JP2010255336A - 常温積層型防水構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温積層型防水において、初期接着力の不足に起因する種々の問題を克服して、施工が容易でしかも施工効率が高く、水密性および耐久性に優れた信頼性の高い防水層の実現を目的としている。
【解決手段】建造物の屋上その他の構造物等に形成される常温積層型防水構造であって、下地層とこの下地層上に積層形成される防水層とを具え、この防水層は、塗工された接着材層を具備した面ファスナーを介して積層された防水シートからなる常温積層型防水構造を提供して上記課題を解決する。
【選択図】 図1
【解決手段】建造物の屋上その他の構造物等に形成される常温積層型防水構造であって、下地層とこの下地層上に積層形成される防水層とを具え、この防水層は、塗工された接着材層を具備した面ファスナーを介して積層された防水シートからなる常温積層型防水構造を提供して上記課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、高い防水信頼性を具備する常温積層型防水構造に関するものである。
建造物の防水工事においては、従来、アスファルト防水熱工法が信頼性の高い工法として盛んに採用されてきている。このアスファルト防水熱工法は、施工現場で溶解した高温のアスファルトを接着材として用いながら、アスファルトからなる防水シート、いわゆるアスファルトルーフィングを複数枚積層して防水層を形成する工法である。この工法の信頼性は非常に高いものがあり、特にシート接合部の水密信頼性が高く、現在でも防水工事の過半数を占めると言っても過言ではない。
しかしながら、このアスファルト防水熱工法は、アスファルトを溶融する際に、溶融アスファルトの煙や臭いが大量に発生し、周辺環境を汚染するという欠点があるため、住宅密集地や都市中心部では敬遠され、採用できる地域が狭まっているのが今日の実情である。
一方では、施工現場で溶融アスファルトをまったく使用せずにゴムやプラスチックのシートを接着材で貼っていくいわゆるシート防水が広く用いられているが、殆どの場合がシート1枚のみで防水層を形成する1層防水システムであるため、防水信頼性の点でアスファルト防水工法には遠く及ばない。
このため、溶融アスファルトに替えて、種々の接着材によりアスファルトルーフィングを貼り重ねる、いわゆる常温積層アスファルト防水工法が各種提案されている(特許文1,2)。しかしながら、上記従来技術では、構造物の立上がり面等、複雑な部位への施工性不良、即ち、接着材の初期接着不良によるアスファルトルーフィングのズレや下地の凹凸に対して、納まり不良となる場合があり、また、シートラップ部に施工に於けるシートの反りや口開き、即ち、ロール状に巻き取られたアスファルトルーフィングを貼り付け時において敷設した場合、巻芯付近には巻きぐせが生じるため、このままラップ施工を行うとズレ、反り及び口開きを生じやすいという不都合も生じて、施工効率の阻害要因となっている。
上記の不都合は、接着材が本来の接着力を発現するのに時間がかかるという点に由来している。このため、接着材を薄く塗工して硬化を促進させて初期接着力を確保しようとする施工例もみられるようになっている。しかしながら、このような施工例では、防水仕様とは乖離して接着材の使用量が十分でなくなり、防水仕様の目的とする本来の防水性能が発揮できていないのが実情である。
本願発明に関連して、以下の文献が存在する。
特開平05−18064号公報
特開平05−179775号公報
特開平11−236752号公報
本願発明は、常温積層型防水において、初期接着力の不足に起因する種々の問題を克服して、施工が容易でしかも施工効率が高く、水密性および耐久性に優れた信頼性の高い防水層の実現を目的としている。
本願発明に係る常温積層型防水構造は、下地層とこの下地層上に積層形成される防水層とを具え、この防水層は、塗工された接着材層を具備して雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができる面ファスナーを介して積層することにより初期接着力が補強された防水シートから構成することにより、上記従来の課題を解決しようとするものである。
また、上記の常温積層型防水構造において、さらに、前記面ファスナーにおける接着材の塗工量を安定的に維持する規制手段を具えることを特徴とする。
さらに、上記いずれかの常温積層型防水構造において、前記面ファスナーの雄面又は雌面のいずれかが防水シートの1側面に固着され、防水層は対向する防水シートにおける面ファスナーの雄面と雌面とを接着材とともに貼り合わせたもので構成したことを特徴とする。
前記接着材の塗工量を安定的に維持する規制手段は、防水シートの1側面に固着された前記面ファスナーの雄面又は雌面のいずれかにより構成したことを特徴とする。
また、上記いずれか記載の常温積層型防水構造において、1層以上の防水シートおよび/または断熱層を有する構成となすことがある。
さらに、上記いずれか記載の常温積層型防水構造において、防水シートはアスファルトルーフィングで構成することがある。
本願発明はまた、建造物の屋上等の下地層に常温積層型防水層を形成する防水工法であって、塗工された接着材層を具備した面ファスナーを介して防水シートを積層し常温積層型防水層を下地層に形成するようにした防水工法を提供して、上記従来の課題を解決しようとするものである。
また、上記の防水工法において、前記面ファスナーは、雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができるファスナーで構成される。
さらに、段落0015記載の防水工法において、防水シートは、下地層と防水シートの一面に形成された粘着材層を介して貼り合わせるように構成することがある。
またさらに、上記いずれか記載の防水工法において、接着材規制手段により面ファスナーにおける接着材の塗工量を安定的に塗布するようになすことがある。
段落0015記載の防水工法において、前記接着材規制手段は防水シートに貼付され、雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができる面ファスナーの前記雄面又は雌面のいずれかで構成することがある。
上記いずれか記載の防水工法において、1層以上の防水シートおよび/または断熱層を有するように構成することがある。
さらに、上記いずれか記載の常温積層型防水構造において、防水シートはアスファルトルーフィングで構成することがある。
以上の構成により本願発明にあっては、初期接着力の不足に起因する種々の問題を克服して、施工が容易でしかも施工効率が高く、水密性および耐久性に優れた信頼性の高い常温積層型防水層を提供することができる。
本発明において、防水層を構築できる下地層はなんら限定されることはなく、新しいコンクリート下地層上への防水層の形成、既存防水層の改修、室内の防水など種々のケースに施工することができる。例えば、既存または新築のコンクリートスラブ、既存のコンクリート押さえ防水層、砂つき仕上げ防水層や、断熱押さえ防水層の上にも本願発明に係る常温積層型防水層を形成することが可能である。また、防水層を形成するために積層される防水シートは、何ら限定されるものではなく、アスファルトルーフィング、改質アスファルトルーフィング、エチレン酢酸ビニル樹脂シート、塩化ビニル樹脂シート、熱可塑性エラストマーシート、加硫ゴムシート、非加硫ゴムシート、ウレタンシート、その他、各種の防水シートを使用することができる。
初期接着力の不足を解決するための面ファスナーとしては、ポリエステル・ポリアミド・ポリオレフィン系エラストマー・ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、その他の可とう性熱可塑性樹脂などから選ばれた合成樹脂を成形して得られた成形面ファスナー、或いはポリエステル・ポリアミド・ポリオレフィン系エラストマー・ポリ塩化ビニル、ポリウレタン・再生セルロースなどから選ばれた合成繊維・再生繊維を主体とした繊維を製編織して得た面ファスナーである。ファスナー雄面の係合素子はキノコ状・やじり状、傘状、鏃状等の形状であり、ファスナー雌面の、例えばループ状の係合素子と係合しやすい。これらファスナー雄面の係合素子の高さは、通常0.5から6ミリメートル、好ましくは1.0から2.0ミリメートルが適当である。ファスナー雌面の面ファスナー1平方センチメートルあたりの係合素子の数は500から10000本、好ましくは1500から7000本であり、ファスナー雄面の面ファスナー1平方センチメートルあたりの係合素子の数は10から50本、好ましくは20から30本である。そして、ラッチ方向接着力は2kg/平方センチメートルであることが好ましい。
また、本願発明では、面ファスナーにおける接着材の塗工量を安定的に維持する規制手段を具えるが、より具体的には、面ファスナーを構成するファスナー雌面および/またはファスナー雄面を規制手段として採用して、ファスナー雌面および/またはファスナー雄面を接着材の塗工量の基準にして過不足を生じないように塗工する。
なお、面ファスナーに塗工する接着材は通常のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリサルフアイド、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルエマルジョン、スチレンブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリマーセメントモルタル、変性シリコーンポリマー等が用いられるが、耐候性よりポリマーセメントモルタル、変性シリコーンポリマーが好ましい。
図1は、本願発明に係る常温積層型防水構造の1実施例を示す一部切欠斜視図であり、図において、Bは屋上のコンクリート下地層Sに形成された常温積層型防水層である。この常温積層アスファルト防水層Bは、下地層Sの平場S1に形成された防水層1と下地層Sの立壁S2に形成された防水層2とからなっている。防水層1ならびに防水層2は、防水シートを貼り合わせて形成され、この実施例では防水シートとしてアスファルトル−フィングが用いられているが、これに限定されることなく塩ビシートその他の樹脂シートの使用が可能である。
前記防水層1は、平場下地S1に粘着材を介して貼付されたアスファルトルーフィング1aとこの上面に面ファスナーKを介して積層固着されるアスファルトルーフィング1bとから構成されている。この実施例で、アスファルトルーフィング1aの1面には粘着材層が形成されている。
また、前記防水層2は、立壁S2に粘着材を介して貼付されたアスファルトルーフィング2aとこの上面に面ファスナーKを介して積層固着されるアスファルトルーフィング2bとから構成されている。この実施例で、アスファルトルーフィング2aの1面には粘着材層が形成されている。
また、面ファスナーKは、雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができるような周知の構成を有していて、この面ファスナーKには、接着材が塗工されており、前記アスファルトルーフィング相互は面ファスナーKによる機械的結合ならびに接着材の固化により貼り合わせて、当初から強固に結合されている。
すなわち、接着材が初期接着力を有しない段階でも、面ファスナーにより結合が保持され、平場S1におけるアスファルトルーフィング1bにズレやめくれ等が生じないことはもちろん、立壁S2にあっても、アスファルトルーフィング2bがズレ動いたり、剥離したりすることは全くない。
また、面ファスナーKは、雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができるような周知の構成を有していて、この面ファスナーKには、接着材が塗工されており、前記アスファルトルーフィング相互は面ファスナーKによる機械的結合ならびに接着材の固化により貼り合わせて、当初から強固に結合されている。
すなわち、接着材が初期接着力を有しない段階でも、面ファスナーにより結合が保持され、平場S1におけるアスファルトルーフィング1bにズレやめくれ等が生じないことはもちろん、立壁S2にあっても、アスファルトルーフィング2bがズレ動いたり、剥離したりすることは全くない。
図2は、図1に示すアスファルトルーフィング1a(1b)とアスファルトルーフィング1b(2b)の拡大断面図である。アスファルトルーフィング1a(2a)の表面には、面ファスナーKのファスナー雌面3が固着され、他方、アスファルトルーフィング1b(2b)の表面には、面ファスナーKのファスナー雄面4が固着されている。なお、当然のことながら、アスファルトルーフィング1a(2a)の表面にはファスナー雄面4を固着し、他方、アスファルトルーフィング1b(2b)の表面にはファスナー雌面3を固着してもよい。
前記ファスナー雌面3は、シート状の基材3aとこれから起立したループ状の係合素子3bとからなっている。また、ファスナー雄面4はシート状の基材4aとこれから起立して凸部を先端に有する細枝体からなる係合素子4bとからなっている。そして、前記ファスナー雌面3とファスナー雄面4とにより面ファスナーKが構成されている。
したがって、図2において、アスファルトルーフィング1a(1b)とアスファルトルーフィング1b(2b)とを矢符のように押圧すればファスナー雌面3とファスナー雄面4とは互いに係合してアスファルトルーフィング1a(1b)とアスファルトルーフィング1b(2b)とは固着される。
しかし、面ファスナーKのみによる接合は、容易にはがすことが可能であるから、このような剥離が生じないように、面ファスナーKには接着材を塗工する。
接着材の接着力が発揮されない初期段階では、面ファスナーKの結合力によりアスファルトルーフィングはしっかりと固定され、接着材の接着力が発生するようになれば、当然、面ファスナーも簡単にはがれることはなくなる。
したがって、図2において、アスファルトルーフィング1a(1b)とアスファルトルーフィング1b(2b)とを矢符のように押圧すればファスナー雌面3とファスナー雄面4とは互いに係合してアスファルトルーフィング1a(1b)とアスファルトルーフィング1b(2b)とは固着される。
しかし、面ファスナーKのみによる接合は、容易にはがすことが可能であるから、このような剥離が生じないように、面ファスナーKには接着材を塗工する。
接着材の接着力が発揮されない初期段階では、面ファスナーKの結合力によりアスファルトルーフィングはしっかりと固定され、接着材の接着力が発生するようになれば、当然、面ファスナーも簡単にはがれることはなくなる。
従来、アスファルトルーフィングを接着材により貼り合わせて積層する場合に、接着材の塗工量を安定的に保持できず、塗工した接着材の量が多すぎて硬化が遅れたり、あるいは接着材の量が少なすぎてアスファルトルーフィングの固着が設計仕様どおりに実現できない不都合が見られた。この不都合を克服するために、本願発明では、接着材の塗工量を安定的に維持する規制手段が設けられている。この規制手段を図3に基づいて説明する。
図3に示す実施例では、規制手段は、雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができる面ファスナーで構成されており、具体的にはアスファルトルーフィングの1側面に固着された前記面ファスナーの雄面又は雌面のいずれかにより構成されている。
すなわち、図3(a)において、図1に示すアスファルトルーフィング1a(2a)の1側面には、図2において説明したファスナー雌面3が固着されていて、このファスナー雌面3がアスファルトルーフィング1a(2a)に接着材を塗工するに際して、安定的に維持する規制手段を構成している。すなわち、5はファスナー雌面3に塗工された接着材を示しており、接着材5はファスナー雌面3の頂部すなわち、前述の係合素子3bの頂部を基準にして、その頂部まで過不足なく塗工されている。係合素子3bのような基準があるために、接着材は仕様どおり過不足なく塗工できる。
すなわち、図3(a)において、図1に示すアスファルトルーフィング1a(2a)の1側面には、図2において説明したファスナー雌面3が固着されていて、このファスナー雌面3がアスファルトルーフィング1a(2a)に接着材を塗工するに際して、安定的に維持する規制手段を構成している。すなわち、5はファスナー雌面3に塗工された接着材を示しており、接着材5はファスナー雌面3の頂部すなわち、前述の係合素子3bの頂部を基準にして、その頂部まで過不足なく塗工されている。係合素子3bのような基準があるために、接着材は仕様どおり過不足なく塗工できる。
図3(a)と同様に、図3(b)において、図1に示すアスファルトルーフィング1b(2b)の1側面には、図2において説明したファスナー雌面3が固着されていて、このファスナー雄面4がアスファルトルーフィング1b(2b)に接着材を塗工するに際して、安定的に維持する規制手段を構成している。
すなわち、図3(b)において、図1に示すアスファルトルーフィング1b(2b)の1側面には、図2において説明したファスナー雄面4が固着されていて、このファスナー雄面4がアスファルトルーフィング1b(2b)に接着材を塗工するに際して、安定的に維持する規制手段を構成している。すなわち、5はファスナー雄面4に塗工された接着材を示しており、接着材5はファスナー雄面4の頂部近くすなわち、前述の係合素子4bの頂部近傍を基準にして、その頂部近傍まで過不足なく塗工されている。係合素子4bのような基準があるために、接着材は仕様どおり過不足なく塗工できる。
すなわち、図3(b)において、図1に示すアスファルトルーフィング1b(2b)の1側面には、図2において説明したファスナー雄面4が固着されていて、このファスナー雄面4がアスファルトルーフィング1b(2b)に接着材を塗工するに際して、安定的に維持する規制手段を構成している。すなわち、5はファスナー雄面4に塗工された接着材を示しており、接着材5はファスナー雄面4の頂部近くすなわち、前述の係合素子4bの頂部近傍を基準にして、その頂部近傍まで過不足なく塗工されている。係合素子4bのような基準があるために、接着材は仕様どおり過不足なく塗工できる。
図3において、該実施例に係る規制手段は面ファスナーの雄面又は雌面のいずれかにより構成されていることを説明したが、この実施例では、規制手段を構成する面ファスナー(雄面又は雌面)は、図2において説明した面ファスナーKと共通のものを使用している。
図4は、本願発明の常温積層型防水構造に係る防水シートとしてのアスファルトルーフィングの実施例を示す断面図である。図4(a)は、図1におけるアスファルトルーフィング1a又は2aの一部切欠断面図である。ここに示すアスファルトルーフィングは下地層に、直接貼付するもので、表面には前述した面ファスナーKのファスナー雄面4又はファスナー雌面3が全面に固着されており、一方裏面には粘着材層6が全面に張設されている。
また、図4(b)において、7は、図4(a)に示す上記アスファルトルーフィング1a又は2a上に、3層以上、多段にわたり重畳貼付される際に使用するアスファルトルーフィング(中間積層用)を示しており、その表裏両面には、図2等で前述した面ファスナーKのファスナー雌面3またはファスナー雄面4が全面に固着されて(表面にファスナー雌面3の場合は、裏面にファスナー雄面4が固着される)いて、これらのファスナー雌面3またはファスナー雄面4それぞれは、図4(a)に示すアスファルトルーフィング1a又は2aに全面に固着されたファスナー雄面4又はファスナー雌面3に係合するように貼り合わされ、接着材も塗布される。
また、図4(b)において、7は、図4(a)に示す上記アスファルトルーフィング1a又は2a上に、3層以上、多段にわたり重畳貼付される際に使用するアスファルトルーフィング(中間積層用)を示しており、その表裏両面には、図2等で前述した面ファスナーKのファスナー雌面3またはファスナー雄面4が全面に固着されて(表面にファスナー雌面3の場合は、裏面にファスナー雄面4が固着される)いて、これらのファスナー雌面3またはファスナー雄面4それぞれは、図4(a)に示すアスファルトルーフィング1a又は2aに全面に固着されたファスナー雄面4又はファスナー雌面3に係合するように貼り合わされ、接着材も塗布される。
このようにして、図4(a)に示すアスファルトルーフィング1a(2a)をベースにして、図4(b)に示すアスファルトルーフィング7を積層して、2層、3層、4層等のアスファルトルーフィングによる所望のアスファルト防水層を構成することができる。なお、図4(c)に示すアスファルトルーフィング8は、積層したアスファルトルーフィングの最上層用として使用される。すなわち、アスファルトルーフィング8は裏面に、図2等で前述した面ファスナーKのファスナー雌面3またはファスナー雄面4が全面に固着されているのみで、表面は、必要に応じて鉱物砂等の表面処理材が撒布されることもある。
なお、図示しないが、図1において、平場下地S1とアスファルトルーフィング1aとの間には断熱材を介装することがある。
なお、図示しないが、図1において、平場下地S1とアスファルトルーフィング1aとの間には断熱材を介装することがある。
次に、図5ないし7にしたがって、本願発明のアスファルト防水工法に係る1実施例を説明する。図5において、まず、下地層Sの平場S1に、前述の図4(a)に示したアスファルトルーフィング1aを固着する。すなわち、アスファルトルーフィング1aの表面には前述した面ファスナーKのファスナー雄面4又はファスナー雌面3が全面に固着されており、一方裏面には粘着材層6が全面に張設されている。粘着材層6を介してアスファルトルーフィング1aが平場S1に貼付される。同様にして、立壁S2に、図4(a)に示すアスファルトルーフィング2aが粘着材層6を介して貼付される。
次いで、図6に示すように、図5の平場S1のアスファルトルーフィング1a表面に、図4(b)に示すような、表裏両面に図2等で前述した面ファスナーKのファスナー雌面3またはファスナー雄面4が全面に固着された(表面にファスナー雌面3の場合は、裏面にファスナー雄面4が固着される)アスファルトルーフィング7を貼付する。すなわち、アスファルトルーフィング7の裏面のファスナー雌面又は雄面と前記アスファルトルーフィング1a表面とを結合させて積層する。その際、それぞれのアスファルトルーフィングのファスナー雌面又は雄面には接着材を塗工するが、塗工作業は図3に関して記述した段落0033ないし段落0034の内容どおりとなる。なお、図6では、2段積層の状態が示されているが、同様に前記アスファルトルーフィング7を多段に積層することがある。
図6において、アスファルト防水層をアスファルトルーフィング2層とする場合は、上記のアスファルトルーフィング7に替えて、図4(c)に示すような裏面にファスナー雌面3又は雄面4を有するアスファルトルーフィング8を最上層として積層する。図6において、さらにアスファルトルーフィングを積層するには、図7に示すように、前記と同様に、最上層には、図4(c)に示すような裏面にファスナー雌面3又は雄面4を有するアスファルトルーフィングを使用する。
さらに、図6に示す常温積層型防水構造に関して、防水層の性能試験1,2を行い、以下のような結果を得た。
試験1:防水層のズレおよび剥離と面ファスナーの上側の噛合子との関連
条件:
施工温度 20±1℃
施工湿度 60±3%
接着材 田島ルーフィング株式会社 三星クールベース
施工後から観察までの時間 1時間
結果を次の表1に示す。
条件:
施工温度 20±1℃
施工湿度 60±3%
接着材 田島ルーフィング株式会社 三星クールベース
施工後から観察までの時間 1時間
結果を次の表1に示す。
試験2:防水層における防水シート接合部に対して水圧を掛け、防水性能を確認し、また、その時の接着充填材量(kg/平方メートル)についても計測した
条件:
施工温度 20±1℃
施工湿度 60±3%
接着材 田島ルーフィング株式会社 三星クールベース
施工後から試験までの時間 168時間
水圧=15.2kPa
結果を次の表2に示す。
条件:
施工温度 20±1℃
施工湿度 60±3%
接着材 田島ルーフィング株式会社 三星クールベース
施工後から試験までの時間 168時間
水圧=15.2kPa
結果を次の表2に示す。
上述のように、本願にかかる防水層は、塗工された接着材層を具備した面ファスナーを介して防水シートを積層し常温積層型防水層を下地層に形成するが、図2に示すように面ファスナーKは、雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができる周知の構成を有している。
また、接着材規制手段により面ファスナーにおける接着材の塗工量を安定的に塗布するようになされるが、この接着材規制手段は、図2、図3において説明した規制手段と同様の構成、作用を有するものであり、この実施例では、規制手段は、面ファスナー、より具体的には防水シート(アスファルトルーフィング)の表面あるいは裏面に貼付されたファスナー雄面または雌面により構成されている。なお、最下段の防水シートと下地との間に断熱材を介在させることがある。
また、接着材規制手段により面ファスナーにおける接着材の塗工量を安定的に塗布するようになされるが、この接着材規制手段は、図2、図3において説明した規制手段と同様の構成、作用を有するものであり、この実施例では、規制手段は、面ファスナー、より具体的には防水シート(アスファルトルーフィング)の表面あるいは裏面に貼付されたファスナー雄面または雌面により構成されている。なお、最下段の防水シートと下地との間に断熱材を介在させることがある。
S.....下地層
K.....面ファスナー
1.....防水層(平場)
2.....防水層(立壁)
3.....ファスナー雌面
4.....ファスナー雄面
5......接着材
6.....粘着材層
7.....アスファルトルーフィング(中間積層用)
8.....アスファルトルーフィング(最上層用)
B.....常温積層アスファルト防水層
K.....面ファスナー
1.....防水層(平場)
2.....防水層(立壁)
3.....ファスナー雌面
4.....ファスナー雄面
5......接着材
6.....粘着材層
7.....アスファルトルーフィング(中間積層用)
8.....アスファルトルーフィング(最上層用)
B.....常温積層アスファルト防水層
Claims (6)
- 建造物の屋上その他の構造物に形成される常温積層型防水構造であって、下地層とこの下地層上に積層形成される防水層とを具え、この防水層は、塗工された接着材層を具備して雄面と雌面とからなりこれら相互の押圧によって両者を貼り合わせることができる面ファスナーを介して積層することにより初期接着力が補強された防水シートからなることを特徴とする常温積層型防水構造。
- 請求項1記載の常温積層型防水構造において、さらに、前記面ファスナーにおける接着材の塗工量を安定的に維持する規制手段を具えることを特徴とする常温積層型防水構造。
- 請求項2記載の常温積層型防水構造において、前記面ファスナーの雄面又は雌面のいずれかが防水シートの1側面に固着され、防水層は対向する防水シートにおける面ファスナーの雄面と雌面とを接着材とともに貼り合わせたもので構成したことを特徴とする常温積層型防水構造。
- 請求項2又は3記載の常温積層型防水構造において、前記接着材の塗工量を安定的に維持する規制手段は、防水シートの1側面に固着された前記面ファスナーの雄面又は雌面のいずれかにより構成したことを特徴とする常温積層型防水構造。
- 請求項1ないし4いずれか記載の常温積層型防水構造において、1層以上の防水シートおよび/または断熱層を有することを特徴とする常温積層型防水構造。
- 請求項1ないし5いずれか記載の常温積層型防水構造において、前記防水シートはアスファルトルーフィングで構成したことを特徴とする常温積層型防水構造。
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