JP2002059108A - アスファルトマットの水中遮水工法 - Google Patents

アスファルトマットの水中遮水工法

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JP2002059108A JP2000251917A JP2000251917A JP2002059108A JP 2002059108 A JP2002059108 A JP 2002059108A JP 2000251917 A JP2000251917 A JP 2000251917A JP 2000251917 A JP2000251917 A JP 2000251917A JP 2002059108 A JP2002059108 A JP 2002059108A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスファルトマットを用いて遮水工を構築す
る際に、マット部材の重ね部での遮水性を良好に形成で
き、斜面部遮水部の構築を容易に行い得るようにする。 【解決手段】 マット部材10、10aの斜面部での接
続部20においては、マット部材の重ね部に接着層21
を介在させて接着する。前記マット重ね部の上には型枠
部材30を配置し、その内部に溶融アスファルトを注入
してアスファルト層24を所定の幅と厚さを有するもの
として構築し、遮水性を良好に維持できるようにする。
前記型枠部材30は多数のセグメント部材31……を連
接して構成し、マット部材と接する部分にパッキング部
材32を設け、端部のワイヤ33を用いて吊り上げるこ
とで、型枠部材の取扱いを容易に行い得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物海面処分場
等の埋立護岸、または、人工島の内部を外海から区画す
る護岸等の護岸表面の遮水工法に関し、特に、遮水のた
めに敷設するアスファルトマットと、前記アスファルト
マットの接続を水中で行い得るようにする工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】廃棄物を埋め立て処分するために、大量
に廃棄物が排出される都市等の近傍の海域を仕切って処
分場を構築し、廃棄物を用いて新たな陸地を構築すると
ともに、排出地域からの運搬距離を短くすることに対応
させ得るようにすることが行われている。前記廃棄物の
処分場を海面に構築する場合には、一般的には埋立地の
護岸の構築場所で、海底地盤を強化するための地盤改良
工事を施工し、石積基礎を所定の高さに構築してその上
面を平らに均してから、その基礎の上にケーソン等の構
造物を配置して構成している。
【0003】前記構造物と石積基礎に対して遮水性を持
たせるためには、例えば、陸上の処分場の場合と同様
に、遮水用シートと保護マット等を重ねて敷設し、廃棄
物により遮水用シートを石積基礎に向けて押圧するよう
にして安定させている。前記海面埋立て処分場の他に、
海面を所定の範囲で区画して人工島を構築する場合や、
人工島の構築と同様に、所定の海域を護岸により区画し
てその区画された内部の海底地盤で工事を行う場合等に
おいても、前記埋立て処分場と同様な工事を行って、遮
水性を有する護岸を構築している。
【0004】前記遮水用シート等のシートとしては、例
えば、薄いゴムシートや塩化ビニール等のプラスチック
製の水を通さない性質を有するシートを用いている。ま
た、前記石積基礎の上に設置するケーソン等の構造物の
間では、ケーソン間の目地部からの透水を防止する措置
として、一般的には弾性を有するゴム製の仕切り材をケ
ーソンの間に所定の間隔を介して配置し、前記仕切り材
の間にアスファルト混合物等を充填する等の処理を行っ
て、ケーソン等の目地間から内部の保有水が浸出しない
ような遮水層を構築している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記遮水性
を有するシートを海中で施工する場合には、前記シート
が比較的薄くて軽いものであることから、風や波浪にあ
おられること等により、必要とされる場所に正確に敷設
することが困難である。そして、前記遮水用シートを前
記埋め立て護岸の角部の広い面積を覆うように施工する
際には、海中で遮水用シートを角部の形状に合わせて加
工した上で、接続部を接続して一体化を図り、接続部で
の遮水性を確保する必要があるが、接続される遮水用シ
ートが安定しない状態にあるか、角部の形状が複雑であ
ったりしてその接続が面倒である。また、前記遮水用シ
ートを敷設するに際しては、おもり部材やその他の補助
手段を合わせて用いるために、施工コストが大幅に上昇
する原因ともなる。
【0006】また、海中で遮水用シートを敷設する際に
は、陸上の処分場のように土を平らに均すことができ
ず、大きな凹凸のある石積の堤体の表面に配置するの
で、その石の凸部に当った部分が破損しやすい等の問題
があり、遮水用シートによる遮水性を確保することが困
難である。前記問題の他に、ケーソンを支持する石積基
礎の下面では、海底地盤の改良工事を施工するので、構
造物本体に対する支持作用は安定して発揮できるが、埋
立地側では廃棄物の重量により地盤が圧密されるため
に、廃棄物により海底地盤が沈下するという問題が発生
しやすく、石積基礎の端部から海底地盤に向けて敷設し
たシートに引っ張り作用が加わり、遮水用シートが破損
する等の問題の発生が想定される。
【0007】本発明は、前述したような海中での遮水処
理層を施工する場合の問題を解消するもので、接続部で
の遮水層の構築を容易に行い得て、遮水の性能を長期間
に亘って確保できる、遮水処理層を設けた管理型護岸を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、廃棄物海面埋
め立て処分場の埋立護岸に設け、前記埋立護岸の埋立て
側と外海面の両面または埋立て側の表面と海底地盤の所
定の範囲に亘って、アスファルトマットを敷き詰めて構
成する遮水手段に関する。本発明の請求項1の発明は、
前記遮水手段を構成するアスファルトマットは、隣接す
るマット部材を所定の巾で重ねて、重合した接続部に接
着性を有する層を介して敷設し、前記遮水手段の傾斜部
に位置する重合部では、型枠部材を用いてアスファルト
混合物を所定の厚さと巾で施工して接続部遮水層を構築
し、前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記
型枠部材を取り外すことを特徴とする。請求項2の発明
は、前記マット部材の接続部では、隣接するマット部材
の荷役用ワイヤを用いて接続し、前記遮水手段の傾斜部
に位置する重合部では、型枠部材を用いてアスファルト
混合物を所定の厚さと巾で施工して接続部遮水層を構築
し、前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記
型枠部材を取り外すことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、前記型枠部材はアスフ
ァルト混合物に接する面に、アスファルトが接着されな
い離型剤を塗布して設け、アスファルトマットに接する
部分に、軟質のパッキング部材を設け、前記型枠部材に
は、水や気体を通す性質を持たせ、傾斜部の上側から型
枠部材とマット部材の間に流すアスファルト混合物の充
填性を補助する手段を設けたものを用いることを特徴と
する。請求項4の発明は、前記接続部に打設するアスフ
ァルト混合物の圧力により、前記型枠部材が移動されな
い重量を有し、前記型枠部材を長さ方向に区分した多数
のセグメントを接続して構成し、前記型枠部材の長さ方
向の一端部から延長するワイヤを用いて、前記型枠部材
の敷設と取り外しの作業を行い得るよう構成したことを
特徴とする。
【0010】前述したように構成したことにより、アス
ファルトマットの接続部遮水層の傾斜部での施工を、型
枠部材を用いて容易に行うことができ、前記遮水層の信
頼性を向上させることができ、マット部材の接続部では
荷役用のワイヤを用いて接続できるので、接続部を引き
離すような力に対する抵抗力を維持できる。また、前記
接続部の遮水層を構築する際に用いる型枠部材は、凹凸
があるマット部材の表面に隙間なく載置でき、内部にア
スファルト混合物を打設することにより、遮水層内部に
水や気体が入らない均一な層として構築できる。そし
て、前記型枠部材を蛇腹状の重いものして構成し、固化
したアスファルト混合物が型枠部材に付着することを防
止する手段を設けたことにより、型枠部材の敷設と取り
外しを容易に行い得て、遮水層の施工性を向上させるこ
とが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の水中遮水工法を説明する。一般的な廃棄物処分場の
仕切護岸は、図1に示すように構築されるもので、海底
地盤2の上に石積基礎3を構築し、その石積基礎3の上
にケーソン等の構造物を載置して構築する。前記石積基
礎3を構築する海底地盤が軟弱地盤の場合には、構造物
の重量に耐え得る強度を持たせるような、地盤を補強す
る工事を施工する。前記石積基礎3と構造物4の内海面
側には、必要に応じて捨て石層5、5aを構築し、前記
捨て石層の表面と、海底地盤2の上の所定の範囲に亘っ
て、遮水工6、7を構築する。前記構造物4としては、
一般に港湾の構造物としてのコンクリート製のケーソン
や、鋼製・ハイブリッドケーソン等を用いることがで
き、ケーソンの内部空間に建築廃材や石、砂等を充填し
て自重を重くし、波浪の圧力で前記構造物が動いたりし
ないように設置する。
【0012】前記遮水工6、7は、アスファルトマット
を敷き並べて構築するものであるが、必要に応じて、ア
スファルトマットと遮水シートとを重ねて敷設し、マッ
トの重ね部に遮水性を持たせて構築することができる。
前記アスファルトマットを敷設して遮水工を構築する際
には、従来よりケーソンの滑動防止や、海底地盤の保護
のために用いられているアスファルトマットと同様な構
造のマット部材を用いることができる。図2に示すよう
に、前記遮水工6、7は、多数枚のマット部材10……
を端部で重ねるように配置して構成しているもので、前
記マット部材の重ね部には斜面部遮水部20と水平部遮
水部25とを各々設け、マット部材重ね部での遮水性を
発揮できるようにしている。
【0013】前記遮水工6、7を構築する際に用いるア
スファルトマットは、従来より海洋構造物の滑動防止
や、海底地盤の洗掘防止等に用いられているマット部材
と同様に構成される。図3に示すように、アスファルト
混合物の層11、11aの間に、ガラスクロスのような
内部補強部材12を挟んで構成し、厚さを8〜15cm、
巾を5m程度、長さを20〜30mのものとしてアスフ
ァルトマット10を構成する。また、前記内部補強部材
12としては、ガラスクロスと金網等を重ねた内部補強
部材12を用いることも可能である。さらに、前記内部
補強部材12と重ねて、両端部にアイ部13aを設けた
ワイヤ13……を所定の間隔で配置し、前記ワイヤ13
……の端部には、マットとの一体化を図るために、帯鉄
等をアスファルト混合物層の間に埋設して設け、前記ワ
イヤ13の所定の位置には、滑動防止金具を所定の間隔
で配置して、マット本体からワイヤ13が抜け出さない
ように固定している。なお、マット部材の接続用に用い
る接続用針金14は、基部をワイヤに結合して所定の長
さだけマット部材の上面に突出させて設け、後述する斜
面部遮水部の形成に用いることができるようにする。
【0014】前記図2に示す遮水工6、7のマット部材
間での遮水工は、図4、5に各々の断面を示している。
図4に示す斜面部遮水部20の例は、遮水工の斜面部で
の構造を示しており、隣接するマット部材10、10a
を所定の長さだけ重ねて敷設する。前記マット重ね部に
おいては、マット部材10、10aを敷設する際に、前
記アスファルト層を施工するマット表面にプライマー部
材22を塗布しておき、前記プライマー部材22により
後で施工するアスファルト層24のマット部材に対する
接着性を良好にする。また、マット部材10の端部付近
には所定の巾で接着層21を設けておき、後で敷設する
マット部材10aが前記接着層21を押圧して、両マッ
トの間を接着する状態で、斜面部遮水部20における遮
水性を持たせる。前記マット部材10に端部を重ねるよ
うに敷設するマット部材10aでは、アスファルト層2
4に接する表面と端面にプライマー部材22を設けて、
前記2つのマット部材を重ねた部分で、ワイヤ13の基
部を接続用針金14に接続して、結束部23によるマッ
トの位置決めを行う。次いで、後述する型枠部材を用い
てアスファルト層24を打設し、アスファルトの硬化を
待って型枠部材を外すことにより、図4に示すような斜
面部遮水部20を構築する。
【0015】図5に示す水平部遮水部25では、前記図
4の斜面部遮水部の場合のように、マット重ね部にワイ
ヤがないものであるから、前記ワイヤを用いた固定はで
きないが、前記水平部遮水部25は遮水工の水平面に配
置することで、マット同士を直接固定する必要がないも
のである。前記水平部遮水部25は、図1の捨石層5、
5aの表面のうち、水平部分で、マット重ね部に大きな
巾を持たせる状態で構成するものであり、あらかじめ斜
面部の長さに上下の水平部の長さに対応させて、前記マ
ット部材の長さを設定し、マット部材の上下(斜面方向
の)の端部が水平部に余裕を持って配置できるようにす
る。そこで、2枚のマット部材10、10aのマット重
ね部においては、マット間に巾の広い接着層26の層を
配置するか、または複数条の接着層26、26a……を
配置して、マット重ね部における遮水性を発揮させる。
【0016】前記水平部遮水部25において、マット部
材の端部を重ねて敷設しても、前記接着層26のみでは
遮水性が不完全であると判断されるときには、前記マッ
ト重ね部の上に所定の巾を介して型枠ブロック28、2
8aを配置してアスファルト層29を打設し、所定の幅
と厚さを有するアスファルト層29を構築する。また、
前記アスファルト層を打設する部分に対しては、マット
部材を敷設する前に、船の上でプライマー部材27をそ
れぞれ施工しておき、プライマー部材27によるアスフ
ァルトとの接着性を良好に発揮できるようにする。前記
アスファルト層29を打設するための型枠ブロックとし
ては、所定の高さと巾および長さを有するアスファルト
ブロックをあらかじめ容易しておき、前記ブロックをマ
ット重ね部に対して配置してから、アスファルト混合物
を打設することができる。その他に、前記型枠としてH
型鋼等を用いてアスファルト層の構築を行うことが可能
であり、前記H型鋼等を繰り返して使用することで、水
平部遮水部の構築コストを低減させることが可能とな
る。
【0017】なお、前記接着層21、26としては、ゴ
ムアスファルトのように、アスファルトマットの接着性
を発揮できるものを用いるが、その他に、任意のアスフ
ァルトとの接着性を有する軟質の接着剤成分を用いても
良い。さらに、前記プライマー部材22、27として
は、ストレートアスファルトやネオアスファルト(商品
名)を用いることができるが、船上で加熱して溶融させ
たストレートアスファルトを塗布することが最も簡単な
処理である。前記図4、5に示されたように、遮水工に
対して斜面部遮水部や水平部遮水部を施工して、アスフ
ァルトマットによる遮水処理を行うが、前記斜面部遮水
部20を構築する際には、図6に示すような型枠部材3
0を用い、図7〜9の順序で、遮水工の斜面部でのアス
ファルトの打設作業を行い、斜面部遮水部20を構築す
ることができる。
【0018】図6に示す例において、型枠部材30は巾
の狭いセグメント部材31……を多数連接して構成して
いるもので、セグメント部材31…は、厚い鉄板を下向
きの略コの字状に加工したものや、型鋼を組み合わせて
構成することができ、前記多数のセグメント部材31…
…を複数本のワイヤ33、33aにより連接する状態で
構成する。そして、前記型枠部材30を取り扱う際に、
ワイヤの端部をクレーン等により吊り上げることによっ
て、前記セグメント部材31……が略蛇腹状に変形しな
がら取り外されるようにする。また、前記型枠部材30
を敷設する際には、下部を位置決めしてから、上部を斜
面の上側に向けて移動させながら、マット部材の上に敷
設できるようにする。なお、前記型枠部材30のセグメ
ント部材31……は、前記型枠部材30の内部空間に溶
融アスファルトを流し込んだ時に、その圧力等により浮
いた状態とならない程度の重量を有するものとして構成
する。
【0019】前記型枠部材30のセグメント部材31…
…の下部には、パッキング部材32を所定の厚さで取り
付けており、前記パッキング部材32としては、任意の
弾性体、スポンジ状部材、シリコンゴムの柔らかいブロ
ック等を取り付けている。そして、型枠部材30をマッ
ト重ね部に対して位置決めした際に、マット部材の表面
に凹凸があったとしても、前記パッキング部材32が凹
凸に対応して変形するので、型枠部材30の下面とマッ
ト部材の表面都の間に隙間が形成されず、注入するアス
ファルトが側部から漏れ出すことがないようにする。な
お、前記型枠部材30の下端部に先に打設した水平部遮
水部等がある場合には、注入するアスファルトが下部の
開口から漏れ出すことを防止する手段を設ける必要はな
いが、漏れ出し防止を必要とする場合には、あらかじめ
金網等を配置しておくことができる。また、前記型枠部
材30の内面には、フッ素樹脂を塗布するか、またはシ
リコンゴムの被覆を設けておき、打設するアスファルト
が型枠部材の内面に付着しないようにする処理を行って
いる。
【0020】前記図6に示すような型枠部材30を用い
て、斜面部遮水部20を構築する際には、図7ないし図
9の工程を経てアスファルトの打設を行うようにする。
図7に示す例は、型枠部材30を斜面部遮水部の施工位
置に配置する場合を示しており、遮水工7等の水平部の
遮水工に対する水平部遮水部を施工した後で、型枠部材
30を位置決めして敷設する。前記型枠部材30を敷設
する際には、ワイヤ33をクレーンで吊り下げて、型枠
部材30の下端部を水平部遮水部25に対して位置決め
してから、斜面の下部から型枠部材30を順次位置決め
して固定する。次いで、前記遮水工6の斜面部に位置決
めした型枠部材30の上から、開口の内部に向けて流入
装置35を用いてアスファルト36を流し込んで、型枠
部材30の内部にアスファルトを充満させる。
【0021】前記アスファルトの流し込みに際して、そ
の圧力により型枠部材30が浮き上がるような揚力が作
用するが、前記型枠部材30を十分に重いものとして構
成するので、型枠部材30の内部にアスファルトが充満
されて固化するまでそのまま放置する。前記放置時間
は、例えば、数時間で十分であることから、その後に、
図9に示すように、型枠部材30を取り外す作業を行
う。前記型枠部材30を取り外す際には、多数連接して
いるセグメント部材が、ワイヤ33を引き上げることで
1つずつ斜面部遮水部20から外されるので、比較的容
易に型枠部材30を取り外すことが可能となる。なお、
前記型枠部材30の内部にアスファルト36を打設する
場合に、各セグメント部材の間には小さな隙間があるの
で、型枠部材30の中に入っている水や、加熱されて発
生する気体が容易に排出されるので、斜面部遮水部20
には空隙が形成されることはない。また、前記型枠部材
30の中に注入するアスファルト36は、作業船上で加
熱しながら注入することで、必要な量を容易に確保で
き、任意の構造の流入装置35を用いて注入作業を行う
ことができる。
【0022】前記図8に示す流入装置35は、斜面部遮
水部20の作成時の他に、図5に示す水平部遮水部25
の作成時にも使用することができる。前記アスファルト
層24、29を構成するための溶融アスファルト36と
しては、サンドマスチックまたはネオアスファルトを使
用すると、作業性が良好に維持でき、マット重ね部遮水
工として構築した後での長期間の遮水性を確保すること
が可能となる。つまり、前述したような種類のアスファ
ルトを用いることで、マット部材の下面を支えている地
盤や捨て石層の変形に追従して変形した時でも、斜面部
遮水部や水平部遮水部でのアスファルト層が同時に変形
して、マット重ね部の遮水性能に障害が発生することが
防止されるという特性が発揮されることになる。
【0023】なお、前述したように構成した遮水工は、
アスファルトマットのみで遮水性を十分に発揮できると
される場合には、遮水工のみで対処可能となるが、前記
アスファルトマットによる遮水工に重ねて、遮水シート
等を敷設することが要求されることが多くある。その場
合には、アスファルトマットによる遮水工を構築した後
で、その上に、厚めの不織布等の緩衝層を構築してか
ら、さらにビニールシートやゴムシートを1層または複
数層重ねて敷設して複数層の遮水層を重ねたものとして
構築することができる。そして、前記遮水工において
は、それぞれのシート層の接続部に対して、遮水処理し
ながら敷設することにより、より完璧な遮水工を構築す
ることが可能であり、前記ゴムシートのような遮水シー
トを敷設する場合にも、シート間の接続部に対して、水
平部遮水部または斜面部遮水部を形成すれば、従来の接
着剤を用いたシート接続に比較して、より信頼性を向上
させた遮水工を構築することが可能となる。
【0024】
【発明の効果】本発明の遮水工は、前述したように構成
するのであるから、アスファルトマットの接続部遮水層
の傾斜部での施工を、型枠部材を用いて容易に行うこと
ができ、前記遮水層の信頼性を向上させることができ、
マット部材の接続部では荷役用のワイヤを用いて接続で
きるので、接続部を引き離すような力に対する抵抗力を
維持できる。また、前記接続部の遮水層を構築する際に
用いる型枠部材は、凹凸があるマット部材の表面に隙間
なく載置でき、内部にアスファルト混合物を打設するこ
とにより、遮水層内部に水や気体が入らない均一な層と
して構築できる。そして、前記型枠部材を蛇腹状の重い
ものして構成し、固化したアスファルト混合物が型枠部
材に付着することを防止する手段を設けたことにより、
型枠部材の敷設と取り外しを容易に行い得て、遮水層の
施工性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 廃棄物処分場の護岸の構成を示す説明図であ
る。
【図2】 遮水工の平面図である。
【図3】 アスファルトマットの構成を示す説明図であ
る。
【図4】 斜面部遮水部の構成の説明図である。
【図5】 水平部遮水部の構成の説明図である。
【図6】 型枠部材の構成を示す説明図である。
【図7】 型枠部材を斜面部遮水部に対して設置する作
業の説明図である。
【図8】 型枠部材にアスファルトを打設する作業の説
明図である。
【図9】 斜面部遮水部構築後に型枠部材を取り外す作
業の説明図である。
【符号の説明】
1 護岸、 3 石積基礎、 4 構造物、 6
・7 遮水工、10 アスファルトマット、 11
アスファルト層、12 内部補強部材、 13
ワイヤ、 14 接続用針金、20 斜面部遮水
部、 21 接着層、 22 プライマー部材、2
3 結束部、 24 アスファルト層、 25
水平部遮水部、26 接着層、 27 プライマー
部材、 28 型枠ブロック、29 アスファルト
層、 30 型枠部材、 31 セグメント部材、
32 パッキング部材、 33 ワイヤ、 35
流入装置、36 溶融アスファルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜本 尚洋 東京都港区赤坂2丁目10番9号 日本海上 工事株式会社内 Fターム(参考) 2D018 DA02 4D004 AA46 BB02 BB05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物海面埋め立て処分場の埋立護岸に
    設け、前記埋立護岸の埋立て側と外海面の両面または埋
    立て側の表面と海底地盤の所定の範囲に亘って、アスフ
    ァルトマットを敷き詰めて構成する遮水手段において、 前記遮水手段を構成するアスファルトマットは、隣接す
    るマット部材を所定の巾で重ねて、重合した接続部に接
    着性を有する層を介して敷設し、 前記遮水手段の傾斜部に位置する重合部では、型枠部材
    を用いてアスファルト混合物を所定の厚さと巾で施工し
    て接続部遮水層を構築し、 前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記型枠
    部材を取り外すことを特徴とするアスファルトマットの
    水中遮水工法。
  2. 【請求項2】 廃棄物海面埋め立て処分場の埋立護岸に
    設け、前記埋立護岸の埋立て側と外海面の両面または埋
    立て側の表面と海底地盤の所定の範囲に亘って、アスフ
    ァルトマットを敷き詰めて構成する遮水手段において、 前記遮水手段を構成するアスファルトマットは、隣接す
    るマット部材を所定の巾で重ねて、重合した接続部に接
    着性を有する層を介して敷設し、 前記マット部材の接続部では、隣接するマット部材の荷
    役用ワイヤを用いて接続し、 前記遮水手段の傾斜部に位置する重合部では、型枠部材
    を用いてアスファルト混合物を所定の厚さと巾で施工し
    て接続部遮水層を構築し、 前記アスファルト混合物の層を構築した後で、前記型枠
    部材を取り外すことを特徴とするアスファルトマットの
    水中遮水工法。
  3. 【請求項3】 前記型枠部材はアスファルト混合物に接
    する面に、アスファルトが接着されない離型剤を塗布し
    て設け、 アスファルトマットに接する部分に、軟質のパッキング
    部材を設け、 前記型枠部材には、水や気体を通す性質を持たせ、傾斜
    部の上側から型枠部材とマット部材の間に流すアスファ
    ルト混合物の充填性を補助する手段を設けたものを用い
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のアスファ
    ルトマットの水中遮水工法。
  4. 【請求項4】 前記接続部に打設するアスファルト混合
    物の圧力により、前記型枠部材が移動されない重量を有
    し、 前記型枠部材を長さ方向に区分した多数のセグメントを
    接続して構成し、 前記型枠部材の長さ方向の一端部から延長するワイヤを
    用いて、前記型枠部材の敷設と取り外しの作業を行い得
    るよう、構成したことを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載のアスファルトマットの水中遮水工法。
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