JP5885595B2 - 反射防止膜、および、それを有する光学素子、光学系、光学機器 - Google Patents

反射防止膜、および、それを有する光学素子、光学系、光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、例えばレンズ等の光学基板に形成される反射防止膜、および、それを有する光学素子、光学系、光学機器に関するものである。
従来、レンズの表面には、入射光の光量損失を低減させるために反射防止対策が施されている。例えば、可視光用の光学素子に対する反射防止対策としては、一般にマルチコートと呼ばれる誘電体多層膜が広く用いられている。これは、屈折率の異なる薄膜をそれぞれ適切な膜厚で積層することで、各膜の表面、界面で発生する反射波の振幅と位相を調整し、それらを干渉させることで反射光を低減させるものである。そのため、特定の波長、入射角の光線に対して優れた反射防止性能を発揮することは可能である。しかし、それ以外の光線では干渉条件が崩れてしまうため、広い波長帯域や広い入射角度範囲にわたって高い反射防止性能を実現するのは困難であった。
一方、近年広く普及しているデジタルカメラでは、従来の銀塩フィルムに比べて反射率が高いCCDやCMOS等のイメージセンサーを使用している。そのため、センサー面で反射した光が再びレンズ面で反射し、もう一度センサー面に到達することで生じる「デジタルゴースト」と呼ばれる特有の不要光を発生させやすい。
さらにデジタルカメラ用レンズにおいては、高画質、高スペック(ズーム倍率や明るさ等)と携帯性(小型、軽量であること)を両立するために、異常分散ガラスや非球面レンズ、曲率の大きなレンズ等を多用する傾向にある。これらの中でも曲率の大きなレンズでは、その周辺部で光線が大きな角度で入射することになるため、従来の誘電体多層膜では十分に反射を低減することができず、フレアやゴースト等の撮影画像の品質を劣化させる不要光が発生する場合があった。
こうした状況を背景として、誘電体多層膜よりも波長帯域特性、入射角度特性に優れた高性能な反射防止膜の開発が求められている。特許文献1は、真空蒸着法を用いて形成した3層の誘電体薄膜の上にゾル−ゲル法で4層のフッ化マグネシウム層を形成した反射防止膜を開示し、その第1層から第4層の屈折率と膜厚を適切に設定することで優れた反射防止特性を示すことについて開示している。
特許第4433390号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示された反射防止膜は、波長550nmにおける入射角0°の光線の反射率が0.4%程度の値となっており、十分な反射防止性能を発揮しているとは言えない。また、波長550nmにおける入射角60°の光線の反射率は2%程度の値となっており、十分な入射角度特性を実現しているとは言えない。
そこで、本発明の目的は、可視域全域の広い波長帯域にわたり、入射角度特性にも優れた反射防止膜、および、それを有する光学素子、光学系、光学機器を提供することである。
本発明は、屈折率がNsubである光学基板上に形成される反射防止膜であって、前記光学基板側から順に、屈折率がN1で膜厚がD1であるの第1層と、屈折率がN2で膜厚がD2である第2層と、微細凹凸構造体からなり、屈折率がN3から1.0に向かって変化し、膜厚がD3である第3層と、を含み、前記屈折率Nsub、N1、N2、N3を波長550nmの光に対する値とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする。
1.43≦Nsub≦1.65
1.30≦N1≦1.50
22nm≦D1≦45nm
1.42≦N2≦1.52
18nm≦D2≦35nm
1.35≦N3≦1.52
180nm≦D3≦320nm
N1Nsub
N1N2
N3≦N2
本発明によれば、屈折率が1.43〜1.65の範囲にある光学基板に対し、波長帯域特性および入射角度特性に優れた性能を発揮する反射防止膜、および、それを有する光学系、光学機器を提供することができる。
本発明の反射防止膜の模式断面図 本発明の反射防止膜の屈折率構造概略図 実施例1の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 実施例2の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 実施例3の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 実施例4の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 実施例5の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 比較例1の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 比較例2の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 比較例3の反射防止膜の屈折率構造および反射率特性 本発明の反射防止膜を適用した光学系の要部断面図
本発明の実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。説明中の屈折率の値は、全て波長550nmでの値である。図1は、本発明の反射防止膜の断面を模式的に示したものであり、図2は、本発明の反射防止膜の屈折率構造を概略的に示したものである。
図1は、レンズ等の光学基板上に本発明の反射防止膜を適用した光学素子の表面部分付近を拡大して示したものである。光学基板101は、屈折率Nsubが1.43〜1.65の間の値を有する。反射防止膜102は、光学基板側から順に光学基板101の上に形成された第1層103と、その上に形成された第2層104と、さらにその上に形成された第3層105の3つの層から構成されている。
光学基板101の上に形成される第1層103は、屈折率N1が1.30〜1.50の間の値を有し、膜厚D1が22〜45nmの値を有している。そして、第1層104の上に形成される第2層104は、第1層103とは異なる材質で形成されており、屈折率N2が1.42〜1.52の値を有し、膜厚D2が18〜35nmの値を有している。第2層の上に形成される第3層105は、膜厚D3が180〜320nmの間の値を有し、屈折率N3が1.35〜1.52の範囲の値から1.0(空気)に向かって実質的に連続に変化する領域を有する。ここで、「実質的に連続に変化する」と表現したのは、膜の材料そのものの屈折率が連続に変化しているのではなく、平均ピッチが400nm以下の微細凹凸構造体の空間充填率が連続に変化することで「有効屈折率」が変化していることを意味している。すなわち、光は自らの波長以下の凹凸形状を認識せず、有効屈折率の媒質として認識する性質があるためである。
図1では、微細凹凸構造体が完全な周期構造ではなく、ランダム性を持った構造となっているが、このような場合も一つ一つのピッチが使用最短波長に比べて小さければ回折光や散乱光等の不要光は発生しない。図1では微細凹凸構造体がランダムな場合を記載したが、本発明はこれに限定されず、周期構造であっても良い。また、有効屈折率Neffは、波長以下の凹凸形状を形成している材質の屈折率をNmとし、その材質の空間充填率をffとしたときに、Lorentz−Lorenzの式
(Neff−1)/(Neff+2)=ff(Nm−1)/(Nm+2)
を用いて求めることができる。すなわち、波長以下のピッチで空間充填率が連続に変化するような構造体を形成することで、実質的に屈折率が連続に変化する膜を形成することが可能となる。
また、図2では、第3層105は第2層104との界面部分での屈折率N3から1.0(空気)に向かって直線的に変化している場合(実線)を示した。しかし、変化の仕方はこれに限定されず、連続的に変化していればどのような変化の仕方でも良い。例えば、図2中に例として2本の破線で示したように、変化率の異なる複数の領域を持つような変化の仕方や曲線的に変化しても良い。
このような屈折率構造とすることで、本発明の反射防止膜は、可視全域(波長400〜700nm)にわたる広い波長帯域で、かつ、入射角度0〜60°以上にもわたる大きな入射角度範囲にわたって、優れた反射防止特性を実現することができる。そして、本発明の反射防止膜を形成した光学素子をカメラ用レンズ等の光学系に使用することで、フレアやゴースト等の不要光の発生を十分低減した高品位な光学系を実現することができる。
(実施例1)
図3(a)は、本実施例の反射防止膜の屈折率構造を示している。本実施例における光学基板101の屈折率Nsubは1.518である。第1層103の屈折率N1は1.360であり、膜厚D1は26.0nmである。第2層104の屈折率N2は1.464であり、膜厚D2は24.4nmである。第3層105の膜厚D3は248.4nmであり、屈折率N3が1.444から1.0に向かって図3(a)に示したようなプロファイルで連続に変化する。
図3(b)、図3(c)に本実施例の反射防止膜の反射率特性を示す。図3(c)は、図3(b)の縦軸(反射率)のフルスケールを5%から1%に拡大した図である。これらの図を見て分かるように、可視域全域(波長400〜700nm)にわたり、高い反射防止性能を発揮している。入射角0〜45°では可視域全域で0.3%以下の反射率を達成している。さらに、60°という大きな入射角度でも、可視域全域で1.8%以下の反射率を達成しており、波長550nmでの反射率は0.7%以下の値となっている。このように、本実施例の反射防止膜は優れた反射防止特性を発揮している。
本発明では、上述のような屈折率構造が実現できれば製法については特に限定しない。第1層103の製法としては、例えば粒径が1〜40nmのシリカ(SiO)またはフッ化マグネシウム(MgF)等の多孔質粒子または中空微粒子を含有した有機樹脂材料をスピンコート法等で形成する方法を用いることができる。屈折率1.46の材料からなり、空隙率(空気の体積比率)が40%の中空シリカ微粒子の屈折率は、先に示したLorentz−Lorenzの式を用いて計算すると1.261となる。屈折率の異なる2つの媒質を均一に混合した場合の屈折率は、同じくLorentz−Lorenzの式から、
(Neff−1)/(Neff+2)=ffa(Na−1)/(Na+2)+ffb(Nb−1)/(Nb+2)
によって算出することができる。ただし、Neffは混合後の媒質の有効屈折率、一方の媒質の空間充填率(体積比率)、屈折率をそれぞれ、ffa、Na、もう一方の媒質の空間充填率、屈折率をそれぞれffb、Nbとする。したがって、
ffa+ffb=1
である。これらの式から有機樹脂材料の屈折率を1.480とすれば、体積比率で有機樹脂と中空シリカ微粒子の比率を0.53:0.47にすれば、屈折率1.360を実現できることになる。他にも、屈折率1.360で膜厚26.0nmの層を形成できる方法であれば、どのような方法でも構わない。
第2層104、第3層105も同様に、上述の屈折率構造が実現できれば製法について特に限定しない。例えば、酸化アルミニウム(Al)を含有する溶液を塗布し、乾燥した後に形成された膜を温水中に浸漬し、表面に板状結晶を析出させる方法を用いれば、第2層104、第3層105を同時に形成することができる。この場合、酸化アルミニウムを含有する層から析出した板状結晶部分が第3層105であり、析出せずにベース部分に残った酸化アルミニウムを含有する多孔質層が第2層104となる。この方法を用いれば、図1に記載したピッチ(隣接する突起と突起の間隔)が400nm以下で、厚さ(高さ)が180nm以上の微細凹凸構造体を簡便に作製することができる。屈折率構造(屈折率の変化の仕方)は、酸化アルミニウムの含有量や安定化剤、触媒等の種類や量を適切に設定すれば制御可能であり、膜厚D3は塗工条件を適切に設定すれば制御可能である。
また、膜の塗工方法については、ディップコート法やスピンコート法等、任意の湿式塗工法を用いることができる。しかし、曲率を有するレンズ等の光学基板においては、面内の膜厚均一性の観点からスピンコート法が好適である。この場合、塗工液の濃度やスピン回転数、回転時間を調整することで任意の膜厚を実現することができる。
第2層104、第3層105の形成方法としては、蒸着法やスパッタリング法等の乾式成膜法で酸化アルミニウムを含有する膜を形成する方法を用いることもできる。この場合、膜厚や膜の空隙率(porocity)を制御することで、その屈折率や膜厚を制御することができる。
(実施例2)
図4(a)は、本実施例の反射防止膜の屈折率構造を示したものである。本実施例における光学基板101の屈折率Nsubは1.585である。第1層103の屈折率N1は1.415であり、膜厚D1は29.5nmである。第2層104の屈折率N2は1.475であり、膜厚D2は28.1nmである。第3層105の膜厚D3は267.8nmであり、屈折率N3は1.435から1.0に向かって図4(a)に示したようなプロファイルで連続に変化する。
図4(b)、図4(c)に本実施例の反射率特性を示す。これらの図を見て分かるように、可視域全域にわたり高い反射防止性能を発揮している。入射角0〜45°では、可視域全域で0.3%以下の反射率を達成している。特に入射角45°では、可視域全域で0.1%以下という極めて高い反射防止特性を実現している。また、入射角60°という大きな入射角でも可視域全域で1.2%以下の反射率を達成しており、波長550nmにおいては反射率0.4以下の値となっており、優れた反射防止特性を発揮している。
本実施例の製法については、上述の屈折率構造が実現できれば特に限定はしない。一例としては、実施例1で説明した方法において適宜条件を変更することで実現することができる。
(実施例3)
図5(a)は、本実施例の反射防止膜の屈折率構造を示したものである。本実施例における光学基板102の屈折率Nsubは1.435である。第1層103の屈折率N1は1.310であり、膜厚D1は33.0nmである。第2層104の屈折率N2は、1.443であり、膜厚D2は23.2nmである。第3層105の膜厚D3は207.7nmであり、屈折率N3は1.373から1.0に向かって図5(a)に示したようなプロファイルで連続に変化する。
図5(b)、図5(c)に本実施例の反射率特性を示す。これらの図を見て分かるように、可視域全域にわたり高い反射防止性能を発揮している。入射角0〜30%では、可視域全域で0.2%以下の反射率を達成している。また、入射角45°では、可視域全域で0.6%以下の反射率を達成しており、波長550nmにおいては反射率0.2%以下となっている。さらに、入射角60°でも可視域全域で2.5%以下の反射率を達成しており、波長550nmにおいては反射率1.5%以下の値となっており、優れた反射防止特性を発揮している。
本実施例の製法も、上述の屈折率構造が実現できれば特に限定はしない。例えば実施例1で説明した方法を適用して、適宜条件を変更することで実現することができる。
(実施例4)
図6(a)は、本実施例の反射防止膜の屈折率構造を示したものである。本実施例における光学基板101の屈折率Nsubは1.644である。第1層103の屈折率N1は1.450であり、膜厚D1は37.0nmである。第2層104の屈折率N2は1.480であり、膜厚D2は24.9nmである。第3層105の膜厚D3は238.7nmであり、屈折率N3は1.480から1.0に向かって図6(a)に示したようなプロファイルで連続に変化する。
図6(b)、図6(c)に本実施例の反射率特性を示す。これらの図を見て分かるように、可視域全域にわたり高い反射防止性能を発揮している。入射角0〜45%では、可視域全域で0.3%以下の反射率を達成している。また、入射角60°でも可視域全域で1.5%以下の反射率を達成しており、波長550nmにおいては反射率0.6%程度の値となっており、優れた反射防止特性を発揮している。
本実施例の製法も、上述の屈折率構造が実現できれば特に限定はしない。例えば実施例1で説明した方法を適用して、適宜条件を変更することで実現することができる。
(実施例5)
図7(a)は、本実施例の反射防止膜の屈折率構造を示したものである。本実施例における光学基板101の屈折率Nsubは1.603である。第1層103の屈折率N1は1.430であり、膜厚D1は34.0nmである。第2層104の屈折率N2は1.480であり、膜厚D2は23.2nmである。第3層105の膜厚D3は262.0nmであり、屈折率N3は1.435から1.0に向かって図7(a)に示したようなプロファイルで連続に変化する。
図7(b)、図7(c)に本実施例の反射率特性を示す。これらの図を見て分かるように、可視域全域にわたり、高い反射防止性能を発揮している。入射角0〜45%では、可視域全域で0.3%以下の反射率を達成している。また、入射角60°でも可視域全域で1.4%以下の反射率を達成しており、波長550nmにおいては反射率0.4%以下の値となっており、優れた反射防止特性を発揮している。
本実施例の製法も、上述の屈折率構造が実現できれば特に限定しない。例えば実施例1で説明した方法を適用して、適宜条件を変更することで実現することができる。
以上から、本発明の反射防止膜は以下の条件を満たす必要があると考えられる。
1.43 ≦ Nsub ≦ 1.65 (1)
1.30 ≦ N1 ≦ 1.50 (2)
22nm ≦ D1 ≦ 45nm (3)
1.42 ≦ N2 ≦ 1.52 (4)
18nm ≦ D2 ≦ 35nm (5)
1.35 ≦ N3 ≦ 1.52 (6)
180nm ≦ D3 ≦ 320nm (7)
N1 ≦ Nsub (8)
N1 ≦ N2 (9)
N3 ≦ N2 (10)
さらに、以下の条件を満たすことがより好ましいと考えられる。
1.30 ≦ N1 ≦ 1.48 (2a)
24nm ≦ D1 ≦ 40nm (3a)
1.43 ≦ N2 ≦ 1.49 (4a)
20nm ≦ D2 ≦ 32nm (5a)
1.36 ≦ N3 ≦ 1.50 (6a)
200nm ≦ D3 ≦ 280nm (7a)
次に、本発明の効果、特に数値を規定した効果を明確にするために、比較例として規定値から外れた場合の反射率特性を示す。
(比較例1)
図8(a)は、比較例1の反射防止膜の屈折率構造を示している。本比較例は、実施例1と比較して第3層105の膜厚D3が規定値から外れており、第3層105の膜厚D3は178.5nmである。
図8(b)、図8(c)に本比較例の反射率特性を示す。これらの図から分かるように、本比較例の反射率特性は実施例1と比較すると大幅に悪化していることが分かる。入射角0〜30°における短波長側(波長400〜500nm)の特性は改善が見られるものの、波長550nm以上の領域や入射角45°、60°では反射率が大きく上昇している。したがって、このような反射防止膜を搭載した光学素子を光学系に用いた場合には、赤またはオレンジ色の不要光(フレアやゴースト)の発生が懸念される。
(比較例2)
図9(a)は、比較例2の反射防止膜の屈折率構造を示している。本比較例では、実施例2と比較して第1層103の膜厚D1が規定値から外れており、第1層103の膜厚D1は52.0nmである。
図9(b)、図9(c)に本比較例の反射率特性を示す。これらの図から分かるように、本比較例の反射率特性は実施例2と比較すると大幅に悪化している。入射角0〜45°における短波長側の反射率が大きく上昇している。したがって、このような反射防止膜を搭載した光学素子を光学系に用いた場合には、青色の不要光(フレアやゴースト)の発生が懸念される。
(比較例3)
図10(a)は、比較例3の反射防止膜の屈折率構造を示している。本比較例では、実施例3と比較して第1層103の屈折率N1と膜厚D1が異なる。第1層103の屈折率N1は1.460であり、膜厚D1は30.0nmである。すなわち、
N1 > Nsub
N1 > N2
の関係になっている。
図10(b)、図10(c)に本比較例の反射防止特性を示す。これらの図から分かるように、本比較例の反射率特性は実施例3と比較すると大幅に悪化している。入射角0°の光線の反射率が、実施例3では可視域全域で0.2%以下であったが、本比較例では短波長側で0.7%、もっとも反射率の良い波長580nm付近でも0.15%以上である。したがって、このような反射防止膜を搭載した光学素子を光学系に用いた場合には、フレアやゴーストの発生が懸念される。
(光学系への適用例)
図11は、本発明の実施例1〜5の反射防止膜を光学系に適用した場合の要部断面図である。本光学系のレンズ設計値を数値実施例1に示す。
図11において、1001は光学系であり、焦点距離14mmのカメラ用広画角レンズである。また、1002は絞り、1003は撮像素子またはフィルムである。この光学系において、光学基板101の像側面に本発明の反射防止膜102を設けている。
また本適用例では、光学系の一例としてカメラ用広画角用レンズの場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、焦点距離の長い標準レンズや望遠レンズでもよく、さらには双眼鏡等の観察光学系に用いても良い。
さらに、本発明の反射防止膜を用いた光学系をデジタルカメラ等の光学機器に用いることで、フレアやゴースト等の有害光の発生を低減し、より高品位な画像を得ることができる。
Figure 0005885595
(数値実施例1)
単位mm

面データ
面番号 r d nd vd
物面
1 43.611 3.10 1.69680 55.5
2 26.108 11.30
3 58.696 5.83 1.60311 60.7
4 52.318 0.15
5 36.653 1.70 1.69680 55.5
6 17.777 6.39
7 48.633 1.30 1.77250 49.6
8 20.569 8.24
9 260.012 1.50 1.69680 55.5
10 15.580 10.11 1.59551 39.2
11 -50.458 3.24
12 54.936 8.21 1.56732 42.8
13 -10.586 1.50 1.77250 49.6
14 -14.355 0.82
15 -14.991 0.90 1.77250 49.6
16 -42.782 0.50
17 (絞り) 1.40
18 84.663 8.63 1.60311 60.7
19 -69.334 4.00 1.74320 49.3
20 78.755 0.67
21 -180.599 0.80 1.92286 21.3
22 32.151 5.88 1.48749 70.2
23 -18.364 0.15
24 352.989 3.30 1.80400 46.6
25 -38.634
101 光学基板
102 反射防止膜
103 第1層
104 第2層
105 第3層

Claims (18)

  1. 屈折率がNsubである光学基板上に形成される反射防止膜であって
    記光学基板側から順に、
    屈折率がN1で膜厚がD1である第1層と、
    屈折率がN2で膜厚がD2である第2層と、
    微細凹凸構造体からなり、屈折率がN3から1.0に向かって変化し、膜厚がD3である第3層と、を含み、
    前記屈折率Nsub、N1、N2、N3を波長550nmの光に対する値とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする反射防止膜。
    1.43≦Nsub≦1.65
    1.30≦N1≦1.50
    22nm≦D1≦45nm
    1.42≦N2≦1.52
    18nm≦D2≦35nm
    1.35≦N3≦1.52
    180nm≦D3≦320nm
    N1Nsub
    N1N2
    N3≦N2
  2. 以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
    1.30≦N1≦1.48
    24nm≦D1≦40nm
    1.43≦N2≦1.49
    20nm≦D2≦32nm
    1.36≦N3≦1.50
    200nm≦D3≦280nm
  3. 前記第1層は、有機樹脂材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
  4. 前記第1層は、粒径が1〜40nmの範囲のシリカ(SiO )またはフッ化マグネシウム(MgF )を含有する多孔質粒子または中空微粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  5. 前記第2層は、酸化アルミニウムを含有する層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  6. 前記第3層は、酸化アルミニウムを含有する微細凹凸構造体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  7. 前記微細凹凸構造体は複数の突起を含み、該複数の突起の平均ピッチは400nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  8. 前記第3層について、膜厚方向における中心部の屈折率をNcとし、N3−Nc=ΔNa、Nc−1=ΔNb、とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の反射防止膜。
    ΔNa>ΔNb
  9. 前記第3層は、前記光学基板側から順に、膜厚がD31で屈折率の平均変化率がR1である第1領域と、膜厚がD32で屈折率の平均変化率がR2である第2領域と、膜厚がD33で屈折率の平均変化率がR3である第3領域と、を含み、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の反射防止膜。
    D31<D32<D33
    R1>R2>R3
  10. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項9に記載の反射防止膜。
    D31+D32+D33=D3
  11. 波長400〜700nmの帯域において、0〜45°の入射角で入射する光線に対する反射率は0.6%以下であり、60°の入射角で入射する光線に対する反射率は2.5%以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  12. 波長400〜700nmの帯域において、0〜45°の入射角で入射する光線に対する反射率は0.3%以下であり、60°の入射角で入射する光線に対する反射率は1.8%以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  13. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の反射防止膜。
    207.7nm≦D3≦267.8nm
  14. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の反射防止膜。
    0.030≦N2−N1≦0.133
  15. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の反射防止膜。
    0.125≦Nsub−N1≦0.194
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の反射防止膜と、該反射防止膜が形成された前記光学基板と、を有することを特徴とする光学素子。
  17. 請求項16に記載の光学素子と、絞りと、を有することを特徴とする光学系。
  18. 請求項17に記載の光学系と、該光学系からの光を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする光学機器。
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