JP4749444B2 - 遮水層接続工法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物海面処分場等として構築する人工島において、外側の海と区画するための護岸を構築する際に、その区画された区域の内部から汚水が外海側に流出しないようにするための護岸の遮水工に関する。
以下に説明する本発明の説明において、護岸上に敷設する遮水層としては、例えば、遮水シート、遮水マットのような遮水性を有し、所定の広さに構成された膜状部材を敷設して、遮水膜層として活用することを想定しているものである。以下に、前記膜状部材として従来より一般の海に構築する構造物の仕切護岸に用いられるシート類、アスファルト混合物の層、遮水マット等を総称して遮水膜層と呼んでいる。そして、前記遮水膜層を護岸構造物等の鉛直遮水壁を介して、または遮水層同士を異種の遮水材を介して接続して一体化し、強度に不安定さを生じることなしに、水密性の連続性を良好に設定可能とする遮水層の構築工法に関する。
大量に廃棄物が排出される都市等では、その近くの海域を仕切護岸で仕切って、廃棄物を埋め立て処分するための処分場を構築している。そして、前記護岸で区画された範囲内に投棄する廃棄物に触れた水が、外海に流出しないように遮水する処理を施している。また、前記海面を仕切るように、前記廃棄物埋立処分場を構築する場合には、一般的には埋立地を区画するように仕切護岸を構築するもので、その護岸の構築場所では、一般的には、最初に海底地盤のための地盤改良工事を施工し、海底地盤の隙間を通って汚れた水が流出することを防止する手法が用いられる。
前記地盤改良して支持力を向上させるとともに、遮水性能を向上させる処理を施した地盤上には、石積基礎を所定の高さに構築して、その上面を平らに均してから、その基礎の上にケーソン等の構造物を設置する手段を用いて、海面を仕切る区画手段を構成する工法が一般に用いられている。なお、以下に説明する本発明の一般的な説明においては、遮水層、遮水膜層等の用語を用いて説明するが、その用語は遮水マット、遮水シートのような遮水膜層を敷設すること、または、遮水材を所定の厚さで直接施工して構築した、遮水層の一般的なものを表現している。
前記石積基礎と、その上にケーソン等を列状に据え付け、構築する区画用の構造物に対して、その裏面側(廃棄物埋立て側)には、捨石層を所定の厚さとなるように施工し、その裏面側の斜面は、捨石が安定する勾配を維持させるようにしている。前記捨石層の裏面側の表面に対して遮水性を発揮させる処理を行うと当時に、海底地盤に対しても、遮水性を持たせるような処理を行うことで、廃棄物を埋立てる区画の内部と、外海との間での水の流通を阻止する処理を施している。また、例えば、海底地盤が砂地等で、遮水性が確保できないと考えられる地盤の場合には、地盤改良工事を施工して、支持地盤をも遮水層とする遮水処理が行われている。
前記遮水層を構築するためには、前記捨石層の裏面側の斜面および、海底地盤等の表面上に敷設して用いるシート類等として、薄いゴムシートや塩化ビニール等の、水を通さない性質を有するシートを、遮水層として用いていることが多い。これらの遮水層に用いる遮水膜層は、投下される廃棄物の衝撃を受けることによっても、容易に破損しない強度と伸びる性質等を有し、不透水性で且つ耐久性を信頼できるシート状のものが用いられている。その他に、強度の大きい不織布等にアスファルト成分を含浸させたシートのように、薄くても強度の大きいアスファルトのシート等が用いられる。または、港湾工事での海底地盤の保護のため、もしくは、構造物を立設する捨石基礎を支持する地盤の表面を覆うように、5〜10cmの厚さに構成したアスファルトマットを、遮水層として用いることもある。
前記海面埋立処分場を仕切る構造物において、前記石積基礎の上に多数のケーソンを1列状に並べて、処分場を囲む長さに仕切壁を構築し、その列状に据付けられたケーソンの継目の部分の各々に対しては、ケーソン間の目地部からの漏水を防止するための遮水処理が施される。前記遮水処理手段としては、一般には弾性を有するゴム製の仕切材を、ケーソンの間の妻面に、または内外海側の両面部に、所定の間隔を持たせて圧入する状態で配置して、隙間がなくなるように封止する手法が用いられる。その他に、前記ゴム製の仕切材等を圧入して仕切る部材の間に区画される空間部に、アスファルト混合物等を注入して充填する等の処理を行って、ケーソン等の目地間から、処分場内部で発生する汚れた保有水であるところの、廃棄物、浚渫土砂もしくは建設発生土が保有している水や、廃棄物に触れて汚染された水等が、漏れ出さないような遮水処理を施している。また、前記海面埋立処分場を、海面を所定の範囲で区画して人工島として構築する例においては、例えば、特開平2002−59108号公報(特許文献1)に説明しているような、遮水方法を用いていることがある。
前記従来例においては、地盤上にアスファルトマットを敷き詰めて遮水層を構築し、前記マット部材の接続部に対して、所定の幅と厚さ、長さを有するアスファルトの層を構築している。さらに、前記マット部材の接続部の上に、アスファルトの層を後で所定の幅と厚さ、長さのものとるように構築することにより、前記マットの継目の部分を封止し、マット保護層における水密性を良好に発揮できるように構成している。前記構成に加えて、水平な海底地盤の遮水層と基礎の斜面の遮水層との接続部に対しても、それぞれに遮水性を発揮させるような処理を組合せて施工し、海底地盤と石積基礎の間と、海底地盤の全ての遮水を要する範囲に亘って、遮水性を確保することも行われている。
特開2002−59108号公報
ところが、前記遮水性を発揮する遮水膜層を敷き並べて施工して、遮水層として構築する場合に、前記遮水膜層は幅が数mのものが用いられるので、そのシートを重ねた部分で遮水性を発揮するように、シートを熱融着して隙間をなくする処理、もしくは、接着剤を用いて接続する等の処理を行うことが求められる。また、水平な面を覆うようにシートを敷き詰める部分はもとより、傾斜した接続面部に対しても、遮水膜層を重ねた部分の各々に対しても、水密性を維持可能に接続する作業を行う必要がある。
一般に、前記遮水膜層を多数枚敷き並べて遮水層を施工する場合に、そのシートの接続部を水中で接続する必要が発生する場合がある。そのように水中で接続する状態であっても、接続部分の遮水性を確保する必要がある。そこで、前記遮水膜層の継目の部分に対しては、接着性を有するアスファルト混合物の板状のもの等を挟むようにしてシートを重ねたり、そのシートの継目の上面に、帯状にアスファルト混合物を重ねるように施工することにより、遮水性を発揮する手段を設けることが考えられる。
しかしながら、前記遮水膜層等を接続する部分に対して、アスファルト混合物の層を海中で重ねるように施工するに際して、一定の厚さと巾、および長さ(もしくは広さ)になるように混合物の層を構築することは、非常に面倒な工事を行うことが要求される。さらに、海底地盤上に石を積み重ねて構築した石積基礎において、その斜面等を覆うように遮水膜層を斜面上に敷設することは、シートを支持する基礎の斜面にある凹凸や、斜面の勾配が大きな障害となる。そこで、前記石積基礎の表面部分に対しては、できるだけ大きな凹凸がないように、小さい石等を凹部に詰めて、大きな凹凸がなくなるような始末を行うことが必要である。また、斜面の勾配が緩やかになるように施工するとともに、石積基礎の表面側の石をできるだけ小さな石を敷き詰める等の処理を施すことにより、表面を覆う遮水膜層等の敷設作業を容易に行い得て、シートが破損しないように処理することも必要とされる。
前記遮水層に用いる遮水膜層等は、取扱いが可能な限度まで大きく形成したものを敷設することで、接続作業を容易に行い得るようにするとともに、水中での接続作業を少なくするよう段取りされている。しかし、前記遮水膜層を敷設した後で、嵐等の天災時の波浪の影響を受けて、遮水膜層が破損することがあり、破損したシートを水中で接続し直す等の補修が要求されることがある。さらに、前記石積基礎と地盤の表面との双方に対して、遮水層を構築するためにも、従来の工法よりも効果的な新工法を開発することが求められている。
また、護岸構造物自体に対する遮水処理では勿論のこと、護岸構造物に沿わせて構築する石積層においても、廃棄物が前記石積層の石の間を通って外海に流出しないように、護岸本体または石積層の斜面と海底地盤の双方に亘って、遮水層を設けることが行われている。前記石積層の表面等の斜面部を覆う遮水層においても、その遮水層に遮水膜層を敷設し、各シートの接続部が大気中または水中のいずれにあっても、遮水処理を行うことは前記護岸本体に設ける遮水層の場合と同様に、信頼性のある処理を行い得て、比較的容易に処理できるようにすることも求められる。
本発明は、遮水膜層の接続部での遮水層の構築を、水中、空気中のいずれをも問わず現場で容易に行い得て、特に海中で施工した遮水層の接続部での信頼性を向上させるとともに、遮水の性能を長期間に亘って確保可能とした、遮水層の構築工法を提供することを目的としている。
本発明は、護岸構造物を列状に構築する仕切護岸により廃棄物海面埋立処分場を区画し、前記仕切護岸により区画される区域の内外で、水を通さない遮水性を発揮するものとして構成するとともに、前記護岸構造物と、前記構造物を海底地盤上で支持する石積層の一方の表面を覆うように遮水膜層を敷設して、遮水層としての作用を持たせる仕切護岸の遮水層接続工法に関する。
請求項1に発明は、前記遮水層での遮水膜層の接続部では、接続する遮水膜層端部を重ねるかもしくは近接させて配置し、
前記遮水膜層の接続部分を中心にして、所定の範囲を覆う広さを有する仕切板ユニットを設置し、前記仕切板ユニットを多数区画して設けた区画内に遮水材を充満させて、前記遮水膜層と遮水材とを一体化して遮水性を有する接続部として形成するもので、
前記遮水膜層を構築するに際しては、前記仕切板ユニットを遮水膜層接続部に位置決めして、遮水材を前記仕切板ユニットの区画内に充満させて施工して一体化処理を行った後で、前記遮水膜層の接続部の周囲と上部とを覆うように押え層を構築して、前記遮水膜層接続部の仕切板ユニットと遮水材の層とを、前記押え層により所定の位置で固定保持させることを特徴とする。
請求項2の発明は、前記遮水層として施工する遮水膜層の接続部が、斜面の傾斜方向に長く設けられている箇所では、前記仕切板ユニットを、前記長い接続部に沿わせて多数配置して、前記遮水膜層の接続部全体を覆うように設置し、
各仕切板ユニットの区画を埋めるように遮水材を施工し、前記仕切板ユニットの列を一体化して遮水膜層の接続部を覆う状態に設け、前記遮水膜層を連続させた接続層として構築することを特徴とする。
請求項3の発明は、前記仕切板ユニットは、平面視で矩形、多角形もしくは円形の任意の大きさの区画を、多数組み合わせて構成したものを用い、
前記仕切板ユニットを遮水膜層の接続部の上に位置決めして載置し、遮水材を前記仕切板ユニットの区画を埋めるように所定の厚さで施工して、
前記仕切板ユニットと遮水材、および遮水膜層とを一体化した遮水接続層として構築することを特徴とする。
請求項4の発明は、前記2つの遮水膜層を接続する位置が傾斜面である場合に、前記仕切板ユニットの区画の筒状の空間部を、海底地盤に対して垂直に立設させる角度、もしくは垂直に近い角度で設けておき、
前記中仕切ユニットの上から遮水材を打設して遮水膜層の接続部を覆う遮水材の層を、意図する厚さに形成可能とすることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記仕切板ユニットは、任意の広さと厚さに構成可能なものであり、
既に構築しているかまたは、敷設した際に遮水膜層または遮水層に裂け目や孔が生じる等の欠陥が発生したときに、
前記欠陥が発生した遮水層の上を覆っている保護層等を、除去する等の処理を行って露出させ、
前記欠陥を生じた部分の上に、前記仕切板ユニットを位置決めして設け、前記仕切板ユニットの区画に遮水材を充満させて、前記欠陥を生じた部分を前記仕切板ユニットと遮水材を一体化した遮水層で覆うことを特徴とする。
前述したように、新設する護岸または既設の仕切護岸で、護岸の表面部を覆うように設ける遮水層では、遮水膜層を接続する作業を、仕切板ユニットを継ぎ目に対して位置決めして、遮水材を所定の厚さと面積に充填することで、作業を容易に行うことができる。そして、護岸の斜面部に敷設する遮水層と、遮水接続部とが、斜面部に沿って滑り落ちたりすることがないように、固定して保護することができ、構築物と一体化した遮水作用を良好に発揮できる。そして、斜面に配置する遮水層の上下の端部に対しても、固定・保持する作用を仕切板ユニットを用いて良好に行い得ることになるので、隣接する遮水層との間に隙間が生じたりすることがなく、遮水性を確保できる。
図示される例にしたがって、本発明の遮水層接続法を説明するが、以下に説明する実施例の前提となる一般的な仕切護岸について、最初に説明する。廃棄物の埋立処分場を区画するために、一般に用いられている仕切護岸は、遮水を要求される遮水護岸の埋立地側の表面に対して、遮水膜層部材を隙間なく敷き詰めて設けることで、その遮水膜層により護岸での遮水性を維持させるように構築している。
前記遮水膜層部材としては、従来より一般に使用されている任意の遮水膜層を用いることが可能であり、例えば、アスファルトマットやアスファルトを巾の広い布等に含浸させた遮水膜層類、塩化ビニールやゴムシート、その他の樹脂製のシート、その他に水を通さない性質を有する遮水性のシート類を用いることができる。
また、前記シート類のみでは、長期間に亘って遮水性を維持できないと考えられる場合には、石積層の表面部にアスファルト混合物層や粘土層等を構築し、その上面を覆うように遮水膜層を敷設して組合せて配置し、遮水材の層を複合・積層した、より信頼性の大きい遮水層として構成することも、必要に応じて適宜採用できるものである。
なお、前記遮水材としては、アスファルト系遮水材、コンクリート系遮水材、土質系遮水材等の他に、従来公知のケミカル系遮水材等を用いることが可能である。前記各種の遮水材は、従来より海中での打設が可能なことが知られているものであれば、遮水膜層との相性を考慮して、任意の遮水材を用いることが可能であるが、以下の実施例では、アスファルト系遮水材の1種としての、マットアスファルトマスチックを代表にして説明している。その他に、他の遮水材料を単独で、または複数の遮水材料を組み合わせて使用することが可能なことは当然のことである。
図1に説明する例は、廃棄物処分場として予定する海域を、仕切護岸を構築して仕切ることにより、所定の広さの範囲に区画する一般的な廃棄物処分場の例を説明している。前記仕切護岸は、ケーソン等の構造物を列状に据付け、予定した区画を囲むように護岸を施工する手法を用いて、埋立処分場と外の海域との間で、海水が流通しないように区画するようにしている。
前記仕切護岸1を構築する場合に、海底地盤が軟弱な地層の場合には、その海底地盤を構造物を支持するに適した強度を持たせるために、地盤を改良する等の従来公知の地盤改良処理を行う。図示する実施例においては、遮水層における遮水性を強化するために、遮水材として作用させるように粘土やセメント等を、海底の土と混合・攪拌する等の処理を所定の深さまで施工し、所定の厚さの地盤改良層4とする工事を行ってから、その上に所定の高さで捨石基礎3を構築する等の処理を施工する。
前記捨石基礎3の上に立設する構造物2としては、一般にはコンクリートケーソンを用いるが、その他に、いわゆるハイブリッドケーソンと呼ばれる種類のケーソンも、水深の深い場所では使用される。前記ハイブリッドケーソンと呼ばれる種類のケーソンは、鋼製の箱状に構成した本体の周囲を、コンクリートで被覆して構成するもので、大型のものであっても、比較的軽いものとして構成できるという利点があり、近年、水深の深い場所で多く使用されているケーソンである。
前記構造物2を基礎3の上に立設して、仕切護岸を構築するに際しては、構造物の下面に対応させた位置に、所定の厚さのアスファルトマット等を敷いて、波浪の影響を受けても、滑ったりすることがないように安定させるために用いる。また、前記ケーソンのような構造物を一列に並べて設置する工法の他に、矢板を列状に打設して仕切護岸を構築する工法や、前記構造物と矢板壁の2つの遮水壁手段を複合した遮水手段も、必要に応じて用いることが可能である。なお、本発明の以下の説明では、ケーソンを捨石基礎の上に立設して、仕切護岸を構築する例に関してのみ説明して、他の構造の護岸に関しては、従来より公知の技術手段を、任意に組み合わせて適用可能であることから、特に説明することを省略している。
前記構造物2を1列状に並べて立設して、仕切護岸1を構築するに際しては、その立設する構造物の間に隙間が形成されないように、前記各構造物間での隙間を塞ぐ遮水工を施工するもので、その遮水工としては従来公知の任意の工法を用いる。例えば、隣接するケーソン間の隙間の海陸の両側に、ゴム等で作成したパイプ状、または厚い板状のの仕切部材を挿入して内部の空間を規定し、前記ケーソン間の空間部分にアスファルトマスチックを注入して、一体化させた封止手段を構築することができる。また、必要に応じて、列設した構造物2の内海側に沿わせるように、縦壁の表面に沿わせた任意の材料による遮水層を構築し、構造物の間を遮水処理することと合わせて、構造物の列の隙間での遮水工を施すことも可能である。
前記構造物2を支える捨石基礎3は、工事用の作業船から大きな石を投下し、石を積み上げて構築するものであるから、その基礎3の内部には大きな空隙があって、自由に水が流通するものである。そこで、仕切護岸1の埋立地側に対しては、特に、基礎の表面部に対して完全に遮水する性質を持たせるように、遮水処理を施すことが必要である。また、前記捨石基礎3の表面に沿っても、基礎表面遮水層10を構築することにより、不透水性を発揮させる処理を行った海底地盤4と、ケーソンの表面に設ける遮水層との間で前記基礎表面遮水層10により、遮水性を発揮させるようにする処理が施される。前記基礎表面遮水層10としては、捨石基礎3の表面を覆うように、遮水性を有する保護層11を所定の厚さで施工し、その上に遮水膜層12を敷き詰めて施工すると良い。
前記基礎表面遮水層10として施工する遮水膜層12は、構造物側の端部と斜面の下部側との両端部で、それぞれ隙間が生じないようにして、遮水性を発揮させる処理を行っている。また、図1に例示するものでは、シート12の上下の面に対して、粘土系の土やその他の材料を所定の厚さの層として設けて、保護層11、11aを構築することで、遮水膜層12に落下物が直接当たらないように保護する手段を用いている。
さらに、構造物側の端部においては、遮水膜層12の端部を、構造物2の基部にまで延長させ、必要に応じてシート端部を接着する等の固定手段を用いて支持し、その上にアスファルトマスチック14を施工し、前記遮水層10の上表面を覆うように土の層11aを施工して強固に保護する。
前記基礎表面遮水層10の海底地盤4の側の、いわゆる斜面の下側の端部の地盤上に、端部押え工15を施工するもので、海底地盤の上まで延長したシートの施工位置で、地盤の凹凸を解消するために、均しアスファルトマスチック16を施工する等の、必要な補助手段を施してから前記端部押え工15を施工する。
前記遮水膜層12の地盤側の端部を固定するために、前記遮水処理部の上に遮水膜層の端部を位置させるように敷設してから、ブロック18、18aを所定の間隔で2列に置いて、その2列のブロック18、18aの間に遮水膜層の端部を位置させて、端部押え部材17として、所定の厚さでアスファルトマスチックを施工して遮水層を構築する。そのために、前記遮水膜層12を下面の凹凸をなくした状態で敷き詰め、そのシートの両端部での固定・保持手段を施工することで、前記構造物2の内側面と地盤の上との両端部で、不透水性を良好に維持できるような処理を施している。
前述したようにして、捨石基礎3の内海側に基礎表面遮水層10を施工してから、その上面を覆うように、土や砂等を所定の厚さとなるように施工して、保護層11aを構築する。これは、次にその遮水層の上に石等を投棄して、裏込石層5を構築する際に、投棄する石の角が当たったりして、または石の落下の衝撃により、遮水膜層が破損したりすることがないように、前記保護層11aにより保護するのである。さらに、前記護岸1の内海側に裏込石層5を施工して、前記裏込石層5の表面(斜面)に対しても、斜面遮水工20を施工する。
前記斜面遮水工20の上には、所定の厚さとなるように押え捨石の層6を施工して、前記斜面遮水工20を安定させる。そして、上から大きな硬い塊等が落下する等の、何等かの衝撃が加えられたり、廃棄物を投棄して捨土層を構築するに際して、局部的な押圧力または、偏った荷重が遮水層に作用したとしても、その外力が直接遮水層に悪い影響を与えたりしないように保護している。その後に、廃棄物を投棄して積み重ね、充填層7を海面上から所定の高さとなるように構築するが、前記充填層7の上には、最後に覆土層8を所定の厚さで施工して、埋立地に樹木や草等を植えて緑化する際に、根を張らせる土として利用できるようにすることも考えられる。
前記裏込石層5の表面(斜面)に対して、斜面遮水工20として施工する遮水層に対しては、保護マット22等を敷いてから、その上面に遮水膜層21を敷き詰める。また、前記シート21の上面にも保護マットを敷いてから、保護材23を敷き込むような手段を用いることで、その上に押え捨石の層6を施工する際に、斜面遮水工20に傷を付けたり、その遮水性を損なったりすることなしに、遮水工を安定させて保護できるように設けている。なお、前記斜面遮水工20の遮水膜層21を、保護材23と組み合わせて複合した遮水工に対して、前記斜面に施工した遮水工の上下の両端部においては、前記基礎表面遮水工10の場合と同様な手段を用いて、遮水工の端部に対しても遮水処理を行うようにしている。
前記斜面遮水工20において、その遮水膜層21の斜面の上側の端部は、端部押え工24として公知の工法を用いて固定するもので、例えば、遮水膜層21と保護マット22とを重ねた状態のままで、構造物の側面に沿わせて下側に向けて折り曲げるようにして施工すると良い。前記シート類を折り曲げて適当な深さまで垂下させて、固定する場合には、例えば、護岸1の構造物2に設けている内側面の縦壁に対して、その表面にも遮水層を設けておき、この遮水膜層21とを重ね合わせるようにして、遮水性を維持させることができる。なお、前記斜面遮水工20の遮水膜層21のみを、縦壁の表面に設けた遮水処理層に対して水密に接続することによっても、ケーソンの上部での遮水の性能を発揮させることができる。
また、前記遮水膜層21の下側(海底地盤側)の端部は、前記基礎表面遮水層10と同様な処理を施し得るもので、斜面遮水工20の海底地盤4の側の端部では、端部押え工25を施工している。前記端部押え工25としては、海底地盤のシートの施工位置での凹凸を解消するために、均しアスファルトマスチック層26を施工して、シート端部の裏面が海底地盤の上(押え工25の上面)面に隙間なく接するようにする。そして、その上に遮水膜層21の端部をおいて、そのシート21の地盤側の端部を固定するために、ブロック28、28aを所定の間隔を介して2列状に施工し、その2つのブロック28、28aの列の間に、所定の厚さでアスファルマスチックを施工して、シート端部押え部材27として設けている。
前述したようにして、ケーソン等を立設して構造物2による護岸1を構築し、その内海側に、基礎3の表面と裏込石層5の斜面とに対して、それぞれ遮水工を施工してから、押え石の層6を所定の厚さとなるように施工する。そして、前記押え石の層6により、廃棄物が直接遮水工に接することがないように保護して、処分場を外海と区画し、後で区画の内側に投棄する廃棄物に接して汚染された水が、外海に流出しないように区画する。前記護岸とその保護・遮水手段を構築してから、廃棄物を投棄して埋立て、その廃棄物を積み重ねた上に、覆土層を所定の厚さとなるように積層して、草木等の成育に供するようにすることで、埋立地の造成を完了する。
前記仕切護岸の例は、列状に立設して設けたケーソンの列により海域を区切って、廃棄物処分場を区画して構築する場合の例で説明したが、その他に、図2に示すように、ケーソン等による護岸と所定の間隔を介して、平行に鋼製矢板を壁または列状に打設して、前記矢板壁とケーソンの壁とを組合せて構成する場合もある。
その他に、矢板壁のみを1列、または2列に立設して、埋立て海域を区画する工法も用い得るが、それ等の矢板壁を用いる例では、本発明の実施例に準じた遮水処理手段を参考にして、施工することもできる。つまり、垂直に立設した矢板壁と遮水膜層の接続部での処理に関しては、後で説明する工法を用いて処理可能であることから、前記図2では、前記図1と異なる構成の遮水壁の実施例として説明しているものである。
図2に示す例では、ケーソン2のような構造体を、捨石基礎3の上に1列に立設して護岸を構築し、その護岸本体の裏面側に所定の間隔をおいて、鋼製の矢板を列状に打設して矢板壁30を構築している。前記護岸本体1と矢板壁30との間の空間には、裏込石を充填した層5aを構築して、2つの壁の間隔を維持させるとともに、前記矢板壁30の内側にも、裏込石の層5を構築して、遮水壁を強固な補助層で保護している。前記裏込石の層5の埋立て土に接する表面には、所定の角度を有する斜面として形成しておき、その斜面を覆うように、斜面遮水工20を施工するもので、前記斜面遮水工20は、前記図1の斜面遮水工と同様な接続方法を用いることができる。なお、この説明図では、図1に示しているようなケーソンのフーチングを設けることは省略している。
前記図2に説明する遮水護岸の例において、海底地盤の符号4aで説明する地層は、透水性地層を不透水性の地層となるように、地盤改良の処理をした場合で説明しているものであり、打設した矢板の先端部は、不透水層4bにまで達するように構築する。
前述したように、埋立地を仕切る遮水壁の周囲の部分を、不透水層として構築することで、埋立てた廃棄物に接して汚染された水は、仕切られた区画の中に閉じ込められることとなる。そして、廃棄物から染み出す汚水や、廃棄物に接して汚染された水が外海を汚したりすることのないように、廃棄物処分場内部に設けた排水処理手段を用いて無害化する処理を行い、その浄化された水のみを海に排水させるように処理する方式が、一般に用いられている。
なお、前記図1、2で説明した遮水工を構築して、埋立処分場を所定の広さの区画内に設定して、その区画内に廃棄物を投棄している途中で、その区画をさらに拡張する必要に迫られることがある。そこで、前記使用中の廃棄物埋立処分場を拡張しようとする場合に、新たに構築する遮水壁の構造が、既設の遮水壁と仕様が異なる場合が多くある。これは、数10年も前と現在とでは、例えば、ケーソンに用いる鋼材の性質が異なるものであることの他に、ケーソン自体の強度を補強する方法等が、大幅に進歩・変化していること等による。また、既設の区画に続けて新たな護岸を構築して、区画を拡大する対象とされる海域は、既設の海域よりも水深が深い場所であることが多く、それに対応ざせて当然ケーソン等の構造も異なることにもなる。
前述したように、使用中の護岸に続けて新たな護岸を構築しようとする場合には、例えば、図3、4に説明するように、新旧の護岸の間に中仕切ケーソンを介在させて、構造の異なる新旧の護岸の接続部に段差等を生じることがないようにして、接続する手段を用いている。なお、この例では、使用中の区画を仕切る護岸に対して、新たに護岸を接続して構築し、2つの新旧の護岸を一体化した状態の仕切護岸を設ける場合で説明しているが、処分場を拡張する場合の他に、工事中に、仕様が変更されたりして、中仕切ケーソンを介して2つの護岸を接続するような状態で、より大きな区画を構築する場合など、任意の要求に対応できるようにすることも本発明には含まれる。
前記中仕切ケーソン50は、護岸の海側に面する部分は垂直な壁として構成され、埋立地側(陸側)は新旧の構造物に設ける裏込石層の傾斜に合わせて、所定の角度で陸側に向けて傾斜した面として構成される。なお、前記傾斜面の上には遮水膜層等を敷設した遮水層を構築した上に、前記図1に説明したように、押え石層等を設けていることは説明を省略する。前記中仕切ケーソン50を中間に介在させる状態で、新旧の護岸構造物40、41を接続するに際して、前記護岸構造物に設けている遮水層は、中仕切ケーソン50の側壁との間に遮水材の層を設けることで、各遮水層は隙間を生じない状態で接続される。
なお、以下に説明する新旧の護岸の接続部での各護岸構造物の構造や、各構造物の背の高さ等は、当然異なるものであると考えられる。ところで、以下に説明する実施例では、単に説明の都合上、形状等が異なる構造物を、中仕切ケーソンを介して遮水性を持たせて接続することで一体化した護岸として構成することの説明である。したがって、新旧構造物の大小や高さ、巾等には特に意味を持たせず、単純に2つの断面構造等が異なる護岸構造物を、中仕切ケーソンを介して遮水性を維持した状態で接続する、と言うことを表現しているものと理解されたい。
また、前記図3、4に示される例において、前記新旧の護岸構造物40、41の間に立設される中仕切ケーソン50は、図示されるように、略台形に構成されたケーソンを用いているもので、新旧の護岸構造物40、41の海側を結ぶ線に、直交する状態で構築されている。この例に示す中仕切ケーソン50は、両側に位置される新旧の構造物40、41に合わせて、上部の所定の範囲が平面状に構成され、海側の端部には垂直な壁53が、埋立地側には斜面部55として構成されているものを用いている。
前記台形ケーソン形状に構成した中仕切ケーソン50では、両側の構造物に対応させて側壁51、52を設けて、底板54とにより、内部空間60が区画されている。前記底板54は、構造物の捨石基礎と同様な基礎を構築した上に設置されるものであるが、その中仕切ケーソンの下部での遮水処理や、その他の補助的な工事を施工することに関しては、その説明を省略する。
(本発明の具体例1 中仕切ケーソンでの遮水膜層の接続)
前記中仕切ケーソン50の中に形成される空間には、図3に示すように前記ケーソンの本体の長さ方向に所定の間隔をおいて、仕切板65を挿入し、前記仕切板の壁により、任意の巾に仕切った空間部を構成し、各区画の下部には任意の高さまで砕石または砂等を充満させて、下部充填層61を設けている。
そして、前記下部充填層61として設けたの石等のウエイト部材の重量により、中仕切ケーソン50を基礎の上に安定させた状態で固定保持させる。また、その上に設ける上部充填層62を、細かい石や砂等を任意の厚さで構成し、中仕切ケーソンの斜面部の上部に形成する溝部64を容易に成形可能とし、前記溝部に遮水膜層を挿入して遮水材を充填して、固定する作業を容易に行い得るようにする。
前記中仕切ケーソンの上部と斜面部55に設ける溝部64は、その両側から延長された遮水層(遮水膜層)を、前記溝部でアスファルト混合物等を用いて遮水性を維持させるように、接続する際に用いる。つまり、前記中仕切ケーソン50の両側の壁が接する2つの構造物40、41では、それ等の構造物に設けている遮水膜層等の端部を、中仕切ケーソン50の上で接続するために、一方の構造物の端部から所定の長さに延長して、中仕切壁に接続する部分を設けるようにしているものである。
前記2つの構造物においては、それが構築される水深に応じて、基礎の高さと構造物の高さが設定されているものであり、一方の構造物に設けている裏込石の層5を、中仕切壁に合わせて高さを嵩上げする等の、接続部を修正する等の成型処理を施して、遮水層の接続に対応させることも可能である。
その他に、前記2つの基礎の表面と海底地盤の双方に対しては、必要と考えられる表面部分には、遮水層を構築する等の処理を施して、遮水性を保持できるようにするが、この遮水処理を施工する層に関しては、従来公知の遮水層の接続手段を適用して、対処させることが可能である。また、前記図4に説明しているように、中仕切ケーソン50の側壁51、52の各々の外側面に接する2つの構造物では、そのケーソン等の主体構造物、裏込石層5、5aと中仕切ケーソンとの間では、縦の側壁に沿わせた側面遮水層49、49aとして設けて、水が流れる恐れのある部分を完全に封止する処理を施す。
前記遮水層49、49aは、2つの護岸構造物の石積層と遮水膜層等による遮水層等の、遮水作用を負担する構造物全体に対応させて、構築することが求められるものであり、その側面遮水層の厚さ等は、その目的に対応させて、従来の遮水工と同様に任意の値を持って設定される。
前述したように、中仕切ケーソンを仲介する位置に構築して、2つの護岸構造物を接続するに際して、それ等の構造物では、前記図3に示す例において、中仕切り壁を設置する海底地盤のレベルはL2とし、新護岸を構築する地盤のレベルL3に合わせて基礎を構築している。しかし、前記各構築物を構築する基礎のレベル(高さ)は、海底地盤の高さ等に応じて自動的に設定されるもので、2つの構造物が構築される地盤のレベル等は、それ等が構築される水深に対応させているものである。
前記中仕切ケーソン50においては、四方を囲むように垂直な壁と底板とを組み合わせて配置し、その上面は閉じないで開口として設け、海側に対する一方の上面が水平で、護岸で仕切った埋立地側に向けて次第に下がるように、護岸の構造と合わせた傾斜面を設けて構成している。また、前記中仕切ケーソン50においては、内部空間には予定した海域に設置してから充填物を充満させるが、そのような充填物を安定した状態で保持するために、前記中仕切ケーソン50の内部空間には、前述したように任意の間隔で横隔壁65を立設する。前記中仕切ケーソン50の中に設ける横隔壁65は、後で説明するように、傾斜面に設ける溝の底部としての凹部を設け得る余裕を、その上部に持たせるように、底板54の上から側板に沿わせて立ち上げて、ケーソンの上面よりも、若干低い位置に達するような長さ(高さ)を有するものとして構成される。
(本発明の要部)
また、前記中仕切ケーソン50の例において、その上部の斜めの開口部で、両側の構造物から延長された遮水膜層を接続するために、例えば、図5に示すような接続手段を用いることが出来る。この例においては、横隔壁65の一方の端部の上部には、切り欠いた切欠部66を設けておき、その切欠部66に対して、一方の護岸から延長した遮水膜層44の端部をケーソンの側板51に沿わせて垂下させる。そして、その遮水膜層の垂下部44aの端を、中仕切ケーソンの内部充填層の上面に設ける、押さえ捨石62の上に位置させて、後でその上に充填するアスファルト混合物により、押圧するように位置決めして、遮水状態を維持する層として設ける。なお、前記中仕切ケーソンの上部で遮水部として接続する他方のシートは、切欠部66と同様な切欠部を、横隔壁の他方の角部にも設けておいて、同様な遮水処理を行うと良いが、その他に、任意の遮水手段を用いて、アスファルト混合物によりケーソン上部で隙間なく固定すれば良い。
前述したように、中仕切ケーソン50の内部空間には、横隔壁を挿入して任意の広さの区画を設けておき、空間の内部に充填した大きな石等の下部充填層61と、比較的小さな石等を充填した上面を傾斜面として、溝部を形成した上部充填層62とを、それぞれの区画内部に保持させるようにしている。前記横隔壁は、それぞれの板部材を中仕切ケーソンの内部空間に上から挿入して、夫々の板を任意の固定手段を用いて固定して、底面から上の傾斜面までの区画をそれぞれ形成すれば良い。
前記図5に説明したような横隔壁の配置例とは別に、図6に説明するように、横隔壁により大きく区画した内部に、小さく区画する仕切板ユニット67を上から挿入して、上部充填層の上で遮水膜層を押圧して固定し、シート接続部での遮水性を維持させるようにする。
前記仕切板ユニット67としては、前記大きな仕切板と平行な板と直交する方向の板とを、平面視で格子状になるように組み合わせたものとして構成するが、その板の高さは、上部充填層62の上面に載置して、側板51の高さとほぼ等しく設定される。
そして、両側の構造物に設けている遮水膜層の端部を、前記中仕切ケーソン50の上部の溝部にまで延長し、遮水性を持たせるように接続して、その接続部を押圧するように仕切板ユニット67を設置する。前記仕切板ユニットの小さな区画内には、アスファルト混合物を上から流し込んで充満させて、ケーソン上部の溝部全体を遮水材により隙間なく塞ぐようにする。
前記図5、6に説明したように、中仕切ケーソン50の斜面部で、その両側の護岸構造物の遮水膜層を遮水性を発揮するように接続する場合には、例えば、図9に示すような状態で遮水層を一体化させることが可能である。
図示されるように、前記中仕切ケーソン50の上面は、その斜面部のみならず、前記中仕切ケーソン50の上部の水平な部分に対しては、両側の構造物40、41の上面は、ケーソン50の側壁51、52の高さにほぼ一致するように形成されている。そこで、前記両側の構造物の上に敷設している遮水膜層44、45を中仕切ケーソン50の上部および斜面部の側壁51、52を乗り越えさせ、その側壁の内側に沿わせて折り下げるように配置する。
そして、前記両側の遮水膜層44、45の各々の端部を、ケーソンの溝部の底面63の上で重ね合わせて、アスファルト混合物のような、接着性と遮水性とを有する遮水材の流動性を高めたものを注入して、接着材としても介在させるようにして接続処理すると良い。なお、前記構造物の上に敷設している遮水膜層等は、十分な余裕のある長さに延長できないことが多くあるので、図示する例においては、ケーソンの上部の溝部に設けている押え石層63の上面で、アスファルトマット46のようなシートを敷設して、そのマット46の上で両側の遮水膜層44、45の端部の間で、遮水性を持たせて各々接着させる処理をすることで、遮水層として一体化させるようにすれば良い。
前記中仕切ケーソン50の上面と斜面部とに設けている溝部で、両側の構造物から延長した遮水膜層を接続するに際して、前記図6で説明したように、底板まで達する長い仕切板66の間に、小さな区画を区切るための仕切板ユニット67を挿入して、遮水材の注入区画を小さく区切るようにしている。
具体的には、図7に示すように、縦横の板68、69を格子状に組み合わせたものを、ケーソンの斜め部分の上部の溝に挿入して、小さな区画を設ける。そして、前記ユニット67内に設けられている区画に対して、上側から遮水材を注入して全部の区画内に所定の高さまで充満させるようにする。
前記図7に示す例とは別に、図8に説明するように、斜面部の上下に一定の間隔で固定配置している仕切板66、66の間には、略ハニカム構造のような、平面視で六角形状の小さな区画を設定可能な仕切板ユニット71を挿入して、小さな区画として区切ったセルを設けることも可能である。前記仕切板ユニットに設ける区画の大きさは、遮水材の性質と、ケーソン50の斜面部55の傾斜角度等に応じて、任意に構成可能である。
また、前記ユニットを構成する板材としては、特に厚い鉄板を用いることに限定するものではなく、薄い鉄板を用いて構成しても良く、その他に、遮水材との親和性を向上させる処理を施したプラスチックの板材を用いて構成してもよい。つまり、前記仕切板ユニットとしては、遮水材を注入した後で、遮水材の流動性が減少するまでの間、遮水材を安定的に保持できれば良いこともある。
前記角部を有するセルの他に、後で図14で説明する例のように、円筒状のセルを多数組み合わせた仕切板ユニットを用いることもできる。前記平面視で円筒形に形成されるセルは、大小のセルを組み合わせて設けることができるものであり、比較的薄い板材で筒状に構成したものを用いる場合にも、十分に大きな強度を有するユニットとして構成できるという利点がある。
前述したように、中仕切ケーソン50の斜面部55の上で遮水膜層を接続する際に、前記斜面部の溝部で、シート接続部上に遮水材の層を構築するために、仕切板ユニットを載置してから、遮水材を所定の厚さの層として構築する。その際には、仕切板ユニットにより区画された小さな区画のそれぞれに対して、下部から順次上に向けて遮水材を充満させるような処理を行うと良い。
そして、前述したようにして、各セルまたは区画に遮水材を注入するようにして、仕切板ユニットの各区画全体に均一に遮水材を充填することで、仕切板ユニットの下部の遮水膜層との間で隙間があったとしても、金網やラスを漏出し防止材として詰込んで用い、出来るだけ漏れ出さないように規制して、均一な厚さで、上面充填層75を構築できるようにする。
前記上面の遮水材の充填層75を安定した状態で構築した場合は、図9の正面図と、図10の側面図に説明しているように、その中仕切ケーソンの上部と斜面部に形成している溝部64の中で、両側から挿入している遮水膜層44、45の端部を、遮水材を用いて接続している状態となる。なお、この図9に示す例においては、両側の遮水膜層の長さが不足することを補償するために、所定の幅のマットを敷設してから遮水材の充填層75を設けることで、シートの接続部での遮水性を持たせ、両側のシートの端部を遮水層を用いて押圧保持・固定している。
前記図9においては、2つの遮水護岸を接続部する部分で、図4に説明したような中仕切ケーソンの部分で、遮水膜層を接続する場合を例にしているが、単純に護岸の斜面部で遮水膜層の接続部を構築する場合でも、前記図10の接続部と同様に構成できる。
また、前記シート接続部での充填層を構築するに際して、前記図7、8に示すような仕切板ユニットを用いた場合には、図10に説明しているように、仕切板69の間隔に対応させて、遮水層を形成する高さが設定される。また、最も薄い部分が遮水層に要求された厚さに設定され、ケーソンの溝を埋めるように遮水材が注入されて、遮水膜層を固定・保持させることができる。したがって、前記仕切板ユニットを斜面に沿わせて配置して、接続部の斜面を巾の狭いものとして区画し、その区画に遮水材を充填することで、信頼性の高い遮水層の接続部を容易に構築することができる。
前記仕切板ユニットを遮水膜層の接続部の上に位置決めして、遮水材を所定の高さとなるように充填し、遮水性の接続部を構成する手段は、前記遮水膜層の接続部が、ケーソンの上である場合に限定されるものではなく、護岸の傾斜面でのシートの接続部にも適用できるものである。これは、例えば、前記図9に示す例で説明すると、仕切板ユニットを配置する場所が斜面のシート接続部である場合に、そのユニットの両側に対して、任意の仕切部材(コンクリート製の長い棒のようなものでも良い)をおいて、前記ユニットの両側を規定してから、遮水材を各区画に注入して、遮水層を構築すれば良いことになる。
また、前記ユニットを斜めのシート接続部の全体を覆うように配置して、その両側を任意のブロック等で規定して、その区画内に遮水材を充填しても良いので、比較的容易に遮水性を有する接続部を構築できる。
前記図9、10に説明したように、中仕切ケーソン50の斜面部55の上で遮水膜層を接続するに際して、前記斜面部の溝部でシート接続部上に遮水材の層を構築するために、仕切板ユニットを載置してから、遮水材を所定の厚さの層として構築する。その際には、図11に説明するように、仕切板ユニットにより区画された小さな区画のそれぞれに対して、下部から順次上に向けて遮水材を充満させるような処理を行うと良い。
そして、前述したようにして、各セルに遮水材を注入して、仕切板ユニットの各セル全体に均一に遮水材を充填することで、仕切板ユニットの下部の遮水膜層との間で隙間があったとしても、金網やラスを漏出し防止材として詰込んで用い、出来るだけ遮水材が漏れ出さないように規制して、均一な厚さで、上面充填層75を構築できるようにすることもできる。その他に、図12〜14に基づいて後で説明するようなユニットで、両側の棒状の枠体等を背の高い(上下方向の厚さが大きい)ものとして構成し、全体を溝状のものとして構成しておいて、ケーソンの上部の溝と同様に、遮水シート等の接続部として利用することも有効である。
前記上面充填層75を安定した状態で構築して維持するためには、図11に説明するように、仕切板により区画された部分毎に、押え石の層を設けて、遮水材の層毎に上から押圧して保持させるようにすることも1つの方法である。前記押え石を充填層の上に固定して、遮水材が流出しないように保護することは、前記中仕切ケーソンの傾斜部で、アスファルト混合物の層を構築する際に、その遮水材が小さな隙間から漏れ出さないように保持するために役立つことになる。また、前述したように、遮水材の上部充填層75を構築するに際して、各仕切板の下面が、その下のアスファルトマットもしくは遮水膜層の層との間で。隙間があった場合でも、上の区画に充満させた遮水材が、下の区画に移動するうに流れて、その下の区画の隔壁の上から、さらに下の区画に向けて順次溢れ落ちることがないように保護できる。
前記図11に説明しているように、上部充填層75の上にコンクリート板等の重い蓋を設けることによって、その蓋部材が充填層の上で、ケーソンの垂直壁との間を隙間なく封止するので、前記仕切板の間での仕切板ユニットの小さな仕切板の上下部で、若干の隙間があったとしても、遮水材が溢れて流れ落ちることがないように保持される。
また、前記各実施例において、上部充填層の上に蓋を装着して、ケーソンの上部の溝の上に隙間なくカバーを設ける場合には、区画の全体にアスファルト混合物の層の遮水性を連続させるように構築するために、各仕切板に小さな孔を設けておくと、遮水材が仕切りに設けた孔から漏れ出して、順次区画毎に一体化し充満される状態となる。
したがって、前記斜面部の上部に蓋を設けることや、仕切板に孔を設けること等の手段を適宜組み合わせて用いることにより、ケーソンの上面で両側の遮水膜層を接続した箇所で、遮水層の接続・封止の作業を効率良く行うこともできる。なお、この実施例に説明している例とは別に、上部充填層75の上には、直接押え石層を構築することで、そのまま石層により押圧した状態で保持できることにもなる。その他に、比較的大きな石や廃棄物の腐らないようなものを、前記接続部の上に敷き詰めるようにして、上部充填層を間接的に保護しても良い。
(応用例)
前述したような本発明の各実施例は、新規に仕切護岸を構築する場合を説明したが、本発明の遮水層における遮水膜層の接続方法は、使用中の遮水膜層が破損した時、または構築途中に遮水膜層が破損した時等にも、その補修のために使用することができる。
例えば、図12〜14に説明する例のように、任意の大きさの型枠を用いて、遮水膜層に裂け目が生じたときや、局部的な破損が発生した時に、補修用の補助具として用いることができる。もちろん、前記図12〜14に説明するユニットは、前記図7、8に説明している例と同様に、中仕切ケーソン上での遮水シートの接続の際にも、その形状を適宜設定することによっても、同様に用いることができる。
図12に示す仕切板ユニット80は、前記図7に説明したユニットを、補修用として用いるものであり、図13に説明する仕切板ユニット85は、図8で説明したユニットと同様に構成する場合を示している。前記図12〜14に説明する各仕切板ユニットは、補修する遮水層の範囲等の状況に対応させて、任意の高さと範囲をカバーできるようなサイズのものとして構成される。
なお、前記ユニットの区画室に遮水材を充満させる際には、図15に示すように、補修を要するシート等の遮水層の破損の程度等に応じて、遮水性能を確保できるような厚さと広さをカバーする補修層を、容易に構築できるようにして、容易に補修できるようにするために用いる。
前記仕切板ユニット80、85の例において、例えば、仕切板ユニット80の枠体81においては、必要とされる強度を有する枠部材の中に、縦横の区画用の板を組み合わせた区画室82を構成しており、その外枠からは、位置決め・固定用に用いるために、任意の大きさの突板83、83aを取り付けている。また、前記突板には、必要に応じてワイヤ係止用の孔を設けておき、仕切板ユニットの取扱い時や、斜面に固定する際に、斜面の上部またはケーソンの任意の位置に設けた係止具にワイヤを取り付けて、ずれ落ちないように固定・保持できるようにする。
前記図13に説明する仕切板ユニット85においても、蜂の巣状のセルの区画を多数組み合わせて一体化した状態で区画室87を設けており、その1つずつの区画の大きさと枠体の高さは、前記仕切板ユニット80と同様に構成される。また、枠体86の外側には、任意の幅と長さの突板88、88aを突出させて設けて、仕切板ユニットを位置決めして固定する際や、遮水材をセル内に充満させた後で、その周囲と上に固定用の錘等を位置決めする際にも用いられるようにする。
図14に示す仕切板ユニット95では、所定の大きさに区画した枠体96の中に、任意の直径の円筒を詰め込んだ状態で、円形断面のセルを多数組み合わせて、図14(a)に示すように構成することができる。前記円筒部材は、例えば、薄い鉄板を円筒状に形成して、それを適当に組み合わせて構成することができるものである。そして、前記セルの中に区画される部分97と、その周囲の区画97aとの双方に対して、遮水材を充満させることで、遮水の信頼性が高く、強度の安定した接続部として構築することができる。
また、前記仕切板ユニット95の例では、多数の円筒状セルの下端部は、当然遮水護岸の傾斜角度に合わせて斜めに切った状態となるように成型すると、各セルの下端面と遮水層との間に隙間が生じることが少なくて、ユニットに注入する遮水材が外に漏れ出したりして、遮水層の信頼性が低下することを少なくできる。
前記図14の(a)に示す例のように、枠体に円筒を固定配置して仕切板ユニットを構成することの他に、図14(b)に示すように、単純に多数本の円筒を束ねた状態のユニットを、局部的に遮水層を補強するために用いることもできる。この図14(b)に示す例のようなユニット95Aは、遮水層に比較的小さな範囲の欠陥箇所が生じた場合等に、その欠陥を補修するとともにその周囲をカバーできる程度の面積となるように、任意の直径の筒状の部材97……を所定の本数まとめて、結束材98により束ねることで、所定の面積をカバーできる程度の面接を覆い得るユニットを構成する。
前記ユニット95Aにおいては、円筒状の部材を束ねるものを、鉄板のような巾のあるものを用いて、筒の集合体の外面に壁を成形して一体化することも可能である。そして、その周囲を囲む板98の内部では、多数の筒を含めて遮水材で一体化したものとして構成できることになり、任意の面積をカバーするユニットを、前記図示するようなユニットを大きく構成すること、または、複数のユニットを組み合わせて広い面積をカバーできるようなものとして構成できる。
前記図14(b)の例の他に、同図(c)に構成する仕切板ユニットにおいては、中の円筒を大小の直径の異なるものを組み合わせて、枠体の中に多数の径の異なる円筒状のセルを設けて、ユニット95Bの区画を構成する例を示している。この例においては、遮水層の補修と局部的な補強等の目的に応じて、ユニット95B自体での強度の大きい部分を設けて、目的とする遮水層での強度と遮水性、その他の物理的な条件を満足させることができる。なお、前記図14(c)の例に説明するように、径の異なる筒を大小組み合わせて、1つのユニットとして用いる場合には、当然、注入する遮水材の性質を厳選する必要があるが、一般に用いられているアスファルト混合物の性質を調節することで、容易に対処できるものである。その他に、従来公知の流動性を調節可能な遮水材を用いることによっても、容易に対処が可能である。
前記図14の各例に説明する仕切板ユニットにおいては、薄い鉄板を用いて円筒状に形成することで、その仕切板ユニット自体の強度が大きくなることから、1〜3mm程度の厚さの鉄板を用いて、セルを構成することが可能である。そして、前記セルの集合体に遮水材を充満させて一体化することで、その上に土嚢等を積み重ねて押える処理を行ったとしても、局部的に補修・構築する遮水層の信頼性を向上させることができる。
なお、前記各実施例に説明するような、セルを多数組み合わせた状態の仕切板ユニットを用いる場合に、前記ユニットの下面とその下部の遮水層との間に、多少の隙間があったとしても、その隙間を通って遮水材が流動する途中で、遮水材が流動性を牛な固化して固定されるように、その遮水材を選択することで、ユニットの下部の隙間を通って、下部のセルに遮水材が溢れ出したりすることがないように管理できる。
前記図12〜14に例示したような仕切板ユニットを用いる時には、例えば、斜面部の遮水膜層層の接続部に不都合が発生した場合に、その部分の上を十分カバーできる大きさの仕切板ユニットを用い、ウエイト部材89を突板の上に設置して固定する。また、必要に応じて、図15に示すように、ワイヤ84を上部の固定保持手段に結び付けて、斜面の上側から引くような状態で固定し、波浪の影響や、その他の外力が加えられたとしても、仕切板ユニットが動いたりすることがないようにする。そして、固定した仕切板ユニットの区画を埋めるように遮水材を注入して、枠体と遮水材とを一体化した状態としてから、図15や図16に説明するように、遮水層の上に固定した補修層として設ける。
前述したようにして、仕切板ユニット85に遮水材を充満させた後では、その充填物76が下部の遮水層と遮水膜層との間の隙間から漏れ出したとしても、その漏れ出した遮水材は比較的少量ずつ流れ出すのであるから、容易に冷却されて流動性が小さくなり、漏れ出す孔を短時間で塞ぐものとなる。例えば、遮水材として流動性を調整したアスファルト混合物を用いる場合等には、下面部に生じている隙間から、遮水材が漏出したとしても、隙間が比較的小さいものであれば、遮水材が冷却されることで流動性が低下し、隙間を塞ぐような状態となることから、長い時間隙間を通って下部に流れ続けることがなくなる。そして、充填された遮水材は、枠体と一体となって、補修を要する遮水層と一体となり、遮水の効果を向上させることができる。
前記護岸の傾斜した部分での遮水膜層に、図13に示したような裂け目90が生じた場合等には、その裂け目90を余裕を持ってカバーできる程度の大きさの仕切板ユニット85を用意する。そして、図16に説明するように、前記仕切板ユニット85を遮水膜層の上に位置決めして、必要と考える部分の突板83上に、ウエイト部材89を載置して固定する。その状態で、所定の温度に加熱して流動性を向上させた遮水材、例えば、アスファルト混合物を各セルを充満させるように注入する。なお、前記図16の例において、遮水層の裂け目90として説明している部分が、ユニットの下面と遮水層との間の隙間であったと仮定した場合に、その隙間を注入する遮水材が流れて、傾斜面の下方のセルに入り込む状態となる。しかし、その遮水材がアスファルト混合物の場合に、その注入時の温度の管理を調整することで、下部のセルから溢れる前に混合物が流動性を失って、隙間を塞ぐとともに固化するように調整できるものである。
前述したように、遮水層に用いられる遮水膜層を敷設する場合には、前記中継用のケーソンを用いて、そのケーソンに仲介させて2つの構造物の遮水層を接続して、一体化させる手段を用いることができる。また、前記構造物間での接続部に限らず、新築する構造物の遮水層を構築する際にも、遮水膜層の接続部では、小さな区画(セル)を多数組み合わせたユニットを用いて、流し込む遮水材を小さな区画内で所定の厚さのものとなるようにして、全体が1枚の遮水層となるように構成した仕切板ユニットを用いて、遮水材を所定の厚さとなるように施工することができる。そして、多数の区画室を組み合わせた仕切板ユニットを用いる場合には、一般の遮水層の斜面で、遮水膜層の接続作業を容易にできるようにする。
さらに、前記多数のセルを区画して設けたユニットを、任意の巾と長さのものとして構成することで、遮水層の破損部分や、その他の補修を要する部分で、遮水材を枠体と一体化した補修層を容易に構築することができる。そして、局部的に遮水層を補修しようとする場合でも、単純に仕切板ユニットを固定して、遮水材を所定の厚さの層となるように打設し、その後でウエイト部材を配置して、その場所に位置決めして固定保持させることにより、遮水層の補修・補強等の任意の要望に応えることができる。
前記図12〜14に説明したような仕切板ユニットを用いて、図15、16に示すような接続部を設ける場合に、その仕切板ユニットとシート接続部の関係を、正面から見た状態は、図17、18に説明するような状態となる。図17に示す例は、石積層5の表面に敷設した遮水膜層44、44aの端部を重ねた部分に、仕切板ユニット80を配置して、アスファルト混合物等の充填物を充満させて、遮水膜層の接続部91に遮水材76の層を設けることで、接続部での遮水部を構築している。
図18に示す例は、石積層5の表面に敷設した遮水膜層44、44aの接続部で、前記両側の遮水膜層の端部に隙間がある場合に、追加のシート46aを両側の遮水膜層の間をカバーするように配置して、前記接続部91での遮水性に欠陥を生じない状態で、接続部を設けている。前記追加のシートとしては、前記石積み層の表面に敷設する遮水膜層と同様なものを用いることが可能であり、その他に、任意の遮水性を有するシート部材を、任意の巾に形成したものを用いることも可能である。そして、前記遮水膜層接続部91に位置決めする仕切板ユニット80に対して、そのユニットの筒状の開口を塞ぐように、遮水材76を充満させて、側面視で図15、16に示すようにユニットと遮水材とを一体化した充填層を構築することで、遮水膜層の接続部での遮水作用を良好なものとすることができる。
前述したように、廃棄物埋立処分場を区画する仕切護岸を構築するに際して、遮水膜層の接続部での充填物の層76を、その接続部に固定配置する仕切板ユニットと、そのユニットに充填する遮水性の充填物により、容易に構築することができる。また、前記遮水シートがアスファルト系のものである場合に、接続部で仕切板ユニットを用いて打設する遮水材を、アスファルト系の材料を用いると、接続部の信頼性を良好なものとすることができる。前述したようにして、仕切板ユニットと一体化させた状態で、遮水材の層を構築した後で、必要に応じてユニットの上部とその周囲に、ウエイト部材89を配置して、前記接続層を固定することで、斜面部で接続した場合でも、その接続層が遮水層を設けている傾斜に沿って、滑り落ちたりすることがないように、保持される。そして、前記遮水層の構築作業を比較的容易に行うことをも可能にし、水中での工事であっても、特別に困難な作業が要求されることもなくなる。
廃棄物埋立処分場の仕切護岸の構成を示す説明図である。 図1の例とは異なる構造の護岸の例を示す説明図である。 2つの護岸と中仕切ケーソンの関係を示す説明図である。 中仕切ケーソンを介して新護岸を接続する例の平面図である。 中仕切ケーソンを介して接続する遮水膜層の説明図である。 ケーソン上での遮水膜層の押圧手段の説明図である。 遮水膜層接続に用いる中仕切ユニット説明図である。 図7とは異なる中仕切ユニットの平面図である。 中仕切ユニットを用いたシート接続部の断面説明図である。 図9の接続部の側面断面図である。 中仕切ユニットを用いた場合の遮水層の構築状態の説明図である。 補修用の小型に構成した仕切板ユニットの説明図である。 図12とは異なるユニットの平面図である。 仕切板ユニットを用いて遮水層を補修する例の説明図で、(a)〜(c)の夫々は、ユニットの構成例の説明図である。 図12、13とは異なるユニットの平面図である。 仕切板ユニットを用いて遮水層の裂け目等を補修する例の説明図である。 遮水層の接続を仕切板ユニットを用いて行う場合の説明図である。 遮水膜層の接続部に隙間がある場合の接続の説明図である。
符号の説明
1 仕切護岸、 2 構造物、 3 捨石基礎、 4 海底地盤、
5 裏込石層、 6 押え石層、 7 廃棄物充填層、 8 覆土層、
10 基礎表面遮水層、 11 保護層、 12 遮水膜層、
13 上部固定部、 14 ブロック、 15 端部押さえ工、
17 端部押え部材、 18 押えブロック、 20 斜面遮水工、
21 遮水膜層層、 22 保護マット、 23 保護材、
24 上端部押え工、 30 矢板壁、 31 遮水接続手段、
35 護岸接続部、 40・41 護岸、 42・43 斜面遮水工、
44・45 遮水膜層、 49 遮水接続工、
50 中仕切壁体、 51・52 側壁、 54 底板、 55 斜面部、
60 内部空間、 61 下部充填層、 62 上部充填層、
63 押え石層、 64 溝部、 65 仕切板、 66 切欠部、
67・71 仕切板ユニット、 75 上部充填層、 76 充填区画、
80・85 仕切板ユニット、 81・86 枠体、 82・87 区画室、
83・88 突板、 89 ウエイト、
90 裂け目、 91 シート接続部、 95 仕切板ユニット。

Claims (5)

  1. 護岸構造物を列状に構築する仕切護岸により廃棄物海面埋立処分場を区画し、
    前記仕切護岸により区画される区域の内外で、水を通さない遮水性を発揮するものとして構成するとともに、
    前記護岸構造物と、前記構造物を海底地盤上で支持する石積層の一方の表面を覆うように遮水膜層を敷設して、遮水層としての作用を持たせる仕切護岸において、
    前記遮水層での遮水膜層の接続部では、接続する遮水膜層端部を重ねるかもしくは近接させて配置し、
    前記遮水膜層の接続部分を中心にして所定の範囲を覆う広さを有する仕切板ユニットを設置し、前記仕切板ユニットを多数区画して設けた区画内に遮水材を充満させて、前記遮水膜層と遮水材とを一体化して遮水性を有する接続部として形成するもので、
    前記遮水膜層を構築するに際しては、前記仕切板ユニットを遮水膜層接続部に位置決めして、遮水材を前記仕切板ユニットの区画内に充満させて施工して一体化処理を行った後で、前記遮水膜層の接続部の周囲と上部とを覆うように押え層を構築して、前記遮水膜層接続部の仕切板ユニットと遮水材の層とを、前記押え層により所定の位置で固定保持させることを特徴とする遮水層接続工法。
  2. 前記遮水層として施工する遮水膜層の接続部が、斜面の傾斜方向に長く設けられている箇所では、前記仕切板ユニットを、前記長い接続部に沿わせて多数配置して、前記遮水膜層の接続部全体を覆うように設置し、
    各仕切板ユニットの区画を埋めるように遮水材を施工し、前記仕切板ユニットの列を一体化して遮水膜層の接続部を覆う状態に設け、前記遮水膜層を連続させた接続層として構築することを特徴とする請求項1に記載の遮水層接続工法。
  3. 前記仕切板ユニットは、平面視で矩形、多角形もしくは円形の任意の大きさの区画を、多数組み合わせて構成したものを用い、
    前記仕切板ユニットを遮水膜層の接続部の上に位置決めして載置し、遮水材を前記仕切板ユニットの区画を埋めるように所定の厚さで施工して、
    前記仕切板ユニットと遮水材、および遮水膜層とを一体化した遮水接続層として構築することを特徴とする請求項1または2に記載の遮水層接続工法。
  4. 前記2つの遮水膜層を接続する位置が傾斜面である場合に、前記仕切板ユニットの区画の筒状の空間部を、海底地盤に対して垂直に立設させる角度、もしくは垂直に近い角度で設けておき、
    前記中仕切ユニットの上から遮水材を打設して遮水膜層の接続部を覆う遮水材の層を、意図する厚さに形成可能とすることを特徴とする請求項3に記載の遮水層接続工法。
  5. 前記仕切板ユニットは、任意の広さと厚さに構成可能なものであり、
    既に構築しているかまたは、敷設した際に遮水膜層または遮水層に裂け目や孔が生じる等の欠陥が発生したときに、
    前記欠陥が発生した遮水層の上を覆っている保護層等を、除去する等の処理を行って露出させ、
    前記欠陥を生じた部分の上に、前記仕切板ユニットを位置決めして設け、前記仕切板ユニットの区画に遮水材を充満させて、前記欠陥を生じた部分を前記仕切板ユニットと遮水材を一体化した遮水層で覆うことを特徴とする請求項1に記載の遮水層接続工法。
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