JP5889014B2 - 竪型粉砕装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉砕ローラと回転テーブルにより固体原料を粉砕し、分級装置により所定の粒度分布に調整することが可能な竪型粉砕装置に係り、特に固体原料として脆性原料(例えば石炭)や塑性変形しやすい原料(例えば、草木に代表されるバイオマス)の両方の粉砕に対応可能な竪型粉砕装置に関するものである。
バイオマスは、燃料中にNが少なく揮発分が多いことから、石炭などの化石燃料との併焼あるいは混焼することによって低NO、低未燃分の燃焼が可能であり、近年、化石燃料使用の燃焼ボイラでのCO排出削減策の一つとしてバイオマスを副燃料として用いる燃焼技術が注目されている。
燃料として微粉炭を燃焼させる火力発電用の石炭焚きボイラプラントにおいて、燃料供給装置には竪型粉砕装置が使用されている。ここでは、粉砕する固体原料は、脆性原料として石炭、塑性変形しやすい原料としてバイオマスの例を示している。
図14は、従来の石炭専用竪型粉砕装置の概略構成図である。この竪型粉砕装置は、回転テーブル2を回転駆動させる駆動部A、回転テーブル2と粉砕ローラ3の噛み込みにより石炭あるいはバイオマスの被粉砕物60を粉砕する粉砕部B、その粉砕部Bの上部に設置されて石炭あるいはバイオマスの粉砕粒子を任意の粒度に分級する分級部C、及び分級部Cより送られてきた微粉炭あるいは微粉バイオマスをボイラに接続された複数の分配管31へ分配する分配部Dとから主に構成されている。
次に、図14を用いてこの竪型粉砕装置の動作について説明する。供給管1より供給された石炭あるいはバイオマスの被粉砕物60は、矢印で示すように回転テーブル2の中心部に落下する。その回転テーブル2は、減速機50を介して駆動モータ51に接続されており、その駆動モータ51により回転駆動している。
粉砕部Bに落下した被粉砕物60は、回転テーブル2とタイヤ状の粉砕ローラ3との間に噛み込まれて粉砕される。粉砕された石炭あるいはバイオマスの粉砕粒子群(以下、粒子群と略記する)69は回転テーブル2の周囲に設けられたスロート42から導入される一次空気を兼ねた搬送用気体61によって上方に吹き上げられる。図14では、回転テーブル2と共にスロート42が回転する回転式旋回流スロートを示している。
吹き上げられた粒子群69のうち、粒径が大きい粒子は分級部Cへと搬送される途中で重力により落下し、粉砕部Bに戻される(一次分級)。分級部Cに到達した粒子群は、固定フィン12および回転フィン21により粒子に旋回力が与えられ、所定の粒径以下の微粒子64と所定粒径を越えた粗粒子63とに分離される(二次分級)。
粗粒子63は回収ホッパ11を通して粉砕部Bへ落下して、再び粉砕される。一方、分級部Cを通過した微粒子64は、分配器30において複数の分配管31に分配されて、図示しないボイラへ送られる。図14中の分級機には、固定フィン12と回転フィン21の中間に下降流形成筒体25を設けた例を示している。特開2000-51723号公報(特許文献1)によると、この下降流形成筒体25は微粒子64中の粗粒子63の混入割合を低下させる機能を有する。
図15は、従来、DE10317437A1(特許文献2)で提案された竪型粉砕装置の概略構成図である。
この竪型粉砕装置の概略構成は図14に示した竪型粉砕装置とほぼ同様であり、相違する点は図15に示すように固定フィン12の下部から粉砕ローラ3の外側近くまで延びた分割円筒体43を設けて、その分割円筒体43とハウジング46の間に筒状の狭い通路44を形成した点である。分割円筒体43は常時固定状態にあり、前記通路44はスロート42の上方から固定フィン12の外周まで延びている。
特開2000-51723号公報 DE10317437A1
石炭焚き火力発電所で用いられる竪型粉砕装置の粉砕装置出口粒度は、微粉炭の場合、一般的には200メッシュ篩通過率は70〜80%である。ところが、塑性変形しやすい粉砕物(例えば木や草等のバイオマス)の場合は、ローラでの粉砕が困難であり微粉が生成され難い。よって、図14に示す従来の石炭専用竪型粉砕装置でバイオマスを粉砕すると、分級機により粗粒子が粉砕装置内に滞留し、そのために差圧ならびに動力が増加するという問題がある。
この問題を解決するために図15に示すように、ハウジング46の内側に分割円筒体43を設置して、その分割円筒体43とハウジング46の間に粉砕した粒子群と搬送用気体61の固気二相流が吹き上がる狭い通路44を形成した粉砕装置が提案されている。この狭い通路44により前記固気二相流の空塔速度が増加するので、粉砕した粒子群を粉砕装置系外に排出しやすくなる。
ところが、粉砕部を通過後の粒子は、回収ホッパ11の上端部よりも上の開口部45が広いため(固定フィン21の高さ分)、その所を通過するときに空気流速が遅くなり、粗粒子が回収ホッパ11へ落下し、粉体層差圧は石炭粉砕時よりも高くなるという課題が残る。
それに加えて、前記分割円筒体43は粉砕ローラ3近くまで延びた長いものであるから、粉砕ローラ3やそれを支持する支持部材など各種部材に干渉するため、分割円筒体43の施工が困難であり、また、点検等で粉砕装置を分解する際に分解しづらいなどの欠点もある。
さらに一般的に、粉砕装置の定期点検や故障時、バイオマスのような塑性変形しやすい材料を粉砕する竪型粉砕装置は、脆性材料である石炭の粉砕にも使用したいという要望、すなわち、塑性変形しやすい材料の粉砕にも、また、脆性材料の粉砕にも適用できる竪型粉砕装置の要望が高まっている。
本発明はこのような技術背景においてなされたものであり、その目的は、塑性変形しやすい材料の粉砕にも、また、脆性材料の粉砕にも適用でき、しかも装置内の差圧ならびに動力の軽減ができる効率の良い竪型粉砕装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、
回転テーブルと、
その回転テーブルの上に被粉砕物を供給する供給管などの供給手段と、
前記回転テーブル上の周方向に複数個設置された粉砕ローラと、
前記回転テーブルの外周に設けられて搬送用気体を上方に噴出するスロートと、
前記回転テーブルと粉砕ローラの間の噛み込みにより前記被粉砕物を粉砕して粉砕粒子群を生成し、その粉砕粒子群を前記搬送用気体で噴き上げて、粉砕粒子群を粗粒子と微粒子に分級する複数枚の回転フィンと、
その回転フィンの下方に配置されて、前記回転フィンによりはじき出された粗粒子を回収して前記回転テーブル上に戻す回収ホッパと、
前記回転テーブル、供給手段、粉砕ローラ、スロート、回転フィン、回収ホッパを収容するハウジングと、
前記回転フィンの間を通過した微粒子を装置外に取り出す排出管などの微粒子排出手段を備えた竪型粉砕装置を対象とするものである。
そして本発明の第1の手段は、
前記回収ホッパの上端部の径方向外側から下方に向けて延びた下部円筒部材と、
前記ハウジングの天井部から下方に向けて延びて前記回転フィンの径方向外側配置された上部円筒部材を備え、
前記下部円筒部材の上端部と前記上部円筒部材の下端部とは上下方向に間隔を空けて配置され、
前記下部円筒部材の配置により、前記ハウジングと下部円筒部材の間に縮流上昇方向通路が形成され、
かつ、前記上部円筒部材の配置により、前記ハウジングの天井部と前記下部円筒部材の上端部の間の空間部の一部を仕切り、前記上部円筒部材の下端部と下部円筒部材の上端部との間に縮流装置中央部方向通路が形成されて、
前記縮流上昇方向通路と縮流装置中央部方向通路が連通するようになっていることを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記上部円筒部材の下端部と前記下部円筒部材の上端部が互いに略対向するように配置されることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1または2の手段において、
前記上部円筒部材が前記ハウジングの天井部に対して取り外し可能になっており、
塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記ハウジングの天井部に取り付け、脆性の被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記ハウジングの天井部から外せる構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1または2の手段において、
前記上部円筒部材が前記ハウジングの天井部に昇降可能に取り付けられており、
塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記天井部から下降させ、脆性の被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記天井部から上昇させる構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第3または4の手段において、
塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合に、
前記スロートの上端部から前記下部円筒部材の上端部までの距離をH1、前記下部円筒部材の軸方向長さをH2としたときの前記H1に対する前記H2の比率α(=H2/H1)が0.2≦αに規制され、
かつ、前記ハウジングの天井部から前記下部円筒部材の上端部までの距離をL1、前記上部円筒部材の軸方向長さをL2としたときの前記L1に対する前記L2の比率β(=L2/L1)が0.25≦β≦0.8に規制されていることを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第1または2の手段において、
前記上部円筒部材が、周方向に多数枚に分割された回動可能な板状の円筒構成部材から構成されており、
塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は、前記各円筒構成部材を回動させて互いに閉めることにより、円筒形状の前記上部円筒部材を形成し、
脆性の被粉砕物を粉砕する場合は、前記各円筒構成部材を回動させて開くことにより、円筒構成部材と円筒構成部材の間に隙間を形成する構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第7の手段は前記第6の手段において、
前記ハウジングの天井部から前記下部円筒部材の上端部までの距離をL1、前記上部円筒部材の軸方向長さをL2としたときの前記L1に対する前記L2の比率β(=L2/L1)が0.25≦β≦0.8に規制されていることを特徴とするものである。
本発明の第8の手段は前記第1ないし第7のいずれかの手段において、
前記回転フィンと前記上部円筒部材の間に、下降流形成筒体を設けたことを特徴とするものである。
本発明の第9の手段は前記第1ないし第8のいずれかの手段において、
前記回転フィンの径方向外側に固定フィンを設け、その固定フィンの上端部は前記ハウジングの天井部に取り付けられ、前記固定フィンの下端部は前記部円筒部材の上端部または回収ホッパの上端部に接続され、
前記固定フィンの径方向外側または径方向内側に前記上部円筒部材が取り外し可能または昇降可能に設置されていることを特徴とするものである。
本発明の第10の手段は前記第1ないし第9のいずれかの手段において、
前記回転フィンの回転数が切り替え可能になっており、
前記塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は、前記脆性の被粉砕物を粉砕する場合よりも前記回転フィンの回転数を遅くする構成になっていることを特徴とするものである。
本発明の第11の手段は前記第1ないし第10のいずれかの手段において、
前記脆性の被粉砕物が石炭で、前記塑性変形しやすい被粉砕物バイオマスであることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、バイオマスのような塑性変形しやすい材料の粉砕にも、また、石炭のような脆性材料の粉砕にも適用でき、しかも装置内の差圧ならびに動力の軽減ができる効率の良い竪型粉砕装置の提供が可能となる。
本発明の第1実施例に係る竪型粉砕装置の概略構成図である。 (a)は従来の竪型粉砕装置、(b)は本発明の第1実施例に係る竪型粉砕装置の上部における粒子群の流れ状態を示す模式図である。 石炭粉砕を基準としたときのバイオマス粉砕時の粉体層差圧を比較して示した図である。 バイオマス粉砕時における下部円筒部材の長さ比率αが粉体層差圧におよぼす影響を示した特性図である。 バイオマス粉砕時における上部円筒部材の長さ比率βと粉体層差圧(石炭粉砕時を基準=1)の関係を示す特性図である。 バイオマス粉砕時における上部円筒部材の長さ比率βと分級機差圧(石炭粉砕時を基準=1)の関係を示す特性図である。 従来の竪型粉砕装置と本発明の第1実施例に係る竪型粉砕装置における装置出口の微粉炭200メッシュ篩通過率を比較して示す特性図である。 従来の竪型粉砕装置と本発明の第1実施例に係る竪型粉砕装置における装置出口の100メッシュ篩上残率を比較して示す特性図である。 本発明の第2実施例に係る竪型粉砕装置を説明するための図で、同図(a)はバイオマス粉砕時の円筒構成部材の状態を示す平面概略構成図、同図(b)は同図(a)の矢印X方向から視た縦断面概略構成図、同図(c)は石炭粉砕時の円筒構成部材の状態を示す平面概略構成図、同図(d)は同図(c)の矢印Y方向から視た縦断面概略構成図である。 本発明の第3実施例に係る竪型粉砕装置を説明するための縦断面概略構成図で、同図(a)はバイオマス粉砕時の状態、同図(b)は石炭粉砕時の状態を示している。 本発明の第4実施例に係る竪型粉砕装置の縦断面概略構成図である。 本発明の第5実施例に係る竪型粉砕装置の縦断面概略構成図である。 本発明の第6実施例に係る竪型粉砕装置の縦断面概略構成図である。 従来の石炭専用竪型粉砕装置の概略構成図である。 従来提案された竪型粉砕装置の概略構成図である。
次に本発明の実施例について図と共に説明する。
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例に係る竪型粉砕装置の概略構成図である。以下の実施例で
は、脆性粉砕原料として石炭を、塑性変形しやすい原料としてバイオマスを、それぞれ用
いる場合について説明する
図1に示すようにこの竪型粉砕装置は、駆動部Aと、粉砕部Bと、分級部Cと、分配部Dとから主に構成されている。
前記駆動部Aでは、竪型粉砕装置の外側に設置された回転テーブル駆動用モータ51から回転テーブル用減速機50に回転力を伝達し、その減速機50の回転力をそれの上部に設置されている回転テーブル2に伝達する仕組みになっている。
前記粉砕部Bでは、回転テーブル2の上に円周方向に沿って等間隔に複数個配置された粉砕ローラ3を加圧フレーム5、ローラピボット7ならびにローラブラケット6で支持している。竪型粉砕装置の外側に設置された油圧シリンダなどの加圧装置9により、加圧ロッド8を介して竪型粉砕装置の内側に設置された加圧フレーム5を下側に引っ張ることで、加圧フレーム5の下部に設置されているローラブラケット6に粉砕荷重を加えている。回転テーブル2の中央上面には、センターコーン70が設けられている。
回転テーブル2の回転により各粉砕ローラ3が連れ回りし、供給管1から投入された石炭やバイオマスなどの被粉砕物60を、回転テーブル2と粉砕ローラ3の噛み込み部で粉砕する。
前記分級部Cは粉砕部Bの上部に設置されており、多数枚の回転フィン21を有する回転式分級機構20を備えている。各回転フィン21は、供給管1の外周に配置された中空状の回転軸22により円周方向に等間隔に配置・支持されており、その回転軸22を介して回転フィン駆動用モータ23によって回転駆動される。
また、回転フィン21の下方には、回転フィン21の下端部より若干離れた位置にすり鉢状をした回収ホッパ11が配置されている。この回収ホッパ11は、ハウジングの天井部10または側面部から梁等で支持されており、回収ホッパ11の上端部の径は回転フィン21の径よりも若干大きくなっている。
回収ホッパ11の上端部の径方向外側から下方に向けて、円筒形状をした下部円筒部材100が設置されて、その下部円筒部材100とハウジング46の間に幅狭で下方から上方に向かって延びたストレートな縮流上昇方向通路52が筒状に形成される。この下部円筒部材100も、ハウジングの天井部10または側面部から梁等で支持されている。
また、回転フィン21の径方向外側には、ハウジング46の天井部10から下方に向けて円筒形状をした上部円筒部材101を吊り下げ、この上部円筒部材101の配置により、ハウジング46の天井部10と前記下部円筒部材100(回収ホッパ11)の上端部の間の空間部が一部分で仕切られた形になっている。そして、上部円筒部材101の下端部と下部円筒部材100(回収ホッパ11)の上端部の間に、円周状の装置中央部方向通路47が回転フィン21を臨むように形成される。
図1に示すように、前記縮流上昇方向通路52と装置中央部方向通路47は連なって形成されている。
前記分配部Dは回転式分級機構20の上方に設置されており、分配器30と、ボイラ側に延びた複数の分配管31から構成されている。
なお、図中の40は1次空気ダクト、41は1次空気ウィンドボックス、53はヨークである。前述の供給管1、回転テーブル2、粉砕ローラ3、回収ホッパ11、回転フィン21、スロート42などの各種部材がハウジング46に収容されている。
図1では、スロート42が回転テーブル2に取り付けられて、回転テーブル2と共に回転する回転式旋回流スロートを示しているが、スロート42をハウジング46側に取り付けた、固定式旋回流スロートとすることも可能である。
(竪型粉砕装置の動作説明)
次に、図1を用いてこの竪型粉砕装置の動作について説明する。
供給管1より供給された石炭やバイオマスなどの被粉砕物60は、矢印で示すように回転テーブル2の中央部に落下する。その回転テーブル2は、減速機50を介して駆動用モータ51により接続されて、回転駆動している。
回転テーブル2上に落下した被粉砕物60は、回転に伴う遠心力によって回転テーブル2上を渦巻き状の軌跡を描いて外周部へ移動され、回転テーブル2とタイヤ状の粉砕ローラ3との間に噛み込まれて粉砕される。粉砕によって生成した粒子群69は回転テーブル2の周囲に設けられたスロート42から導入される搬送用気体61によって上方に吹き上げられる。吹き上げられた粒子群69のうち粒度の大きいものは、分級部Cに搬送される途中で重力により落下し、粉砕部Bへと戻される(一次分級)。
分級部Cに到達した粒子群69は回転フィン21により所定の粒度以下の微粒子64と所定粒度を越えた粗粒子63とに分離され(二次分級)、回転フィン21によりはじき出された粗粒子63は回収ホッパ11で回収され、粉砕部Bへ落下して再び粉砕される。一方、回転フィン21を通過した微粒子64は、分配器30において複数の分配管31に分配されて、製品微粉として図示しないボイラへ気相搬送される。
次に図2を用いて、下部円筒部材100と上部円筒部材101の作用効果について説明する。図2(a)は従来の竪型粉砕装置、図2(b)は本発明の実施例に係る竪型粉砕装置の上部における粒子群69の流れ状態を示す模式図である。
回転テーブル2と粉砕ローラ3の噛み込みにより粉砕された粒子群69は、スロート42から噴出する搬送用気体61により固気二相流の状態で粉砕部Bへと導かれる。
図2(a)に示すように従来の竪型粉砕装置は、ハウジング46と回収ホッパ11の間の空間部が広いため、粒子群69の流速が遅く、粒子に働く重力により粗粒子63が落下しやすい(一次分級効果)。
また、分級部に到達した粒子群69は固定フィン12による遠心力分級を受け、固定フィン12と回転フィン21の間にある下降流形成筒体25で流れの方向が変り、下降流となり、微粒子64と粗粒子63に分離される(二次分級効果)。
従来の竪型粉砕装置では、一次分級と二次分級を受けて粉砕部へ落下する粗粒子63の量が多く、粉砕部での粉体層が厚くなり差圧ならびに動力の増加を招いていた。特にバイオマスを粉砕する場合、粉砕ローラ2での粉砕が困難であるため、石炭よりも循環する粒子量が増え、粉体層差圧ならびに動力はさらに増大する傾向にある。
これに対して本発明の実施例に係る竪型粉砕装置は、図2(b)に示すように、スロート42から吹き上げられた粒子群69は、固気二相流の状態で粉砕部Bを上昇する。上昇した粒子群69は、ハウジング46と下部円筒部材100の間に形成された縮流上昇方向通路52内に押し込まれる。この縮流上昇方向通路52内の空塔速度が従来の竪型粉砕装置よりも速いため、粒子群69に働く慣性力が重力よりも強いので、粗粒子63と微粒子64に分離しにくい。
この下部円筒部材100には、ハウジング46と回収ホッパ11の間の空間部を仕切る機能と、回収ホッパ11と下部円筒部材100の間の空間部に粒子群69が流れないようにする機能と、ハウジング46と下部円筒部材100間の流速を速くする機能と、ハウジング46と下部円筒部材100間の流れを整流する機能を兼ね備えている。
さらに本実施例では、従来の固定フィン12と下降流形成筒体25を除去し、固定フィン12が設置されていた付近に円筒形状の上部円筒部材101を天井部10から下方に向けて設置している。これにより、天井部10から上部円筒部材101(回収ホッパ11)間の円筒状の流路断面積が小さくなり、縮流装置中央部方向通路47が形成されて、粉砕装置中央部方向に向かう流速が増加する(縮流が発生する)。
この上部円筒部材101には、空間部を仕切る機能と、固気二相流が通過する流路断面積を小さくして、流速を速くする機能とがある。
よって、粒子に働く慣性力が強くなり、従来の粉砕装置の場合よりも多くの粒子が回転フィン21をすり抜ける。これより、粉砕装置系外への粒子の排出が増加するので、粉砕装置内の循環量が減少する。循環する粒子が減少するため、粉砕部Bの粉体層が少なくなり、粉体層差圧ならびに動力が減少する効果がある。
図3は、石炭粉砕を基準としたときのバイオマス粉砕時の粉体層差圧を比較して示した図である。なお、材料を粉砕している際に計測した図1に示す1次空気ウィンドボックス41と粉砕部Bの差圧(ΔP1−1)と、材料を粉砕していないときに計測した1次空気ウィンドボックス41と粉砕部Bの差圧(ΔP1−2)の差を、粉砕部での粉体層差圧ΔP1という。
図3の結果から明らかなように、バイオマス粉砕時、従来の粉砕装置を用いると粉体層差圧は石炭粉砕の場合よりも増加する。これは前述したように、粒子が粉砕装置系外に排出されにくいためである。また、図15に示す竪型粉砕装置(特許文献2記載の粉砕装置)を用いても、粉砕部を通過後の粒子は、回収ホッパ11の上端部よりも上の開口部45が広いため(固定フィン21の高さ分)、その所を通過するときに空気流速が遅くなり、粗粒子が回収ホッパ11へ落下し、粉体層差圧は石炭粉砕時よりも高くなる。
これに対して本発明の実施例に係る粉砕装置では、粉砕装置内の粒子が外部へ排出されやすいため、粉体層差圧は石炭粉砕時と同等以下になり、従来ならびに特許文献2記載の粉砕装置に比べて差圧ならびに動力が減少する効果がある。
図4は、バイオマス粉砕時の下部円筒部材100の無次元長さ比率α(=H2/H1)が相対粉体層差圧(石炭粉砕時基準=1とする)におよぼす影響を示した特性図である。この下部円筒部材100の無次元長さ比率αは、図2(b)に示すように、回収ホッパ11の上面からスロート42の上面までの長さH1に対する、下部円筒部材100の軸方向長さH2の比率α(H2/H1)を示している。
図4中に示している特性曲線は、上部円筒部材101の長さ比率(分級部閉止率)β=0.25の場合の下部円筒部材100の無次元長さ比率αと粉体層差圧との関係を示す特性曲線である。なお、この上部円筒部材101の長さ比率βは、図2(b)に示すように、天井部10の下面から下部円筒部材100の上面までの長さL1に対する、上部円筒部材101の軸方向長さL2の比率(=L2/L1)である。この上部円筒部材101の長さ比率β=0.25は、差圧低減に効果が現れた最小の比率βである。詳細は後述する。
この図4の結果から明らかなように、下部円筒部材100の長さ比率αが徐々に増加するのに伴い粉体層差圧αは減少する傾向にあり、下部円筒部材100の長さ比率α=0.2で石炭粉粉砕時以下(≦1)になる。ただし、下部円筒部材100の長さ比率α=0.5を超えると粉体層差圧αはほぼ一定となり、それ以上の減少効果は期待できない。
図4中の様々な上部円筒部材101の長さ比率βに及ぼす影響を考慮すると、下部円筒部材100の長さ比率αは以下の範囲が良いことが分かった。これは、
(a)下部円筒部材100の長さが長すぎると(例えば長さ比率α>0.5)、点検等で粉砕装置を分解する際に分解しづらいこと、
(b)下部円筒部材100の長さが長すぎると(例えば長さ比率α>0.5)、粉砕ローラ3など下部の各種部材に干渉するため、施工が困難になること、
などを考慮して、下部円筒部材100の長さ比率αは0.2≦α、好ましくは0.2≦α≦0.5の範囲に規制するとよい。この下部円筒部材100の長さ比率αの規制範囲は、上部円筒部材101の長さ比率βの値を多少変更しても同じ傾向にあることが、他の実験でも確認されている。
下部円筒部材100の直径については、回収ホッパ11の上端の直径と同程度の大きさを有する。これは、上部円筒部材101との組み合わせで、回収ホッパ11の上端の空間部に流速増加を発生されるためである。
上部円筒部材101の直径については、流速増加を発生させる必要があるため、回収ホッパ11の上端部の直径と同程度あるいはそれより若干大きくする必要がある。
このような理由から本実施例では図2(b)に示すように、下部円筒部材100の直径d1≒回収ホッパ11の上端の直径d2≒上部円筒部材101の直径d3の関係に設定されている。
図5は、バイオマス粉砕時における上部円筒部材101の長さ比率βと粉体層差圧(石炭粉砕時を基準=1)の関係を示す特性図である。なお、下部円筒部材100の長さ比率αはα=0.2に特定した。下部円筒部材100の長さ比率α=0.2は、差圧低減に効果のある最小の長さである。
この図5に示されているように、上部円筒部材101の長さ比率βが徐々に増加すると、粉体層差圧は減少する傾向にある。これは、上部円筒部材101の下端部と上部円筒部材101(回収ホッパ11)の下端部の間に形成される縮流装置中央部方向通路47(図1参照)の断面積の減少に伴い、その縮流装置中央部方向通路47を通過する固気二相流(粒子郡と1次空気の混合物)の流速が速くなり、回転フィン21まで到達する粒子量が増加して、粉砕装置内を循環する粒子量が減少するため、粉体層差圧は減少すると考えられる。
この図5の結果から明らかなように、粉体層差圧が石炭粉砕時以下(≦1)となる好ましい上部円筒部材101の長さ比率βは、β≧0.25である。
一方で、上部円筒部材101の長さを長くすると、前記縮流装置中央部方向通路47を塞ぐ面積が増えて、分級機内の圧力損失が増加する。図6は、バイオマス粉砕時における上部円筒部材101の長さ比率βと分級機差圧(石炭粉砕時を基準=1)の関係を示す特性図である。なお、下部円筒部材100の長さ比率αはα=0.2に特定した。
分級機差圧ΔP2は、図1に示すよう分級部Cの入口−出口間の差圧である。
なお、この図6の結果から明らかなように、上部円筒部材101の長さ比率(分級部閉止率)βが増すと分級機差圧は増加する傾向にあり、長さ比率(分級部閉止率)βが0.8を超えると、分級機差圧(圧力損失)は急激に増加する。なお、図5ならびに図6の傾向は、下部円筒部材100の長さ比率αを多少を変更しても同様であることが、他の実験で確認されている。
この図5と図6の結果から、分級機の圧力損失を低く抑え、しかも粉体層差圧を低減するためには、上部円筒部材101の長さ比率βを下記の範囲に規制することが好ましい。
0.25≦β≦0.8
本実施例に係る竪型粉砕装置でバイオマスを粉砕する場合は、粉砕バイオマス粒子の排出をよくするため、回転フィン21は低速回転(例えば10rpm以下
程度)で運用し、一方、石炭を粉砕する場合は、粉砕装置出口の粒度精度を良くするため、高速回転(例えば50〜100rpm程度)で運用するように、回転フィン21の回転速度が切り替え可能になっている。
次に本実施例に係る竪型粉砕装置で石炭を粉砕する場合の運用について説明する。
図7は、従来の竪型粉砕装置と本発明の実施例に係る竪型粉砕装置における装置出口の微粉炭200メッシュ篩通過率を比較して示す特性図で、横軸に分級機の回転数を、縦軸に200メッシュ篩通過率を、それぞれ示している。
また、図中の点線は従来の竪型粉砕装置の特性曲線、二点鎖線は下部円筒部材100の長さ比率αを0.3に特定し、上部円筒部材101を除去した(β=0)本発明の実施例に係る竪型粉砕装置Aの特性曲線、実線は下部円筒部材100の長さ比率αを0.3に、上部円筒部材101の長さ比率βを0.5に、それぞれ特定した本発明の実施例に係る竪型粉砕装置Bの特性曲線である。
図8は、図7で説明した竪型粉砕装置を用いた場合の粗粉/100メッシュ篩上残率を比較して示す特性図で、横軸に分級機の回転数を、縦軸に100メッシュ篩上残率を、それぞれ示している。
図7と図8の結果から明らかなように、上部円筒部材101を設けない本発明の実施例に係る竪型粉砕装置Aは、200メッシュ通過率ならびに100メッシュ残率ともに従来の竪型粉砕装置と同等の性能を有している。一方、本発明の実施例に係る竪型粉砕装置B(α=0.3、β=0.5)の場合は、従来の竪型粉砕装置ならびに本発明の実施例に係る竪型粉砕装置A(α=0.3、β=0)に比べて200メッシュ通過率が減少し、100メッシュ残率は増加している。
これには下記の2つの原因がある。その1つは、下部円筒部材100を設置することで、粗粒子63が粉砕部Bから分級部Cに到達しやすくなったことである。2つ目は上部円筒部材101により回転フィン21の手前で局所的に半径方向の流速が速くなるため、回転フィン21をすり抜ける粗粒子63が多くなったためである。
この2つの原因のうち、最も粒度に悪影響を及ぼしているのは、回転フィン21の手前で局所的な流速増加を招き、粗粒子63が回転フィン21からすり抜けやすくなる上部円筒部材101であることが実験から明らかとなっている。
そのため、ハウジングの天井部10に上部円筒部材101を取り外し可能に設置して、石炭粉砕をする際には上部円筒部材101を取り除くことで(β=0)で、200メッシュ通過率ならびに100メッシュ残率ともに向上することができる。
(第2実施例)
図9(a)〜(d)は、本発明の第2実施例に係る竪型粉砕装置を説明するための図で、同図(a)はバイオマス粉砕時の円筒構成部材の状態を示す平面概略構成図、同図(b)は同図(a)の矢印X方向から視た縦断面概略構成図、同図(c)は石炭粉砕時の円筒構成部材の状態を示す平面概略構成図、同図(d)は同図(c)の矢印Y方向から視た縦断面概略構成図である。
本実施例の場合、上部円筒部材101は、周方向に多数枚に分割された板状の円筒構成部材111と、各円筒構成部材111を天井部10から回動可能に吊り下げた支持具110(同図(b)参照)とから構成されている。
バイオマス粉砕時は同図(a)、(b)に示すように、支持具110を軸として各円筒構成部材111を回動させて閉めることにより、円筒形状の上部円筒部材101を作る。これにより図1に示す第1実施例と同様に、粉砕粒子の排出性を高め、粉砕装置内部の循環粒子の減少により、粉砕装置の動力ならびに差圧を低減している。
一方、石炭粉砕時は同図(c)、(d)に示すように、支持具110を軸として各円筒構成部材111を回動させて開くことにより、円筒構成部材111と円筒構成部材111の間に隙間48を形成し(同図(c)参照)、その隙間48からは固気二相流(粒子群と1次空気の混合物)が流入する。バイオ粉砕時のように回転フィン21の近傍で局所的な流速増加が発生しなくなることから、回転フィン21への粗粒子63のすり抜けが減少する。
本実施例により、図1に示した第1実施例と比べ、短時間でバイオマス粉砕から石炭粉砕に運用を切り替えることができる。
(第3実施例)
図10は本発明の第3実施例を説明するための竪型粉砕装置の縦断面概略構成図で、同図(a)はバイオマス粉砕時の状態、同図(b)は石炭粉砕時の状態を示している。
上部円筒部材101は、上下方向において2段以上に分割されており、本実施例の場合、下段部材102と上段部材103の2段に分割されている。そして同図(a)に示すように、下段部材102の上端に係止部49aが設けられ、上段部材103の下端に係止部49bが設けられており、下段部材102を下側に延ばしたときに、係止部49aが係止部49bに当接するようになっている。
また、下段部材102の上端には支持棒121が連結され、支持棒121は昇降装置120に接続されており、昇降装置120により下段部材102が上下方向に昇降する機構になっている。
同図(a)に示すようにバイオマス粉砕時は、係止部49aが係止部49bに当接するまで昇降装置120により下段部材102を下降させて、全体として上下方向に長い上部円筒部材101を構成する。この上部円筒部材101により、回転フィン21の手前で縮流を発生させ、粉砕装置系内の粒子を積極的に排出して、粉砕装置のならびに動力ならびに差圧を低減する。
同図(b)に示すように石炭粉砕時は、回転フィン21の手前で過度な縮流を発生させないように、下段部材102をハウジングの天井部10まで上方に移動させる。それにより円筒の長さは半分になり、過度な流速増加の発生を抑制でき、粗粒子のすり抜けが減少させることができる。
本実施例により、図1に示した第1実施例と比べ、短時間でバイオマス粉砕から石炭粉砕に運用を切り替えることができる。
本実施例では上部円筒部材101を上下2段に分割して、下段部材102のみを昇降する構成になっているが、上部円筒部材101全体を昇降する構成にすることも可能である。
(第4実施例)
図11は本発明の第4実施例を説明するための竪型粉砕装置の縦断面概略構成図である。
本実施例において、図1に示す第1実施例と相違する点は、回転フィン21と上部円筒部材101の間に下降流形成筒体25を設置した点である。
本実施例において、バイオマスを粉砕する際、下降流形成筒体25の下流で上部円筒部材101の流速増加(縮流)により、下降流形成筒体25よりも下方で粒子が搬送されるため、下降流形成筒体25の設置による悪影響は小さい。
石炭を粉砕する際、上部円筒部材101を取り除くことで、回転フィン21手前での流速増加が無くなり、下降流形成筒体25により固気二相流の流れが下方に曲げられ、下降流が形成される。この下降流による慣性力および重力により粗粒子63が分離し、微粒子64中の粗粒子63の混入割合が小さくなるという効果がある。
なお、この下降流形成筒体25の設置は、前記第2、3実施例にも適用可能である。
(第5実施例)
図12は本発明の第5実施例を説明するための竪型粉砕装置の縦断面概略構成図である。
本実施例において、図1に示す第1実施例と相違する点は、固定フィン12を設置し、上部円筒部材101を固定フィン12の径方向外側に設置した点である。
図12に示すように、固定フィン12の上端部はハウジング46の天井部10に取り付けられ、固定フィン12の下端部は下部円筒部材100の上端部または回収ホッパ11の上端部に接続されている。
この実施例の場合、固定フィン12の設置により、下部円筒部材100に対して上部円筒部材101の位置が固定フィン12の略厚さ分だけずれているが、この程度のずれも含んで本発明では、上部円筒部材101の下端部と下部円筒部材100の上端部が互いに略対向しているとする。
上部円筒部材101の設置により、固定フィン12の空気流入面積が減少するため、固定フィン12での通過流速が速くなる。よって、バイオマス粉砕時、流速増加により回転フィン21に到達する粒子量が増え、粉体層差圧が減少するという効果がる。
一方、石炭粉砕時は、上部円筒部材101を除去するかあるいは上部円筒部材101を上昇することで、流路断面積が大きくなり、固定フィン12による旋回流で粗粒子64が分離されるため、微粒子64中の粗粒子63の混入割合が小さくなるという効果がある。
なお、この固定フィン12の設置は、前記第2、3実施例にも適用可能である。
(第6実施例)
図13は、本発明の第6実施例を説明するための竪型粉砕装置の縦断面概略構成図である。
本実施例において、図12に示す第5実施例と相違する点は、固定フィン12と回転フィン21の間に下降流形成筒体25を設置した点である。
図11および図12の実施例で述べたように、バイオマスを粉砕する場合、下降流形成筒体25の悪影響は無い。また、固定フィン12の径方向外側に上部円筒部材101を設置することで、固定フィン12の流路断面積が狭くなり粉砕部から吹き上がってきた粉砕粒子が縮流により回転フィン21まで到達し、排出される粒子量が増えるので、粉体層差圧は減少する。
石炭を粉砕する場合は、上部円筒部材101を除去するかあるいは上部円筒部材101を上昇する。固定フィン12ならびに回転フィン21による遠心力分級と下降流形成筒体25による慣性分級で粗粒子63が分離されるため、微粒子64中の粗粒子63の混入割合が小さくなるという効果がある。
なお、この固定フィン12と下降流形成筒体25の設置は、前記第2、3実施例にも適用可能である。
前記第5ならびに第6実施例では、上部円筒部材101を固定フィン12の径方向外側に設置したが、固定フィン12の径方向内側に設置することも可能である。
本発明の対象である石炭粉砕用の粉砕装置でバイオマスを粉砕する場合の問題として、バイオマスを石炭と同レベルの微細な粒子にまで粉砕しようとすると動力が多大になることが挙げられ、通常は、粒度を動力が過剰とならないような粗いレベルに制御している。
そうすると、分級に関しては、粗粒の割合が多くなるため、1次分級での戻り粒子の割合が増加する。即ち石炭の場合と同レベルの搬送気流をスロート42から噴き出したのでは、粉砕部に戻って滞留する粒子が増えてしまう。このため、粉砕部に滞留して粉体層差圧が増大する結果となる(図3参照)。
前記特許文献2の技術では、一般的な石炭粉砕用の粉砕装置に比べて、図15に示す分割円筒体43により1次分級部の流路が狭められており、搬送気体の流速が速くなるので、この部分での戻り粒子の量は低減できる。
しかし、その上方の2次分級部へ吹き上げられた粒子は、固定フィン12に衝突、または遠心力を与えられることで、気流から分離して回収ホッパ11を経て粉砕部へ戻るものが多くなる。
即ち、2次分級部の構成は、一般的な石炭粉砕用の粉砕装置のそれと同様なので、石炭と同様の微粒子を分級するのには都合がよいが、粗い粒子の多いバイオマスでは、2次分級部まで達したもののうち、粉砕部に戻される粒子の割合が多く、結局、粉砕部に滞留して粉体層差圧を増加させる。
これに対して本発明では上部円筒部材101により、回収ホッパ11の上端部から回転フィン21へ流入する断面積を意図的に狭くすることで縮流が発生する。粉砕部から吹き上げられた粒子は、縮流により回転フィン21側へ飛ばされ、相対的に分配管31から排出され易くなる。
また、図15に示す粉砕装置では分割円筒体43の下端部が粉砕ローラ3の懸垂・保持部材近傍まで達している。粉砕ローラ3は回転動作に伴って大きく揺れることがあり、そのために粉砕ローラ3と分割円筒体43が干渉・接触する虞がある。
また、分割円筒体43で区切られた内側の空間部には、スロート42より搬送気体が噴出して、粉砕された粉体・粒子が吹きあがるが、これらは結局、粉砕部に戻されるよりほかなく、粉体・粒子が粉砕部に溜まり易くなる。一般的な石炭粉砕用の粉砕装置と比較してこの空間部の容積が無駄になり、装置の大型化を招来する。
これに対して本発明では、下部円筒部材100を必要十分な長さにすることで、スロート42から下部円筒部材100の下端部までの距離が十分に確保される。よって、下部円筒部材100が粉砕ローラ3の懸垂・保持部材などと干渉・接触する虞はない。また、下部円筒部材100の下方で内側に向けて吹き上げられた粒子も下部円筒部材100外側へと流れる気流に乗せて2次分級部まで導くことができ、粉砕装置内の空間利用が有効的になされる。
本発明に適用可能なバイオマスとしては、例えば廃棄物系バイオマス、未利用バイオマス、資源作物(エネルギーや製品の製造を目的に栽培される植物)などがある。具体的には、廃棄物系バイオマスとしては、例えば廃棄される紙類、家畜排泄物、食品廃棄物、建設発生木材、製材工場残材、下水汚泥物などが挙げられる。未利用バイオマスとしては、例えば稲わら、麦わら、籾殻などが挙げられる。資源作物としては、例えばさとうきび、トウモロコシ、牧草などが挙げられる。
1:供給管、
2:回転テーブル、
3:粉砕ローラ、
11:回収ホッパ、
12:固定フィン、
20:回転式分級機構、
21:回転フィン、
25:下降流形成筒体、
40:搬送用気体ダクト、
42:スロート、
46:ハウジング、
47:縮流中央部方向通路、
52:縮流上昇方向通路、
60:被粉砕物、
61:搬送用気体、
63:粗粒子、
64:微粒子、
69:粉砕粒子群、
100:下部円筒部材、
101:上部円筒部材、
102:下段部材、
103:上段部材、
110:支持具、
111:円筒構成部材、
120:昇降装置、
121:支持棒、
H1:回収ホッパの上面からスロートの上面までの長さ、
H2:下部円筒部材の軸方向長さ、
L1:天井部の下面から下部円筒部材の上面までの長さ、
L2:上部円筒部材の軸方向長さ、
d1:下部円筒部材の直径、
d2:回収ホッパの上端の直径、
d3:上部円筒部材の直径。

Claims (11)

  1. 回転テーブルと、
    その回転テーブルの上に被粉砕物を供給する供給手段と、
    前記回転テーブル上の周方向に複数個設置された粉砕ローラと、
    前記回転テーブルの外周に設けられて搬送用気体を上方に噴出するスロートと、
    前記回転テーブルと粉砕ローラの間の噛み込みにより前記被粉砕物を粉砕して粉砕粒子群を生成し、その粉砕粒子群を前記搬送用気体で噴き上げて、粉砕粒子群を粗粒子と微粒子に分級する複数枚の回転フィンと、
    その回転フィンの下方に配置されて、前記回転フィンによりはじき出された粗粒子を回収して前記回転テーブル上に戻す回収ホッパと、
    前記回転テーブル、供給手段、粉砕ローラ、スロート、回転フィン、回収ホッパを収容するハウジングと、
    前記回転フィンの間を通過した微粒子を装置外に取り出す微粒子排出手段を備えた竪型粉砕装置において、
    前記回収ホッパの上端部の径方向外側から下方に向けて延びた下部円筒部材と、
    前記ハウジングの天井部から下方に向けて延びて前記回転フィンの径方向外側配置された上部円筒部材を備え、
    前記下部円筒部材の上端部と前記上部円筒部材の下端部とは上下方向に間隔を空けて配置され、
    前記下部円筒部材の配置により、前記ハウジングと下部円筒部材の間に縮流上昇方向通路が形成され、
    かつ、前記上部円筒部材の配置により、前記ハウジングの天井部と前記下部円筒部材の上端部の間の空間部の一部を仕切り、前記上部円筒部材の下端部と下部円筒部材の上端部との間に縮流装置中央部方向通路が形成されて、
    前記縮流上昇方向通路と縮流装置中央部方向通路が連通するようになっていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  2. 請求項1に記載の竪型粉砕装置において、
    前記上部円筒部材の下端部と前記下部円筒部材の上端部が互いに略対向するように配置されることを特徴とする竪型粉砕装置。
  3. 請求項1または2に記載の竪型粉砕装置において、
    前記上部円筒部材が前記ハウジングの天井部に対して取り外し可能になっており、
    塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記ハウジングの天井部に取り付け、脆性の被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記ハウジングの天井部から外せる構成になっていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  4. 請求項1または2に記載の竪型粉砕装置において、
    前記上部円筒部材が前記ハウジングの天井部に昇降可能に取り付けられており、
    塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記天井部から下降させ、脆性の被粉砕物を粉砕する場合は前記上部円筒部材を前記天井部から上昇させる構成になっていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  5. 請求項3または4に記載の竪型粉砕装置において、
    塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合に、
    前記スロートの上端部から前記下部円筒部材の上端部までの距離をH1、前記下部円筒部材の軸方向長さをH2としたときの前記H1に対する前記H2の比率α(=H2/H1)が0.2≦αに規制され、
    かつ、前記ハウジングの天井部から前記下部円筒部材の上端部までの距離をL1、前記上部円筒部材の軸方向長さをL2としたときの前記L1に対する前記L2の比率β(=L2/L1)が0.25≦β≦0.8に規制されていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  6. 請求項1または2に記載の竪型粉砕装置において、
    前記上部円筒部材が、周方向に多数枚に分割された回動可能な板状の円筒構成部材から構成されており、
    塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は、前記各円筒構成部材を回動させて互いに閉めることにより、円筒形状の前記上部円筒部材を形成し、
    脆性の被粉砕物を粉砕する場合は、前記各円筒構成部材を回動させて開くことにより、円筒構成部材と円筒構成部材の間に隙間を形成する構成になっていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  7. 請求項6に記載の竪型粉砕装置において、
    前記ハウジングの天井部から前記下部円筒部材の上端部までの距離をL1、前記上部円筒部材の軸方向長さをL2としたときの前記L1に対する前記L2の比率β(=L2/L1)が0.25≦β≦0.8に規制されていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の竪型粉砕装置において、
    前記回転フィンと前記上部円筒部材の間に、下降流形成筒体を設けたことを特徴とする竪型粉砕装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の竪型粉砕装置において、
    前記回転フィンの径方向外側に固定フィンを設け、その固定フィンの上端部は前記ハウジングの天井部に取り付けられ、前記固定フィンの下端部は前記部円筒部材の上端部または回収ホッパの上端部に接続され、
    前記固定フィンの径方向外側または径方向内側に前記上部円筒部材が取り外し可能または昇降可能に設置されていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の竪型粉砕装置において、
    前記回転フィンの回転数が切り替え可能になっており、
    前記塑性変形しやすい被粉砕物を粉砕する場合は、前記脆性の被粉砕物を粉砕する場合よりも前記回転フィンの回転数を遅くする構成になっていることを特徴とする竪型粉砕装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の竪型粉砕装置において、
    前記脆性の被粉砕物が石炭で、前記塑性変形しやすい被粉砕物バイオマスであることを特徴とする竪型粉砕装置。
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