JP5886515B2 - 水を溶媒として使用して、第一級アミドアルコールを高収率でアミドカルボン酸へ変換する方法 - Google Patents

水を溶媒として使用して、第一級アミドアルコールを高収率でアミドカルボン酸へ変換する方法 Download PDF

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Description

本発明は、第一級アルコールおよびアミド基を含む化合物またはポリマーを、アミドカルボン酸に変換するための方法に関する。特に、第一級アミドアルコールは、適切な溶媒(例えば水)を選択した場合、驚くべき高収率でカルボン酸に変換される。加えて、塩素または塩素化分子を酸化剤として使用した場合、本発明の一実施形態において使用される特定の処理パラメーターは、塩素化されたアミド窒素が生成されないことを保証する。
アミドカルボン酸は、これらが良好な水溶性、良好な洗浄力および発泡性能を有し、皮膚および毛髪に対して低刺激性であるので望ましい界面活性剤である。かかる界面活性剤を生産する1つの方法は、アミド基を含有するアルコール(例えば、ココモノエタノールアミドすなわちCMEA)の酸化によるものである。
しかし、問題はアルコールをカルボン酸に効率よく酸化させるのが非常に難しいことである。この反応は、アルデヒド段階でしばしば停止してしまい、最終生成物としてのカルボン酸の収率が極めて低い。
特開平5−194334(Sandoz)は、ヒドロキシル含有化合物(例えば、アルキルアミドポリオキシアルカノールであることもできる)を、弱塩基および触媒量のヒンダード窒素酸化物、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(以降TEMPOと短縮する)など、およびこれの化学的誘導体の存在下、少なくとも等モル量の無機または有機ハロゲン含有酸化剤、例えばNaOCl、と反応することで生成する方法を開示している。この特許において、収率または純度に関する情報は示されていない。開示されたこの方法は、出発反応物としてポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール置換体、またはポリグルコシドを有するアルコールに限定される。かかる化合物は、水溶性または水和性であり、水を溶媒として使用することを可能にする。この特許は、本発明の出発反応物である疎水性第一級アルコール(すなわち、アミドアルコール)を使用する方法を教示してはいない。
特開平4−283537(Shell)は、TEMPOの存在下、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を使用する方法を開示している。しかしこの方法は、アルコキシアルカン酸の対応するアルコキシアルカノールからの生成に関するもので、アミド基を有するアルコールからのアミドカルボン酸の生成に関するものではない。
特開平10−087554(Lion Corporation)は、ニトロキシドラジカル(例えば、TEMPO)の存在下、さらにはアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物(例えば、塩化カリウム)の存在下、塩素型の酸化剤(例えば、NaOCl)を使用して、アミド基を有するアルコールからアミドカルボン酸を生成のための方法について開示している。例えば、実施例3および5において、アミド、ニトロキシドラジカル、水中のアルカリ金属塩化物(臭化カリウムまたは臭化ナトリウム)10%溶液、追加の水、およびアセトニトリル(溶媒)を含むアルコールがビーカーに充填されて撹拌される。これら条件下で、アセトニトリルと水がお互いに混じり合って単一の液相を形成する。各実施例において、カルボン酸の純度は酸価から計算されているが、収率については何も述べられていない。酸価は、所望するカルボン酸に関して選択的ではなく、存在する全ての酸成分を含む。
特開平5−194334 特開平4−283537 特開平10−087554
出願人らは、思いがけなくも、酸化反応中に使用する溶媒の種類が生成物(カルボン酸)の収率にとって重要であることを見出した。理論によって拘束されることを望むものではないが、出願人らは、出発アミドアルコールが、酸化剤と同じ相に存在するべきではないと考えている。出願人らは、この酸化剤とアルコールの分離は、少なくとも2つの異なる方法において達成され得ることを見出した。出願人らが、本出願と同じ日に出願した別の出願によれば、最終生成物(例えば、アミドカルボン酸)は有機溶媒に分配される(すなわち、1つの実質的な水相を形成するのではなく、疎水性液体相および水性液体相の両方を形成する溶媒を使用する)。この方法において、アミドアルコール上に露出したアミド基は、開裂から保護され(例えば、主に水相に分配される漂白剤は、別個の相におけるアミドアルコールを攻撃することはない。)、その結果ずっと高い収率のアミドカルボン酸が生成される。すなわち、酸化剤の存在下、溶剤に富んだ層(実質的に酸化剤を含まない層)および水層(酸化剤を実質的に含む層)の形態の両方が重要である。
本出願において特許請求される、第二の実施形態においても、酸化剤およびアルコールは別の相に維持される。しかし、ここでは2つの相は水相と固体相であり、水だけが溶媒として使用される。すなわち、疎水性であるアミドアルコールは、水相に溶解も分散もせず(固体の非水相中に留まる)、一方NaOClは連続水相に残る。この実施形態(溶媒として水を使用)の好ましい態様において、塩素または塩素化分子(例えばNaOCl)が酸化剤として使用された場合は、望ましくない副生成物である、最終カルボン酸のアミド窒素が塩素化されないことを保証するために、特定のプロセス段階(すなわち加熱)を使用しなければならない。
上述のように、本出願は、水が溶媒として使用される方法に関連し、酸化剤の添加において、酸化剤は溶剤へ分配され、一方アミドアルコールおよび/またはアミドカルボン酸は固体相に留まる。
本発明は、アミド基を有する第一級アルコールをアミドカルボン酸へ高収率(例えば75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上の収率)で変換する方法を提供するものであり、この方法は、ニトロキシドラジカルの存在下、および場合によってはアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下、アミド基を有する第一級アルコール(アミドアルコール)を、酸化剤、好ましくはNaOClのような塩素含有酸化剤、と反応させることを含む。この方法において、そこで反応が行われる溶媒は、酸化剤の存在下、第一級アミドアルコールは(漂白剤または他の酸化剤を添加した後)固体有機相に分配されるかまたは留まり、一方漂白剤または酸化剤は実質的に液体水相へと分配されるように選択される。かかる分配が上で述べた高収率を保証する(例えば、酸化剤が液体水相に分配されているため、アミド結合が酸化剤によって開裂されない)。換言すれば、アミドアルコールは固体相に留まり、酸化剤の水相への分配が急速に行われ、望ましくない副生成物の生成が避けられるわけである。水を唯一の溶媒として使用することで、かかる重要な違いを作り出すことができることは全く予想外のことである。
同様に、この反応に使用する触媒が、ヒンダードニトロキシドラジカルであることが本発明の重要な態様である。場合によっては、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物共触媒を使用することもでき、または例えば四ホウ酸ナトリウムなどの共触媒を使用することができる。
特に、本発明の一実施形態において、反応がpH6超、好ましくは7から10、より好ましくは7.5から9、より一層好ましくは8から9で行われることを確実にするために、十分な塩基(例えば水酸化ナトリウム)が反応に加えられる。
塩基の添加は、アミドカルボン酸形成中の酸化剤(例えば次亜塩素酸ナトリウム)の消耗を埋め合わせるために用いられる。塩基は、酸化剤の添加の前に酸化剤溶液に加えることもできるし、(例えば一定のpHを維持するために)反応の途中で加えることもできる。
これらのおよび他の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を参照することによって当業者に明らかとなろう。疑念を避けるために、本発明の一態様のいかなる特徴も、本発明の任意の他の態様に使用することもできる。以下に説明する実施例は、本発明を明確にすることを意図したものであり、本発明をこれら実施例自体に限定することを意図したものではないことに留意されたい。ての百分率は、特に指定されない限り、全組成物の重量/重量百分率である。「xからy」という形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むものと理解される。また複数の好ましい範囲の特定の特徴が「xからy」という形式で表される場合、異なる終点を結合した全ての範囲を意図していると理解される。明細書または特許請求の範囲で「含んでいる(comprising)」という用語が使用される場合は、具体的に引用されない限り、いかなる用語、段階または特徴も排除することを意図していない。全ての温度は、特に指定されない限り、摂氏(℃)である。全ての測定値は、特に指定されない限り、SI単位である
溶媒がTHF/水で、2液体相が形成された場合(上部の図)と比較した、反応がCHCN/水溶媒中で実施され単一液相が形成された場合(下部の図、Lionによる特開平10−087554の実施例に対応する)の生成物の液体クロマトグラム(HPLC−UV−Vis)プロフィールである。図1−4において、AUは吸収単位を指す。観察されるように、2つの液体相に分配される溶媒が、出発物質のN−ラウロイルモノエタノールアミド(LMEA)から、高収率でN−ラウロイルグリシン(LG)をもたらす。それに反して、有機溶媒が水と単一の液相を形成した場合、LG(グリシン酸塩)の収率および純度は低かった。したがって、例えば、2液相が形成された場合、13.54分において純粋なLG生成物が主に生成されたが、1つの相のみが形成された場合は、15.80秒において大量の不純物が存在した。 図2A〜2Cは、1.6から2.5当量のNaOClを用いたココイルモノエタノールアミド(CMEA)のカルボン酸への酸化に関するHPLC−UV−Vis解析のグラフである。図2Aは、NaOCl添加前のCMEA試薬である。 図2A〜2Cは、1.6から2.5当量のNaOClを用いたココイルモノエタノールアミド(CMEA)のカルボン酸への酸化に関するHPLC−UV−Vis解析のグラフである。図2Bは、NaOCl添加後2時間で加熱前の水プロセスを用いた生成物の解析である。 図2A〜2Cは、1.6から2.5当量のNaOClを用いたココイルモノエタノールアミド(CMEA)のカルボン酸への酸化に関するHPLC−UV−Vis解析のグラフである。図2Cは、NaOCl添加後24時間の水プロセスを用い、さらに80℃において4時間加熱した生成物の解析である。見て分かるように、加熱段階を用いていない場合(図2B)は、C12N−Clグリシン酸塩の中間体が(22分と23分の間に)生成されるが、一方加熱段階を用いた場合は、かかる塩素化中間体は生成されない。 図3A〜3Cは、CMEAをココイルグリシン酸塩に酸化するために2.3から3.2当量のNaOClを用いた図2A〜2Cと類似のグラフである。図3Aは、NaOCl添加前のCMEAを再度示す。 図3A〜3Cは、CMEAをココイルグリシン酸塩に酸化するために2.3から3.2当量のNaOClを用いた図2A〜2Cと類似のグラフである。図3BはNaOCl添加後1時間の反応である。 図3A〜3Cは、CMEAをココイルグリシン酸塩に酸化するために2.3から3.2当量のNaOClを用いた図2A〜2Cと類似のグラフである。図3CはNaOCl添加後24時間、さらに65℃において6時間加熱した反応である。ここでもまた、加熱段階を用いていない場合、C12N−Clグリシン酸塩の中間体が生成され、加熱段階を用いた場合はかかる塩素化中間体が生成されないことが分かる。 図4A〜4Cは、CMEAをココイルグリシン酸塩に酸化するために3.2から4.0当量のNaOClを用いた反応プロフィールである。図4Aは、NaOCl添加前のCMEAである。 図4A〜4Cは、CMEAをココイルグリシン酸塩に酸化するために3.2から4.0当量のNaOClを用いた反応プロフィールである。図4BはNaOCl添加後24時間の反応である。 図4A〜4Cは、CMEAをココイルグリシン酸塩に酸化するために3.2から4.0当量のNaOClを用いた反応プロフィールである。図4CはNOCl添加後24時間、さらに60℃において8時間加熱した混合物である。ここでもまた、加熱段階を用いていない場合は、C12N−Clグリシン酸塩が生成される。 実施例10で説明した手順を用いて作成した注入ココイルグリシン酸塩の全イオン計数スペクトルを表す。このスペクトルは、ココイルN−Clグリシン酸塩の中間体が含まれていないことを実証している。 LC−MC解析に関しては、移動相中で調製した1mg/mlグリシン酸塩サンプルをHPLCにより分離し、UVおよびMSで解析した。ラウロイルモノエタナールアミド(C12MEA)のラウリルグリシン酸塩(C12グリシン酸塩)への酸化からの反応アリコットに関する全イオン計数質量検出プロフィールを有する代表的なHPLCクロマトグラムを図6に示す。
本発明は、アミド基(例えば、ラウロイルモノエタノールアミドなど、C8−C22アルコイルモノアルカノールアミド)を含む第一級アルコールを、対応するアミドカルボン酸(例えば、N−ラウロイルグリシンとアルカリ金属N−ラウロイルグリシン酸塩との混合物)へと変換するための新規で改良された方法に関し、この方法は生成物の非常に高い収率(例えば、75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上の収率)を提供する。より具体的には、この方法はかかるアミド基を含む第一級アルコールを、ニトロキシドラジカルおよび場合によっては触媒(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物)の存在下、酸化剤と反応させることを含み、ここにおいて反応が行われる溶媒は、アミドアルコールを酸化剤から分離する2相が形成されるように選択される。言い換えれば、アミドアルコールは、2相系の有機相に留まるかまたは分配され、これによって酸化剤は主に水相に留まる。これは、アミドアルコール上のアミド基をさらなる開裂から保護し、上で述べたような高収率を提供する。本発明の特定の実施形態において、溶媒として水だけを使用して、酸化剤が液体水相へと分配され、一方アミドアルコールは不溶解の固体状態のままであり、アミドアルコールが酸化剤から分離される(不均質固体−液体系)。この水溶媒プロセスの好ましい実施形態において、酸化剤(例えば、NaOCl)の添加後に反応を実施して完了することが可能である。これは、一般的に30分から24時間、典型的には1から10時間かかる。次いで反応は少なくとも40から100℃までの温度において、1から24時間の間加熱される。水プロセスにおいて非塩素含有分子を使用すると、その場合は塩素化アミド窒素が生成されないので、加熱段階は必要ではない。
より具体的には、本発明の出発反応体はアミド基を有するアルコールであって、このアルコールは以下のように定義することができる。
−CONR(CHOH
式中、Rは7から22個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキルまたはアルケニル基であり、RはH、1から6個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、mは1から6の整数である。
構造に包含することができる化合物の例は、N−ラウロイルモノエタノールアミド(LMEA)またはN−ココイルモノエタノールアミド(CMEA)などのN−アルカノイルモノエタノールアミンである。
出発生成物は、天然に見出される脂肪酸の混合物から誘導されるものを含む、モノアルカノールアミド(例えばモノエタノールアミン)の混合物であることができる。例えば、N−ココイルモノエタノールアミンは、C、C10およびC12の脂肪酸の混合物を、C14、C16およびC18の脂肪酸と混合する主要な成分として含むことができる。
出発アルコールを酸化するのに使用される酸化剤は、アルコール基をカルボン酸に酸化することのできる任意の酸化剤とすることができる。典型的に、かかる酸化剤は、塩素型酸化剤を含む。これらには、塩素、次亜塩素酸塩(例えば、アルカリ金属次亜塩素酸塩)、トリクロロイソシアヌル酸およびジクロロイソシアン酸が含まれ得る。好ましい酸化剤には、次亜塩素酸ナトリウム(例えば、5%から13%の次亜塩素酸ナトリウムを含む工業グレード漂白剤)、次亜塩素酸カルシウム、塩素それ自体、および有機塩素含有化合物、例えばトリクロロイソシアヌル酸などが含まれる。例えば、オキソン(2KHSO・KHSO・KSO)、NaOBr、N−ブロモスクシンイミド、またはトリブロモイソシアヌル酸などの非塩素含有酸化剤を使用することもできる。Hなど、非ハロゲン含有抗酸化剤も、場合によってはタングステン酸ナトリウム二水和物触媒の存在下、使用することもできる。
酸化剤の量は変え得るが、典型的に等モルから8モル、好ましくは1から7当量、より好ましくは2から6モルが使用される。
本発明の出発アルコールは、ヒンダードピペリジニルオキシ基触媒(窒素酸化物)の存在下、場合によっては下で説明する共触媒の存在下、(上で記述したような)酸化剤を用いて酸化される。
本発明で使用されるニトロキシド触媒基(例えば、ヒンダードニトロキシド)は、α−水素を含まない(すなわち、Nに隣接する炭素上には水素が存在しない)環式または非環式の第二アミンの、過酸化物による酸化、または対応するヒドロキシルアミンの酸化によって生成される。本発明に使用するのに適した安定したニトロキシドラジカルの例は、以下の文献に記載されている。これらには、1つまたは複数のニトロキシル基が結合した、直鎖、環式、二環式またはマクロ分子化合物が含まれる。
Chem.Review、78、37(1979):G.Rozantsev、「Free Nitroxyl Radicals」、Penum Publishing Corporation、New York、1970年;およびE.G.Rozantsev,V.D.、Scholle、Synthesis、1971年、190。
ニトロキシドラジカルの好ましい例は以下の通りである。
2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル(TEMPO);
2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジン1−オキシル;および
1−アザ−2,2,7,7−テトラメチル−シクロヘプタン1−オキシル。
TEMPOおよびこれの化学誘導体が好ましく、これの例は以下の通りである。
4−ヒドロキシル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル;
4−メトキシ2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル;
4−エトキシ−2−2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル;
4−アセチルアミド−2−2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル;
4−カルバモイル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル;
4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル;
4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン1−オキシル;
2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−オキシル4−サルフェート;
2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−オキシル4−ホスフェート;および
3−カルバモイル−2,2,6,6−テトラメチル−ピロリジン1−オキシル。
同じく、モノマーおよびオリゴマー両方の2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン官能基性含有紫外線安定剤(ヒンダードアミン光安定剤、略してHALS)は、酸化によってニトロキシル基を安定化させる前躯物質として使用することができる。
これの前駆物質であるアミンまたはヒドロキシルアミンを使用することも可能であり、実際に、酸化しそして使用される。出発アルコール原料1当量に対して使用されるニトロキシドラジカルの量は、アミドアルコールに対して典型的に0.01から10モル%、または好ましくは0.1から5モル%である。
任意選択の共触媒がニトロキシドラジカル第一触媒と共に使用される。共触媒は、使用される場合は、例えばアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物とすることもできる。これらには、アルカリ金属臭化物、例えば、臭化ナトリウム、アルカリ金属塩化物、例えば、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、アルカリ土類金属臭化物、例えば、臭化カルシウムおよび臭化マグネシウム、アルカリ土類金属塩化物、例えば、塩化カルシウム、および塩化マグネシウムを含むことができる。
典型的に、共触媒は、アミドアルコールに対して0.01から10モル%、好ましくは0.1から5モル%当量使用される。臭化物または塩化物に代わって四ホウ酸ナトリウムを使用することができる。
溶媒
本発明の鍵は、適切な溶媒、すなわち溶媒中の酸化剤とアミドアルコールとの組合せにおいて、有機相と水相へと分配する溶剤の選択にある。
理想的溶媒は少なくとも部分的な水混和性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)であるが、鍵は酸化剤(例えば、水性次亜塩素酸ナトリウム)の存在下、少なくとも2つの非混和性層(例えば、通常上部層である溶媒に富んだ層、および通常下部層である水に富んだ層)が形成されることである。
理論によって拘束されることを望むものではないが、出願人らは、アミドアルコールが組み合わさった場合に酸化剤と同じ相に存在しないことが重要であると考えている。出願人らは、これは2つの異なる方法において達成できることを見出した。同時係属中の出願の特許請求の範囲によれば、これは最終生成物(アミドカルボン酸)を有機溶媒に分配すること(すなわち、1つの実質的な水相を形成するのではなく、2相を形成する溶媒を使用すること)により達成することができる。したがって、アミドを含むアルコール上に露出されたアミド基は、(例えば、主に別の液体水相に分配された漂白剤の攻撃を通しての)開裂から保護され、その結果ずっと高い収率のカルボン酸が生成される。すなわち、酸化剤の存在下、溶剤に富んだ層(実質的に酸化剤を含まない層)および水層(酸化剤を実質的に含む)の形態の両方が重要である。如何に迅速に2相分離が起こるかは、一般的に反応の大きさに依存することに留意しなければならない。典型的に、相分離は1時間またはそれ未満で起こるが、比較的に瞬時に起こることも可能である。
(本発明において特許請求する)第二の方法は、酸化剤およびアルコールを別個の相に保持するものであり、この場合、水相および固相において水だけが溶媒として使用される。アミドアルコールは疎水性であり、水相に溶解したり分散したりしない(固相のままである。)が、一方NaOClは、連続液体水相に残る。
溶媒が1つの液相(例えば、特開平10−087554において使用されているCHCN/水溶媒)だけを生成する反応は、それ故適切ではなく、収率と純度の低い生成物を生成する。
驚くべきことに、全く逆の極性スケールの溶媒が反応に適していることもある。適切な極性溶媒には、含酸素炭化水素、より具体的には環式または非環式エーテルおよびポリエーテルを含むことができる。適切な非極性溶媒には、環式または非環式脂肪酸溶媒、および芳香族溶媒を含むことができる。
使用することができる特定の環式含酸素溶媒(例えば、極性溶媒)の例には、テトラヒドロフレン(THF)およびジオキソランが含まれる。非環式含酸素溶媒には、1,2−ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、2−メトキシエチルエーテルが含まれる。
溶媒は、抗酸化剤(例えば、ブチル化ヒドロキシルトルエン、略してBHT)を含有していないことが好ましい。これらの抗酸化剤が酸化反応を妨害できるからである。かかる抗酸化剤は、しばしば環式および非環式エーテルおよびポリエーテルにおいて見出すことができる。したがって、本発明の溶媒は、実質的に抗酸化剤を含まないことが好ましい。
環式脂肪族溶媒(例えば、非極性溶媒)の特定の例にはシクロヘキサンが含まれ、非環式脂肪族溶媒の例にはヘプタンおよびヘキサンが含まれ、芳香族溶媒の例にはトルエン、o、m、またはp−キシレン、および混合キシレンが含まれる。
好ましい反応において、酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)の消耗および反応の結果としてのカルボン酸の生成のために、pHを6超、より好ましくは7超、好ましくは8−9に維持するのに十分な塩基を反応中に使用しなければならない。使用することができる塩基の例は、アルカリ金属水酸化物(例えば、NaOH)である。
塩基は、酸化剤を反応に加える前に酸化剤に加えることができるし、塩基はまた、例えば一定のpHに維持することが必要な場合には、反応の途中の間に滴状で加えることができる。
反応それ自体は、典型的に室温において行われるが、発熱を伴う。冷却しなければ温度は約35℃まで上昇する。発熱を減少させるために冷却槽を使用してよい。
モノエタノールアミド(N−ラウロイルモノエタノールアミド、またはMEA)のN−ラウロイルグリシン(LG)への酸化への典型例、ならびに反応条件、分離手順およびLGへの変換速度を以下に説明する。
Figure 0005886515
反応条件:
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)/水
酸化剤:NaOCl(漂白剤、11.5%、3当量)+NaOH(pH維持のための塩基)
触媒:KBr(共触媒)、4−アセトアミド−TEMPO(略してAA−TEMPO)
反応温度:25−30℃
pH範囲:12(初期)から6(最終)
反応時間:1−4時間
分離:THF抽出その後溶媒蒸発
典型的変換率:95−99%
N−ラウロイルグリシンとN−ラウリルグリシン酸ナトリウム(例えば、塩の形態)の混合物は、分離pHに基づき得ることができ、したがって収率はそれぞれ別個に計算できることに留意されたい。
塩素または塩素含有分子が水溶媒プロセスで使用された場合、典型的に、触媒および酸化剤添加後、30分間から24時間の反応が実施され、次いで溶液は少なくとも40℃から約100℃までの温度において1から24時間加熱される。加熱後、pHを酸性化し、固体生成物を溶液からろ過する。
手順
カルボン酸(例えば、N−ラウリルグリシン)を分離するための抽出技術
酸化反応の完了時に、反応混合物を(例えば、HClの添加によって)pH約3.0に酸性化して層を分離する。下部の水層を、THFを用いて抽出し、一緒にしたTHF層をロータリーエバポレーター上で濃縮し、真空中で乾燥してカルボン酸(例えば、N−ラウロイルグリシン)を白色固体として得る。
アルカリ金属またはカルボン酸のアルカリ金属塩(例えば、N−ラウロイルグリシン酸ナトリウム)を分離するための抽出技術
ここでの反応は、THF層を酸性化せずに分離することを除き、上記と同じである。水層は6−10、好ましくは6−8の範囲内でなければならない。水層は、THFを用いて(好ましくは2回)抽出する。一緒にしたTHF層をロータリーエバポレーター上で濃縮し、真空中で乾燥して、塩(例えば、N−ラウロイルグリシン酸塩)を得る。
カルボン酸のための代替抽出技術
THF抽出を除き、カルボン酸は溺水手順およびろ過により分離することができる。この手順において、反応混合物はpH約2−3に酸性化され、撹拌パドルを用いて激しく撹拌しながら過剰の水(反応混合物の容量に対してして約3−4容量)に加える。沈殿物をろ過により捕集し、水で洗浄し真空中で乾燥してカルボン酸(例えば、N−アルカノイル−グリシン)を得る。
Figure 0005886515
Figure 0005886515
解析:全イオン計数解析に関して、サンプル注入法として注入(infusion)を使用した。ココイルグリシン酸塩(酸形態、1mg)のサンプルを、THF(1ml)中に溶解し、50μLのアリコートを取り95μLのTHFで希釈することにより希釈する。希釈した溶液を直接質量分析計に注入し、全イオン計数を記録する。実施例10において記載した手順を用いて発生した注入ココイルグリシン酸塩サンプルの代表的な全イオン計数スペクトルを以下の図5に示す。LC−MS解析に関しては、移動相中で調製された1mg/mlのグリシン酸塩サンプルをHPLCにより分離し、UVおよびMSにより解析した。ラウロイルモノエタノールアミド(C12MEA)の、ラウロイルグリシン酸塩(C12グリシン酸塩)への酸化から得た反応アリコートの代表的な全イオン計数スペクトルを以下の図6に示す。
6.5当量のNaOClを用いたTHF中のN−ラウロイルエタノールアミド(LMEA)の酸化、および酸処理
33mg(4.5モル%)のKBr(共触媒)を水6mL中に溶解した。テトラヒドロフラン溶媒THF(31mL)、AA−TEMPO触媒(25mg、2.5モル%)および1.5gのN−ラウロイルエタノールアミド(LMEA)を撹拌しながら加え、均一な水−白色溶液を得た。次亜塩素酸ナトリウム酸化剤(11.5%水溶液22mL、6.5当量)および2.3mLの2NaOHを(pHを7超に維持するために)混合した。一緒にした溶液を、LMEAおよび触媒の溶液に1.5時間にわたり液滴状で加えた。次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えると、分離した水相が直ちに形成された。最初の3.5mlを加えた後、水相のpHは12.7であった。温度は、氷−水槽を用いて32℃未満に維持した。反応は、逆相高圧液体クロマトグラフィ(略語HPLC)で測定してLMEAがLGへ完全に変換するまで、さらに0.5時間撹拌を継続した。反応の終わりのpHは7.6であった。
反応完了時に、この混合物を(精製されたカルボン酸を得るために)1N HCl8.5mLの添加によりpH3.0に酸性化して層を分離した。底部の水層を30mLのTHFで抽出し、一緒にしたTHF層をロータリーエバポレーター上で濃縮し、真空中で乾燥して、116%の収率(残留水分が存在する)でN−ラウロイルグリシンを得た。
3.25当量のNaOClを用いたLMEAの酸化、および酸処理
次亜塩素酸ナトリウムの量を3.25当量に減じたことを除き、実施例1の手順に従って実施した。分離収率は103%(残留水分を含む)であり、少ない量の次亜塩素酸ナトリウムでも反応が行われることを示していた。
3.25当量のNaOClを用いたLMEAの酸化、ナトリウム塩の分離
この実施例において、N−ラウロイルグリシン酸ナトリウムは、分離手順を若干改変して得た。実施例2における手順に従って行った。反応完了時にpHは7.8であった。この場合、THF層は酸性化せずに分離した。水層は、30mLのTHFを用いて2回抽出した。抽出後水層のpHは8.3であった。一緒にしたTHF層をロータリーエバポレーター上で濃縮し、真空中で乾燥して、99%の収率でN−ラウロイルグリシン酸ナトリウムを得た。N−ラウロイルグリシンとは異なり、N−ラウロイルグリシン酸ナトリウムは水に溶解し、撹拌により発泡することができる。
6.5当量のNaOClを用いたTHF中のLMEAの酸化、pH2.6における溺水手順
分離段階を除き、実施例1の手順に従った。反応完了後、混合物を1N HCl9.25mLでpH2.6に酸性化した。反応混合物の全体(THFおよび水相の両方)を、激しく撹拌しながら240mLの水に注いだ。沈澱生成物を重力ろ過で分離し、200mLの水で洗浄した。空気乾燥後さらに真空中で乾燥して、77%の収率で生成物を得た。収率は、より良好なろ過技術、例えば0.45μm以下のフィルターを通す圧力ろ過によって改良することができる。
3.25当量のNaOClを用いたTHF中のLMEAの酸化、溺水手順、収率についてのpHの影響
分離段階を除き、実施例2の手順に従った。反応完了後、混合物は部分的にのみ酸性化(1N HCl3.6mLを用いてpH5.2に酸性化)した。反応混合物の全体(THFおよび水相の両方)を、激しく撹拌しながら240mLの水に注いだ。沈澱生成物を重力ろ過で分離し、240mLの水で洗浄した。一夜、真空中で乾燥後、(遊離カルボン酸に基づき)59%、(カルボン酸ナトリウムに基づき)55%の収率で生成物を得た。実施例4より低い収率は、より高いpHにおいて水溶性カルボキシル酸ナトリウムの割合がより高いことによる。
3.25当量のNaOClを用いた水中のLMEAの酸化、酸処理
KBr(33mg、4.5モル%)およびAA−TEMPO(25mg、2モル%)を、50mLの水中に溶解した。1.50gのLMEAを加え、混合物を1.5時間撹拌して均一な懸濁液を生成した。希釈した次亜塩素酸ナトリウム(5%)の2.0mL増分量を1.3時間にわたり加えた。必要な場合には、pHを8−9に維持するため、各添加後に、0.1N HClを加えた。
添加の詳細を以下の表に示す。
Figure 0005886515
20.5時間撹拌後、pHは5.9に落ちた。混合物は半透明の白色のエマルジョンであった。混合物に3.5mLの1N HClを加えることで、pHを3.0とし、75mLのTHFで2回抽出した。一緒にしたTHF層をロータリーエバポレーター上で濃縮し真空中で乾燥して、1.81gのN−ラウロイルグリシンを収率114%(残留水分を含む。)で得た。
トルエンを溶媒として使用し、3.25当量のNaOClを用いたN−ココイルモノエタノールアミド(CMEA)の酸化、酸処理
天然産の脂肪酸混合物から誘導されたモノエタノールアミドを含む、モノエタノールアミドの混合物に酸化反応を行わせる。この実施例では、N−ココイルモノエタノールアミン(C−8、C−10、C−12(主要成分)、C−14、C−16、およびC−18モノエタノールアミドの混合物)を、類似の条件下で酸化して、相当するN−ココイルグリシン混合物を得た。KBr(33mg、4.5モル%)およびAA−TEMPO(25mg、2モル%)を6mLの水に溶解した。CMEA(1.50g、6.16ミリモル、100%LGを仮定)を、60mLのトルエンに32℃において溶解し、この溶液をKBrおよびAA−TEMPOに加えた。添加の過程においておよび保持時間の間、混合物を撹拌しながら31−37℃に維持した。次亜塩素酸ナトリウム溶液(11.5%水溶液11mL、3.25当量)および1.15mLの2N NaOHを2.0mLの増分量において50分間にわたって加えた。添加の終わりにおけるpHは6.9であった。40分後、33℃において、1N NaOHの0.5mLでpHを8.6に調節した。撹拌をさらに3.5時間継続し、次いで溶液を室温に冷却した。
ゼラチン状の反応混合物を70mLのTHFで希釈し、5.5mLの1N HClでpHを2.2とした。層を分離し、水層をさらなる20mLのTHFで抽出した。一緒にしたTHF層をロータリーエバポレーター上で濃縮し、真空中で乾燥し、N−ココイルグリシンを収率84%で得た。
シクロヘキサンを溶媒として使用し、3.25当量のNaOClを用いたN−ココイルモノエタノールアミド(CMEA)の酸化、酸処理
43℃において、CMEAをトルエンの代わりに120mLのシクロヘキサン中に溶解したことを除き、実施例4の手順に従った。反応後、半透明のエマルジョン(pH6.2)が得られた。このエマルジョンを3.0mLの1N HClでpH3.1にもっていき、100mLのTHFで2回抽出した。一緒にしたTHF層をロータリーエバポレーター上で濃縮し、真空中で乾燥してN−ココイルグリシンを73%の収率で得た。
比較例
正しい溶媒が必要であることを示すために、出願人らは、特開平10−087554(Lion Corpに譲渡された)の実施例5に記載のN−ラウロイルモノエタノールアミン生成のための反応と、本発明の反応とを比較する実験を行った。結果を以下に示す。
Figure 0005886515
Figure 0005886515
Figure 0005886515
水中で1.6−2.5当量のNaOClを用いたCMEAの酸化
CMEA(6g)を水(150mL)の中で懸濁させ、機械的撹拌機を使用して30分間高速度で撹拌した。AA−TEMPO(0.101g、0.02当量)およびKBr(0.113g、0.04当量)を反応混合物に加え、その後NaOCl(10から14%、1.6−2.5当量)を、激しい撹拌下、22から33℃の間に温度を維持しながら液滴状で加えた。添加の間、pHは1N NaOHを加えることによって約8−9に維持した。反応の進捗を、HPLCによって厳密にモニターし、CMEAの消耗が止むまで24時間継続した。この点において、ココイルグリシン酸塩生成物への十分な変換を確実にするために、65℃において6時間加熱した。混合物を1N HClでpH3に酸性化し、ろ過し、高真空下で乾燥して白色固体生成物5.45gを得た
水中で2.3−3.2当量のNaOClを用いたCMEAの酸化
CMEA(6g)を水(150mL)の中で懸濁させ、機械的撹拌機を使用して30分間高速度で撹拌した。AA−TEMPO(0.101g、0.02当量)およびKBr(0.113g、0.04当量)を反応混合物に加え、その後NaOCl(10から14%、2.3−3.2当量)を、激しい撹拌下、22から33℃の間に温度を維持しながら液滴状で加えた。添加の間、pHは1N NaOHを加えることによって約8−9に維持した。反応の進捗を、HPLCによって厳密にモニターし、CMEAの消耗が止むまで24時間継続した。この点において、ココイルグリシン酸塩生成物への十分な変換を確実にするために、60℃において8時間加熱した。混合物を1N HClでpH3に酸性化し、ろ過し、高真空下で乾燥して白色固体生成物5.75gを得た
水中で3.2−4.0当量のNaOC1を用いたCMEAの酸化
CMEA(6g)を水(150mL)の中で懸濁させ、機械的撹拌機を使用して30分間高速度で撹拌した。AA−TEMPO(0.101g、0.02当量)およびKBr(0.113g、0.04当量)を反応混合物に加え、その後NaOCl(10から14%、3.2−4当量)を、激しい撹拌下、22から26℃の間に温度を維持しながら液滴状で加えた。添加の間、pHは1N NaOHを加えることによって約8−9に維持した。反応の進捗を、HPLCによって厳密にモニターし、CMEAの消耗が止むまで24時間継続した。この点において、ココイルグリシン酸塩生成物への十分な変換を確実にするために、60℃において8時間加熱した。混合物を1N HClでpH3に酸性化し、ろ過し、高真空下で乾燥して白色固体生成物5.50gを得た。CMEAのココイルグリシン酸塩への変換を実証する代表的なHPLC反応プロフィールを以下の図4に示す。

Claims (9)

  1. アミド基を含むアルコールを、対応するカルボン酸に変換する方法であって、
    下記アミドアルコール:
    −CONR(CHOH
    [式中、Rは7から22個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキルまたはアルケニル基であり、RはHであり、mは1から6の整数である。]
    を、ヒンダードニトロキシドラジカル、水だけである溶媒、および場合により共触媒の存在下で、塩素、次亜塩素酸塩、クロロイソシアヌル酸およびこれらの混合物からなる群から選択される酸化剤と反応させることを含み、但し、前記アミドアルコールの均一な懸濁液に対して前記酸化剤が添加され、該酸化剤の添加後に、反応が完了に達するまで30分から24時間行われ、該反応後に得られた懸濁液が少なくとも60℃を超え100℃までの温度において1から24時間加熱される、前記方法。
  2. アミド基を含むアルコールが、アルカノイルモノアルカノールアミドである、請求項1に記載の方法。
  3. アルカノイルモノアルカノールアミドが、ラウロイルモノアルカノールアミドまたはココモノエタノールアミドである、請求項2に記載の方法。
  4. 酸化剤が、前記アミドアルコールに対して等モルから8モルの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  5. ヒンダードニトロキシドラジカルが、4−アセトアミド−TEMPOである、請求項1に記載の方法。
  6. ヒンダードニトロキシドラジカルに加えて共触媒が使用される、請求項1に記載の方法。
  7. 共触媒が、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物である、請求項6に記載の方法。
  8. 塩基が反応に追加的に加えられる、請求項1に記載の方法。
  9. pHを6超に維持するために、十分な塩基が加えられる、請求項1に記載の方法。
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