液6を吐出させるためのエネルギーとして、効率良く利用することができる。したがって、分散液貯留部21に貯留された分散液6が比較的高粘度のものであっても、確実に吐出部23から吐出させることができる。また、分散液貯留部21に貯留された分散液6が凝集力(表面張力)の比較的大きいものであっても、微細な液滴として吐出することが可能となるため、容易かつ確実に、凝集体9や最終的に得られるトナー粒子の粒径を比較的小さい値にコントロールすることができる。
このように、本実施形態では、分散液6として、より粘度の高い材料や、凝集力の大きい材料を用いた場合であっても、凝集体9を所望の形状、大きさにコントロールすることができるので、材料選択の幅が特に広くなり、所望の特性を有するトナーをさらに容易に得ることができる。
図3は、本実施形態のトナー製造装置のヘッド部付近の構造を模式的に示す図である。
図3に示すように、本実施形態のトナー製造装置では、ヘッド部2に、音響レンズ(凹面レンズ)25が設置されている。このような音響レンズ25が設置されることにより、例えば、圧電素子22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)を、吐出部23付近の圧力パルス収束部26で収束させることができる。その結果、圧電素子22が発生した振動エネルギーを、分散液6を吐出させるためのエネルギーとして、効率良く利用することができる。したがって、分散液貯留部21に貯留された分散液6が比較的高粘度のものであっても、確実に吐出部23から吐出させることができる。また、分散液貯留部21に貯留された分散液6が凝集力(表面張力)の比較的大きいものであっても、微細な液滴として吐出することが可能となるため、容易かつ確実に、凝集体9や最終的に得られるトナー粒子の粒径を比較的小さい値にコントロールすることができる。
このように、本実施形態では、分散液6として、より粘度の高い材料や、凝集力の大きい材料を用いた場合であっても、凝集体9を所望の形状、大きさにコントロールすることができるので、材料選択の幅が特に広くなり、所望の特性を有するトナーをさらに容易に得ることができる。
また、本実施形態では、収束した圧力パルスにより分散液6を吐出させるため、吐出部23の面積(開口面積)が比較的大きい場合であっても、吐出する分散液6の大きさを比較的小さいものにすることができる。すなわち、最終的に得られるトナー粒子の粒径を比較的小さくしたい場合であっても、吐出部23の面積を大きくすることができる。これにより、分散液6が比較的高粘度のものであっても、吐出部23における目詰まりの発生等をより効果的に防止することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トナー製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。例えば、前述した実施形態では、粒状の分散液を鉛直下方に向けて吐出する構成について説明したが、分散液の吐出方向は、鉛直上方、水平方向等、いかなる方向であってもよい。また、図7に示すように、分散液6の吐出方向と、ガス噴射口7から噴射されるガスの噴射方向とが、ほぼ垂直となる構成のものであってもよい。この場合、吐出された粒状の分散液6は、ガス流によりその進行方向が変わり、吐出部23からの吐出方向に対してほぼ直角に搬送されることになる。
また、前記第2実施形態では、音響レンズとして凹面レンズを用いた構成について説明したが、音響レンズはこれに限定されるものではない。例えば、音響レンズとして、フレネルレンズ、電子走査レンズ等を用いてもよい。
さらに、前記第2実施形態では、音響レンズ25と吐出部23との間に、分散液6のみを介在させた構成について説明したが、例えば、図4〜図6に示すように、音響レンズ25と吐出部23との間に、吐出部23に向けて、収斂する形状を有する絞り部材13等を配置してもよい。これにより、圧電素子22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)の収束を補助することができ、圧電素子22が発生した圧力パルスをさらに効率良く利用することができる。
さらに、前記第2実施形態では、音響レンズ25と吐出部23との間に、分散液6のみを介在させた構成について説明したが、例えば、図4〜図6に示すように、音響レンズ25と吐出部23との間に、吐出部23に向けて、収斂する形状を有する絞り部材13等を配置してもよい。これにより、圧電素子22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)の収束を補助することができ、圧電素子22が発生した圧力パルスをさらに効率良く利用することができる。
また、前述した実施形態では圧電パルスによりヘッド部から分散液を間欠的に吐出するものとして説明したが、分散液の吐出方法(噴射方法)としては、他の方法を用いることもできる。例えば、分散液を吐出(噴射)する方法としては、スプレードライ法や、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法等の方法のほか、「分散液を、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微粒子として噴射するようなノズルを用いて、分散液を液滴状に(微粒子として)噴射する方法(特願2002−321889号明細書に記載されたような方法)」等を用いてもよい。スプレードライ法は、高圧のガスを用いて、液体(分散液)を噴射(噴霧)させることにより、液滴を得る方法である。また、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、分散液を吐出(噴射)する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出する方法」を適用することができる。
また、前述した実施形態では、トナー製造装置を用いて製造された凝集体を一旦回収した後、接合工程を行うものとして説明したが、例えば、凝集体を製造する分散媒除去工程と、接合工程とは連続的に行ってもよい。これにより、トナー粒子(樹脂微粒子)の生産性をさらに向上させることができる。また、このような場合、分散媒除去工程(分散媒除去処理)を行う領域と、接合工程(接合処理)を行う領域とは、その一部が重なり合っていてもよい。例えば、分散媒除去工程(分散媒除去処理)を行う領域の一部において、凝集体を構成する複数個の微粒子同士の接合が進行してもよい。また、接合工程(接合処理)を行う領域の一部において、凝集体中に残存する分散媒が除去されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、樹脂微粒子としてトナー粒子を製造する方法について説明したが、本発明が適用される樹脂微粒子は、トナー粒子に限定されず、いかなるものであってもよい。
例えば、本発明の樹脂微粒子の製造方法を用いて、粉体塗料を製造した場合、得られた粉体塗料を用いて塗装した塗膜は、極めて優れた平滑性を有するとともに、塗膜欠損の極めて少ないものとなる。
例えば、本発明の樹脂微粒子の製造方法を用いて、粉体塗料を製造した場合、得られた粉体塗料を用いて塗装した塗膜は、極めて優れた平滑性を有するとともに、塗膜欠損の極めて少ないものとなる。
[1]トナーの製造
(実施例1)
<樹脂分散液(第1の分散液)の調製>
まず、樹脂としてポリエステル樹脂(重量平均分子量:12000、数平均分子量:3000、ガラス転移点Tg:59℃、軟化点T1/2(フロー1/2軟化温度):117℃):92重量部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):8重量部を用意した。
(実施例1)
<樹脂分散液(第1の分散液)の調製>
まず、樹脂としてポリエステル樹脂(重量平均分子量:12000、数平均分子量:3000、ガラス転移点Tg:59℃、軟化点T1/2(フロー1/2軟化温度):117℃):92重量部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):8重量部を用意した。
そして、これらの混合物を2軸押出機(池貝社製、PCM−30、L/D:40)に供給速度:3kg/hrで供給するとともに、イオン交換水:1000gにKOH:230gが溶解したKOH水溶液を、前記2軸押出機のベント部に設けられた供給口から供給速度:300g/hrで連続的に供給して、ポリエステル樹脂を主材料とする第1の分散質が分散した樹脂分散液(第1の分散液)を得た。
得られた樹脂分散液中における第1の分散質の体積平均粒径は、0.36μmであった。なお、第1の分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液のpHは、5.1であった。なお、樹脂分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液中における固形分(第1の分散質)濃度は、35wt%であった。
また、得られた樹脂分散液のpHは、5.1であった。なお、樹脂分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液中における固形分(第1の分散質)濃度は、35wt%であった。
<着色剤分散液(第2の分散液)の調製>
着色剤としてのシアン顔料(大日精化社製、シアニンブルー、PB−15:3):25重量部を、ノニオン性乳化分散剤(三洋化成工業社製、ノニポール400):5重量部をイオン交換水:70重量部に溶解した水溶液に加え、これを、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて、発振周波数:28kHzで10分間撹拌して、シアン顔料を主材料とする第2の分散質が分散した着色剤分散液(第2の分散液)を得た。
着色剤としてのシアン顔料(大日精化社製、シアニンブルー、PB−15:3):25重量部を、ノニオン性乳化分散剤(三洋化成工業社製、ノニポール400):5重量部をイオン交換水:70重量部に溶解した水溶液に加え、これを、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて、発振周波数:28kHzで10分間撹拌して、シアン顔料を主材料とする第2の分散質が分散した着色剤分散液(第2の分散液)を得た。
得られた着色剤分散液中における第2の分散質の体積平均粒径は、0.10μmであった。なお、第2の分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた着色剤分散液のpHは、8.6であった。なお、着色剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた着色剤分散液中における固形分(第2の分散質)濃度は、26wt%であった。
また、得られた着色剤分散液のpHは、8.6であった。なお、着色剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた着色剤分散液中における固形分(第2の分散質)濃度は、26wt%であった。
<離型剤分散液(第3の分散液)の調製>
離型剤としての低分子量ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス110P、融点:109℃):30重量部を、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC):2重量部をイオン交換水:68重量部に溶解した水溶液に加え、これを、ホモジナイザーを用いて、115℃に加熱した状態で吐出圧力:560×105N/m2で乳化・混合し、その後、冷却することにより、低分子量ポリエチレンワックスを主材料とする第3の分散質が分散した離型剤分散液(第3の分散液)を得た。
離型剤としての低分子量ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス110P、融点:109℃):30重量部を、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC):2重量部をイオン交換水:68重量部に溶解した水溶液に加え、これを、ホモジナイザーを用いて、115℃に加熱した状態で吐出圧力:560×105N/m2で乳化・混合し、その後、冷却することにより、低分子量ポリエチレンワックスを主材料とする第3の分散質が分散した離型剤分散液(第3の分散液)を得た。
得られた離型剤分散液中における第3の分散質の体積平均粒径は、0.19μmであった。なお、第3の分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた離型剤分散液のpHは、9.1であった。なお、離型剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた離型剤分散液中における固形分(第3の分散質)濃度は、36wt%であった。
また、得られた離型剤分散液のpHは、9.1であった。なお、離型剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた離型剤分散液中における固形分(第3の分散質)濃度は、36wt%であった。
<トナー製造用分散液の調製(第1〜3の分散液の混合)>
樹脂分散液:84重量部を攪拌しつつ、当該樹脂分散液中に、着色剤分散液:6重量部、および、離型剤分散液:2重量部を、この順で加え、さらに、脱気処理を行うことにより、トナー製造用分散を得た。脱気処理は、攪拌した状態の分散液を、14kPaの雰囲気中に10分間置くことにより行った。脱気処理時における雰囲気温度は、25℃であった。
樹脂分散液:84重量部を攪拌しつつ、当該樹脂分散液中に、着色剤分散液:6重量部、および、離型剤分散液:2重量部を、この順で加え、さらに、脱気処理を行うことにより、トナー製造用分散を得た。脱気処理は、攪拌した状態の分散液を、14kPaの雰囲気中に10分間置くことにより行った。脱気処理時における雰囲気温度は、25℃であった。
<粒状体の製造>
得られたトナー製造用の分散液を、図1、図2に示すようなトナー製造装置の分散液供給部内に投入した。分散液供給部内の分散液を攪拌手段で攪拌しつつ、定量ポンプによりヘッド部の分散液貯留部に供給し、吐出部から固化部に吐出させた。
分散液の吐出は、ヘッド部内における分散液温度を25℃、圧電体の振動数を10kHz、吐出部から吐出される分散液の初速度を4m/秒、ヘッド部から吐出される分散液の一滴分の吐出量を3pl(粒径Dd:18μm、重量:約3ng)に調整した状態で行った。また、分散液の吐出は、複数個のヘッド部のうち少なくとも隣接しあうヘッド部で、分散液の吐出タイミングがずれるようにして行った。
得られたトナー製造用の分散液を、図1、図2に示すようなトナー製造装置の分散液供給部内に投入した。分散液供給部内の分散液を攪拌手段で攪拌しつつ、定量ポンプによりヘッド部の分散液貯留部に供給し、吐出部から固化部に吐出させた。
分散液の吐出は、ヘッド部内における分散液温度を25℃、圧電体の振動数を10kHz、吐出部から吐出される分散液の初速度を4m/秒、ヘッド部から吐出される分散液の一滴分の吐出量を3pl(粒径Dd:18μm、重量:約3ng)に調整した状態で行った。また、分散液の吐出は、複数個のヘッド部のうち少なくとも隣接しあうヘッド部で、分散液の吐出タイミングがずれるようにして行った。
また、分散液の吐出時には、ガス噴射口から温度:40℃、湿度:27%RH、流速:4m/秒の空気を鉛直下方に噴射し、また、ハウジング内の圧力(雰囲気圧力)は、100〜105kPaとなるように調節した。また、ハウジング内の温度(雰囲気温度)は、35〜40℃となるように調節した。固化部の長さ(搬送方向の長さ)は、2mであった。
固化部内において、吐出した分散液から分散媒が除去され、分散質(微粒子)の凝集体が形成され、形成された凝集体は回収部に回収された(分散媒除去工程)。また、個々の粒子(液滴および該液滴から形成される凝集体)についての分散媒除去工程の処理時間(固化部内を通過するのに要する時間)は、12秒であった。また、得られた凝集体の含水量は、0.54wt%であった。なお、水分量は、カールフィッシャー法により測定した。
<外添処理(トナーの製造)>
得られた凝集体:100重量部に対し、外添剤として疎水性シリカ微粉末(日本アエロジル社製、R−972):1.2重量部と、酸化チタン(日本アエロジル社製、NKT90):0.5重量部とを付与し、最終的なシアントナー(トナー粒子)を得た。外添剤の付与は、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10C/I)を用いて、回転数:2600rpmで凝集体と外添剤を1分間撹拌混合することにより行った。
得られたトナー粒子の体積平均粒径は、5.2μmであり、その標準偏差は、1.04であった。また、得られたトナー粒子の円形度は、0.986であった。また、得られたトナーの帯電量は、温度:20℃、湿度:65%RHの環境下で、−20.8μC/gであった。
得られた凝集体:100重量部に対し、外添剤として疎水性シリカ微粉末(日本アエロジル社製、R−972):1.2重量部と、酸化チタン(日本アエロジル社製、NKT90):0.5重量部とを付与し、最終的なシアントナー(トナー粒子)を得た。外添剤の付与は、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10C/I)を用いて、回転数:2600rpmで凝集体と外添剤を1分間撹拌混合することにより行った。
得られたトナー粒子の体積平均粒径は、5.2μmであり、その標準偏差は、1.04であった。また、得られたトナー粒子の円形度は、0.986であった。また、得られたトナーの帯電量は、温度:20℃、湿度:65%RHの環境下で、−20.8μC/gであった。
(実施例2〜4)
第1〜3の分散質の平均粒径を表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(実施例5)
用いる第1〜3の分散液のpHが異なるとともに、分散液の混合に先立ち、第2、3の分散液に、希塩酸水溶液を加えて、pH調製を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
第1〜3の分散質の平均粒径を表1に示すようにした以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(実施例5)
用いる第1〜3の分散液のpHが異なるとともに、分散液の混合に先立ち、第2、3の分散液に、希塩酸水溶液を加えて、pH調製を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
第1の分散液の調製は、イオン交換水:1000gにKOH:30gが溶解したKOH水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に行い、得られた第1の分散液のpHは4.6であった。
また、第2の分散液の調製は、分散剤としてアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)を用いた以外は実施例1と同様に行い、得られた第2の分散液のpHは11.8であった。
また、第2の分散液の調製は、分散剤としてアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)を用いた以外は実施例1と同様に行い、得られた第2の分散液のpHは11.8であった。
また、第3の分散液の調製は、分散剤としてアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)を用いた以外は実施例1と同様に行い、得られた第3の分散液のpHは13.2であった。
pH調製は、第2、3の分散液のそれぞれに、pH6.5の希塩酸水溶液を加えることにより行い、pH調製後の第2の分散液のpHは、10.8であり、pH調製後の第3の分散液のpHは、11.5であった。
pH調製は、第2、3の分散液のそれぞれに、pH6.5の希塩酸水溶液を加えることにより行い、pH調製後の第2の分散液のpHは、10.8であり、pH調製後の第3の分散液のpHは、11.5であった。
(実施例6)
pH調製後の第2の分散液のpHと第3の分散液のpHとを表1に示すようにした以外は、実施例5と同様にして、トナーを製造した。
(実施例7)
用いる第1の分散液が異なる以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
pH調製後の第2の分散液のpHと第3の分散液のpHとを表1に示すようにした以外は、実施例5と同様にして、トナーを製造した。
(実施例7)
用いる第1の分散液が異なる以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
<樹脂分散液(第1の分散液)の調製>
まず、樹脂としてエポキシ樹脂(重量平均分子量:13000、数平均分子量:3500、ガラス転移点Tg:58℃、軟化点T1/2(フロー1/2軟化温度):105℃):92重量部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):8重量部を用意した。
まず、樹脂としてエポキシ樹脂(重量平均分子量:13000、数平均分子量:3500、ガラス転移点Tg:58℃、軟化点T1/2(フロー1/2軟化温度):105℃):92重量部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):8重量部を用意した。
そして、これらの混合物を2軸押出機(池貝社製、PCM−30、L/D:40)に供給速度:3kg/hrで供給するとともに、イオン交換水:1000gにKOH:200gが溶解したKOH水溶液を、前記2軸押出機のベント部に設けられた供給口から供給速度:300g/hrで連続的に供給して、エポキシ樹脂を主材料とする第1の分散質が分散した樹脂分散液(第1の分散液)を得た。
得られた樹脂分散液中における第1の分散質の体積平均粒径は、0.36μmであった。なお、第1の分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液のpHは4.7であった。なお、樹脂分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液中における固形分(第1の分散質)濃度は、35wt%であった。
(実施例8)
用いる第1の分散液が異なる以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
また、得られた樹脂分散液のpHは4.7であった。なお、樹脂分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液中における固形分(第1の分散質)濃度は、35wt%であった。
(実施例8)
用いる第1の分散液が異なる以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
<着色剤分散液(第2の分散液)の調製>
着色剤としてのシアン顔料(大日精化社製、シアニンブルー、PB−15:3):25重量部を、アニオン性分散剤(第一製薬社製、ネオゲンR):5重量部をイオン交換水:70重量部に溶解した水溶液に加え、これを、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて、発振周波数:28kHzで10分間撹拌して、シアン顔料を主材料とする第2の分散質が分散した着色剤分散液(第2の分散液)を得た。
着色剤としてのシアン顔料(大日精化社製、シアニンブルー、PB−15:3):25重量部を、アニオン性分散剤(第一製薬社製、ネオゲンR):5重量部をイオン交換水:70重量部に溶解した水溶液に加え、これを、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて、発振周波数:28kHzで10分間撹拌して、シアン顔料を主材料とする第2の分散質が分散した着色剤分散液(第2の分散液)を得た。
得られた着色剤分散液中における第2の分散質の体積平均粒径は、0.10μmであった。なお、第2の分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた着色剤分散液のpHは、8.6であった。なお、着色剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた着色剤分散液中における固形分(第2の分散質)濃度は、26wt%であった。
また、得られた着色剤分散液のpHは、8.6であった。なお、着色剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた着色剤分散液中における固形分(第2の分散質)濃度は、26wt%であった。
<離型剤分散液(第3の分散液)の調製>
離型剤としての天然ワックス(日本精蝋社製、カルナバ1号、融点:82℃):30重量部を、分散剤としてアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR):2重量部をイオン交換水:68重量部に溶解した水溶液に加え、これを、ホモジナイザーを用いて、100℃に加熱した状態で吐出圧力:560×105N/m2で乳化・混合し、その後、冷却することにより、カルナウバワックスを主材料とする第3の分散質が分散した離型剤分散液(第3の分散液)を得た。
離型剤としての天然ワックス(日本精蝋社製、カルナバ1号、融点:82℃):30重量部を、分散剤としてアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR):2重量部をイオン交換水:68重量部に溶解した水溶液に加え、これを、ホモジナイザーを用いて、100℃に加熱した状態で吐出圧力:560×105N/m2で乳化・混合し、その後、冷却することにより、カルナウバワックスを主材料とする第3の分散質が分散した離型剤分散液(第3の分散液)を得た。
得られた離型剤分散液中における第3の分散質の体積平均粒径は、0.19μmであった。なお、第3の分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた離型剤分散液のpHは、8.4であった。なお、離型剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた離型剤分散液中における固形分(第3の分散質)濃度は、36wt%であった。
また、得られた離型剤分散液のpHは、8.4であった。なお、離型剤分散液のpHの測定は、pHメータ(ハック社製、SENSION3)を用いて行った。
また、得られた離型剤分散液中における固形分(第3の分散質)濃度は、36wt%であった。
(実施例9)
着色剤としてマゼンタ顔料(大日精化社製、PR−122)を用いた以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(実施例10)
着色剤としてイエロー顔料(大日精化社製、PY74)を用いた以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
着色剤としてマゼンタ顔料(大日精化社製、PR−122)を用いた以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(実施例10)
着色剤としてイエロー顔料(大日精化社製、PY74)を用いた以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(実施例11)
樹脂としてスチレン−アクリル共重合体(ガラス転移点Tg:52℃、融点Tm:105℃)、着色剤としてカーボンブラック(キャボット社製、モーガルL)、離型剤としてカルナウバワックス(日本精蝋社製、カルナバ1号)を用い、分散液を四流体ノズル(藤崎電気社製、MDL−050C)を用いて吐出した以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
樹脂としてスチレン−アクリル共重合体(ガラス転移点Tg:52℃、融点Tm:105℃)、着色剤としてカーボンブラック(キャボット社製、モーガルL)、離型剤としてカルナウバワックス(日本精蝋社製、カルナバ1号)を用い、分散液を四流体ノズル(藤崎電気社製、MDL−050C)を用いて吐出した以外は、前述した実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(比較例1)
樹脂分散液の調製に際し、樹脂および分散剤のほかに、着色剤および離型剤を加えて、混合物とし、この混合物を2軸押出機に供給して、樹脂分散液を得、これをトナー製造用分散液とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
樹脂分散液の調製に際し、具体的には、まず、樹脂としてポリエステル樹脂(重量平均分子量:12000、数平均分子量:3000、ガラス転移点Tg:59℃、軟化点T1/2(フロー1/2軟化温度):117℃):92重量部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):8重量部、着色剤としてのシアン顔料(大日精化社製、シアニンブルー、PB−15:3):1.79重量部、離型剤としての低分子量ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス110P、融点:109℃):0.71重量部を用意した。
樹脂分散液の調製に際し、樹脂および分散剤のほかに、着色剤および離型剤を加えて、混合物とし、この混合物を2軸押出機に供給して、樹脂分散液を得、これをトナー製造用分散液とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを製造した。
樹脂分散液の調製に際し、具体的には、まず、樹脂としてポリエステル樹脂(重量平均分子量:12000、数平均分子量:3000、ガラス転移点Tg:59℃、軟化点T1/2(フロー1/2軟化温度):117℃):92重量部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):8重量部、着色剤としてのシアン顔料(大日精化社製、シアニンブルー、PB−15:3):1.79重量部、離型剤としての低分子量ポリエチレンワックス(三井化学社製、ハイワックス110P、融点:109℃):0.71重量部を用意した。
そして、これらの混合物を2軸押出機(池貝社製、PCM−30、L/D:40)に供給速度:3kg/hrで供給するとともに、イオン交換水:1000gにKOH:230gが溶解したKOH水溶液を、前記2軸押出機のベント部に設けられた供給口から供給速度:300g/hrで連続的に供給して、ポリエステル樹脂とシアン顔料と低分子ポリエチレンワックスとを含む分散質が分散した樹脂分散液を得た。
得られた樹脂分散液中における分散質の体積平均粒径は、0.36μmであった。なお、分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液中における固形分(分散質)濃度は、35wt%であった。
得られた樹脂分散液中における分散質の体積平均粒径は、0.36μmであった。なお、分散質の体積平均粒径の測定は、粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−700)を用いて行った。
また、得られた樹脂分散液中における固形分(分散質)濃度は、35wt%であった。
(比較例2)
pH調製工程を省略した以外は、実施例5と同様にして、トナーを製造した。
以上の実施例1〜7および比較例(以下、各実施例および比較例という)について、トナーの製造条件を表1および表2に示した。なお、表1において、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を|B−A|で示し、表1において、第1の分散液のpHと第3の分散液のpHとの差を|C−A|で示した。また、|B−A|、C−A|は、pH調整を行った場合には、pH調整後のものについて示した。
pH調製工程を省略した以外は、実施例5と同様にして、トナーを製造した。
以上の実施例1〜7および比較例(以下、各実施例および比較例という)について、トナーの製造条件を表1および表2に示した。なお、表1において、第1の分散液のpHと第2の分散液のpHとの差を|B−A|で示し、表1において、第1の分散液のpHと第3の分散液のpHとの差を|C−A|で示した。また、|B−A|、C−A|は、pH調整を行った場合には、pH調整後のものについて示した。
[2]評価
上記のようにして得られた各トナーについて、耐久性、転写効率、帯電性、定着特性、透明性の評価を行った。
[2.1]耐久性
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナーを、カラーレーザープリンタ(セイコーエプソン社製:LP−2000C)の現像機にセットした。その後、印字しないように、現像機を連続回転させた。12時間後、現像機を取り出し、現像ローラ上のトナー薄層の均一性を目視にて確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:薄層に乱れがまったく認められない。
○:薄層に乱れがほとんど認められない。
△:薄層に多少の乱れが認められる。
×:薄層に筋状の乱れがはっきりと認められる。
上記のようにして得られた各トナーについて、耐久性、転写効率、帯電性、定着特性、透明性の評価を行った。
[2.1]耐久性
前記各実施例および前記各比較例で得られたトナーを、カラーレーザープリンタ(セイコーエプソン社製:LP−2000C)の現像機にセットした。その後、印字しないように、現像機を連続回転させた。12時間後、現像機を取り出し、現像ローラ上のトナー薄層の均一性を目視にて確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:薄層に乱れがまったく認められない。
○:薄層に乱れがほとんど認められない。
△:薄層に多少の乱れが認められる。
×:薄層に筋状の乱れがはっきりと認められる。
[2.2]転写効率
以上のようにして得られた各トナーについて、転写効率の評価を行った。
転写効率は、カラーレーザープリンタ(セイコーエプソン社製、LP−2000C)を用いて、以下のように評価した。
感光体への現像工程直後(転写前)の感光体上のトナーと、転写後(印刷後)の感光体上のトナーとを、別々のテープを用いて採取し、それぞれの重量を測定した。転写前の感光体上のトナー重量をWb[g]、転写後の感光体上のトナー重量をWa[g]としたとき、(Wb−Wa)×100/Wbとして求められる値を、転写効率とした。
以上のようにして得られた各トナーについて、転写効率の評価を行った。
転写効率は、カラーレーザープリンタ(セイコーエプソン社製、LP−2000C)を用いて、以下のように評価した。
感光体への現像工程直後(転写前)の感光体上のトナーと、転写後(印刷後)の感光体上のトナーとを、別々のテープを用いて採取し、それぞれの重量を測定した。転写前の感光体上のトナー重量をWb[g]、転写後の感光体上のトナー重量をWa[g]としたとき、(Wb−Wa)×100/Wbとして求められる値を、転写効率とした。
[2.3]帯電特性
レーザープリンタ(セイコーエプソン社製、LP−2000C)を用いて、以下のような試験を実施した。
レーザープリンタにおいて、印字途中で運転を停止させ、カートリッジを取り外し、粉黛帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製、E-spart analyzer)を用いて、帯電量分布を測定し、その結果から、帯電量および逆帯電量としてプラス帯電量を求めた。
レーザープリンタ(セイコーエプソン社製、LP−2000C)を用いて、以下のような試験を実施した。
レーザープリンタにおいて、印字途中で運転を停止させ、カートリッジを取り外し、粉黛帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製、E-spart analyzer)を用いて、帯電量分布を測定し、その結果から、帯電量および逆帯電量としてプラス帯電量を求めた。
帯電量については、室温条件(20℃湿度65%)での初期帯電量と、1000枚印字後(1K後)の帯電量とについて求めた。
1000枚印字後(1K後)の帯電量については、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:初期帯電量からの変化量(絶対値)が0.5μC/g未満。
○:初期帯電量からの変化量(絶対値)が0.5μC/g以上1μC/g未満。
△:初期帯電量からの変化量(絶対値)が1μC/g以上3μC/g未満。
×:初期帯電量からの変化量(絶対値)が3μC/g以上。
また、逆帯電性のトナーについては、全トナー量に対する存在比率で求め、逆帯電性のトナーの存在比率が3wt%未満の場合は○、逆帯電性のトナーの存在率が3wt%以上の場合は×とした。
1000枚印字後(1K後)の帯電量については、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:初期帯電量からの変化量(絶対値)が0.5μC/g未満。
○:初期帯電量からの変化量(絶対値)が0.5μC/g以上1μC/g未満。
△:初期帯電量からの変化量(絶対値)が1μC/g以上3μC/g未満。
×:初期帯電量からの変化量(絶対値)が3μC/g以上。
また、逆帯電性のトナーについては、全トナー量に対する存在比率で求め、逆帯電性のトナーの存在比率が3wt%未満の場合は○、逆帯電性のトナーの存在率が3wt%以上の場合は×とした。
[2.4]定着良好域
まず、定着装置を備えたレーザープリンタ(セイコーエプソン社製、LP−3000C)を用意した。なお、この定着装置では、トナーがニップ部を通過するのに要する時間Δtを0.05秒に設定した。
次に、上記のレーザープリンタを用いて、未定着の画像サンプルを採取し、当該レーザープリンタの定着装置で、以下のような試験を実施した。なお、採取するサンプルのベタは付着量を0.40〜0.50mg/cm2に調整した。
レーザープリンタを構成する定着装置の定着ローラの表面温度を所定温度に設定した状態で、未定着のトナー像が転写された用紙(セイコーエプソン社製、上質普通紙)を、定着装置の内部に導入することにより、トナー像を用紙に定着させ、定着後におけるオフセットの発生の有無を目視で確認した。
まず、定着装置を備えたレーザープリンタ(セイコーエプソン社製、LP−3000C)を用意した。なお、この定着装置では、トナーがニップ部を通過するのに要する時間Δtを0.05秒に設定した。
次に、上記のレーザープリンタを用いて、未定着の画像サンプルを採取し、当該レーザープリンタの定着装置で、以下のような試験を実施した。なお、採取するサンプルのベタは付着量を0.40〜0.50mg/cm2に調整した。
レーザープリンタを構成する定着装置の定着ローラの表面温度を所定温度に設定した状態で、未定着のトナー像が転写された用紙(セイコーエプソン社製、上質普通紙)を、定着装置の内部に導入することにより、トナー像を用紙に定着させ、定着後におけるオフセットの発生の有無を目視で確認した。
同様に、定着ローラの表面の設定温度を100〜250℃の範囲で順次変更していき、各温度でのオフセットの発生の有無を確認し、オフセットが発生しなかった温度範囲を、「定着良好域」として求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:定着良好域の幅が60℃以上である。
○:定着良好域の幅が45℃以上60℃未満である。
△:定着良好域の幅が30℃以上45℃未満である。
×:定着良好域の幅が30℃未満である。
◎:定着良好域の幅が60℃以上である。
○:定着良好域の幅が45℃以上60℃未満である。
△:定着良好域の幅が30℃以上45℃未満である。
×:定着良好域の幅が30℃未満である。
[2.5]透明性
前記各実施例および比較例で得られたトナーについて、微量のトナーを2枚のスライドガラス間に挿し込み、ホットプレート上で溶融させ、その後、冷却した。トナーを構成する樹脂が完全に固化するまで放置した後、HAZEメーター(日本電色工業社製、MODEL1001DP)でHAZE値を測定し、透明性を評価した。HAZE値は、拡散透過率を全透過率で除した値であり、トナー中の各成分の分散性が良い程、この値は小さくなる。また、トナー粒子間におけるトナー粒子中の着色剤の含有量のバラツキが大きい程、HAZE値は大きくなり、形成する画像に色ムラを生じやすくなる。
これらの結果を、トナー粒子の平均円形度R、円形度標準偏差、体積基準の平均粒径Dt、粒径標準偏差とともに表3に示す。
前記各実施例および比較例で得られたトナーについて、微量のトナーを2枚のスライドガラス間に挿し込み、ホットプレート上で溶融させ、その後、冷却した。トナーを構成する樹脂が完全に固化するまで放置した後、HAZEメーター(日本電色工業社製、MODEL1001DP)でHAZE値を測定し、透明性を評価した。HAZE値は、拡散透過率を全透過率で除した値であり、トナー中の各成分の分散性が良い程、この値は小さくなる。また、トナー粒子間におけるトナー粒子中の着色剤の含有量のバラツキが大きい程、HAZE値は大きくなり、形成する画像に色ムラを生じやすくなる。
これらの結果を、トナー粒子の平均円形度R、円形度標準偏差、体積基準の平均粒径Dt、粒径標準偏差とともに表3に示す。
表3から明らかなように、本発明(実施例1〜11)のトナーは、いずれも、円形度が大きく、粒度分布の幅の小さいものであった。また、形状のバラツキ(円形度の標準偏差)が小さかった。
これに対し、比較例1、2のトナーは、実施例のトナーに比し、円形度が小さく、比較的大きな凸部を有しているトナー粒子が数多く認められた。
これに対し、比較例1、2のトナーは、実施例のトナーに比し、円形度が小さく、比較的大きな凸部を有しているトナー粒子が数多く認められた。
また、本発明(実施例1〜11)のトナーは、いずれも、耐久性、転写効率、帯電特性、定着良好域、透明性に優れていた。特に、定着特性に関しては、実施例2のトナーが優れていた。また、透明性に関しては、実施例1、2のトナーが優れていた。
これに対し、比較例1、2のトナーは、本発明のトナーに比し、耐久性、転写効率、帯電特性、定着良好域、透明性のいずれにおいても、劣っていた。
これに対し、比較例1、2のトナーは、本発明のトナーに比し、耐久性、転写効率、帯電特性、定着良好域、透明性のいずれにおいても、劣っていた。
1……トナー製造装置 2……ヘッド部 21……分散液貯留部 22……圧電素子 221……下部電極 222……圧電体 223……上部電極 23……吐出部 24……振動板 25……音響レンズ 26……圧力パルス収束部 3……固化部 31……ハウジング 311……縮径部 4……分散液供給部 41……攪拌手段 5……回収部 6……分散液 61……分散質 611……第1の分散質 612……第2の分散質 62……分散媒 7……ガス噴射口 8……電圧印加手段 9……凝集体 10……ガス流供給手段 101……ダクト 11……熱交換器 12……圧力調整手段 121……接続管 122……拡径部 123……フィルター 13……絞り部材
Claims (14)
- 樹脂および着色剤を含む分散液を用いて、樹脂および着色剤を含んで構成されたトナーを製造する方法であって、
樹脂を主材料とする第1の分散質を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質を分散した第2の分散液とを、これらのpHの差を6以下とした状態で混合して、混合分散液を得る混合工程と、
前記混合分散液の液滴を形成するとともに、前記液滴から分散媒を除去し、前記第1の分散質および前記第2の分散質由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体を得る分散媒除去工程とを有することを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記混合工程に先立ち、前記第1の分散液のpHと前記第2の分散液のpHとの差が小さくなるように、前記第1の分散液および前記第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程を有する請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 樹脂および着色剤が分散質として分散媒中に微分散した分散液を用いて、樹脂および着色剤を含んで構成されたトナーを製造する方法であって、
樹脂を主材料とする第1の分散質を分散した第1の分散液と、着色剤を主材料とする第2の分散質を分散した第2の分散液とをこれらのpHの差が小さくなるように、前記第1の分散液および前記第2の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程と、
前記第1の分散液と前記第2の分散液とを混合して、混合分散液を得る混合工程と、
前記混合分散液の液滴を形成するとともに、前記液滴から分散媒を除去し、前記第1の分散質および前記第2の分散質由来の複数個の微粒子が凝集した凝集体を得る分散媒除去工程とを有することを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記第1の分散液および前記第2の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性である請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記第2の分散質の平均粒径は、前記第1の分散質の平均粒径よりも小さい請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の分散質の平均粒径をDm1とし、前記第2の分散質の平均粒径をDm2としたときに、Dm1およびDm2が0.1<Dm2/Dm1<0.5なる関係を満足する請求項5に記載のトナーの製造方法。
- 前記混合工程において、前記第1の分散液と前記第2の分散液とのほかに、離型剤を主材料とする第3の分散質が分散した第3の分散液を混合する請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記第3の分散質の平均粒径は、前記第1の分散質の平均粒径よりも小さい請求項7に記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の分散質の平均粒径をDm1とし、前記第3の分散質の平均粒径をDm3としたときに、Dm1およびDm3が0.1<Dm3/Dm1<1.0なる関係を満足する請求項8に記載のトナーの製造方法。
- 前記混合工程に先立ち、前記第1の分散液のpHと前記第3の分散液のpHとの差を小さくするように、前記第1の分散液および前記第3の分散液の少なくとも一方のpHを調整するpH調整工程を有する請求項7ないし9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記混合工程において、前記第1の分散液のpHと前記第3の分散液のpHとの差は、6以下である請求項7ないし10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の分散液および前記第3の分散液は、ともに酸性またはアルカリ性である請求項7ないし11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散媒は、主として水および/または水との相溶性に優れる液体で構成されたものである請求項1ないし12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 請求項1ないし13のいずれかに記載の製造方法を用いて得られたことを特徴とするトナー。
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---|---|---|---|
JP2004257725A JP2006072157A (ja) | 2004-09-03 | 2004-09-03 | トナーの製造方法およびトナー |
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JP2013137443A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Canon Inc | トナー |
-
2004
- 2004-09-03 JP JP2004257725A patent/JP2006072157A/ja active Pending
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