JP5724196B2 - 竪型粉砕機 - Google Patents
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竪型粉砕機は、原料を効率的に微粉砕することができるという優れた特性を有している反面、原料の種類や粉砕条件によって、異常振動が発生するという問題点を有していた。
竪型粉砕機に発生する異常振動は、様々な原因によって誘発されるために、その振動原因に応じた様々な対策を講じる必要があり、竪型粉砕機については、従来から数多くの異常振動防止対策が提案されている。
なぜなら、原料を微粉砕する際には、竪型粉砕機内で繰り返し原料を粉砕する必要があり、機内で繰り返し粉砕される原料は、循環原料と呼ばれる。
循環原料の平均粒径は、竪型粉砕機に新たに投入される粉砕前の原料の平均粒径に比較して小さく、細かな製品を得ようとすれば、循環原料の量が必然的に増加する。即ち、原料を微粉砕しようとすれば、径の小さな循環原料が増えるので、回転テーブル上の原料層においても粒径の小さな原料の割合が増える。
しかし、原料は細かい微粉になればなるほど、多量の空気を抱え込むという性質を持っている。そのため、回転テーブル上の原料層は、粒径の小さな原料の割合が増えるとともに、空隙率の高い、所謂、嵩高い状態(嵩密度が低い状態)になる。
そのため、従来の竪型粉砕機でバイオマスを粉砕しようとすると、比重の軽い繊維質の原料は、回転テーブル上で、先に投入した原料を、うまくテーブル外周側に押し流していくことができず、その結果、原料が、回転テーブル上で滞留又は堆積する等して、蜘蛛の巣、或いは鳥の巣のような塊となってしまう場合がある。
このような塊が発生すると、原料が、回転テーブル上を、粉砕ローラ部にまで、効率良く流れていくことができなくなるので、粉砕の効率が低下する。
このような型式の竪型粉砕機を使用した場合においては、前記原料の塊は、回転テーブル上に限らず、粉砕した原料を分級機まで導くためのガス通路内においても発生し、その結果、ガス通路内におけるガスと原料の流れが阻害されるので、機内におけるガスの差圧を上昇させ、竪型粉砕機の運転効率を低下させる。
(1)回転テーブル上に投入した繊維質のバイオマス原料を、複数個の粉砕ローラによって粉砕し、該回転テーブルの下方から導入したガスにより上方に吹き上げて機外に取り出す竪型粉砕機であって、該回転テーブルの中央上方に、該回転テーブルに原料を投入するためのセンターシュートを設けて、該センターシュートの下側の部分に漏斗状のコーンを配して該コーンの下端に管状部分を形成するとともに、該センターシュートの周りにスクリュ羽根を有した回転筒を配してスクリュコンベヤを形成し、該スクリュコンベヤが該管状部分の中を挿通するように配置し、該スクリュ羽根の外径寸法について、コーンの内径に合わせるようにして、上方から下方にかけて、徐々に小さくなるようにして縮径させ、その下方部分が管状となったコーンと略同一径とし、スクリュが回転することにより原料を圧密しながら下方に搬送するスクリュコンベヤとし、かつ、該コーンと竪型粉砕機のケーシングの間の環状空間を通過するガスの速度を3m/s以上にした。
図1及び図2は本発明を理解するための参考となる第1の実施形態に係わり、図1は竪型粉砕機の全体構造を説明する図であり、図2は竪型粉砕機内を上昇するガス速度の計算式を説明する図である。図3〜図6は、本発明による第2の実施形態に係わり、図3は竪型粉砕機の全体構成を説明する図であり、図4はスクリュコンベヤとコーン下端の管状部分の関係を説明する図であり、図5はスクリュコンベヤのスクリュ羽根ピッチとコーン下端の管状部分の長さの関係について説明する図である。図6はスクリュコンベヤの回転筒の外径について説明する図である。
本発明を理解するための参考となる第1の実施形態に用いた竪型粉砕機1は、図1に示すように竪型粉砕機1の外郭を形成するケーシング1A、及び1B、竪型粉砕機1の下部に設置された減速機2Bと駆動モータ2Mによって駆動される回転テーブル2、コニカル型の粉砕ローラ5等を備えている。
また、図1に示した実施形態に用いた竪型粉砕機1は、駆動モータ2Mの駆動用電源としてインバータ電源を備えて、運転中、回転テーブル2の回転速度が任意の変更可能な可変速式の竪型粉砕機1である。
本実施形態においては、竪型粉砕機1内の上部に固定式分級羽根40を配置しており、固定式分級羽根40は、センターシュート35を中心に環状に並べられて、竪型粉砕機1の上部外周側の空間と、上部取出口39へと続く空間を区切るようにして、配列されている。
第1の実施形態においては、図1に示すように、センターシュート35の下側部分を周りから大きく囲むようにして、漏斗状のコーン50が配されている。コーン50は、漏斗型の形状となっており、その上部分の形状は、中空の略逆円錐台形状53となっており、その形状は下方に進むほど径が小さく、上方に進むほど径が大きくなって、その上端部が、機内上部に環状に並べられて設置された固定式分級羽根40の下端に支持されて固定されている。
図1に示したように、竪型粉砕機1に投入された原料(本実施形態においては木材片)は、原料投入シュート35を介して回転テーブル2の中央付近に投入される。
なお、詳細は後述するが、先に粉砕ローラ5で粉砕された後、ガスにより機内を吹き上げられて固定式分級羽根40を通過したにもかかわらず、機外に取り出されなかった原料も、コーン50に案内されて、回転テーブル2の中央付近に投入される。
従って、回転テーブル2上で粉砕された原料は、前記ガスにより吹き上げられてケーシング内を上昇するが、径が大きく重量の大きな原料は固定式分級羽根40まで到達できずに、或いは通過できずに落下することによって、竪型粉砕機1内で再度粉砕される循環原料となる。
その結果、粉砕した原料を分級機まで速やかに導くことができるので、粉砕機の運転効率を低下させない。
本実施形態に用いた竪型粉砕機1は、図3に示すように、前述した第1の実施形態と同様に、竪型粉砕機1の外郭を形成するケーシング1B、竪型粉砕機1の下部に設置された減速機2Bと駆動モータ2Mによって駆動される回転テーブル2、コニカル型の粉砕ローラ5等を備えている。
また、図1に示した実施形態に用いた竪型粉砕機1は、駆動モータ2Mの駆動用電源としてインバータ電源を備えて、運転中、回転テーブル2の回転速度が任意の変更可能な可変速式の竪型粉砕機1である。
第2の実施形態においては、竪型粉砕機1内の上部に固定式分級羽根40を配置しており、固定式分級羽根40は、センターシュート35を中心に環状に並べられて、竪型粉砕機1の上部外周側の空間と、上部取出口39へと続く空間を区切るようにして、配列されている。
以下、スクリュコンベヤ60とコーン50の構造について説明する。
本実施形態によるスクリュコンベヤ60は、図3に示したように、回転テーブル2の中央部上方に設けたセンターシュート35の周りに配した回転筒63の下側の部分に、スクリュ羽根65を取り付けることによって構成されている。
なお、竪型粉砕機1の上部に設置された図示しない駆動モータによって、回転筒63が回転することにより、スクリュコンベヤ60も回転する。
コーン50は、漏斗型の形状となっており、その上部分の形状は、中空の略逆円錐台形状53となっており、その形状は下方に進むほど径が小さく、上方に進むほど径が大きくなって、その上端部が、機内上部に環状に並べられて設置された固定式分級羽根40の下端に支持されて固定されている。
そして、コーン50の下部分の形状は、鉛直方向に延びる管径が一定の管状となって、管状部分55の開口部分が回転テーブル2の方向に向いている。
なお、後の説明を簡単にするため、コーン50の内径が上方から下方に向けて縮径している部分を逆円錐部分53(コーン上方部分)とし、逆円錐部分53の下端に連なり、径が同一の管状の部分を管状部分55(コーン下方部分)と呼ぶことにする。
従って、循環原料の種類と量にあわせて、スクリュコンベヤ60の回転数を調整することにより、スクリュコンベヤ60の下端から供給される原料が適度に圧密されるように、回転数を調整することができる。また、スクリュコンベヤ60のピッチ、或いは羽根の枚数、形状等についても、循環原料の量と種類により、種類や大きさなどを検討して、原料が効率よく圧密されるように配慮することが好ましい。
また、スクリュコンベヤによって原料を圧密する方法として、公知の方法も数多く知られているが、本発明の技術思想を逸脱しない範囲でその形態は特に限定されない。
機内における原料とガスの流れの詳細については後述するが、コーン50内の原料について説明すれば、その基本的な挙動として、固定式分級羽根40を通過しながら上部取出口39から機外に取り出されなかった原料が、コーン50内に落下して循環原料となり、スクリュコンベヤ60により下方に搬送されて、コーン50の下端部分から回転テーブル2の中心付近に再度投入されるという挙動を示す。
また、コーン50の下端部分の隙間から直接コーン50内にガスが吹き込んでくると、コーン50内に落下した原料を吹き上げてしまうため、下方に向かおうとする原料の基本的な流れを阻害するので、スクリュコンベヤ60による搬送の効率が悪くなる。
また、図2の(2)に示すような形態である場合も、同様にして、管状部分55の長さLに対して、該管状部分の中を挿通するスクリュコンベヤの部分のピッチ(P1)とすると、L>P1となっているのが図面上で明かであるから、少なくとも、管状部分Lの長さが、スクリュ羽根のピッチの0.5倍以上であるという条件を満たしていると判断できる。
図1に示したように、竪型粉砕機1に投入された原料(第2の実施形態においては木材片)は、センターシュート35を介して回転テーブル2の中央付近に投入される。
なお、前述した第1の実施形態と同様に、機外に取り出されなかった循環原料も、コーン50に案内されて、回転テーブル2の中央付近に投入される。
それに比較して、第2の実施形態においては、図3に示すように、コーン50内に落下した原料を圧密するためのスクリュコンベヤ60を配している。
スクリュコンベヤ60は、コーン50内に落下した原料をスクリュ羽根65の上に載せた状態で、回転しながら、原料を下方側へと搬送する。
図3に示した実施形態では、スクリュコンベヤ60のスクリュ羽根65、並びにコーン50の内径ともに、上方から下方に向けて小さくしているので、スクリュコンベヤ60が回転して原料を下方に送るほど、徐々にコンベヤの容積が狭くなり、その結果、原料が徐々に圧密される。従って、比重の軽い循環原料でも、回転テーブル2上に供給される際には、従来技術で回転テーブル2上に循環させた原料と比較すれば、嵩密度を高くすることができる。
2 回転テーブル
5 粉砕ローラ
15 ダムリング
1B ケーシング
30 環状空間
33 ガス供給口
35 センターシュート(原料投入シュート)
39 上部取出口
40 固定式分級羽根
50 コーン
53 逆円錐形状部分
55 管状部分
60 スクリュコンベヤ
63 回転筒
65 スクリュ羽根
Claims (2)
- 回転テーブル上に投入した繊維質のバイオマス原料を、複数個の粉砕ローラによって粉砕し、該回転テーブルの下方から導入したガスにより上方に吹き上げて機外に取り出す竪型粉砕機であって、該回転テーブルの中央上方に、該回転テーブルに原料を投入するためのセンターシュートを設けて、該センターシュートの下側の部分に漏斗状のコーンを配して該コーンの下端に管状部分を形成するとともに、
該センターシュートの周りにスクリュ羽根を有した回転筒を配してスクリュコンベヤを形成し、該スクリュコンベヤが該管状部分の中を挿通するように配置し、
該スクリュ羽根の外径寸法について、コーンの内径に合わせるようにして、上方から下方にかけて、徐々に小さくなるようにして縮径させ、その下方部分が管状となったコーンと略同一径とし、スクリュが回転することにより原料を圧密しながら下方に搬送するスクリュコンベヤとし、かつ、該コーンと竪型粉砕機のケーシングの間の環状空間を通過するガスの速度を3m/s以上にしたことを特徴とする竪型粉砕機。 - 前記管状部分の長さが前記スクリュ羽根のピッチの0.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載の竪型粉砕機。
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