JP5886148B2 - 回転コネクタ装置 - Google Patents
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Description
また、スペーサ104の外径側に位置するフラットケーブル101は、内径側とは反対方向に巻き回されたのちに、環状壁103の開口部105から環状空間Sの外に引き出されており、最終的にステータ側のコネクタ(図示せず)に接続されている。
フラットケーブル101の長さは、ステアリングハンドルが中立位置から左右に少なくとも2回転できる長さに設定されている。そのため、回転コネクタ装置100を車両に取り付ける際には、スペーサ104においてフラットケーブルが左右2回転できる位置(中立位置)となるように設定した状態で、回転コネクタ装置100をステアリングシャフトに組み付けるようになっている。このとき、フラットケーブルの中立位置がズレないようにするために(ロータの回転を規制するために)、ロータをステータに対して保持具で仮止めするようになっている。
かかる場合、中立位置からのズレ量によっては、ステアリングハンドルを回転させている途中でフラットケーブルの長さが足りなくなって、ステアリングハンドルの操作が妨げられてしまう虞がある。
カバー112をボトムカバー111に組み付けると、環状壁113の内側に、ロータ(図示せず)の外周を囲む環状空間Sが形成されるようになっており、この環状空間S内には、軸方向から見てリング状のスペーサ104Aが回転可能に収容されている。
そして、このスペーサ104Aには、ロータ側とステータ側とを接続するフラットケーブル101が、巻き回された状態で設けられている。
突起115は、開口部114の一側113aから、他側113b側に向けて突出して設けられており、この突起115は、径方向から見て略矩形形状を有している。
そして、フラットケーブル101に突起115の角部115aが当接したのち、さらにフラットケーブル101が引っ張られると、フラットケーブル101の角部115aに当接している部位に応力が集中して、フラットケーブル101が、この応力が集中している部位を境にして切断される。
そのため、フラットケーブル101が突起115側に引っ張られた際に、突起115が設けられていない部位側(図中上側)にずれてしまうことがあり、かかる場合、角部115aのフラットケーブル101との当接位置が変化して、フラットケーブル101の特定の部位に応力が集中しないため、フラットケーブル101を切断できないことがあった。
前記ステータは、前記環状空間を囲む環状壁を有しており、
前記フラットケーブルの一端側は、前記環状壁に設けた開口部を通って前記環状空間の外部に引き出されており、
前記環状壁の周方向で対向する前記の開口部の側縁のうちの一方の側縁には、他方の側縁側に突出して突出部が設けられており、
前記突出部は、径方向から見て矩形状の第1の突起と、径方向から見て尖状の第2の突起とを有しており、
前記第1の突起と前記第2の突起は、前記環状壁の高さ方向で並んで設けられており、前記環状壁の軸方向から見て、前記第2の突起の先端は、前記第1の突起の先端よりも径方向外側に位置している構成とした。
なお、以下の説明においては、便宜上、図1におけるボトムカバー7側を上側、カバー8側を下側として説明する。
ロータ本体3では、円盤状の基部31の中央部に、図示しないステアリングシャフトを挿通させる開口32が形成されており、基部31のライナ4側の面には、開口32を全周に亘って囲む筒状壁33が、ライナ4側の上方に突出して設けられている。
ライナ4は、その筒状壁43を、ロータ本体3の筒状壁33に外挿させて、ロータ本体3に組み付けられるようになっている。
係合部52は、基部51からロータ本体3側の下方に突出して形成されており、軸線X周りの周方向で、間隔を空けて複数設けられている。
各係合部52には、前記したロータ本体3の筒状壁33に設けた突起33aが係合する開口52aが形成されている。
また、この状態においてライナ4は、アタッチメント5とロータ本体3の間に位置しており、ライナ4のロータ本体3からの脱落も、アタッチメント5により防止されるようになっている。
図3は、図2における面Aでステータ6を切断した断面図であって、ステータ6に組み付けられたロータ2側の主要部材が、図中仮想線で模式的に示されている図である。
ボトムカバー7では、基部71の中央部に開口72が形成されており、この開口72には、前記したロータ2側の筒状壁33および係合部52と、ステアリングシャフトSH(図3参照)とが挿通されるようになっている。
カバー8では、基部81の中央部に開口82が形成されており、この開口82には、前記したロータ2側の筒状壁33および係合部52と、ステアリングシャフトSH(図3参照)とが挿通されるようになっている。
図2に示すように、環状壁83の外周には、径方向外側に突出する突起83aが設けられており、この突起83aは、軸線X周りの周方向で間隔を空けて複数設けられている。
実施の形態では、この突起83aは、カバー8をボトムカバー7に組み付けた際に、前記した係合片77の係合穴77aに係合するようになっており、カバー8のボトムカバー7からの脱落が、係合穴77aに係合した突起83aにより、阻止されるようになっている。
フラットケーブル10は、前記した従来例にかかるフラットケーブル101(図6参照)と同様に、環状空間S内に回転可能に収容されたスペーサ9に、巻き回された状態で設けられている。
具体的には、フラットケーブル10は、スペーサ9のローラ92の部分を通って、スペーサ9の内径側から外径側に引き出されており、ローラ92の部分を境にして、巻き方向を反転させた状態で設けられている。
図5は、図4の(A)における領域Aの拡大図であり、(B)は、(A)における開口部85(85A、85B)の近傍をさらに拡大して、フラットケーブル10の図示を省略した図であり、(C)は、(A)におけるA−A矢視図であって、フラットケーブル10の図示を省略した図である。
開口部85(85A、85B)は、環状壁83におけるコネクタ部89との接続部に設けられており、軸線X周りの周方向で、間隔を空けて設けられている。
環状壁83における開口部85Aの両側部(側縁部831、832)のうちの一方の側縁部831には、他方の側縁部832側に突出して、第1突出部86と第2突出部87が設けられている。
図5の(C)に示すように、内径側から見て矩形形状の第1突出部86は、周方向の全長に亘って同じ高さh2に形成されており、その先端86aは、軸線X(図1参照)に対して平行な仮想線Im1上に位置している。
図5の(B)に示すように、軸方向から見て第1突出部86は、先端86a側に向かうにつれて径方向の幅Wが狭くなっており、先端86aには曲面加工が施されている。
実施の形態では、フラットケーブル10の一端10c側が、開口部85Aを通って、環状空間Sの外部に引き出されるようになっている。そのため、開口部85Aからフラットケーブル10を引き出す際に、フラットケーブル10が、第1突出部86の先端86aにより傷つけられることがないようにするために、曲面加工が施されている。
図5の(B)に示すように、軸方向から見てこの先端87aは、環状壁83の内周面83bを規定する仮想線Im3よりも径方向外側であって、第1突出部86の先端86aよりも径方向外側に位置している。
そのため、第2突出部87の頂部87cは、カバー8とボトムカバー7とが組み付けられた際に、カバー8側からボトムカバー7の基部71に接するようになっている。
実施の形態では、フラットケーブル10の切断を確実にするために、この頂部87cの角R(曲率)が0.1mm以下に設定されている。
これにより、カバー8とボトムカバー7とが組み付けられた状態において、側縁部831が、カバー8とボトムカバー7の両方で支持された状態となって、フラットケーブル10が、第1突出部86および第2突出部87に接触する方向に引っ張られて、側縁部831にフラットケーブル10からの応力が作用しても、側縁部831が簡単に変形しないようになっている。
図5の(C)に示すように、径方向から見て矩形形状の第3突出部88は、周方向の全長に亘って同じ高さh2に形成されており、その先端88aは、軸線X(図1参照)に対して平行な仮想線Im4上に位置している。
図5の(B)に示すように、軸方向から見て第3突出部88は、先端88a側に向かうにつれて径方向の幅W2が狭くなっており、先端88aには曲面加工が施されている。
これにより、カバー8とボトムカバー7とが組み付けられた状態において、側縁部831が、カバー8とボトムカバー7の両方で支持された状態となって、側縁部831に応力が作用しても、側縁部831が簡単に変形しないようになっている。
また、外壁891の内周には、径方向内側に突出する突起891aが、周方向で間隔を空けて複数設けられている。
そのため、環状空間S内に位置するフラットケーブル10が、第1突出部86、第2突出部87に接触する方向に引っ張られた際に、フラットケーブル10の一端10c側が環状空間S内に引き込まれることが好適に防止される。
そして、フラットケーブル10を引っ張る力がより強くなっても、フラットケーブル10を第1突出部86、第2突出部87に確実に接触させた位置で保持して、これら突出部(第1突出部86、第2突出部87)からの応力をフラットケーブル10に確実に作用させることができるようになっている。
ステータ6は、環状空間Sを囲む環状壁83を有しており、フラットケーブル10の一端10c側は、環状壁83に設けた開口部85Aを通って環状空間Sの外部に引き出されており、
環状壁83における開口部85Aの側縁部831には、開口部85Aを挟んで反対側に位置する側縁部832側に突出して第1突出部86と第2突出部87とが設けられており、
第1突出部86は、内径側(径方向)から見て矩形状の突起であり、
第2突出部87は、内径側(径方向)から見て尖状の突起であり、第1突出部86と第2突出部87とは、環状壁83の高さ方向で、並んで設けられている構成とした。
また、従来用いられていなかった空間、すなわち環状壁83の高さ方向で第1突出部86に隣接する空間(図4の(B)における第1突出部86の上側の空間)に第2突出部87を設けたので、第2突出部87を設けるために、カバー8における開口部85Aの位置や形状を変更する必要がない。これにより、カバー8の大型化を避けつつ、新たな部位(第2突出部87)を設けることによるコストへの影響を抑えることができる。
この状態において、第1突出部86の角部86c(図4の(C)参照)によるフラットケーブル10の保持が弱い場合には、フラットケーブル10を引っ張る力がさらに強くなると、フラットケーブル10が第2突出部87側にズレてしまうことがある。かかる場合には、尖状の第2突出部87がフラットケーブル10に接触して、フラットケーブル10に応力を作用させるので、この第2突出部87の応力により、フラットケーブル10を切断することができる。
さらに、第2突出部87の鋭角部87bは、第1突出部86に比べて摩耗しやすいので、先にフラットケーブル10に接触した第1突出部86によるフラットケーブル10の破断が上手くゆかないときに、第2突出部87によりフラットケーブル10を切断するようにすることで、第2突出部87のカッタとしての寿命を延ばすことが可能になる。
特に、第2突出部87が、PBTよりも柔らかい樹脂材料により作製されている場合には、第2突出部87のカッタとしての寿命を延ばすことができる。
フラットケーブル10に、第1突出部86と第2突出部87のうちの少なくとも一方からの応力が作用しているときに、フラットケーブル10の一端10c側が環状空間S側に引き込まれると、フラットケーブル10を、第1突出部86や第2突出部87に押し当てた状態で保持することができなくなる。
そうすると、フラットケーブル10を切断できなくなる虞や、フラットケーブル10の切断のタイミングが遅れてしまう虞が発生する。
上記のように構成すると、フラットケーブル10の一端10c側が環状空間S内に引き込まれることを好適に防止して、フラットケーブル10が第1突出部86や第2突出部87に押し当てられた際に、その状態を保持できる。これにより、フラットケーブル10の切断が必要なときに、フラットケーブル10が切断できなくなることや、フラットケーブル10の切断のタイミングが遅れてしまうことを好適に防止できる。
ボトムカバー7は、環状壁83に設けた複数の突起(突起83e、上端部843、係合突起831b、係合突起833b)の各々を、それぞれ、基部71の対応する嵌合孔713、710、711、712に嵌合させて、ボトムカバー7に組み付けられており、
環状壁83の側縁部831、833では、開口部85A、85Bの近傍に、係合突起831b、833bが設けられている構成とした。
側縁部831、833の上端が、ボトムカバー7の基部71に単純に当接しているだけの構成では、側縁部831、833を支持する基部81が薄肉の板状部材であることにも起因して、側縁部831、833の上端がボトムカバー7の基部71に接触する位置が、フラットケーブル10から作用する応力によって変化して、側縁部831、833の上端と基部71との間に隙間が生じてしまう虞がある。
例えば、フラットケーブル10が第1突出部86、第2突出部87に押しつけられた際に、側縁部831と基部71との間に隙間が生じると、この隙間にフラットケーブル10が進入して、フラットケーブル10が切断されない虞がある。
上記のように構成すると、隙間の発生が抑えられるので、フラットケーブル10の切断が行えなくなる事態の発生を好適に防止できる。
第2突出部87には、この凹部87dにより、環状壁83の軸方向で第1突出部86とは反対側方向に離れるにつれて、環状壁83の周方向の幅が狭くなる尖状の鋭角部87bが形成されており、
第2突出部87は、側縁部831から側縁部832側に向かうにつれて、軸方向から見た幅Wが狭くなる形状に形成されている構成とした。
頂部87cと基部71との間に隙間があると、フラットケーブル10が、引っ張られて第2突出部87の鋭角部87b側に移動した際に、頂部87cと接触せずに、頂部87cと基部71との間の隙間に進入することがあり、かかる場合に、フラットケーブル10が切断されなくなる虞がある。
頂部87cを基部71に隙間なく接触させると、フラットケーブル10が引っ張られて、頂部87cと基部71との間に進入しようとした際に、フラットケーブル10を確実に頂部87cに接触させて、切断することができる。
2 ロータ
3 ロータ本体
31 基部
32 開口
33 筒状壁
33a 突起
4 ライナ
41 基部
42 開口
43 筒状壁
5 アタッチメント
51 基部
52 係合部
52a 開口
6 ステータ
7 ボトムカバー
71 基部
72 開口
73 嵌合壁
75a 先端部
76a 先端
77 係合片
77a 係合穴
8 カバー
81 基部
82 開口
83 環状壁
83a 突起
83b 内周面
83c 上面
83d 突起
84 係合壁
841 接続部
842 係合凹部
843 上端部
85A、85B 開口
86 第1突出部
86a 先端
86b 角部
87 第2突出部
87a 先端
87b 鋭角部
87c 頂部
88 第3突出部
88a 先端
89 コネクタ部
891 外壁
891a 突起
892 溝
9 スペーサ
91 基部
92 ロータ
93 ガイド部
10(10a、10b)フラットケーブル
Claims (7)
- ロータとステータとの間に環状空間を形成し、前記環状空間内に、前記ロータ側と前記ステータ側とを接続するフラットケーブルが設けられた回転コネクタ装置において、
前記ステータは、前記環状空間を囲む環状壁を有しており、
前記フラットケーブルの一端側は、前記環状壁に設けた開口部を通って前記環状空間の外部に引き出されており、
前記環状壁の周方向で対向する前記の開口部の側縁のうちの一方の側縁には、他方の側縁側に突出して突出部が設けられており、
前記突出部は、径方向から見て矩形状の第1の突起と、径方向から見て尖状の第2の突起とを有しており、
前記第1の突起と前記第2の突起は、前記環状壁の高さ方向で並んで設けられており、
前記環状壁の軸方向から見て、前記第2の突起の先端は、前記第1の突起の先端よりも径方向外側に位置していることを特徴とする回転コネクタ装置。 - 前記周方向における前記第1の突起の先端は、前記周方向における前記第2の突起の先端よりも、前記他方の側縁側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の回転コネクタ装置。
- 前記環状壁の外側には、前記環状壁の軸方向から見て円弧状の外壁が設けられており、
前記フラットケーブルの一端側は、前記環状壁と前記外壁との間に挟まれた状態で、前記環状壁の周方向において前記開口部から離れる方向に延びていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転コネクタ装置。 - 前記環状壁の外周のうち前記外壁に対向する部分には、径方向外側に突出する突起が、前記周方向で間隔を空けて複数設けられており、
前記外壁の内周には、径方向内側に突出する突起が、前記周方向で間隔を空けて複数設けられており、
前記環状壁の突起と前記外壁の突起は、前記環状壁の軸方向から見て、前記周方向で交互に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転コネクタ装置。 - 前記ステータは、前記環状壁を有する第1のステータ部と、前記環状壁の上端が当接するリング状の当接部を有する第2のステータ部とを備えており、
前記第1のステータ部は、前記環状壁の上端に設けた複数の突起の各々を、前記当接部に設けた対応する嵌合孔に嵌合させて、前記第2のステータ部に組み付けられており、
前記環状壁の突起の少なくともひとつは、前記開口部の前記一方の側縁の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の回転コネクタ装置。 - 径方向から見て前記第2の突起は、前記他方の側縁側の先端が、前記第1の突起の先端に対して平行かつ直線状に形成されており、
前記第2の突起における前記一方の側縁側には、径方向から見てV字状の凹部が設けられて、前記第2の突起は、この凹部により、前記環状壁の軸方向で前記第1の突起とは反対側方向に離れるにつれて、前記周方向の幅が狭くなる尖り状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の回転コネクタ装置。 - 前記第2の突起は、前記一方の側縁から離れるにつれて、前記軸方向から見た幅が狭くなる形状に形成されている構成としたことを特徴とする請求項6に記載の回転コネクタ装置。
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