JP5408112B2 - ジフルオロリン酸塩の製造方法、二次電池用非水系電解液及び非水系電解液二次電池 - Google Patents

ジフルオロリン酸塩の製造方法、二次電池用非水系電解液及び非水系電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、ジフルオロリン酸塩の製造方法、二次電池用非水系電解液及び非水系電解液二次電池に関する。特に、ジフルオロリン酸塩を添加剤として含有する非水系電解液を、工業的に有利に調製することが出来るジフルオロリン酸塩の製造方法と、この方法で製造されたジフルオロリン酸塩を含む二次電池用非水系電解液及びこの非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、高容量の二次電池の更なる高容量化が望まれている。そのため、ニッケル・カドミウム、ニッケル・水素電池に比べ、よりエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウム二次電池には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類、及びスルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒のような非水溶媒に、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiCF3(CF23SO3等の電解質を溶解させてなる非水系電解液が用いられる。
このような非水系電解液を用いた二次電池では、その非水系電解液の組成によって反応性が異なるため、電池特性は大きく変わることとなる。特に、電解液の分解や副反応が二次電池のサイクル特性や保存特性に及ぼす影響が問題となっているため、従来、電解液に各種添加剤を添加することによって、これらの問題の改善する試みがなされている。
こうした中で、特許文献1には、モノフルオロリン酸リチウム(Li2PO3F)及びジフルオロリン酸リチウム(LiPO22)の少なくとも1種の添加剤を含有する非水系電解液を用い、この添加剤をリチウムと反応させることによって正極及び負極界面に被膜を形成させることで、電解液と正極活物質及び負極活物質との接触に起因する電解液の分解を抑制し、これにより自己放電を抑制し、充電後の保存特性を向上させることが記載されている。
ところで、ジフルオロリン酸塩の製造方法としては、従来、例えばP234に金属塩やNH3を反応させることにより製造されることが、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。しかしながら、この方法は、原料のP234が入手困難で非常に高価であること、副生成物の分離精製が必要なこと等の理由から、非水系電解液の添加剤としてのジフルオロリン酸塩の製造方法としての工業的スケールでの適用には極めて不利であった。
特開平11−67270号公報
J.Fluorine Chem.(1988),38(3),P.297−302 Inorganic Chemistry Vol.6,No.10,P.1915−1917(1967)
従って、本発明は、入手容易な安価な原料からジフルオロリン酸塩を工業的に有利に製造する方法と、このような方法により製造されたジフルオロリン酸塩を添加剤として含む二次電池用非水系電解液と、この非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、二次電池用非水系電解液の添加剤としてのジフルオロリン酸塩を工業的に有利に製造すること、そして、ジフルオロリン酸塩を添加剤として含有する非水系電解液を安価にかつ簡便に調製する方法を提供すべく鋭意検討した結果、電解質として汎用されているヘキサフルオロリン酸リチウムと、工業的に入手容易でかつ非常に安価な炭酸塩とを非水溶媒中で反応させることにより、ジフルオロリン酸塩を極めて工業的に有利に製造することができること、特に、電解質リチウム塩として少なくともヘキサフルオロリン酸リチウムを含み、更にジフルオロリン酸塩を含有してなる非水系電解液の、該ジフルオロリン酸塩の少なくとも一部を、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを非水溶媒中で反応させてなる反応生成液として供給することによって、極めて安価、かつ簡便にジフルオロリン酸塩を含有する二次電池用非水系電解液を調製することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明における反応機構の詳細は明らかでないが、ヘキサフルオロリン酸塩と炭酸リチウムとの反応を例に取ると、見掛け上、下記式のような反応が進行していると考えられる。なお、この反応は水、もしくはHFが触媒として働いている可能性もある。
LiPF6+2Li2CO3 → LiPO22+2CO2+4LiF
従って、この反応で得られた反応液は、非水溶媒中にジフルオロリン酸塩とフッ化物塩、更には二酸化炭素を含むものである。
よって、本発明の二次電池用非水系電解液は、非水溶媒中に、電解質リチウム塩として少なくともヘキサフルオロリン酸塩を含み、更にジフルオロリン酸リチウムを含有してなる非水系電解液であって、該非水溶媒が環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の両方を含み、かつ、3種類以上の非水溶媒成分の混合溶媒であることを特徴とする。
非水溶媒として、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の両方を含み、かつ、3種類以上の非水溶媒成分を混合したものは、混合溶媒が低温で固化しにくく、特に分子量の小さい鎖状カーボネート類を用い、ジフルオロリン酸塩が含有されている場合には、ジフルオロリン酸アニオンが正極材に接近し、Liイオンを引きつけるため、二次電池に使用したときに低温放電特性が向上するので好ましい。
なお、特開平1−286263号公報には、環状エステルを含む非水溶媒にリチウム塩を溶解させたリチウム二次電池用電解液に、添加剤として炭酸リチウムを添加して、電池の充放電特性を向上させることが記載されている。この特開平1−286263号公報では、炭酸リチウムを予め電解液に添加しておくことにより、環状エステルとリチウムの反応で生成した炭酸リチウムが溶解できなくなり、リチウムと溶媒との反応を抑制するとしている。そのため、電解液に好ましくは過飽和の状態で炭酸リチウムを添加し、電解液中に炭酸リチウムとして存在させることによって発明の効果を保っている。即ち、炭酸リチウムのまま反応せずに電解液中にとどまることで発明の効果を得ている。
しかしながら、この方法では、後述する比較例2及び比較例4に示すように、本発明のような効果は得られない。
即ち、ジフルオロリン酸塩を生成させるためには、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを充分に反応させる必要があること、また、電池内に封入してしまった後では、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物などの正極材として典型的なリチウム遷移金属酸化物や、炭素質材料、金属リチウムなどの負極材として典型的な物質が、反応の触媒作用をするとみられる水、HFをトラップし、ジフルオロリン酸塩生成反応が抑制されてしまうことが原因と考えられる。
即ち、ジフルオロリン酸塩を生成させるためには、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを非水溶媒中で予め反応させる必要があり、非水系電解液として使用する際は、この反応が充分に進行する以前に二次電池作製に供しても、本発明の効果を得ることはできない。
本発明によれば、従来入手困難であったジフルオロリン酸塩を、安価で容易に入手可能な材料から簡便に調製することができ、二次電池用非水系電解液の添加剤としての用途に極めて有用なジフルオロリン酸塩が提供され、このジフルオロリン酸塩を用いた非水系電解液及び二次電池を容易に製造することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法について説明する。
本発明では、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを非水溶媒中で反応させることにより、ジフルオロリン酸塩を製造する。
炭酸塩としては、非水溶媒中に溶解し、ヘキサフルオロリン酸リチウムと反応性を有するものであれば良く、特に制限はないが、通常、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、並びに、NR1234(但し、R1〜R4は、互いに同一でも異なっていても良い、炭素数1〜12の有機基又は水素原子を表す。)の塩から選ばれるものが用いられる。これらは、特に非水系電解液向けジフルオロリン酸塩の製造に有利な原料である。
上記アルカリ金属としては通常、Li、Na、K、Rb、Csからなる群から選ばれるものであり、中でも、非水系電解液向けジフルオロリン酸塩にはLi、Na、Kが価格、入手容易さの点で好ましく、特にLi、Kが電池特性の点で好ましい。中でもLiが電池特性の点で更に好ましい。
上記アルカリ土類金属としては通常、Be、Mg、Ca、Sr、Baからなる群から選ばれるものであり、中でも、非水系電解液向けにはMg、Ca、Sr、Baが価格、安全性の点で好ましく、特にCaが電池特性の点で好ましい。
上記NR1234(但し、R1〜R4は、互いに同一でも異なっていても良い、炭素数1〜12の有機基又は水素原子を表す。)に含まれるR1〜R4の有機基としては通常、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ピペリジル基、ピロリジル基、ピリジル基、イミダゾリル基等の窒素原子含有複素環基等が挙げられるが、中でも、メチル基、エチル基が好ましい。NR1234としては、非水溶媒中に溶解するものであれば良いが、溶解度の点からはテトラエチルアンモニウム基、トリエチルメチルアンモニウム基であることが好ましい。
これらの炭酸塩は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
反応媒体となる非水溶媒としては限定されるものではないが、通常エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類、及びスルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒からなる群から選ばれる1種又は2種以上の溶媒が使用できる。これらの中でも、反応速度の観点から誘電率の低い溶媒が好ましく、比誘電率10以下の溶媒が特に好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類である。反応生成液を非水系電解液用途に供する場合、反応媒体となる非水溶媒としてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、及びそれらの混合溶媒が好ましく、中でも鎖状カーボネート類が反応速度の点で好ましい。
反応に供するヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩との仕込み比率は特に限定されるものではないが、ジフルオロリン酸塩の合成を効率良く行う観点では、ヘキサフルオロリン酸リチウムに対する炭酸塩のモル比(CO3/PF6)として、下限は、通常1×10-3以上、中でも3×10-3以上、上限は、通常2以下、中でも1.6以下とすることが好ましい。
特に、反応により得られる反応生成液を、ジフルオロリン酸塩源として二次電池用非水系電解液に供給する場合には、ヘキサフルオロリン酸リチウムに対する炭酸塩のモル比(CO3/PF6)の下限は、通常5×10-3以上、中でも1×10-2以上、上限は、通常1.6以下、中でも1.2以下とすることが有利であり、反応生成液をそのまま非水系電解液として使用する際の上限は0.8以下、中でも0.6以下が好ましい。
合成に供するヘキサフルオロリン酸リチウムの濃度は特に限定されるものではないが、非水溶媒中の濃度として下限は、通常0.3mol/kg以上、中でも0.5mol/kg以上、上限は、通常2.5mol/kg以下、中でも2.0mol/kg以下が好適である。この下限を下回ると反応速度が低下しやすく、上限を上回ると副反応が進行しやすい。また、合成に供する炭酸塩の使用量は特に限定されるものではないが、下限は、非水溶媒1kgに対して通常2×10-3mol以上、中でも5×10-3mol以上が好ましい。上限は、通常4mol以下、中でも3mol以下が好ましい。この下限を下回ると充分な量のジフルオロリン酸塩が得られにくく、上限を上回ると副反応が進行する可能性がある。
特に、反応により得られる反応生成液を、ジフルオロリン酸塩源として二次電池用非水系電解液に供給する場合には、通常ヘキサフルオロリン酸リチウムの非水溶媒中濃度として、下限は0.5mol/L以上、中でも0.7mol/L以上が好ましく、上限は、通常2.0mol/L以下、中でも1.6mol/L以下が好ましい。これは、非水系電解液として好適な濃度に近いほど、取り扱いがしやすいためである。
また、反応により得られる反応生成液を、ジフルオロリン酸塩源として二次電池用非水系電解液に供給する場合の炭酸塩の使用量としては、下限は非水溶媒1kgに対して通常2×10-3mol以上、中でも0.01mol以上が好ましく、上限は、通常1mol以下、中でも0.8mol以下が好ましい。特に、反応生成液をそのまま非水系電解液として使用する場合は、上限として0.6mol以下が好ましい。この下限を下回ると非水系電解液として使用した場合の添加剤効果が得られにくく、上限を上回ると副反応が進行しやすくなる可能性がある。
ジフルオロリン酸塩の生成反応には、通常、反応を進行させるために非水溶媒、ヘキサフルオロリン酸リチウム、及び炭酸塩が存在すれば良い。ただし、作用は明確でないものの微量の水分が存在した場合に反応が速く進行する。従って、反応生成液を非水系電解液に供給する場合は、電池性能に影響が出ない程度の微量な水分、例えば、電解液中の濃度として10〜200ppm程度の水を反応系に共存させても良い。
反応温度、反応時間については、状況によって最適なものを選択すれば良く、特に制限はないが好ましくは次の通りである。
温度については、反応が進行する限り特に制限はないが、常温よりも高めの温度の方が反応の進行が速い。反応温度の下限は、通常20℃以上、中でも30℃以上、さらに好ましくは、40℃以上であり、上限は、通常85℃以下、中でも70℃以下が好適である。この下限を下回ると反応が進行しにくく、上限を上回ると溶媒が気化しやすい上に、LiPF6が分解を起こしやすい。但し、反応温度が低めの場合には十分な反応時間を確保することが肝要である。
また、時間についても、反応が進行する限り特に制限はなく、目的とする量のジフルオロリン酸塩が生成するまで時間をとればよいが、下限は、通常2時間以上、中でも5時間以上である。目安として、30℃ならば24時間以上、40℃ならば6時間以上を要する。この下限を下回ると反応が完了しにくく、目的量のジフルオロリン酸塩が得られない可能性がある。反応時間の上限は特に定めないが、生産性の観点から数日もの長期になりすぎると効率が悪い。
このようにして得られる反応生成液は、非水溶媒中に未反応のヘキサフルオロリン酸リチウム及び炭酸塩と、反応により生成したジフルオロリン酸塩及びフッ化物と二酸化炭素を含むものである。
反応生成液からジフルオロリン酸塩を単離する場合、その方法としては特に限定されず、ジフルオロリン酸塩が分解しない限りは、蒸留、再結晶等、あらゆる方法を用いることが可能である。しかし、目的に応じて、例えば後述するように、得られるジフルオロリン酸塩を二次電池用非水系電解液として用いる場合には、反応生成液からジフルオロリン酸塩を単離せずに用いることができ、これにより、単離工程を省略することができ、工業的に非常に有利である。
即ち、上記反応生成液には目的とするジフルオロリン酸塩の他、未反応のヘキサフルオロリン酸リチウム、炭酸塩、副生するフッ化物塩及び二酸化炭素並びに非水溶媒が含有されているが、ヘキサフルオロリン酸リチウムは二次電池の非水系電解液の電解質として用いられる物質である。従って、例えば非水溶媒中に、電解質リチウム塩として少なくともヘキサフルオロリン酸塩を含み、更にジフルオロリン酸塩を含有してなる二次電池用非水系電解液を調製する場合には、反応溶媒となる非水溶媒を電解液用非水溶媒として支障のないものを選択することにより、反応生成液を非水系電解液のジフルオロリン酸塩源として用いることができる。反応生成液を電解液の一部として用いる場合、この反応生成液中の各成分の含有濃度は、好ましくは次の通りである。
反応生成液中のジフルオロリン酸塩の含有濃度の下限は、通常1×10-3mol/kg以上、中でも5×10-3mol/kg以上、特に1×10-2mol/kg以上であり、上限は、通常0.7mol/kg以下、中でも0.6mol/kg以下である。また、反応生成液中に残留するヘキサフルオロリン酸リチウムの含有濃度の下限は、通常0.2mol/kg以上、中でも0.3mol/kg以上であり、上限は、通常1.8mol/kg以下、中でも1.5mol/kg以下である。更に、反応生成液中に残留する炭酸塩の含有濃度の下限はなく、0でも構わない。上限は、通常0.02mol/kg以下、中でも0.01mol/kg以下である。
また、反応により副生するフッ化物塩は非水溶媒中に溶解しているが、溶解度を超える分は沈殿する。沈殿したフッ化物塩は、濾過操作により取り除くことができ、一部溶解する部分は、反応生成液の希釈作業等で濃度調整をすることが可能である。二次電池用非水系電解液としての用途においては、フッ化物塩の含有量が、電解液中の濃度として、上限値として、通常0.15mol/kg以下、中でも0.1mol/kg以下、下限値として、通常、2×10-3mol/kg以上、好ましくは3×10-3mol/kg以上、となるようにするのが、電池としての高温保存耐久性能や熱安定性の点から好ましい。また、以下の方法により測定される二酸化炭素の量が300ppm以上であることが、高温保存後の回復容量の点で好ましい。
電解液中の二酸化炭素の量は次のようにして測定することができる。Arボックス中、電解液0.3mlを容積6mlのバイアル瓶に封入し、60℃にて20分間加熱する。その後、気相部分を0.5ml採取し、その中の二酸化炭素をガスクロマトグラフ法で測定する。同様に使用するArボックス中の二酸化炭素量(ブランク)も測定し、電解液を封入した場合の測定値からブランクを差し引くことにとによって、電解液中の二酸化炭素の量を求めることができる。
後述の実施例5,6、参考例2、比較例5における二酸化炭素測定量はこうして求めた値である。
従って、本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法においては、反応により得られる反応生成液を、ジフルオロリン酸塩源として二次電池用非水系電解液に供給する場合には、反応生成液中の各成分濃度が上記ジフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロリン酸リチウム、炭酸塩及びフッ化物塩濃度となるように、反応に供するヘキサフルオロリン酸リチウム及び炭酸塩量を調整するのが好ましい。また、必要に応じて、反応生成液から、適宜非水溶媒を蒸留等の操作により除去して濃縮するか、逆に非水溶媒で希釈することにより、ジフルオロリン酸塩等の各成分濃度を調整したり、適宜ヘキサフルオロリン酸リチウム等の溶質成分を追加したりすることが好ましい。
即ち、本発明の二次電池用非水系電解液において、電解液中のジフルオロリン酸塩の少なくとも一部として、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを非水溶媒中で反応させてなる反応生成液を供給するとは、得られる反応生成液をそのまま供給することに加え、適宜非水溶媒を蒸留、抽出等の操作により除去して濃縮したり、逆に非水溶媒で希釈することにより、ジフルオロリン酸塩等の濃度を調整したり、適宜ヘキサフルオロリン酸リチウム等の溶質成分を追加したりして、成分濃度調整を行って用いることを含むものである。
以下に本発明の二次電池用非水系電解液について説明する。
本発明の二次電池用非水系電解液は、非水溶媒中に、電解質リチウム塩として少なくともヘキサフルオロリン酸塩を含み、更にジフルオロリン酸塩を含有し、該ジフルオロリン酸塩として、上述の本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法で得られた反応生成液を用いたものである。
なお、本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法において、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを非水溶媒中で反応させて得られた反応生成液からジフルオロリン酸塩を単離して二次電池用非水系電解液の添加剤として用いても良いことは言うまでもないが、ヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩とを非水溶媒中で反応させてなる、ジフルオロリン酸塩を含む反応生成液として供給することにより、分離、精製の工程を省略することができ、極めて工業的に有利である。前述の如く、この反応生成液は、生成したジフルオロリン酸塩とフッ化物塩と、ヘキサフルオロリン酸リチウム及び炭酸塩が残留する場合には残留するヘキサフルオロリン酸リチウム及び炭酸リチウムを含むものであるから、この場合には、本発明の二次電池用非水系電解液は、非水溶媒中に、電解質リチウム塩として少なくともヘキサフルオロリン酸塩を含み、ジフルオロリン酸塩と更にフッ化物塩及び二酸化炭素を含有するものとなる。
本発明の二次電池用非水系電解液は、上述の反応生成液を供給する場合を含め、その構成成分及び比率は、下記の組成となるようにするのが好ましい。
本発明の二次電池用非水系電解液の非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類、スルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いても良い。
ここで非水溶媒は、アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ばれた環状カーボネートと、アルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、且つこれらのカーボネートが全体の70容量%以上を占める混合溶媒であるものが、充放電特性、電池寿命他、電池性能全般を高めるため好ましい。
アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートの具体例としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等を挙げることができ、これらのうち、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート等を挙げることができる。これらのうち、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。
なお、上記環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合水溶媒中には、カーボネート以外の溶媒を含有していても良く、非水溶媒中に、通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下で、電池性能を低下させない範囲であれば、環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート以外の溶媒を含んでいても良い。
非水溶媒として、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の両方を含み、かつ、3種類以上の非水溶媒成分を混合したものは、混合溶媒が低温で固化しにくく、特に分子量の小さい鎖状カーボネート類を用い、ジフルオロリン酸塩が含有されている場合には、ジフルオロリン酸アニオンが正極材に接近し、Liイオンを引きつけるため、二次電池に使用したときに低温放電特性が向上するので好ましい。
好ましい溶媒の組み合わせとしては、
(1) エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の組み合わせ
(2) エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の組み合わせ
及び、
(3) エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の組み合わせ
等が挙げられる。
このうち特に好ましい非水溶媒の組み合わせとしては、(1)エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の組み合わせと、(2)エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の組み合わせが挙げられる。また、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の4種の溶媒を全て含んだものも好ましい。
本発明の二次電池用非水系電解液は、電解質リチウム塩として特にヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を使用する際に有用なものであるが、ヘキサフルオロリン酸リチウムとその他のリチウム塩を混合して使用することも可能である。これらのリチウム塩は特に限定されるものではないが、通常、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6からなる無機リチウム塩、並びに、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)及びLiC(CF3SO23からなる有機リチウム塩から選ばれるものが使用できる。特にLiClO4、LiBF4から選ばれるものが好ましい。
電解質リチウム塩は電解液中の濃度として、上限値として、通常2mol/L以下、中でも1.5mol/L以下、下限値として、通常0.5mol/L以上、好ましくは0.7mol/L以上となるようにするのが、電気伝導率、粘度の点から好ましい。
本発明の二次電池用非水系電解液に含まれるジフルオロリン酸塩は、本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法で製造されるジフルオロリン酸塩、即ち、本発明のジフルオロリン酸塩の製造方法で用いられる炭酸塩由来のものと同種のものであり、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、NR1234(但し、R1〜R4は、互いに同一でも異なっていても良い、炭素数1〜12の有機基又は水素原子を表す。)の塩から選ばれるものが好ましい。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
このようなジフルオロリン酸塩は、非水系電解液中に、下限として、通常1×10-3mol/kg以上、中でも3×10-3mol/kg以上、好ましくは1×10-2mol/kg以上、上限としては、通常、0.5mol/kg以下、好ましくは0.3mol/kg以下の濃度で存在することが好ましい。この上限を超えると粘度が増加しやすく、下限を下回るとサイクル特性向上効果が得られにくい。
前述の如く、ヘキサフオロリン酸リチウムと炭酸塩との反応生成液を非水系電解液の調製に用いることで、炭酸塩が混入してくる可能性があるが、炭酸塩は、非水系電解液中の濃度の上限値として、通常1×10-3mol/kg以下、中でも8×10-4mol/kg以下であることが好ましい。下限値は特に定めないが、通常、5×10-4mol/kg程度は存在していても特に影響なく許容する。この上限を超えても本発明の効果が損なわれることはないが、無駄が多く効率が悪い。
本発明の非水系電解液においては、更に、任意の添加剤を適切な任意の量で使用することができる。このような添加剤としては、例えばシクロヘキシルベンゼン、ビフェニル等の過充電防止剤、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、コハク酸無水物等の負極被膜形成剤、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン、亜硫酸ジメチル、プロパンスルトン、ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸メチル、硫酸ジメチル、硫酸エチレン、スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルフィド、チオアニソール、ジフェニルジスルフィド、ジピリジニウムジスルフィド等の正極保護剤等が挙げられる。
前述のように、本発明ではヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩との反応生成液として提供されるジフルオロリン酸塩含有溶液を電解液の調製に用いることができる。その際、反応生成液自体を電解液として使用するだけでなく、適宜溶媒、電解質、添加剤を加えて任意の設計をすることが可能である。例えば、仕込み量によっては反応生成液中のヘキサフルオロリン酸リチウムの量が少なくなることがあるが、これを後から加えて濃度の適正化を図ることができる。また、電解液の添加剤として反応生成液を使用することもでき、この場合、反応媒体となる非水溶媒の組成を前述の電解液の溶媒組成と一致させておくと取り扱いがしやすい。
次に本発明の二次電池用非水系電解液を用いた本発明の非水系電解液二次電池について説明する。
本発明の二次電池を構成する負極の活物質としては、リチウムを吸蔵及び放出し得る材料を含むものであれば良く特に限定されないが、その具体例としては、例えば様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や、人造黒鉛、天然黒鉛等が挙げられる。好適には種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛及び精製天然黒鉛或いはこれらの黒鉛にピッチを含む種々の表面処理を施した材料が主として使用されるが、これらの黒鉛材料は学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.335〜0.34nm、より好ましくは0.335〜0.337nmであるものが好ましい。これら黒鉛材料は、灰分が1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下でかつ学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)が30nm以上であることが好ましい。更に結晶子サイズ(Lc)は、50nm以上の方がより好ましく、100nm以上であるものが最も好ましい。また、黒鉛材料のメジアン径は、レーザー回折・散乱法によるメジアン径で、1μm〜100μm、好ましくは3μm〜50μm、より好ましくは5μm〜40μm、更に好ましくは7μm〜30μmである。黒鉛材料のBET法比表面積は、0.5m/g〜25.0m/gであり、好ましくは0.7m/g〜20.0m/g、より好ましくは1.0m/g〜15.0m/g、更に好ましくは1.5m/g〜10.0m/gである。また、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)及び1350〜1370cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)の強度比R=I/Iが0〜0.5、1580〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅が26cm−1以下、1580〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅は25cm−1以下がより好ましい。またこれらの炭素質材料にリチウムを吸蔵及び放出可能な他の負極材を混合して用いることもできる。炭素質材料以外のリチウムを吸蔵及び放出可能な他の負極材としては、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物材料、更にはリチウム金属並びに種々のリチウム合金、及びSi、Snのようにリチウムと合金形成可能な金属材料を例示することができる。これらの負極材料は2種類以上混合して用いても良い。
本発明の二次電池を構成する正極の活物質については、特に限定されるものではないが、好ましくはリチウム遷移金属複合酸化物を使用する。このような物質の例としては、LiCoO等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO等のリチウムマンガン複合酸化物等を挙げることができる。中でも、低温放電特性を向上させる観点では、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物が好ましい。これらリチウム遷移金属複合酸化物は、主体となる遷移金属元素の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属種で置き換えることにより安定化させることもでき、また好ましい。これらの正極の活物質は複数種併用することもできる。
正極及び負極を製造する方法については、特に限定されない。例えば、上述の活物質に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、該活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
結着剤については、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されず、具体例として、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
導電材としては、銅やニッケル等の金属材料、グラファイト、カーボンブラック等のような炭素材料が挙げられる。特に正極については導電材を含有させるのが好ましい。
溶媒としては、水系でも有機系でも良い。水系溶媒としては、水、アルコール等が挙がられ、有機系溶媒としては、N-メチルピロリドン(NMP)、トルエン等が挙げられる。
負極用集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス等の金属が使用され、これらの中で薄膜に加工しやすいという点とコストの点から銅箔が好ましい。また、正極用集電体の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属が使用され、これらの中で薄膜に加工しやすいという点とコストの点からアルミニウム箔が好ましい。
二次電池においては、通常、正極と負極との間にセパレータが介装される。本発明の二次電池に使用するセパレータの材質や形状については、特に限定されないが、電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等を用いるのが好ましい。
少なくとも負極、正極及び非水系電解液を有する本発明の二次電池を製造する方法については、特に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
また、電池の形状についても特に限定されず、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極又はシート電極及びセパレータを積層したコインタイプ、シート電極及びセパレータを積層したラミネートタイプ等が使用可能である。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
以下に、実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
〈ジフルオロリン酸塩の製造〉
実施例1
乾燥アルゴン雰囲気下で精製したエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:3:4の混合溶媒に、1mol/Lの濃度で、充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させた。さらにこの混合溶液1kgに対し、炭酸リチウムを、0.1molの割合で混合し、50℃において72時間反応させた。その後、この反応生成液を濾過し、濾液をイオンクロマトグラフ法により測定した。検出されたPO22アニオンの量は0.051mol/kgであった。
実施例2
実施例1において、炭酸リチウムの代わりに炭酸カリウムを使用したこと以外は実施例1と同様の作業を行った。検出されたPO22アニオンの量は0.052mol/kgであった。
実施例3
実施例1において、炭酸リチウムの代わりに炭酸カルシウムを使用したこと以外は実施例1と同様の作業を行った。検出されたPO22アニオンの量は0.047mol/kgであった。
比較例1
実施例1において、炭酸リチウムを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の作業を行った。PO22アニオンは検出されなかった。
比較例2
乾燥アルゴン雰囲気下で精製したエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:3:4の混合溶媒に、1mol/Lの濃度で、充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させた。さらにこの混合溶液に対し、10-3Mとなる量に相当する炭酸リチウムを添加した。この作業は25℃の環境下で行った。約10分経過後に、液を濾過し、濾液をイオンクロマトグラフ法により測定したが、PO22アニオンは検出されなかった。
以上のように、非水溶媒中でヘキサフルオロリン酸リチウムと炭酸塩を十分に反応させることによって、ジフルオロリン酸塩が作成可能である。
〈非水系電解液二次電池の作製〉
実施例4
下記の方法で非水系電解液二次電池を作製し、その評価を行って、結果を表1に示した。
[正極の作製]
正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNiO)90重量%と、導電材としてのアセチレンブラック5重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した後、20μmのアルミ箔の両面に塗布して乾燥し、プレス機で厚さ80μmに圧延したものを幅52mm、長さ830mmに切り出し、正極とした。ただし、表裏とも長さ方向に50mmの無塗工部を設けてあり、活物質層の長さは780mmである。
[負極の作製]
X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、晶子サイズ(Lc)が100nm以上(264nm)、灰分が0.04重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が17μm、BET法比表面積が8.9m/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1580〜1620cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)及び1350〜1370cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)の強度比R=I/Iが0.15、1580〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅が22.2cm−1である人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)94重量部に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を固形分で6重量部となるように加え、ディスパーザーで混合し、スラリー状としたものを、負極集電体である厚さ18μmの銅箔上の両面に均一に塗布し、乾燥後、さらにプレス機で85μmに圧延したものを幅56mm、長さ850mmに切り出し、負極とした。ただし、表裏とも長さ方向に30mmの無塗工部を設けてある。
[電解液の調製]
実施例1で得られた反応濾液を非水系電解液として使用した。この反応濾液のフッ化物塩の濃度は0.02mol/kg、炭酸リチウムは検出されず、ジフルオロリン酸塩の濃度は0.051mol/kgである。
[電池の組立]
正極と負極は、多孔製ポリエチレンシートのセパレーターをはさんで捲回し、電極群とし電池缶に封入した。その後、電極群を装填した電池缶に上記電解液を5mL注入して、電極に充分浸透させ、かしめ成形を行って18650型円筒電池を作製した。
[電池の評価]
実際の充放電サイクルを経ていない新たな電池に対して、25℃で5サイクル初期充放電を行った。この時の5サイクル目0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)放電容量を初期容量とした。
その後、リチウム二次電池の実使用上限温度と目される60℃の高温環境下にてサイクル試験を行った。充電上限電圧4.1Vまで2Cの定電流定電圧法で充電した後、放電終止電圧3.0Vまで2Cの定電流で放電する充放電サイクルを1サイクルとし、このサイクルを500サイクルまで繰り返した。
サイクル試験終了後の電池に対し、25℃環境下で3サイクルの充放電を行い、その3サイクル目の0.2C放電容量を耐久後容量とした。
比較例3
実施例4において、非水系電解液として実施例1で得られた反応濾液を使用する代わりに、比較例1の液(ヘキサフルオロリン酸リチウム濃度1mol/L)を使用したこと以外は実施例4と同様にして二次電池を作製し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
参考例1
実施例4において、非水系電解液として実施例1で得られた反応濾液を使用する代わりに、乾燥アルゴン雰囲気下で精製したエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:3:4の混合溶媒に、1mol/Lの濃度で、充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させ、更に非特許文献1に記載の方法に従って作成されたジフルオロリン酸リチウムを0.05mol/kgとなる濃度で添加した溶液を使用したこと以外は実施例4と同様にして二次電池を作製し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。
比較例4
実施例4において、非水系電解液として実施例1で得られた反応濾液を使用する代わりに、比較例2の液を使用したこと以外は実施例4と同様にして二次電池を作製し、同様に評価を行って結果を表1に示した。
Figure 0005408112
表1から明らかなように、本発明の非水系電解液は高温サイクル特性の向上に効果的である。また、その効果は参考例1のジフルオロリン酸塩を用いた場合と比べてなんら遜色はない。
なお、比較例4は、特開平1−286263号公報の実施例1に対応するものであり、当該実施例1と同様にLiPF6を1mol/L、炭酸リチウムを10-3M添加したものであるが、ジフルオロリン酸塩の生成はみられず、本発明の効果は得られない。
実施例5
下記の方法で非水系電解液二次電池を作製し、その評価を行って、結果を表2に示した。
[正極の作製]
正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNiO)90重量%と、導電材としてのアセチレンブラック5重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した後、20μmのアルミ箔の片面に塗布して乾燥し、プレス機で厚さ80μmに圧延したものをポンチで直径12.5mmに打ち抜き、正極とした。
[負極の作製]
X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、晶子サイズ(Lc)が100nm以上(264nm)、灰分が0.04重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が17μm、BET法比表面積が8.9m/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1580〜1620cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)及び1350〜1370cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)の強度比R=I/Iが0.15、1580〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅が22.2cm−1である人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)94重量部に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を固形分で6重量部となるように加え、ディスパーザーで混合し、スラリー状としたものを、負極集電体である厚さ18μmの銅箔上の片面に均一に塗布し、乾燥後、さらにプレス機で85μmに圧延したものをポンチで直径12.5mmに打ち抜き、負極とした。
[電解液の調製]
実施例1で得られた反応濾液を非水系電解液として使用した。この反応濾液について前述の方法で二酸化炭素量を測定したところ、5897ppmが検出された。
[電池の組立]
正極と負極は、電池缶内で直径14mmの多孔製ポリエチレンシートのセパレーターをはさんで積層し、上記電解液を滴下した後、かしめ成形を行って2032型コイン電池を作製した。
[電池の評価]
実際の充放電サイクルを経ていない新たな電池に対して、25℃で3サイクル初期充放電を行った。この時の3サイクル目0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)放電容量を正極活物質あたりに換算し、初期容量とした。
その後、60℃の高温環境下にて保存試験を行った。事前に25℃の環境下で充電上限電圧4.1Vまで定電流定電圧法で充電したコイン電池を、60℃にて7日間保存した。
保存試験終了後の電池に対し、25℃環境下で3サイクルの充放電を行い、その3サイクル目の0.2C放電容量を正極活物質あたりに換算し、保存後容量とした。また、初期容量に対する保存後容量の割合を回復率とした。この結果を表2に示す。
実施例6
実施例5において、非水系電解液を0.5気圧の環境下で1分間脱気して使用した以外は実施例5と同様にしてコイン電池を作製し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。この電解液における二酸化炭素測定量は1165ppmであった。
参考例2
実施例5において、非水系電解液として実施例1で得られた反応濾液を使用する代わりに、参考例1で用いたと同様の電解液を使用したこと以外は実施例5と同様にしてコイン電池を作成し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。この電解液における二酸化炭素測定量は125ppmであった。
比較例5
実施例5において、非水系電解液として実施例1で得られた反応濾液を使用する代わりに、乾燥アルゴン雰囲気下で精製したエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:3:4の混合溶媒に、1mol/Lの濃度で、充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させたものを用いたこと以外は実施例5と同様にしてコイン電池を作成し、同様に評価を行った。結果を表2に示す。この電解液における二酸化炭素測定量は129ppmであった。
Figure 0005408112
表2から、高温保存後の容量、及び回復率は電解液の二酸化炭素測定量が大きいものほど良好であり、本発明の方法で作成したジフルオロリン酸塩含有の非水系電解液は、リチウム二次電池の高温保存特性を向上させる上で有効であると言える。
実施例7
実施例5と同様な手順で2032型コインセルを作製した。
ただし、電解液としては、乾燥アルゴン雰囲気下で精製したエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比2:4:4の混合溶媒に、1mol/Lの濃度で、充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させ、更にこの混合溶液1kgに対して0.05molとなる量に相当する炭酸リチウムを混合し、50℃にて30時間反応させたものを濾過して用いた。この電解液について、イオンクロマトグラフ法により測定したPOアニオンの測定量は0.025mol/kgであった。
この電池の低温放電容量を以下の方法で求め、結果を表3に示した。
[低温放電容量の測定]
実際の充放電サイクルを経ていない新たな電池に対して、25℃で3サイクル(3.0−4.1V)初期充放電を行った。その後、−30℃の低温環境下にて放電試験を行った。事前に25℃の環境下で充電上限電圧4.1Vまで定電流定電圧法で充電したコイン電池を低温環境下で0.2Cの速度で放電し、その時の放電容量を正極活物質あたりに換算し、低温放電容量とした。
実施例8
実施例7において、電解液調製の際、非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の体積比2:4:4の混合溶媒を使用したこと以外は実施例7と同様に電池を作製し、同様に低温放電容量を測定し、結果を表3に示した。なお、この電解液について、イオンクロマトグラフ法により測定したPOアニオンの測定量は0.025mol/kgであった。
比較例6
実施例7において、炭酸リチウムを混合させずに電解液を調製したこと以外は実施例7と同様に電池を作製し、同様に低温放電容量を測定し、結果を表3に示した。なお、この電解液は、POアニオンは測定されなかった。
比較例7
実施例8において、炭酸リチウムを混合させずに電解液を調製したこと以外は実施例8と同様に電池を作製し、同様に低温放電容量を測定し、結果を表3に示した。なお、この電解液は、POアニオンは測定されなかった。
参考例3
実施例7において、電解液調製の際、非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比2:8の混合溶媒を使用したこと以外は実施例7と同様に電池を作製し、同様に低温放電容量を測定し、結果を表3に示した。なお、この電解液について、イオンクロマトグラフ法により測定したPOアニオンの測定量は0.025mol/kgであった。
比較例8
参考例3において、炭酸リチウムを混合させずに電解液を調製したこと以外は参考例3と同様に電池を作成し、同様に低温放電容量を測定し、結果を表3に示した。なお、この電解液は、POアニオンは測定されなかった。
表3には、上記実施例7と比較例6との対比、実施例8と比較例7との対比、及び参考例3と比較例8との対比において、ジフルオロリン酸塩による低温放電容量の向上率を算出した結果を併記した。
Figure 0005408112
表3より、ジフルオロリン酸塩を含有する電解液は、低温放電特性が良好であることが言える。その際、非水溶媒が2種の混合溶媒である参考例3よりも、3種の混合溶媒である実施例7、実施例8の方が、低温放電容量の絶対値及びジフルオロリン酸塩存在による低温放電容量の向上率ともに良好であることが明らかである。

Claims (5)

  1. 非水溶媒中に、電解質リチウム塩として少なくともヘキサフルオロリン酸塩を含み、更にジフルオロリン酸リチウムを含有してなる非水系電解液であって、該非水溶媒が環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の両方を含み、かつ、3種類以上の非水溶媒成分の混合溶媒であることを特徴とする二次電池用非水系電解液。
  2. 請求項1に記載の二次電池用非水系電解液において、該非水溶媒が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群から選ばれるものを含有することを特徴とする二次電池用非水系電解液。
  3. 請求項1に記載の二次電池用非水系電解液において、該非水溶媒が、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒であることを特徴とする二次電池用非水系電解液。
  4. 請求項1に記載の二次電池用非水系電解液において、該非水溶媒が、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒であることを特徴とする二次電池用非水系電解液。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の二次電池用非水系電解液において、該二次電池用非水系電解液中の二酸化炭素濃度が125ppm以上5897ppm以下であることを特徴とする二次電池用非水系電解液。
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