JP2013249689A - セル本体の遮水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セル本体の強度を低下させること無く、セル殻の内側に遮水層を形成することができ、腐蝕等によってセル殻に漏水が生じた場合にも、護岸内側から外海への汚染水の漏出の危険性を極力回避することのできるセル本体の遮水構造を提供する。
【解決手段】
高剛性の遮水層8Aと低剛性の遮水層8Bが護岸法線と直交する垂直な境界面Vで隣接して、護岸法線方向に交互に配列されてなる複合遮水層8が、セル殻2Aの内側に、その水平断面全体に亘って垂直方向に所定幅で形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セル本体どうしをアーク部で連結するセル式遮水護岸における、セル本体の遮水構造に関する。
従来、廃棄物海面処分場等の遮水護岸を構築するために、連結部を遮水構造としたケーソンやセルを複数連結して海底地盤に設置している。特に、鋼板セルを用いた遮水護岸は、ケーソンを用いた遮水護岸と比較して、工場やヤードで製作された鋼板製のセル殻やアークを、護岸の構築場所まで曳航して運び、現地で簡単に鋼板セルに組み立てて遮水護岸を構築することができるため、工事コストが安く、短期間で工事を完了できる利点がある。
従来のセル式の遮水護岸は、例えば、特許文献1に記載されているように、海底地盤に鋼板セルを打設して下端部を根入し、セル殻内に中詰材を充填するとともに、鋼板セルどうしの外海側と護岸内側とをそれぞれ海底地盤に根入れしたアークで連結して、これらのアーク間に中詰材を充填する工法によって構築されている。
また、海底地盤が硬くて鋼板セルやアークの打設が困難な場合には、例えば、特許文献2に記載されているように、海底地盤を掘削して形成した凹部内に基礎捨て石の層を形成してその上に鋼板セルを載置してセル殻内に中詰め材を充填し、さらに、鋼板セルどうしの外海側と内側とをそれぞれ2枚のアークで連結してアーク部に中詰め材を充填した後、鋼板セルやアーク部の下端部周辺を埋め戻し材で埋め戻す工法によって構築されている。
図9は、このような海底地盤上の凹部内に設置される従来の鋼板セルにおける、セル本体の断面構造の一例を示す斜視部分図であって、同図に示すように、鋼板セル21は、複数の円筒状のセル本体22と、これらのセル本体22の間を塞ぐアーク部23から構成されている。
それぞれのセル本体22は、下面が開放された鋼板製のセル殻22Aを有しており、海底地盤24に形成された、凹部24A内の基礎捨て石25の上に載置されている。また、セル殻22Aの内部には土砂等の中詰め材26が充填されており、上端はコンクリート製の天蓋27によって塞がれている。
また、それぞれのアーク部23は、隣接するセル本体22のセル殻23Aどうしを連結する一対の鋼板製のアーク23Aを有しており、これらのアーク23Aの下端は凹部24A内の基礎捨て石25の上に載置されている。
凹部24A近傍の海底地盤24は不透水性の改良地盤であり、セル殻22Aやアーク23Aの下端近傍部分の外周面と、凹部24Aの垂直な側壁面との隙間は、アスファルトマスチック等の遮水材28によって塞がれて、護岸内側(廃棄物海面処分場側)から外海側への汚染水の漏出が遮断されている。
なお、図9には示されていないが、隣接するセル殻22Aとこれらを連結している一対のアーク23Aによって区画されている空間の内部には、前記中詰め材26と同様な中詰め材が充填されており、また、上端は前記天蓋27と高さを合わせたコンクリート製の天蓋29によって塞がれている。
特許第4139871号公報 特許第4778460号公報
前述したような、セル式の遮水護岸に用いられているセル本体のセル殻の厚みは、一般にその直径に比べて極めて薄く作られており、例えば、セル本体の直径が14m程度のものでも、セル殻に使用されている鋼板の厚みは9mm程度しかなく、セル殻の内側に中詰め材を充填することによって、外側から作用する海水の水圧等の外力に耐えられるように設計されている。
そのため、海面に露出して常時波風に曝されている、セル殻外周上部のスプラッシュゾーンにおいては、錆びや腐蝕が進行し易く、例えば、図10に示すように、護岸内側に面するセル殻22Aの上部に、錆びや腐蝕によって孔hが開いてしまった場合には、護岸内側の廃棄物海面処分場の汚染水が、この孔hからセル殻22Aの内部に流れ込み、遮水性に乏しい中詰め材26を透過して、底が無いセル殻22Aの下端から基礎捨て石25の中へ浸入する可能性がある。
セル殻22Aの外周面下部の外海側と護岸内側はそれぞれ、海底地盤24の凹部24Aに充填されている遮水材28によって両側で2重に遮水されてはいるが、前述したように、セル殻22Aの内側に汚染水が浸入してしまうと、外海に面している側で、セル殻22Aと遮水材28と間に、地盤沈下等によって隙間が生じた場合に、この隙間を通って廃棄物海面処分場の汚染水が外海に漏れ出してしまう危険性がある。
このような危険性を回避するためには、底の有るセル殻を用いればよいが、セル殻に底を設けると、その製造コストが高くなるとともに、底板を肉厚の薄い円筒状のセル殻の下端に溶接すると、外力によってセル殻22Aに歪みを生じた場合に溶接部分に応力が集中し、この部分から亀裂が生じたり腐蝕が進行する恐れがある。
一方、図11に示すように、セル殻22Aの内側に充填される中詰め材26の間に、不透水性の材料を用いた遮水層30を設け、上方と下方との中詰め材26の間をセル殻22Aの内側の水平断面全体に亘って遮水すれば、図10のように、セル殻22Aの内側に汚染水が浸入した場合においても、汚染水は遮水層30で遮断されて、その下方には浸透しないので、これが外海へ漏れ出す危険性を回避できるものと考えられる。
ところで、潮の干満等によって、外海側の水位と護岸内側の水位との間に差が生じたり、護岸内側の埋め立て等によって、護岸内側でセル殻22Aの外周面に大きな土圧が作用すると、外海側と護岸内側では、セル殻22Aの外周面に作用する圧力が不均衡になり、その結果、セル本体22には図11に示すように、垂直方向と、護岸法線に直交する水平方向に、剪断荷重Fが作用することになる。
前記剪断荷重Fは、図9に示すように、セル殻22Aの内側に中詰め材26のみが緻密に充填されている場合には、主に、この中詰め材26の粒子間摩擦による変形抵抗によって支えられている。
しかしながら、図11に示すように、中詰め材26の間に形成する遮水層30に、アスファルトマスチック等の低剛性の遮水材を用いた場合には、剪断荷重Fが長期的に作用すると、遮水層30にクリープ変形が生じて、この部分では前記剪断荷重Fを担持する力が減少してセル殻2Aに局所的な変形や亀裂等の損傷を生じる恐れがある。
一方、遮水層30に、水中コンクリート等の高剛性の遮水材を用いた場合には、前述したようなクリープ変形により抗力の低下は回避できるが、このような高剛性の遮水材は、一般に変形し難い反面、急激に変動する力や衝撃力に対して弱く、地震等の短周期で変動する外力がセル殻22Aに作用すると、遮水層30の内部には局所的に過大な応力が作用し、その結果、遮水層30にひび割れ等が発生して遮水能力が損なわれてしまう恐れがある。
そこで、本発明は、前述したような、従来技術における問題点を解消し、セル本体の強度を低下させること無く、セル殻の内側に遮水層を形成することができ、腐蝕等によってセル殻に漏水が生じた場合にも、護岸内側から外海への汚染水の漏出の危険性を極力回避することのできるセル本体の遮水構造を提供することを目的とする。
前記目的のため、本発明の第1のものは、セル本体どうしをアーク部で連結するセル式遮水護岸に用いるセル本体の遮水構造であって、高剛性の遮水層と低剛性の遮水層が護岸法線と直交する垂直な境界面で隣接して、護岸法線方向に交互に配列されてなる複合遮水層が、セル殻の内側に、その水平断面全体に亘って垂直方向に所定幅で形成されていることを特徴としている。
また、本発明の第2のものは、セル本体どうしをアーク部で連結するセル式遮水護岸に用いるセル本体の遮水構造であって、遮水層の中に、護岸法線と直交する水平方向に作用する剪断荷重と、垂直方向に作用する剪断荷重を担持する高剛性部材が埋設されてなる複合遮水層が、セル殻の内側に、その水平断面全体に亘って垂直方向に所定幅で形成されていることを特徴としている。
請求項1に記載された発明によれば、セル殻の内側に、その水平断面全体に亘って、垂直方向に所定幅で形成した複合遮水層が、護岸法線と直交する垂直な境界面で隣接して、護岸法線方向に交互に配列されている高剛性の遮水層と低剛性の遮水層から構成されていることにより、複合遮水層に作用する剪断荷重は、主に、高剛性の遮水層で抗するため、低剛性の遮水層のクリープ変形を防止することができる。
また、地震発生時には、低剛性の遮水層がセル殻の震動を吸収することによって、高剛性の遮水層内に過大な応力が作用することを抑制することができ、高剛性の遮水層をクラック等の損傷から保護することができる。
その結果、中詰め材の中に複合遮水層を形成することによって、セル本体の強度の低下を招くことなく、セル殻内側の上方部分と下方部分との間を複合遮水層で遮水することが可能となり、錆びや腐蝕等によってセル殻に漏水が生じた場合にも、汚染水の外海への漏出の危険性を極力回避することができる。
また、請求項2に記載された発明によれば、セル殻の内側に、その水平断面全体に亘って、垂直方向に所定幅で形成した複合遮水層を形成し、この複合遮水層に作用する剪断荷重は主に、高剛性部材に分担させるとともに、前記高剛性部材が埋設された遮水層が専らセル殻内側の遮水を行うようにしているため、請求項1の発明と同様に、セル本体の強度の低下を招くことなく、セル殻内側の上方部分と下方部分との間を複合遮水層で遮水することが可能となり、汚染水の外海への漏出の危険性を極力回避することができる。
本発明の第1の実施形態における、鋼板セルの一部を示す、水平断面図である。 図1のA−A断面を示す、断面図である。 図1のB−B断面を示す、断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例を示す、セル本体部分の断面図である。 本発明の第1の実施形態の別の変形例を示す、セル本体部分の断面図である。 本発明の第2の実施形態における、セル本体部分の水平断面図である。 図6のA−A断面を示す断面図である。 図6のB−B断面を示す断面図である。 従来の鋼板セルにおける、セル本体の断面構造の一例を示す、斜視部分図である。 セル殻の腐蝕箇所からセル本体内に侵入した汚染水が外海へ漏れ出す経路を示す、セル本体部分の断面図である。 セル殻の内側に遮水層を形成した状態を示す、セル本体の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す、鋼板セルの一部を示す水平断面図、図2は、図1のA−A断面における断面図、図3は、図1のB−B断面における断面図であって、これらの図に示す鋼板セル1は、先に図9で説明した従来のものと同様に、沿岸海域に構築される廃棄物海面処分場の遮水護岸に利用されるものである。
図1に示すように、鋼板セル1は、護岸法線方向に複数配列された円筒状のセル本体2と、隣合うセル本体2の間に設けられているアーク部3から構成されている。アーク部3は、外海側と護岸内側(廃棄物海面処分場側)にそれぞれ配置されている円弧状の一対のアーク3A、3Bと、これらの内側に形成される空間内に充填されている中詰め材3Cから構成されていて、これらのアーク3A、3Bの両端はそれぞれ、セル本体2の円筒状の外殻を構成するセル殻2Aの外周面に、公知の遮水構造を備えた連結部4を介して連結されている。
図2に示すように、鋼板セル1が設置される不透水性の海底地盤5には、護岸法線方向に延びる横断面矩形状の凹部5Aが掘削形成されていて、それぞれのセル本体2は、前記凹部5A内に敷かれた基礎捨て石6の上に置かれている。
また、海底地盤5の凹部5Aの中に入り込んでいるセル殻2Aの下部の外周面と、前記凹部5Aの垂直な壁面との間は、遮水材7が充填されて遮水されている。なお、図示していないが、隣合うセル本体2間に設けられているアーク部3の下部も、セル本体2と同様に、凹部5A内に配置されていて、アーク3A、3Bのそれぞれの外周面の下部と凹部5Aの垂直な壁面との間も、前記遮水材7で遮水されている。
図2及び図3に示すように、セル殻2Aの内側には、その水平断面全体に亘って、垂直方向に所定幅dで複合遮水層8が形成されており、また、複合遮水層8から上方の天蓋9までの間と、複合遮水層8から下方のセル殻2Aの下端までの間には、それぞれ中詰め材10が充填されている。
既に図11においても説明したが、外海の潮位変動等によって、セル殻2Aの両側の水位の間に高低差が生じると、セル殻2Aには図2に示すように、護岸法線と直交する水平方向と、垂直方向にそれぞれ剪断荷重Fが作用する。
なお、図2に示す剪断荷重Fの向きは、護岸内側の水位より外海側が低位である場合の向きを示したものであり、護岸内側より外海側の水位が高位になった場合には、同図に示す向きと反対向きに作用する。
本実施形態のものにおいては、セル殻2Aに作用するこのような剪断荷重Fを、複合遮水層8においても分担できるようにするため、図1及び図3に示すように、前記複合遮水層8は、護岸法線と直交する垂直な境界面Vで隣接して護岸法線方向に交互に配列された、高剛性の遮水層8Aと低剛性の遮水層8Bから構成されている。
ここで、高剛性の遮水層8Aとしては、例えば、コンクリート系の硬質の遮水材を用いることができ、また、低剛性の遮水層8Bとしては、例えば、アスファルトマスチック等の軟質の遮水材を用いることができる。
本実施形態のものにおいては、図2に示すように複合遮水層8に作用する剪断荷重Fを、高剛性の遮水層8Aと低剛性の遮水層8Bで分担して担持するため、高剛性の遮水層8Aによって、低剛性の遮水層8Bのクリープ変形が防止できる。
また、地震発生時には、低剛性の遮水層8Bがセル殻2Aの震動を吸収し、高剛性の遮水層8A内に過大な応力が作用することを抑制でき、高剛性の遮水層8Aをクラック等の損傷から保護することができる。
その結果、セル本体2の強度を低下させること無く、セル殻2Aの内側の上方部分と下方部分と間を複合遮水層8によって遮水することが可能となる。なお、図示は省略するが、アーク部3の内部においても、前述した複合遮水層8と同様な構造の複合遮水層を形成することができる。
なお、このような複合遮水層を構成する遮水材は、前述した本実施形態のものに限定するものではなく、例えば、アスファルト系遮水材、コンクリート系遮水材、土質系遮水材の他、アスファルトマットや遮水シートの中から、高剛性の遮水層用のものと、低剛性の遮水層用のものを、それぞれ一種類ずつ、若しくは、複数種類ずつ組み合わせて用いることができる。
また、高剛性の遮水層は、遮水層の中に、護岸法線と直交する水平方向とに作用する剪断荷重と、垂直方向に作用する剪断荷重を担持できるように構成された鉄筋や鉄骨等の高剛性部材を埋設した、例えば、鉄筋コンクリートや鉄骨コンクリートのような複合体で形成してもよい。
次に、図4は、前述した実施形態の変形例を示すものであって、この例では、複合遮水層8は、既設の鋼板セル1の護岸内側のセル殻2Aの外周面が、海水や風雨に曝されて腐蝕により孔hが開いた箇所を補修する際、セル殻2Aの内側への汚染水の浸入を阻止するために、後から形成したもので、この複合遮水層8は、天蓋9を開けて上部の中詰め材10を一旦除去してから、孔hを内側から塞ぐように垂直方向に所定幅で形成し、その後、複合遮水層8の上方部分に中詰め材10を再充填したものである。
また、図5は、前述した実施形態のさらに別の変形例を示すものであって、この例においては、複合遮水層8はその底面が基礎捨て石6と隣接するように、セル殻2Aの内側底部に形成されている。また、セル殻2Aの内壁面には、複合遮水層8と天蓋9との間で全周に亘って遮水シート11が貼り付けられており、セル殻2Aに腐蝕等によって孔が開いた場合に、前記遮水シート11によって、中詰め材10側への汚染水の浸入が遮断されるようにしてある。
また、万一この遮水シート11が漏水した場合にも、セル殻2Aの内側底部に形成されている複合遮水層8で漏水は阻止されるため、廃棄物海面処分場から漏れ出した汚染水が基礎捨て石6内に浸入する可能性は極めて少ない。
なお、以上に説明した第1の実施形態のものにおいては、複合遮水層8の垂直方向の幅d(図2及び図3参照)は高剛性の遮水層8Aと低剛性の遮水層8Bにそれぞれ用いる遮水材の遮水性能等に応じて所望の幅に設定することができる。また、このような複合遮水層8は、セル殻2Aの内側に上下複数段に形成してもよい。
次に、図6は、本発明の第2の実施形態における、セル本体部分を示す水平断面図、図7は、図6のA−A断面を示す断面図、図8は、図6のB−B断面を示す断面図である。本実施形態のものは、複合遮水層8’を除き、前述した第1の実施形態のものと構造は同じである。
本実施形態のものにおいては、トラス構造の鋼鉄製の枠組からなる複数の高剛性部材8’Aが遮水層8’Bの中に埋設されて複合遮水層8’が構成されている。これらの高剛性部材8’Aは、図6及び図8に示すように、それぞれの長手方向を、護岸法線と直交する水平方向に平行になるように、セル殻2Aの内側に、護岸法線方向に等間隔に配置されている。
また、これらの高剛性部材8’Aの長手方向の両端部は、セル殻3Aの内壁面とそれぞれ連結されていて、セル殻2Aに作用する護岸法線と直交する水平方向に作用する剪断荷重と、垂直方向に作用する剪断荷重とを分担できる構造になっている。
この実施形態のものにおいては、セル殻2Aに作用する剪断荷重を主に、トラス構造の鋼鉄製の組枠で構成されている高剛性部材8’Aが抗する構造であるため、遮水層8’Bには、例えば、アスファルトマスチック等の低剛性で地震の際の振動減衰効果に優れたものを使用すると効果的である。
また、この実施形態のもののように、高剛性部材8’Aを鋼鉄製としている場合には、前記剪断荷重によって、複合遮水層8’内に作用する引っ張り応力を、高剛性部材8’Aが分担するため、遮水層8’Bには、引張り荷重に対して脆弱な、コンクリート系等の高剛性の遮水材も使用可能である。
さらに、前記複合遮水層8’は、先に説明した第1の実施形態のものにおける複合遮水層8と同様に、セル殻2A内での垂直方向の幅dは、遮水層8’Bに用いている遮水材の遮水性能等に応じた幅とすることができる。また、必要に応じて、このような複合遮水層を、セル殻2Aの内側に上下複数段に形成してもよい。
また、本実施形態のものにおいては、高剛性部材8’Aを複数の独立した鋼鉄製の枠組みで構成しているが、これらの高剛性部材8’Aは、相互に連結部材で連結して一体化してもよい。また、複合遮水層に用いる高剛性部材は、セル殻に作用する護岸法線と直交する水平方向に作用する剪断荷重と、垂直方向に作用する剪断荷重とを分担できる構造でありさえすればよく、例えば、このような複合遮水層を、鉄筋や鉄骨を高剛性部材として防水コンクリートの遮水層中に埋設した、鉄筋コンクリート製や鉄骨コンクリート製、もしくはハイブリッド製としてもよい。
また、アークの鋼板からその内側への漏水対策についてはここでは説明を省略しているが、複合遮水層8’と同様な構造の複合遮水層をアーク部内にも形成することが可能である。
なお、第1の実施形態ならびに第2の実施形態のそれぞれのものは、何れも、海底地盤5に掘削形成した凹部5A内に基礎捨て石6を敷設し、その上にセル本体2を置いて、セル殻2Aの外周面下部と凹部5Aの垂直な壁面との間を遮水材7で遮水する構造のものについて説明しているが、本発明のセル本体の遮水構造は、このようなものに限定するものではなく、根入れ鋼板セルにおけるセル本体の遮水構造についても、同様に実施することが可能である。
本発明のセル本体の遮水構造は、鋼板セルや根入れ式鋼板セルによって廃棄物海面処分場等のセル式遮水護岸を構築する際に利用することができる。
1 鋼板セル
2 セル本体
2A セル殻
3 アーク部
3A、3B アーク
3C 中詰め材
4 連結部
5 海底地盤
5A 凹部
6 基礎捨て石
7 遮水材
8、8’ 複合遮水層
8A 高剛性の遮水層
8B 低剛性の遮水層
8’A 高剛性部材
8’B 遮水層
9 天蓋
10 中詰め材
11 遮水シート
V 境界面
F 剪断荷重

Claims (2)

  1. セル本体どうしをアーク部で連結するセル式遮水護岸に用いるセル本体の遮水構造であって、
    高剛性の遮水層と低剛性の遮水層が護岸法線と直交する垂直な境界面で隣接して、護岸法線方向に交互に配列されてなる複合遮水層が、セル殻の内側に、その水平断面全体に亘って垂直方向に所定幅で形成されていることを特徴とするセル本体の遮水構造。
  2. セル本体どうしをアーク部で連結するセル式遮水護岸に用いるセル本体の遮水構造であって、
    遮水層の中に、護岸法線と直交する水平方向に作用する剪断荷重と、垂直方向に作用する剪断荷重に抗する高剛性部材が埋設されてなる複合遮水層が、セル殻の内側に、その水平断面全体に亘って垂直方向に所定幅で形成されていることを特徴とするセル本体の遮水構造。
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