JP2008038451A - 波浪防護構造物 - Google Patents

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雅徳 土屋
Kazuo Endo
和雄 遠藤
Kazumitsu Takanashi
和光 高梨
Munehisa Fujita
宗久 藤田
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Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】低コストで短期間に構築可能であり、且つ用地の確保が比較的容易であり、迅速に整備することができ、また、津波被害を十分に防止することができる波浪防護構造物および波浪防護構造物を提供することを目的としている。
【解決手段】上部が地盤から突出した自立杭2…と、自立杭2…の上部を挿通させる孔3a…が形成された複数のブロック3…とが備えられ、ブロック3の孔3a,3aに自立杭2,2の上部を差し込ませつつブロック3を配置することで構築される波浪防護構造物1において、複数のブロック3…が間隔をあけて並べられ、隣り合うブロック3,3間に、押し波が衝突する正面側からその反対の背面側に向かうに従い幅が先窄まりになったスリットSが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、主に津波等の波浪対策として設置される波浪防護構造物に関する。
従来より、広域的な津波対策として防浪堤がある。従来の防浪堤はケーソンや盛土からなるものが多く、この防浪堤が例えば湾口等に築造されることで、湾内に津波(押し波)が押し寄せることを防止することができる。
また、近年、複数のブロックを積み重ねて構築される防浪堤が提供されている。この防浪堤は、海底地盤に杭が打設され、この杭の上部が地盤から突出されている。一方、ブロックに孔が形成されており、この孔に杭上部を挿通させつつブロックが積み重ねられている。また、ブロックは、杭間に架け渡すように格子状に配設されており、隣り合うブロックの間には隙間があけられている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開昭63−67310号公報(第6図) 特開昭63−67311号公報(第6図)
しかしながら、上記したケーソンや盛土からなる従来の防浪堤は、押し波を完全に遮断する構造物であり、防浪堤が受ける波圧が大きいため、大規模なものになる場合が多い。したがって、その建設には相当のコストと時間を要するとともに、その建設用地の確保が難しく、迅速な整備が困難であるという問題がある。
また、上記したブロックを積み重ねて構築される従来の防浪堤では、ブロック間の隙間から押し波の通過をある程度許容する構成になっているため、防浪堤が受ける波圧を低減させることができるが、この隙間を通過する水流の勢力が強く、津波被害防止の効果が低いという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、低コストで短期間に構築可能であり、且つ用地の確保が比較的容易であり、迅速に整備することができ、また、津波被害を十分に防止することができる波浪防護構造物を提供することを目的としている。
本発明に係る波浪防護構造物は、上部が地盤から突出した自立杭と、該自立杭の上部を挿通させる孔が形成された複数のブロックとが備えられ、前記ブロックの孔に前記自立杭の上部を差し込ませつつブロックを配置することで構築される波浪防護構造物において、複数のブロックが間隔をあけて並べられ、隣り合うブロック間に、押し波が衝突する正面側からその反対の背面側に向かうに従い幅が先窄まりになったスリットが形成されていることを特徴としている。
このような特徴により、ブロック間のスリットにより押し波の通過がある程度許容され、波浪防護構造物が受ける波力が低減される。また、押し波の通過を許容するスリットが先窄まり形状になっているため、スリットを通過する水流の勢力が減ぜられる。
また、本発明に係る波浪防護構造物は、ブロックの縦方向に延在する正面側の角部が丸みを帯びた形状になっている構成にしてもよい。
このように、スリットを形成するブロックを流体力学的に滑らかな形状にすることで、波浪防護構造物の背面側で渦が発生し易くなり、波のエネルギーが損失されるため、背後の波浪防護構造物に作用する力が軽減される。
また、本発明に係る波浪防護構造物は、前記ブロックを積み重ねることで構築されるものでもよい。
これによって、ブロックの段数を調整することで所定の高さの波浪防護構造物を構築することが可能である。
さらに、本発明に係る波浪防護構造物は、前記ブロックの正面側に、押し波の波力を吸収する波力吸収パネルが配設されている構成にしてもよい。
これにより、波力吸収パネルにより押し波の波力がある程度吸収されるため、ブロックで構成された部分が受ける波力が低減される。
本発明に係る波浪防護構造物によれば、波浪防護構造物が受ける波力が低減されるため、杭のスリム化を図ることができるとともに杭上部にブロックを嵌め込む簡単な構成にすることができ、低コストで短期間に津波対策工を構築することができる。また、自立杭によって支持されているため、用地の制約を受け難く、用地の確保が比較的容易である。したがって、津波対策工を迅速に整備することができる。また、スリットを通過する水流の勢力が減ぜられるため、波浪防護構造物によって津波被害を十分に防止することができる。
以下、本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態について、図面に基いて説明する。
まず、本発明に係る波浪防護構造物としての津波防護柵1について説明する。
図1は本実施の形態における津波防護柵1の配置図であり、図2は本実施の形態における津波防護柵1の斜視図であり、図3は本実施の形態における津波防護柵1の平面図である。
図1に示すように、津波防護柵1は、津波災害を防止するべく津波(押し波)の進入を遮るように地上に建てられた障壁状の津波対策工であり、例えば、湾岸に建てられたタンク等の地上構造物Xの周囲に配置されている。なお、津波防護柵1は、構造物Xの全周を囲うように環状に配設させてもよく、或いは、構造物Xの海岸側にだけ配置して反対の内陸側を開放させた状態に配設させてもよい。
図2に示すように、津波防護柵1の概略構成としては、複数の杭2…(自立杭)と、杭2に支持された複数のパネル3…(ブロック)とからなる。
杭2は、地盤Gに打設されて自立しているとともに津波の波力に抵抗し得る根入れと強度とを有している杭であり、例えば公知の既製杭からなる。杭2は、この杭2の上部は、地盤G内から突出されており、具体的には、パネル3を縦方向に貫通するだけの長さだけ地表から上方に突出されている。また、複数の杭2…は、津波防護柵1の配置ラインに沿って所定間隔をあけて一列に配設されている。
パネル3は、図2,図3に示すように、プレキャストコンクリート板4の両面に薄鉄板5,6が被覆された構成、つまり薄鉄板5,6でプレキャストコンクリート板4を挟んだサンドイッチ構造の合成構造部材であり、津波の波力に抵抗し得る強度を持つとともに津波により流された漂流物の衝突に対する耐衝撃性を持った構造のものである。また、パネル3の前面(正面側)には、波力吸収パネル7が取り付けられている。このパネル3の縦方向の寸法Hは、津波対策として必要な高さに相当する寸法になっており、想定される津波の遡上高さに基づいて決定される。
また、パネル3には、上記した杭2の上部を挿通させる孔3a,3aが複数(本実施の形態では2箇所)開けられている。この孔3a,3aは、パネル3の縦方向に延在された貫通孔であり、杭2の径よりも若干大きい径で開けられている。そして、パネル3は、その孔3a,3aに杭2,2の上部をそれぞれ差し込ませて立設して配置されており、パネル3は複数の杭2,2によって支持されている。このとき、孔3a内に緩挿された杭2の外周面と孔3aの内周面との間にグラウト等の図示せぬ充填材を充填して、杭2にパネル3を固着させてもよい。なお、パネル3は、地表面上に載せた状態で設けられていてもよく、或いは、地表面との間に隙間をあけて設けられていてもよい。
また、パネル3は、図3に示すように、平面視形状が台形になっている。そして、複数のパネル3…は、所定の間隔をあけて並べられ、隣り合うパネル3,3間には、スリットSがそれぞれ形成されている。このスリットSは、隣り合うパネル3,3の側面間に形成されたパネル縦方向に延在する隙間であり、押し波が衝突する正面側(海岸側)からその反対の背面側(内陸側)に向かうに従い、つまり押し波の進行方向に従いスリット幅が先窄まりになっている。具体的には、平面視形状が台形のスリットSが形成されている。また、パネル3は、流体力学的に滑らかな形状になっている。具体的には、パネル3の縦方向に延在する正面側の角部3b,3bが丸みを帯びた形状になっている。つまり、押し波が衝突する正面側の角部3b,3bが、角がとれて曲面的で滑らかな形状になっている。
次に、上記した構成からなる津波防護柵1の施工方法について説明する。
まず、構造物Xの周囲に複数の杭2…を所定間隔をあけて一列に打設する工程を行う。このとき、杭2…の上部が地盤Gから突出するように各杭2…の打設深さを調整する。また、各杭2…の上端レベルをほぼ同じになるようにしておく。
次に、複数のパネル3…を構造物Xの周囲に一列に並べてそれぞれ設置する工程を行う。このとき、パネル3は、その孔3a,3aに杭2…の上部をそれぞれ緩挿させて、杭2,2の上部に落とし込むようにして配置する。また、必要に応じて、パネル3の孔3a,3aの中に図示せぬ充填材を充填する。
上記した構成からなる津波防護柵1によれば、隣り合うパネル3,3間に、押し波が衝突する正面側からその反対の背面側に向かうに従い幅が先窄まりになったスリットSが形成された構成となっているため、パネル3,3間のスリットSにより押し波の通過がある程度許容され、津波防護柵1が受ける波力が低減される。これにより、杭2のスリム化を図ることができるとともに杭2…の上部にパネル3…を嵌め込む簡単な構成にすることができ、低コストで短期間に津波対策工を構築することができる。
また、自立した杭2によってパネル3…が支持されているため、自由な平面形状を構成することが可能となり、用地の制約を受け難く、用地の確保が比較的容易である。
また、杭2…やパネル3…にはプレキャスト部材を用いられているため、短い工期で施工することができる。
また、押し波の通過を許容するスリットSが先窄まり形状になっているため、スリットSを通過する水流の勢力が減ぜられる。これにより、周囲に津波防護柵1が構築された構造物Xの津波被害を十分に防止することができる。
また、スリットSにより津波の引き波の通過が許容されるため、水抜き孔等を別途形成することなく、津波防護柵1の背面側の堪水を防止することができる。
さらに、パネル3…の並べ方次第で、津波防護柵1の形状を自由に変更可能であるため、任意の形状の津波防護柵1を容易に形成することができる。このとき、複数の杭2…や複数のパネル3…には同一寸法のものを使用することができるため、経済的である。
また、パネル3…の縦方向に延在する正面側の角部3b,3bが丸みを帯びた形状になっているため、スリットSを形成するパネル3…が流体力学的に滑らかな形状になり、津波防護柵1の背面側で渦が発生し難くなる。これにより、津波防護柵1に作用する力が軽減され、津波防護柵1を簡易な構成のものにすることができる。
図4は本発明に係る波浪防護構造物の他の実施の形態である津波防護柵1´の斜視図である。
図4に示すように、津波防護柵1´は、パネル3…が積み重ねられた構成であってもよい。つまり、パネル3…が複数段になっており、例えば、下段のパネル3…の上に上段のパネル3…が載せられた2段式にすることができる。このとき、上段のパネル3…の孔3a…は、下段のパネル3…の孔3a…に孔合わせされており、上段のパネル3…は、下段のパネル3…と同様に、杭2の上部が上段のパネル3…の孔3a…の中に緩挿されて支持されている。このようにパネル3…を積み重ねて配置することで、パネル3の縦寸法を高くすることなく、必要な高さの津波防護柵1´を容易に構築することができる。
また、パネル3…は、千鳥に積み重ねることが好ましい。つまり、上段のパネル3を、隣り合う下段のパネル3,3間に架け渡した状態で積み重ねる。これにより、下段のパネル3,3間のスリットSと上段のパネル3,3間のスリットSとが連続せず、津波防護柵1´に作用する荷重の均等化を図ることができる。また、複数のパネル3…が杭2…を介して連結された構成となり、津波に対する津波防護柵1´の強度が向上する。
次に、本発明に係る波浪防護構造物としての防浪堤100について説明する。
図5は本実施の形態における防浪堤100の配置状況を表した港湾等の断面図であり、図6は本実施の形態における防浪堤100の斜視図であり、図7は本実施の形態における防浪堤100の平面図である。
図5に示すように、防浪堤100は、津波災害を防止するべく津波(押し波)の進入を遮るように海中に建てられた障壁状の津波対策工であり、例えば、湾口等に配設されている。
図6に示すように、防浪堤100の概略構成としては、複数の杭102…(自立杭)と、杭102…に支持された複数のブロック103…と、防浪堤100の正面側に設けられた複数の波力吸収パネル104…と、防浪堤100の下端部に設けられた洗掘防止板101…とからなる。
杭102…は、上述した津波防護柵1の杭2と同様の杭であり、海底地盤G´に打設されて自立しているとともに津波の波力に抵抗し得る根入れと強度とを有している杭であり、例えば公知の既製杭からなる。この杭102…の上部は、海底地盤G´内から突出されている。また、複数の杭102…は、湾口等の防浪堤100の築造場所に所定間隔をあけて二列に配設されている。
ブロック103…は、図6,図7に示すように、プレキャストコンクリートからなるブロックであり、津波の波力に抵抗し得る強度を持つとともに津波により流された漂流物の衝突に対する耐衝撃性を持った構造になっている。
複数のブロック103…は、間隔をあけて一列に並べられているとともに、複数段(本実施の形態では3段)に積み重ねて配置されている。このとき、ブロック103…は、千鳥に積み重ねることが好ましい。つまり、隣り合う下段側のブロック103,103間に上段側のブロック103を架け渡すようにして積み重ねられている。これにより、下段側のブロック103,103間の後述するスリットSと上段側のブロック103,103間の後述するスリットSとが連続せず、防浪堤100に作用する荷重の均等化を図ることができる。
また、ブロック103…には、上記した杭102…の上部を挿通させる孔103a…が複数(本実施の形態では4箇所)開けられている。この孔103aは、ブロック103の高さ方向に延在された貫通孔であり、杭102の径よりも若干大きい径で開けられている。そして、ブロック103は、その孔103a…に杭102…の上部をそれぞれ差し込ませて保持されており、複数の杭102…によってブロック103は支持されている。このとき、積み重ねられたブロック103…の孔103a…は上下で孔合わせされており、杭102の上部は、積み重ねられた複数のブロック103…の孔103a…の中にそれぞれ緩挿されている。
このように、複数のブロック103…が杭102…を介して連結された構成となり、津波に対する防浪堤100の強度が向上する。なお、孔103a…内に緩挿された杭102…の外周面と孔103a…の内周面との間にグラウト等の図示せぬ充填材を充填して、杭102…にブロック103…を固着させてもよい。また、最下段のブロック103…は、海底に載置されており、最上段のブロック103…は海面よりも下に配置されている。
また、ブロック103…は、図7に示すように、平面視形状が台形になっている。そして、複数のブロック103…は、所定の間隔をあけて並べられ、隣り合うブロック103,103間にはスリットS…がそれぞれ形成されている。このスリットSは、隣り合うブロック103,103の側面間に形成された隙間であり、押し波が衝突する正面側(海岸側)からその反対の背面側(内陸側)に向かうに従い、つまり押し波の進行方向に従いスリット幅が先窄まりになっている。具体的には、平面視形状が台形のスリットSが形成されている。また、ブロック103…は、流体力学的に滑らかな形状になっている。具体的には、ブロック103の高さ方向に延在する正面側の角部103b,103bが丸みを帯びた形状になっている。つまり、押し波が衝突する正面側の角部103b,103bが、角がとれて曲面的で滑らかな形状になっている。
図6に示すように、波力吸収パネル104…は、津波(押し波)の波力を吸収するための板状部材であり、例えば合成ゴム等からなる板材を用いることができる。波力吸収パネル104…は、ブロック103…の正面側に配設されており、具体的には、波力吸収パネル104…は、押し波が衝突する各ブロック103…の正面に被覆されている。
また、洗掘防止板101…は、洗掘を防止するための板材である。洗掘防止板101…は、最下段の各ブロック103…の正面側からそれぞれ垂設されており、海底地盤G´内に埋設されるように配設されている。
次に、上記した構成からなる防浪堤100の施工方法について説明する。
まず、防浪堤100の築造場所に複数の杭102…を所定間隔をあけて二列に打設する工程を行う。このとき、杭102…の上部が海底地盤G´から突出するように各杭102…の打設深さを調整する。また、各杭102…の上端レベルをほぼ同じになるようにしておく。
次に、複数のブロック103…を一列に並べるとともに複数段に積み重ねて設置する工程を行う。このとき、ブロック103は、その孔103a…に杭102…の上部をそれぞれ緩挿させて、杭102…の上部に落とし込むようにして配置する。また、必要に応じて、ブロック103の孔103a…の中に図示せぬ充填材を充填する。
上記した構成からなる防浪堤100によれば、隣り合うブロック103,103間に、押し波が衝突する正面側からその反対の背面側に向かうに従い幅が先窄まりになったスリットSが形成された構成からなることにより、押し波の通過がある程度許容され、波浪防護構造物が受ける波力が低減される。これによって、杭102…のスリム化を図ることができるとともに杭102…の上部にブロック103…を嵌め込む簡単な構成にすることができ、低コストで短期間に津波対策工を構築することができる。
また、自立した杭102…によってブロック103…が支持されているため、用地の制約を受け難く、用地の確保が比較的容易である。
また、杭102…やブロック103…にはプレキャスト部材を用いられているため、短い工期で施工することができる。
また、押し波の通過を許容するスリットSが先窄まり形状になっているため、スリットSを通過する水流の勢力が減ぜられる。これにより、湾口に防浪堤100が構築された湾内や湾岸の津波被害を十分に防止することができる。
また、スリットSにより津波の引き波の通過が許容されるため、水抜き孔等を別途形成することなく、防浪堤100の背面側の堪水を防止することができる。
さらに、ブロック103…の並べ方次第で、防浪堤100の形状を自由に変更可能であるため、任意の形状の防浪堤100を容易に形成することができる。このとき、複数の杭102…や複数のブロック103…には同一寸法のものを使用することができるため、経済的である。
また、ブロック103…の縦方向に延在する正面側の角部103b,103bが丸みを帯びた形状になっているため、スリットSを形成するブロック103…が流体力学的に滑らかな形状になり、防浪堤100の背面側で渦が発生し難くなる。これにより、防浪堤100に作用する力が軽減され、防浪堤100を簡易な構成のものにすることができる。
また、ブロック103…の正面側に、押し波の波力を吸収する波力吸収パネル104…が配設されているため、波力吸収パネル104により押し波の波力がある程度吸収され、ブロック103…で構成された部分が受ける波力が低減される。これにより、防浪堤100を簡易な構成のものにすることができる。
また、防浪堤100の下端部には、洗掘防止板101…が海底地盤G´内に埋設されて設けられているため、ブロック103…下方の洗掘を防止することができる。
また、上記した海中に構築された防浪堤100は、最上段のブロック103…が海面以深に配設されており、防浪堤100の上端が海面から出ないように形成することが可能であるため、湾口等の景観に影響が及ぶことを防止することができる。
以上、本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、パネル3…やブロック103…の平面視形状が台形になっており、隣り合うパネル3,3間やブロック103,103間に形成されるスリットSの平面視形状が、正面側から背面側に向かうに従い幅が直線的に先窄まりになった形状(台形)になっているが、本発明は、ブロックの平面視形状が上記した台形以外でもよく、また、隣り合うブロック間に形成されるスリットの平面視形状が上記した台形以外でもよい。例えば、ブロックの平面視形状が半円形であってもよく、この場合、隣り合うブロック間に形成されるスリットの平面視形状は、正面側から背面側に向かうに従い幅が円弧状に先窄まりになった形状であってもよい。
また、上記した実施の形態では、津波防護柵1が構造物Xを囲うように構築されているが、本発明に係る波浪防護構造物は、構造物の周り以外に構築してもよく、例えば、湾岸に沿って波浪防護構造物が配設されていてもよく、或いは、複数の構造物が建ち並ぶ或る湾岸地区の周囲に波浪防護構造物が配設されていてもよい。また、上記した実施の形態では、防浪堤100が湾口等の海中に構築されているが、本発明に係る波浪防護構造物は、陸上に構築されていてもよく、例えば、湾岸に沿って波浪防護構造物を構築してもよい。
また、上記した実施の形態では、パネル3…の縦方向に延在する正面側の角部3b,3bが丸みを帯びた形状になっており、また、ブロック103…の縦方向に延在する正面側の角部103b,103bが丸みを帯びた形状になっているが、本発明は、ブロックやブロックの縦方向に延在する正面側の角部が丸みを帯びていなくてもよく、例えば、ブロックの縦方向に延在する正面側の角部が直線的に角が取られた形状(面取り形状)になっていてもよく、或いは、ブロックの角部が角が取られていない形状になっていてもよい。
また、上記した実施の形態の防浪堤100では、最下段のブロック103…が海底地盤G´上に載置されているが、本発明に係る波浪防護構造物は、最下段のブロックが海底地盤の上に配設され、最下段のブロックと海底面との間に空間が形成されていてもよい。
また、上記した実施の形態の津波防護柵1や防浪堤100では、各パネル3…や各ブロック103…の正面側に波力吸収パネル7…,104…がそれぞれ被覆されているが、本発明は、波力吸収パネルの取り付け方は適宜変更可能であり、例えば、上段のブロックにのみ波力吸収パネルが取り付けられていてもよい。さらに、この波力吸収パネル7…,104…が取り付けられていない構成にしてもよい。
また、上記した実施の形態の防浪堤100では、最上段のブロック103…が海面以深に配設され、防浪堤100の上端が海面から出ないように形成されているが、本発明に係る波浪防護構造物は、最上段のブロックが海面よりも上に配設され、或いは、最上段のブロックの上端部が海面よりも上になるように配設され、波浪防護構造物の上端が海面から出るような構成にしてもよい。また、ブロックは積み重ねることなく、一段であってもよい。
また、上記した実施の形態では、波浪防護構造物として、地上に配設された津波防護柵1、1´と水中に配設された防浪堤100とについて説明しているが、本発明は、上記した津波防護柵1、1´を水中に配設してもよく、或いは、上記した防浪堤100を地上に配設してもよい。さらに、水中に波浪防護構造物を配設したときに、一列の波浪防護構造物では波力低減効果が不足する場合は、波の押し寄せる方向に対向させて、波浪防護構造物を複数列並べて配設させてもよい。
また、上記した実施の形態では、津波防護柵1、1´を構成するパネル3…は地上に立設されて配置されているが、本発明は、波浪防護構造物を構成するブロックの下端部を地盤中に埋め込ませてよい。これによって、洗掘を防止することができる。
また、上記した実施の形態では、津波防護柵1、1´を構成するパネル3…が、プレキャストコンクリート板4の両面に薄鉄板5,6が被覆されたサンドイッチ構造になっているが、本発明に係るブロックは、上記した構造のものに限定されるものではない。例えば、プレキャストコンクリート板や鋼板のみからなるブロックであってもよい。また、上記した正面側の薄鉄板5に代えて波力吸収パネル104を被覆させてもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態を説明するための配置図である。 本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態を説明するための斜視図である。 本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態を説明するための平面図である。 本発明に係る波浪防護構造物の他の実施の形態を説明するための斜視図である。 本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態を説明するための断面図である。 本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態を説明するための斜視図である。 本発明に係る波浪防護構造物の実施の形態を説明するための平面図である。
符号の説明
1,1’ 津波防護柵(波浪防護構造物)
2 杭(自立杭)
3 パネル(ブロック)
3a 孔
3b 角部
7,104 波力吸収パネル
100 防浪堤(波浪防護構造物)
102 杭(自立杭)
103 ブロック
103a 孔
103b 角部
G 地盤
G´海底地盤(地盤)
S スリット

Claims (4)

  1. 上部が地盤から突出した自立杭と、該自立杭の上部を挿通させる孔が形成された複数のブロックとが備えられ、
    前記ブロックの孔に前記自立杭の上部を差し込ませつつブロックを配置することで構築される波浪防護構造物において、
    複数のブロックが間隔をあけて並べられ、隣り合うブロック間に、押し波が衝突する正面側からその反対の背面側に向かうに従い幅が先窄まりになったスリットが形成されていることを特徴とする波浪防護構造物。
  2. 請求項1記載の波浪防護構造物において、
    ブロックの縦方向に延在する正面側の角部が丸みを帯びた形状になっていることを特徴とする波浪防護構造物。
  3. 請求項1または2記載の波浪防護構造物において、
    前記ブロックを積み重ねることで構築されることを特徴とする波浪防護構造物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の波浪防護構造物において、
    前記ブロックの正面側に、押し波の波力を吸収する波力吸収パネルが配設されていることを特徴とする波浪防護構造物。
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