JP2004211533A - 埋立用護岸及びその構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】埋立地を廃棄物で埋め立てる際、埋立地から海側に汚染物質等が漏出することがないようにする。
【解決手段】海底地盤24上に捨石マウンド23を構築した後、捨石マウンドを被覆材25で覆う。捨石マウンド上にケーソン21を据付け、予めケーソンに形成された注入管路21aから捨石マウンドの隙間に遮水性で可撓性の充填材を注入する。好適には前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく該捨石マウンド内に遮水部を埋入する。前記充填材としては、例えば、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材が用いられる。
【選択図】 図1
【解決手段】海底地盤24上に捨石マウンド23を構築した後、捨石マウンドを被覆材25で覆う。捨石マウンド上にケーソン21を据付け、予めケーソンに形成された注入管路21aから捨石マウンドの隙間に遮水性で可撓性の充填材を注入する。好適には前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく該捨石マウンド内に遮水部を埋入する。前記充填材としては、例えば、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材が用いられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、埋立用の護岸及びその構築方法に関し、特に、廃棄物埋立地で用いられる埋立用護岸及びその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、重力式護岸構造物(ケーソン)によって埋立用護岸を海上に構築した後、埋立用護岸で仕切られた空間を埋立て、埋立地とすることが行われており、この埋立に当たっては、種々の廃棄物で埋立てを行うことがある。廃棄物によって埋立を行う際には、廃棄物中に含まれる汚染物質等が埋立地の外側(海側)に漏出することがないように埋立護岸の遮水性を良好にする必要がある。
【0003】
ここで、図19を参照して、ケーソンを用いて埋立用護岸を構築する方法につき説明する。まず、海底地盤11を地盤改良(主に、サンドコンパクション)した後、海底地盤11上に台形状のマウンド(捨石マウンド)12を構築する。そして、捨石マウンド12の平坦面上に摩擦増大マット12aを配置するとともに、埋立地側の斜面(法面)に遮水性シート又はアスファルトマスチック(不透水性材料)12bを敷設した後、摩擦増大マット12a上にケーソン13を据え付けることになる。その後、ケーソン13の一面(埋立地側)に裏止め土14を土盛りして、裏止め土14の一面(埋立地側)に遮水性シート15を敷設して、護岸とした後、護岸内部が廃棄物等で埋め立てられる。
【0004】
このようにすれば、遮水性シート12b及び15によって遮水される結果、廃棄物中に含まれる汚染物質等が捨石マウンド12を通って海側に漏出することを防げることができる。
【0005】
上述のように、従来、ケーソンを用いて埋立地の護岸を構築する際に、ケーソンを支持する基礎捨石層(捨石マウンド)に対して海水が流通することを防止するための止水層を表面に設けるようにしている(特許文献1参照)。
【0006】
さらに、波力等による捨石マウンドの洗掘を防止するため、捨石マウンドの周囲である法面及び法尻にグラウト用有管を敷設して、クラウト用有孔管が埋設されるようにして、被覆材である被捨石を捨石マウンドの法面及び法尻に載せて捨石マウンドを被覆した後、グラウト用ホースからグラウト材を吐出して、クラウト用有孔管の吐出孔から管の周囲にグラウト材を吐出し、隣接する被捨石同士又は基礎捨石と被捨石との隙間にグラウト材を注入し、これら捨石を相互に結合する。これによって、波力等による捨石マウンドの洗掘を防止する(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−305322号公報(第3ページ、第1図)
【特許文献2】
特開平11−256545号公報(第3ページ及び第4ページ、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、埋立地には不可避的に水分が極めて多く含まれるものの、海側と埋立地側とには水位差が生じ、この水位差に起因する圧力差、及び波力によって遮水性シート(止水層)が破損する恐れが大きい。また、地盤改良を行ったといっても、ケーソンの自重等によって埋立地近辺では地盤沈下が発生しやすく、そして、地盤沈下が発生すると、遮水性シートに無理な力が加わり、遮水性シートが破損してしまうことになる。つまり、特許文献1に記載されたように、止水層を設けたとしても、前述のような原因によって、止水層自体が破損してしまえば、廃棄物に含まれる汚染物質が海側に漏出してしまうことになる。また、遮水シートは水深が増すと敷設できな場合もある。
【0009】
一方、特許文献2に記載されたように、基礎捨石層等にグラウト材を注入して、基礎捨石層等の隙間を埋めるようにすれば、廃棄物中の汚染物質が海側に漏出する恐れがなくなるものの、例えば、地盤沈下等によって、基礎捨石層等が動くと、基礎捨石層等の隙間を埋めたグラウト材にひび割れなどの不具合箇所が生じて、この不具合箇所を通って、廃棄物中の汚染物質が海側に漏出することがある。
【0010】
いずれにしても、特許文献1及び2に記載された手法では、廃棄物を埋め立てる際、捨石マウンドから、廃棄物中の汚染物質が漏出することを防止することができないことがあるという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、埋立地から海側に汚染物質等が漏出することがない埋立用護岸及びその構築方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、海底地盤上に構築された捨石マウンドと、該捨石マウンド上に据え付けられたケーソンとを備え、埋立地を区画するための埋立用護岸であって、前記捨石マウンドには遮水性で可撓性の充填材が注入されていることを特徴とする埋立用護岸が得られる。
【0013】
このようにして、海底地盤上に構築された捨石マウンド上にケーソンを据え付けて、埋立地を区画するための埋立用護岸を構築する際、捨石マウンドに遮水性で可撓性の充填材を注入するようにすれば、廃棄物で埋立を行う際においても、捨石マウンドの隙間が充填材によって充填されることになって、捨石マウンドを通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができる。
【0014】
さらに前記発明において、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく、該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、該空隙形成体の空隙内に前記充填材を注入して遮水部を形成することが好適である。
また、海底地盤上に構築された捨石マウンドと、該捨石マウンド上に据え付けられたケーソンとを備えた埋立地を区画するための埋立用護岸であって、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく、該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材を注入して遮水部を形成することを特徴とする。
このとき、前記空隙形成体は立体網状成形樹脂等で形成されることが好適である。
【0015】
このように、前記遮水部を前記捨石マウンドの長手方向に平行に、かつ該捨石マウンドを埋立地側と海洋側とに分断するごとく埋入して前記充填材を注入することにより、前記捨石マウンドと充填材との境界面より汚染物質が海洋に漏出することを確実に防止することができる。これは、前記捨石マウンドは無機系であることに対して前記空隙形成体は有機系であるため、有機系の前記充填材と該空隙形成体の付着力が強力となり、ケーソン荷重や地盤沈下による捨石マウンドのズレや揺動が発生した場合においても前記空隙形成体に隙間が出来ず、完全な遮水を実現することができるものである。
【0016】
また、海底地盤上に敷設された樹脂性の空隙形成体と、該空隙形成体上に据え付けられたケーソンとを備え、該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材が注入されていることを特徴とする。
さらに、前記空隙形成体内に球状若しくは円筒状支持体を設け、前記ケーソンの荷重を支持するように構成することが好ましい。
これにより、施工工程数の低減化を目的としたマウンドレス施工方法においても、汚染物質含有水の海洋への漏出を確実に防止することができる。また、このようにすることにより遮水性能の高い埋立用護岸を容易に施工するとができる。
【0017】
これらの発明において充填材は可撓性を備えているから、充填材が捨石マウンド及び前記遮水部の動きに追従することになって、充填材にひび割れなどの不具合箇所が生じることが極めて少なく、この結果、捨石マウンドまたは前記遮水部からの漏出を極めて良好に防止することができることになる。
【0018】
例えば、前記充填材として、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つが用いられる。
【0019】
このようにして、充填材として、可塑性の充填材であるアクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つを用いるようにすれば、捨石マウンドを被覆材で覆わなくても、充填材の注入に当たって、充填材が海水中に流れだすことがない。
【0020】
また、前記捨石マウンドを覆う被覆材を備えて、前記ケーソンを前記被覆材を介して前記捨石マウンド上に据え付けるようにしてもよい。この際には、前記充填材として、高分子ゲル材に繊維及びゴムアスファルトが混合された充填材を用いるようにしてもよい。
【0021】
さらに、前記ケーソンに、前記充填材を前記捨石マウンドに注入するための注入経路を形成しておくようにしてもよい。
【0022】
このように、ケーソンに予め充填材を捨石マウンドに注入するための注入経路を形成しておくようにすれば、捨石マウンドへの充填材の注入を容易に行うことができることになる。
【0023】
本発明によれば、埋立地を区画するための埋立用護岸を構築するための構築方法であって、海底地盤上に捨石マウンドを構築する第1のステップと、該捨石マウンド上にケーソンを据え付ける第2のステップと、前記捨石マウンドに遮水性で可撓性の充填材を注入する第3のステップとを有することを特徴とする埋立用護岸の構築方法が得られる。
また、かかる発明において、前記第1のステップにて前記捨石マウンドを構築する際に、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、前記第3のステップにて前記充填材を前記空隙形成体の空隙内に注入することを特徴とする。
さらにまた、前記埋立地を区画するための埋立用護岸を構築するための構築方法であって、樹脂性の空隙形成体を海底地盤上に敷設して該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材を注入する第1のステップと、前記空隙形成体上にケーソンを据え付ける第2のステップとを有することを特徴とする。
【0024】
例えば、前記充填材として、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つが用いられる。
【0025】
また、前記第1のステップの後、前記捨石マウンドを被覆材で覆う第4のステップを有するようにしてもよく、この際には、前記充填材として、高分子ゲル材に繊維及びゴムアスファルトが混合された充填材を用いるようにしてもよい。
【0026】
そして、前記第3のステップでは、前記ケーソンに予め形成された注入経路を介して前記充填材を前記捨石マウンドに注入する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0028】
まず、図1を参照して、海上に埋立地を造成する際には、ケーソン21によって、埋立地を造成すべき区域が区画される。このケーソン21は、例えば、水密鋼殻ケーソンであり、ケーソン内には砂等の土砂が注入される(なお、コンクリート体であるケーソンを用いるようにしてもよい)。ケーソン21は、例えば、上部が開口された中空の直方体であり、その底面の互いに対向する二辺(好ましくは、長辺)には、外方向に突出する張出部(フーチング)22が形成されている。
【0029】
ここで、図2も参照して、上述のケーソン21を配設すべき箇所(海底地盤)24は予め地盤改良が行われ(例えば、深層混合処理を行って地盤改良を行う。
なお、海底地盤の強度(固さ)及び遮水性が良好であれば、地盤改良を行わないこともある)、地盤改良の後、所定の深さに(例えば、1.5m程度海底地盤を掘削して、捨石マウンド用の溝部(図1においてこの溝部は紙面の表側から裏側に延在する)を形成する。この溝部の幅はケーソンの底面(フーチング22を含む)の幅よりも広い。
【0030】
その後、図2(a)に示すように、この溝部内に捨石マウンド23を構築する。この際、捨石マウンド23の上面は海底地盤24とほぼ一致する。捨石マウンド23を構築した後、捨石マウンド上に被覆材(被覆シート)25を配設する。
つまり、捨石マウンド23を被覆材25で覆う(図1(b)参照)。この被覆材25の材質は特に問わないが、後述する充填材が固化するまでの間、充填材が海水中に流れ出さないような材質であればよく、可塑性の被覆材、例えば、不織布又はゴムアスファルト系材料等が用いられる。
【0031】
ケーソン21内には、図中上下方向に延びる注入管路21aが配設されており、例えば、注入管路21aはケーソンの幅方向に沿って配列されるとともに、長手方向に沿って所定の本数配列されている。そして、注入管路21aの下端はケーソン21の底面から突出している。ケーソン21内に土砂等を注入して、ケーソン21を沈めて、ケーソン21を被覆材25上に据え付けた後、注入管路21aから充填材を注入する。これによって、充填材は注入管路21aを通って捨石マウンド23に注入される。
【0032】
図1に示す例では、充填材として、ゲル状の充填材、例えば、高分子ゲル材に繊維及びゴムアスファルトが混合された充填材が用いられる。このような充填材は、遮水性を有するばかりでなく、可撓性をも有している。
【0033】
捨石マウンドに注入された充填材は捨石マウンド23の隙間に充填されていき、徐々に固化することになる。充填材が固化するまでは、被覆材によって、充填材が海中に流れだすことが防止されることになる。そして、充填材が固化した後、ケーソン21で規定された埋立護岸の内側が廃棄物で埋め立てられて埋立地とされる。
【0034】
上述のようにして、捨石マウンド23に充填材を注入すれば、捨石マウンド23の隙間が充填材によって充填されることになって、充填材が固化すれば、捨石マウンド23を通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができることになる。つまり、埋立地を廃棄物等で埋め立てる際、従来のように遮水シートを配設しなくても、捨石マウンド23を通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができる。
【0035】
さらに、充填材は可撓性を備えているから、充填材が捨石マウンドの動きに追従することになって、充填材にひび割れなどの不具合箇所が生じることが極めて少なく、この結果、捨石マウンド23からの漏出を極めて良好に防止することができることになる。
また、充填材は、ケーソン21に予め設けられた注入管路21aを用いて行えばよいから、極めて簡単に捨石マウンドに充填材を注入することができる。
なお、図1に示すように、被覆材25に水抜き孔25aを設けておけば、充填材の注入に当たって、捨石マウンド23中の海水を良好に排出することができる。
【0036】
図1及び図2に示す例では、被覆材で捨石マウンドを覆った後、捨石マウンドに充填材を注入するようにしたが、充填材の材質によっては、被覆材を用いなくてもよい。充填材として、可塑性の被覆材、例えば、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコン、又は水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材を用いれば、充填材が固化するまでの間においても充填材が海水中に流れだすことがない。なお、上述のような可塑性充填材も遮水性及び可撓性を備えている。
【0037】
上述のような充填材を用いる場合には、図3に示すようにして、ケーソン21の据付けが行われて、埋立護岸が構築される。
まず、ケーソン21を配設すべき箇所の地盤改良を行い(例えば、深層混合処理を行って地盤改良を行う。なお、海底地盤の強度(固さ)及び遮水性が良好であれば、地盤改良を行わないこともある)、地盤改良の後、所定の深さに捨石マウンド用の溝部を形成する。その後、図3(a)に示すように、この溝部内に捨石マウンド23を構築して、捨石マウンド23の上面から僅か下まで、上述の可塑性充填材を充填しておく。ケーソン21内に土砂等を注入して、ケーソン21を沈め、ケーソン21を捨石マウンド23上に据え付けた後、注入管路21aから可塑性充填材を注入する。これによって、可塑性充填材は注入管路21aを通って捨石マウンド23に注入される。
【0038】
捨石マウンド23に注入された可塑性充填材は捨石マウンド23の隙間に充填されていき、徐々に固化することになる。この可塑性充填材は海中に流れだすことがほとんどなく、可塑性充填材が固化した後、ケーソン21で規定された埋立護岸の内側が廃棄物で埋め立てられて埋立地とされる。
【0039】
上述のようにして、捨石マウンド23に可塑性充填材を注入すれば、被覆材をもちいなくても、可塑性充填材が海中に流れだすことがなく、しかも、捨石マウンド23の隙間が充填材によって充填されることになり、充填材が固化すれば、捨石マウンド23を通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができることになる。
【0040】
図4又は図5に示すように、海底地盤の地盤改良を行った後、海底地盤上に直接台形状の捨石マウンド23を構築する際においても、図2又は図3で説明したようにして、ケーソン21が捨石マウンド23上に据え付けられる。図4に示す例では、地盤改良後の海底地盤上に台形状の捨石マウンド23を構築して(図4(a)参照)、その後、可塑性の被覆材25で捨石マウンド23を覆う(図4(b)参照)。そして、捨石マウンド23の平坦部にケーソン21を据え付けた後、注入管路21aを介して、図2で説明した充填材を捨石マウンド23の隙間に注入することになる。
【0041】
また、図5に示す例では、地盤改良後の海底地盤上に台形状の捨石マウンド23を構築して(図5(a)参照)、捨石マウンド23の上面から僅か下まで、図3で説明した可塑性充填材を充填しておく(図5(b))。そして、捨石マウンド23の平坦部にケーソン21を据え付けた後、注入管路21aを介して、図3で説明した可塑性充填材を捨石マウンド23の隙間に注入することになる。
図1に示す例では、捨石マウンド23の上面を海底地盤とほぼ同一としたが、例えば、図6に示すように、捨石マウンド23の上面を海底地盤よりも低い位置とするようにしてもよく、捨石マウンド23とケーソン21の底面との間に摩擦増大マット31を配置して、ケーソン21と捨石マウンド23との摩擦係数を増大させて、ケーソン21のずれを防止するようにしてもよい。
【0042】
図6に示す例では、ケーソン21を捨石マウンド23上に据え付けた後、捨石マウンド23が配置された溝部を覆うようにして、被覆材25が配置される。そして、前述したように、注入管路(図6には示さず)を介して捨石マウンド23の隙間に図1で説明した充填材を注入することになる。この際には、充填材の量を調整して、溝部が充填材32で埋まるようにする。
被覆材を配置しない場合には、図7に示すように、注入管路(図7には示さず)を介して捨石マウンド23の隙間に図3で説明した可塑性充填材を注入することになる。この際には、充填材の量を調整して、溝部が充填材で埋まるようにする。可塑性充填材を用いれば、海水中に可塑性充填材33が流れだすことはない。
【0043】
また、図8に示すように、台形状の捨石マウンド23を用いた際には、被覆材25の両端部を海底地盤中に埋め込むようにしてもよい。この際には、海底地盤を掘削した後、被覆材25の両端部を海底地盤中に埋め込むことになる。そして、被覆材として遮水性シートを用いれば、海底地盤から廃棄物中の汚染物質が漏れだすことを完全に防止することができる。なお、図8に示す例においても、注入管路(図8には示さず)を介して捨石マウンド23の隙間に図1で説明した充填材を注入することになる。
【0044】
次に、かかる実施形態において樹脂性の空隙形成体を用いた場合の埋立用護岸につき図9〜16を参照して説明する。
図9は本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第8の例を示す断面図で、かかる埋立用護岸は、海底地盤24上に構築された捨石マウンド23と、該捨石マウンド23内に長手方向に設けられ、該捨石マウンド23を埋立地側と海洋側とに分断するごとく配置された遮水部35と、前記捨石マウンド23の上部に据え付けられたケーソン21と、備えている。
【0045】
前記遮水部35は、空隙形成体36とその空隙内に注入された充填材とにより形成され、前記捨石マウンド23の埋立側斜面及び海洋側斜面に略平行に帯状に配設されている。前記空隙形成体36は、図10に示されるような立体網状構造体や不図示のポーラス構造体などの従来より公知の透水フィルター等を用いることができる。該空隙形成体35は、内部に空隙を多く有し、可撓性及び遮水性を有するとともに強耐圧性を有している。
前記捨石マウンド23が無機系であることに対して前記空隙形成体36は有機系であるため、有機系の前記充填材と該空隙形成体の付着力が強力となり、ケーソン荷重や地盤沈下による捨石マウンドのズレや揺動が発生した場合においても前記遮水部35にヒビ割れや隙間が出来ず、完全な遮水を実現することができる。
【0046】
また、前記ケーソン21には、該ケーソン上面から前記空隙形成体35に通じる注入管路21aを設けてもよく、ここから充填材を前記空隙形成体35内に充填材を注入するようにしても良い。このとき、同時に前記注入管路21aより前記捨石マウンド23内に充填材を注入することもできる。尚、前記空隙形成体35内に注入する充填材と前記捨石マウンド23内に注入する充填材とは異ならせても良い。
【0047】
ここで、図11を参照して、前記第8の例にかかる埋立用護岸の構築方法につき説明する。まず、図11(a)に示すように、海底地盤24上に捨石マウンド23の中央部を構築した後に、該捨石マウンド23の埋立側と海洋側の両サイド、即ち前記捨石マウンド23を挟持するごとく前記空隙形成体36を夫々配設する。さらに、(b)に示すように前記空隙形成体36の外側に捨石マウンド23を夫々構築する。そして、(c)に示すように前記捨石マウンド23上にケーソン21を据え付けて、該ケーソン21に穿設される注入管路21aより前記空隙形成体36内に充填材を注入して遮水部35を形成する。このとき、前記捨石マウンド23内にも浸透するように充填材を注入しても良い。
【0048】
このように、前記空隙形成体36を捨石マウンド23内に埋入することにより、前記ケーソン上部より注入する充填材の通流経路が確保され容易に遮水部35を形成することができる。また該遮水部35を設けることにより、埋立側から漏洩する汚染物質含有水を確実に遮断することができる。尚、前記遮水部35は、前記捨石マウンド23を埋立側と海洋側とに分断する位置であれば何れに配置しても良いが、前記ケーソン21の荷重バランスを考慮して適宜配置する必要がある。また、前記遮水部35を複数設けることも可能である。
【0049】
また、図12及び図13に示される埋立用護岸の第9、第10の例は、前記図9に示した第8の例にかかる埋立用護岸とほぼ同様の構成を有している。即ち、これらの埋立用護岸は、前記第8の例と同様に捨石マウンド23と、該捨石マウンド内に埋入した遮水部35と、ケーソン21と、該ケーソン内に穿設した注入管路21aとを備えている。
図12に示した第9の例では、前記遮水部35が横置円筒形状となっており、前記捨石マウンド23の長手方向に平行に2本配設されている。該遮水部35は、空隙形成体35の空隙内に充填材を保持して形成され、前記捨石マウンド23を海洋側と埋立側とに分断するように配置されている。このように、前記遮水部35を円筒形状とすることにより、前記ケーソンによる荷重バランスを良好とすることができ、護岸の安定性を向上させる。
図13に示した第10の例では、前記遮水部35を捨石マウンド23の中央に一列のみ配設した構成としている。これにより、かかる実施例における護岸構築において簡易化が図れる。
【0050】
図14は、本発明による空隙形成体を具備した場合の埋設用護岸の第11の例を示す断面図で、かかる埋立用護岸は、海底地盤24上に敷設した樹脂性の空隙形成体36と、該空隙形成体36に充填された充填材37と、該空隙形成体36の上部に据え付けられたケーソン21とを備えている。
前記空隙形成体36は平面板状で所定肉厚を有しており、前記ケーソン21のフーチング22の幅より広幅となるように敷設されている。かかる空隙形成体36の表面は被覆シートにより覆ってもよく、これにより前記充填材の注入時に該充填材が外部に漏出することを防止できる。
【0051】
前記第11の例にかかる埋立用護岸の構築方法は、図15(a)に示されるように、まず護岸を設置する海底地盤24上に空隙形成体36を敷設し、次に(b)に示されるように該空隙形成体36の空隙内に充填材37を注入する。さらに、(c)に示されるように、前期空隙形成体36の上部にケーソン21を設置する。
かかる実施例によれば、汚染物質の漏洩を最小限に抑えることができるとともに、施工工程を削減することができるため、埋立用護岸の構築を簡易化することが可能となる。即ち、近年推奨されているマウンドレス化に対応した埋立用護岸を提供することができる。
【0052】
図16に示した第11の例は前記第1の同様に、海底地盤24上に敷設した平面板状の空隙形成体36と、該空隙形成体36の空隙内に充填された充填材37と、該空隙形成体36上に据え付けられたケーソン21と、を有している。さらに、かかる実施例では該空隙形成体36内に、球状若しくは横置円筒状の硬質支持体38を埋め込んだ構成となっている。該硬質支持体38は、前記空隙形成体36の肉厚と略同じ径を有し、前記ケーソン21の荷重を支持可能に複数設置されている。
【0053】
これにより、かかる埋立用護岸の安定性が向上する。特に、前記支持体38は球状若しくは円筒状であるため、該支持体38は前記ケーソン21及び海底地盤24と点接触若しくは線接触となり、地震等の揺動エネルギーを吸収するのでケーソン21の耐震性を高めることができる。尚、かかる実施例において、前記ケーソン21に注入管路21aを穿設し、該ケーソン21を据付け後に前記空隙形成体36に充填材を注入しても良い。
【0054】
次に、上記説明した埋立用護岸底部の遮水性の検証を行うこととする。図17(a)に示した供試体を用い、(b)に示される透水試験装置により実験を行った。
埋立用護岸底部の捨石マウンド23の模擬材料として砕石53を用いた。砕石53は平均粒径が約20mm、均等係数が約1mmのものを使用した。該砕石53を実際の捨石マウンド23と同等の条件で積上げ、その間隙を遮水性の充填材で充填した。該充填材57には、海水中での不分離性、充填性等の検討結果から水溶性高分子系、非水溶性高分子系、セメント系の3種類の材料を選択した。また、砕石、充填材混合供試体60の寸法は、幅20cm、高さ20cm、長さ(透水方向)20cmとした。
【0055】
さらに、前記供試体60には、充填材との付着力が高い立体網状成形樹脂(空隙形成体)56を砕石53間に挟み込み、充填材57を注入して該充填材57を主体とする層を形成した。
図17(b)に示される遮水性能確認試験装置61は、止水用ラバー64を備え、前記供試体60を保持する把持部63と、水圧計62を具備する高圧水室65と、を備えており、これにより前記供試体60の透水係数を算出する。
水圧の調整は定量ポンプで行い、水圧と流量が定常状態となった時点での透水係数をダルシー則に従い以下の方法で算出した。
【0056】
定常状態での単位時間当たりの流出量をQ(cm/sec)、水頭差をH(cm)、供試体長さをL(cm)、供試体の断面積をA(cm2)とすると、ダルシー則により、下記式(1)及び式(2)が成立する。
Q=kiA=k(H/L)A, k:透水係数 …(1)
すなわち
k=QL/HA(cm/sec) …(2)
さらに、埋立用護岸として図9に示したようなケーソン式護岸と、従来より用いられている二重鋼管矢板式護岸につき2次元解析モデルを作成し、等価な透水係数を求めた。等価透水係数は、ケーソン式護岸が5.98×10−7cm/sec、二重鋼管矢板式護岸が1.93×10−6cm/secとなった。このとき、前記二重鋼管矢板式護岸の中詰め材は一般に用いられる細砂を想定し、透水係数を1.0×10−3cm/secとした。
【0057】
図18に遮水性能確認試験より、ダルシー則を用いて透水係数に換算した結果を示す。図中Aは、二重鋼管矢板の継ぎ手部の透水係数(層厚50cm、透水係数1.0×10−6cm/sec)をケーソンの幅(20m)に換算したものである。この図より、前記立体網状成形樹脂を挟持しない場合には継ぎ手の遮水性能に及ばないが、非水溶性高分子と付着力の高い立体網状成形樹脂56のような材料を挟持することにより、2オーダー程度透水係数を小さくすることが可能であった。これは、立体網状成形樹脂56を用いない場合、表面を海水で湿らせた砕石53と充填材57との付着力が弱いため、砕石53に沿って水みちができてしまうが、充填材との付着力が高い材料を挟み込むことにより、砕石53と充填材57との間の水みちを断ち切る効果が得られたためと考えられる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、海底地盤上に構築された捨石マウンド上にケーソンを据え付けて、埋立地を区画するための埋立用護岸を構築する際、捨石マウンドに遮水性で可撓性の充填材を注入するようにしたから、廃棄物で埋立を行う際においても、捨石マウンドの隙間が充填材によって充填されることになって、捨石マウンドを通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができるという効果がある。そして、充填材は可撓性を備えているから、充填材が捨石マウンドの動きに追従することになって、充填材にひび割れなどの不具合箇所が生じることが極めて少なく、この結果、捨石マウンド23からの漏出を極めて良好に防止することができる。
【0059】
本発明では、充填材として、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つを用いるようにしたから、捨石マウンドを被覆材で覆わなくても、充填材の注入に当たって、充填材が海水中に流れだすことがない。
本発明では、ケーソンに予め充填材を捨石マウンドに注入するための注入経路を形成しておくようにしたから、捨石マウンドへの充填材の注入を容易に行うことができるという効果がある。
【0060】
また、より確実な汚染物質の漏洩防止を可能とした発明として、空隙形成体に充填材を注入した遮水部を捨石マウンド内に設けることにより、ケーソン荷重や地震による捨石マウンドのズレやヒビ割れが発生した場合においても、汚染物質を海洋側に漏出することを確実に防ぐことができる。
さらに、捨石マウンドの代りに充填材を注入した空隙形成体を敷設することにより、施工工程を減らすことができ護岸構築を簡易化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による埋設用護岸の第1の例を示す断面図である。
【図2】図1に示す埋立用護岸を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図3】本発明による埋設用護岸の第2の例を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図4】本発明による埋設用護岸の第3の例を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図5】本発明による埋設用護岸の第4の例を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図6】本発明による埋設用護岸の第5の例を示す断面図である。
【図7】本発明による埋設用護岸の第6の例を示す断面図である。
【図8】本発明による埋設用護岸の第7の例を示す断面図である。
【図9】本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第8の例を示す断面図である。
【図10】遮水部を形成する樹脂性空隙形成体の斜視図である。
【図11】図9の第8の例に係る埋設用護岸の構築工程を示す図である。
【図12】本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第9の例を示す断面図である。
【図13】本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第10の例を示す断面図である。
【図14】本発明による空隙形成体を具備した場合の埋設用護岸の第11の例を示す断面図である。
【図15】図14の第11の例に係る埋設用護岸の構築工程を示す図である。
【図16】本発明による空隙形成体を具備した場合の埋設用護岸の第12の例を示す断面図である。
【図17】本発明の遮水部を具備した埋設用護岸の透水試験における供試体の斜視図(a)、透水試験装置の概略図(b)である。
【図18】透水試験結果を示すグラフ図である。
【図19】従来の埋設用護岸の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
21 ケーソン
22 張出部(フーチング)
23 捨石マウンド
24 海底地盤
25 被覆材(被覆シート)
21a 注入管路
35 遮水部
36 空隙形成体
37 充填材
38 硬質支持体
【発明の属する技術分野】
本発明は、埋立用の護岸及びその構築方法に関し、特に、廃棄物埋立地で用いられる埋立用護岸及びその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、重力式護岸構造物(ケーソン)によって埋立用護岸を海上に構築した後、埋立用護岸で仕切られた空間を埋立て、埋立地とすることが行われており、この埋立に当たっては、種々の廃棄物で埋立てを行うことがある。廃棄物によって埋立を行う際には、廃棄物中に含まれる汚染物質等が埋立地の外側(海側)に漏出することがないように埋立護岸の遮水性を良好にする必要がある。
【0003】
ここで、図19を参照して、ケーソンを用いて埋立用護岸を構築する方法につき説明する。まず、海底地盤11を地盤改良(主に、サンドコンパクション)した後、海底地盤11上に台形状のマウンド(捨石マウンド)12を構築する。そして、捨石マウンド12の平坦面上に摩擦増大マット12aを配置するとともに、埋立地側の斜面(法面)に遮水性シート又はアスファルトマスチック(不透水性材料)12bを敷設した後、摩擦増大マット12a上にケーソン13を据え付けることになる。その後、ケーソン13の一面(埋立地側)に裏止め土14を土盛りして、裏止め土14の一面(埋立地側)に遮水性シート15を敷設して、護岸とした後、護岸内部が廃棄物等で埋め立てられる。
【0004】
このようにすれば、遮水性シート12b及び15によって遮水される結果、廃棄物中に含まれる汚染物質等が捨石マウンド12を通って海側に漏出することを防げることができる。
【0005】
上述のように、従来、ケーソンを用いて埋立地の護岸を構築する際に、ケーソンを支持する基礎捨石層(捨石マウンド)に対して海水が流通することを防止するための止水層を表面に設けるようにしている(特許文献1参照)。
【0006】
さらに、波力等による捨石マウンドの洗掘を防止するため、捨石マウンドの周囲である法面及び法尻にグラウト用有管を敷設して、クラウト用有孔管が埋設されるようにして、被覆材である被捨石を捨石マウンドの法面及び法尻に載せて捨石マウンドを被覆した後、グラウト用ホースからグラウト材を吐出して、クラウト用有孔管の吐出孔から管の周囲にグラウト材を吐出し、隣接する被捨石同士又は基礎捨石と被捨石との隙間にグラウト材を注入し、これら捨石を相互に結合する。これによって、波力等による捨石マウンドの洗掘を防止する(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−305322号公報(第3ページ、第1図)
【特許文献2】
特開平11−256545号公報(第3ページ及び第4ページ、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、埋立地には不可避的に水分が極めて多く含まれるものの、海側と埋立地側とには水位差が生じ、この水位差に起因する圧力差、及び波力によって遮水性シート(止水層)が破損する恐れが大きい。また、地盤改良を行ったといっても、ケーソンの自重等によって埋立地近辺では地盤沈下が発生しやすく、そして、地盤沈下が発生すると、遮水性シートに無理な力が加わり、遮水性シートが破損してしまうことになる。つまり、特許文献1に記載されたように、止水層を設けたとしても、前述のような原因によって、止水層自体が破損してしまえば、廃棄物に含まれる汚染物質が海側に漏出してしまうことになる。また、遮水シートは水深が増すと敷設できな場合もある。
【0009】
一方、特許文献2に記載されたように、基礎捨石層等にグラウト材を注入して、基礎捨石層等の隙間を埋めるようにすれば、廃棄物中の汚染物質が海側に漏出する恐れがなくなるものの、例えば、地盤沈下等によって、基礎捨石層等が動くと、基礎捨石層等の隙間を埋めたグラウト材にひび割れなどの不具合箇所が生じて、この不具合箇所を通って、廃棄物中の汚染物質が海側に漏出することがある。
【0010】
いずれにしても、特許文献1及び2に記載された手法では、廃棄物を埋め立てる際、捨石マウンドから、廃棄物中の汚染物質が漏出することを防止することができないことがあるという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、埋立地から海側に汚染物質等が漏出することがない埋立用護岸及びその構築方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、海底地盤上に構築された捨石マウンドと、該捨石マウンド上に据え付けられたケーソンとを備え、埋立地を区画するための埋立用護岸であって、前記捨石マウンドには遮水性で可撓性の充填材が注入されていることを特徴とする埋立用護岸が得られる。
【0013】
このようにして、海底地盤上に構築された捨石マウンド上にケーソンを据え付けて、埋立地を区画するための埋立用護岸を構築する際、捨石マウンドに遮水性で可撓性の充填材を注入するようにすれば、廃棄物で埋立を行う際においても、捨石マウンドの隙間が充填材によって充填されることになって、捨石マウンドを通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができる。
【0014】
さらに前記発明において、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく、該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、該空隙形成体の空隙内に前記充填材を注入して遮水部を形成することが好適である。
また、海底地盤上に構築された捨石マウンドと、該捨石マウンド上に据え付けられたケーソンとを備えた埋立地を区画するための埋立用護岸であって、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく、該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材を注入して遮水部を形成することを特徴とする。
このとき、前記空隙形成体は立体網状成形樹脂等で形成されることが好適である。
【0015】
このように、前記遮水部を前記捨石マウンドの長手方向に平行に、かつ該捨石マウンドを埋立地側と海洋側とに分断するごとく埋入して前記充填材を注入することにより、前記捨石マウンドと充填材との境界面より汚染物質が海洋に漏出することを確実に防止することができる。これは、前記捨石マウンドは無機系であることに対して前記空隙形成体は有機系であるため、有機系の前記充填材と該空隙形成体の付着力が強力となり、ケーソン荷重や地盤沈下による捨石マウンドのズレや揺動が発生した場合においても前記空隙形成体に隙間が出来ず、完全な遮水を実現することができるものである。
【0016】
また、海底地盤上に敷設された樹脂性の空隙形成体と、該空隙形成体上に据え付けられたケーソンとを備え、該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材が注入されていることを特徴とする。
さらに、前記空隙形成体内に球状若しくは円筒状支持体を設け、前記ケーソンの荷重を支持するように構成することが好ましい。
これにより、施工工程数の低減化を目的としたマウンドレス施工方法においても、汚染物質含有水の海洋への漏出を確実に防止することができる。また、このようにすることにより遮水性能の高い埋立用護岸を容易に施工するとができる。
【0017】
これらの発明において充填材は可撓性を備えているから、充填材が捨石マウンド及び前記遮水部の動きに追従することになって、充填材にひび割れなどの不具合箇所が生じることが極めて少なく、この結果、捨石マウンドまたは前記遮水部からの漏出を極めて良好に防止することができることになる。
【0018】
例えば、前記充填材として、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つが用いられる。
【0019】
このようにして、充填材として、可塑性の充填材であるアクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つを用いるようにすれば、捨石マウンドを被覆材で覆わなくても、充填材の注入に当たって、充填材が海水中に流れだすことがない。
【0020】
また、前記捨石マウンドを覆う被覆材を備えて、前記ケーソンを前記被覆材を介して前記捨石マウンド上に据え付けるようにしてもよい。この際には、前記充填材として、高分子ゲル材に繊維及びゴムアスファルトが混合された充填材を用いるようにしてもよい。
【0021】
さらに、前記ケーソンに、前記充填材を前記捨石マウンドに注入するための注入経路を形成しておくようにしてもよい。
【0022】
このように、ケーソンに予め充填材を捨石マウンドに注入するための注入経路を形成しておくようにすれば、捨石マウンドへの充填材の注入を容易に行うことができることになる。
【0023】
本発明によれば、埋立地を区画するための埋立用護岸を構築するための構築方法であって、海底地盤上に捨石マウンドを構築する第1のステップと、該捨石マウンド上にケーソンを据え付ける第2のステップと、前記捨石マウンドに遮水性で可撓性の充填材を注入する第3のステップとを有することを特徴とする埋立用護岸の構築方法が得られる。
また、かかる発明において、前記第1のステップにて前記捨石マウンドを構築する際に、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、前記第3のステップにて前記充填材を前記空隙形成体の空隙内に注入することを特徴とする。
さらにまた、前記埋立地を区画するための埋立用護岸を構築するための構築方法であって、樹脂性の空隙形成体を海底地盤上に敷設して該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材を注入する第1のステップと、前記空隙形成体上にケーソンを据え付ける第2のステップとを有することを特徴とする。
【0024】
例えば、前記充填材として、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つが用いられる。
【0025】
また、前記第1のステップの後、前記捨石マウンドを被覆材で覆う第4のステップを有するようにしてもよく、この際には、前記充填材として、高分子ゲル材に繊維及びゴムアスファルトが混合された充填材を用いるようにしてもよい。
【0026】
そして、前記第3のステップでは、前記ケーソンに予め形成された注入経路を介して前記充填材を前記捨石マウンドに注入する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0028】
まず、図1を参照して、海上に埋立地を造成する際には、ケーソン21によって、埋立地を造成すべき区域が区画される。このケーソン21は、例えば、水密鋼殻ケーソンであり、ケーソン内には砂等の土砂が注入される(なお、コンクリート体であるケーソンを用いるようにしてもよい)。ケーソン21は、例えば、上部が開口された中空の直方体であり、その底面の互いに対向する二辺(好ましくは、長辺)には、外方向に突出する張出部(フーチング)22が形成されている。
【0029】
ここで、図2も参照して、上述のケーソン21を配設すべき箇所(海底地盤)24は予め地盤改良が行われ(例えば、深層混合処理を行って地盤改良を行う。
なお、海底地盤の強度(固さ)及び遮水性が良好であれば、地盤改良を行わないこともある)、地盤改良の後、所定の深さに(例えば、1.5m程度海底地盤を掘削して、捨石マウンド用の溝部(図1においてこの溝部は紙面の表側から裏側に延在する)を形成する。この溝部の幅はケーソンの底面(フーチング22を含む)の幅よりも広い。
【0030】
その後、図2(a)に示すように、この溝部内に捨石マウンド23を構築する。この際、捨石マウンド23の上面は海底地盤24とほぼ一致する。捨石マウンド23を構築した後、捨石マウンド上に被覆材(被覆シート)25を配設する。
つまり、捨石マウンド23を被覆材25で覆う(図1(b)参照)。この被覆材25の材質は特に問わないが、後述する充填材が固化するまでの間、充填材が海水中に流れ出さないような材質であればよく、可塑性の被覆材、例えば、不織布又はゴムアスファルト系材料等が用いられる。
【0031】
ケーソン21内には、図中上下方向に延びる注入管路21aが配設されており、例えば、注入管路21aはケーソンの幅方向に沿って配列されるとともに、長手方向に沿って所定の本数配列されている。そして、注入管路21aの下端はケーソン21の底面から突出している。ケーソン21内に土砂等を注入して、ケーソン21を沈めて、ケーソン21を被覆材25上に据え付けた後、注入管路21aから充填材を注入する。これによって、充填材は注入管路21aを通って捨石マウンド23に注入される。
【0032】
図1に示す例では、充填材として、ゲル状の充填材、例えば、高分子ゲル材に繊維及びゴムアスファルトが混合された充填材が用いられる。このような充填材は、遮水性を有するばかりでなく、可撓性をも有している。
【0033】
捨石マウンドに注入された充填材は捨石マウンド23の隙間に充填されていき、徐々に固化することになる。充填材が固化するまでは、被覆材によって、充填材が海中に流れだすことが防止されることになる。そして、充填材が固化した後、ケーソン21で規定された埋立護岸の内側が廃棄物で埋め立てられて埋立地とされる。
【0034】
上述のようにして、捨石マウンド23に充填材を注入すれば、捨石マウンド23の隙間が充填材によって充填されることになって、充填材が固化すれば、捨石マウンド23を通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができることになる。つまり、埋立地を廃棄物等で埋め立てる際、従来のように遮水シートを配設しなくても、捨石マウンド23を通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができる。
【0035】
さらに、充填材は可撓性を備えているから、充填材が捨石マウンドの動きに追従することになって、充填材にひび割れなどの不具合箇所が生じることが極めて少なく、この結果、捨石マウンド23からの漏出を極めて良好に防止することができることになる。
また、充填材は、ケーソン21に予め設けられた注入管路21aを用いて行えばよいから、極めて簡単に捨石マウンドに充填材を注入することができる。
なお、図1に示すように、被覆材25に水抜き孔25aを設けておけば、充填材の注入に当たって、捨石マウンド23中の海水を良好に排出することができる。
【0036】
図1及び図2に示す例では、被覆材で捨石マウンドを覆った後、捨石マウンドに充填材を注入するようにしたが、充填材の材質によっては、被覆材を用いなくてもよい。充填材として、可塑性の被覆材、例えば、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコン、又は水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材を用いれば、充填材が固化するまでの間においても充填材が海水中に流れだすことがない。なお、上述のような可塑性充填材も遮水性及び可撓性を備えている。
【0037】
上述のような充填材を用いる場合には、図3に示すようにして、ケーソン21の据付けが行われて、埋立護岸が構築される。
まず、ケーソン21を配設すべき箇所の地盤改良を行い(例えば、深層混合処理を行って地盤改良を行う。なお、海底地盤の強度(固さ)及び遮水性が良好であれば、地盤改良を行わないこともある)、地盤改良の後、所定の深さに捨石マウンド用の溝部を形成する。その後、図3(a)に示すように、この溝部内に捨石マウンド23を構築して、捨石マウンド23の上面から僅か下まで、上述の可塑性充填材を充填しておく。ケーソン21内に土砂等を注入して、ケーソン21を沈め、ケーソン21を捨石マウンド23上に据え付けた後、注入管路21aから可塑性充填材を注入する。これによって、可塑性充填材は注入管路21aを通って捨石マウンド23に注入される。
【0038】
捨石マウンド23に注入された可塑性充填材は捨石マウンド23の隙間に充填されていき、徐々に固化することになる。この可塑性充填材は海中に流れだすことがほとんどなく、可塑性充填材が固化した後、ケーソン21で規定された埋立護岸の内側が廃棄物で埋め立てられて埋立地とされる。
【0039】
上述のようにして、捨石マウンド23に可塑性充填材を注入すれば、被覆材をもちいなくても、可塑性充填材が海中に流れだすことがなく、しかも、捨石マウンド23の隙間が充填材によって充填されることになり、充填材が固化すれば、捨石マウンド23を通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができることになる。
【0040】
図4又は図5に示すように、海底地盤の地盤改良を行った後、海底地盤上に直接台形状の捨石マウンド23を構築する際においても、図2又は図3で説明したようにして、ケーソン21が捨石マウンド23上に据え付けられる。図4に示す例では、地盤改良後の海底地盤上に台形状の捨石マウンド23を構築して(図4(a)参照)、その後、可塑性の被覆材25で捨石マウンド23を覆う(図4(b)参照)。そして、捨石マウンド23の平坦部にケーソン21を据え付けた後、注入管路21aを介して、図2で説明した充填材を捨石マウンド23の隙間に注入することになる。
【0041】
また、図5に示す例では、地盤改良後の海底地盤上に台形状の捨石マウンド23を構築して(図5(a)参照)、捨石マウンド23の上面から僅か下まで、図3で説明した可塑性充填材を充填しておく(図5(b))。そして、捨石マウンド23の平坦部にケーソン21を据え付けた後、注入管路21aを介して、図3で説明した可塑性充填材を捨石マウンド23の隙間に注入することになる。
図1に示す例では、捨石マウンド23の上面を海底地盤とほぼ同一としたが、例えば、図6に示すように、捨石マウンド23の上面を海底地盤よりも低い位置とするようにしてもよく、捨石マウンド23とケーソン21の底面との間に摩擦増大マット31を配置して、ケーソン21と捨石マウンド23との摩擦係数を増大させて、ケーソン21のずれを防止するようにしてもよい。
【0042】
図6に示す例では、ケーソン21を捨石マウンド23上に据え付けた後、捨石マウンド23が配置された溝部を覆うようにして、被覆材25が配置される。そして、前述したように、注入管路(図6には示さず)を介して捨石マウンド23の隙間に図1で説明した充填材を注入することになる。この際には、充填材の量を調整して、溝部が充填材32で埋まるようにする。
被覆材を配置しない場合には、図7に示すように、注入管路(図7には示さず)を介して捨石マウンド23の隙間に図3で説明した可塑性充填材を注入することになる。この際には、充填材の量を調整して、溝部が充填材で埋まるようにする。可塑性充填材を用いれば、海水中に可塑性充填材33が流れだすことはない。
【0043】
また、図8に示すように、台形状の捨石マウンド23を用いた際には、被覆材25の両端部を海底地盤中に埋め込むようにしてもよい。この際には、海底地盤を掘削した後、被覆材25の両端部を海底地盤中に埋め込むことになる。そして、被覆材として遮水性シートを用いれば、海底地盤から廃棄物中の汚染物質が漏れだすことを完全に防止することができる。なお、図8に示す例においても、注入管路(図8には示さず)を介して捨石マウンド23の隙間に図1で説明した充填材を注入することになる。
【0044】
次に、かかる実施形態において樹脂性の空隙形成体を用いた場合の埋立用護岸につき図9〜16を参照して説明する。
図9は本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第8の例を示す断面図で、かかる埋立用護岸は、海底地盤24上に構築された捨石マウンド23と、該捨石マウンド23内に長手方向に設けられ、該捨石マウンド23を埋立地側と海洋側とに分断するごとく配置された遮水部35と、前記捨石マウンド23の上部に据え付けられたケーソン21と、備えている。
【0045】
前記遮水部35は、空隙形成体36とその空隙内に注入された充填材とにより形成され、前記捨石マウンド23の埋立側斜面及び海洋側斜面に略平行に帯状に配設されている。前記空隙形成体36は、図10に示されるような立体網状構造体や不図示のポーラス構造体などの従来より公知の透水フィルター等を用いることができる。該空隙形成体35は、内部に空隙を多く有し、可撓性及び遮水性を有するとともに強耐圧性を有している。
前記捨石マウンド23が無機系であることに対して前記空隙形成体36は有機系であるため、有機系の前記充填材と該空隙形成体の付着力が強力となり、ケーソン荷重や地盤沈下による捨石マウンドのズレや揺動が発生した場合においても前記遮水部35にヒビ割れや隙間が出来ず、完全な遮水を実現することができる。
【0046】
また、前記ケーソン21には、該ケーソン上面から前記空隙形成体35に通じる注入管路21aを設けてもよく、ここから充填材を前記空隙形成体35内に充填材を注入するようにしても良い。このとき、同時に前記注入管路21aより前記捨石マウンド23内に充填材を注入することもできる。尚、前記空隙形成体35内に注入する充填材と前記捨石マウンド23内に注入する充填材とは異ならせても良い。
【0047】
ここで、図11を参照して、前記第8の例にかかる埋立用護岸の構築方法につき説明する。まず、図11(a)に示すように、海底地盤24上に捨石マウンド23の中央部を構築した後に、該捨石マウンド23の埋立側と海洋側の両サイド、即ち前記捨石マウンド23を挟持するごとく前記空隙形成体36を夫々配設する。さらに、(b)に示すように前記空隙形成体36の外側に捨石マウンド23を夫々構築する。そして、(c)に示すように前記捨石マウンド23上にケーソン21を据え付けて、該ケーソン21に穿設される注入管路21aより前記空隙形成体36内に充填材を注入して遮水部35を形成する。このとき、前記捨石マウンド23内にも浸透するように充填材を注入しても良い。
【0048】
このように、前記空隙形成体36を捨石マウンド23内に埋入することにより、前記ケーソン上部より注入する充填材の通流経路が確保され容易に遮水部35を形成することができる。また該遮水部35を設けることにより、埋立側から漏洩する汚染物質含有水を確実に遮断することができる。尚、前記遮水部35は、前記捨石マウンド23を埋立側と海洋側とに分断する位置であれば何れに配置しても良いが、前記ケーソン21の荷重バランスを考慮して適宜配置する必要がある。また、前記遮水部35を複数設けることも可能である。
【0049】
また、図12及び図13に示される埋立用護岸の第9、第10の例は、前記図9に示した第8の例にかかる埋立用護岸とほぼ同様の構成を有している。即ち、これらの埋立用護岸は、前記第8の例と同様に捨石マウンド23と、該捨石マウンド内に埋入した遮水部35と、ケーソン21と、該ケーソン内に穿設した注入管路21aとを備えている。
図12に示した第9の例では、前記遮水部35が横置円筒形状となっており、前記捨石マウンド23の長手方向に平行に2本配設されている。該遮水部35は、空隙形成体35の空隙内に充填材を保持して形成され、前記捨石マウンド23を海洋側と埋立側とに分断するように配置されている。このように、前記遮水部35を円筒形状とすることにより、前記ケーソンによる荷重バランスを良好とすることができ、護岸の安定性を向上させる。
図13に示した第10の例では、前記遮水部35を捨石マウンド23の中央に一列のみ配設した構成としている。これにより、かかる実施例における護岸構築において簡易化が図れる。
【0050】
図14は、本発明による空隙形成体を具備した場合の埋設用護岸の第11の例を示す断面図で、かかる埋立用護岸は、海底地盤24上に敷設した樹脂性の空隙形成体36と、該空隙形成体36に充填された充填材37と、該空隙形成体36の上部に据え付けられたケーソン21とを備えている。
前記空隙形成体36は平面板状で所定肉厚を有しており、前記ケーソン21のフーチング22の幅より広幅となるように敷設されている。かかる空隙形成体36の表面は被覆シートにより覆ってもよく、これにより前記充填材の注入時に該充填材が外部に漏出することを防止できる。
【0051】
前記第11の例にかかる埋立用護岸の構築方法は、図15(a)に示されるように、まず護岸を設置する海底地盤24上に空隙形成体36を敷設し、次に(b)に示されるように該空隙形成体36の空隙内に充填材37を注入する。さらに、(c)に示されるように、前期空隙形成体36の上部にケーソン21を設置する。
かかる実施例によれば、汚染物質の漏洩を最小限に抑えることができるとともに、施工工程を削減することができるため、埋立用護岸の構築を簡易化することが可能となる。即ち、近年推奨されているマウンドレス化に対応した埋立用護岸を提供することができる。
【0052】
図16に示した第11の例は前記第1の同様に、海底地盤24上に敷設した平面板状の空隙形成体36と、該空隙形成体36の空隙内に充填された充填材37と、該空隙形成体36上に据え付けられたケーソン21と、を有している。さらに、かかる実施例では該空隙形成体36内に、球状若しくは横置円筒状の硬質支持体38を埋め込んだ構成となっている。該硬質支持体38は、前記空隙形成体36の肉厚と略同じ径を有し、前記ケーソン21の荷重を支持可能に複数設置されている。
【0053】
これにより、かかる埋立用護岸の安定性が向上する。特に、前記支持体38は球状若しくは円筒状であるため、該支持体38は前記ケーソン21及び海底地盤24と点接触若しくは線接触となり、地震等の揺動エネルギーを吸収するのでケーソン21の耐震性を高めることができる。尚、かかる実施例において、前記ケーソン21に注入管路21aを穿設し、該ケーソン21を据付け後に前記空隙形成体36に充填材を注入しても良い。
【0054】
次に、上記説明した埋立用護岸底部の遮水性の検証を行うこととする。図17(a)に示した供試体を用い、(b)に示される透水試験装置により実験を行った。
埋立用護岸底部の捨石マウンド23の模擬材料として砕石53を用いた。砕石53は平均粒径が約20mm、均等係数が約1mmのものを使用した。該砕石53を実際の捨石マウンド23と同等の条件で積上げ、その間隙を遮水性の充填材で充填した。該充填材57には、海水中での不分離性、充填性等の検討結果から水溶性高分子系、非水溶性高分子系、セメント系の3種類の材料を選択した。また、砕石、充填材混合供試体60の寸法は、幅20cm、高さ20cm、長さ(透水方向)20cmとした。
【0055】
さらに、前記供試体60には、充填材との付着力が高い立体網状成形樹脂(空隙形成体)56を砕石53間に挟み込み、充填材57を注入して該充填材57を主体とする層を形成した。
図17(b)に示される遮水性能確認試験装置61は、止水用ラバー64を備え、前記供試体60を保持する把持部63と、水圧計62を具備する高圧水室65と、を備えており、これにより前記供試体60の透水係数を算出する。
水圧の調整は定量ポンプで行い、水圧と流量が定常状態となった時点での透水係数をダルシー則に従い以下の方法で算出した。
【0056】
定常状態での単位時間当たりの流出量をQ(cm/sec)、水頭差をH(cm)、供試体長さをL(cm)、供試体の断面積をA(cm2)とすると、ダルシー則により、下記式(1)及び式(2)が成立する。
Q=kiA=k(H/L)A, k:透水係数 …(1)
すなわち
k=QL/HA(cm/sec) …(2)
さらに、埋立用護岸として図9に示したようなケーソン式護岸と、従来より用いられている二重鋼管矢板式護岸につき2次元解析モデルを作成し、等価な透水係数を求めた。等価透水係数は、ケーソン式護岸が5.98×10−7cm/sec、二重鋼管矢板式護岸が1.93×10−6cm/secとなった。このとき、前記二重鋼管矢板式護岸の中詰め材は一般に用いられる細砂を想定し、透水係数を1.0×10−3cm/secとした。
【0057】
図18に遮水性能確認試験より、ダルシー則を用いて透水係数に換算した結果を示す。図中Aは、二重鋼管矢板の継ぎ手部の透水係数(層厚50cm、透水係数1.0×10−6cm/sec)をケーソンの幅(20m)に換算したものである。この図より、前記立体網状成形樹脂を挟持しない場合には継ぎ手の遮水性能に及ばないが、非水溶性高分子と付着力の高い立体網状成形樹脂56のような材料を挟持することにより、2オーダー程度透水係数を小さくすることが可能であった。これは、立体網状成形樹脂56を用いない場合、表面を海水で湿らせた砕石53と充填材57との付着力が弱いため、砕石53に沿って水みちができてしまうが、充填材との付着力が高い材料を挟み込むことにより、砕石53と充填材57との間の水みちを断ち切る効果が得られたためと考えられる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、海底地盤上に構築された捨石マウンド上にケーソンを据え付けて、埋立地を区画するための埋立用護岸を構築する際、捨石マウンドに遮水性で可撓性の充填材を注入するようにしたから、廃棄物で埋立を行う際においても、捨石マウンドの隙間が充填材によって充填されることになって、捨石マウンドを通って廃棄物中の汚染物質が埋立地側から海側へ漏出することを防止することができるという効果がある。そして、充填材は可撓性を備えているから、充填材が捨石マウンドの動きに追従することになって、充填材にひび割れなどの不具合箇所が生じることが極めて少なく、この結果、捨石マウンド23からの漏出を極めて良好に防止することができる。
【0059】
本発明では、充填材として、アクリル系モノマーにアクリル樹脂、アクリルオリゴマー等の樹脂成分を溶解した常温硬化型アクリル系樹脂液に無機骨材を配合した充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、及び水中不分離セメントにクロロプレンなどのゴム成分を添加した充填材のうちの一つを用いるようにしたから、捨石マウンドを被覆材で覆わなくても、充填材の注入に当たって、充填材が海水中に流れだすことがない。
本発明では、ケーソンに予め充填材を捨石マウンドに注入するための注入経路を形成しておくようにしたから、捨石マウンドへの充填材の注入を容易に行うことができるという効果がある。
【0060】
また、より確実な汚染物質の漏洩防止を可能とした発明として、空隙形成体に充填材を注入した遮水部を捨石マウンド内に設けることにより、ケーソン荷重や地震による捨石マウンドのズレやヒビ割れが発生した場合においても、汚染物質を海洋側に漏出することを確実に防ぐことができる。
さらに、捨石マウンドの代りに充填材を注入した空隙形成体を敷設することにより、施工工程を減らすことができ護岸構築を簡易化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による埋設用護岸の第1の例を示す断面図である。
【図2】図1に示す埋立用護岸を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図3】本発明による埋設用護岸の第2の例を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図4】本発明による埋設用護岸の第3の例を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図5】本発明による埋設用護岸の第4の例を構築する際の方法を説明するための概要図である。
【図6】本発明による埋設用護岸の第5の例を示す断面図である。
【図7】本発明による埋設用護岸の第6の例を示す断面図である。
【図8】本発明による埋設用護岸の第7の例を示す断面図である。
【図9】本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第8の例を示す断面図である。
【図10】遮水部を形成する樹脂性空隙形成体の斜視図である。
【図11】図9の第8の例に係る埋設用護岸の構築工程を示す図である。
【図12】本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第9の例を示す断面図である。
【図13】本発明による遮水部を具備した場合の埋設用護岸の第10の例を示す断面図である。
【図14】本発明による空隙形成体を具備した場合の埋設用護岸の第11の例を示す断面図である。
【図15】図14の第11の例に係る埋設用護岸の構築工程を示す図である。
【図16】本発明による空隙形成体を具備した場合の埋設用護岸の第12の例を示す断面図である。
【図17】本発明の遮水部を具備した埋設用護岸の透水試験における供試体の斜視図(a)、透水試験装置の概略図(b)である。
【図18】透水試験結果を示すグラフ図である。
【図19】従来の埋設用護岸の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
21 ケーソン
22 張出部(フーチング)
23 捨石マウンド
24 海底地盤
25 被覆材(被覆シート)
21a 注入管路
35 遮水部
36 空隙形成体
37 充填材
38 硬質支持体
Claims (16)
- 海底地盤上に構築された捨石マウンドと、該捨石マウンド上に据え付けられたケーソンとを備えた埋立地を区画するための埋立用護岸であって、前記捨石マウンドには遮水性で可撓性の充填材が注入されていることを特徴とする埋立用護岸。
- 前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく、該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、該空隙形成体の空隙内に前記充填材を注入して遮水部を形成することを特徴とする請求項1記載の埋立用護岸。
- 海底地盤上に構築された捨石マウンドと、該捨石マウンド上に据え付けられたケーソンとを備えた埋立地を区画するための埋立用護岸であって、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく、該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材を注入して遮水部を形成することを特徴とする埋立用護岸。
- 海底地盤上に敷設された樹脂性の空隙形成体と、該空隙形成体上に据え付けられたケーソンとを備え、該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材が注入されていることを特徴とする埋立用護岸。
- 前記空隙形成体内に球状若しくは円筒状支持体を設け、前記ケーソンの荷重を支持することを特徴とする請求項4記載の埋立用護岸。
- 前記充填材として、アクリル系樹脂を用いた充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材、及び水中不分離セメントにゴム成分を添加した充填材のうちの一つが用いられるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の埋立用護岸。
- 前記捨石マウンドを覆う被覆材を備え、前記ケーソンは前記被覆材を介して前記捨石マウンド上に据え付けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の埋立用護岸。
- 前記充填材として、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材を用いるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の埋立用護岸。
- 前記ケーソンには前記充填材を前記捨石マウンドに注入するための注入経路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の埋立用護岸。
- 埋立地を区画するための埋立用護岸を構築するための方法であって、海底地盤上に捨石マウンドを構築する第1のステップと、該捨石マウンド上にケーソンを据え付ける第2のステップと、前記捨石マウンドに遮水性で可撓性の充填材を注入する第3のステップとを有することを特徴とする埋立用護岸の構築方法。
- 前記第1のステップにて前記捨石マウンドを構築する際に、前記捨石マウンドの埋立地側と海洋側とを分断するごとく該捨石マウンド内に樹脂性の空隙形成体を埋入し、前記第3のステップにて前記充填材を前記空隙形成体の空隙内に注入することを特徴とする請求項10記載の埋立用護岸の構築方法。
- 前記埋立地を区画するための埋立用護岸を構築するための方法であって、樹脂性の空隙形成体を海底地盤上に敷設して該空隙形成体の空隙内に遮水性で可撓性の充填材を注入する第1のステップと、前記空隙形成体上にケーソンを据え付ける第2のステップとを有することを特徴とする埋立用護岸の構築方法。
- 前記充填材として、アクリル系樹脂を用いた充填材、水中不分離セメントにゴムアスファルトを配合した充填材、シリコンの充填材、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材、及び水中不分離セメントにゴム成分を添加した充填材のうちの一つが用いられるようにしたことを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載の埋立用護岸の構築方法。
- 前記第1のステップの後、前記捨石マウンドを被覆材で覆う第4のステップを有することを特徴とする請求項10若しくは11に記載の埋立用護岸の構築方法。
- 前記充填材として、親水性重合硬化型溶液に、少なくとも繊維、ゴムアスファルト、アスファルト、水中不分離セメントのいずれか一成分を配合した充填材を用いるようにしたことを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載の埋立用護岸の構築方法。
- 前記第3のステップでは、前記ケーソンに予め形成された注入経路を介して前記充填材を前記捨石マウンドに注入するようにしたことを特徴とする請求項10若しくは11に記載の埋立用護岸の構築方法。
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