JP4966556B2 - 遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造 - Google Patents

遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造 Download PDF

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本発明は、水中に敷設する遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造に関する。
例えば、海域に廃棄物を埋め立てる海面処分場では、海中に形成された隔壁により包囲された所定区域に、遮水シートを敷設することにより遮水層を形成し、有害物質等を含有した汚水等の外部への流出を防止している。
また、溜池や貯水池等においても、遮水シートにより形成された遮水層を利用する場合がある。
遮水層の形成に伴う遮水シート同士の接合は、陸上(気中)において熱溶着法や接着剤等による接着法等により行われていた。ところが、例えば海面処分場のように、広範囲に遮水シートを敷設する場合には、陸上において接合された遮水シートを、現場に搬送して沈設(敷設)することは困難であった。
このため、従来、このような広面積の遮水層を構築する場合には、遮水シートにフロート体などを設置して、海面に浮かべた状態で遮水シート同士の接合を行い、接合が完了したらフロートを取り外し、海底(水底)に遮水シートを沈設する方法により行われていた。
また、その他の従来の遮水シートの接合方法として、水中において遮水シート同士の接合部にアスファルトマスチック等を流し込んで止水を行う方法が行われていた。
ところが、前記のフロートを利用した遮水層の構築方法は、遮水シートへのフロートの設置作業、敷設時のフロートの回収作業等に手間が掛かるとともに、シートを定まった位置に敷設することや、しわが形成されないように敷設することが困難であるという問題点を有していた。
また、アスファルトマスチックを利用した止水方法は、遮水シートとアスファルトマスチックとが密着はするものの、接着はしないため、地盤沈下等、遮水シートの設置基盤が変形した場合には遮水シートとアスファルトマスチックとが分離して、遮水性が低下する場合があるという問題点を有していた。
ここで、本明細書において「密着」とは、隙間なく接している状態をいい、物理的に接合した状態(接着)であっても、当接したのみの状態であってもよい。
そのため、特許文献1には、遮水シートを部分的に2重にすることにより空気または錘体を入れることが可能な収容部を形成し、遮水シート同士の接合時は、収容部に空気を入れた状態で水上に浮かせた状態で行い、遮水シートの敷設時は、収容部に錘体を入れて水底に沈設し、水底に沈めた後、錘体を収容部から排出することにより遮水層を形成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも接合部分に対応する端部がアスファルト系材料により構成された遮水シートを、水底に沈設した後、隣接する遮水シート同士の接合部にアスファルトマスチック等を流し込むことにより、遮水シート同士の接合部において、遮水シートとアスファルトマスチックとを一体化させる方法が開示されている。
特開2003−211115号公報([0027]−[0030]、図5−図6) 特開2003−033745号公報([0008]−[0010]、図1−図4)
ところが、特許文献1に記載された遮水層の形成方法は、遮水シートを部分的に2重として収容部を形成することにより、遮水シートの製造段階において手間がかかることや材料費が嵩むことにより、建設費が高価となるという問題点を有している。また、収容部への空気の挿入、錘体の挿入や排出等に手間がかかることなどの問題点を有していた。
また、特許文献2に記載の遮水シートの接合方法は、遮水シートの少なくとも一部をアスファルト系材料により構成するため、ゴム製等の公知の遮水シートに比べて遮水シートの可撓性等が劣るとともに、重量が重くなるため、搬送時や敷設時の取り扱いが煩雑となり、施工性に劣るという問題点を有している。
このような観点から、本発明は、水中において簡易かつ安価に施工が可能で、遮水性の優れた遮水シートの接合方法と、この遮水シートの接合方法に好適に使用される遮水シートの接合構造を提案することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明は、遮水シートの端部に熱溶着性の発泡シートを接着する工程と、水中に前記遮水シートを複数枚敷設する工程と、互いに隣接する前記遮水シート同士の接合部を跨いだ状態で、前記発泡シートが接着された前記遮水シートの端部に止水材を密着させる工程と、を含む遮水シートの接合方法であって、前記止水材が、常温時には任意形状に成形可能で、加熱により溶融する性能を有する材料であって、該止水材を、溶融させた状態で前記遮水シートの端部に密着させることで、前記止水材と、溶融された前記止水材の熱により溶融した前記発泡シートとを接着させることを特徴としている。
かかる遮水シートの接合方法は、遮水シートを水中に敷設して、水中において遮水シート同士の接合部に止水材を遮水シートの端部に密着するように配置するのみで完了するため、作業性に優れている。つまり、接合される前に遮水シートを敷設するため、しわが形成されることなく、所定の位置に遮水シートを配置することができるため、簡易に高品質な遮水層を水底に形成することができる。また、遮水シートには、公知の遮水シートから選定して使用すればよく、材料費が安価である。さらに、止水材と遮水シートとは、溶融された状態の止水材の熱により溶融し、止水材に物理的に接着する発泡シートを介して、一体に接着されるため、分離することが無く、遮水性に優れている。なお、本明細書において、「熱溶着性」とは、熱により溶融して物理的に接着する性質をいう。
前記遮水シートの接合方法において、前記止水材がアスファルトマスチックからなり、該止水材を、流し込むことにより配置すれば、このアスファルトマスチックが冷却硬化することにより、遮水シートの接合が完了するため、作業性に優れている。
また、前記遮水シートの接合方法が、前記接合部を挟んで一対の流出防止部材を配置して、前記止水材を流し込むための溝を形成する工程を含んでいれば、アスファルトマスチックが、横方向に流出することが無く、必要な厚みを維持した状態で配置されるため、遮水性が損なわれることが無く、好適である。
また、前記流出防止部材が、アスファルトマスチック製の硬化体により構成されていれば、流し込まれたアスファルトマスチックの熱により軟化して、遮水シートの設置基盤の平坦性が不良の箇所でも基盤形状を追従するようにクリープして、アスファルトマスチックの流出を防止することが可能となり、好適である。
また、前記溝を所定の間隔で分断する仕切部材が配置されていれば、遮水シートの設置箇所が斜面部であっても、アスファルトマスチックが下方に流下することを防止して、遮水に必要な厚みを維持した状態でアスファルトマスチックを配置することが可能となる。
前記遮水シートの接合方法において、前記止水材が、内部に電熱ヒータやホットオイルヒータ等の加熱手段が埋設された状態で硬化されたアスファルトマスチック製のブロック材からなり、該ブロック材を所定箇所に配置した後、加熱手段によりブロック材を加熱して前記遮水シートの端部に止水材を密着させてもよい。この方法によれば、遮水シートの設置基盤の状況(平面、斜面、平坦でない等)にとらわれることなく、簡易に遮水シートの接合を行うことができる。また、アスファルトマスチックの流動性を維持した状態で搬送する設備等を必要としないため、簡易な設備による施工を可能としている。
前記遮水シートの接合方法において、前記遮水シートが水中に敷設される前に、アスファルト混合物からなる粒状材を、加熱した状態で前記発泡シートの上面に接着させる工程を含んでいても良い。
かかる遮水シートの接合方法によれば、アスファルト混合物からなる粒状材(以下、単に「粒状アスコン」という場合がある)が、発泡シートの上面に予め接着されているため、アスファルトマスチックからなる止水材の遮水シートへの密着時に、止水材の熱により粒状アスコンが溶融し、止水材と一体に接着されるため、止水材と遮水シートとがより強力に接着される。また、発泡シートに接着された粒状アスコンの重量により、遮水シートの水中での敷設時に、波動等による遮水シートのばたつきを防止することが可能となり、敷設作業が容易になる。
なお、粒状アスコンの発泡シートへの接着は、発泡シートを遮水シートに接着する前でも後でもよい。
また、本発明の遮水シートの接合構造は、地上または水中に並設された2枚の遮水シートと、前記遮水シートの他の遮水シート側の端部に、それぞれ予め接着された熱溶着性の発泡シートと、前記2枚の遮水シート同士の接合部を跨いだ状態で加熱により溶融させることで該2枚の遮水シートに密着された止水材と、から構成された遮水シートの接合構造であって、前記発泡シートは、前記止水材の遮水シートへの密着時の熱により溶融して当該止水材と接着されていることを特徴としている。
かかる遮水シートの接合構造によれば、遮水シートに接着された発泡シートが、溶融された状態の止水材の熱により溶融し、遮水シートと止水材とが物理的に接着されるため、地盤沈下など、設置基盤に変形が生じても、接合部における遮水性が低下することが無い。
また、前記遮水シートの接合構造が、前記止水材を両端から挟むように配設されたアスファルトマスチック製の硬化体を含んでいれば、止水材が、遮水に必要な厚みを維持した状態で配置されるため、好適である。
本発明の遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造によれば、水中において簡易かつ安価に施工が可能で、遮水性の優れた遮水層を形成することが可能となる。
以下、本発明に係る遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、海面処分場において、本発明の遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造により水底に遮水層を形成する場合について説明する。
ここで、図1は、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態に係る海面処分場の概略を示す斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係る遮水シートの接合構造を示す横断面図である。また、図3は、第2の実施の形態に係る遮水シートの接合構造を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。また、図4は、第3の実施の形態に係る遮水シートの接合構造を示す横断面図である。さらに、図5は、第4の実施の形態に係る遮水シートの接合構造の一部を示す横断面図である。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態では、図1に示すように、ケーソン護岸20等により囲まれた所定の範囲の水底を覆うように、遮水シート1を敷設することで遮水層11を形成し、海面処分場10を形成する場合について説明する。
海面処分場10は、所定範囲をケーソン護岸20により取り囲み、この海面処分場10に投棄された廃棄物から有害物質が周囲の地盤や外水域Bに流出することがないように、内水域の底面と壁面とを遮水層11により覆うことで構成されている。
ケーソン護岸20は、ケーソン21と、捨石マウンド22と、裏込め層23と、から構成されている。ケーソン21は、断面視矩形状の鉄筋コンクリート部材であって、捨石マウンド22の上面に、その上端が水面よりも突出するように構築されている。捨石マウンド22は、基盤Gに、栗石や砕石等を断面視で台形に盛り立てることにより形成されている。裏込め層23は、ケーソン護岸20の内水域A側に、栗石や砕石等を所定の斜度による斜面状に盛り立てることにより形成されている。
なお、第1の実施の形態では、ケーソン護岸20により海面処分場10の周囲を囲う構成としたが、海面処分場10の形成方法は前記の方法に限定されるものでなく、例えば矢板護岸を使用するなど、適宜公知の構造物を利用して形成すればよい。
また、ケーソン21の内水域A側に裏込め層23を形成するものとしたが、裏込め層23は必要に応じて形成すればよいことはいうまでもない。
さらに、捨石マウンド22および裏込め層23の形成に使用する材料は限定されるものではなく、適宜公知の材料から選定して、使用すればよく、また、捨石マウンド22と裏込め層23は、同一の材料により形成しても、異なる材料により形成してもよい。また、捨石マウンド22または裏込め層23について、盛り立てられた栗石や砕石の隙間に、アスファルトマスチック等を浸透させることにより、止水性をもたせてもよい。
遮水層11は、複数枚の遮水シート1,1,…を、海面処分場10の底面(基盤G)および壁面(裏込め層23)を覆うように並設し、本発明の遮水シートの接合構造(以下、単に「接合構造」という場合がある)Sを介して隣接する遮水シート1同士を互いに接合することにより形成されている。
第1の実施の形態に係る接合構造S1(接合構造S)は、図2に示すように、並設された遮水シート1,1と、この遮水シート1,1の他の遮水シート1側の端部に、それぞれ予め接着された熱溶着性の発泡シートとしての独立発泡シート3,3と、隣接する遮水シート1,1同士の接合部aを跨ぐように横設されて、かつ、前記独立発泡シート3を覆うように配設された止水材2と、から構成されている。
さらに、第1の実施の形態では、止水材2を両端から挟むように配設されたアスファルトマスチック製のブロック部材(硬化体)である流出防止材4,4が配置されている。
遮水シート1は、海面処分場10から外部への汚染物質などの流出を防止するものであって、図1および図2に示すように、複数枚並設して接合構造Sを介して互いに接合することにより、遮水層11を形成する。
遮水シート1には、厚さが2mmのエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)製のゴムシートを使用する。なお、遮水シート1を構成する材料は、EPDM製のゴムシートに限定されるものではなく、例えば、EPDMとブチルゴム(IIR)を共加硫したゴムシートや、塩化ビニル樹脂(PVC)に可塑剤を添加して柔軟性を付与した熱可塑性プラスチックシートや、EPDMを主成分とし特殊ゴムを配合したシートや、高密度ポリエチレン(HDPE)を低温低圧で重合させて耐候剤などを配合したシートや、ポリプロピレン(PPA)を主に原料重合時に極微細に分散化した素材のシートなど、適宜公知の遮水シートの中から選定して使用すればよい。
止水材2は、互いに並設された遮水シート1,1の接合部aの隙間から、汚染物質などの流出を防止することを目的として、接合部aを遮蔽するものである。止水材2は、図2に示すように、遮水シート1と密着することで接合部aを遮蔽する。
止水材2には、加熱により溶融し、常温時には任意形状に成形可能で追随性を有したものを使用するものとし、第1の実施の形態では、アスファルトマスチックを使用する。なお、アスファルトマスチック2の配合は限定されるものではないが、例えば、アスファルト30質量%に対して石粉70質量%のものや、アスファルト20質量%に対して、石粉30質量%、砂50質量%のものや、アスファルト15質量%に対して、石粉25質量%、砂20質量%、砕石40質量%のものなど、締め固めを必要とせず、流し込み施工が可能な配合のものを使用する。また、止水材2は、アスファルトマスチックに限定されないことはいうまでもない。
独立発泡シート3は、遮水シート1と止水材2とを一体に接着することを目的として、図2に示すように、遮水シート1の端部であって、止水材2と当接する箇所に接着されている。そして、止水材2の遮水シート1への密着時の熱により溶融し、物理的に止水材2と接着するものである。
独立発泡シート3には、連続性のない独立した気泡が、無数にむらなく分散しており、熱溶着性を有するものであって、発泡倍率が2倍から60倍のものを使用する。なお、第1の実施の形態では、止水性を考慮して、発泡シートとして独立発泡シート3を使用するものとしたが、熱溶着性を有したものであれば、発泡シートの種類は限定されるものではない。また、独立発泡シート3の材質は限定されるものではないが、例えば独立発泡ポリエチレンシート、独立発泡ポリプロピレンシート、独立発泡ポリエチレン−酢酸ビニル共重合シートなどが使用可能である。
流出防止材4は、図2に示すように、止水材2の横方向の流出を防止するために、予め接合部aに沿って、止水材2の配置箇所の両脇(図2において左右)に配置されるものである。つまり、一対の流出防止材4,4は、互いに隣接する遮水シート1,1のそれぞれの端部に接着された独立発泡シート3,3を挟んだ状態で、互いに対向するように配置されている。
流出防止材4を構成する材料は、止水材2の流出を防止することが可能であれば限定されるものではないが、第1の実施の形態では、アスファルトマスチックを角柱状に硬化することにより構成されたブロック部材を使用するものとする。なお、流出防止材4を構成するアスファルトマスチックの配合等は、止水材2の説明において使用したものと同様のものを使用することが可能なため、詳細な説明は省略する。また、流出防止材4として、鋼板やコンクリートブロック等、適宜公知の材料を使用してもよいことはいうまでもない。また、流出防止材4を、予め遮水シート1に接着しておいてもよい。
次に、第1の実施の形態に係る遮水シートの接合方法について説明する。
第1の実施の形態に係る遮水シートの接合方法は、(1)発泡シート接着工程と、(2)遮水シート敷設工程と、(3)流出防止材配置工程と、(4)止水材配置工程と、から構成されている。
(1)発泡シート接着工程
発泡シート接着工程は、遮水シート1の接合部a側の端部に、熱溶着性の独立発泡シート3を接着する(図2参照)工程であって、遮水シート1を水中に敷設する前に、気中(陸上等)において行う。
(2)遮水シート敷設工程
遮水シート敷設工程は、発泡シート接着工程において、端部に独立発泡シート3が接着された遮水シート1を、海面処分場10の壁面(裏込め層23)および底面(基盤G)に敷設する(図1参照)工程である。
(3)流出防止材配置工程
流出防止材配置工程は、遮水シート敷設工程において海面処分場(水中)10に敷設された遮水シート1,1同士の接合部aを挟んで一対の流出防止材4,4を配置して、止水材2を流し込むための溝を形成する工程である。なお、流出防止材4,4は、流し込まれた止水材2の圧力により移動することがない形状であって、また、接合部aの遮蔽に必要な止水材2の厚みと略同等の厚みを有した形状に形成されている(図2参照)。
(4)止水材配置工程
止水材配置工程は、流出防止材配置工程において形成された溝に、110〜190℃に加熱されて流動性を有した止水材(アスファルトマスチック)2を流し込むことにより止水材2を遮水シート1の端部に密着させる工程である(図2参照)。止水材4を、遮水シート1の端部に密着するように流し込むことにより、遮水シート1の端部に接着された独立発泡シート3は、止水材2と接触し、止水材2の熱によりこの接触面が溶融する。これにより、独立発泡シート3の止水材2との接触面には、不連続な凹凸面が形成される。そして、この独立発泡シート3の不連続な凹凸面の凹部に、止水材2が入り込むことにより止水材2と独立発泡シート3とが噛み合うため、止水材2と独立発泡シート3とが物理的に接着する。これにより、遮水シート1と止水材2とが接着される。また、溝に流し込まれた止水材1の熱により、流出防止部材4であるアスファルトマスチック製のブロック部材が、クリープするため、平坦性が不良な基盤においても、遮水シート1と流出防止材4との間に隙間が形成されることが無く、止水材2が横方向に流出することがない。
以上、第1の実施の形態に係る遮水シートの接合方法によれば、水中において遮水性に優れた接合構造S1を構成することが可能となる。
第1の実施の形態に係る接合構造S1によれば、遮水シート1同士の接合部aを流し込まれた止水材2により遮蔽するため、接合部aから海面処分場10内の水等(汚染物質を含む)が流出することが無く、安全性に優れている。
また、遮水シート1と止水材2は、隙間なく密着されているため、遮水性に優れている。また、地盤沈下等の基盤に変形が生じても、遮水シート1と止水材2は独立発泡シート3により接着されているため、分離することが無く、遮水性能を維持することを可能としている。
第1の実施の形態に係る遮水シートの接合方法によれば、流出防止材4が配置されているため、接合部aにおいて設計された止水材2の遮水に必要な厚みを維持した状態で施工することが可能なため、遮水性に優れた遮水層11を形成することが可能となる。
遮水シート1,1同士の接合は水中において確実に行うことが可能なため、水面においてフロートなどを介して接合した後沈設する場合や、陸上で予め遮水シート1同士を接合して大断面の遮水シートを沈設する場合等と比較して、手間を大幅に省略することを可能としており、簡易に施工を行うことができる。また、施工に伴い特別な材料や施工機械等を必要としないため、費用の削減が可能となり、安価な施工が可能である。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、図1に示す海面処分場10において、裏込め等の斜面状に形成された遮水層11に本発明に係る遮水シートの接合構造Sを適用した場合について説明する。
第2の実施の形態に係る海面処分場10および海面処分場10を形成するためのケーソン護岸20は、第1の実施の形態で説明したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態に係る接合構造S2は、図3(a)および(b)に示すように、並設された遮水シート1,1と、この遮水シート1,1の他の遮水シート1側の端部に、それぞれ予め接着された熱溶着性の独立発泡シート3,3と、隣接する遮水シート1同士の接合部aを跨ぐように横設されて、かつ、前記独立発泡シート3を覆うように配設された止水材2と、止水材2を両端から挟むように配設された一対の流出防止材4’,4’と、から構成されている。
さらに、第2の実施の形態に係る接合構造S2では、図3(a)に示すように、一対の流出防止部材4’,4’の間に、所定の間隔により仕切部材5,5,…を配置することにより構成されている。
遮水シート1は、海面処分場10から外部への汚染物質などの流出を防止するものであって、図1および図3に示すように、複数枚並設して接合構造S(S2)を介して互いに接合することにより、遮水層11を形成する。なお、第2の実施の形態に係る接合構造S2で使用する遮水シート1は、第1の実施の形態で説明したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
止水材2は、互いに並設された遮水シート1,1の接合部aの隙間から、汚染物質などの流出を防止することを目的として、接合部aを遮蔽するものである。止水材2は、図3(b)に示すように、遮水シート1と密着することで接合部aを遮蔽する。なお、第2の実施の形態に係る接合構造S2で使用する止水材2は、第1の実施の形態で説明したものと同様のものを使用するため、詳細な説明は省略する。
独立発泡シート3は、遮水シート1と止水材2とを一体に接着することを目的として、図3(b)に示すように、遮水シート1の端部であって、止水材2と当接する箇所に接着されて、止水材2の遮水シート1への密着時の熱により溶融し、物理的に止水材2と接着するものである。なお、第2の実施の形態に係る接合構造S2で使用する独立発泡シート3は、第1の実施の形態で説明したものと同様のものを使用するため、詳細な説明は省略する。
流出防止材4’は、図3(b)に示すように、止水材2の横方向の流出を防止するために、予め接合部aに沿って、止水材配置箇所の両脇に配置されるものである。つまり、一対の流出防止材4’,4’は、互いに隣接する遮水シート1,1のそれぞれの端部に接着された独立発泡シート3,3を挟んだ状態で、互いに対向するように配置されている。
流出防止材4’を構成する材料は、止水材2の流出を防止することが可能であれば限定されるものではないが、第2の実施の形態では、鋼板を使用するものとする。ここで、第1の実施の形態では流出防止材4として、アスファルトマスチックの硬化体を使用し、基盤Gの平坦性が不良な場合に、止水材2の熱によりクリープすることで基盤Gの凹凸に追従する構成としたが、第2の実施の形態では、平坦性を確保した状態で斜面状に形成された裏込め層23に接合構造S2を構築するものとするため、流出防止材4’に追従機能を期待する必要ない。そのため、流出防止材4’を鋼製部材により構成しても、止水材2の流出防止機能を十分に発揮することが可能となる。なお、流出防止材4’として、アスファルトマスチックの硬化体からなるブロック部材やコンクリートブロック等、適宜公知の材料を使用してもよいことはいうまでもない。
仕切部材5は、図3(a)に示すように、一対の流出防止材4’,4’により形成された溝を、流出防止材4’に沿って所定の間隔で分断するように配置された部材であって、鋼板により構成されている。このように仕切部材5を配置することにより、斜面状に配置する流動性を有する止水材2が、下方へと流下することを防止する。
仕切部材5を構成する材料は、止水材2の流下を防止することが可能であれば限定されるものではないが、第2の実施の形態では、流出防止材4’と同様に、鋼板を使用するものとする。そして、第2の実施の形態では、流出防止材4’と仕切部材5とを互いに接合して、流し込まれた止水材2の圧力により倒れることのないように構成する。
なお、流出防止材4’と仕切部材5とを接合することなく、それぞれ立設可能な厚みを有した部材により構成してもよいことはいうまでもない。また、第2の実施の形態では、流出防止材4’と仕切部材5とを同一の材料により構成するものとしたが、それぞれを異なる材料から構成してもよいことはいうまでもない。
流出防止材4’と仕切部材5の高さは、計画された止水材2の厚みよりも高く形成するものとし、図3(a)に示すように、上端が水平を示す断面視台形に形成された止水材2の短辺(図3(a)における右側の辺)が、止水材2の計画された厚み以上に構成される高さとする。また、仕切部材5の間隔は、止水材2の計画された厚みを維持することを可能とする間隔であって、裏込め層23の斜度に応じて適宜設定する。また、流出防止材4’と仕切部材5の板厚は、止水材2の流出および流下を防止することが可能であれば限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
次に、第2の実施の形態に係る遮水シートの接合方法について説明する。
第2の実施の形態に係る遮水シートの接合方法は、(1)発泡シート接着工程と、(2)遮水シート敷設工程と、(3)型枠工程と、(4)止水材配置工程と、から構成されている。
(1)発泡シート接着工程
発泡シート接着工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
(2)遮水シート敷設工程
遮水シート敷設工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
(3)型枠工程
流出防止材配置工程は、遮水シート敷設工程において海面処分場(水中)10に敷設された遮水シート1,1同士の接合部aを挟んだ止水材2を流し込むための溝を形成する一対の流出防止材4’,4’と、この溝を所定の間隔で分断するように流出防止材4’,4’と直交する方向に流出防止材4’,4’の間に仕切部材5,5,…と、を配置する工程である(図3(a)および(b)参照)。つまり、遮水シート1,1の接合部aに沿って、一対の流出防止材4’,4’と仕切部材5,5,…とにより止水材2を流し込むための型枠を形成する。
(4)止水材配置工程
止水材配置工程は、流出防止材配置工程において形成された型枠(流出防止材4’,4’、仕切部材5,5,…)に、110〜190℃に加熱されて流動性を有した止水材(アスファルトマスチック)2を流し込む工程である(図2参照)。止水材4が流し込まれることにより、遮水シート1の端部に接着された独立発泡シート3は、止水材2と接触することで、この接触面が溶融する。これにより、独立発泡シート3の止水材2との接触面には、不連続な凹凸面が形成される。そして、この独立発泡シート3の不連続な凹凸面の凹部に、止水材2が入り込むことにより止水材2と独立発泡シート3とが噛み合うため、止水材2と独立発泡シート3とが物理的に接着する。これにより、遮水シート1と止水材2とが接着される。
なお、止水材2の硬化後、流出防止材4’,4’は撤去してもよい。
以上、第2の実施の形態による接合構造S2によれば、斜面上の接合部aに流し込まれた止水材2が、仕切部材5により流下することが防止されるため、平坦部と同様に、遮水シート1,1を接合することが可能となる。
また、仕切部材5は、流し込まれた止水材2と密着されるため、止水材2と仕切部材5との間に隙間が形成されることは無く、所望の遮水性を維持することが可能となる。
また、流出防止部材4’と仕切部材5とを接合して型枠を形成するため、流出防止部材4’と仕切部材5は、流し込まれた止水材2の圧力により変形することのない耐力を有していればよく、薄肉化が可能となり、材料費の省略を可能としている。
この他の第2の実施の形態に係る遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造S2による作用効果は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、図1に示すように、ケーソン護岸20等により囲まれた所定の範囲の水底を覆うように、遮水シート1を敷設することで遮水層11を形成し、海面処分場10を形成する場合について説明する。
第3の実施の形態に係る海面処分場10および海面処分場10を形成するためのケーソン護岸20は、第1の実施の形態で説明したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
第3の実施の形態に係る接合構造S3は、図4に示すように、並設された遮水シート1,1と、この遮水シート1,1の他の遮水シート1側の端部に、それぞれ予め接着された熱溶着性の独立発泡シート3,3と、隣接する遮水シート1,1同士の接合部aを跨ぐように横設されて、かつ、前記独立発泡シート3を覆うように配設された止水材2’と、から構成されている。
遮水シート1は、海面処分場10から外部への汚染物質などの流出を防止するものであって、図1および図4に示すように、複数枚並設して接合構造S(S3)を介して互いに接合することにより、遮水層11を形成する。なお、第3の実施の形態に係る接合構造S3で使用する遮水シート1は、第1の実施の形態で説明したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
止水材2’は、互いに並設された遮水シート1,1の接合部aの隙間から、汚染物質などの流出を防止することを目的として、接合部aを遮蔽するものである。止水材2’は、図4に示すように、遮水シート1と密着することで接合部aを遮蔽する。なお、第3の実施の形態に係る接合構造S3で使用する止水材2’は、予め内部に加熱手段として電熱ヒータ2aが埋設された状態で硬化されたアスファルトマスチック製のブロック部材であって、所定の位置に配置された後、電熱ヒータ2aに通電して過熱することにより軟化することで、遮水シート1に密着されている。なお、第3の実施の形態では、止水材2’の加熱手段として、電熱ヒータ2aを使用するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えばホットオイルヒータ等、適宜公知の加熱手段の中から選定して使用すればよい。
独立発泡シート3は、遮水シート1と止水材2’とを一体に接着することを目的として、図4に示すように、遮水シート1の端部であって、止水材2’と当接する箇所に接着されて、止水材2’の遮水シート1への密着時(電熱ヒータ2aによる加熱時)の熱により溶融し、止水材2’と物理的に接着するものである。なお、第3の実施の形態に係る接合構造S3で使用する独立発泡シート3は、第1の実施の形態で説明したものと同様のものを使用するため、詳細な説明は省略する。
次に、第3の実施の形態に係る遮水シートの接合方法について説明する。
第3の実施の形態に係る遮水シートの接合方法は、(1)発泡シート接着工程と、(2)遮水シート敷設工程と、(3)止水材配置工程と、から構成されている。
(1)発泡シート接着工程
発泡シート接着工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
(2)遮水シート敷設工程
遮水シート敷設工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
(3)止水材配置工程
止水材配置工程は、遮水シート1,1の接合部aを跨いで、かつ、各遮水シート1の端部に接着された独立発泡シート3の上面に、電熱ヒータ2aが埋設された、アスファルトマスチックの硬化体であるブロック状の止水材2’を配置する。そして、止水材2’を配置したら、電熱ヒート2aに通電して過熱することで、アスファルトマスチックを軟化させて、遮水シート1,1に密着させる。このとき、止水材2’と接触している独立発泡シート3の接触面が軟化したアスファルトマスチックの熱により溶融する。これにより、独立発泡シート3の止水材2’との接触面には、不連続な凹凸面が形成される。そして、この独立発泡シート3の不連続な凹凸面の凹部に、止水材2’が入り込むことにより止水材2’と独立発泡シート3とが噛み合うため、止水材2’と独立発泡シート3とが物理的に接着する。これにより、遮水シート1と止水材2’とが接着される。
以上、第3の実施の形態に係る遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造S3によれば、予めブロック状に形成された止水材2’を配置した後、過熱して遮水シート1(独立発泡シート3)と接着させるため、斜面上の接合部aでも止水材2’が流下することが無く、設置箇所が限定されることがない。
また、止水材2’の流出の防止を目的とした部材(流出防止部材4)を配置する必要がないため、施工性に優れている。
この他の第3の実施の形態に係る遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造S3による作用効果は、第1の実施の形態または第2の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、前記各実施の形態に係る遮水シートの接合方法において、遮水シート1が水中に敷設される前に、アスファルト混合物からなる粒状材を、加熱した状態で独立発泡シート3の上面に接着させる粒状アスコン接着工程を含む場合について説明する(図5参照)。
つまり、第4の実施の形態に係る遮水シートの接合方法は、(1)発泡シート接着工程と、(2)粒状アスコン接着工程と、(3)遮水シート敷設工程と、(4)止水材配置工程と、を含んでいる。
なお、(2)粒状アスコン接着工程は、(1)発泡シート接着工程の前であって、独立発泡シート3を遮水シート1に接着する前に行ってもよい。
第4の実施の形態に係る独立発泡シート3は、水中に遮水シート1を敷設する時点では、図5に示すように、アスファルト混合物からなる粒状材である粒状アスコン3aが、独立発泡シート3の上面から突出した状態で遮水シート1に接着されている。
ここで、粒状アスコン3aの配合は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
(1)発泡シート接着工程
発泡シート接着工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
(2)粒状アスコン接着工程
粒状アスコン接着工程は、独立発泡シート3の上面に、加熱された粒状アスコン3aを敷均し、転圧することにより行う。加熱された粒状アスコン3aの熱により独立発泡シート3の粒状アスコン3aとの設置面が溶融し、さらに粒状アスコン3aを転圧するため、粒状アスコン3aが独立発泡シート3に埋め込まれ、図5に示すように独立発泡シート3と粒状アスコン3aとが物理的に接着される。
(3)遮水シート敷設工程
遮水シート敷設工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
(4)止水材配置工程
止水材配置工程は、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
なお、第4の実施の形態に係る遮水シートの接合方法おいて、基盤の状況や使用する止水材により、必要に応じて流出防止材や仕切部材を配置することはいうまでものない。
以上、第4の実施の形態に係る遮水シートの接合方法によれば、止水材配置工程において、加熱されたアスファルトマスチックからなる止水材2の熱により、予め独立発泡シート3に接着された粒状アスコン3aが溶融し、止水材2と一体に接着される。このため、止水材2は、粒状アスコン3aとの接着および独立発泡シート3との物理的な接着により、強固に遮水シート1と接着される。故に、より遮水性に優れた遮水シートの接合構造Sが形成される。
また、遮水シート1の敷設時においても、独立発泡シート3に接着された粒状アスコン3aの重量により、水中の波動の影響を受けることなく遮水シート1を敷設することが可能となるため、作業性に優れている。
この他の第4の実施の形態に係る遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造S3による作用効果は、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の遮水シートの接合方法により構成された接合構造の接合性について実証実験を行った結果を示す。
本実証実験では、独立発泡シート3として、気中での発泡倍率が15倍、軟化点122℃、厚さ5mmのものを使用する。そして、独立発泡シート3の上面には、粒状アスコン3aが予め接着されている(図5参照)。遮水シート1としては、ゴムシート(EPDM)を使用する。流出防止材4としては、アスファルト20質量%、石粉30質量%、砂50質量%を配合したアスファルトマスチックを断面5cm×5cmの角柱に形成する。さらに、止水材2として、アスファルト20質量%、石粉30質量%、砂50質量%による配合物を170℃に加熱、混練したものを使用する。
本実証実験では、独立発泡シート3がそれぞれ接着された2枚の遮水シート1,1を、水が貯留された図示しない水槽に敷設し、これらの遮水シート1,1の接合部aおよび独立発泡シート3,3を挟んだ状態で一対の流出防止材4,4配設した後、止水材2を流出防止材4,4の間に流し込むことにより接合構造Sを構成した(図2参照)。
次に、アスファルトマスチックが冷却固化した後、形成された接合構造Sを、幅9cm、長さ30cm、厚さ5cmの寸法による供試体を切り出す。このとき、遮水シート1同士の接合部aは、長さ方向の略中央になるように切り出されている。
続いて、供試体を加圧型透水試験機にセットし、20℃、加圧力0.5MPaで10日間加圧し、接合部の透水試験を行った。透水試験結果を、表1に示す。
また、供試体の背面に幅9cm、長さ20cm、厚さ1cmの鉄板をエポキシ樹脂で接着し、インストロン試験機を用いて試験温度20℃、引張速度0.5cm/minの条件で、シート接合部の引張せん断試験を行った。引張せん断試験結果を表1に示す。
表1に示すように、シート接合部の遮水性は、確保されており、また、引張せん断強度は90kPa以上であって、遮水シートが力学的に接合されている結果が得られた。
Figure 0004966556
以上、本発明に係る好適な実施の形態について説明したが、本発明は前記の各実施の形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記各実施の形態では、本発明に係る遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造を、海面処分場の遮水層を形成する際に適用するものとしたが、本発明の遮水シートの接合方法および遮水シートの接合構造の適用箇所は、海面処分場に限定されるものではなく、例えば、貯水池や溜池等の補修にも適用可能である。
また、第4の実施の形態では、遮水シートが水中に敷設される前に、アスファルト混合物からなる粒状材を独立発泡シートの上面に接着させるものとしたが、遮水シートが水中に敷設される前に、独立発泡シートの上面に加熱した状態のアスファルト混合物を敷設して、所定の厚み(例えば5cm)からなるアスコン層を形成してよい。このように、予め気中で独立発泡シートと物理的に接着された所定の厚みからなるアスコン層を形成しておけば、止水材配置工程において止水材とこのアスコン層とが一体化して、遮水性に優れた遮水シートの接合構造を形成することが可能となる。
第1の実施の形態乃至第3の実施の形態に係る海面処分場の概略を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る遮水シートの接合構造を示す横断面図である。 第2の実施の形態に係る遮水シートの接合構造を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。 第3の実施の形態に係る遮水シートの接合構造を示す横断面図である。 第4の実施の形態に係る遮水シートの接合構造の一部を示す横断面図である。
符号の説明
1 遮水シート
2,2’ 止水材
2a 電熱ヒータ(加熱手段)
3 独立発泡シート(発泡シート)
3a 粒状アスコン(アスファルト混合物からなる粒状材)
4,4’ 流出防止材
5 仕切部材
10 海面処分場
11 遮水層
20 ケーソン護岸
G 基盤
S,S1,S2,S3 接合構造(遮水シートの接合構造)
a 接合部

Claims (9)

  1. 遮水シートの端部に熱溶着性の発泡シートを接着する工程と、
    水中に前記遮水シートを複数枚敷設する工程と、
    止水材を、互いに隣接する前記遮水シート同士の接合部を跨いだ状態で、前記発泡シートが接着された前記遮水シートの端部に密着させる工程と、
    を含む遮水シートの接合方法であって、
    前記止水材が、常温時には任意形状に成形可能で、加熱により溶融する性能を有する材料であって、該止水材を、溶融させた状態で前記遮水シートの端部に密着させることで、前記止水材と、溶融された前記止水材の熱により溶融した前記発泡シートとを接着させることを特徴とする、遮水シートの接合方法。
  2. 前記止水材がアスファルトマスチックからなり、該止水材を、流し込むことにより前記遮水シートの端部に密着させることを特徴とする、請求項1に記載の遮水シートの接合方法。
  3. 前記接合部を挟んで一対の流出防止部材を配置して、前記止水材を流し込むための溝を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の遮水シートの接合方法。
  4. 前記流出防止部材が、アスファルトマスチックの硬化体であることを特徴とする、請求項3に記載の遮水シートの接合方法。
  5. 前記溝が所定の間隔で分断されるように仕切部材を配置することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の遮水シートの接合方法。
  6. 前記止水材が、内部に加熱手段が埋設された状態で硬化されたアスファルトマスチック製のブロック材からなり、該ブロック材を所定箇所に配置した後、加熱して前記遮水シートの端部に止水材を密着させることを特徴とする、請求項1に記載の遮水シートの接合方法。
  7. 前記遮水シートが水中に敷設される前に、アスファルト混合物からなる粒状材を、加熱した状態で前記発泡シートの上面に接着させる工程を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の遮水シートの接合方法。
  8. 地上または水中に並設された2枚の遮水シートと、
    前記遮水シートの他の遮水シート側の端部に、それぞれ予め接着された熱溶着性の発泡シートと、
    前記2枚の遮水シート同士の接合部を跨いだ状態で加熱により溶融させることで該2枚の遮水シートに密着された止水材と、から構成された遮水シートの接合構造であって、
    前記発泡シートは、前記止水材の遮水シートへの密着時の熱により溶融して当該止水材と接着されていることを特徴とする、遮水シートの接合構造。
  9. 前記止水材を両端から挟むようにアスファルトマスチックの硬化体が配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の遮水シートの接合構造。
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