JP5899896B2 - 冷却用有機熱媒体の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却用有機熱媒体の精製方法に関する。
加熱システムや冷却システム等の装置には、これら装置を加熱あるいは冷却して目的の温度に制御するために、外部熱源と装置との間での熱を移動させる媒体として、熱媒体が用いられている。例えば摂氏0℃近辺で運転される冷却システム等に用いられる冷却用熱媒体としては、水を用いると凍結する可能性があるため、高濃度の無機塩水溶液を主成分とした無機熱媒体や、グリコール等の有機物と水との混合液を主成分とした有機熱媒体などが使用されている。
また、加熱用熱媒体や冷却用熱媒体には、通常、防食材、酸化防止剤、消泡剤等の種々の添加剤が配合されている。
これら熱媒体は、自動車のエンジンや、工業・食品関係のプラント、スケートリンクなどの娯楽施設、冷暖房などに広く使用されている。
熱媒体は、使用の初期では添加剤の働きにより、冷却システム等の装置を構成している金属材料に対して防食性を示すが、長期にわたって使用していると劣化などにより添加剤の機能が低下し、金属材料を腐食させることがあった。金属材料が腐食すると、金属成分等の腐食生成物などが不純物として熱媒体に混入し、熱媒体の汚染や、金属材料の二次腐食の原因となる。
通常、熱媒体に不純物が混入した場合は熱媒体自体を新品な熱媒体と交換するが、化学プラントなどでは大型の装置を使用する場合が多く、そのような場合には熱媒体の使用量も多いため、新品な熱媒体と交換するのはコストがかかる。
よって、腐食生成物などの不純物を熱媒体から除去できれば、熱媒体の再利用(再生)が可能となり、大幅なコスト削減につながる。
熱媒体の再生方法としては、例えば熱媒体を蒸留する方法、熱媒体をフィルターにより濾過する方法、熱媒体に金属イオン反応剤を添加して金属イオンを不溶解物質とした後、濾過する方法などが知られている。
しかし、熱媒体を蒸留する方法は、コストがかかりやすかった。一方、熱媒体を直接濾過する方法や、金属イオンを不溶解物質とした後で濾過する方法は、不純物や不溶解物質の粒径が細かいため、濾過では十分に除去できないなどの問題があった。不純物や不溶解物質が十分に除去されていない状態で熱媒体を再利用すると金属材料の二次腐食を招く恐れがあるため、再利用には不向きである。
そこで、熱媒体中の腐食生成物を容易に除去できる方法として、例えば特許文献1には、使用済ブラインや不凍液に金属イオン反応剤および凝集剤を添加した後、平均粒子径1μm以上のフィルターにより濾過するブラインの再生方法が開示されている。特許文献1に記載の再生方法によれば、金属イオン反応剤によって熱媒体中の金属イオンを不溶化させて不溶解物質とし、これを凝集剤により凝集した後、フィルターにより濾過することで、濾過効率を向上させるとしている。
特開平8−245951号公報
しかしながら、特許文献1に記載の再生方法の場合、金属イオン反応剤としてジチオカルバミン酸塩類、チオ尿素類、チアゾール類などを用いるため、悪臭がするなどの作業環境に問題があった。また、金属イオン反応剤によって不溶化した不溶解物質は濾過性が悪く、凝集剤を用いて凝集させたとしても濾過に時間を要する場合が多い。そのため、十分に濾過するためには、目開きの異なるフィルターを用い、数回にわたって多段濾過する必要があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冷却用有機熱媒体を簡便かつ低コストで十分に精製できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、冷却用有機熱媒体に無機凝結剤および2価の金属塩を添加して金属成分などの腐食生成物を凝結させた後で、凝集剤をさらに添加することで大きなフロックが形成されやすくなり、腐食生成物を分離しやすくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の冷却用有機熱媒体の精製方法は、冷却用有機熱媒体を精製する方法であって、冷却用有機熱媒体に無機凝結剤と2価の金属塩を添加した後に、高分子凝集剤を添加し、形成された粗大フロックを分離することを特徴とする。
ここで、前記2価の金属塩が、カルシウム塩またはマグネシウム塩であることが好ましい。
また、前記冷却用有機熱媒体が、水とアルコールとを含むことが好ましい。
さらに、前記高分子凝集剤が、アニオン系高分子凝集剤であることが好ましい。
また、粗大フロックを分離する前の冷却用有機熱媒体のpHが8〜13であることが好ましい。
本発明の冷却用有機熱媒体の精製方法によれば、冷却用有機熱媒体を簡便かつ低コストで十分に精製できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の冷却用有機熱媒体の精製方法は、冷却用有機熱媒体に無機凝結剤と2価の金属塩を添加する凝結工程と、該凝結工程の後に高分子凝集剤をさらに添加する凝集工程と、凝結工程により形成された粗大フロックを分離する分離工程とを有する。
<冷却用有機熱媒体>
精製の対象となる冷却用有機熱媒体(以下、単に「熱媒体」という。)は、例えば自動車のエンジンや、工業・食品関係のプラント、スケートリンクなどの娯楽施設、冷暖房などの冷却システムに用いられた、使用済みの熱媒体であり、不純物を含んでいる。
熱媒体としては、グリコール等の有機物と水との混合液を主成分とした有機熱媒体などが挙げられる。中でも、本発明はグリコール等のアルコールと水とを含む有機熱媒体を精製する場合に特に好適である。
熱媒体中の不純物は、冷却システム等の装置を構成している金属材料が腐食することで生じる腐食生成物などであり、不純物の中で最も問題となるのは金属成分、特に装置が鉄系材料を使用している場合は鉄成分である。
熱媒体中では、金属成分の大部分はコロイド状に分散して存在しているが、金属成分が多く残ったままの状態で熱媒体を再利用すると、装置の二次腐食の原因となる。そのため、使用済みの熱媒体を再利用するには、金属成分を十分に除去する必要がある。
熱媒体中でコロイド状に分散している金属成分は、フィルターを用いて濾過すれば除去できるが、粒度分布の測定から求められる熱媒体中の不純物の平均粒子径は1μm程度と小さい。そのため、濾過による処理では効率が悪く、金属成分を除去するのに時間を要する。
しかし、本発明であれば、後述する凝結工程と凝集工程と分離工程とを有するので、短時間で金属成分などの不純物を十分に除去でき、簡便に熱媒体を精製できる。
以下、各工程について具体的に説明する。
<凝結工程>
凝結工程は、熱媒体に無機凝結剤と2価の金属塩を添加する工程である。無機凝結剤の作用により熱媒体中でコロイド状に分散している金属成分を凝結させ小さな集合体(凝結体)を形成させるとともに、2価の金属塩の作用により形成された凝結体や無機凝結剤を沈殿させやすくする。
無機凝結剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄など公知の無機凝結剤が適用できる。特に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムが好ましい。
なお、ポリ硫酸第二鉄や塩化第二鉄を用いても凝結体は形成できるが、これらを熱媒体に過剰に添加した場合、鉄塩が残留したり、熱媒体が着色したりする場合がある。
無機凝結剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機凝結剤の添加量は、熱媒体1Lに対して100〜100000mgが好ましく、より好ましくは150〜50000mgであり、特に好ましくは200〜10000mgである。無機凝結剤の添加量が100mg/L以上であれば、十分な凝結効果が得られるとともに、形成された凝結体や無機凝結剤が沈殿しやすくなる。凝結効果は、無機凝結剤の添加量が多いほど得られやすくなるが、その一方で、無機凝結剤の添加量が多くなるほど、無機凝結剤が沈殿しにくくなる傾向にあり、熱媒体から除去するのが困難となる場合がある。従って、後述する2価の金属塩や、無機金属塩を沈殿させるための他の薬剤を熱媒体に過剰に添加する必要があり、コストが上がる。そのため、無機凝結剤の添加量は100000mg/L以下が好ましい。
2価の金属塩としては、カルシウム塩またはマグネシウム塩が挙げられ、具体的には、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
2価の金属塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価の金属塩は、そのまま熱媒体に添加してもよいが、水溶液または水懸濁液の状態で添加するのが好ましい。
2価の金属塩の添加量は、熱媒体1Lに対して100〜100000mgが好ましく、より好ましくは150〜50000mgであり、特に好ましくは200〜10000mgである。2価の金属塩の添加量が100mg/L以上であれば、形成された凝結体や無機凝結剤が十分に沈殿しやすくなる。一方、2価の金属塩の添加量が100000mg/L以下であれば、形成された凝結体や無機凝結剤が、その後の凝集工程において凝集しやすくなる。
無機凝結剤および2価の金属塩は、熱媒体の攪拌下に添加される。
また、無機凝結剤および2価の金属塩の添加順序は特に限定されず、無機凝結剤を添加した後に2価の金属塩を添加してもよいし、2価の金属塩を添加した後に無機凝結剤を添加してもよいし、これらを同時に添加してもよい。
なお、無機凝結剤および2価の金属塩を添加した時点での熱媒体は、凝結体が形成されることで濁りを生じている。
<凝集工程>
凝集工程は、凝結工程の後で熱媒体に高分子凝集剤を添加する工程である。高分子凝集剤の作用により凝結工程で形成された凝結体を粗大化させて大きな集合体(粗大フロック)を形成させる。
高分子凝集剤としては、アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤などが挙げられる。中でもアニオン系高分子凝集剤が好ましく、具体的には、ポリアクリルアミド、アクリルアミド−アクリル酸塩共重合体、アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸共重合体、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
高分子凝集剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子凝集剤は、そのまま熱媒体に添加してもよいが、水溶液の状態で添加するのが好ましい。
高分子凝集剤の添加量は、熱媒体1Lに対して0.01〜10000mgが好ましく、より好ましくは0.1〜1000mgであり、特に好ましくは0.5〜500mgである。高分子凝集剤の添加量が0.01mg/L以上であれば、凝結工程にて形成された凝結体が十分に凝集して粗大フロックが形成されやすくなる。一方、高分子凝集剤の添加量が10000mg/L以下であれば、高分子凝集剤を過剰に添加することなく、高強度のフロックを形成できる。
高分子凝集剤は、熱媒体の攪拌下に添加される。その際、攪拌が弱すぎると高分子凝集剤が均一に混合されず、攪拌が強すぎるとフロックが大きく成長しにくい。従って、10〜200rpmの条件で攪拌するのが好ましい。
また、攪拌時間は1〜1000秒が好ましい。
本発明においては、後述する分離工程前の熱媒体のpHが8〜13であることが好ましい。
上述したように、熱媒体中の金属成分の大部分はコロイド状に分散して存在しているが、一部は金属イオンとして熱媒体中に溶解しているものもある。熱媒体のpHが8〜13であれば、熱媒体中に溶解していた金属イオン(特に鉄イオン)がコロイド状に析出しやすくなる。このことは、例えば精製前の使用済み熱媒体をpH8〜13に調整した後、目開き0.2μmのフィルターで濾過すると、濾液(濾過後の熱媒体)中の金属成分濃度が減少することから確認できる。
従って、熱媒体のpHが8〜13であれば、熱媒体中に溶解していた金属イオンがコロイド状に析出するので、熱媒体中の金属成分濃度をより減少させることができる。熱媒体のpHは8.5〜12であることがより好ましい。
なお、本発明において「分離工程前の熱媒体」とは、分離工程よりも前の段階における熱媒体のことであり、凝結工程の前の熱媒体でもよいし、凝結工程と凝集工程との間の熱媒体でもよいし、凝集工程と分離工程との間の熱媒体でもよい。特に凝結工程の前の熱媒体、または凝結工程と凝集工程との間の熱媒体のpHが8〜13であることが好ましい。凝結工程の前の熱媒体、または凝結工程と凝集工程との間の熱媒体のpHが8〜13であれば、金属イオンがコロイド状に析出した後、この析出物が無機凝結剤の作用により凝結するので、凝集工程にて粗大化しやすくなり、分離工程にて熱媒体から分離しやすくなる。
熱媒体のpHは、例えば2価の金属塩として水酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを用いると、8〜13になりやすい。
2価の金属塩を熱媒体に添加してもpHが8〜13にならない場合は、pH調整剤を熱媒体に添加してpHが8〜13に調整することが好ましい(pH調整工程)。pH調整工程は、凝結工程と凝集工程との間でもよいし、凝集工程と分離工程との間でもよいが、凝結工程と凝集工程との間が好ましい。
pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
<分離工程>
分離工程は、凝集工程にて形成された粗大フロックを熱媒体から分離する工程であり、熱媒体中の金属成分などの不純物は粗大フロックとして分離される。
分離の方法としては、沈降分離、浮上分離、濾過などの方法を適宜選択して用いることができる。
<作用効果>
以上説明した本発明の熱媒体の精製方法によれば、凝集工程の前に凝結工程を行って熱媒体中の金属成分などの不純物を凝結させておくので、凝集工程において大きなフロックを形成できる。従って、分離工程にて熱媒体から粗大フロックを容易に分離できる。また、例えば分離工程において熱媒体を濾過する場合でも、粗大フロックが形成されているので短時間で濾過できる。
また、ジチオカルバミン酸塩類、チオ尿素類、チアゾール類などの金属イオン反応剤を用いる必要がないので、悪臭などの問題もない。さらに、熱媒体を蒸留により精製する場合に比べてコストを削減できる。
従って、本発明であれば、熱媒体を簡便かつ低コストで十分に精製できる。
本発明により精製された熱媒体は、金属成分などの不純物が十分に除去されているので、冷却システム等に用いられる冷却用熱媒体などとして再利用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
化学プラントで、冷却用熱媒体として長期間使用したエチレングリコール25質量%水容液を使用済み熱媒体とした。
使用済み熱媒体について、吸光光度計(Hach社製、「DR2400型」)を用いて鉄濃度を測定したところ、24mg/Lであった。
使用済み熱媒体100mLをビーカーに採取し、スパチュラで攪拌しながら無機凝結剤として硫酸アルミニウム水溶液を、使用済み熱媒体1Lに対する添加量が固形分換算で4000mg/Lとなるように添加し、30秒攪拌した。
ついで、2価の金属塩として水酸化カルシウムの水懸濁液を、使用済み熱媒体1Lに対する添加量が固形分換算で750mg/Lとなるように添加し、さらに30秒攪拌した。攪拌後の使用済み熱媒体のpHを測定した。結果を表1に示す。
ついで、高分子凝集剤としてアクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体(モル比(アクリルアミド:アクリル酸ナトリウム)=78:22、平均分子量1600万)の0.1質量%水溶液を、使用済み熱媒体1Lに対する添加量が固形分換算で2mg/Lとなるように添加し、さらに30秒攪拌し、使用済み熱媒体の精製を行った。
形成された粗大フロックの大きさ(フロック径)を、定規を用いて計測した。また、上澄み液を採取し、吸光光度計(Hach社製、「DR2400型」)を用いて上澄み液中の鉄濃度を測定した。これらの結果を表1に示す。
[実施例2〜7]
無機凝結剤の種類、2価の金属塩の種類および添加量、高分子凝集剤の種類を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして使用済み熱媒体の精製を行い、pHおよび上澄み液中の鉄濃度を測定し、粗大フロックの大きさを計測した。これらの結果を表1に示す。
なお、実施例2においては、使用済み熱媒体に水酸化カルシウムの水懸濁液を添加して攪拌した後の使用済み熱媒体のpHが10になるように、水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。
[比較例1]
2価の金属塩の代わりに塩化カリウムを用い、その添加量を固形分換算で1000mg/Lに変更した以外は、実施例1と同様にして使用済み熱媒体の精製を行い、pHを測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
無機凝結剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして使用済み熱媒体の精製を行い、pHを測定した。結果を表1に示す。
[比較例3]
高分子凝集剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして使用済み熱媒体の精製を行い、pHを測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005899896
なお、表1中の略号は以下の通りである。
・Al(SO:硫酸アルミニウム
・PAC:ポリ塩化アルミニウム
・FeCl:塩化第二鉄
・Ca(OH):水酸化カルシウム
・CaCl:塩化カルシウム
・MgCl:塩化マグネシウム
・KCl:塩化カリウム
・凝集剤1:アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体(アニオン系高分子凝集剤)、モル比(アクリルアミド:アクリル酸ナトリウム)=78:22、平均分子量1600万
・凝集剤2:アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体(アニオン系高分子凝集剤)、モル比(アクリルアミド:アクリル酸ナトリウム)=88:12、平均分子量1600万
表1から明らかなように、実施例1〜7の場合は、粗大フロックが形成された。また、上澄み液中の鉄濃度は1.5mg/L以下であった。特に、無機凝結剤として硫酸アルミニウムまたはポリ塩化アルミニウムを用いた実施例1〜6の場合は、上澄み液中の鉄濃度が0.2mg/L以下と低かった。
これらの結果より、本発明であれば、使用済み熱媒体から鉄成分を十分に除去できることが示された。
一方、2価の金属塩の代わりに塩化カリウムを用いた比較例1の場合、および無機凝結剤を用いなかった比較例2の場合、微粒子は生成したが、その大きさを測定することはできなかった。また、生成した微粒子が使用済み熱媒体中に分散しており、上澄み液を採取することができなかった。
高分子凝集剤を用いなかった比較例3の場合、使用済み熱媒体に濁りが生じた程度であり、凝結体は生成したと考えられるが、その大きさを測定することはできなかった。また、上澄み液を採取することができなかった。

Claims (2)

  1. 却用有機熱媒体に無機凝結剤と2価の金属塩を添加した後に、高分子凝集剤を添加し、形成された粗大フロックを分離する冷却用有機熱媒体の精製方法であって、
    前記冷却用有機熱媒体が、水とアルコールとを含み、
    前記2価の金属塩が、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる1種以上であり、
    高分子凝集剤を添加する前の冷却用有機熱媒体のpHが8〜13であることを特徴とする冷却用有機熱媒体の精製方法。
  2. 前記高分子凝集剤が、アニオン系高分子凝集剤であることを特徴とする請求項1に記載の冷却用有機熱媒体の精製方法。
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