JP2005016137A - 床面シート防水における立ち上がり部分の構造及び床面防水シートの貼替え方法 - Google Patents
床面シート防水における立ち上がり部分の構造及び床面防水シートの貼替え方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検を、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行うことができる床面シート防水における立ち上がり部分の構造と床面防水シートの貼替え方法を提供する。
【解決手段】構造については、床面2部に敷かれた防水シート1が、壁面部3,4に沿って立ち上がる部分1aを備え、該立ち上がる部分1aの上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水における立ち上がり部分の構造を前提とし、防水シート1の立ち上がり部分1aが、その高さ方向中間部において上下に分割され、上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとが、それらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様において着脱可能にジョイントされている。
【選択図】 図1
【解決手段】構造については、床面2部に敷かれた防水シート1が、壁面部3,4に沿って立ち上がる部分1aを備え、該立ち上がる部分1aの上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水における立ち上がり部分の構造を前提とし、防水シート1の立ち上がり部分1aが、その高さ方向中間部において上下に分割され、上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとが、それらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様において着脱可能にジョイントされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床面シート防水における立ち上がり部分の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばバルコニーにおいて、その床面の防水をシート防水で行う場合、床面部に敷いた防水シートを、壁面部、例えば手摺り壁や建物の外壁に沿って所定の高さ寸法立ち上げ、該立ち上がり部分の上縁部を壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングをすることが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、壁面部に対する防水シート上縁部のシーリングの施工は、例えば、壁面部に溝部を形成し、そこに防水シートの上縁部を差し込み、金具で抑え、溝部を湿式でシーリングする、などというように非常に厄介であり、そのため、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検が必要な場合に、上記のシーリングの処理をもう一度やり直さなければならず、手間を要すると共にコストも高くつくという問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検を、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行うことができる床面シート防水における立ち上がり部分の構造等を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、床面部に敷かれた防水シートが、壁面部に沿って立ち上がる部分を備え、該立ち上がる部分の上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水における立ち上がり部分の構造において、
前記防水シートの立ち上がり部分が、その高さ方向中間部において上下に分割され、上立ち上がり部分と下立ち上がり部分とが、それらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様において着脱可能にジョイントされていることを特徴とする床面シート防水における立ち上がり部分の構造によって解決される。
【0006】
この構造では、防水シートの貼替えを行う場合は、防水シートの壁面部側の下立ち上がり部分と上立ち上がり部分とのジョイントを解除して、下立ち上がり部分を含む床面側防水シートを撤去する一方、上立ち上がり部分は撤去することなくそのまま存置し、しかる後、新たな防水シートを床面に敷き、その下立ち上がり部分を、上記の上立ち上がり部分とジョイントするだけで、防水シートの貼替えを終えることができる。
【0007】
また、防水シート下部の点検を行う場合は、同じく、防水シートの壁面部側の下立ち上がり部分と上立ち上がり部分とのジョイントを解除し、下立ち上がり部分を含む床面側防水シートを床面から離して点検を行い、しかる後、上記の防水シートを床面に敷き直し、その下立ち上がり部分を、上記の上立ち上がり部分とジョイントするだけで、防水シート下部の点検を終えることができる。
【0008】
このように、上記の構造によれば、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検を、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行うことができる。
【0009】
前記上立ち上がり部分と下立ち上がり部分とがスライド開閉式の防水ファスナーで着脱可能にジョイントされている場合は、上立ち上がり部分と下立ち上がり部分の着脱を容易に行うことができると共に、それらの間をしっかりとした止水状態にすることができる。
【0010】
また、本発明は、床面部に敷かれた防水シートが、壁面部に沿って立ち上がる部分を備え、該立ち上がる部分の上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水構造における床面防水シートの貼替え方法であって、
前記防水シートの立ち上がり部分を、その高さ方向中間部において上下に分割し、下立ち上がり部分を含む床面側の防水シートを撤去したのち、新たな防水シートを床面側に敷き、新たな防水シートにおける壁面側の立ち上がり部分を前記上立ち上がり部分にそれらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様においてジョイントすることを特徴とする床面防水シートの貼替え方法も内容とする。
【0011】
この方法においても、床面側の防水シートの貼替えを、撤去する防水シートの立ち上がり部分を上下に分割し、新たな防水シートの立ち上がり部分を、撤去した防水シートの上立ち上がり部分にジョイントするだけで行うことができ、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事を排除することができて、床面側の防水シートの貼替えを容易に行っていくことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1(イ)に示す第1実施形態の構造は、バルコニーの床面のシート防水に適用したもので、防水シート1は、バルコニーの床面部2に敷かれ、該シート1の一方の側は、図1(ロ)に示すように、手摺り壁3に沿って立ち上がり、この立ち上がり部分1aの上縁部が、該手摺り壁3に設けられた溝部4内に差し込まれると共に、図示しない金具で抑えられ、溝部4内には湿式シーリング材5が取り付けられて、防水シート1と手摺り壁3との間がシーリングされている。
【0014】
また、防水シート1のもう一方の側も同様に、図1(ハ)に示すように、建物開口部の下サッシ枠6の下方の壁部7に沿って立ち上がり、この立ち上がり部分1aの上縁部が、下サッシ枠6と下方の壁部7との間に備えられた溝部4内に差し込まれ、溝部4内には、防水シート1と下サッシ枠6側の壁部との間をシーリングする湿式シーリング材5が取り付けられ、防水シート1と該壁部7との間がシーリングされている。
【0015】
そして、防水シート1の各側の立ち上がり部分1a,1aはそれぞれ、図2に示すように、その高さ方向中間部において上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとに上下に分割され、上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとは、ジョイント手段としてのスライド開閉式防水ファスナー8a,8bによって、それらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様において着脱可能にジョイントされている。なお、防水ファスナー8a,8bとしては、潜水服などに用いられるジッパータイプの防水ファスナーが用いられてよい。
【0016】
上記の防水シート1の施工は、図3に示すように、例えば、防水シート1から分離させた上立ち上がり部分1b,1bの上縁部を手摺り壁3と下サッシ枠6側とにシーリング状態に取り付け、下立ち上がり部分1c,1cを含む防水シート1を、床面部2に敷き、そして、上下の立ち上がり部分1b,1c同士を防水ファスナー8a,8bでジョイントするというように行うのもよい。あるいは、防水ファスナー8a,8bで上立ち上がり部分1b,1bをジョイントした防水シート1を用い、これを床面部2に敷き、しかる後、上立ち上がり部分1b,1bの上縁部を手摺り壁3と下サッシ枠6側とにシーリング状態に取り付けるというようにしてもよい。
【0017】
こうして床面部2側がシート防水されたバルコニーにおいて、防水シート1の貼替えを行う場合は、防水ファスナー8a,8bを開くことで、防水シート1の壁面部側の下立ち上がり部分1cと上立ち上がり部分1bとのジョイントを解除し、そして、図4(イ−1)に示すように、下立ち上がり部分1c,1cを含む床面側防水シート1を撤去する一方、図4(イ−2)(イ−3)に示すように、上立ち上がり部分1b,1bは撤去することなくそのまま存置し、しかる後、図5(ロ)(ハ)に示すように、新たな防水シート1を床面に敷き、その下立ち上がり部分1c,1cを、上記の上立ち上がり部分1b,1bとジョイントするだけで、防水シート1の貼替えを終えることができる。
【0018】
また、防水シート1の下部点検を行う場合は、同じく、防水シート1の壁面部側の下立ち上がり部分1c,1cと上立ち上がり部分1b,1bとのジョイントを解除し、下立ち上がり部分1cを含む床面側防水シートを床面部2から離して点検を行い、しかる後、上記の防水シート1を床面部2に敷き直し、その下立ち上がり部分1c,1cを、上立ち上がり部分1b,1bとジョイントするだけで、防水シート下部の点検を終えることができる。
【0019】
このように、上記の構造によれば、防水シート1の貼替えや、防水シート1の下部点検を、防水シート1と壁面部3,7との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行っていくことができる。
【0020】
しかも、上記のジョイント部分は、床面部2側にではなく、壁部3,7側に備えられるので、ジョイント部分が踏圧等で損傷するおそれもなく、しっかりとした防水状態を維持することができる。
【0021】
図6(イ)に示す第2実施形態は、図6(ロ)に示すように、防水シート1の手摺り壁3側の立ち上がり部分1aのみが、その高さ方向中間部において上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとに上下に分割され、スライド開閉式の防水ファスナー8a,8bによって着脱可能にジョイントされているが、図6(ハ)に示すように、防水シート1の下サッシ枠6側の立ち上がり部分1aは分割されておらず、床面2側からの防水シート1が、着脱可能なジョイント部分を介さずに下サッシ枠6側の壁部7にシーリングされている。
【0022】
この構造であっても、防水シート1の貼替えや下部の点検において、少なくとも、手摺り壁3に対する防水シート1のシーリング工事はなくすことができ、その分、防水シート1の貼替えや防水シート1の下部点検を、防水シート1と壁面部3,7との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行っていくことができる。
【0023】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、防水シート1の上立ち上がり部分1bの上縁部と壁面部とのシーリングを壁面部に溝部4を設け、溝部4に上立ち上がり部分1bの上縁部を差し込み、金具で抑え、溝部4に湿式のシーリング材を設置してシーリングを行った場合を示しているが、これに限られるものではなく、例えば、手摺り壁3がPC板からなる場合には、型枠へのコンクリートの打込みにおいて、上立ち上がり部分1bの上縁部相当側をコンクリート中に埋込み状態にし、その状態でコンクリートを養生硬化する等の方法で、壁面部にシーリングされたものであってもよく、各種方法でシーリングされてよい。
【0024】
また、防水シート1の上下の立ち上がり部分1b,1cのジョイント手段は、スライド開閉式の防水ファスナー8a,8bに限られず、その他、上下の立ち上がり部分をジョイント部分において重なり状態にし、重なり部分が面ファスナーで接着されるようなジョイント手段などであってもよく、要は、上下の立ち上がり部分1b,1cを着脱可能でかつ防水状態にジョイントすることができるものであればよい。また、上記の実施形態では、バルコニー床面2のシート防水の場合を示しているが、バルコニーに限らず、屋上などであってもよいし、要は、周囲に立ち上がり壁部を備えた防水必要の各種床面に広く用いることができるものである。
【0025】
更に、本発明の床面防水シートの貼替え方法の一態様は、上記の実施形態により示されているが、これに限らず、その他、例えば、貼り替えようとする古い防水シートの立ち上がり部分は、その高さ方向中間部において着脱可能に分割されておらずに着脱不能の例えば一体物からなっていてもよく、その場合には、防水シートの立ち上がり部分をその高さ方向中間部においてカッターで切断等して分割するようにしてもよい。
【0026】
また、貼り替えられた新たな防水シートの立ち上がり部分は、上立ち上がり部分と着脱可能にジョイントされてもよいし、その他、熱融着等により着脱不能にジョイントされてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検を、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示すもので、図(イ)はバルコニーの床面の全体を示す断面図、図(ロ)は手摺り壁側を拡大して示す断面図、図(ハ)は下サッシ枠側を拡大して示す断面図である。
【図2】上立ち上がり部分を分離させた防水シート全体の断面図である。
【図3】防水シートの施工方法の一例を示す断面図である。
【図4】図(イ−1)乃至図(イ−3)は、図5とともに防水シートの貼替え方法を示す断面図である。
【図5】図(ロ)及び図(ハ)は、図4と共に防水シートの貼替え方法を示す断面図である。
【図6】第2実施形態を示すもので、図(イ)はバルコニーの床面の全体を示す断面図、図(ロ)は手摺り壁側を拡大して示す断面図、図(ハ)は下サッシ枠側を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1…防水シート
1b…上立ち上がり部分
1c…下立ち上がり部分
2…床面部
3…手摺り壁(壁面部)
7…下壁(壁面部)
8a,8b…防水ファスナー(ジョイント手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、床面シート防水における立ち上がり部分の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばバルコニーにおいて、その床面の防水をシート防水で行う場合、床面部に敷いた防水シートを、壁面部、例えば手摺り壁や建物の外壁に沿って所定の高さ寸法立ち上げ、該立ち上がり部分の上縁部を壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングをすることが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、壁面部に対する防水シート上縁部のシーリングの施工は、例えば、壁面部に溝部を形成し、そこに防水シートの上縁部を差し込み、金具で抑え、溝部を湿式でシーリングする、などというように非常に厄介であり、そのため、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検が必要な場合に、上記のシーリングの処理をもう一度やり直さなければならず、手間を要すると共にコストも高くつくという問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検を、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行うことができる床面シート防水における立ち上がり部分の構造等を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、床面部に敷かれた防水シートが、壁面部に沿って立ち上がる部分を備え、該立ち上がる部分の上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水における立ち上がり部分の構造において、
前記防水シートの立ち上がり部分が、その高さ方向中間部において上下に分割され、上立ち上がり部分と下立ち上がり部分とが、それらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様において着脱可能にジョイントされていることを特徴とする床面シート防水における立ち上がり部分の構造によって解決される。
【0006】
この構造では、防水シートの貼替えを行う場合は、防水シートの壁面部側の下立ち上がり部分と上立ち上がり部分とのジョイントを解除して、下立ち上がり部分を含む床面側防水シートを撤去する一方、上立ち上がり部分は撤去することなくそのまま存置し、しかる後、新たな防水シートを床面に敷き、その下立ち上がり部分を、上記の上立ち上がり部分とジョイントするだけで、防水シートの貼替えを終えることができる。
【0007】
また、防水シート下部の点検を行う場合は、同じく、防水シートの壁面部側の下立ち上がり部分と上立ち上がり部分とのジョイントを解除し、下立ち上がり部分を含む床面側防水シートを床面から離して点検を行い、しかる後、上記の防水シートを床面に敷き直し、その下立ち上がり部分を、上記の上立ち上がり部分とジョイントするだけで、防水シート下部の点検を終えることができる。
【0008】
このように、上記の構造によれば、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検を、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行うことができる。
【0009】
前記上立ち上がり部分と下立ち上がり部分とがスライド開閉式の防水ファスナーで着脱可能にジョイントされている場合は、上立ち上がり部分と下立ち上がり部分の着脱を容易に行うことができると共に、それらの間をしっかりとした止水状態にすることができる。
【0010】
また、本発明は、床面部に敷かれた防水シートが、壁面部に沿って立ち上がる部分を備え、該立ち上がる部分の上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水構造における床面防水シートの貼替え方法であって、
前記防水シートの立ち上がり部分を、その高さ方向中間部において上下に分割し、下立ち上がり部分を含む床面側の防水シートを撤去したのち、新たな防水シートを床面側に敷き、新たな防水シートにおける壁面側の立ち上がり部分を前記上立ち上がり部分にそれらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様においてジョイントすることを特徴とする床面防水シートの貼替え方法も内容とする。
【0011】
この方法においても、床面側の防水シートの貼替えを、撤去する防水シートの立ち上がり部分を上下に分割し、新たな防水シートの立ち上がり部分を、撤去した防水シートの上立ち上がり部分にジョイントするだけで行うことができ、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事を排除することができて、床面側の防水シートの貼替えを容易に行っていくことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1(イ)に示す第1実施形態の構造は、バルコニーの床面のシート防水に適用したもので、防水シート1は、バルコニーの床面部2に敷かれ、該シート1の一方の側は、図1(ロ)に示すように、手摺り壁3に沿って立ち上がり、この立ち上がり部分1aの上縁部が、該手摺り壁3に設けられた溝部4内に差し込まれると共に、図示しない金具で抑えられ、溝部4内には湿式シーリング材5が取り付けられて、防水シート1と手摺り壁3との間がシーリングされている。
【0014】
また、防水シート1のもう一方の側も同様に、図1(ハ)に示すように、建物開口部の下サッシ枠6の下方の壁部7に沿って立ち上がり、この立ち上がり部分1aの上縁部が、下サッシ枠6と下方の壁部7との間に備えられた溝部4内に差し込まれ、溝部4内には、防水シート1と下サッシ枠6側の壁部との間をシーリングする湿式シーリング材5が取り付けられ、防水シート1と該壁部7との間がシーリングされている。
【0015】
そして、防水シート1の各側の立ち上がり部分1a,1aはそれぞれ、図2に示すように、その高さ方向中間部において上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとに上下に分割され、上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとは、ジョイント手段としてのスライド開閉式防水ファスナー8a,8bによって、それらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様において着脱可能にジョイントされている。なお、防水ファスナー8a,8bとしては、潜水服などに用いられるジッパータイプの防水ファスナーが用いられてよい。
【0016】
上記の防水シート1の施工は、図3に示すように、例えば、防水シート1から分離させた上立ち上がり部分1b,1bの上縁部を手摺り壁3と下サッシ枠6側とにシーリング状態に取り付け、下立ち上がり部分1c,1cを含む防水シート1を、床面部2に敷き、そして、上下の立ち上がり部分1b,1c同士を防水ファスナー8a,8bでジョイントするというように行うのもよい。あるいは、防水ファスナー8a,8bで上立ち上がり部分1b,1bをジョイントした防水シート1を用い、これを床面部2に敷き、しかる後、上立ち上がり部分1b,1bの上縁部を手摺り壁3と下サッシ枠6側とにシーリング状態に取り付けるというようにしてもよい。
【0017】
こうして床面部2側がシート防水されたバルコニーにおいて、防水シート1の貼替えを行う場合は、防水ファスナー8a,8bを開くことで、防水シート1の壁面部側の下立ち上がり部分1cと上立ち上がり部分1bとのジョイントを解除し、そして、図4(イ−1)に示すように、下立ち上がり部分1c,1cを含む床面側防水シート1を撤去する一方、図4(イ−2)(イ−3)に示すように、上立ち上がり部分1b,1bは撤去することなくそのまま存置し、しかる後、図5(ロ)(ハ)に示すように、新たな防水シート1を床面に敷き、その下立ち上がり部分1c,1cを、上記の上立ち上がり部分1b,1bとジョイントするだけで、防水シート1の貼替えを終えることができる。
【0018】
また、防水シート1の下部点検を行う場合は、同じく、防水シート1の壁面部側の下立ち上がり部分1c,1cと上立ち上がり部分1b,1bとのジョイントを解除し、下立ち上がり部分1cを含む床面側防水シートを床面部2から離して点検を行い、しかる後、上記の防水シート1を床面部2に敷き直し、その下立ち上がり部分1c,1cを、上立ち上がり部分1b,1bとジョイントするだけで、防水シート下部の点検を終えることができる。
【0019】
このように、上記の構造によれば、防水シート1の貼替えや、防水シート1の下部点検を、防水シート1と壁面部3,7との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行っていくことができる。
【0020】
しかも、上記のジョイント部分は、床面部2側にではなく、壁部3,7側に備えられるので、ジョイント部分が踏圧等で損傷するおそれもなく、しっかりとした防水状態を維持することができる。
【0021】
図6(イ)に示す第2実施形態は、図6(ロ)に示すように、防水シート1の手摺り壁3側の立ち上がり部分1aのみが、その高さ方向中間部において上立ち上がり部分1bと下立ち上がり部分1cとに上下に分割され、スライド開閉式の防水ファスナー8a,8bによって着脱可能にジョイントされているが、図6(ハ)に示すように、防水シート1の下サッシ枠6側の立ち上がり部分1aは分割されておらず、床面2側からの防水シート1が、着脱可能なジョイント部分を介さずに下サッシ枠6側の壁部7にシーリングされている。
【0022】
この構造であっても、防水シート1の貼替えや下部の点検において、少なくとも、手摺り壁3に対する防水シート1のシーリング工事はなくすことができ、その分、防水シート1の貼替えや防水シート1の下部点検を、防水シート1と壁面部3,7との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行っていくことができる。
【0023】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、防水シート1の上立ち上がり部分1bの上縁部と壁面部とのシーリングを壁面部に溝部4を設け、溝部4に上立ち上がり部分1bの上縁部を差し込み、金具で抑え、溝部4に湿式のシーリング材を設置してシーリングを行った場合を示しているが、これに限られるものではなく、例えば、手摺り壁3がPC板からなる場合には、型枠へのコンクリートの打込みにおいて、上立ち上がり部分1bの上縁部相当側をコンクリート中に埋込み状態にし、その状態でコンクリートを養生硬化する等の方法で、壁面部にシーリングされたものであってもよく、各種方法でシーリングされてよい。
【0024】
また、防水シート1の上下の立ち上がり部分1b,1cのジョイント手段は、スライド開閉式の防水ファスナー8a,8bに限られず、その他、上下の立ち上がり部分をジョイント部分において重なり状態にし、重なり部分が面ファスナーで接着されるようなジョイント手段などであってもよく、要は、上下の立ち上がり部分1b,1cを着脱可能でかつ防水状態にジョイントすることができるものであればよい。また、上記の実施形態では、バルコニー床面2のシート防水の場合を示しているが、バルコニーに限らず、屋上などであってもよいし、要は、周囲に立ち上がり壁部を備えた防水必要の各種床面に広く用いることができるものである。
【0025】
更に、本発明の床面防水シートの貼替え方法の一態様は、上記の実施形態により示されているが、これに限らず、その他、例えば、貼り替えようとする古い防水シートの立ち上がり部分は、その高さ方向中間部において着脱可能に分割されておらずに着脱不能の例えば一体物からなっていてもよく、その場合には、防水シートの立ち上がり部分をその高さ方向中間部においてカッターで切断等して分割するようにしてもよい。
【0026】
また、貼り替えられた新たな防水シートの立ち上がり部分は、上立ち上がり部分と着脱可能にジョイントされてもよいし、その他、熱融着等により着脱不能にジョイントされてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、防水シートの貼替えや、防水シート下部の点検を、防水シートと壁面部との間の厄介なシーリング工事をせずに容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示すもので、図(イ)はバルコニーの床面の全体を示す断面図、図(ロ)は手摺り壁側を拡大して示す断面図、図(ハ)は下サッシ枠側を拡大して示す断面図である。
【図2】上立ち上がり部分を分離させた防水シート全体の断面図である。
【図3】防水シートの施工方法の一例を示す断面図である。
【図4】図(イ−1)乃至図(イ−3)は、図5とともに防水シートの貼替え方法を示す断面図である。
【図5】図(ロ)及び図(ハ)は、図4と共に防水シートの貼替え方法を示す断面図である。
【図6】第2実施形態を示すもので、図(イ)はバルコニーの床面の全体を示す断面図、図(ロ)は手摺り壁側を拡大して示す断面図、図(ハ)は下サッシ枠側を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1…防水シート
1b…上立ち上がり部分
1c…下立ち上がり部分
2…床面部
3…手摺り壁(壁面部)
7…下壁(壁面部)
8a,8b…防水ファスナー(ジョイント手段)
Claims (3)
- 床面部に敷かれた防水シートが、壁面部に沿って立ち上がる部分を備え、該立ち上がる部分の上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水における立ち上がり部分の構造において、
前記防水シートの立ち上がり部分が、その高さ方向中間部において上下に分割され、上立ち上がり部分と下立ち上がり部分とが、それらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様において着脱可能にジョイントされていることを特徴とする床面シート防水における立ち上がり部分の構造。 - 前記上立ち上がり部分と下立ち上がり部分とがスライド開閉式の防水ファスナーで着脱可能にジョイントされている請求項1に記載の床面シート防水における立ち上がり部分の構造。
- 床面部に敷かれた防水シートが、壁面部に沿って立ち上がる部分を備え、該立ち上がる部分の上縁部が壁面部に対し背面側への水の侵入を阻止するようシーリングされた床面シート防水構造における床面防水シートの貼替え方法であって、
前記防水シートの立ち上がり部分を、その高さ方向中間部において上下に分割し、下立ち上がり部分を含む床面側の防水シートを撤去したのち、新たな防水シートを床面側に敷き、新たな防水シートにおける壁面側の立ち上がり部分を前記上立ち上がり部分にそれらの間から背面側への水の侵入を阻止する態様においてジョイントすることを特徴とする床面防水シートの貼替え方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003181918A JP2005016137A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 床面シート防水における立ち上がり部分の構造及び床面防水シートの貼替え方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003181918A JP2005016137A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 床面シート防水における立ち上がり部分の構造及び床面防水シートの貼替え方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007239244A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Kenji Takemoto | 仮設構造体 |
JP2010255336A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Tajima Roofing Inc | 常温積層型防水構造 |
DE112006002709B4 (de) | 2005-10-12 | 2013-03-21 | Kansai Tube Co. Ltd. | Verfahren zum Bilden eines Kopfabschnitts einer Tube des geschlossenen Typs, Verfahren zum Herstellen eines röhrenförmigen Behälters des geschlossenen Typs und röhrenförmiger Behälter des geschlossenen Typs |
US10562312B2 (en) | 2017-10-06 | 2020-02-18 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus |
-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181918A patent/JP2005016137A/ja active Pending
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