JP5889102B2 - 防潮構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、陸上における津波または洪水発生領域に設けられる防潮構造物に関する。
海辺や河川の近傍では、津波や洪水などの非常時に備えて、防潮堤などの防潮構造物を構築することがある。このような防潮構造物として、従来、柱状体に壁体を取り付けた波浪防護構造物がある(たとえば、特許文献1参照)。この波浪防護構造物は、垂直方向に立設した複数のH形鋼を備えるとともに、隣接するH形鋼の各々の間を塞ぐよう壁体を備えており、壁体における波浪を受ける面を覆うようにして緩衝材が設置されているものである。
そのほかの防潮構造物として、支柱に取り付けられた波浪板によって波の襲来を防止するものもある(たとえば、特許文献2参照)。この波浪板は、海中に立設された鋼管のパイルなどの支柱に取り付けられている。その取付構造として、支柱に2枚の取付け用プレートが溶接されており、この取付け用プレートと固定用楔体とを用いて波浪板を取り付けるというものである。
特開2008−184760公報 特開平9−53218号公報
しかし、上記特許文献1に開示された波浪防護構造物では、柱状体としてH形鋼を用いている。このため、たとえば地震などが発生した場合には、支柱体が傾倒または転倒してしまい、壁体による波浪からの防護を確実に行うことが難しくなるという問題があった。特に、海洋における津波は、地震とともに発生することがあり、津波を防護するためには不安があるものであった。
また、特許文献2に開示された波浪板は、鋼管の支柱に取り付けられており、傾倒等の危険性が少ないものである。しかし、波浪板を支柱に取り付ける際に、2枚の取付け用プレートや固定用楔体など、波浪板を支柱に取り付ける際の特別な形状の部材を必要としている。このため、汎用性の高い部材を用いることが困難となるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、地震によっても傾倒または転倒の可能性が低く安定した状態を維持することができるとともに、汎用性の高い部材を用いて構築することができる防潮構造物を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る防潮構造物は、陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、複数の単杭同士の間に横方向部材が掛け渡され、横方向部材に防潮板が取り付けられていることを特徴とする。
本発明に係る防潮構造物は、一方向に沿って並設された複数の単杭に防潮板が取り付けられているため、地震によっても傾倒または転倒の可能性が低く安定した状態を維持することができる。さらに、複数の単杭同士の間に横方向部材が掛け渡され、横方向部材に防潮板が取り付けられている。この横方向部材としては、汎用性のある棒材、たとえばH形鋼を用いることができる。したがって、地震によっても傾倒または転倒の可能性が低く安定した状態を維持することができるとともに、汎用性の高い部材を用いて構築することができる。
ここで、横方向部材に取り付けられる縦方向部材を備え、防潮板における側面が縦方向部材に固定されているようにすることができる。このように、防潮板における側面が縦方向部材に固定されていることにより、防潮板の隙間からの浸水を防止することができる。
また、横方向部材がH形鋼であり、防潮板は、H形鋼におけるフランジ部分に固定されて取り付けられているようにすることができる。
このように、横方向部材としてH形鋼を用いることにより、そのフランジ部分に防潮板を固定することができる。したがって、防潮板の取り付けを容易に行うことができる。
さらに、横方向部材が、単杭における津波または洪水発生側に取り付けられているようにすることができる。このように、横方向部材が、単杭における水側に取り付けられていることにより、防潮性を高いものとすることができる。ここで、津波または洪水発生側とは、防潮堤が海岸沿いに構築される場合には沖側、河川や湖沼沿いに構築される場合には、河川や湖沼側をいう。
また、単杭が、鋼管杭または既製コンクリート杭であるようにすることができる。このように、単杭としては、鋼管杭または既製コンクリート杭を好適に用いることができる。さらには、鋼管杭を用いる場合には、鋼管の内側にコンクリートを充填したコンクリート充填鋼管杭を用いることもできる。
さらに、単杭が鋼管杭であり、鋼管杭の内側に中詰めコンクリートが充填されており、防潮壁は、フックを介して鋼管杭の上端に取り付けられているようにすることができる。防潮壁がフックを介して鋼管杭の上端に取り付けられていることにより、単杭の設置位置に施工誤差が生じた場合でも、その施工誤差を吸収することができる。
また、防潮板がポリカーボネート板であるようにすることができる。このように、防潮板がポリカーボネート板であることにより、防潮板を軽量かつ強度の大きいものとすることができる。さらには、透明性や耐久性が高いとともに衝撃力に強く、漂流物が衝突した場合などによる破損を防止することもできる。他方、ポリカーボネート板を用いる場合、1枚のみを用いることもできるし、複数枚重ねて用いることもできる。
さらに、上記課題を解決した本発明に係る防潮構造物は、陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、複数の単杭に対して笠コンクリートが取り付けられ、笠コンクリートにおける一側面が地表面まで延在して形成されて、防潮壁とされていることを特徴とする。このように、防潮壁として笠コンクリートにおける一側面が地表面まで延在して形成されたものを用いることにより、地震によっても傾倒または転倒の可能性が低く安定した状態を維持することができるとともに、汎用性の高い部材を用いて構築することができる。
また、隣接する単杭同士の間の距離が、アーチ効果抑制距離とされているようにすることができる。このように、隣接する単杭同士の間の距離が、アーチ効果抑制距離とされていることにより、地盤が液状化した際に生じる側方流動による単杭への荷重を効果的に防止することができる。ここで、アーチ効果抑制距離とは、側方流動が生じた際に、単杭間にアーチ効果が発生しない距離である。アーチ効果抑制距離の具体的な数値等は、土壌条件等によって適宜算出されるが、たとえば隣接する単杭の間における中心点間の距離とした場合に、単杭の径の2.5倍以上の距離とされる。
また、横方向部材に対して水平軸周りに揺動可能にされて取り付けられたカットオフ矢板が地盤に埋設されているようにすることができる。このように、カットオフ矢板が埋設されていることにより、津波または洪水発生側における洗掘や地表面沈下による海水の浸水を防止するとともに、陸側から側方流動によって移動する土をたとえば海洋の方向に容易に逃がすことができる。
さらに、防潮壁の下端位置は、側方流動力の影響を受けない高さ位置とされているようにすることができる。このように、防潮壁の下端部が側方流動力の影響を受けない高さ位置とされていることにより、側方流動による防潮壁の流動を防止することができる。ここで、側方流動力の影響を受けない高さ位置とは、地表面よりも高い位置または、地中に根入れされた場合における側方流動が生じる可能性が低い高さ位置を意味する。
本発明に係る防潮構造物によれば、地震によっても傾倒または転倒の可能性が低く安定した状態を維持することができるとともに、汎用性の高い部材を用いて構築することができる。
本発明の実施形態に係る防潮堤の要部拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る防潮堤の施工状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る防潮堤の要部平面斜視図である。 (a)は、図3のa−a線断面図、(b)は、図3のb−b線断面図である。 ダミー管を含む鋼管杭の施工状態を示す斜視図である。 鋼管杭に対する側方流動の影響を説明する説明図である。 カットオフ矢板の開閉状態を示す側面図である。 (a)は、支持構造体としてフーチングを用いた場合の津波の影響を説明する説明図、(b)は、鋼管杭を用いた場合の影響を説明する説明図である。 防潮堤の他の例を示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。図1は、本発明の実施形態に係る防潮堤の要部拡大斜視図、図2は、本発明の実施形態に係る防潮堤の施工状態を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る防潮堤Bは、複数の鋼管杭1を備えており、鋼管杭1に対して防潮壁2が取り付けられている。鋼管杭1は、図2に示すように、海岸線に一方向に沿って並設された状態で地盤Gに複数立設されており、これらの鋼管杭1における海洋側に、防潮壁2が取り付けられている。防潮壁2の下端部は、地表面に位置している。
鋼管杭1は、既設の鋼管杭1上を走行するとともに作業を行う重機類M1〜M3などを用いて順次立設される。また、鋼管杭1同士の間には、防潮堤Bにおける杭体としては機能しないダミー管Dが立設されている。このため、鋼管杭1とダミー管Dとが交互に立設された状態となっている。また、ダミー管Dの埋設深さは、鋼管杭1よりも浅くされている。また、隣接する鋼管杭1同士の中心間の距離は、鋼管杭1の径に対して、2.5倍以上の距離とされている。
鋼管杭1は、杭体本体11を備えている。杭体本体11は、中空の鋼管からなり、その下方が地中に埋設されて立設されている。杭体本体11の中空部には、中詰めコンクリート12が打設されている。鋼管からなる杭体本体11に中詰めコンクリート12が充填されていることにより、鋼管杭1の強度が高められている。
防潮壁2は、横方向に沿って延在する横方向部材21A,21B,21Cを備えている。横方向部材21A,21B,21Cは、それぞれ高さ方向に略等間隔をおいて配設されており、鋼管杭1に対して溶接固定されている。また、横方向部材21A,21B,21Cとしては、いずれもH形鋼が用いられている。このうち、上段横方向部材21Aは、フック22によって鋼管杭1の上端部に固定されている。さらに、下段横方向部材21Cは、地表面レベルに配置されている。
また、図3にも示すように、横方向部材21A,21B,21Cの反海洋側には、縦方向部材23が設けられている。縦方向部材23は、略鉛直方向に沿って配設されており、横方向部材21A,21B,21Cの間に掛け渡されている。縦方向部材23としては、横方向部材と21A,21B,21C同様にH形鋼が用いられている。
さらに、図4(a),(b)にも示すように、上段横方向部材21Aと中段横方向部材21Bとの間、および中段横方向部材21Bと下段横方向部材21Cとの間には、それぞれ防潮板24および防潮板24を横方向部材21A,21B,21Cに対して取り付ける取付補助部材25が設けられている。防潮板24は、高さ方向の長さが幅方向の長さより長くされ、または両者が略同一の長さとされている。また、防潮板24としては、ポリカーボネート板が用いられている。このため、防潮板24を軽量かつ強度の大きいものとすることができる。取付補助部材25としては、等辺山形鋼が用いられており、略鉛直方向に沿って配設されている。
防潮板24の上辺および下辺は、横方向部材21A,21B,21Cのフランジ部分に沿って配置され、横方向部材21A,21B,21Cに対してそれぞれ図示しないボルトナットによって締め付けられて固定されている。同様に、防潮板24の両側辺は、図示しないボルトナットによって取付補助部材25に締め付けられて固定されている。また、中段横方向部材21Bに対して拘束リング26が取り付けられており、拘束リング26によって鋼管杭1に拘束されている。
さらに、下段横方向部材21Cには、カットオフ矢板3が取り付けられている。カットオフ矢板3は、板状の矢板本体31を備えている。矢板本体31は、横方向部材21A,21B,21Cの長さと略同一程度の幅を有する横長の鋼板であり、複数枚が並設されて構成されている。矢板本体31が鋼板で構成されていることにより、その重量により地盤への圧入が容易とされている。また、並設された鋼板同士は、接合されていてもよく、独立していてもよい。
矢板本体31は、ヒンジ32を介して下段横方向部材21Cに取り付けられている。このため、図5に示すように、矢板本体31は、地盤Gに埋設されるとともに、ヒンジ32を介して海洋側に対して水平軸周りに揺動可能とされている。さらに、矢板本体31は、防潮堤Bの下部における地表面沈下または洗掘の深さに到達する以上の深さまで位置している。なお、図5においては、津波が発生した場合に想定される海水面Hを仮想線で示している。
以上の構成を有する本実施形態に係る防潮堤においては、防潮壁2が取り付けられている単杭が鋼管杭1で形成されている。このため、地震が発生した場合でも傾倒や転倒の可能性を低くすることができ、安定した状態を維持することができる。また、防潮壁2における防潮板24を取り付けるための横方向部材21A,21B,21Cとして、汎用性のあるH形鋼を用いている。このため、地震によっても傾倒または転倒の可能性が低く安定した状態を維持することができるとともに、汎用性の高い部材を用いて構築することができる。
また、防潮板24は、横方向部材21A,21B,21Cのフランジ部分に固定されている。このため、防潮板24の取り付けを容易に行うことができる。さらに、横方向部材21A,21B,21Cは、鋼管杭1の海洋側に取り付けられている、このため、海洋から津波が発生した場合などでも、高い防潮性を発揮することができる。また、防潮板24の両側面は縦方向部材23に固定されている。このため、防潮板24の隙間からの津波などの浸水を防止することができる。さらに、上段横方向部材21Aは、フック22によって鋼管杭1の上端部に固定され、この上段横方向部材21Aに防潮板3が取り付けられている。このため、単杭1の設置位置に施工誤差が生じた場合でも、その施工誤差を吸収することができる。
ところで、大きな地震に伴って地盤が液状化すると、地盤が水平方向に変位する側方流動という現象が生じる。ここで、地盤の境界が護岸等により拘束されている場合、地震力によってその拘束力が緩んだり、拘束力が消失したりすることがあり、このときに側方流動が発生する。この側方流動の応力が鋼管杭1に影響することが懸念される。
ここで、本実施形態では、隣接する鋼管杭1同士の間の中心間の距離がアーチ効果抑制距離、具体的に鋼管杭1の径の2.5倍以上に設定されていることにより、図6(a)に示すように側方流動圧SFは杭の投影面積範囲にのみに影響する。その一方、図6(b)に示すように、鋼管杭1が密に連続していると、破線で示すような土のアーチ効果が発生する。この土のアーチ効果は、杭間に付加される側方流動圧となり、鋼管杭1に作用する側方流動圧が大きくなってしまう。この点、隣接する鋼管杭1同士の距離をアーチ効果抑制距離とし、アーチ効果が発生しないようにすることによって、鋼管杭1に作用する側方流動圧を小さくすることができる。その結果、鋼管杭1に与える側方流動による応力の影響を小さくすることができる。
また、鋼管杭1に取り付けられた防潮壁2の下端位置は、地表面よりも高い位置であり、側方流動力を受けない高さ位置とされている。このため、側方流動が生じた場合でも、防潮壁2が側方流動力を受けないようにすることができるので、防潮壁2の構造の破損防止に寄与することができる。
さらに、防潮堤Bに到達する津波には防潮堤Bを超えてくるもののほかに、防潮堤Bの下部に流れが作用して、防潮壁の下部が局所的な洗掘が生じ防潮堤Bの安定性を阻害する可能性がある。さらには、地震や液状化による地表面沈下によって、防潮堤Bの下部に対する流れを増長することが考えられる。このような防潮堤Bの下部に対する流れによる洗掘を防止する必要がある。そこで、本実施形態に係る防潮堤Bでは、カットオフ矢板3を設けている。このカットオフ矢板3によって、水面下に潜った津波の陸上に対する浸入を阻止し、洗掘を防止することができる。
ところで、カットオフ矢板として、単に鋼板を鋼管杭1に取り付けた場合、液状化に伴う側方流動圧がカットオフ矢板に作用してしまうこととなる。この点、本実施形態では、カットオフ矢板3における矢板本体31を取り付ける際に、ヒンジ32を介して海洋側に対して水平軸周りに揺動可能としている。このため、海洋側からくる津波に対してはその浸入を阻止するとともに、陸上側からくる側方流動を海洋に逃がすことができる。
また、本実施形態に係る防潮堤Bを施工する際、既設の鋼管杭1上を重機類M1〜M3等が走行している。ここで、隣接する鋼管杭1同士の間の中心間の距離が鋼管杭1の径の2.5倍以上とされていることから、鋼管杭1同士の隙間が広く、重機類M1〜M3等の走行が困難となることが懸念される。
この点、図7に示すように、鋼管杭1同士の間にダミー管Dを立設している。ダミー管Dは、地上に立設するが、その埋設深さを浅くしている。こうして、鋼管杭1同士の隙間が広い場合でも、ダミー管Dを設けて重機類M1〜M3の走行を可能としている。このように、鋼管杭1の上を走行する重機類M1〜M3を用いて施工を行うことにより、鋼管杭1の周囲における杭打設場所で施工機械が作業を行う必要がなくなるので、施工ヤード(施工幅)の狭小化を図ることができる。なお、ダミー管は、鋼管杭1の立設が済んだ後に撤去することもできるし、そのまま残置することもできる。また、ダミー管に代えて、専用の治具等を用いることもできる。
また、本実施形態では、防潮堤Bの基礎として、フーチングを介した杭体ではなく、単杭を用いている。たとえば、図8(a)に示すように、フーチングFの海側に壁体Qが形成されている例を考える。このフーチングFは、海洋側に設けられた海洋側杭X1および陸側に設けられた陸側杭X2によって支持されている。
この場合、壁体Qに対して津波が衝突すると、津波による波力Wは、陸側杭X2に対して押し込み力を発生させる一方で、海洋側杭X1に対して引き抜き力を発生させる。その結果、フーチングFを陸側方向に回転させて、壁体Qを転倒させる方向に力が働くこととなることから、この力に抵抗しうる杭の仕様や長さが必要となる。
この点、本実施形態に係る防潮堤Bでは、単杭である鋼管杭1によって防潮壁2を支持している。このため、図8(b)に示すように、防潮壁2に対して津波が衝突して津波による波力が防潮壁2に作用した際には、鋼管杭1に対しては押し込み力が発生することとなる。その結果、鋼管杭1や防潮壁2の転倒などを好適に防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、防潮板としてポリカーボネート板を用いているが、その他のアクリル板などの樹脂板や金属板などを用いることもできる。また、防潮壁としては、防潮板ではなく、図9に示すように、鋼管杭1に対して笠コンクリート20を形成し、この笠コンクリート20を防潮壁とすることもできる。笠コンクリート20の一側面が地表面まで延在して形成されていることにより、この一側面が防潮壁として機能する。
さらに、上記実施形態では、単杭として鋼管杭を用いているが、その他の既製コンクリート杭や鋼杭などを用いることもできる。既製コンクリート杭としては、遠心力成形の高強度プレストレストコンクリート杭(PHC杭)、遠心力成形のプレストレストコンクリート杭(PC杭)、遠心力成形の鉄筋コンクリート杭(RC杭)、遠心力成形の外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)などを用いることができる。さらには、鋼管ソイルセメント杭などを用いることもできる。
他方、上記実施形態においては、防潮構造物として海洋の近傍に設けられる防潮堤Bを挙げている。これに対して海洋の近傍に設けられ防潮堤以外に、河川や湖沼などの洪水発生領域の近傍に設けられることにより、洪水による浸水を防止する堤体などを対象とすることもできる。
1…鋼管杭
2…防潮壁
3…カットオフ矢板
11…杭体本体
12…コンクリート
20…笠コンクリート
21A…上段横方向部材
21B…中段横方向部材
21C…下段横方向部材
22…フック
23…縦方向部材
24…防潮板
25…取付補助部材
26…拘束リング
31…矢板本体
32…ヒンジ
B…防潮堤
D…ダミー管
F…フーチング
G…地盤
M1〜M3…重機類
Q…壁体
SF…側方流動圧
W…波力
X1…海洋側杭
X2…陸側杭

Claims (12)

  1. 陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された状態で地盤に立設された複数の単杭を備え、
    前記複数の単杭に防潮壁が設けられており、
    前記防潮壁は、前記複数の単杭同士の間に掛け渡された横方向部材と、
    前記横方向部材に取り付けられた防潮板と、を備えることを特徴とする防潮構造物。
  2. 陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、
    前記複数の単杭に防潮壁が設けられており、
    前記防潮壁は、前記複数の単杭同士の間に掛け渡された横方向部材と、
    前記横方向部材に取り付けられた防潮板と、
    前記横方向部材に取り付けられる縦方向部材と、を備え、
    前記防潮板における側面が前記縦方向部材に固定されていることを特徴とする防潮構造物。
  3. 前記横方向部材がH形鋼であり、
    前記防潮板は、前記H形鋼におけるフランジ部分に固定されて取り付けられている請求項1または2に記載の防潮構造物。
  4. 前記横方向部材が、前記単杭における津波または洪水発生側に取り付けられている請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の防潮構造物。
  5. 前記単杭が、鋼管杭または既製コンクリート杭である請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の防潮構造物。
  6. 陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、
    前記複数の単杭に防潮壁が設けられており、
    前記防潮壁は、前記複数の単杭同士の間に掛け渡された横方向部材と、
    前記横方向部材に取り付けられた防潮板と、を備え、
    前記単杭が鋼管杭であり、
    前記鋼管杭の内側に中詰めコンクリートが充填されており、
    前記防潮壁は、フックを介して前記鋼管杭の上端に取り付けられていることを特徴とする防潮構造物。
  7. 前記防潮板がポリカーボネート板である請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の防潮構造物。
  8. 陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、
    前記複数の単杭に対して笠コンクリートが取り付けられ、
    前記笠コンクリートにおける一側面が地表面まで延在して形成されて、防潮壁とされていることを特徴とする防潮構造物。
  9. 陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、
    前記複数の単杭に防潮壁が設けられており、
    前記防潮壁は、前記複数の単杭同士の間に掛け渡された横方向部材と、
    前記横方向部材に取り付けられた防潮板と、を備え、
    隣接する前記単杭同士の間の距離が、アーチ効果抑制距離とされていることを特徴とする防潮構造物。
  10. 陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、
    前記複数の単杭に防潮壁が設けられており、
    前記防潮壁は、前記複数の単杭同士の間に掛け渡された横方向部材と、
    前記横方向部材に取り付けられた防潮板と、を備え、
    前記防潮壁に対して水平軸周りに揺動可能にされて取り付けられたカットオフ矢板が地盤に埋設されていることを特徴とする防潮構造物。
  11. 陸上における津波または洪水発生領域に設けられ、一方向に沿って並設された複数の単杭を備え、
    前記複数の単杭に防潮壁が設けられており、
    前記防潮壁は、前記複数の単杭同士の間に掛け渡された横方向部材と、
    前記横方向部材に取り付けられた防潮板と、を備え、
    前記防潮壁の下端位置は、側方流動力の影響を受けない高さ位置とされていることを特徴とする防潮構造物。
  12. 前記防潮壁は、前記横方向部材に取り付けられた拘束リングによって前記単杭に設けられている、請求項1に記載の防潮構造物。
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