JP5907547B2 - 動物侵入防止フェンス用ネット - Google Patents
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Description
特許文献1の発明の構成は、「縦線と横線が組まれた、クリンプされた線材を使用した金網からなるフェンス本体が複数の支柱間に固定されているフェンスにおいて、前記金網は、波形凹凸部分が形成された縦線と横線が各々縦横平行に配置されてなり、前記縦線は、隣接する半ピッチずれた2本線以上の横線の凹凸部分に通されて係合され、この2本線以上の横線を1組として、前記横線の組の上、および下の横線の組が互いに3ピッチ以上離れて、金網が平行四辺形に変形可能なことを特徴とするフェンス(請求項1)」。叉「前記縦線および横線の線径が、波型の凹部の深さ(h)以下であることを特徴とする請求項1記載のフェンス(請求項2)」。なお請求項3、4は省略。そして特許文献1の発明では、クリンプされた線材を使用した金網からなるフェンスは勾配が0°から約30°の範囲で平行四辺形を保持して自由に変形できると共に、柱・胴縁への取り付けが自由であることにより、平地に設置できるのは勿論、どんな傾斜地でも、現場にて角度を決めて容易に施工可能である、としている。
特許文献2の発明の構成は、「それぞれ波形成形をした縦線と横線の交差編みによって構成し、縦線の波形の波の形を横線の波形の波の形よりもゆるやかに形成して横線と縦線が編み上がった状態で相互鋏状に幾分動き得るように成し、金網全体を菱形状に変形可能に構成してなるフェンス用金網(請求項3)」。なお請求項1、2は省略。そして特許文献2の発明では、金網の縦線と横線が鋏状に動き得ることで、金網全体を菱形に変形させることができるから、地盤に高低差のある場所に設置するときは、上下にずれた支柱間に適合するよう金網の方を変形させることができ、従来例のように金網を切り揃えてやる必要がなくなる、としている。
特許文献3の発明の構成は、「横胴縁および縦胴縁を回動可能に連結し、これら胴縁に囲まれた金綱部分を構成する各列線の交点を単に接触状態に保持せしめてなる傾斜地布設可能なネットフェンス(請求項1)」。なお請求項2は省略。そして特許文献3の発明では、強度の大きい例えばアルミ被覆鋼線を採用し、単に接触だけの編み込みで十分な強度維持を行なわせて斜め変形を可能にし、胴縁も変形自在に構成したから、平地のみならず傾斜地においても何等の困難なく傾斜になじんだ取付ができるものであって、取付作業が容易な上取付後の外観をとくに美しく保持できるなど、としている。
このように、特許文献1〜3の発明にあっては、何れも、フェンスのネットはその網目が平行四辺形状に変形して平坦地のみならず傾斜地にも自在に対応できるとしている。
また、これら前記の特許文献1〜特許文献3の発明にあっては、ネットを構成する縦線及び横線は側面からみると波形凹凸形状に形成され、側面視が波形凹凸形状に形成された縦線及び横線を平面からみた平面視では直線状に形成されている。そして縦線及び横線の相互の凹部と凸部とをそれぞれ係合させながらネット状に形成されている。
このため、特許文献1の発明にあっては、縦線および横線の線径が、波型の凹部の深さ(h)以下にしている(請求項2)。つまり、波型の凹部に凸部を遊嵌状に係合させることで、縦横に交差係合する凹部と凸部の係合状態を緩やかにして、交差箇所での方形の網目の平面内角度方向への変形の自由度を高めている。
また、特許文献2の発明にあっては、縦線又は横線の何れかの波形凹凸形状のピッチをゆるやかに(長く)している(請求項3)。つまり、凹部と凸部の傾斜角度を小さくしてゆるやかにすることで、凹部の緩やかな傾斜にそって係合する他方の線材(縦線又は横線)がスライドでき、交差箇所での方形の網目の平面内角度方向への変形の自由度を高めている。
しかしながら、これらのような構造にすると、縦線および横線の凹部と凸部の係合状態が緩やかなため、現場搬送の途中で或いは現場作業中に、その係合部分で線材が横又は縦にずれて網目が崩れネットとして使用できなくなることがあり、その取り扱いが非常に面倒である。また、このようなネットで形成されたフェンスを設置したとき、動物はネットの網目の中を通過しようとして力づくで網目を広げることがあり、この場合、係合部分で線材が横又は縦に容易にずれて網目が広がり、動物がその広げた網目を通過して侵入し、動物侵入防止フェンスとして機能しなくなることがある。
なお、特許文献3の発明にあっては、ネットを形成する縦線及び横線の波形凹凸形状についての構造上の特徴について何ら言及されていない。しかし、本願の出願人の実験によれば、縦線及び横線の線材が一定の強度を有する場合には、側面視が波形凹凸形状に形成され平面視で直線状に形成された縦線及び横線を縦横に交差させて網を形成したとき、上述した特許文献1又は特許文献2の構成にしないと交差箇所での角度方向への変形の自由度を高めることが困難との認識を得ている。縦線及び横線の線材の強度が弱い場合には人力で平行四辺形状へ変形可能であるが、同様に動物が力ずくで網目を広げようとしたとき線材の強度が弱いと網目が簡単に広がり動物の侵入を防ぐことができない。
これらに対して、特許文献4の発明にあっては、本願の出願人の実験によれば、図21に図示された網目は強固であり、イノシシのような動物でも網目を広げることは困難との認識を得たが、同時に平行四辺形状への変形も全く困難との認識を得た。つまり、傾斜地にこのネットを使用したフェンスを設置しようとすると、従来のように、ネットの一部を傾斜地の傾斜角度に合わせて切断する必要がある。
側面視において線材の軸線方向に山部と谷部が交互に形成される波形形状に形成し、山部の最上縁と谷部の最下縁の波形高低差Hと線材の直径Dとの比率をH/D=2.24〜2.52とし、側面視に対して線材の軸線回りに90度方向となる平面視において線材の軸線方向に山部と谷部が交互に形成される波形形状に形成し、山部の最外縁と谷部の最外縁の波形振幅差Bと線材の直径Dとの比率をB/D=1.44〜1.48とし、波形形状の線材の側面視及び平面視における隣り合う山部間又は谷部間のピッチλの間隔を同一にすると共に、ピッチλと直径Dとの比率をλ/D=7.6〜8.2とし、側面視における山部と平面視における山部の位置又は側面視における谷部と平面視における谷部の位置を、λ/4±λ/20ずらして形成し、
波形形状の波形振幅差Bの小さい方がネットの平面向きになるように、波形形状の波形高低差Hの大きい方がネットの厚みになるようにして、側面視における縦線及び横線の互いの山部を対応する谷部にピッチλの所要倍数の間隔をあけて係合させながら所要の大きさの方形の網目のネットに形成した手段よりなるものである。
図において、動物侵入防止のために設置するフェンス1に使用されるネット2は、フェンス1が設置される地面が平坦地ではネット2の網目21を長方形又は正方形の方形の状態で設置される。傾斜地の場合には、その方形の網目21が0度〜40度の変位角度で平行四辺形状に自在に変形するので、その傾斜角度に合わせてネット2の網目21を変形させることで、傾斜地にもネット2の一部をカットすることなく設置することができる。しかも、このネット2の網目21は、動物が侵入のためにこれを広げようとしても簡単に広がることもなく、このため、このネット2を使用したフェンス1は動物が侵入するのを防止することができる。
線材3の縦線3aと横線3bとを縦横に組んで一定の大きさの網目21を有するネット2を形成する場合には、縦線3a及び横線3bは共に、波形形状の波形振幅差Bの小さい方がネット2の平面向きになるようにする。即ち波形形状の波形高低差Hの大きい方がネット2の側面つまりネット2の厚みになるようにして編み上げる。横線3b及び縦線3aの波形高低差Hの大きい山部31と谷部32とを所定の間隔をあけて交差しながら係合させて編み上げていく。この場合、前後又は左右箇所での、上下の交差は常に反対になるように編み上げる。
11 支柱
2 ネット
21 網目
3 線材
3a 縦線
3b 横線
31 山部
31a 最上縁
32 谷部
32a 最下縁
33 山部
33a 最外縁
34 谷部
34a 最外縁
B 波形振幅差
D 直径
H 波形高低差
λ ピッチ
Claims (2)
- ネットの縦線及び横線として使用される所要の直径の線材を、
側面視において線材の軸線方向に山部と谷部が交互に形成される波形形状に形成し、山部の最上縁と谷部の最下縁の波形高低差Hと線材の直径Dとの比率をH/D=2.24〜2.52とし、側面視に対して線材の軸線回りに90度方向となる平面視において線材の軸線方向に山部と谷部が交互に形成される波形形状に形成し、山部の最外縁と谷部の最外縁の波形振幅差Bと線材の直径Dとの比率をB/D=1.44〜1.48とし、波形形状の線材の側面視及び平面視における隣り合う山部間又は谷部間のピッチλの間隔を同一にすると共に、ピッチλと直径Dとの比率をλ/D=7.6〜8.2とし、側面視における山部と平面視における山部の位置又は側面視における谷部と平面視における谷部の位置を、λ/4±λ/20ずらして形成し、
波形形状の波形振幅差Bの小さい方がネットの平面向きになるように、波形形状の波形高低差Hの大きい方がネットの厚みになるようにして、側面視における縦線及び横線の互いの山部を対応する谷部にピッチλの所要倍数の間隔をあけて係合させながら所要の大きさの方形の網目のネットに形成したことを特徴とする動物浸入防止フェンス用ネット。 - 方形の網目は0度〜40度の変位角度で平行四辺形状に変形可能である請求項1記載の動物侵入防止フェンス用ネット。
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JP2010146957A JP5907547B2 (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | 動物侵入防止フェンス用ネット |
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Family Applications (1)
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