JP5892904B2 - オゾン供給システムおよび排水処理システム - Google Patents

オゾン供給システムおよび排水処理システム Download PDF

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Description

この発明は、放電を用いて発生させたオゾンを高濃度で供給するオゾン供給システムおよび供給されたオゾンを利用する排水処理システムに関するものである。
有機物を含有する排水を処理する方法として、微生物を用いた活性汚泥処理法が広く知られているが、その処理プロセスでは大量の余剰汚泥が発生する。余剰汚泥は主に焼却処理により処分されるが、その処理には多大なエネルギーおよびコストを要する点が問題視されている。そのため、余剰汚泥そのものの減容化が切望されており、その方法のひとつとしてオゾンを用いた汚泥減容プロセスが注目されている。
このプロセスにおいては、曝気槽において活性汚泥により好気性処理された余剰汚泥を含有する処理水の一部をオゾン処理部へ引き抜き、引き抜かれた汚泥にオゾンを接触させる。そして、オゾンと接触した処理水を再び曝気槽に戻し、好気性処理することにより余剰汚泥の発生を抑制するものである。このとき、被処理水中のオゾン濃度を120g/Nm以上の高い範囲に維持することで、活性汚泥の菌体の細胞膜が効率的に破壊・粉砕される排水処理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献1には、オゾン濃度を高くすることにより、菌体の有機性成分がオゾン分解して、生物資化され易いBOD(Biochemical Oxygen Demand)成分に変換されるだけでなく、オゾン利用効率の向上が図られることも記載されている。さらには、連続的なオゾン供給だけではなく、間欠的なオゾン供給においても、効果が生じることが記載されている。しかしながら、高濃度のオゾンを連続的に発生させるとオゾン処理部における負荷が増大し、オゾン処理に要するコストが莫大となってしまう。このことは、例えば、特許文献1にも、高濃度のオゾンを安定的に得ることは困難で、400g/Nmのオゾン濃度が現実的な上限であると記載されている。
一方、吸着剤であるシリカゲルが有するオゾンの選択吸着作用を利用した間欠オゾン供給装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この間欠オゾン供給装置においては、オゾン発生装置において生成されたオゾン化酸素ガスを吸脱着塔に導入し、オゾンガスのみを吸着剤に吸着させる。吸脱着塔に一時的に濃縮貯蔵された高濃度オゾンを必要に応じて吸着剤から脱着し、エジェクタを介して、被処理体に供給するものである。つまり、吸脱着塔を用いることで、高濃度のオゾンを間欠的に供給することが考えられる。
特開2001−191097号公報(段落0016〜0017、図1〜図4、段落0062) 特開昭59−193192号公報(3頁右上欄〜右下欄、第4図)
しかしながら、一般的な酸素ガスを原料としたオゾン発生装置においては、原料ガスとして酸素ガスに所定の窒素ガスを添加する方式が採用されている。これは、近年、話題になっているオゾンゼロ現象(純度の高い酸素ガスを原料ガスとした場合に発生するオゾン発生効率の急激な低下現象)を回避するための方策であり、現在の産業用オゾン発生装置においては、必須の事項である。そのため、出力されるオゾン化酸素ガスには、放電場における添加窒素の解離に起因して生成される窒素酸化物が同伴され、吸脱着塔に使用される吸着剤には、オゾンの他に窒素酸化物も同時に吸着濃縮されることになる。そのため、吸着剤の被毒や劣化が発生し、吸着能力の経時劣化や吸脱着塔の腐食劣化が懸念される。
さらに、この窒素酸化物が微量水分と容易に反応して硝酸を生成することにより、接ガス部材の腐食や金属コンタミネーション(以下、金属コンタミと記載)の発生を余儀なくされる。そのため、発生した金属コンタミがオゾン化酸素ガスに同伴することにより吸脱着塔が目詰まりする可能性もある。すなわち、単に吸脱着塔を追加するだけでは、間欠的な高濃度のオゾン化酸素ガス供給を安定して行うことは困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、高濃度オゾンガスの間欠供給を高効率かつ安定して実行できるオゾン供給システムおよびそれを用いた排水処理システムを得ることを目的とする。
本発明にかかるオゾン供給システムは、原料ガス中で放電させて、オゾン化酸素ガスを発生させるオゾン発生装置と、窒素を含有する酸素ガスを前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に供給する原料ガス供給装置と、温度に応じてオゾンを吸着剤に吸着または脱着させる吸脱着装置と、前記吸脱着装置の温度を調節する温度調節装置と、前記吸脱着装置を第1の温度以下に冷却するとともに、前記吸脱着装置に前記オゾン発生装置で発生させたオゾン化酸素ガスを供給し、前記吸着剤にオゾンを吸着させる第1のモードと、前記吸脱着装置を前記第1の温度よりも高い第2の温度以上に昇温して、前記オゾン発生装置が発生させたオゾン化酸素ガスよりも高濃度のオゾンを含むガスを出力させる第2のモード、とを交互に実行するよう、当該システム内の機器を連携して制御する制御装置と、前記オゾン発生装置と前記吸脱着装置との間に設けられた窒素酸化物除去装置と、を備え、前記窒素酸化物除去装置は、温度に応じて窒素酸化物を吸収または放出する特性を有し、前記温度調節装置は、前記吸脱着装置の温度調節に同期して、前記窒素酸化物除去装置も温度調節し、前記第1のモードにおいては、前記オゾン発生装置の出力側から前記吸脱着装置に至るフロー部分は前記吸脱着装置よりも低い温度に冷却されていることを特徴とする。
また、本発明にかかるオゾン供給システムは、原料ガス中で放電させて、オゾン化酸素ガスを発生させるオゾン発生装置と、窒素を含有する酸素ガスを前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に供給する原料ガス供給装置と、温度に応じてオゾンを吸着剤に吸着または脱着させる吸脱着装置と、前記吸脱着装置の温度を調節する温度調節装置と、前記吸脱着装置を第1の温度以下に冷却するとともに、前記吸脱着装置に前記オゾン発生装置で発生させたオゾン化酸素ガスを供給し、前記吸着剤にオゾンを吸着させる第1のモードと、前記吸脱着装置を前記第1の温度よりも高い第2の温度以上に昇温して、前記オゾン発生装置が発生させたオゾン化酸素ガスよりも高濃度のオゾンを含むガスを出力させる第2のモード、とを交互に実行するよう、当該システム内の機器を連携して制御する制御装置と、前記オゾン発生装置と前記吸脱着装置との間に設けられた窒素酸化物除去装置と、を備え、前記オゾン発生装置で発生した熱を回収する熱交換器が設けられ、前記第2のモードでは、前記吸脱着装置および前記吸脱着装置に供給するパージガスのうち少なくともいずれかが、前記熱交換器を介して昇温されることを特徴とする。
本発明のオゾン供給システムによれば、吸脱着装置に供給するオゾン化酸素ガスから窒素酸化物を除去するようにしたので、効率よくオゾンを発生できるとともに、吸着剤の劣化が抑えられ、吸脱着装置で濃縮した高濃度のオゾンガスの間欠供給を安定して行うことができる。したがって、これを用いた排水処理システムでは汚泥を効率よく減容できる。
本発明の実施の形態1にかかるオゾン供給システムの構成を示す系統図である。 本発明の各実施の形態にかかるオゾン供給システムに用いる放電式のオゾン発生装置の電極構造を示す図である。 放電式のオゾン発生装置から出力されるオゾン化酸素ガスのオゾン濃度と原料ガス消費量との関係を説明する図である。 放電式のオゾン発生装置から出力されるオゾン化酸素ガスのオゾン濃度と消費電力との関係を説明する図である。 放電式のオゾン発生装置に供給する原料ガスへの窒素添加量とオゾン発生効率との関係を説明する図である。 放電式のオゾン発生装置から出力されるオゾン化酸素ガスのオゾン濃度と窒素酸化物の濃度との関係を説明する図である。 本発明の各実施の形態にかかるオゾン供給システムからのオゾンを利用する排水処理システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態2にかかるオゾン供給システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態3にかかるオゾン供給システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態4にかかるオゾン供給システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態5にかかるオゾン供給システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態6にかかるオゾン供給システムの構成を示す系統図である。 本発明の実施の形態6にかかるオゾン供給システムに用いる放電式のオゾン発生装置の電極構造を示す図である。
実施の形態1.
図1〜図6は、本発明の実施の形態1にかかるオゾン供給システムについて説明するためのもので、図1はオゾン供給システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す系統図、図2は本実施の形態および以降に説明する各実施の形態にかかるオゾン供給システムに用いる放電式のオゾン発生装置の電極構造を示す断面模式図である。そして、図3〜図6は各実施の形態にかかるオゾン供給システムに用いる放電式のオゾン発生装置の特性を説明するためのもので、図3はオゾン発生装置から出力されるオゾン化酸素ガスのオゾン濃度と原料ガス消費量との関係を説明する図、図4はオゾン発生装置から出力されるオゾン化酸素ガスのオゾン濃度と消費電力との関係を説明する図、図5はオゾン発生装置に供給する原料ガスへの窒素添加量とオゾン発生効率との関係を説明する図、図6はオゾン発生装置から出力されるオゾン化酸素ガスのオゾン濃度と窒素酸化物の濃度との関係を説明する図である。また、図7は、本実施の形態および以降の各実施の形態にかかるオゾン供給システムの応用例である排水処理システムの構成を示す系統図である。
はじめに、オゾン供給システム100の全体的な構成とフローについて説明する。
本発明の実施の形態1にかかるオゾン供給システム100は、図1に示すように、酸素供給装置1Xおよび窒素供給装置1Nを有し、所定量の窒素を含む酸素を原料ガスとして供給する原料ガス供給装置1と、原料ガス供給装置1から供給された原料ガス中に高周波放電を生じさせ、所定濃度のオゾンを含有したオゾン化酸素ガスを発生させるオゾン発生装置2と、オゾン発生装置2から出力されたオゾン化酸素ガス中のオゾンを選択的に吸着する吸着剤を有する吸脱着塔3と、を備えるとともに、オゾン発生装置2と吸脱着塔3との間に設けられ、オゾン発生装置2から吸脱着塔3に向けて供給されるオゾン化酸素ガスから副生成物である窒素酸化物(NO)を除去する窒素酸化物除去装置(NOトラップ)4を備えている。
なお、オゾン発生装置2は冷却装置200により冷却されている。また、配管系統6のうち、オゾン発生装置2の出力側から吸脱着塔3に至る部分は、NOトラップ4用の温度調節領域6T4と吸脱着塔3用の温度調節領域6T3とからなる温度調節領域6Tに設定されている。そして、少なくとも温度調節領域6T3部分は、冷凍機300によりブラインが循環され、所定の温度になるように温度制御されている。吸脱着塔3においては、オゾン化酸素ガスのうち、オゾンガスのみが、吸着剤としてその内部に設置されているシリカゲルに選択吸着される。一方、吸着されなかった酸素を主成分とするガスは、吸脱着塔3を通過し、酸素供給装置1Xと窒素供給装置1N間に設けた循環ポンプ6Cなどのガス循環手段を介してリサイクルするためのリサイクル配管6Lrが設けられている。
また、オゾンガスの吸着が完了したのち、吸着濃縮された高濃度オゾンガスは、パージガスライン6Lpを経て酸素供給装置1Xから供給される酸素ガスをパージガスとして、吸脱着塔3に導入することにより脱着される。このとき、脱着ガスとしてオゾン濃度500〜2000g/Nmのオゾン化酸素ガスがエジェクタ8に供給される。エジェクタ8においては駆動流体供給部7より供給された駆動流体により脱着ガスが吸引され、オゾン濃度・流量制御部9を経てオゾンを用いた処理システム80へ注入される。そして、これら動作を行うために、バルブ6Va〜6Ve(まとめてバルブ6V)や循環ポンプ6C等の配管系統6を構成する機器を含む当該オゾン供給システム100内の各機器を連携して制御する図示しない制御装置が備えられている。なお、図中の矢印はガスの流れ方向を示している。
つぎに、原料ガスおよび各機器の詳細な構成について説明する。
ここで用いる原料ガスは、液体酸素ボンベまたはVPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)などを利用した酸素供給装置1Xから供給される酸素ガスに窒素ガスが添加された混合ガスを示す。酸素ガスの純度および流量は純度計11および流量制御機器12により各々確認される。一般的には、システムで管理される酸素純度は、システム中への不純物拡散を抑制するために99%以上が望ましく、オゾン発生装置においては、原料ガス中の酸素純度が高いほど高濃度のオゾンを発生できるというのが通説ではある。しかし、近年、純度が高くなりすぎると、例えば、純度が99%以上となる高純度の酸素ガスを原料ガスとした場合、オゾン発生効率が急激に低下し、出力できるオゾン濃度がゼロに近づくという特異な現象が発生することが知られている。この現象を回避するために、原料ガス供給装置1では、酸素供給装置1Xが高純度の酸素を出力する仕様の場合、純度計11および流量制御機器12を用いて窒素供給装置1Nの出力を調整し、酸素ガスに対して一定の割合の窒素ガスが含有されるようにしている。
一方、VPSAなどを酸素供給装置1Xに利用した場合は、酸素供給装置1Xから出力される酸素純度自体が比較的低く、すでに十分な窒素ガスが含有されているため、純度計11をモニターしながら適宜、窒素供給装置1Nの動作、停止を実施すればよい。当然ながら、窒素供給装置1Nの停止時間が長くなると、ガス及び電力の消費が抑制される。
オゾン発生装置2は交流高電圧により駆動する無声放電式を用いている。その電極構造は、例えば平行平板式であれば、図2に示すように、2枚の電極間に所定の空隙長Dsを有する放電空間Scを形成するように形成されている。具体的には、接地電極20と、接地電極20に対して空隙長Dsをあけるように配置され、放電空間Sc側に誘電体22が設けられた高電圧電極21とを有している。
放電空間Scの空隙長Dsは0.05mm以上0.4mm以下、好ましくは0.1mm以上0.3mm以下としている。空隙長Dsが0.4mmを超えると高濃度オゾンの生成効率の低下が顕著となり、かつ0.05mm未満においては、オゾン発生装置2の製造上の問題で空隙長Dsの精度を確保することが困難となるため好ましくない。また、オゾン発生装置2において、高濃度領域のオゾンガスの生成効率は、ガス圧力の上昇とともに低下する。しかしながら、空隙長Dsを上述した範囲になるように構成すれば、高ガス圧力領域においても顕著な低下は抑制され、良好なオゾン発生特性を維持することができる。そのため、本実施の形態、および以降の実施の形態におけるオゾン発生装置2の動作ガス圧力範囲は、0.05MPaG以上0.5MPaG以下(G:ゲージ圧)とされ、好ましくは0.1MPaG以上0.3MPaG以下で動作させている。
なお、オゾン発生装置2の放電を形成する電極部には、上述した平行平板状の電極構造に限らず、いわゆる同心同軸状の電極構造である円筒管式オゾン発生装置においても適用できることは言うまでもない。
つぎに、上述したオゾン発生装置2を用いて高濃度のオゾン化酸素ガスを間欠的に発生させるための動作およびその条件について説明する。本実施の形態および以降の各実施の形態にかかるオゾン供給システム100は、吸着モードと脱着モードの2つの動作モードを有する。
<吸着モード>
吸着モードにおいては、バルブ6Vaおよびバルブ6Vbが開状態、バルブ6Vcおよびバルブ6Vdが閉状態となる。この動作に同期して、バルブ6Veおよびバルブ6Vfが閉状態となり、冷凍機300が動作する。このモードにおいて、オゾン発生装置2で生成されたオゾン化酸素ガスは吸脱着塔3より低い温度に温度制御されるNOトラップ4を介して吸脱着塔3に導入される。吸脱着塔3は内部に吸着剤であるシリカゲルが充填されており、シリカゲルの選択吸着性により、導入されるオゾン化酸素ガス中のオゾンガスのみが吸着され、酸素ガスを主成分とする非吸着成分ガスは、リサイクル配管6Lrに配置された循環ポンプ6Cによって、吸脱着塔3から吸引され、原料ガス供給装置1側へリサイクルされる。なお、ここで、吸着剤としてはシリカゲルを用いたが、フルオロカーボンを含浸させた多孔質材料や、活性アルミナ、ゼオライト、モレキュラーシーブ(合成ゼオライト)などを使用してもよい。
リサイクルされる非吸着成分ガスは、その全量をオゾン発生装置2の原料ガスとして再度使用するため、酸素供給装置1Xからの酸素ガス流量は本モードの進行とともに減少させることができる。純度計11および流量制御機器12においては、非吸着成分ガスと、オゾン発生装置2の必要原料ガス流量に対する不足分として補う酸素供給装置1Xからの酸素ガスとの混合ガスの純度および流量を監視し、それらに対して最適な窒素ガス量を窒素供給装置1Nから供給することになる。
吸脱着塔3におけるオゾンの吸着効率は、吸脱着が行われる吸着部の温度および圧力によって規定され、吸着部が低温および高ガス圧力であるほど吸着効率が向上する。本実施の形態においては、吸脱着塔3は、冷凍機300によりブラインを循環させるなどして、−40℃以下、好ましくは−50℃〜−70℃に設定される。吸着部のガス圧力はオゾン発生装置2で制御された動作条件で概ね決定される。
なお、オゾン発生装置2からの吐出圧力が低い場合、吸脱着塔3の前段に圧縮機などを設けて昇圧するとともに、バルブ6Vbにより背圧を調整して、吸脱着塔3の圧力が高くなるように制御することも考えられる。しかし、この場合、圧縮機の一次側が大気圧以上の高ガス圧力となる、また、圧縮機に耐オゾン性が必要となるなど、使用できる圧縮機が限定され、かつ高コストとなるため、昇圧機器をオゾン発生装置2と吸脱着塔3の間に設けることは好ましくない。したがって、オゾン発生装置2から高ガス圧力のオゾン化酸素ガスが直接吐出されるようにするのが好ましい。この場合、例えば、オゾン発生装置2内の圧力制御バルブとバルブ6Vbとの連携調整、あるいはバルブ6Vbの単独調節により、オゾン発生装置2から吸脱着塔3出口までの圧力、つまりオゾン発生装置2の動作圧力を制御するようにしてもよい。
吸着効率に影響するもうひとつの因子として、オゾン化酸素ガス中のオゾン分圧が挙げられる。オゾン分圧が高いほど吸着量が増加する。オゾン発生装置2における生成オゾン濃度を高めることにより、オゾン分圧を上昇させることができるが、オゾン発生量が一定のもと、オゾン濃度を上昇させると、オゾン発生装置2におけるオゾン生成効率を低下させるため、電力消費が大きくなってしまう。また、吸着部のガス圧力を上昇させることによっても、オゾン分圧を向上させることができるが、酸素の分圧も同時に上昇してしまい、酸素の吸着量が増加するため、ガス圧力を十分に上昇させることもできない。したがって、本実施の形態におけるオゾン分圧は、前述のガス圧力範囲において、高濃度化してもランニングコストが増加しない濃度範囲内において規定される。
オゾン発生装置2において、オゾン発生量一定のもと、出力するオゾン化酸素ガス中のオゾン濃度に対する原料ガス消費量と消費電力の変化を図3および図4にそれぞれ示す。原料ガス消費量および消費電力は、本実施の形態で示されるオゾン発生装置2の一動作条件におけるものである。両図より、オゾン化酸素ガス中のオゾン濃度を高濃度化するのに伴い、消費電力は増大するが、原料ガス消費量は減少する傾向にあることがわかる。すなわち、出力するオゾン濃度が低くなると、消費電力は少ないものの原料ガス消費量が増大する。一方、オゾン濃度が高くなると、原料ガス消費量は少なくなるが消費電力が急増する。
例えば、オゾン濃度が300g/Nmを越える場合、原料ガス消費量は十分小さくなるものの、消費電力の増大は極めて顕著となる。このケースでは、消費電力の増大が顕著すぎて、原料ガス消費の削減効果が功を奏しない。これは、オゾン発生装置2内の放電空間Scにおいて、プラズマ中の電子との衝突や放電空間Scの温度上昇の影響により、生成したオゾンガスの分解効果が著しくなるため、オゾンガスの発生効率が低下することに起因する。オゾン発生装置2においては、原料ガスと電力の消費に伴うランニングコストを総合的に判断して、電力消費の増大を原料ガス消費の削減によりカバーし、コストパフォーマンスに優れた動作ポイントを設定する必要がある。
この観点から、図3、4においては、オゾン濃度が250g/Nm近辺になるように動作させるのが最も経済的であると考えられる。高濃度化してもオゾン発生装置2において、電力消費の増大を原料ガス消費の削減で補える濃度範囲、例えば、オゾン濃度200〜300g/Nmの範囲で動作させることが好ましい。
本実施の形態で示したオゾン供給システム100において、酸素供給装置1Xが液体酸素ボンベの場合、酸素純度は少なくとも99%以上であるため、窒素供給装置1Nを動作させて、適切な量の窒素ガスを原料ガスに添加する必要がある。放電場において、窒素ガスは酸素ガスと同様に解離され、生成されるオゾン化酸素ガス中には窒素酸化物(NO)が同伴される。NOに起因して生成する硝酸はオゾンの吸着を妨害、システム内の接ガス部材を腐食、金属コンタミを生成するなどのため、吸着剤の能力劣化、また目詰まりなどを誘発する。
そこで、図5に示す原料ガスへの窒素添加量とオゾン発生効率との関係と、図6に示すオゾン濃度と副生されるNOの濃度との関係を用いて、窒素添加の条件について検討する。ここで、窒素添加量は、酸素ガス流量に対する窒素ガス流量の割合を示す。図5に示すように、オゾン発生装置2においては、窒素ガス添加量がゼロに近づくほど、オゾン生成効率は極めて低くなり、0.1vol%の添加で、急激にオゾン生成効率が回復することがわかる。オゾン生成効率が最大となる窒素ガス添加量は1.0vol%程度であり、2.0vol%程度まではその効率が維持されるものの、3.0vol%以上にすると逆に低下していく傾向にある。すなわち、オゾン発生装置2に対しては、窒素ガス添加量は0.1〜3.0vol%の範囲に調整することが必要であるが、良好なオゾン生成効率を得るには、窒素ガス添加量を0.5〜2.0vol%の範囲に調整することが好ましい。
つぎに、上述したオゾン発生装置2から出力するオゾン濃度と、原料ガスへの窒素添加量に対して、副生されるNO濃度について検討する。オゾン濃度を上限である300g/Nmとし、窒素ガス添加量を最低限の0.1vol%にしたときでも、図6に示すように副生されるNO濃度は35ppm程度である。この程度の濃度のNOであっても、オゾンが吸脱着塔3において500〜2000g/Nmに濃縮されるのと同時に濃縮される。
濃縮されたNOも、当然ながら、オゾン発生装置2内における挙動と同様に、ガス中の微量水分と反応し容易に硝酸を形成してしまう。濃縮され、濃度が100ppmを超えるNOにより生成された高濃度の硝酸は、オゾンと同様に吸着剤に吸着されてしまい、いわゆる吸着剤を被毒する。したがって、吸着剤のオゾンに対する選択吸着性を阻害し、オゾンの吸着効率を低下させ、また、高濃度であるために、吸着剤そのものを腐食劣化させる。
さらに、冷却されている吸脱着塔3内においては、NO(ほとんどがN)自身はガスから固体と化し、また、硝酸は吸着剤を収納する吸脱着塔3を腐食することにより、金属コンタミを発生する。これらの固形物により、吸脱着塔3内のガス流路に目詰まりを発生させる可能性がある。これらを考慮すると、濃縮されたNOが吸脱着塔3での吸着能力に影響を与えないためには、吸脱着塔3におけるNO濃度を100ppm以下に低減しておく必要があると考えられる。
つまり、吸脱着塔3においては、NOの濃縮は可能な限り避ける必要があり、上述した影響を避けるためには、濃縮後のNO濃度を100ppm以下に制限する必要がある。吸脱着塔3におけるNOの濃縮率を考慮した場合、オゾン発生装置2において生成が許容できるNO濃度は40〜60ppm程度である。この濃度を実現する操作条件を図6から検討すると、オゾン濃度を上限の300g/Nmにしたときに、NO濃度が60ppm以下になる条件として、原料ガスへの窒素添加量を0.2vol%以下にしなければならないことがわかる。
しかしながら、0.2vol%は、オゾン発生効率を保持するための窒素添加量の下限値であり、吸脱着への影響の回避とオゾン発生を両立させる窒素添加量の条件は0.2vol%というピンポイントとなる。つまり、このようなピンポイントを保つ制御では、上方側に振れると吸脱着へ影響がおよび、下方側に振れると効率が落ちるので、制御精度が必要となり、システム構成が困難になる。また、例え制御できたとしても、オゾン発生効率として良好な効率を得られる範囲(0.5〜2vol%)外であり、最大効率を得られる条件ではなく、吸脱着にとっても信頼性の高い条件ではない。
そこで、本実施の形態にかかるオゾン供給システム100では、オゾン発生装置2と吸脱着塔3との間にNOトラップ4を設置した。これにより、オゾン発生装置2で高効率なオゾン発生が可能な条件で動作させることにより、出力されるオゾン化酸素ガス中のNO濃度が高くなっても、吸脱着塔3に供給されるガス中のNO濃度が許容範囲(60ppm以下、より好ましくは40ppm以下)に収まるようになる。
また、窒素供給装置1Nを備えていない場合でも、例えば、酸素供給装置1XにVPSA、あるいは比較的純度の低い酸素ボンベ等を使用する場合は、酸素ガス中の窒素含有量が0.5vol%を超え、オゾン発生装置2から100ppmを越えるNOが生成される。しかし、上述したように、オゾン発生装置2の出力ガスはNOトラップ4において、含有するNO濃度を60ppm以下、好ましくは40ppm以下に落とされるので、吸脱着塔3に供給されるガス中のNO濃度は許容範囲に収まるようになる。
また、オゾン発生装置2で発生させたオゾン化酸素ガスをそのまま吸脱着塔3に導入すると、吸着剤に温度分布(入口側に高温部)が生じ、吸脱着塔3のガス入口部分の吸着効率が低下することが推定される。しかしながら、本実施の形態においては、オゾン発生装置2の出力側から吸脱着塔3に至るフロー部分には温度調節領域6T4が設けられ、図示しない冷凍機等を用いて、吸脱着塔3の温度調節領域6T3よりもむしろ低い温度に冷却されている。そのため、オゾン化酸素ガスの温度は、吸脱着塔3に導入された時点で、すでに吸着に必要な温度以下に冷却されている。したがって、吸脱着塔の入口側温度が高くなって、吸着に必要な温度まで下がらなくなるような温度分布が発生することもなく、高効率なオゾンガスの吸着を実現できる。
上記のような条件でオゾンの吸着が継続するが、この吸着モードの間はバルブ6Vdが常に閉状態であるため、当然ながら、オゾンを用いた処理システム80にオゾンは供給されていない。吸着剤が破過、すなわち、オゾンの飽和吸着量を超えたのちも吸着モードを継続すると、吸脱着塔3から非吸着成分ガスとともにオゾンがリークするため、そのタイミングまでに吸着モードから次に示す脱着モードへ移行することになる。
<脱着モード>
脱着モードにおいては、原料ガスの供給およびオゾン発生装置2を停止し、バルブ6Vaおよびバルブ6Vbが閉状態、バルブ6Vcおよびバルブ6Vdが開状態となる。これらの動作に同期して、吸脱着塔3を温度制御する冷凍機300もその動作を停止する。この状態において、酸素供給装置1Xから酸素ガスがパージガスライン6Lpを通って吸脱着塔3にパージガスとして供給され、エジェクタ8には駆動流体供給部7から駆動流体が供給される。
脱着は、高温かつ低圧力であるほうが脱着効率の観点からは望ましい。したがって、吸脱着塔3を温度制御する冷凍機300の動作を停止し、かつ、エジェクタ8の吸引力により吸脱着塔3の圧力を100Torr程度まで減圧する。脱着モードでの吸脱着塔3の温度はパージガスにより吸着時の低温状態から開放され、吸着モード時よりも高い温度となるのが望ましく、−40℃以上とするのがより好ましい。その結果、オゾン発生装置2により生成されたオゾンを吸着濃縮したオゾンガスがパージガスとともに脱着ガスとして吸引され、500〜2000g/Nmの超高濃度オゾンガスとなる。さらに、超高濃度オゾンガスはエジェクタ8の駆動流体と混合され、オゾン濃度・流量制御部9を経てオゾンを用いた処理システム80に注入される。
なお、パージガス流量はオゾン濃度・流量制御部9における設定オゾン濃度により制御され、オゾンを用いた処理システム80へ注入されるオゾンガスの実効的なオゾン濃度が制御される。また、駆動流体は酸素、窒素および空気など密度が小さい気体であり、また、被吸引流体は非凝縮性気体であるため、エジェクタ8の効率化の観点より、被吸引ガス/駆動流体のガス流量比を0.3〜0.7となるように設定している。これは、一般にエジェクタのポンプ効率が、ガス流量比が0.4付近で最大効率となる凸型の傾向を示すためである。また、被吸引ガス流量一定とした場合、ガス流量比を0.3未満に減少させると駆動流体流量が大きくなり経済性が低下する。一方、ガス流量比を0.7以上に増大させると、被吸引ガスと駆動流体の混合性が低下する。
また、これらの動作に同期して、NOトラップ4を含む温度調節領域6T4も昇温するとともに、バルブ6Veおよびバルブ6Vfを開状態とし、パージガス供給部400からパージガスがNOトラップ4に供給され、トラップされたNOを排NO処理部401へ排出する。NO排出時のNOトラップ4の温度はトラップされたNOの状態に関らず排出できればよいので、パージガスの導入にともなって実現される温度で問題がない。ただし、効率的なNO排出を考慮した場合、NOトラップ4内部の凍結状態が解除できることが望ましく、0℃以上とするのが好ましい。ここで、パージガスは、吸脱着塔3のパージガスと同じ、すなわち酸素供給装置1Xから供給される酸素を使用してもよい。さらに、酸素に限らず、アルゴン、窒素および乾燥空気などを用いてもよい。
この排NO処理工程は、吸脱着塔3の脱着モードの間だけ作用し、吸着モードへの移行とほぼ同時に工程を終了する。ここで、NOトラップ4と排NO処理部401間に図示しない真空ポンプなどの吸引機器を設置し、脱着工程終了前に、NOトラップ4内を若干負圧になる程度にまで減圧しておき、不純物を排除しておくとなおよい。なお、ここで示した排NO処理部401は、酸性排ガスまたは排水処理設備、中和処理設備および廃棄用充填容器などを示す。
上記、吸着モードおよび脱着モードを繰り返し、つまり、オゾン発生装置2の運転および停止を繰り返すことにより、オゾン発生装置2では、高効率で運転できるオゾン濃度のオゾン化酸素ガスを出力し、吸脱着塔3から濃縮したオゾン化酸素ガスを間欠的に出力することができる。つまり、オゾン処理に必要とされる高濃度のオゾン化酸素ガスを、高効率で間欠的に安定してオゾンを用いた処理システム80へ注入することができる。
この構成によれば、オゾン発生装置2が極めて経済的に取り扱われる。さらに、原料ガスである酸素ガスの純度を問わず、かつ吸脱着塔3に導入するオゾン化酸素ガス中の窒素酸化物が吸着能力に影響を与えないように管理されているため、吸脱着塔へ導入される窒素酸化物量が制限され、システム全体を極めて高効率かつ安定に動作させることができる。したがって、オゾン供給システム100の電力消費が大幅に抑制され、かつ処理システム80に供給するために、500〜2000g/Nmの高濃度オゾンガスを発生させることができる。
なお、本実施の形態および以降の実施の形態においては、NOトラップ4として、トラップしたNOを簡単に放出できる例として、単純に冷却によってNOを除去する例について示しているが、これに限ることはない。例えば、NOと反応する塩基性の材料あるいは、オゾンよりもNO選択性の高い吸着特性を示す適当な吸着剤を用いてもよいのは言うまでもない。このとき、吸脱着塔3における吸着/脱着が切り替わる温度範囲内でNOの吸着/放出が切り替わる特性の吸着剤をNOトラップ4に用いることができれば、温度調節領域6T4を温度調節領域6T3に付随させるだけで、NOトラップ4での吸着/放出を切り替えることができる。
オゾン供給システムの応用例
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるオゾン供給システムから供給されるオゾンを利用する処理システムの例として、排水処理システムの構成を示す。図7に示すように、排水処理システム80Wは、有機物を含む排水を好気性処理するための曝気槽83と、曝気槽83から引き抜いた排水にオゾン供給システム100から供給されたオゾン化酸素ガスを注入してオゾン処理を行うオゾン処理部85と、排水から汚泥を分離する沈降槽88と、オゾン処理部85から排出された余剰オゾンを処理する排オゾン処理部87とを有している。
曝気槽13に導入された有機物を含む排水は好気性処理が施され、好気性処理された余剰汚泥を含有した処理水の一部が循環ポンプ84aによりオゾン処理部85へ引き抜かれる。ここで余剰汚泥発生量は3000kg/dayである。汚泥に対する必要オゾン量を90mg/g−汚泥とした場合、およそ280kg/dayのオゾンガスが必要となる。オゾン処理部85には実施の形態1で示したオゾン供給システム100が接続されている。その内部のオゾン発生装置2においては200g/Nmのオゾンガスが生成されており、吸脱着動作により濃縮され、オゾン濃度が1000g/Nmに高められたオゾンガスが、引き抜かれた処理水に注入される。
また、オゾン供給システム100での間欠動作を吸着5.5時間、脱着0.5時間を1サイクルとする1日4サイクルに設定した。オゾン処理部85でオゾン処理された処理水は再び曝気槽83へ返送され、余剰オゾンは排オゾンとしてオゾン処理部85から排オゾン処理部87へ排出される。曝気槽83においては、処理水は沈降槽88に送られ、処理水から汚泥が分離される。分離された汚泥は再び循環ポンプ84bを介して曝気槽83へ返送され、上澄み水が放流される。このプロセスにより、余剰汚泥をほぼ100%減容することができる。
本実施の形態にかかる排水処理システム80Wでは、オゾン処理部85内で、高濃度オゾンを集中的に注入することにより、オゾン処理時の単位時間当たりの被処理体へのオゾン注入量が極めて高くなり、汚泥中の微生物の可溶化、無機化を促進し、曝気槽83に戻したときの分解性を高めている。また、オゾンガスの超高濃度化に伴い、オゾン処理部85へ注入するオゾンガス量を減少することができ、オゾン処理部85におけるオゾンの吸収効率が向上し、処理対象とオゾンの反応効率も改善される。
以上のように、本実施の形態1にかかるオゾン供給システム100によれば、原料ガス中で放電させて、オゾン化酸素ガスを発生させるオゾン発生装置2と、窒素を含有する酸素ガスを原料ガスとして、オゾン発生装置2に供給する原料ガス供給装置1と、温度に応じてオゾンを吸着剤に吸着または脱着させる吸脱着装置(吸脱着塔3)と、吸脱着装置(吸脱着塔3)の温度を制御する温度制御装置(冷凍機300と温度調節領域6T3)と、吸脱着装置(吸脱着塔3)を第1の温度(−40℃、好ましくは−50〜−70℃)以下に冷却するとともに、吸脱着装置(吸脱着塔3)にオゾン発生装置2で発生させたオゾン化酸素ガスを供給して吸着剤にオゾンを吸着させる第1のモード(吸着モード)と、吸脱着装置(吸脱着塔3)を第1の温度よりも高い第2の温度(少なくとも−40℃)以上に昇温するとともに、オゾン発生装置2が発生させたオゾン化酸素ガスよりも高濃度のオゾンを含むガスを吸脱着装置3から出力させる第2のモード(脱着モード)、とを交互に実行するよう、当該システム内の機器を連携して制御する図示しない制御装置と、オゾン発生装置2と吸脱着塔3との間に設けられた、窒素酸化物除去装置(NOトラップ4)と、を備えるように構成した。
そのため、高効率なオゾン発生が可能な条件(例えば、オゾン濃度200〜300g/Nm、窒素添加量0.5〜2vol%)でオゾン発生装置2を運転させても、吸脱着装置(吸脱着塔3)に供給されるオゾン化酸素ガスの窒素酸化物濃度が許容範囲(40〜60ppm以下)に収まるので、効率よくオゾンを発生できるとともに、吸着剤の劣化が抑えられ、濃縮した高濃度のオゾンガス(500〜2000g/Nm)の間欠供給を安定して行うことができる。したがって、オゾン供給システム100を排水処理システム80Wのようなオゾン処理装置に導入すれば、高濃度オゾンガスを効率的に被処理体に作用させることができ、オゾン処理にかかわる電力消費を削減できる。すなわち、余剰汚泥を低ランニングコストでほぼ100%減容することが可能となる。
さらに、窒素酸化物除去装置(NOトラップ4)が、温度に応じて窒素酸化物を吸収または放出する特性を有し、温度調節装置(冷凍機300と温度調節領域6T)は、吸脱着装置(吸脱着塔3)の温度調節に同期して窒素酸化物除去装置(NOトラップ4)も温度調節するようにしたので、吸着モードではNOを吸着し、脱着モード時にはNOを放出して窒素酸化物除去装置(NOトラップ4)を再生しながら運転することができる。
また、吸着モードにおいてオゾン発生装置2が発生させたオゾン化ガスは、200〜300g/Nmのオゾン濃度を有し、脱着モードにおいて吸脱着塔3から(エジェクタ8に向かって)出力されるガスは、500〜2000g/Nmのオゾン濃度を有するように構成(運転条件を設定)したので、オゾン発生装置2での原料ガス消費と消費電力のバランスがよく、しかも、発生したオゾンによる処理効率が高くなる。
さらに、原料ガス中の窒素含有量が0.5〜2vol%になるように構成したので、オゾン発生装置2でのオゾン発生効率が高い。
このとき、原料ガス供給装置1に、VPSA(真空圧スイング吸着方式)の酸素供給装置1Xを用いれば、窒素添加をしなくとも、必要な窒素が含まれることになり、ランニングコストを下げることができる。さらには、窒素供給装置1Nを省略することも可能になる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかるオゾン供給システムについて説明する。本実施の形態2にかかるオゾン供給システムは、基本的な構成および動作は実施の形態1と同様であるが、脱着時にパージガスが通る配管が昇温されるように構成されている点が特徴的である。図8は本実施の形態2にかかるオゾン供給システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す系統図である。図中、実施の形態1にかかるオゾン供給システムの構成機器と同様あるいは対応する部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図8に示すように、本実施の形態2にかかるオゾン供給システム100では、オゾン発生装置2を冷却するための冷却器として、パージガスライン6Lpと熱交換が可能な熱交換器201を設けるようにした。そして、熱交換器201に接続された配管のAとパージガスライン6LpのA、熱交換器201に接続された配管のBとパージガスライン6LpのBとを接続する。これにより、吸着モード時には、実施の形態1と同様に、冷凍機300により温度調節領域6Tの温度を低温に制御し、一方、脱着モード時には冷凍機300が停止されるとともに、熱交換器201によりオゾン発生装置2で生成された熱によりパージガスを昇温することができる。
このように、オゾン発生装置2の排熱を利用することで、脱着時の吸脱着塔3の温度を、吸着時よりも高い温度である、好ましくは−40℃以上、さらに好ましくは0℃以上50℃以下に容易に設定することができる。脱着時においては、吸着剤の温度を高温とするのが好ましいが、あまり高温にするとオゾンが熱分解するために注意が必要である。温度の上限は、オゾンの熱分解が多少あるものの、NO(N)が固化せずに気化できる温度として50℃以下とするのが望ましい。熱交換器201ではオゾン発生装置2側に供給される媒体が水などの液体であり、これはオゾン発生装置2の冷却に寄与する。また、そこから回収されたオゾン発生装置2における放熱を用いてパージガスライン6Lpを流れるパージガスを昇温する。したがって、脱着モード時の吸着剤温度を上昇することができ、オゾンガスの脱着効率を改善できる。
また、NO排出時のNOトラップ4の温度はトラップされたNOの状態に関らず排出できればよいので、パージガスの導入にともなって実現される温度で問題がない。ただし、効率的なNO排出を考慮した場合、NOトラップ4内部の凍結状態が解除できることが望ましく、0℃以上とするのが好ましい。また、パージガス供給部400からのパージガスとして、吸脱着塔3に供給するパージガスと同じガスを使用する場合は、熱交換器201によって昇温されたパージガスを用い、吸脱着塔3と同様の温度となるように設定すれば、よりNOの排出が円滑になる。
以上のように、本実施の形態2にかかるオゾン供給システム100によれば、オゾン発生装置2で発生した熱を回収する熱交換器201が設けられ、第2のモード(脱着モード)では、吸脱着塔3に流すパージガスが、熱交換器201を介して昇温されるように構成したので、脱着時の吸着剤温度が上昇し、オゾンガスの脱着効率を改善することができる。したがって、オゾン発生装置2の高効率利用に加え、システム全体の効率改善にもつながり、高濃度オゾンガスを効率的に被処理体に作用させることができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3にかかるオゾン供給システムについて説明する。本実施の形態3にかかるオゾン供給システムは、基本的な構成および動作は実施の形態1と同様であるが、吸脱着塔の温度制御にヒータが追加され、冷凍機とヒータの両方で温度制御できるようにしている点が異なる。図9は本実施の形態3にかかるオゾン供給システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す系統図である。図中、実施の形態1にかかるオゾン供給システムの構成機器と同様あるいは対応する部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態3にかかるオゾン供給システム100では、吸脱着塔3を含めた温度調節領域6Tの温度制御に、ヒータ301を追加した。また、パージガスライン6Lpも温度調節領域6T内に入れるようにした。本実施の形態3にかかるオゾン供給システム100では、吸着モードでは実施の形態1と同様に冷凍機300により温度調節領域6Tの温度を低温に制御する。一方、脱着モードでは、冷凍機300を停止するとともに、ヒータ301により、水や温ブラインを加温して温度調節領域63Tの温度を少なくとも吸着モード時の温度より上昇させる。好ましくは−40℃以上とし、さらに好ましくは0℃以上50℃以下に設定する。
脱着時においては、吸着剤の温度を高温とするのが好ましいが、あまり高温にするとオゾンが熱分解するために注意が必要である。温度の上限は、オゾンの熱分解が多少あるものの、NO(N)が固化せずに気化できる温度として50℃以下とするのが望ましい。上記温度制御により、脱着温度が上昇するため、吸脱着塔3における脱着効率が向上する。また、パージガスライン6Lpも温度調節領域63T内に組み込まれているため、吸脱着塔3に導入されるパージガスは、吸脱着塔3に導入される前に吸着剤と同様の温度に達している。そのため、吸着剤に温度分布が発生せず、オゾンガスの脱着効率を妨げることなく、高効率なオゾンガスの脱着を実現できる。さらに、NOトラップ4内の温度も吸脱着塔3と同様に昇温されるため、その内部にトラップしたNO成分を液化もしくは気化するため、容易に排出することができ、次の吸着モードの開始時、すなわち、バルブ6Vaが開状態となる際に残留NOが吸脱着塔3に導入されるのを防止することができる。
この構成によれば、脱着時の温度を効果的に上昇させることができるため、オゾンガスの脱着効率を改善することができる。したがって、オゾン発生装置2の高効率利用に加え、システム全体の効率改善にもつながり、高濃度オゾンガスを効率的に被処理体に作用させることができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4にかかるオゾン供給システムについて説明する。本実施の形態4にかかるオゾン供給システムは、実施の形態2と3にかかるオゾン供給システムの温度調整に関連する構成を部分的に組み合わせたものであり、オゾン発生装置の排熱を吸脱着塔の温度制御(昇温)に利用できるようにしたものである。図10は本実施の形態4にかかるオゾン供給システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す系統図である。図中、実施の形態2あるいは3にかかるオゾン供給システムの構成機器と同様あるいは対応する部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図10に示すように、本実施の形態4にかかるオゾン供給システム100では、オゾン発生装置2を冷却するための冷却器として、冷媒との熱交換が可能な熱交換器201を設けた。そして、熱交換器201に接続された配管のAと温度調節領域6TのA、熱交換器201に接続された配管のBと温度調節領域6TのBを接続することで、熱交換器201により、温度調節領域6Tの温度調整に用いるブライン等を昇温できるようにした。これにより、本実施の形態においては、吸着モード時には、実施の形態3と同様に冷凍機300により温度調節領域6Tの温度を低温に制御する。そして、脱着モード時には冷凍機300が停止され、熱交換器201によりオゾン発生装置2で生成された熱を、熱交換器201と温度調節領域6T内を流通する流体を用いて温度上昇に利用する。
脱着時の吸脱着塔3の温度は、少なくとも吸着モード時の温度より上昇させるのがよく、好ましくは−40℃以上、さらに好ましくは0℃以上50℃以下に設定する。脱着時においては、吸着剤の温度を高温とするのが好ましいが、あまり高温にするとオゾンが熱分解するために注意が必要である。温度の上限は、オゾンの熱分解が多少あるものの、NO(N)が固化せずに気化できる温度として50℃以下とするのが望ましい。熱交換器201はオゾン発生装置2側に供給される媒体が水などの液体であり、これはオゾン発生装置2の冷却に寄与し、温度調節領域6T側に供給される媒体が空気などの気体または水などの液体で、吸脱着塔3の温度上昇に寄与するように作用する。
上記温度制御により、脱着温度が上昇するため、吸脱着塔3における脱着効率が向上する。また、パージガスライン6Lpも温度調節領域6T内に組み込まれているため、吸脱着塔3に導入されるパージガスは、吸脱着塔3に導入される前に吸着剤と同様の温度に達している。そのため、吸着剤に温度分布が発生せず、オゾンガスの脱着効率を妨げることなく、高効率なオゾンガスの脱着を実現できる。さらに、NOトラップ4内の温度も吸脱着塔3と同様に昇温されるため、その内部にトラップしたNO成分を液化もしくは気化するため、容易に排出することができ、次の吸着モードの開始時、すなわち、バルブ6Vaが開状態となる際に残留NOが吸脱着塔3に導入されるのを防止することができる。
以上のように、本実施の形態4にかかるオゾン供給システム100によれば、オゾン発生装置2で発生した熱を回収する熱交換器201が設けられ、第2のモード(脱着モード)では、吸脱着塔3の温度を調節する温度調節領域6Tを流れるブラインが、熱交換器201を介して昇温されるように構成したので、オゾンガスの脱着効率を改善することができる。したがって、オゾン発生装置2の高効率利用に加え、システム全体の効率改善にもつながり、高濃度オゾンガスを効率的に被処理体に作用させることができる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5にかかるオゾン供給システムについて説明する。本実施の形態5にかかるオゾン供給システムは、オゾンの生成や濃縮(脱着)についての基本構成および動作は実施の形態1と同様であるが、エジェクタの駆動流体が循環されている点が異なる。図11は本実施の形態5にかかるオゾン供給システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す系統図である。図中、実施の形態1にかかるオゾン供給システムの構成機器と同様あるいは対応する部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図11に示すように、本実施の形態5にかかるオゾン供給システム100では、脱着時に濃縮されたオゾン化酸素ガス(脱着ガス)を吸引するエジェクタ8に流す駆動流体を循環させるために、エジェクタ8の2次側と1次側をつなぐとともに、循環ポンプ8cを有する循環ライン8Lrを設けた。エジェクタ8に流す駆動流体は、脱着ガスの吸引にのみ作用しているため、使用する駆動流体は原料ガス供給装置1から得られる酸素の他、アルゴン、窒素や乾燥空気などのガスを用いることができる。駆動流体を循環させることで、ガス使用量を抑えることができるので、脱着ガスの希釈率を低減でき、駆動流体用のガスコストを低減できる。なお、脱着された高濃度オゾンガスに窒素や空気が駆動流体として混合されたとしても、この混合ガスが放電場に曝される訳ではないので、当然ながら窒素酸化物は生成されない。
この構成によれば、エジェクタ8に流れる駆動流体の流量を減少させることなく、オゾン化ガスを希釈してしまうガス量を低減することができるため、システムにおけるガスコストを低減することができる。したがって、オゾン発生装置2の高効率利用に加え、システム全体の効率改善にもつながり、高濃度オゾンガスを効率的に被処理体に作用させることができる。
なお、上記各実施の形態1〜5にかかるオゾン供給システム100は、それぞれ記載した例の単独の形態とは限らず、複数の形態、あるいは要素の一部を組み合わせて構成してもよい。また、単独の形態あるいは組み合わせにかかるオゾン供給システム100は、実施の形態1の応用例に示した排水処理システム80Wに限らず、上下水処理およびパルプ漂白など大容量のオゾンが必要とされる用途へ適用できる。
このように、各実施の形態に示された要素を組み合わせすることにより、オゾン発生装置2の効率的な利用、吸脱着塔3における吸脱着効率の改善あるいはエジェクタ8の駆動流体流量の低減が実現できるため、オゾン供給システム100全体の効率改善が実現でき、高濃度オゾンガスを効率的に被処理体に作用させることができる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6にかかるオゾン供給システムについて説明する。本実施の形態6にかかるオゾン供給システムは、基本的な構成および動作は実施の形態1と同様であるが、ガス供給装置に窒素供給装置を設けていない点が特徴的である。図12と図13は本実施の形態6にかかるオゾン供給システムについて説明するためのもので、図12はオゾン供給システムの機器構成、制御系統、フロー系統等を示す系統図、図13は本実施の形態にかかるオゾン供給システムに用いる放電式のオゾン発生装置の電極構造を示す断面模式図である。図中、実施の形態1にかかるオゾン供給システムの構成機器と同様あるいは対応する部材には、同じ符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図12に示すように、本実施の形態6にかかるオゾン供給システム100では、原料ガス供給装置1に、窒素を添加するための窒素供給装置を備えておらず、原料ガス源は酸素供給装置1Xのみとなる。
上記酸素供給装置1XにVPSA、あるいは比較的純度の低い酸素ボンベ等を使用する場合は、窒素添加をしなくとも、原料ガス中に窒素が含有されることになるので、窒素添加以外の動作は基本的に上記各実施の形態1〜5と同様になる。
一方、酸素供給装置1Xに比較的純度が高い液体酸素ボンベを用いた場合は、オゾン発生装置2の放電空間Scにおいて、窒素酸化物はほとんど発生することはない。したがって、吸脱着塔3に窒素酸化物が含有されないオゾン化酸素ガスが供給される。そのため、吸脱着塔3において吸着剤の経時劣化が発生することなく、安定かつ高効率な間欠オゾン供給システムを構築することができる。
なお、本実施の形態においては、吸着モードでは、NOトラップ4は原料酸素ガス中に含有される不純物窒素成分に起因して発生する極微量窒素酸化物を除去し、極めてクリーンなオゾン化酸素ガスの生成およびオゾン化酸素ガスの冷却に寄与する。そして、脱着モードにおいては、極微量の排NO処理が必要になる程度であるが、システム内の不純物混入を抑制するため、パージガス供給部400から供給されるパージガスは原料ガスである酸素ガスに限られる。よって、本システム内を不純物が極めて少ないクリーンな状態に維持することができる。
また、本実施の形態6にかかるオゾン供給システム100に用いるオゾン発生装置2は、原料ガス中の窒素含有量が少ないにもかかわらず、高効率な高濃度オゾン発生を実現する必要がある。そのため、図13に示すように、接地電極、高電圧電極のそれぞれの放電空間Sc側の表面には、表面抵抗率が比較的低い金属酸化物や貴金属触媒を担持した酸化物皮膜からなる低抵抗体31、32が形成されている。
低抵抗体31、32は、当該電極の電気特性および触媒活性により、その表面抵抗率が10〜1011Ωに規定される金属酸化物である。この低抵抗体は両電極表面に配されるのが最も好適であるが、必ずしも両電極表面に設置する必要はなく、低抵抗体31または32のいずれか一方のみでも効果的である。また、低抵抗体32は、誘電体22の表面抵抗率が10〜1011Ωの場合は、誘電体22表面が低抵抗体の電気特性を兼ねるため省略することができる。さらに、図示しないが、低抵抗体31および32の代わりに貴金属触媒が担持された酸化物皮膜を用いても、その触媒活性により前述同様の効果が得られる。また、図13においては、平行平板状の電極構造を有するオゾン発生装置により説明したが、いわゆる同心同軸状の電極構造である円筒管式オゾン発生装置においても適用できることは言うまでもない。
なお、本実施の形態7は、実施の形態1のみに関するものではなく、他の実施の形態2〜5またはそれらを組み合わせた構成に対して適用しても効果的であることは言うまでもない。この構成によれば、実施の形態1で示した間欠オゾン供給システムにおいて、窒素を添加せずとも高効率なオゾン発生が実現できるため、吸脱着塔3において、窒素酸化物による弊害も発生しない。NOトラップ4は被吸着ガスの冷却にもっぱら作用する。したがって、吸着効率が高く、極めて高効率かつ金属コンタミが発生しないクリーンなオゾン供給システム100が実現でき、排水処理、上下水処理およびパルプ漂白だけでなく、半導体や液晶製造プロセスなどの電子デバイス分野にも該装置を適用することができる。
つまり、有機物を含む排水に好気性処理を行う曝気槽83と、好気性処理によって曝気槽83内に発生した汚泥を含有する排水の一部を引き抜くとともに、引き抜いた排水に上記各実施の形態あるいはそれらの要素の一部を組み合わせて構成したオゾン供給システム100から供給されたオゾンを含むガスを注入して、曝気槽83に返送するオゾン処理部85と、を備えたこと排水処理システム80Wを構成すれば、汚泥を効果的に減容することができる。
1:ガス供給装置、 2:オゾン発生装置、 3:吸脱着塔(吸脱着装置)、 4:NOトラップ(窒素酸化物除去装置)、 6:配管系統、 6C:循環ポンプ(ガス循環手段)、 6Lp:パージガスライン、 6Lr:リサイクルライン、 6T:温度調節領域(温度調節装置)、 80W:排水処理システム、 100:オゾン供給システム、 201:熱交換器、 300:冷凍機(温度調節装置)、 301:ヒータ。

Claims (7)

  1. 原料ガス中で放電させて、オゾン化酸素ガスを発生させるオゾン発生装置と、
    窒素を含有する酸素ガスを前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に供給する原料ガス供給装置と、
    温度に応じてオゾンを吸着剤に吸着または脱着させる吸脱着装置と、
    前記吸脱着装置の温度を調節する温度調節装置と、
    前記吸脱着装置を第1の温度以下に冷却するとともに、前記吸脱着装置に前記オゾン発生装置で発生させたオゾン化酸素ガスを供給し、前記吸着剤にオゾンを吸着させる第1のモードと、前記吸脱着装置を前記第1の温度よりも高い第2の温度以上に昇温して、前記オゾン発生装置が発生させたオゾン化酸素ガスよりも高濃度のオゾンを含むガスを出力させる第2のモード、とを交互に実行するよう、当該システム内の機器を連携して制御する制御装置と、
    前記オゾン発生装置と前記吸脱着装置との間に設けられた窒素酸化物除去装置と、
    を備え
    前記窒素酸化物除去装置は、温度に応じて窒素酸化物を吸収または放出する特性を有し、
    前記温度調節装置は、前記吸脱着装置の温度調節に同期して、前記窒素酸化物除去装置も温度調節し、前記第1のモードにおいては、前記オゾン発生装置の出力側から前記吸脱着装置に至るフロー部分は前記吸脱着装置よりも低い温度に冷却されていることを特徴とするオゾン供給システム。
  2. 前記第1のモードにおいて前記オゾン発生装置が発生させたオゾン化酸素ガスは、200〜300g/Nm3のオゾン濃度を有し、
    前記第2のモードにおいて前記吸脱着装置から出力されるガスは、500〜2000g/Nm3のオゾン濃度を有することを特徴とする請求項に記載のオゾン供給システム。
  3. 前記原料ガス中の窒素含有量が0.5〜2vol%であることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給システム。
  4. 前記原料ガス供給装置は、真空圧スイング吸着方式の酸素供給装置であることを特徴とする請求項に記載のオゾン供給システム。
  5. 前記オゾン発生装置で発生した熱を回収する熱交換器が設けられ、
    前記第2のモードでは、前記吸脱着装置および前記吸脱着装置に供給するパージガスのうち少なくともいずれかが、前記熱交換器を介して昇温されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のオゾン供給システム。
  6. 有機物を含む排水に好気性処理を行う曝気槽と、
    前記好気性処理によって前記曝気槽内に発生した汚泥を含有する排水の一部を引き抜くとともに、引き抜いた排水に請求項1ないしのいずれか1項に記載のオゾン供給システムから供給されたオゾンを含むガスを注入して、前記曝気槽に返送するオゾン処理部と、を備えたことを特徴とする排水処理システム。
  7. 原料ガス中で放電させて、オゾン化酸素ガスを発生させるオゾン発生装置と、
    窒素を含有する酸素ガスを前記原料ガスとして、前記オゾン発生装置に供給する原料ガス供給装置と、
    温度に応じてオゾンを吸着剤に吸着または脱着させる吸脱着装置と
    前記吸脱着装置の温度を調節する温度調節装置と、
    前記吸脱着装置を第1の温度以下に冷却するとともに、前記吸脱着装置に前記オゾン発生装置で発生させたオゾン化酸素ガスを供給し、前記吸着剤にオゾンを吸着させる第1のモードと、前記吸脱着装置を前記第1の温度よりも高い第2の温度以上に昇温して、前記オゾン発生装置が発生させたオゾン化酸素ガスよりも高濃度のオゾンを含むガスを出力させる第2のモード、とを交互に実行するよう、当該システム内の機器を連携して制御する制御装置と、
    前記オゾン発生装置と前記吸脱着装置との間に設けられた窒素酸化物除去装置と、
    を備え、
    前記オゾン発生装置で発生した熱を回収する熱交換器が設けられ、
    前記第2のモードでは、前記吸脱着装置および前記吸脱着装置に供給するパージガスのうち少なくともいずれかが、前記熱交換器を介して昇温されることを特徴とするオゾン供給システム。
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