JP5977604B2 - 遮水護岸の構築方法 - Google Patents

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本発明は、海底地盤の上に、遮水処理を施したケーソンやセル等の護岸構造体を配列して遮水護岸を構築する方法に関する。
従来、廃棄物海面処分場等の遮水護岸を構築するために、連結部を遮水構造とした複数のケーソンやセル等の護岸構造体を護岸法線方向に並べて海底地盤上に設置している。護岸構造体が設置される海底地盤は、不透水性地盤もしくは不透水性改良地盤であるが、これらの地盤表面は凹凸が存在しているため、護岸構造体を設置する際に、海底地盤上に平坦な基礎面を形成する必要があり、一般的には、海底地盤上に基礎捨て石層を形成し、その上に護岸構造体を設置するようにしている。
図14は、このような従来の遮水護岸の一例を示す断面図であって、同図に示す遮水護岸A1は、ケーソンA2を護岸法線方向に多数配列して構築されるものである。ケーソンA2の設置に際しては、不透水性地盤もしくは不透水性改良地盤である海底地盤A3に、護岸法線方向を長手方向とする溝部A4を形成し、次いで前記溝部A4の底部に捨て石を投入して均一に均すことにより、上面が水平で平滑な基礎捨て石層A5を形成する。
次に、基礎捨て石層A5の上にケーソンA2を設置する。この際、ケーソンA2の設置の安定性と、当該ケーソンA2の下面の遮水性を高めるために、基礎捨て石層A5の上面とケーソンA2の下面との間に遮水シートや遮水マット等の遮水膜を介在させる場合もある。
また、図示していないが、同様に設置される隣の護岸構造体との間を遮水処理を施した連結部を介して連結する。その後、溝部A4の幅方向両側のそれぞれの側壁面A41と、これらに対向するケーソンA2ならびに連結部(図示せず)の下部両側面との隙間をアスファルトマスチック等の遮水材A6で埋めることにより、ケーソンA2の護岸内側と外海側との間を遮水して、遮水護岸A1の構築を完了する。
このような、ケーソンA2を溝部A4内の基礎捨て石層A5の上に設置して構築される遮水護岸A1においては、図15に示すように、地震等によって溝部A4の隅に亀裂A7が入り、この亀裂A7が護岸内側の海底地盤A3の表面に達している場合、護岸内側に溜まっている汚染水が亀裂A7を通って溝部A4内に浸入してくる可能性がある。
ところが、溝部A4内に汚染水が浸入すると、溝部A4の底部に形成されている基礎捨て石層A5は透水係数が大きいため、この汚染水はさらに基礎捨て石層A5の中を通過して、外海側の遮水材A6の下方まで浸透してしまう。
このとき、地震や地盤沈下等によって、溝部A4の外海側の側壁面A41と遮水材A6との間、あるいは、ケーソンA2や連結部の下部側面と遮水材A6との間の遮水性が損なわれた場合には、基礎捨て石層A5内に浸入した汚染水が外海側へ流出してしまう危険性がある。
この点において、特許文献1にはケーソン等の下部に溝部の両側からアスファルト混合物を流し込んで、基礎捨て石層の石の隙間に充満させることで、当該基礎捨て石層の内部を不透水性にする提案がされている。
特許第4293435号公報
しかしながら、前述した特許文献1に見られるように、基礎捨て石層の個々の石の隙間にアスファルト混合物を充満させて、基礎捨て石層の遮水性を確保する作業は、高度な技術が必要であるとともに、工事コストが高く工期も長くなる問題があった。
そこで、本発明は、前述したような、従来技術における問題点を解消し、ケーソンやセル等の護岸構造体が設置される基礎捨て石層の確実な遮水を、低コスト且つ短工期で容易に実現することができ、地震発生時等において、護岸内側の汚染水が外海へ流出する危険性を極力少なくできる、遮水護岸の構築方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために提供される発明は、廃棄物海面処分場等の遮水護岸を構築する方法に関するものであって、その第1のものは、不透水性地盤もしくは不透水性改良地盤に、護岸法線方向を長手方向とした溝部を形成する第1の工程と、前記溝部の底部に、基礎捨て石層を形成する第2の工程と、前記基礎捨て石層の表面全体を遮水膜で覆って、基礎捨て石層内への周囲からの浸水を遮断する遮水処理を行う第3の工程と、複数の護岸構造体を、遮水膜で覆われた基礎捨て石層の上面に設置して、溝部長手方向に配列する第4の工程と、前記それぞれの護岸構造体間を、遮水処理を施した連結部を介して相互に連結する第5の工程と、前記溝部の幅方向両側の側壁面と、護岸構造体ならびに連結部のそれぞれの下部両側面との間に形成される隙間を遮水材で埋めて遮水処理を行う第6の工程を含み、第3の工程は、溝部の幅方向両側の周縁部に立ち上げ片を有する遮水膜を用いて、これらの立ち上げ片を溝部の底面から両側壁面のそれぞれに沿って上方に折り曲げ、両側壁面の表面を下端から所定の高さまで覆う工程を含むとともに、第6の工程は、これらの立ち上げ片を各側壁面表面に密着させた状態で遮水材の中に埋没させる工程を含むことを特徴としている。
また、その第2のものは、不透水性地盤もしくは不透水性改良地盤上に、護岸法線方向に並行する2列の連続した型枠ブロックを設置して、これらの型枠ブロックの列の対向する側壁面の間を前記護岸法線方向を長手方向とした溝部として形成する第1の工程と、前記溝部の底部に基礎捨て石層を形成する第2の工程と、前記基礎捨て石層の表面全体を遮水膜で覆って、基礎捨て石層内への周囲からの浸水を遮断する遮水処理を行う第3の工程と、複数の護岸構造体をそれぞれ、遮水膜で覆われた基礎捨て石層の上面に設置して、溝部長手方向に配列する第4の工程と、前記それぞれの護岸構造体間を、遮水処理を施した連結部を介して相互に連結する第5の工程と、前記溝部の幅方向両側の側壁面と、護岸構造体ならびに連結部のそれぞれの下部両側面との間に形成される隙間を遮水材で埋めて遮水処理を行う第6の工程を含み、第3の工程は、溝部の幅方向両側の周縁部に立ち上げ片を有する遮水膜を用いて、これらの立ち上げ片を溝部の底面から両側壁面のそれぞれに沿って上方に折り曲げ、両側壁面の表面を下端から所定の高さまで覆う工程を含むとともに、第6の工程は、これらの立ち上げ片を各側壁面表面に密着させた状態で遮水材の中に埋没させる工程を含むことを特徴としている。
また、前記第1の発明又は第2の発明中の第2の工程は、基礎捨て石層を、溝部の長手方向に複数並べて形成するとともに、第6の工程は、遮水膜で覆われた隣合う基礎捨て石層の間に形成される溝部内側の隙間を遮水材で埋めて遮水処理を行う工程を含むことが効果的である。
請求項1に記載された発明によれば、地震や地盤沈下等によって、溝部の隅等に亀裂が生じ、前記亀裂から護岸内側の汚染水が溝部内へ浸入した場合に、基礎捨て石層の内部への浸水は遮水膜によって遮断されているため、前記汚染水が透水係数の大きい基礎捨て石層内へ浸入する恐れはない。
そのため、汚染水の溝部内への浸入に加えてさらに、ケーソンやセル等の護岸構造体と溝部間を、外海側で遮水している遮水材の遮水機能が損なわれた場合にも、護岸内側から溝部内に浸入した汚染水が外海へ流出する危険性を極力少なくすることができる。
また、基礎捨て石層の表面全体を遮水膜で覆って、基礎捨て石層内への周囲からの浸水を遮断するようにしているため、基礎捨て石層の中にアスファルトマスチック等の遮水材を流し込んで基礎捨て石層内への浸水を阻止する方法と比較して、基礎捨て石層の確実な遮水を低コスト且つ短工期で容易に実現することができる。
さらに、溝部の底面や側壁面と遮水膜との密着面積を広く確保することができるため、地震の震動等を受けた場合に、遮水膜の基礎捨て石層を覆う位置がずれて漏水が発生する危険性を少なくすることができる。
また、地震発生時等において、亀裂等が入って漏水を生じる可能性が大きい溝部の隅を遮水膜で覆うようにしているため、護岸内側から溝部内への汚染水の浸入をより確実に防ぐことができる。
請求項2に記載された発明によれば、護岸法線方向に並行する2列の連続した型枠ブロックを海底地盤に設置することによって溝部を形成しているため、溝部を掘削して形成することが困難な海底地盤に護岸構造体を設置して遮水護岸を構築する場合においても、請求項1の発明と同様な効果を得ることができる。
請求項に記載された発明によれば、請求項1又は2に記載された発明の効果に加えてさらに、巨大地震等によって一部の基礎捨て石層を覆う遮水膜が漏水し、当該基礎捨て石層内に護岸内側の汚染水が浸入してしまった場合においても、残りの基礎捨て石層は個別に遮水されているため、汚染水が他の基礎捨て石層内に侵入する恐れはない。
そのため、浸水した基礎捨て石層以外の位置で、護岸構造体や連結部と、溝部との間で外海側の遮水状態が不完全な箇所が発生していた場合においても、汚染水が外海側へ漏れ出す危険性を可及的に少なくすることができる。
本発明の第1の方法によって構築された廃棄物海面処分場の遮水護岸を示す断面図である。 本発明の第1の方法における第1の工程で海底地盤に形成される溝部の断面図である。 本発明の第1の方法における第2の工程で溝部の底部に形成される基礎捨て石層の断面図である。 本発明の第1の方法における第2の工程で溝部内に形成される基礎捨て石層の平面図である。 本発明の第1の方法における第3の工程で基礎捨て石層を遮水膜で覆った状態を示す断面図である。 本発明の第1の方法における第4の工程で遮水膜で表面を覆った基礎捨て石層の上にケーソンを設置した状態を示す断面図である。 本発明の第1の方法における第6の工程でケーソン下部側面と溝部側壁面の隙間を遮水材で埋めた状態を示す部分断面図である。 図7のA−A断面図である。 図7のB−B断面図である。 隣接する基礎捨て石層間を跨いでケーソンを設置した実施形態を示す溝部内の部分断面図である。 本発明の第1の方法において、立ち上げ片を有する遮水膜を使用した実施形態を示す溝部内の部分断面図である。 本発明の第2の方法によって構築された廃棄物処分場の遮水護岸の断面図である。 本発明の第2の方法における第1の工程で海底地盤上に形成される溝部の断面図である。 従来の遮水護岸の一例を示す断面図である。 従来の遮水護岸における汚染水の漏水経路を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の方法によって構築された廃棄物海面処分場の遮水護岸の断面図であって、同図に示す遮水護岸1は、護岸構造体としてのケーソン2を、護岸法線方向に複数並べて構築されたものである。
遮水護岸1の構築工事は、後述する各工程によって行われるが、ケーソン2の設置場所の海底地盤3が、透水係数が大きい堆積層のような地盤である場合には、これに先立って、海底地盤にセメント等の硬化剤を注入して不透水性に硬化させる地盤改良工事を行なう。なお、地盤改良は、構築しようとする遮水護岸1の護岸法線に沿って、所定幅の範囲を不透水性の岩盤に達する深さまで行うことが望ましい。
(第1の工程)
図2に示すように、不透水性に改良された部分の海底地盤3を掘削して、護岸法線方向を長手方向とした所定の深さと幅の溝部4を形成する。なお、溝部4の掘削を容易にするために、前記地盤改良工事を行う際に、海底地盤3の溝部4を形成する部分については地盤改良せずに残しておく。また、海底地盤3が元来不透水性である場合には、前述した地盤改良工事は行わずに直接溝部4を形成することができる。
(第2の工程)
次に、図3及び図4に示すように、溝部4の底部に捨て石を投入してその上面5Aと周面5Bを整え、上面5Aが平坦で、周面5Bが捨て石の安息角に従って傾斜した平面視略矩形状の基礎捨て石層5を形成する。基礎捨て石層5は、各々のケーソン2の設置位置の下方に対応するように、溝部4の長手方向に複数並べて形成する。
この際、図3に示すように、溝部4の両側壁面4Aと、これらに面する基礎捨て石層5の周面5Bの下端との間には、それぞれ所定の隙間aを設けておく。また、図4に示すように、隣接する基礎捨て石層5の、溝部4の長手方向に対向する周面5Bの下端間にも、所定の隙間bを設けておく。
(第3の工程)
次に、基礎捨て石層5の表面全体(上面5Aと周面5B)を、図5に示すように、周縁部6Aが溝部4の底面4Bまで達する一体に繋がった遮水膜6で覆って、基礎捨て石層5内への浸水を遮断する遮水処理を行う。なお、本実施形態においては、遮水膜6に矩形シート状のアスファルトマットを用いている。
このようなアスファルトマットを用いた遮水膜6は、海中に沈降させてその中央部裏面を基礎捨て石層5の上面5Aに着底させると、上面5Aから外側にはみ出ている周囲の部分が自重によるクリープ変形によって、自然に下方へ垂れ下がる。
その結果、遮水膜6は、基礎捨て石層5の周面5Bの輪郭形状に沿って、基礎捨て石層5の上面5Aと周面5B全体に裏面が密着して覆うように変形し、溝部4の底面4Bに達した周縁部6Aが底面4Bと密着するため、基礎捨て石層5の遮水処理を容易に行うことができる。
(第4の工程)
次に、図6に示すように、基礎捨て石層5の遮水処理を完了した後、ケーソン2を遮水膜6で覆われた、各々の基礎捨て石層5の上面に設置して、溝部4の長手方向(護岸法線方向)に配列する。
この際、アスファルトマットを用いた遮水膜6は、その裏面側が基礎捨て石層5の上面5A(図3参照)に当接することによって、上面5Aの凹凸を吸収するとともに、表面側がケーソン2の下面に均一に当接することによって摩擦を増大させるため、ケーソン2の設置状態を安定させることができる。
なお、基礎捨て石層5の内部への浸水を遮断するために用いる遮水膜6は、この実施形態のもののように、アスファルトマットに限定するものではなく、例えば、基礎捨て石層の各面を覆うことが可能な一体に繋がった合成樹脂系、合成ゴム系、アスファルト系等の遮水シート等を用いてもよい。
(第5の工程)
次いで、図示は省略するが、隣接するケーソン2どうしの間を、遮水処理を施した連結部を介して相互に連結する。なお、前記連結部の遮水構造については、例えば、前述した特許文献1に記載されているような、従来周知の鉛直遮水工を採用することができる。
(第6の工程)
次いで、図7及び図8に示すように、溝部4の両側の側壁面4Aと、ケーソン2の下部の両側の側面との間にそれぞれ形成される隙間と、両側の側壁面4Aと隣合うケーソン2間の連結部2Aの下部の両側の側面との間にそれぞれ形成される隙間を、溝部4の長手方向に連続するように遮水材7を充填して埋めることによって、遮水処理を行う。
本実施形態においては、遮水材7にアスファルトマスチックを用いており、また、この工程中においては、図9に示すように、連結部2Aの下面ならびにケーソン2の連結部2A近傍部分の下面と、遮水膜6で覆われた隣合う基礎捨て石層5との間に形成される溝部4の内側の隙間にも遮水材7を充填することによって、ケーソン2や連結部2Aの下面の遮水も確実になるような遮水処理を行っている。
なお、遮水材7としては、ここで用いているアスファルトマスチックのようなアスファルト系の遮水材の他、土質系遮水材やコンクリート系遮水材等を用いてもよい。また、これらの遮水材を複数種類、層状に重ねて用いてもよい。
また、ケーソン2間の連結部2Aは、本実施形態のように、必ずしも隣合う基礎捨て石層5間の上方に配置する必要はなく、任意の位置に配置することができる。例えば、図10に示すように、ケーソン2は、隣合う2つの基礎捨て石層5の両方に跨るように設置してもよい。同図に示す例では、ケーソン2の下面と、遮水膜6で覆われたこれらの基礎捨て石層5との間に形成される溝部4の内側の隙間を遮水材7で埋めて遮水処理を行っている。
次に、図11は、前述した遮水護岸1の構築工程の一部を変更した実施形態を示す部分断面図であって、この実施形態においては、前述した第3の工程において、溝部4の幅方向両側の周縁部6’Aに立ち上げ片Cを有する遮水膜6’を用いて、これらの立ち上げ片Cを溝部4の底面4Bから両側壁面4Aのそれぞれに沿って上方に折り曲げ、両側壁面4Aの表面を下端から所定の高さまで覆う工程を含んでいる。
また、同図に示す実施形態においては、前述した実施形態における第6の工程において、これらの立ち上げ片Cを各側壁面4Aの表面に密着させた状態で遮水材7の中に埋没させる工程を含んでいる。他の工程については、前述した実施形態のものと同様である。
この実施形態のものにおいては、このような立ち上げ片Cを有する遮水膜6’を用いることによって、遮水膜6’と溝部4の側壁面4Aや底面4Bとの接触面積を広く確保することができるため、地震の震動等の外力で、遮水膜6’がずれることを防止できる利点がある。
また、地震の発生時等において、特に亀裂が入り易い溝部4の隅が遮水膜6’に覆われるため、溝部4の護岸内側にこのような亀裂が生じた場合に、溝部4内へ汚染水の浸入を防ぐことができる利点もある。なお、立ち上げ片Cが側壁面4Aを覆う高さは、遮水材7と側壁面4Aと間の遮水性を確保する必要があるため、溝部4の深さの1/3程度が望ましい。
次に、図12は、本発明の第2の方法によって構築された廃棄物処分場の遮水護岸の断面図あって、同図に示す遮水護岸1’は、ケーソン2を掘削が困難な海底地盤3’に複数並べて構築されるものである。なお、遮水護岸1’が構築される海底地盤3’は、不透水性で硬質な岩盤や、セメント等の硬化剤を用いて不透水性に改良した地盤の何れであってもよい。
以下、図12に示す遮水護岸1’の構築手順を説明する。
(第1の工程)
先ず、図13に示すように、海底地盤3’上に、護岸法線方向に並行する2列の横断面矩形状の型枠ブロック8を設置して、両側の型枠ブロック8の列の対向する側壁面8Aの間を、護岸法線方向を長手方向とした、所定の深さと幅の溝部4’として形成する。
ここで、溝部4’の幅は、型枠ブロック8の対向する側壁面8A間の間隔であり、これらの側壁面8Aは、溝部4’の両側壁面4’Aを構成する。また、溝部4’の深さは、型枠ブロック8の海底地盤3’からの高さである。さらに、溝部4’の底面4’Bは、両側の型枠ブロック8間に挟まれた海底地盤3’の表面によって構成される。
(第2の工程)
次に、先に図3及び図4に基づいて説明した実施形態における、溝部4の底部に基礎捨て石層5を形成する第2の工程と同様な手順で、前述した2列の型枠ブロック8によって形成した溝部4’の底部に基礎捨て石層5を形成する。
(第3の工程)
前工程で形成した基礎捨て石層5の上面5Aと周面5Bを、少なくとも周縁部6Aが溝部4’の底面4’Bまで達する一体に繋がった遮水膜6で覆って、基礎捨て石層5内への周囲からの浸水を遮断する遮水処理を行う。
なお、本工程は、先に図5に基づいて説明した実施形態における第3の工程と、溝部4を溝部4’に置き換えた以外は同様であるため、詳細な説明は省略する。
(第4の工程)
複数のケーソン2をそれぞれ、遮水膜6で覆われた基礎捨て石層5の上面に設置して、溝部4’の長手方向に配列する。この工程においても、先に図6において説明した実施形態における第4の工程と、溝部4を溝部4’に置き換えた以外は同様であるため、詳細な説明は省略する。
(第5の工程)
それぞれの護岸構造体間を、遮水処理を施した連結部を介して相互に連結する。本工程も、先に説明した実施形態における第5の工程と同様であるため、詳細な説明は省略する。
(第6の工程)
図12に示す溝部4’の幅方向両側の側壁面4’A(型枠ブロック側壁面8’A)と、ケーソン2ならびに連結部のそれぞれの下部両側面との間に形成される隙間を遮水材7で埋めて遮水処理を行う。この工程においても、先に図7乃至図9に基づいて説明した工程と、溝部4を溝部4’に置き換えた以外は同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上の工程によって、図12に示す遮水護岸1’を構築することができる。なお、本実施形態の遮水護岸1’においても、溝部4を溝部4’に置き換えることで、図10や図11の遮水構造と同様な遮水構造とすることが可能である。
また、前述した各実施形態においては、ケーソンを護岸構造体として用いる場合の遮水護岸の構築方法について説明したが、本発明方法が適用可能な護岸構造体は、ケーソンに限定されるものではなく、セルを護岸構造体として構築される遮水護岸においても、同様に適用することが可能である。
本発明の遮水護岸の構築方法は、ケーソンやセル等の護岸構造体を用いて、廃棄物海面処分場等の遮水護岸を構築する方法として広く利用することが可能である。
1、1’ 遮水護岸
2 ケーソン(護岸構造体)
2A 連結部
3、3’ 海底地盤
4、4’ 溝部
4A、4’A 側壁面
4B、4’B 底面
5 基礎捨て石層
5A 上面
5B 周面
6、6’ 遮水膜
6A、6’A 周縁部
7 遮水材
8 型枠ブロック
8A 側壁面

Claims (3)

  1. 廃棄物海面処分場等の遮水護岸を構築する方法であって、
    不透水性地盤もしくは不透水性改良地盤に、護岸法線方向を長手方向とした溝部を形成する第1の工程と、
    前記溝部の底部に、基礎捨て石層を形成する第2の工程と、
    前記基礎捨て石層の表面全体を遮水膜で覆って、基礎捨て石層内への周囲からの浸水を遮断する遮水処理を行う第3の工程と、
    複数の護岸構造体を、遮水膜で覆われた基礎捨て石層の上面に設置して、溝部長手方向に配列する第4の工程と、
    前記それぞれの護岸構造体間を、遮水処理を施した連結部を介して相互に連結する第5の工程と、
    前記溝部の幅方向両側の側壁面と、護岸構造体ならびに連結部のそれぞれの下部両側面との間に形成される隙間を遮水材で埋めて遮水処理を行う第6の工程を含み、
    第3の工程は、溝部の幅方向両側の周縁部に立ち上げ片を有する遮水膜を用いて、これらの立ち上げ片を溝部の底面から両側壁面のそれぞれに沿って上方に折り曲げ、両側壁面の表面を下端から所定の高さまで覆う工程を含むとともに、第6の工程は、これらの立ち上げ片を各側壁面表面に密着させた状態で遮水材の中に埋没させる工程を含むことを特徴とする遮水護岸の構築方法。
  2. 廃棄物海面処分場等の遮水護岸を構築する方法であって、
    不透水性地盤もしくは不透水性改良地盤上に、護岸法線方向に並行する2列の連続した型枠ブロックを設置して、これらの型枠ブロックの列の対向する側壁面の間を前記護岸法線方向を長手方向とした溝部として形成する第1の工程と、
    前記溝部の底部に基礎捨て石層を形成する第2の工程と、
    前記基礎捨て石層の表面全体を遮水膜で覆って、基礎捨て石層内への周囲からの浸水を遮断する遮水処理を行う第3の工程と、
    複数の護岸構造体をそれぞれ、遮水膜で覆われた基礎捨て石層の上面に設置して、溝部長手方向に配列する第4の工程と、
    前記それぞれの護岸構造体間を、遮水処理を施した連結部を介して相互に連結する第5の工程と、
    前記溝部の幅方向両側の側壁面と、護岸構造体ならびに連結部のそれぞれの下部両側面との間に形成される隙間を遮水材で埋めて遮水処理を行う第6の工程を含み、
    第3の工程は、溝部の幅方向両側の周縁部に立ち上げ片を有する遮水膜を用いて、これらの立ち上げ片を溝部の底面から両側壁面のそれぞれに沿って上方に折り曲げ、両側壁面の表面を下端から所定の高さまで覆う工程を含むとともに、第6の工程は、これらの立ち上げ片を各側壁面表面に密着させた状態で遮水材の中に埋没させる工程を含むことを特徴とする遮水護岸の構築方法。
  3. の工程は、基礎捨て石層を、溝部の長手方向に複数並べて形成するとともに、第6の工程は、遮水膜で覆われた隣合う基礎捨て石層の間に形成される溝部内側の隙間を遮水材で埋めて遮水処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の遮水護岸の構築方法。
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