JPH06307059A - 壁板の接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 四周接合型の壁板を接続する場合、十字状に
目地が交叉する部分における防水性を改良し、しかも施
工も容易に行える壁板の接続構造を提供することを目的
とする。 【構成】 互いに雌雄関係をなして嵌合する接合用段部
１Ａ、１Ｂを周囲四辺に設けた壁板１を図１示すように
縦横に接続する場合において、壁板１の接続目地が十字
状に交叉する部分１Ｐの裏面に、接合用段部１Ａ、１Ｂ
より幅広の基板２Ａであって、先端断面形状がＴ字状を
なすリブ２Ｂを表面に有する接続板２が、リブ２Ｂ先端
を横目地Ｑに沿って介挿させると共に基板２Ａ表面と壁
板１裏面との間にシール材３を介して当てがわれ、この
接続板２が壁板１の下地材４に固定されて構成され、接
続板２とシール材３との複合により十字状に目地が交叉
する部分の防水性を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は壁板の接続構造に関
し、詳しくは繊維補強セメント製の壁板であっていわゆ
る四周接合型の壁板の接続構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、壁板として繊維補強セメントなど
により成形された無機質板材が非常に広く使用されてい
る。この種外壁板材は材質が硬くて脆いので取付け施工
に際しては釘打固定が困難なため壁板端面に互いに雌雄
関係をなして嵌合する接合用段部を形成し、この部分に
止着金具を介挿させた上で壁板を接続取付けしていく工
法が取られる。

【０００３】ところで、これら壁板の接続構造におい
て、互いに雌雄関係をなして嵌合する接続用段部を四周
に設け、上下方向の他横方向にも互いに嵌合して接続し
ていく壁板が使用される場合がある。この種壁板は四周
が完全に接続段部で嵌合するため、固定強度に優れる利
点を有するが図４に示すように、接合段部Ａ、Ｂの嵌合
状態において壁板Ｃ表面から裏面へと直接開通する微小
隙間Ｄ…Ｄが生じここから雨水が直接流入する問題があ
った。このような問題を解消するため、図５に示すよう
に壁板Ｃを固定するに際し縦方向に連続する目地裏面に
水切捨板Ｅを介挿しさらに接続用段部Ａ、Ｂ間にシール
材Ｆを盛付けて接続し、壁板Ｃに割欠けの生じる恐れの
ない内側部分で釘Ｇを打ち込んで固定していく施工が行
われていた。

【０００４】

【従来技術の問題点】しかしながら、上記施工を行う場
合、釘頭Ｇが壁板表面に表れ、壁面が見苦しくなると共
にシール材を現場施工で盛付けるのが面倒であり、施工
不良による漏水も生じることがある問題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記問題点
に鑑み、四周接合型の壁板を接続する場合、十字状に目
地が交叉する部分における防水性が良く、しかも施工も
容易に行える壁板の接続構造を提供することを目的とし
てなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明の壁板の
接続構造は、互いに雌雄関係をなして嵌合する接合用段
部を周囲四辺に設けた壁板を縦横に接続する場合におい
て、壁板の接続目地が十字状に交叉する部分の裏面に、
前記接合用段部より幅広の基板であって、先端断面形状
がＴ字状をなすリブを表面に有する接続板が、前記リブ
先端を横目地に沿って介挿させると共に基板表面と壁板
裏面との間にシール材を介して当てがわれ、該接続板が
前記壁板の下地材に固定されてなることを特徴とするも
のである。

【０００７】

【実施例】次にこの発明の実施例を説明する。図１はこ
の発明の実施例の正面図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面
図、図３は図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【０００８】この発明の壁板の接続構造は、互いに雌雄
関係をなして嵌合する接合用段部１Ａ、１Ｂを周囲四辺
に設けた壁板１を図１示すように縦横に接続する場合に
おいて、壁板１の接続目地が十字状に交叉する部分１Ｐ
の裏面に、接合用段部１Ａ、１Ｂより幅広の基板２Ａで
あって、先端断面形状がＴ字状をなすリブ２Ｂを表面に
有する接続板２が、リブ２Ｂ先端を横目地Ｑに沿って介
挿させると共に基板２Ａ表面と壁板１裏面との間にシー
ル材３を介して当てがわれ、この接続板２が壁板１の下
地材４に固定されて構成されている。

【０００９】上記実施例における外壁板材１は繊維補強
セメント製とされ、また縦目地Ｒ及び横目地Ｑには必要
に応じシーリング材５が介挿される。なお、このシーリ
ング材５は予め工場生産段階で盛付け施工して置けば現
場施工が省略できて都合が良い。なお図中６は防水下地
シートを示す。

【００１０】

【作用】この発明の壁板の接続構造において、縦横目地
が十字状に交叉する部分は、裏面にあてがわれるシール
材３によって完全に防水され従って空隙部分から水もれ
することはない。また、接続板２のリブ２Ｂが接続用段
部１Ａ、１Ｂに介挿されるのでこれが壁板の止着作用を
行い、表面から釘打しなくても壁板は固定される。

【００１１】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、四週接
合型の壁板を張りつける場合、表面から釘打することな
く止着できるので、壁板の仕上がり外観が良く、また四
周接合部の防水が確実となる。さらにシーリング材５及
び防水下地シート６を併用した場合、シール材３、シー
リング材５及び防水下地シート６などにより３重に防水
が行われるので完全な防水化ができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の正面図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【図４】従来例の正面図である。

【図５】従来例の断面図である。

【符号の説明】

１…壁板 １Ａ、１Ｂ…接合用段部 １Ｐ…接続目地が十字状に交叉する部分 ２…接続板 ２Ａ…基板 ２Ｂ…リブ ３…シール材 ４…下地材 Ｑ…横目地 Ｒ…縦目地

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに雌雄関係をなして嵌合する接合用
   段部を周囲四辺に設けた壁板を縦横に接続する場合にお
   いて、壁板の接続目地が十字状に交叉する部分の裏面
   に、前記接合用段部より幅広の基板であって、先端断面
   形状がＴ字状をなすリブを表面に有する接続板が、前記
   リブ先端を横目地に沿って介挿させると共に基板表面と
   壁板裏面との間にシール材を介して当てがわれ、該接続
   板が前記壁板の下地材に固定されてなることを特徴とす
   る壁板の接続構造。