JP2014046235A - 造水方法 - Google Patents

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憲太郎 小林
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Abstract

【課題】凝集後の沈殿分離にて分離できなかった凝集フロックが分離膜の差圧を上昇させることを防止しながら、分離膜による膜ろ過を安定的に運転しつつ、対象成分の除去率悪化を防止する造水方法の提供。
【解決手段】被処理水に第1のpH調整薬品を注入して第1のpH調整水を生成し、第1のpH調整水にカチオン系凝集剤を注入して凝集水を生成し、凝集水を固液分離して第1の固液分離水を生成し、第1の固液分離水に第2のpH調整薬品を注入して第2のpH調整水を生成し、第2のpH調整水を分離膜30でろ過して膜ろ過水を得る造水方法であって、凝集水のpH、第1の固液分離水のpHならびに第2のpH調整水のpHが式(i)〜(iii)を満たすことを特徴とする造水方法。(i)4.0≦凝集水のpH≦6.5、(ii)第2のpH調整水のpH≦7.5、(iii)第2のpH調整水のpH−第1の固液分離水のpH≧1.0。
【選択図】図1

Description

本発明は、河川水や下水を分離膜でろ過して清澄な水を得る造水方法に関するものであり、さらに詳しくは分離膜を安定的に運転することができる造水方法に関するものである。
近年、水処理プロセスに分離膜の導入が進められてきているが、従来の水処理プロセスでは除去が困難なクリプトスポリジウム等の成分を除去するのに、孔径が小さい精密濾過膜(MF膜)や限外濾過膜(UF膜)が好適であることが、導入が進められてきた理由の一つである。
一方、クリプトスポリジウムより粒径の小さいウイルス類や低分子有機物の除去には、MF膜やUF膜といった分離膜単体での除去が困難であるため、その前段に凝集プロセスを組み込み、膜処理での除去率を向上させるといった対策が取られており、凝集剤を注入するとウイルス類や低分子有機物といった対象成分の除去率を増加させることができる。対象成分であるウイルス類や低分子有機物といった低粒径・低分子の成分は一般的に負に帯電しており、互いに反発しあって水中に存在するが、正電荷を有するカチオン系の凝集剤を添加することで対象成分の負電荷が中和され、反発力が弱められることで凝集し、後段の分離膜で容易に除去可能な凝集フロックに取り込まれる。
しかしながら低粒径・低分子の成分は、粒径が小さい分表面積が相対的に大きくなり、その負電荷を中和し、凝集フロックに取り込むのに必要な凝集剤量が多量に必要となる場合がある。その結果、対象成分の除去性は向上するが、凝集処理や汚泥処理といった処理にかかるコストが増加するデメリットがある。
一方、凝集剤量を増加させることなく、これらの対象成分の除去率を向上させる手段として、特許文献1および2に示したように凝集時のpHを低下させる手段が知られている。凝集剤はpHを低下させることでその単位凝集剤当たりの正電荷量が増大する性質を持っており、凝集剤量を増加させずとも、pHを低下させることによって正電荷を増加させることができ、中和に必要な正電荷を確保することができる。これらの手段を用いることで、低粒径・低分子成分について、凝集プロセスでの除去率を向上させることができる。
しかしながら、凝集時のpHを下げて膜ろ過を行った場合、膜の差圧が急上昇し安定運転が困難となる場合がある。特に、1サイクルでの差圧上昇度が増加し、運転が困難になる場合がある。
分離膜を安定的に運転するための水処理方法としては特許文献3に示したように低pHにて凝集後、沈殿処理といった固液分離処理をした後に、分離膜でろ過するといった手法が知られている。沈殿処理により凝集フロックを沈降分離させ、分離膜への凝集フロック負荷を低減することで、差圧が上昇することを防止している。さらには沈殿処理後にpHを高めることで、凝集沈殿にて除去できなかった金属類の除去効率を上げるといった運転方法も用いられている。
しかしながら、沈殿処理といった固液分離処理を行った後に分離膜にて膜ろ過を行っても、沈殿処理にて分離できなかった一部の凝集フロックが分離膜の差圧を上昇させ、安定運転が困難となる場合がある。さらには沈殿後にpHを高め過ぎると、沈殿工程で分離できなかった凝集フロックに含まれる対象成分が、凝集フロックから離脱し始め、対象成分の除去率が悪くなるといった問題もある。
特開2008−221168号公報 特開平11−239789号公報 特開2009−125708号公報
前記問題点に鑑み、本発明では凝集後の沈殿分離にて分離できなかった凝集フロックが分離膜の差圧を上昇させることを防止しながら、分離膜による膜ろ過を安定的に運転しつつ、対象成分の除去率悪化を防止する造水方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下のとおり構成される。
(1)被処理水に第1のpH調整薬品を注入して第1のpH調整水を生成し、前記第1のpH調整水にカチオン系凝集剤を注入して凝集水を生成し、前記凝集水を固液分離して第1の固液分離水を生成し、前記第1の固液分離水に第2のpH調整薬品を注入して第2のpH調整水を生成し、前記第2のpH調整水を分離膜でろ過して膜ろ過水を得る造水方法であって、前記凝集水のpH、前記第1の固液分離水のpHならびに前記第2のpH調整水のpHが式(i)〜(iii)を満たすことを特徴とする造水方法。
4.0≦凝集水のpH≦6.5 (i)
第2のpH調整水のpH≦7.5 (ii)
第2のpH調整水のpH−第1の固液分離水のpH≧1.0 (iii)
(2)前記第2のpH調整水をさらに固液分離して生成した第2の固液分離水を分離膜でろ過して膜ろ過水を得ることを特徴とする(1)に記載の造水方法。
(3)前記分離膜を洗浄して得られる洗浄排水の少なくとも一部を返送して、前記第1の固液分離水に混合することを特徴とする(1)または(2)に記載の造水方法。
(4)前記第1の固液分離水のpHを測定する第1のpH測定器、および/または、前記第2のpH調整水のpHを測定する第2のpH測定器を備え、前記第1のpH測定器および/または前記第2のpH測定器の測定値に応じて前記第2のpH調整薬品の注入量を制御することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の造水方法。
本発明の造水方法の一実施態様を示すフロー図である。 本発明の造水方法の他の一実施態様を示すフロー図である。 本発明の造水方法のさらに別の一実施態様を示すフロー図である。 本発明の造水方法のさらに別の一実施態様を示すフロー図である。 本発明の造水方法のさらに別の一実施態様を示すフロー図である。 本発明の造水方法のさらに別の一実施態様を示すフロー図である。 分離膜における膜間差圧の変化を模式的に示した図である。
以下、本発明の造水方法について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明の範囲がこれらに限られるものではない。
図1は本発明の造水方法の一実施態様を示すフロー図である。このフローでは、被処理水を分離膜30に供給する供給水配管50に第1のpH調整薬品を注入し、第1のpH調整水を生成する第1のpH調整設備10と、第1のpH調整水にカチオン系凝集剤を注入し、凝集水を生成する凝集設備20と、凝集水を固液分離し、第1の固液分離水を生成する第1の固液分離設備60と、第1の固液分離水に第2のpH調整薬品を注入し第2のpH調整水を生成する第2のpH調整設備11と、第2のpH調整水を膜ろ過し膜ろ過水を生成する分離膜30と、膜ろ過水を貯留する膜ろ過水槽40と、膜ろ過水を分離膜30の二次側から一次側に逆圧洗浄させ、分離膜を洗浄する逆圧洗浄ポンプ70にて構成されている。
被処理水には、河川水、湖水、地下水、海水、かん水、下水、下水処理水、産業排水等様々な水が適用可能であるが、本発明においては、低粒径や低分子の成分、さらには凝集を阻害する成分を多く含む水が好適である。
被処理水には、第1のpH調整設備10にて第1のpH調整薬品が注入され、第1のpH調整水が生成される。これは後段の凝集設備20にて注入するカチオン系凝集剤の凝集性能を高めるために行うものである。
カチオン系凝集剤、特に無機凝集剤は、pHを低下させるに従い、凝集剤の正電荷量が増大することで荷電中和能が増加する。例えばポリ塩化アルミニウム(PAC)であれば、被処理水の水質にもよるがpH4.5に正電荷量のピークがある。さらにpHを下げていくと溶解し始め、正電荷量は低下する。よってpHが弱酸性領域では荷電中和能が最大となり、中性付近では凝集することが困難な低粒径・低分子の成分まで凝集可能となる。
したがって、本発明においては、弱酸性領域にpHを調整することで凝集剤の凝集効果を発揮される。具体的には凝集水のpHが4.0≦pH≦6.5となるように第1のpH調整水のpHを調整する。4.5≦pH≦6.0に調整することで凝集剤の凝集効果を高めることができるためさらに好ましい。
なお原水性状や除去対象とする成分により各pHにおける凝集工程での除去性能が異なるため、凝集水のpHは、事前に最適なpHを設定することが好ましい。最適なpHの設定方法には特に限定はないが、ジャーテスタ等で各pHにおける対象成分の除去性能評価を行い、設定するといった方法や、原水の所定成分の濃度に応じてpHを調整するといった方法を用いることができる。
凝集設備20では、カチオン系凝集剤を注入し、凝集水を生成する。カチオン系凝集剤を注入することで、除去対象とする成分と凝集剤が吸着および架橋し、凝集フロックを形成することで、後段の分離膜30にて除去可能となる。
カチオン系凝集剤には、無機凝集剤、高分子凝集剤を用いることができるが、低pHとすることで正電荷の増加量が大きい無機凝集剤が好適であり、PACや硫酸バンド、塩化第二鉄やポリシリカ鉄といった、アルミ系・鉄系の無機凝集剤が好適である。
凝集設備20における凝集方法には特に制限はなく、凝集剤混和槽を設け急速攪拌させても良いし、混和槽の後段にフロック形成槽を設け、緩速攪拌を行い、凝集フロックを成長させてもよい。さらには配管中に凝集剤を注入し、スタティックミキサーといったインラインミキサーを用いて攪拌してもよい。
凝集設備20にて生成された凝集水は、第1の固液分離設備60にて固液分離され、第1の固液分離水が生成される。第1の固液分離設備60では、凝集水中に含まれる凝集フロックを分離除去し、対象成分を凝集フロックごと除去する。固液分離することで、後段の分離膜にかかる凝集フロックの負荷を低減することができ、膜の安定運転に寄与することができる。
第1の固液分離設備60に用いられる固液分離方法では、凝集フロックとその上清を分離できれば特に制限はなく、沈殿処理や浮上分離処理、遠心分離、砂ろ過処理、精密膜ろ過または限外膜ろ過処理、その他浮上担体を用いた高速ろ過処理といった方法を単独、もしくは複数組み合わせて用いることができるが、処理の簡便さの観点から沈殿処理を用いることが好ましい。
分離膜30では、第1の固液分離水を被膜ろ過水として膜ろ過し、膜ろ過水を生成する。第1の固液分離水中には第1の固液分離設備にて除去しきれなかった凝集フロックが含まれており、これらは分離膜30により凝集フロックごと除去される。なお、分離膜30に用いられる膜は、凝集フロックの分離に適した精密ろ過膜(MF膜)ならびに限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
分離膜30では、通常一定流量もしくは一定圧力で所定時間ろ過し、ろ過された膜ろ過水はろ過水槽に貯留される。分離膜30は所定時間ろ過を継続すると、被処理水中の濁質や凝集フロックが分離膜表面や細孔内を詰まらせたり、さらには膜間等のモジュール内に堆積しろ過性を悪化させたりするため、通常は膜ろ過水を逆圧洗浄ポンプ70にて分離膜30の二次側から一次側に逆圧洗浄し、分離膜30の表面および細孔内や膜間等に蓄積した濁質や凝集フロックを剥離させ、モジュール外へ排出している。
しかしながら、低pHにて凝集した凝集フロックは非常に分離膜モジュールへの蓄積性が高く、第1の固液分離設備にて除去しきれなかった凝集フロックが分離膜に蓄積し、長期的な安定運転が困難となる場合がある。本発明においては、第1の固液分離水に第2のpH調整薬品を注入して第1の固液分離水よりもpHが1.0以上高い第2のpH調整水を生成させ、第2のpH調整水を分離膜30にて膜ろ過することで、分離膜30の運転を安定化させることが可能である。
第2のpH調整水のpHと第1の固液分離水のpHの差が1.0より小さい場合、凝集フロックの膜からの剥離性向上効果が小さい。運転性の観点からは、第2のpH調整水のpHを第1の固液分離水のpHより1.5以上高く調整することがさらに好ましい。
一方、第1の固液分離水のpHを高めていくと、凝集フロックに取り込まれていた対象成分が凝集フロックから離脱し始め、対象成分の除去率が悪化していく傾向にある。そして、第2のpH調整水のpHを7.5より高くすると凝集フロックから離脱する割合が高くなるため、第2のpH調整水のpHは7.5以下とすることで、凝集フロックから対象成分が離脱する割合を抑制することができる。より好ましくは、第2のpH調整水のpHを7.0以下とすることで、さらに凝集フロックから離脱する割合を抑制し対象成分の除去率を高めることができる。
第2のpH調整設備11で用いられる第2のpH調整薬品はアルカリが好適であり、苛性ソーダや水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムといった無機アルカリを用いることができるが、これらに限られるものではなく、固液分離水のpHを高めるものであれば、中性付近の薬品や、さらには次亜塩素酸ナトリウムといった酸化剤系の薬品やアニオン性高分子凝集剤といった薬品も使用することができる。
次に、図2を用いて本発明の造水方法の別の一様態を説明する。図2においては、図1に示したフローに対して、第2のpH調整水を固液分離し、第2の固液分離水を生成する第2の固液分離設備61を備え、第2の固液分離水を分離膜30にて膜ろ過している。
第1の固液分離水には第1の固液分離設備60にて分離しきれなかった凝集フロックが含まれているが、第2のpH調整設備にて第1の固液分離水のpHを高めた後、第2の固液分離設備61にて固液分離を行うことで、分離膜30に導入される凝集フロック負荷を低減することが可能である。
この効果は特に第1の固液分離設備60と第2の固液分離設備61が沈殿分離設備であるときに顕著である。
さらには、第2の固液分離設備における分離性能を向上させるための薬品を注入しても良く、沈殿性能を向上させるために凝集剤などの薬品を注入することも可能である。使用する凝集剤に特に制限はなく、無機凝集剤や有機高分子凝集剤、さらにはカチオン系、アニオン系、ノニオン系の凝集剤を使用することができるが、凝集設備20にてカチオン系凝集剤を使用しているため、アニオン系凝集剤を使用した方が分離性能を向上させる効果が大きく、好ましい。
次に、図3を用いて本発明の造水方法の別の一様態について説明する。図3においては、図2に示したフローに対して、分離膜30を洗浄して得られる洗浄排水が洗浄排水配管51を通じて第1の固液分離設備60と第2のpH調整設備11の間に返送され、第1の固液分離水に混合されている。
洗浄排水のpHは膜ろ過水のpHと同等であるため、第1の固液分離水のpHよりも高い。洗浄排水を第1の固液分離水と混合させることで、第1の固液分離水のpHを高めることができ、第2のpH調整薬品の量を低減することが可能となり、さらには水処理装置全体の回収率を高めることができる。
この場合、図4に示したように第2のpH調整設備の後段に第2の固液分離設備61を備えていることが好ましい。分離膜30から排出された凝集フロックを含む洗浄排水を第1の固液分離水と混合することで、分離膜30への凝集フロック負荷量が増加することとなるが、後段に備えた第2の固液分離設備61にて凝集フロックは除去されるため、分離膜30への汚濁負荷量の増加を抑制することができる。
また、分離膜30の洗浄排水を第2のpH調整設備11と第2の固液分離設備61の間に返送しても良いし、第1の固液分離設備の前段に返送しても良い。
洗浄排水の返送方法については特に制限はなく、洗浄排水をそのまま返送、混合しても良いし、別途設けた流量調整槽に一旦貯留し、ポンプにて返送する方法や、流量調整槽にて固液分離を行い、固体成分を分離後の水を供給しても良い。さらには洗浄排水にpH調整薬品を添加してもよい。
本発明においては、第2のpH調整設備11におけるpH調整方法は、図5に示したように第2のpH調整設備11の前段に第1のpH測定器80を設置し、pH測定器80の値に応じて第2のpH調整薬品の注入量を制御することで、適切な薬品量を注入することができる。また図6に示したように、第2のpH調整薬品の注入量は、第2のpH調整設備11の後段に設置した第2のpH測定器81の値に応じて制御することによっても、適切な薬品量を注入することができる。本発明では、いずれかのpH測定器の値に応じて注入量を制御しても良いし、両方のpH測定器の値に基づいて制御しても良い。
また、分離膜30の洗浄排水を第1の固液分離設備60と第2のpH調整設備11の間に返送した場合は、第1の固液分離水と洗浄排水を混合した後に第3のpH測定器を設け、その測定値に基づいて制御しても良い。
第2のpH調整薬品注入後は、第2のpH調整薬品と固液分離水をよく攪拌することが好ましく、攪拌槽を設けて攪拌しても良いし、供給水配管50中にスタティックミキサーといったインラインミキサーを設置することで攪拌しても良い。
また、本発明における第1のpH調整設備におけるpH調整方法に特に制限はなく、所定濃度の第1のpH調整薬品を一定の流量で注入しても良いし、第1の攪拌設備の後段にpH計を設け、pH計の指示値から第1のpH調整薬品注入量を制御しても良い。好ましくは、カチオン系凝集剤を注入後に所定のpHとなるようpH調整薬品を注入することである。凝集剤を注入するとpHが低下するため、第2の攪拌設備61の後段にpH計を設け、該pH計の指示値が所定の値となるよう第1のpH調整薬品注入量を制御する方法が好ましい。
第1のpH調整薬品注入後は、第1のpH調整薬品と原水がよく混合するように攪拌設備を備えることも好ましい。攪拌設備については特に制限はなく、攪拌槽を設けて攪拌しても良いし、供給水配管50中にスタティックミキサーといったインラインミキサーを設置することで攪拌しても良い。
また、第1のpH調整薬品には酸やアルカリが好適である。酸としては硫酸、塩酸といった無機酸が好適であるが、これらに限られるものではなく、クエン酸、しゅう酸といった有機酸を用いても良い。またアルカリとしては苛性ソーダや水酸化カリウムといった無機アルカリが好適である
また、本発明における分離膜30の材質については特に制限はなく、有機素材や無機素材を用いることができる。有機素材を使用する場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース等が使用でき、無機素材を使用する場合はセラミック等が使用できる。また、pH4.0〜9.0域にて膜表面の電荷が負に帯電している膜に対して、本発明における運転方法の効果が顕著に現れる。
分離膜30の形状についても中空糸型や、平膜型や、スパイラル型や、チューブラ型の膜を用いることができる。さらに、これらの分離膜は膜モジュールとして成型されることが好ましく、目的に応じて加圧型、浸漬型の膜モジュールを適宜選択し用いることができる。凝集フロックのモジュール外への排出性の観点からは浸漬型のモジュールを用いることが好適である。
が、これに限られるものではない。
また、本発明における分離膜の洗浄方法についても特に制限はなく、逆圧洗浄により分離膜30の二次側から一次側の洗浄排水配管51から排出される排水を洗浄排水としても良いし、分離膜の一次側に圧縮空気を導入し膜面を洗浄する空気洗浄を実施し、分離膜30の一次側の排水配管52より排出される排水を洗浄排水としても良いし、逆圧洗浄と空気洗浄を同時に行う空逆同時洗浄により分離膜30の一次側の洗浄排水配管51より排出される排水を洗浄排水としても良い。
<実施例1>
下水二次処理水を被処理水として、図1に示したフローを用いて水処理を行った。第1のpH調整設備10では第1のpH調整薬品として硫酸を用いて凝集水のpHが5.0となるよう調整し、カチオン系凝集剤注入設備20では、カチオン系凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(以下PAC)を使用し、凝集水中のPAC濃度が50mg/Lとなるよう供給水配管50に注入し、ラインミキサーにて攪拌した。その後第1の固液分離設備60として沈殿槽を設け、沈殿の上清に対して、第2のpH調整設備11において第2のpH調整水のpHを6.0に調整した後、分離膜30にて膜ろ過した。膜ろ過水は分離膜の後段に備えられた膜ろ過水槽40に貯留される。
分離膜30に用いた膜は東レ(株)製HFU−2008であり、公称孔径が0.01μmのPVDF製UF膜である。フラックスは2m/d、ろ過30分、逆圧洗浄1分、空気洗浄1分、排水45秒、給水45秒のサイクルで運転した。
除去対象成分としてはウイルスを想定し、下水再生水の農業用水用途の要求水質であるウイルス除去率5.2log以上(米国カリフォルニアの基準;Title22)を達成できるか否かで、造水装置の除去性能を評価した。モデルウイルスとしては大腸菌ファージの一種であるMS2を用い、被処理水に10〜10PFU/mLとなるよう添加し、除去率を算出した。なおMS2濃度の測定には、ISO 10705−1:1997に記載の方法を用いて測定し、ウイルス除去率の算出には式(iv)を用いた。
除去率=log{(被処理水中MS2濃度)/(膜ろ過水中MS2濃度) 式(iv)
上記の条件にて連続運転を実施し、図7に示したΔA値とその上昇度、ΔB値ならびに対象成分の除去率を測定し、結果を表1に示した。
なお、ΔAは1サイクルでの膜間差圧上昇速度(kPa/min)を、ΔB(kPa/d)は洗浄での回復を加味した膜間差圧上昇速度を示しており、値が小さいほど運転が安定していることを示している。
<実施例2>
第2のpH調整水のpHを7.0に調整したことを除いて、実施例2に記載した方法と同等の条件で連続運転を実施し、ΔA値とその上昇値、ΔB値ならびに対象成分の除去率を測定し、結果を表1に示した。
<比較例1>
第2のpH調整設備にてpHを調整しなかったこと除いて、実施例1に記載した方法と同等の条件で連続運転を実施し、ΔA値とその上昇値、ΔB値ならびに対象成分の除去率を測定し、結果を表1に示した。
<比較例2>
第2のpH調整水のpHを8.0に調整したことを除いて、実施例1に記載した方法と同等の条件で連続運転を実施し、ΔA値とその上昇値、ΔB値ならびに対象成分の除去率を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2014046235
表1に示したように、第2のpH調整設備にてpH調整を行わなかった場合、ΔAが上昇傾向にあるため、1ヶ月連続運転後のΔAが初期の4倍程度まで上昇し、安定運転に支障をきたす場合があるが、第2のpH調整水のpHを上げるに伴いΔAの上昇を抑制することができ、膜の運転性が向上する結果となった。しかしながら第2のpH調整水のpHが8.0の場合、ΔAの上昇は抑制傾向にあるが、凝集フロックからの対象成分の離脱量が大きく、凝集効果がほとんど失われる結果となった。
<実施例3>
下水二次処理水を被処理水として、図2に示したフローを用いて水処理を行った。第1のpH調整設備10では第1のpH調整薬品として硫酸を用いて凝集水のpHが5.0となるよう調整し、カチオン系凝集剤注入設備20では、カチオン系凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(以下PAC)を使用し、凝集水中のPAC濃度が50mg/Lとなるよう供給水配管50に注入し、ラインミキサーにて攪拌した。その後第1の固液分離設備60として沈殿槽を設け、沈殿の上清に対して、第2のpH調整設備11において第2のpH調整水のpHを7.0に調整した後、第2の固液分離設備61として沈殿槽を設置し、沈殿の上清を分離膜30にて膜ろ過した。膜ろ過水は分離膜の後段に備えられた膜ろ過水槽40に貯留される。
分離膜30に用いた膜は東レ(株)製HFU−2008であり、公称孔径が0.01μmのPVDF製UF膜である。フラックスは2m/d、ろ過30分、逆圧洗浄1分、空気洗浄1分、排水45秒、給水45秒のサイクルで運転した。
目標除去率の達成可否の判断は、上記の実施例1と同様に行った。
上記の条件で連続運転を実施し、図7に示したΔA値とその上昇値、ΔB値を表2に示した。
Figure 2014046235
表2に示した通り、第2のpH調整水を沈殿処理することで運転性が向上する結果となった。
<実施例4>
下水二次処理水を被処理水として、図3に示したフローを用いて水処理を行った。第1のpH調整設備10では第1のpH調整薬品として硫酸を用いて凝集水のpHが5.0となるよう調整し、カチオン系凝集剤注入設備20では、カチオン系凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(以下PAC)を使用し、凝集水中のPAC濃度が50mg/Lとなるよう供給水配管50に注入し、ラインミキサーにて攪拌した。その後第1の固液分離設備60として沈殿槽を設け、沈殿の上清に対して、第2のpH調整設備11において第2のpH調整水のpHを7.0に調整した後、第2の固液分離設備61として沈殿槽を設置し、沈殿の上清を分離膜30にて膜ろ過した。膜ろ過水は分離膜の後段に備えられた膜ろ過水槽40に貯留される。膜ろ過水を用いて分離膜30を逆圧洗浄し、その洗浄排水を第2のpH調整設備11の前段に返送し、第1の固液分離水と混合した。
分離膜30に用いた膜は東レ(株)製HFU−2008であり、公称孔径が0.01μmのPVDF製UF膜である。フラックスは2m/d、ろ過30分、逆圧洗浄1分、空気洗浄1分、排水45秒、給水45秒のサイクルで運転した。
目標除去率の達成可否の判断は、上記の実施例1と同様に行った。
上記の条件で連続運転を実施し、図7に示したΔA値とその上昇値、ΔB値ならびに水処理装置全体の回収率を表3に示した。
Figure 2014046235
表3に示した通り、UF膜の洗浄排水を返送することで回収率を大幅に改善することができるとともに、第2のpH調整設備にて使用されるアルカリの量も削減することが可能である。また、凝集フロックを含む洗浄排水を返送しても、沈殿槽にて凝集フロックが分離除去され、UF膜への負荷増加は確認されなかった。
本発明は、分離膜を使用して河川水や下水を処理し、清澄な水を得る浄水設備や下廃水処理設備に適用することができる。さらには分離膜の前段で凝集処理を使用している浄水設備や下廃水処理設備に好適に利用することができる。
10:第1のpH調整設備
11:第2のpH調整設備
20:凝集設備
30:分離膜
40:膜ろ過水槽
50:供給水配管
51:洗浄排水配管
52:排水配管
60:第1の固液分離設備
61:第2の固液分離設備
70:逆圧洗浄ポンプ
80:第1のpH測定器
81:第2のpH測定器

Claims (4)

  1. 被処理水に第1のpH調整薬品を注入して第1のpH調整水を生成し、前記第1のpH調整水にカチオン系凝集剤を注入して凝集水を生成し、前記凝集水を固液分離して第1の固液分離水を生成し、前記第1の固液分離水に第2のpH調整薬品を注入して第2のpH調整水を生成し、前記第2のpH調整水を分離膜でろ過して膜ろ過水を得る造水方法であって、前記凝集水のpH、前記第1の固液分離水のpHならびに前記第2のpH調整水のpHが式(i)〜(iii)を満たすことを特徴とする造水方法。
    4.0≦凝集水のpH≦6.5 (i)
    第2のpH調整水のpH≦7.5 (ii)
    第2のpH調整水のpH−第1の固液分離水のpH≧1.0 (iii)
  2. 前記第2のpH調整水をさらに固液分離して生成した第2の固液分離水を分離膜でろ過して膜ろ過水を得ることを特徴とする請求項1に記載の造水方法。
  3. 前記分離膜を洗浄して得られる洗浄排水の少なくとも一部を返送して、前記第1の固液分離水に混合することを特徴とする請求項1または2に記載の造水方法。
  4. 前記第1の固液分離水のpHを測定する第1のpH測定器、および/または、前記第2のpH調整水のpHを測定する第2のpH測定器を備え、前記第1のpH測定器および/または前記第2のpH測定器の測定値に応じて前記第2のpH調整薬品の注入量を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の造水方法。
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