JP2001011837A - 止水用膜状材の接続工法 - Google Patents

止水用膜状材の接続工法

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JP2001011837A
JP2001011837A JP11185608A JP18560899A JP2001011837A JP 2001011837 A JP2001011837 A JP 2001011837A JP 11185608 A JP11185608 A JP 11185608A JP 18560899 A JP18560899 A JP 18560899A JP 2001011837 A JP2001011837 A JP 2001011837A
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sheet
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Takatsu Wagi
多克 和木
Nobuhiro Chokai
信弘 鳥海
Mitsumasa Inomata
光正 猪俣
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Seibu Polymer Corp
World Engineering Co
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SENI DOBOKU KAIHATSU KK
Seibu Polymer Corp
World Engineering Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋立地等の仕切り護岸のような構造物に、シ
ート材を用いて止水処理を行うに際して、シート材の接
続部の構成を簡素化し、作業性を向上させ得るようにす
る。 【解決手段】 塩ビやゴムの止水性を有するシートを用
いて仕切り堤体の止水処理を行うに際して、多数のシー
ト材11、11a……の端部を重ね、その重合部14に
仮止め部材16、16aを用いて固定し、シート間に配
置する接着剤15により接着して、シートを重ねて接続
する部分での止水性を確保できるようにする。前記仮止
め部材16としては、面ファスナー等のような水中で容
易に接続可能な部材を用いて、シートの重合部での位置
決めを容易に行い得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋立地等の仕切り
護岸のような海洋構造物に止水作用を付与するために用
いるシール手段に関し、特に、石詰み護岸の埋立て側に
配置するシール部材の接続工法に関する。
【0002】
【従来の技術】埋立地等の仕切り護岸のような海洋構造
物を構築する際には、前記海洋構造物を施工する海底地
盤の支持強度を増大させる等の地盤改良工事を行い、前
記海底地盤の上に石等を所定の高さに積重ねて構築す
る。また、前記仕切り護岸をケーソン等の既成の構造物
を用いて構築する場合には、地盤改良した海底面の上に
石等を積重ねて基礎マウンドを構築し、前記基礎マウン
ドの上にアスファルトマットのようなマットを敷設し
て、その上に構造物を構成するケーソン等を設置する工
法が用いられる。前記仕切り護岸等の構造物を構築する
ために使用される石詰みの構造物は、70〜300kg程
度の大きさの石を積重ねて構築しているので、積重ねた
石の間に隙間が多くあり、前記護岸本体の隙間を通って
自由に海水が流通できるようになっている。
【0003】前記海洋構造物を埋立地の仕切り護岸とし
て構築する場合には、仕切り護岸の陸側に埋立てた土砂
等が基礎堤体の隙間から流通する海水により流されて、
空洞が形成されたりすることがある。そこで、そのよう
な問題の発生を防止するために、水は通すが土砂を通さ
ない膜状材(シート類)を仕切り護岸の斜面に敷設する
ことが行われている。また、前記仕切り護岸を、廃棄物
処分場の仕切りとして用いる場合には、仕切り護岸に水
が流通しないように、止水性を有する部材を被覆して配
置する等の処理を行い、廃棄物から滲み出した有害成分
を含んだ水が流出しないような処理を行うことが求めら
れる。
【0004】そこで、前記仕切り護岸の傾斜面と海底面
に亘って止水性を発揮させるために、従来より止水性を
有するアスファルトマット、塩化ビニールやゴムシート
等の止水シートを敷設する止水工法が用いられている。
そして、前述したようなシートやマット類を隙間なく敷
設して設けることにより、仕切り護岸には止水性を発揮
させることができ、廃棄物を区画する仕切り護岸の場合
には、仕切り護岸により区画された内部に収容する廃棄
物等から浸出する汚水等が、その周囲の海域を汚したり
することを防止できる。
【0005】前記止水工法のうち、アスファルトマット
を敷設する工法を用いる場合には、任意の厚さのアスフ
ァルトマットを仕切り護岸の傾斜面部に対して施工が可
能であり、マットの間での止水のためには、ゴムアスフ
ァルト等の接着剤を用いることができる。そして、前記
ゴムアスファルトのような接着剤を使用する場合には、
マットの端部を所定の巾で重ねるように敷設し、その重
ね部の間に前記接着剤を介在させ、マットの重量により
押圧することで、前記接着剤が次第に平らに均される状
態で、マット部材の間に隙間なく広がり、マット間での
止水性能を良好に発揮でき、止水層の信頼性も高いもの
として構築することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記止水シートとして
アスファルトマットを用いることは、マット自体の値段
が高いことと、施工単価も高価であるという欠点があ
り、前記アスファルトマットに代えて、ゴムシートや塩
化ビニールシート、アスファルトシートのように、遮水
性を発揮できる薄いシート材を用いることが考えられて
いる。前記膜状材はゴムシートや塩化ビニールシートに
よる厚さが0.5〜3mm程度の薄いものであり、巾が数
mの長いものを敷き詰めることにより、基礎堤体の傾斜
面部等を覆うように配置できるが、前記シート材の接続
部を止水性を発揮できるように接続することが困難であ
る。前記止水シートは、陸上で使用する場合には、シー
ト材の単位体の接続部を熱融着等の手段を用いて接続す
ることによって、1枚の大きな止水シートとして構成で
きる。
【0007】ところが、海底から立ち上げて構築する仕
切り護岸においては、止水シートを敷設する部分が海底
や基礎堤体の傾斜面部であり、シート材を熱融着しよう
とする場合には、大型の船等を利用して多数枚のシート
材を接続し、大きな止水シートを構成することが必要で
あり、前記止水シートの製作が面倒であるという問題が
発生する。また、大面積の止水シートを海底や傾斜面部
に敷設しようとする場合には、その止水シート自体が軽
いもので遮水性を有するために、止水シートの敷設作業
を容易に行い得ないという非常に大きな問題がある。
【0008】本発明は、前述したような海洋工事に、止
水シートを使用する場合の問題を解決するもので、海底
や傾斜面部に敷設するシート材を容易に接続し得て、遮
水性を発揮できる止水用膜状材の接続工法を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、海底地盤から
石を積み上げて構築する海洋構造物に対して、基礎捨石
堤体の表面部に沿わせて止水性を有するシート材のよう
な膜状材を配置し、その上面に腹付石積を施工して膜状
材を安定させ、膜状材による止水性を発揮させる止水用
膜状材の接続工法に関する。本発明の請求項1の発明
は、前記膜状材の所定の巾を有する端部を接着して一体
のものとするために、前記膜状材の一方の端部の表面側
に仮止め部材を配置し、接着される他方の膜状材の端部
裏面には、前記仮止め部材に対応させた接続部材を配置
し、一方の膜状材に対して他方の膜状材を所定の巾の重
ね部を介して重ねて、仮止め部材により固定し、接着剤
を挟んで膜状材に加えられる圧力によって、膜状材の重
ね部を接続することを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、前記膜状材の重ね部を
接続する接着剤として、膜状材の性質に対応する接着力
と止水性とを発揮可能な接着剤成分を用い、重ね部で2
枚の膜状材の間に配置させた状態で、前記重ね部に加え
られる圧力により、前記2枚の膜状材の間を接着するこ
とを特徴とする。請求項3の発明は、前記膜状材の重ね
部を接続する接着剤として、ゴムアスファルトのような
接着剤成分を用いることを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、前記膜状材の重ね部を
固定する仮止め部材として、所定の巾を有する線状に接
続する面ファスナーを用いることを特徴とする。また、
請求項5の発明は、前記膜状材の重ね部を固定する仮止
め部材として、点状に接続する接続部材を用いることを
特徴とする。さらに、請求項6の発明は、前記膜状材を
重ね部を介して接続するために、重ね部の下部の膜状材
に巾方向には剛性を付与する補強手段を設け、前記下部
の膜状材の端部が垂れ下がることを防止することを特徴
とする。
【0012】前述したように構成することにより、止水
シートのような膜状材を水中で接続するに際して、仮止
め部材により前記シートの重ねた状態を維持して、接着
剤によりシートの接着を行うことができる。また、接着
剤としてシート材の性質に対応し、水中で接着可能な性
質を有する接着剤を用いることで、腹付石積みより加え
られる圧力により、シート材の間での接着作用と、接着
部に対する水密作用とを発揮させることができる。そし
て、前記2枚のシートを重ねた際に、その重ね部の状態
を仮止め部材により維持できるので、接続部の重ね状態
を良好に維持でき、接着剤による接着作用の補助を行う
ことが可能である。さらに、シート接続部の下部のシー
ト端部に、シートの巾方向の補強部材を配置する場合に
は、捨石の大きな凹凸がシート重ね部に影響した時に
も、重ねるシート端部の位置決めを容易に行うことがで
き、海中作業で仮止め部材による固定の作業を容易に行
うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の止水用膜状材の接続工法を説明する。図1、2に示
される例は、埋立地や廃棄物投棄処分場を海面に造成す
るに際して構築する仕切り護岸を示している。図1に示
す仕切り護岸1は、構築する海底地盤上に、1〜300
kg程度の大きさの石を積重ねて基礎堤体2を構築する。
前記基礎堤体2の傾斜面部3は、均し精度が±20cm程
度のものに形成し、その傾斜面部3に沿わせて止水性を
有する膜状体(以下、止水シート、またはシート材と呼
ぶ)10を敷設し、その止水シートの上面から海底地盤
9の所定の範囲に亘って、腹付石積み4を施工して前記
止水シートを押圧保持させるようにする。前記腹付石積
み4としては、例えば、0〜70kg程度の石を積重ね
て所定の厚さで施工し、傾斜面部3と腹付石積み4との
間で止水シート10を押圧保持させ、前記止水シート1
0を海流の圧力に対抗させ得るように保持する。さら
に、前記基礎堤体2の頂部にはコンクリート製の上部構
造物5を設置しているが、敷設する道路や外海に配置す
る波除け等として構成することができる。
【0014】また、図2に示す仕切り護岸1aにおいて
は、非常に小さな割石交じりで70kg以下のサイズの
捨て石を用いて、基礎堤体2aを構成しており、傾斜面
部3を緩やかな傾斜面(1:2)として形成する。前記
傾斜面部3の表面の均し精度を±20cmとしてから、前
記傾斜面部3と海底地盤の上に所定の範囲に亘って止水
シート10を隙間なく敷設し、その上に所定の厚さで腹
付石積み4を施工している。なお、前記傾斜面部の傾斜
角度は、仕切り護岸を構築する海域の条件に応じて、ま
たは、仕切り護岸により区画される場所への埋立て物に
応じて設定されるもので、前記傾斜面部の角度は任意に
設定される。
【0015】前記基礎堤体を小さな石等を用いて構築す
る場合には、当然基礎堤体の表面の均し精度は小さな値
となるものであり、その他に、大きな石で基礎堤体を構
築してから、その基礎堤体の表面に小さな石を敷設し
て、表面の凹凸を小さな値に設定し、止水シートを敷設
したときに、大きな突部が止水シートに当らないように
保護することも可能である。
【0016】前記止水シート10を構成するために使用
するシート材としては、例えば、巾が6〜10m程度の
ゴムシートまたは塩化ビニールシート、または、前記シ
ートを類を織布や金網等の補強部材と一体化して構成し
たもの等の、遮水性を有するシート部材を用いるが、前
記シート材は工場で巾が2〜3mのものとして作成した
ものを用いる。そして、敷設現場に搬入する前に、シー
ト材の単位体を複数横に並べた状態で、そのシート単位
体の重ね部を熱接着して巾の広いシート材を作成し、ロ
ール状に巻いた長いものとして敷設現場に搬入する。止
水シートの敷設現場では前記ロール状に巻かれたものか
らシートを順次繰出して、傾斜面部3に沿ってシート材
を敷設し、前記シート材の端部を所定の巾で重ねるよう
にして。その重ね部を接着剤を介して接着する。
【0017】前述したようにして、傾斜面部に沿わせて
配置する多数枚のシート材を、それぞれの重ね部でシー
ト単位体を用いて接着することにより、傾斜面部3に対
しては、1枚の非常に大きな面積の止水シートを配置す
ることになり、前記止水シートを捨て石層の間で挟持す
る状態で保持することができる。したがって、仕切り護
岸を介して区画される内外の海面の間では海水が流通せ
ず、仕切り護岸により区画された内部の海域に廃棄物
や、固化材を混入した土砂等を投棄しても、それ等の材
料が外部に流れ出すことはなく、区画内部に保持するこ
とができる。前記シート材を用いて止水シート10を敷
設する際には、次に説明するようなシート材の接続方法
を用いることができ、シート材の接続作業を水中で行っ
ても、止水シートの止水性を確保することが可能であ
る。
【0018】前記シート材を接続した止水シートを敷設
するに際しては、図3ないし図6に示すような方法を用
いることができる。図3に示す例は、工場で作成したシ
ート単位体を、横に多数枚接続してシート材11を作成
する場合を示しているもので工場で作成されるシート単
位体12は、巾が2〜3mのものとして製造されるが、
仕切り護岸構築現場では、巾が6〜10mのものを敷設
することで、敷設効率を向上させ得るようにする手段が
用いられる。そこで、工場で作成したシート単位体1
2、12a……を多数枚横に並べた状態で、それぞれの
横の端部を重ねた接着部13を介して接続し、巾が広く
て長いシート材11を作成する。
【0019】そして、前記シート材11の巾方向の両側
の端部に、隣接して敷設するシート材との重ね部に対応
させた仮止め部材と接着剤とをそれぞれ所定の範囲に設
ける。したがって、本実施例においては、巾方向の両端
部に重ね部に対応させた手段をとしての対応部材14
a、14bを各々設け、任意の長さと巾を有するシート
材を工場で作成したものを、ロール状に巻いて施工現場
まで搬送し、施工現場では任意の手段によりロールから
繰出して、石詰み部の傾斜面部に対して敷設することが
できる。
【0020】前記図4に示されたような構成のシート材
を用いて、止水シートを構成する場合には、前記接続部
に対応させて、一方のシート材11の表面側に重ね部1
4aを設け、他方のシート材11aの端部の裏面には重
ね部14bを設けている。本実施例では、前記重ね部1
4aとして、中央部に所定の巾を有する接着剤15を設
け、その両側には面ファスナー17、18をそれぞれ取
り付けている。また、他方のシート材11aの裏面に設
ける重ね部14bでは、前記重ね部14aの面ファスナ
ーに対応させた位置に面ファスナー17a、18aを各
々設けている。前記面ファスナーとしては、例えば、面
ファスナー(ベルクロファスナー、マジックテープ……
商品名)等の布状のファスナー部材を用いることができ
る。
【0021】そして、前記面ファスナーの一方の部材を
重ね部14aに配置し、他方の部材を重ね部14bに配
置して、2つのシート材を重ねた時に前記面ファスナー
がシート材の接続部で一体化され、シート材を重ねた状
態で固着できるようにする。なお、前記シート材に対し
て面ファスナーを取り付けるためには、シート材に対し
て接着性を有する接着剤を用いて固着させることができ
るが、前記接着剤としては、従来公知の材料を用いるこ
とが可能である。
【0022】前記図4に示すように、重ね部に対応する
部材の処理を行ったシート材は、図4に示すようにして
シート材の位置決めが行われ、図5、6に示すように端
部が重ねられるが、前記重ね部14の巾Wを50cm程度
に設定して、シート材の継ぎ目に対して止水性を良好に
発揮できる程度に形成される。前記図4に示したよう
に、シート材の端部の重ね巾を所定の値として設定し、
仮止め部材の位置決めを行った状態で、シート材11に
対してシート材11aを重ねて押圧すると、図5に示す
ように、接着剤15の両側の仮止め部材が互いに接続さ
れて、シート材が相互に接続されるようになる。
【0023】そして、前記図5に示した重ね部14は、
図6に示すように、前記重ねられたシートの2条の面フ
ァスナーが固定された間に、1条の接着剤15が位置す
るので、前記重ね部に対して上下から押圧作用が付与さ
れることにより、前記接着剤15が上下のシート材の間
に広がって接着作用を発揮し、シート材の重ね部に対し
て水密性を発揮させるようにする。また、巾がWに設定
された重ね部14では、両側の仮止め部材16の間に、
シート接続に必要な量を超える接着剤15を配置してお
き、上下のシートに対して付与される押圧力により接着
剤15が横に広げられる状態となる。
【0024】したがって、前記シート間で広げられるよ
うな作用を受ける接着剤15が、シートを巾広く接着す
るので、前記接着部での止水性を良好な状態で維持でき
るようにされる。なお、前記接着剤15としては、長い
時間を掛けて固化する性質を有する接着剤を使用する
が、例えば、従来より水中でのシート類の接着に使用さ
れるゴムアスファルト等を用いると、ゴムシートや塩化
ビニールシートに対する接着性を発揮できるが、その他
に、前記接着剤と同様な性質を持つ他の接着剤を用いて
も良い。
【0025】前記実施例のように、仮止め部材として面
ファスナーを使用する際に、シート材の両端部の接着面
に対し、2条の面ファスナーを配置して仮止め部材に対
応させることの他に、1条のファスナー部材を用いて仮
止めを行うことも可能である。また、図7に示すよう
に、シート材の一方の端部表面側に接着剤15を挟むよ
うにして面ファスナー17、18を配置し、他方の端部
の裏面側には、斜めファスナー19……を所定の間隔で
配置して設けることもできる。前記斜めファスナー19
を配置する場合には、面ファスナー17、18に対向す
る部材を斜めファスナーとして用いるもので、両者を重
ねた際に、重ね部では点状に面ファスナーと斜めファス
ナーとが接続される状態となる。
【0026】しかしながら、本実施例で用いる面ファス
ナーは、シートを重ねた状態で離れにくく保持する作用
を発揮させ、止水シートに対して押圧力が付与された際
に、接着剤15によりシート間を接着させるまでの保持
手段として用いられるものである。したがって、前述し
たように、仮止め部材における点状の保持手段を用いた
場合でも、傾斜面部に沿わせて敷設するシート材に対し
ては、重ね部を固定保持する作用を発揮させている間
に、接着剤の作用による接着が行われることになる。
【0027】前記各実施例では、重ねたシートの重ね部
を面ファスナーによる仮止め部材で保持して、接着剤に
よる接着の補助を行う方法について説明したが、前記仮
止め部材としては、図8、9に示すような手段を用いる
ことも可能である。前記図8、9に示す例においては、
接着剤15を設けたシート材11と、重ねられるシート
材11aとの間に、ロープを用いた仮止め部材20を設
ける場合を示している。前記仮止め部材20を構成する
ために、重ね部の巾Wに対応させて、2条の仮止め部材
部材の列を配置し、前記仮止め部材部材としてのテープ
部材21、21aは、樹脂片を接着剤22により接着し
て設けている。前記樹脂片のシート材から突出させた部
分に孔23を設けておき、前記テープ部材21、21a
の対向する孔23を通してロープ24を接続することに
より、2枚のシート材11、11aの重ね部14におけ
る仮止め部材20を構成することができる。前記仮止め
部材として用いる2列のテープ部材では、その配置間隔
を一定にしておくことにより、シート材を接続する作業
は容易に行うことができる。
【0028】なお、前記図7ないし図9に示すように、
点状に仮止め部材を形成する手段を用いる場合には、シ
ート材を重ねて敷設する際に、2枚のシート材の重ね部
の位置決めを厳密に行う必要がなく、接着剤を配置した
部分が上のシート材に重なるようにすることで、重ねる
シート材の間で接着剤による接着が行われる。したがっ
て、前記天井に仮止め部材を形成する場合には、傾斜面
部の均し精度が粗い場合や、止水シートの形状が四角形
から大きく変形されているような状態でも、端部のシー
ト材を接続する際には、有効に利用できる方法となる。
また、前記点状に仮止め部材を形成するためには、面フ
ァスナーの一方の部材をシート材の横方向に長く配置す
ることや、その他の任意の形状に取り付け手段を用いる
ことも可能である。なお、本実施例で使用するシート部
材は、前記ゴムや塩化ビニール等の樹脂材料のみで構成
したものの他に、織布と樹脂とを一体化して構成したシ
ート類を用いることができるものであり、接着剤として
も、ゴムアスファルトの他に、それと同等の性能を有す
る公知の接着剤を用いることが可能である。さらに、前
記各種の接着剤のほかに、粘着性によりシートの重ね部
に止水性を発揮させ得るような粘着剤を用いることも可
能である。
【0029】図10に示す例は、シート重ね部での接続
するシートの位置決めと、接着剤に対する押圧作用を良
好に発揮させるために、重ね部の下部に配置するシート
材に対して補強部材を設ける場合を示している。例え
ば、基礎堤体2を構築するに際して、表面部の均し精度
が±20cmとして設定されていると、表面に突出する石
の先端部と、石の凹んだ部分との差が40cmもある。前
述したような凹凸を有する表面部に対して、シート材の
重ね部が位置する場合には、前記シート材の下部のもの
が凹部に向けて垂れ下がるような事態が発生しやすい、
そして、前記シート重ね部で下部のシート端部が安定し
ない場合には、別のシート材を上に重ねて仮止め部材を
用いて固定するに際して、潜水作業員の負担が大きくな
り、作業性が良くないという問題につながる。また、基
礎堤体と腹付石積との間でシート重ね部を押圧しようと
しても、前記重ね部のシート材の間に配置する接着剤に
対する押圧作用が良好に行われないという問題も発生す
る。
【0030】そこで、図10に示す実施例においては、
重ね部14の下面に位置するシート材11に対して、端
部補強部材25を任意の固着手段により取付けている。
そして、シート材端部(重ね部)が基礎堤体の表面部の
凹部等に位置されたとしても、前記シート材端部が凹部
に垂れ込まないように保護させている。前記端部補強部
材25としては、例えば、金網や短冊状の鉄板等を用い
て構成することができるもので、その他に、シート材を
巻く方向には可撓性を有するが、シート材の巾方向には
剛性を有するものを用い、前記シート材11の端部に所
定の巾で一体に設けるようにする。
【0031】なお、前記端部補強部材として金網や短冊
状の鉄板等を用いる場合には、あらかじめ工場でシート
材を製作する際に、端部補強部材を一体にシート材に取
付けることができるが、前記端部補強部材とシート材の
固着のためには、任意の接続手段を用いることが可能で
ある。また、シート材に金網や鉄板等を一体化した巾の
狭いシート端部材を通常のシート材の端部部材として工
場で製作しておき、シート単位体を接続する際に、端部
に前記シート端部材を固着して取付けることも可能であ
る。
【0032】前述したように、端部補強部材を一体に設
けたシート材を用いて、堤体の表面部に敷設する際に
は、表面部の凹部にシート材端部が位置されたとして
も、端部補強部材25によりシート材端部が大きく湾曲
することがない。そして、前記下のシート材11の上に
接続するシート材11aを位置決めした時に、両シート
の重ね部14が大きな凹凸を生じないので、仮止め部材
16、16aによる固定作業を容易に行うことができ
る。したがって、前述したようにして、止水シートを構
成する時には、重ね部の上部に構築する腹付石積から加
えられる押圧力により、接着剤をシート間で押圧して巾
の広い範囲でシートの間を接着し、重ね部での止水性を
良好に発揮させることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の止水用膜状材の接続工法は、前
述したように構成した部材を用いているので、止水シー
トのような膜状材を水中で接続するに際して、仮止め部
材により前記シートの重ねた状態を維持して、接着剤に
よりシートの接着を行うことができる。また、接着剤と
してシート材の性質に対応し、水中で接着可能な性質を
有する接着剤を用いることで、腹付石積みより加えられ
る圧力により、シート材の間での接着作用と、接着部に
対する水密作用とを発揮させることができる。そして、
前記2枚のシートを重ねた際に、その重ね部の状態を仮
止め部材により維持できるので、接続部の重ね状態を良
好に維持でき、接着剤による接着作用の補助を行うこと
が可能である。さらに、シート接続部の下部のシート端
部に、シートの巾方向の補強部材を配置する場合には、
捨石の大きな凹凸がシート重ね部に影響した時にも、重
ねるシート端部の位置決めを容易に行うことができ、海
中作業で仮止め部材による固定の作業を容易に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 仕切り護岸の構造を示す説明図である。
【図2】 仕切り護岸の別の構造を示す説明図である。
【図3】 シート材の構成を示す説明図である。
【図4】 シート材を位置決めして接続する状態の説明
図である。
【図5】 シート材の接続部の断面図である。
【図6】 図5の平面図である。
【図7】 シート材の別の例の構成を示す説明図であ
る。
【図8】 シート材の接続部の別の例の断面図である。
【図9】 図8の平面図である。
【図10】 シート端部に補強部材を設ける例の説明図
である。
【符号の説明】
1 仕切り護岸、 2 基礎堤体、 3 傾斜面
部、4 腹付石積み、 5 上部構造物、 9
海底地盤、10 止水シート、 11 シート材、
12 シート単位体、13 接着部、 14
重ね部、 15 接着剤、16 仮止め部材、 1
7・18 面ファスナー、19 斜めファスナー、
20 仮止め部材、 21 テープ部材、22
接着剤、 23 孔、 24 ロープ、25
端部補強部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和木 多克 神奈川県横浜市旭区二俣川1−45−93 ワ ールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 鳥海 信弘 東京都目黒区下目黒2−2−16 繊維土木 開発株式会社内 (72)発明者 猪俣 光正 東京都豊島区池袋1−13−18 西武ポリマ 化成株式会社内 Fターム(参考) 2D018 DA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海底地盤から石を積み上げて構築する海
    洋構造物に対して、基礎捨石堤体の表面部に沿わせて膜
    状材を配置し、その上面に腹付石積を施工して膜状材を
    安定させ、膜状材による止水性を発揮させる膜状材の接
    続工法において、 前記膜状材の所定の巾を有する端部を接着して一体のも
    のとするために、 前記膜状材の一方の端部の表面側に仮止め部材を配置
    し、 接着される他方の膜状材の端部裏面には、前記仮止め部
    材に対応させた接続部材を配置し、 一方の膜状材に対して他方の膜状材を所定の巾の重ね部
    を介して重ねて、仮止め部材により固定し、 接着剤を挟んで膜状材に加えられる圧力によって、膜状
    材の重ね部を接続することを特徴とする止水用膜状材の
    接続工法。
  2. 【請求項2】 前記膜状材の重ね部を接続する接着剤と
    して、膜状材の性質に対応する接着力と止水性とを発揮
    可能な接着剤成分を用い、 重ね部で2枚の膜状材の間に配置させた状態で、前記重
    ね部に加えられる圧力により、前記2枚の膜状材の間を
    接着することを特徴とする請求項1に記載の止水用膜状
    材の接続工法。
  3. 【請求項3】 前記膜状材の重ね部を接続する接着剤と
    して、ゴムアスファルトのような接着剤成分を用いるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の止水用膜状材の接続工
    法。
  4. 【請求項4】 前記膜状材の重ね部を固定する仮止め部
    材として、所定の巾を有する線状に接続する面ファスナ
    ーを用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の止水用膜状材の接続工法。
  5. 【請求項5】 前記膜状材の重ね部を固定する仮止め部
    材として、点状に接続する接続部材を用いることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれかに記載の止水用膜状
    材の接続工法。
  6. 【請求項6】 前記膜状材を重ね部を介して接続するた
    めに、重ね部の下部の膜状材に巾方向には剛性を付与す
    る補強手段を設け、前記下部の膜状材の端部が垂れ下が
    ることを防止することを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の止水用膜状材の接続工法。
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