JP2010247057A - 微粒子化法と膜除去法との組み合せによる水の浄化方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】
排水および給水中に溶解や分散した状態で共存する有機物質および無機物質を熱エネルギーの消費を少ない条件下で除去する新しい水の浄化方法を提案する。
【解決手段】
処理対象である汚染された水に正に荷電した特定粒子径を持つ水酸化第二鉄コロイド粒子を加え、さらに第一鉄塩水溶液を加えて曝気しつつ撹拌する。撹拌下でアルカリ水を加えて処理対象水のPHを6〜8に調整し微粒子を生成される。これを静置して沈殿分離させかつ多孔性膜で濾過または孔拡散・濾過法で精製することを特徴とする水の浄化方法。本法で除去できる物質として砒素イオン,ケイ酸イオン,シアンイオン,等の多価イオンおよび鉄イオンと錯体を形成するイオンおよび荷電状態で安定に水溶液中に分散している微粒子である。
【選択図】 なし
排水および給水中に溶解や分散した状態で共存する有機物質および無機物質を熱エネルギーの消費を少ない条件下で除去する新しい水の浄化方法を提案する。
【解決手段】
処理対象である汚染された水に正に荷電した特定粒子径を持つ水酸化第二鉄コロイド粒子を加え、さらに第一鉄塩水溶液を加えて曝気しつつ撹拌する。撹拌下でアルカリ水を加えて処理対象水のPHを6〜8に調整し微粒子を生成される。これを静置して沈殿分離させかつ多孔性膜で濾過または孔拡散・濾過法で精製することを特徴とする水の浄化方法。本法で除去できる物質として砒素イオン,ケイ酸イオン,シアンイオン,等の多価イオンおよび鉄イオンと錯体を形成するイオンおよび荷電状態で安定に水溶液中に分散している微粒子である。
【選択図】 なし
Description
本発明方法は地下水および廃水中に分散あるいは溶解している有機物質や無機物質を除去する方法に関する。より詳しくは水中に存在する多価イオンあるいは荷電状態で安定している100nm以下の微粒子に対して造核剤を混入させて微粒子化し、大部分を沈殿化させるか一部を20nm〜80nmの微粒子として分散させ、上澄水を多孔性膜で濾過あるいは孔拡散・濾過法で膜処理する水浄化法に関する。
産業の発達、人口増、エネルギー消費の増加により地球規模での水の不足が深刻となりつつある。そのため限られた水資源のリサイクルの必要性が高まりつつある。一方では環境を構成する水関連の生活環境の安全性の向上や飲料水や食品用の水の安全性が強くもとめられてつつある。前者の流れは水のリサイクル技術として、また廃水からの有毒物質の除去技術として、水の浄化技術としての提案が数多くなされている。エネルギーの消費を伴なうが蒸留による純水の確保、廃液焼却等の技術は前者の水の確保に後者は環境対策である。イオン交換法による真水の調製、逆滲透膜(RO膜)により塩水から飲料水作製も可能であるが使用エネルギーおよびコスト面で問題がある。ただしもし処理前の溶液中の塩濃度を大幅に(例えば1/2以下)低下させることが可能になれば水の調製に要するコストを大幅に低下させることも可能である。
排水の浄化法として活性汚泥法がCODやBOD対策として主流である。しかし定常的な設備の能力維持と処理容量に対する柔軟性が不足し、また活性汚泥処理のみでは排水の浄化は不十分で前処理や後処理を加えて環境基準や下水道基準を満足させる。例えば前処理では油除去処理や凝集沈殿工程を入れ、後処理として膜分離法を入れるのが一般的である。この処理により下水は中水程度まで清浄化される。中水から上水を製造するには安全性を高める必要がある。水道基準を満足させ、さらにウイルスやプリオン対策も加える必要がある。この目的にはウイルス除去膜などの処理を最終工程に導入することが考えられるが具体化していない。
エネルギー消費の少ない分離あるいは水の浄化技術として膜分離技術が期待されている。逆滲透膜(RO膜),透析膜,NF膜,UF膜,MF膜さらに最近は除去性能を著しく高めたウイルス除去膜が準備されている。多種の膜の存在にもかかわらず排水、廃水の浄化や給水への膜の適応例は期待されるレベルには達していない。その理由は膜のコストと膜の孔の目詰りのための処理容量が少ないこと、および濾過のみでの膜の利用のため膜の持つ分離機能を十分には果たしていないことによる。膜の持つ分離機能の一つは孔の持つふるい効果であり、もう一つの効果として膜の隔離効果である。隔離効果により拡散機構や電気透析機構による分離機能が利用できる可能性を膜は持つ。
活性汚泥処理の前処理工程として凝集沈殿工程が一般的である。凝集剤として高分子系の凝集剤(例えばアクリルアマイド)や無機系凝集剤(例えば硫酸アルミ)がある。前者の場合には適当な添加濃度があり、廃水の成分に応じて選定されなければならないしまた凝集剤としては高価である。後者の場合適用可能な廃水成分が限られており、また廃水の性状によって除去効率が変動する。前者は凝集剤といわれ後者は凝結剤といわれる。無機系が単独で利用される場合は少なく高分子凝集剤と併用される。
排廃水処理法として焼却処理法がある。この方法は薬品工場廃水など生物阻害性の化学物質、微生物分解性を含む廃水など生物処理が困難で、かつ高濃度な廃水に対して用いられる。この方法での問題点は無機塩を含む廃液では微小(0.1μm〜10μm)な粉末を大気中に発生する可能性があり、外見上は白煙を発生する為に気体を冷却させなくてはならない。さらに大気汚染防止法を満足させる為に塩素化合物,硫黄酸化物,窒素酸化物,ダイオキシン類の除去も配慮しなくてはならない。焼却の為のエネルギー消費も大きい。
本発明では水中に溶解するかあるいは分散する有機物質および無機物質を凝集作用と凝結作用とを同時に働かせて熱エネルギーの消費を少ない条件下で除去する方法を提案する。処理対象物質は広範囲にわたり、除去対象物質の濃度は0.01ppmの低濃度から10数%の高濃度にわたる。除去技術を提案する除去に用いるコストも設備も共に極小化させ、処理に要する容積量を従来の凝集沈殿法に比較して小さくする。さらに処理後の水は高品質で目的によっては上水のレベルまでの浄化を高めることが可能な技術を提供する。この技術の完成により排水より水の再利用の可能性が生じる。
本発明の最大の特徴は正に荷電した水酸化第二鉄コロイド粒子を用いる点にある。水酸化第二鉄コロイド粒子はPHが7以下の条件では正に荷電している。この正荷電であることと粒子径の小さなコロイド粒子であることのためにコロイド粒子が安定化する。コロイド粒子の安定化の程度はPHによって変動するという本発明の水酸化第二鉄コロイド粒子の特徴を発見したことが本発明に至る最大の寄与である。PH<4の状況下ではコロイド粒子自体の安定化に加えて微生物の発生が抑えられるのでこの条件下で水酸化第二鉄コロイド粒子を保存するのが望ましい。
従来の無機系の凝集剤(いわゆる凝結剤)の役割は水中に安定に分散している有機性あるいは無機性の微粒子を不安定化させて凝集沈殿を行わせる点にある。そのため凝集剤は金属イオンあるいは水に分子状に溶解する分子である場合が大部分である。たとえば代表的な無機系凝集剤である硫酸アルミニウムではAl3+が分散粒子に接触し凝結反応を起こすのに対して水酸化アルミニウムAl(OH)3の沈殿物にはこの作用が認められない。それに対して本発明では水酸化第二鉄コロイド粒子が水に溶解した分子および分散する有機物質および無機物質を凝集し沈殿化あるいは微粒子化する作用を利用する。すなわち凝集と凝結作用とを同時に示す物質を発見したことが本発明に至る最大の発見である。これらの作用を合目的に利用した技術は存在しない。
水酸化第二鉄コロイド粒子を凝集剤と凝結剤として利用する目的を効率的に果すにはこの粒子の大きさを最適化させなくてはならない。平均粒径としては小さければ小さいほど粒子化のための増核剤として効果的である。すなわち粒子濃度(重量濃度)を一定にして粒子径を小さくすることによって粒子としての安定性は減少し、また粒子の不安定要因が存在する場合には粒子化の速度は増加する。水溶液中に溶解する分子を粒子表面に取り込み凝集させる作用での沈殿化する作用の強さは粒子径と正の相関性があり粒子径が小さくなると沈殿速度は小さくなる。除去したい分子に対して凝集作用で微粒子させ、沈殿化されるための作用については粒子化速度は粒子径が小さいほど大きく、沈殿する速度は粒子径が大きいほど大きい。凝集させる作用と沈殿する速度の粒子径依存性正負の逆の相関性がある。従って凝集剤としての粒子の最適な大きさが存在する。
水酸化第二鉄コロイドの平均粒径が10nm〜100nmであれば多くの多価の除去すべきイオン例えばAsO3 3−,SiO2 2−と弱いイオン結合し、効率的にこれらのイオンを沈殿する粒子内にとじこめ、粒子と共に系外へ除去し結果的に水の浄化の作用を示す。水酸化第二鉄コロイドの粒子径が10nm〜100nmで安定化するために粒子を正に帯電させておくことが重要である。正に荷電させるにはPHを6以下とし、さらにPHを3〜4に設定することにより長期保存が可能となる。PHをさらに低下させると粒子径は小さくなり最終的にはイオン化する。水酸化第二鉄と水酸化第一鉄との溶解度積の比較より明らかなように水酸化第一鉄イオンの方がイオン化しやすい。
水酸化第2鉄コロイド粒子の大きさが100nmを越えると粒子の安定性は減少し、保存している間に凝集沈殿する。直径が大きくなると粒子表面で物質(イオンや分散粒子)をとらえて沈殿化する際の物質をとらえる作用(凝集作用)は弱まり、沈殿化は進む。刻々と変化する粒子径を利用して粒子径を10nm〜100nmにとどまる時間を長くすることによって物質をとらえる作用と沈殿する作用を同時にもたせることは可能である。ただしこの方法では処理すべき水溶液中に溶解または分散する物質の組成依存性が強く、処理の際に投入される鉄量が過剰となる傾向がある。
本発明では第一鉄塩水溶液を加えることに特徴がある。第一鉄塩が処理水中で曝気処理で酸化反応を受けて第二鉄塩となると同時に第一鉄塩の共存により、水酸化第二鉄コロイド粒子を核としてコロイド粒子が成長する。成長過程で水溶液中に溶解する種々のイオンや分散粒子を取り込む。第一鉄塩と酸素と水酸化第二鉄コロイド粒子の共存下では水溶液のPHが大きくなると水酸化第二鉄コロイドが生成し、物質の凝集・吸着効果が生じる。第一鉄塩としては水への溶解度と人手の容易さ、および共存イオンの要請から第一鉄塩としては塩化第一鉄が適する。塩化第一鉄を採用し、かつ空気等を吹き込むことによって第一鉄を第二鉄イオンへ変化させる処理を加えると水溶液中のCODやBODの原因物質の沈殿化が容易となる。
本発明の第3の特徴は水酸化第二鉄コロイド粒子に第一鉄塩水溶液を添加後、PHを6〜8に調整する点にある。水酸化第二鉄コロイドを分散した水溶液はコロイド粒子の安定化のためにそのPHは2.5〜4.5に調整されている。また第一鉄塩水溶液は加水分解の結果、一般にPH<7である。処理対象液のPHが9以上であれば酸を加えて9未満に下げておくことが本技術を効率的に適応させるのに必要である。PHが9以上の水溶液では第一鉄塩水溶液を投入した瞬間に水酸化第一鉄の沈殿が生じこの沈殿時での砒素等の負のイオンの微粒子化と沈殿化が不十分である。
本発明技術が有効に働くには処理前の水溶液のPHは5を越え9未満の場合である。この範囲であれば水酸化第二鉄コロイド粒子を投入することにより負のイオンは微粒子化し、また負に荷電した分散粒子は沈殿化する。次に第一鉄塩を加えるとコロイド粒子の大きさが大きくなる。この状態でPHを6〜8に調整すると水酸化第二鉄コロイド粒子はさらに成長し水酸化第一鉄のコロイド粒子が生じこの粒子が正のイオンおよび正に荷電した分散粒子を大粒子化し、一部を沈殿化する。このように複雑化したコロイド粒子の荷電状態の変化により水に溶解したあるいは分散した有機物質や無機物質を微粒子化したり沈殿化させる作用が発揮されるのであろう。PHの調整に苛性ソーダを利用すれば混入する陽イオン種が増加せず好ましい。
本発明技術のさらなる特徴は微粒子化した分散粒子と沈殿化した沈殿物の処理方法である。一部は沈殿物として系外へ機械的に除去することが可能であるが微粒子化した分散粒子を効果的に除去するには多孔性膜で除去する。ここで多孔性膜はとは平均孔径10nm〜200nmで空孔率が30%以上の膜を意味する。この膜を利用することにより微粒子は除去され高品質の水が確保できる平均孔径が80nm以上で1500nm以下であれば多くの微生物も除去でき、さらに高品質の水が得られる。平均孔径を大きくすればするほど濾過速度が大きくなり処理速度は高まる。平均孔径を300nmにすると得られた水中には細菌類の混入が防止できる。
多孔性膜を用いた濾過方法として、濾過速度を早くし、簡便に実施したい場合には該多孔性膜の上部にイオン交換機能を持つ再生セルロース不織布を設置し、処理液を該再生セルロース不織布―多孔性膜―濾過支持体の順に通過させるデッドエンド濾過が一般的である。該多孔性膜の交換頻度を減少させ、かつ沈殿用の空間体積を小さくするには、処理対象液を該多孔性平面に沿って流動させるクロスフロー濾過が好ましい。さらに目詰りを防止する場合には孔拡散・濾過法を適用させれば良い。ここで孔拡散・濾過とは多孔性膜の平均孔径と同一粒径を持つ粒子の膜中の孔に濾過による侵入速度を粒子の持つブラウン運動の速度以下にする濾過方法である。具体的には膜間差圧を0.3気圧以下でクロスフロー濾過を行えば大部分孔拡散・濾過に近づく。
孔拡散・濾過法で濾過速度を高めるには液体の流れ速度に対して目詰りの原因となる微粒子の流れ速度を相対的に低める工夫をすれば良い。そのためには処理対象水溶液は多孔性膜平面に沿って流動し、かつ多孔性膜は処理対象水溶液より上側に設置されていることが望ましい。このように設置することにより濾過速度を与えるための膜間差圧を大きくすることができ結果的に濾過速度が大きくなる。また目詰りが大幅に低下し膜の取り替え頻度が低下する。流れに対しての大粒子の抵抗性を増させるためにイオン交換性再生セルロース不織布を多孔性膜の下側(すなわち処理対象水溶液側)に設置することが好ましい。
水中に溶解あるいは分散した物質のうち本発明技術で適用可能な物質名として具体的には無機物質として砒素イオン(おそらくAS2O3 3−),シアンイオン,ケイ酸イオン(おそらくSiO2 2−)であり、有機物質としてはCODやBODの原因物質である。これらの物質が水酸化鉄コロイド粒子と共に微粒子化し、一部は沈殿する機構については現在まで明確化されていない。おそらくは本発明で利用する水酸化第二鉄コロイド粒子が無定形であるために粒子としての輪郭が不明瞭であることと鉄イオンの持つ多くの原子との間での錯体形成能の多様性とによって水中に存在する多くのイオンや分散粒子と弱い結合を作り微粒子化するものと予測される。
本発明方法によって排水や地下水,井戸水等の水の浄化が可能となる。処理後の水は環境基準をほぼ満足する水溶液となり河川等に放流できる。井戸水などが少量の砒素やシアンなどで汚染されている場合などに本技術を適用すれば砒素を検出限界値以下まで低下させることができ処理後の水は食品分野へも適用可能となる。さらに使用する多孔性膜の平均孔径を300nm以下にすれば水中の細菌類をほぼ賃無とすることが可能となり、処理水は上水道の水源としても利用できる。
本発明方法では熱エネルギーをほとんど消費しないので本方法で処理した水は一般産業用の洗浄水としても利用できる。使用後の水を本方法により処理し、再び洗浄水としても利用できる。水のリサイクル技術として本発明方法は利用できる。
平均粒子径13nm(重量平均粒子径、動的光散乱法(大塚電子製FPAR−1000)による測定)で鉄換算重量濃度1100ppmの水酸化第二鉄コロイド粒子を微粒子化剤として使用する。処理対象溶液(PHが5〜9程度に調整されている)1L当り1mLの上記の水酸化第2鉄コロイド溶液を加えて撹拌する。次に10重量%の塩化第一鉄水溶液を2mL加えて曝気させて撹拌する。この際の水溶液のPHを測定するとPH=4程度の酸性となる。苛性ソーダ水溶液を撹拌下で加えつつPHが6.5〜7.5に入った状態で撹拌を止めて静置する。静置時の沈殿の色が黒緑色であれば水中に溶解する酸素量が不足しているので曝気を続け水溶液が褐色になった時点で静置する。
静置液の上澄液を平均孔径300nmの再生セルロース製多孔性膜(空孔率60%膜厚40μmで(株)セパシグマ社製の環境分野向け)を用いて濾過する。膜間差圧は0.1気圧であり、タンジンシャル型(クロスフロー型)の濾過で処理用水溶液を該多孔膜の下側を流す。静置用の沈殿槽が用意されていない場合には撹拌中の水溶液を、下層に陽イオン交換性を持つ再生セルロース不織布層上層に上記の再生セルロース製多孔性膜を設置し、下部より濾過する。この型の濾過槽を特定濾過槽と略称する。この濾過槽では沈殿を構成する微粒子の凝集体の大きさは通常10μm以上の大きさを持つため多孔性膜の目詰りへの寄与は小さい。
処理すべき水溶液中の除去すべき物質の濃度が1000ppm以上であれば、添加すべき塩化第一鉄の量を増加させる必要がある。除去すべき対象物が複数にわたっても本処理法を適用させる際のPHの変動が酸性→中性へ、さらに還元状態から酸化状態で確実に変化しておれば除去すべき対象物の数に関係なく、すべて効率的に除去可能となる。沈殿物または多孔性膜に捕捉された物質の内部では3価の鉄と補足物質との間で錯体的構造あるいは共次による混合複合された個溶体的な混合物の形で除去すべき対象物が回収される。
複数の生産工場から集まった排水と食品用の洗浄用水との混合水溶液を作製した。この水溶液の組成はPH=7.1(20℃)でBOD=55mg/L、COD=45mg/L,砒素=0.2ppm,カルシウムおよびマグネシウム(硬度)550ppm,シリカ27ppm,が環境基準値を超えてるかあるいは工業用水や洗浄水として使用するには不適な液組成であった。この液10Lに対して以下の処理を行った。
平均粒径13nmの水酸化第二鉄コロイド粒子を1100ppm含むPH=2.7の水溶液10mL加えて撹拌した。この水溶液を曝気させつつ10重量%塩化第一鉄水溶液30mL加えて曝気により撹拌を継続した。撹拌しながらNaOH水溶液(NaOH濃度として4重量%)を徐々に加えさせながらPH=7.2とした。緑黒色の沈殿が生じるが徐々に色がかつ色に変化する。色の変化が観察されなくなった時点で撹拌を停止し、約1時間静置後、上澄液を別途用意した上述の特定濾過槽を用いて濾過圧0.3気圧で濾過した。得られた濾液の組成はPH=6.9(20℃)でBOD=5・0mg/L,COD=2.0mg/L,SS<1mg/L,砒素<0.005ppm,硬度50ppm,シリカ4ppmであり環境基準を満足し、かつ工業用水や洗浄用水として再利用する。
排水対策および給水対策のいずれにも利用できる。さらにエネルギー消費の少ない水資源のリサイクル技術としてほとんどんの産業用水,さらには農業用水にも適用可能がある。
Claims (4)
- 処理対象とする水へ第1鉄塩水溶液と正に荷電した水酸化第2鉄コロイド溶液を加えて撹拌し、次に当該水のPHを6〜8に調整することにより水に溶解または分散する有機物質および無機物質を沈殿除去と多孔性膜によって除去することを特徴とする水の浄化方法。
- 請求項1において、水酸化第2鉄コロイドの平均孔径が10nm〜100nmであり、多孔性膜として平均孔径80nm以上で1500nm以下であり、処理対象水溶液は多孔性膜平面に沿って流動し、かつ多孔性膜は処理対象水溶液より上側に設置されていることを特徴とする水の浄化方法。
- 請求項1、2において処理対象の水に溶解または分散する有機物質あるいは無機物質がCODやBODの原因物質であり、第1鉄塩として塩化第一鉄であることを特徴とする水の浄化方法。
- 請求項1,2において処理対象の水に溶解または分散する無機物質として、砒素イオン、シアンイオン、ケイ酸イオンであることであり、第一鉄塩として塩化第1鉄であり、PHを調整するために苛性ソーダを利用しかつ空気を吹込むことによって処理対象水の撹拌に利用することを特徴とする水の除化方法。
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