JP5893522B2 - ジハロゲノリン酸リチウムの製造方法 - Google Patents

ジハロゲノリン酸リチウムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電解液溶媒及び添加剤や、機能性材料中間体及び医薬品用中間体等に使用が期待されるジハロゲノリン酸リチウムの製造方法に関するものである。
これまで、ジハロゲノリン酸リチウムの製造方法として様々な手法が検討・開発がなされている。たとえば、ヘキサフルオロリン酸リチウムを原料としてジハロゲノリン酸リチウムを製造する方法が特許文献1、2、3および4に記載されている。
特許文献1ではヘキサフルオロリン酸リチウムにホウ酸塩を、特許文献2ではヘキサフルオロリン酸リチウムに二酸化ケイ素を、特許文献3ではヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩をそれぞれ非水溶媒中で反応させてジフルオロリン酸リチウムを製造する方法が開示されている。しかし、反応時間が40〜72時間と長時間を要し生産性の面から有用な方法とは言い難い。また、特許文献4ではヘキサフルオロリン酸リチウムと水にハロゲン化物を添加し、非水溶媒中で反応させてジフルオロリン酸リチウムを製造する方法が開示されている。しかし、目的のジフルオロリン酸リチウムで反応を停止するために厳密な反応制御が必要となり、多くの場合、過反応によりモノフルオロリン酸塩(Li2PO3F、LiHPO3F、H2PO3F等が挙げられる)、リン酸リチウムが副生する。また、特許文献1から4では、出発原料にヘキサフルオロリン酸リチウムを使用しているため、製造コストが高いという問題がある。
一方、原料にヘキサフルオロリン酸リチウムを用いない方法として、炭酸塩とオキシフッ化リンと接触させてジフルオロリン酸塩を製造する方法が特許文献5に開示されている。しかし、原料であるオキシフッ化リンは高価なうえ入手困難であり、自製するにしても例えば特許文献6に記載されているリン酸カルシウムとフルオロ硫酸との反応では、用いる原料が高価であることや収率が低いこと等から、工業的製造には不向きであった。
特開2005−53727 特開2005−219994 特開2005−306619 特開2008−222484 特開2006−143572号 米国特許3428422号
本発明は、上記の問題点を解決し、効率的かつ簡便にジハロゲノリン酸リチウムを製造する方法を提供することを目的とする。
発明を解決するための手段
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
〔1〕ジクロロリン酸リチウムの製造方法において、オキシ塩化リンと炭酸リチウムを反応させることを特徴とするジクロロリン酸リチウムの製造方法。
〔2〕反応溶媒がジメチルカーボネートまたはアセトニトリルであることを特徴とする〔1〕記載のジクロロリン酸リチウムの製造方法。
〔3〕反応温度が25〜90℃であることを特徴とする〔1〕または〔2〕記載のジクロロリン酸リチウムの製造方法。
〔4〕ジフルオロリン酸リチウムの製造方法において、ジクロロリン酸リチウムとフッ化水素を反応させることを特徴とするジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
〔5〕フッ素化反応溶媒がジメチルカーボネートまたはアセトニトリルであることを特徴とする〔4〕記載のジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
〔6〕フッ素化反応温度が15〜100℃であることを特徴とする〔4〕または〔5〕記載のジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
〔7〕ジフルオロリン酸リチウムの製造方法において、オキシ塩化リンと炭酸リチウムとフッ化水素とを反応させることを特徴とするジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
〔8〕反応溶媒がジメチルカーボネートまたはアセトニトリルであることを特徴とする〔7〕記載のジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
〔9〕〔7〕記載の反応が無溶媒であることを特徴とするジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
本発明では、〔1〕のジクロロリン酸リチウムの製造方法と〔4〕のジフルオロリン酸リチウムの製造方法とを逐次的に行うことができる。即ち、上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかの製造方法で得られるジクロロリン酸リチウムとフッ化水素を反応させることを特徴とするジフルオロリン酸リチウムの製造方法も提供される。
本発明によれば、ジハロゲノリン酸リチウムを安価で入手容易な原料から簡便で効率よく製造することが可能となる。
以下、本発明のジハロゲノリン酸リチウムの製造方法を、その好ましい実施形態に基づいて詳述するが、本発明はこれらの内容に限定されない。
[塩素化反応]
まず、オキシ塩化リンと炭酸リチウムの反応からジクロロリン酸リチウムを製造する方法(以下、「塩素化反応」という)について述べる。
原料の炭酸リチウムはオキシ塩化リンに対して0.8〜1.2当量用いることが好ましい。
塩素化反応で使用できる溶媒は特に限定されないが、原料であるオキシ塩化リンや炭酸リチウムを溶解することができるものであれば良く、具体的には鎖状および環状エステル、鎖状および環状カーボネートまたはニトリル類が挙げられる。さらに具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリルが好ましく、特にジメチルカーボネート、アセトニトリルがより好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、2種以上を任意の比率で混合して用いても良い。炭酸リチウムの溶媒に対する濃度は、無溶媒でも反応は可能だが、好ましくは1〜5Mである。ここで、Mはmol/Lを表す。
反応温度は、25〜90℃が好ましく、50〜90℃がより好ましい。25℃を下回ると反応速度が遅くなり、90℃を超えると副反応が進行し、収率が低下する傾向がある。
反応終了後、得られたジクロロリン酸リチウムの粗生成物をろ過、洗浄および乾燥等による精製を行うことにより高純度のジクロロリン酸リチウムを得ることができるが、精製せずにそのまま次工程の反応へ用いることもできる。
[フッ素化反応]
次いで、ジクロロリン酸リチウムとフッ化水素の反応からジフルオロリン酸リチウムを製造する方法(以下。「フッ素化反応」という)について述べる。
フッ素化反応で使用できる溶媒は特に限定はされないが、ジクロロリン酸リチウムを溶解することができ、且つフッ化水素に対して不活性なものであれば良く、具体的には鎖状および環状エステル、鎖状および環状カーボネートまたはニトリル類が挙げられる。さらに具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリルが好ましく、特にジメチルカーボネート、アセトニトリルがより好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、2種以上を任意の比率で混合して用いても良い。
ジクロロリン酸リチウムの溶媒に対する濃度は、好ましくは0.1〜5.0M、より好ましくは0.3〜1.0Mである。
反応温度は好ましくは15〜100℃、より好ましくは15〜90℃の範囲で行えるが、50〜90℃がさらに好ましい。15℃未満ではフッ素化反応の進行が非常に遅く、100℃を超えるとジフルオロリン酸リチウムの分解、着色が発生し、収率が低下する。
原料のフッ化水素は、濃度100%の状態で希釈せずにそのまま直接導入しても良いが、1〜99%の範囲で、窒素で希釈して導入してもよく、あるいは1〜99%の範囲で反応に使用する溶媒に希釈して導入してもよい。フッ化水素の添加量はジクロロリン酸リチウムに対して0.5〜20当量が適当であるが、1.0〜5.0当量が好ましい。なお、フッ素化反応において溶媒を使用せずジクロロリン酸リチウムに直接フッ化水素を作用させることもできる。
[塩素化反応後にフッ素化反応を行う二段階反応]
本発明では、塩素化反応とフッ素化反応とを逐次的に行うことができる。即ち、上記塩素化反応で得られるジクロロリン酸リチウムとフッ化水素を反応させてフッ素化反応を行うことにより、ジフルオロリン酸リチウムを製造できる。
この場合、個々の反応に必要な条件は上述したとおりである。塩素化反応で使用した原料、溶媒、副生成物は、系中に残留していてもフッ素化反応に影響しないので、塩素化反応で得られたジクロロリン酸リチウムを精製せずに使用してもよい。
[塩素化反応及びフッ素化反応の一段階反応]
ジフルオロリン酸リチウムを炭酸リチウム、オキシ塩化リン及びフッ化水素を使用して一段階反応で製造することもできる。すなわち、オキシ塩化リンと炭酸リチウムにフッ化水素を作用させることでジフルオロリン酸リチウムを得ることができる。この一段階反応では、原料の炭酸リチウムの当量は前述の塩素化反応における条件と同様にして、使用できる溶媒、反応温度及びフッ化水素の濃度は前述のフッ素化反応における条件と同様にしてジフルオロリン酸リチウムを得ることができる。特にフッ素化反応の温度は塩素化反応の温度よりも低いので、一段階反応を行うことで、反応工程数を減らす他に、反応温度を低く設定できる。
反応終了後に得られたジフルオロリン酸リチウムの粗生成物は、ろ過、洗浄および乾燥等による精製を行うことで高純度のジフルオロリン酸リチウムを得ることができる。
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、かかる実施例に限定されるものではない。特に断りがない限り、実験は室温、常圧下で行った。

(実施例1) ジクロロリン酸リチウムの合成(ジメチルカーボネート溶媒)
1L三口ナスフラスコに、炭酸リチウム25gを入れ、ジメチルカーボネート338mLを加え、油浴でフラスコ内部が50℃になるまで攪拌した。オキシ塩化リン54gを滴下ロートで滴下し、50℃に保持しながら、窒素気流下、4時間攪拌した。その後、90℃まで昇温して1時間還流し、ろ過を行った。残留固体にジメチルカーボネート100mLを加え、90℃で攪拌後、ろ過を行った。ろ液を濃縮して真空乾燥を行うことで、粗ジクロロリン酸リチウム53gを白色固体として得た。
(実施例1´) ジクロロリン酸リチウムの合成(アセトニトリル溶媒)
500mL三口ナスフラスコに、炭酸リチウム15gを入れ、アセトニトリル200mLを加え、油浴でフラスコ内部が50℃になるまで攪拌した。オキシ塩化リン33gを滴下ロートで滴下し、50℃に保持しながら、窒素気流下、4時間攪拌した。その後、80℃まで昇温して30分還流し、ろ過を行った。ろ液を濃縮して真空乾燥を行うことで、粗ジクロロリン酸リチウム35gを白色固体として得た。
(実施例2) ジフルオロリン酸リチウムの合成(ジメチルカーボネート溶媒)
500mLテフロン(登録商標)製容器に、実施例1で得られたジクロロリン酸リチウム28gとジメチルカーボネート200mLを入れ、油浴で60℃に加熱し、フッ化水素9gを流量50mL/minで導入した。その後、60℃に保持しながら窒素を流量3L/minで吹き込み、ジメチルカーボネート、フッ化水素、副生する塩化水素を除去し、さらに真空乾燥を行うことで、ジフルオロリン酸リチウム25gを白色固体で得た(内標収率70%)。得られた白色固体の組成比は19F−NMR分析により、ジフルオロリン酸リチウム88%、モノフルオロリン酸塩9%、中間体モノクロロモノフルオロリン酸リチウム3%であった。このほか、31P−NMR分析により原料のジクロロリン酸リチウムを21%回収した。
(実施例2´) ジフルオロリン酸リチウムの合成(アセトニトリル溶媒)
500mLテフロン(登録商標)製容器に、実施例1´で得られたジクロロリン酸リチウム31gとジメチルカーボネート200mLを入れ、油浴で60℃に加熱し、フッ化水素19gを流量50mL/minで導入した。その後、60℃に保持しながら窒素を流量3L/minで吹き込み、ジメチルカーボネート、フッ化水素、副生する塩化水素を除去し、さらに真空乾燥を行うことで、ジフルオロリン酸リチウム29gを薄緑色固体で得た(内標収率72%)。得られた白色固体の組成比は19F−NMR分析により、ジフルオロリン酸リチウム90%、ヘキサフルオロリン酸リチウム10%であった。
(実施例3) ジフルオロリン酸リチウムの合成
500mL三口ナスフラスコに、炭酸リチウム15gを入れ、ジメチルカーボネート200mLを加え、油浴でフラスコ内部が50℃になるまで攪拌した。オキシ塩化リン32gを滴下ロートで滴下し、50℃に保持しながら、窒素気流下、4時間攪拌した。得られたジクロロリン酸リチウム溶液を500mLテフロン(登録商標)製容器に移し替え、油浴で60℃に加熱し、フッ化水素16gを流量50mL/minで導入した。その後、60℃に保持しながら窒素を流量3L/minで吹き込み、ジメチルカーボネート、フッ化水素、副生する塩化水素を除去し、さらに真空乾燥を行うことで、ジフルオロリン酸リチウム28gを白色固体で得た(内標収率70%)。19F−NMR分析により、組成比は、ジフルオロリン酸リチウム92%、モノフルオロリン酸塩2%であった。このほか、31P−NMRより、原料のジクロロリン酸リチウムを21%回収した。
(実施例4) ジフルオロリン酸リチウムの合成
500mL三口ナスフラスコに、炭酸リチウム15gを入れ、ジメチルカーボネート200mLを加え、油浴でフラスコ内部が50℃になるまで攪拌した。オキシ塩化リン33gを滴下ロートで滴下し、50℃に保持しながら、窒素気流下、4時間攪拌した。得られたジクロロリン酸リチウム溶液を500mLテフロン(登録商標)製容器に移し替え、油浴で60℃に加熱し、フッ化水素20g(流量50mL/min)を、窒素(流量200mL/min)で希釈しながら導入した。その後、60℃に保持しながら窒素を流量3L/minで吹き込み、ジメチルカーボネート、フッ化水素、副生する塩化水素を除去し、さらに真空乾燥を行うことで、粗ジフルオロリン酸リチウム26gを淡緑色固体で得た(内標収率80%)。19F−NMR分析により、組成比は、ジフルオロリン酸リチウム95%、モノフルオロリン酸塩5%であった。
(実施例5) ジフルオロリン酸リチウムの合成
500mL三口ナスフラスコに、炭酸リチウム15gを入れ、ジメチルカーボネート200mLを加え、油浴でフラスコ内部が50℃になるまで攪拌した。オキシ塩化リン33gを滴下ロートで滴下し、50℃に保持しながら、窒素気流下、4時間攪拌した。得られたジクロロリン酸リチウム溶液を500mLテフロン(登録商標)製容器に移し替え、ジメチルカーボネート400mLを追加し、油浴で60℃に加熱した。フッ化水素18gを流量50mL/minで導入した後、60℃に保持しながら窒素を流量3L/minで吹き込み、ジメチルカーボネート、フッ化水素、副生する塩化水素を除去した。さらに真空乾燥を行うことで、粗ジフルオロリン酸リチウム25gを白色固体で得た(内標収率89%)。19F−NMR分析により、組成比は、ジフルオロリン酸リチウム96%、モノフルオロリン酸塩4%であった。
(実施例6) ジフルオロリン酸リチウムの合成
500mL三口ナスフラスコに、炭酸リチウム15gを入れ、アセトニトリル200mLを加え、油浴でフラスコ内部が50℃になるまで攪拌した。オキシ塩化リン32gを滴下ロートで滴下し、50℃に保持しながら、窒素気流下、4時間攪拌した。得られたジクロロリン酸リチウム溶液を500mLテフロン(登録商標)製容器に移し替え、油浴で60℃に加熱し、フッ化水素15gを流量50mL/minで導入した。その後、60℃に保持しながら窒素を流量3L/minで吹き込み、ジメチルカーボネート、フッ化水素、副生する塩化水素を除去し、さらに真空乾燥を行うことで、粗ジフルオロリン酸リチウム35gを薄黄色固体で得た(内標収率64%)。19F−NMR分析により、組成比は、ジフルオロリン酸リチウム88%、モノフルオロリン酸塩3%、ヘキサフルオロリン酸リチウム9%であった。このほか、31P−NMRより原料のジクロロリン酸リチウムを12%回収した。
(実施例7) ジフルオロリン酸リチウムの合成
500mLハステロイ製オートクレーブに、炭酸リチウム15gとオキシ塩化リン33gを入れふたをした。窒素でオートクレーブ内部を置換した後、液体窒素を入れた冷却バスでオートクレーブ内部が−5℃程度になるまで冷却した。フッ化水素27gを導入した後、冷却バスを外し、ヒーターによりオートクレーブの加熱と攪拌を開始した(設定温度60℃)。オートクレーブ内部が60℃に到達してから2時間攪拌した。この時、内部の圧力は3.1MPaまで上昇した。その後、オートクレーブ内部を窒素で置換して常圧に戻し、60℃に保持しながら窒素を流量3L/minで吹き込み、フッ化水素と副生する塩化水素、二酸化炭素を除去し、さらに真空乾燥を行うことで粗ジフルオロリン酸リチウム23.0gを白色固体で得た(内標収率45%)。19F−NMR分析により、組成比は、ジフルオロリン酸リチウム92%、モノフルオロリン酸塩8%であった。
(実施例1)〜(実施例7)で得られた白色固体がジクロロリン酸リチウム、またはジフルオロリン酸リチウムであることは、核磁気共鳴分析で確認した。また、内部標準収率は1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを標準試料として、19F−NMRより算出した。核磁気共鳴分析[ BRUKER社製、AV300M ]の結果は以下の通りである。
ジクロロリン酸リチウム
31P−NMR ( 溶媒:Acetone-d6 )
δ -7.47 ppm ( s, 1P )
ジフルオロリン酸リチウム
19F−NMR ( 溶媒:Acetone-d6 )
δ -84.5 ppm ( d, 2F )
31P−NMR ( 溶媒:Acetone-d6 )
δ -17.4 ppm ( t, 1P )
モノフルオロリン酸塩
19F−NMR ( 溶媒:Acetone-d6 )
δ -76.7 ppm ( d, 1F )
31P−NMR ( 溶媒:Acetone-d6 )
δ -6.75 ppm ( d, 1P )
モノクロロモノフルオロリン酸リチウム
19F−NMR ( 溶媒:Acetone-d6 )
δ -39.3 ppm ( d, 1F )
31P−NMR ( 溶媒:Acetone-d6 )
δ -8.25 ppm ( d, 1P )

Claims (9)

  1. ジクロロリン酸リチウムの製造方法において、オキシ塩化リンと炭酸リチウムを反応させることを特徴とするジクロロリン酸リチウムの製造方法。
  2. 反応溶媒がジメチルカーボネートまたはアセトニトリルであることを特徴とする請求項1記載のジクロロリン酸リチウムの製造方法。
  3. 反応温度が25〜90℃であることを特徴とする請求項1または2記載のジクロロリン酸リチウムの製造方法。
  4. ジフルオロリン酸リチウムの製造方法において、ジクロロリン酸リチウムとフッ化水素を反応させることを特徴とするジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
  5. フッ素化反応溶媒がジメチルカーボネートまたはアセトニトリルであることを特徴とする請求項4記載のジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
  6. フッ素化反応温度が15〜100℃であることを特徴とする請求項4または5記載のジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
  7. ジフルオロリン酸リチウムの製造方法において、オキシ塩化リンと炭酸リチウムとフッ化水素とを反応させることを特徴とするジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
  8. 反応溶媒がジメチルカーボネートまたはアセトニトリルであることを特徴とする請求項7記載のジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
  9. 請求項7記載の反応が無溶媒であることを特徴とするジフルオロリン酸リチウムの製造方法。
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