JP5294584B2 - 光学素子及び光学機器 - Google Patents

光学素子及び光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP5294584B2
JP5294584B2 JP2007196745A JP2007196745A JP5294584B2 JP 5294584 B2 JP5294584 B2 JP 5294584B2 JP 2007196745 A JP2007196745 A JP 2007196745A JP 2007196745 A JP2007196745 A JP 2007196745A JP 5294584 B2 JP5294584 B2 JP 5294584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
refractive index
optical
base member
optical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007196745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009031610A (ja
JP2009031610A5 (ja
Inventor
大介 佐野
丈晴 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007196745A priority Critical patent/JP5294584B2/ja
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to PCT/JP2008/063716 priority patent/WO2009017182A1/en
Priority to EP08791945A priority patent/EP2137557A4/en
Priority to CN2008800215684A priority patent/CN101688929B/zh
Priority to CN2012102897027A priority patent/CN102819055A/zh
Priority to KR1020107001196A priority patent/KR101058992B1/ko
Priority to US12/446,713 priority patent/US7859768B2/en
Publication of JP2009031610A publication Critical patent/JP2009031610A/ja
Publication of JP2009031610A5 publication Critical patent/JP2009031610A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5294584B2 publication Critical patent/JP5294584B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/118Anti-reflection coatings having sub-optical wavelength surface structures designed to provide an enhanced transmittance, e.g. moth-eye structures
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1809Diffraction gratings with pitch less than or comparable to the wavelength
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2201/00Constructional arrangements not provided for in groups G02F1/00 - G02F7/00
    • G02F2201/38Anti-reflection arrangements

Description

本発明は、反射抑制機能等の光学的機能を有する光学素子と、これを用いた光学機器に関する。
多くの光学機器には、様々な透過光学素子が用いられており、例えば、デジタルカメラの撮像光学系では、透過光学素子としてのレンズにより物体像を撮像素子上に結像させる。
ただし、透過光学素子の材料として一般に使用される光学ガラスや光学プラスチックは屈折率が大きいために反射率が高く、このような透過光学素子を複数使用すると透過光量が少なくなってしまう。
透過光学素子での反射を抑制するために、該光学素子に反射抑制機能を付与することが多い。光学素子に反射抑制機能を付与する方法としていくつかの方法が知られている。
最も一般的な方法は、透過光学素子の表面に反射抑制膜を形成する方法である。具体的には、蒸着やスパッタ等に代表される薄膜形成技術によって透過光学素子の表面に薄膜を形成し、光学干渉を利用することで反射率を下げる。
また、入射光の波長(使用波長ともいう)よりも細かい構造を利用する方法もある。最も有名な構造として、蛾の目”moth-eye”がある。蛾の目はそれに特有の微細構造によって非常に低い反射率を得ることができる。
入射光の波長よりも細かい構造では、光はその構造を認識できずに一様な媒質のような振舞いを示す。該構造は、これを構成する材料の体積比に準じた屈折率を示す。これにより、通常の材料では得られない低屈折率な構造体を実現でき、反射を良好に抑えることができる。
微細構造を利用する反射抑制方法としては、入射光の波長より小さい粒径を有する微粒子を分散した膜を塗布する方法や(特許文献1参照)、微細パターン加工技術によって微細周期構造を形成する方法(特許文献2参照)がある。
しかしながら、入射光の波長よりも細かい構造を形成するには、複雑なプロセスが必要であり、さらに構造を構成する材料が限定されているために設計自由度が低い。このため、このような微細構造によって高い反射抑制性能が得られるのは限られた条件の透過光学素子のみであった。
本発明は、良好な反射抑制性能等の光学性能を有し、かつ設計自由度の高い光学素子を提供する。
本発明の一側面としての光学素子は、光入射側から順に、第1の層と、第2の層と、ベース部材とを有し、さらに第1の層と第2の層との間に第3の層を有する。第1の層は、入射光の波長よりも小さいピッチで凸部と凹部が交互に形成された凹凸構造を有し、第2及び第3の層は、以下の条件を満足することを特徴とする。
nb=1.8
ns=1.37
ds=300nm
nA=1.64
dA=70nm
nB=1.53
dB=25nm
ただし、nbはベース部材の屈折率であり、ns及びdsはそれぞれ第1の層の等価屈折率及び厚さであり、nA及びdAはそれぞれ第2の層の屈折率及び厚さであり、nB及びdBはそれぞれ第3の層の屈折率及び厚さである。
また、上記光学素子を用いた光学機器も本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、広帯域特性及び入射角度特性に優れた反射抑制性能等、良好な光学性能を有し、かつ設計自由度の高い光学素子を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施例としての光学素子は、図20および数値例4(図16)に示す光学素子であるが、まずは図1〜図15を用いて、本発明の前提技術を用いた光学素子(これについても以下の説明では実施例という)及び比較例について説明する。
図1には、本発明の実施例である光学素子の構成を示す。Lは該光学素子に入射する光を示す。光学素子は、光入射側から順に、第1の層012、第2の層013及びベース部材011を有する。
ベース部材011は、第1及び第2の層012,013により反射抑制機能が付加されるレンズやプリズム等の光学透明部材(透過光学部材)に相当する。
第1の層012は、該光学素子への入射光Lの波長λよりも小さいピッチpで凸部012aと凹部012bが交互に形成された凹凸構造を有する。凸部012aと凹部012bはそれぞれ、幅wa,wbを有する。ここにいうピッチpとは、凸部012aと次の凸部012aまでの距離である。また、幅とは、凸部012aと凹部012bの交互配列方向での寸法を意味する。
第1の層012は、厚さ方向において幅が均一な凸部012aと凹部012bにより構成された凹凸構造を有する。
第2の層013は、第1の層012とベース部材011との間に配置された均質層(凹凸構造を持たない層)である。
ここで、第1の層012をなす凹凸構造におけるピッチpがλ/20以上であると、第1の層012は凸部012aを構成する媒質と凹部012b内を満たす媒質(例えば、空気)とが混合した等価屈折率を持つ層として機能するため、好ましい。
また、凹凸構造は、全ての凸部012aと全ての凹部012bがそれぞれ同一幅で規則的に配置された(つまりは同一ピッチで凸部と凹部が交互に形成された)周期構造であるとよい。ただし、平均ピッチがλより小さければ、凸部012aと凹部012bとが不規則配置された非周期的な構造であってもよい。
また、図1には、第2の層013として1層のみを示しているが、2層以上の第2の層を有していてもよい。
さらに、第2の層013は、前述した均質層でなくてもよく、λより小さいピッチで凸部と凹部が交互に形成された凹凸構造を有していてもよい。
図1に示す光学素子の屈折率構造を図2に示す。図2において、021はベース部材011の屈折率を、022は第1の層012の屈折率(等価屈折率)を示す。また、023は第2の層013の屈折率を示す。また、図2の縦軸は屈折率を、横軸は厚さ方向の位置を示す。
第1の層012は、入射光Lの波長よりも十分に小さな凹凸構造を有するため、みかけ上は均質層のような光学特性を持つ。具体的には、凸部012aを構成する材料の充填量ffから求められる等価屈折率を有する。
等価屈折率nsは、凸部012aを構成する材料の屈折率をnとすると、以下の式(a)により簡易的に表される。
この式(a)から分かるように、凸部012aを構成する材料の充填率が高いほど第1の層012の等価屈折率が高くなる。このことを利用することで、従来の均質層では得られなかった低屈折率な層を作成できる。
本実施例の光学素子は、この第1の層012とベース部材011との間に、別の光学干渉を生じる層(第2の層013)を挿入した構成を有する。このような構成では、最表層である第1の層012の屈折率を低くして入射角に対するフレネル係数の変化を抑えることができる。さらに、第2の層013で光学干渉を生じさせることで、入射角度特性を改善することができる。
また、最表層である第1の層012とこれに接する空気との屈折率差を小さくすることができるため、光学干渉の波の振幅を小さくすることができ、広帯域特性に優れた反射抑制機能を得ることができる。
以上のような性能又は機能を得るためには、第2の層013の屈折率及び厚さ(膜厚ともいう)をそれぞれnA,dA、入射光の波長をλ、ベース部材011の屈折率をnb、第1の層012の等価屈折率をnsとして、以下の条件を満足する必要がある。
さらに好ましくは、以下の条件を満足するとよい。
このような条件を満足することで、第1の層012によって入射角度特性や広帯域特性を補正した光の反射を、第2の層013での光学干渉によってさらに低減することができる。したがって、高性能な反射抑制構造を得ることができる。また、第2の層013の屈折率や厚さを調整するだけで幅広い種類の透過光学部材に適応できる、設計自由度の高い反射抑制構造を得ることができる。
また、図1に示した光学素子と同様の構成を有する光学素子において、第1の層に設ける凹凸構造は、図5に示すような構造であってもよい。051はベース部材、052は第1の層であり、入射光Lの波長λよりも小さいピッチで凸部052aと凹部052bが交互に形成された凹凸構造を有する。
ただし、凸部052aと凹部052bの幅は、第1の層052の厚さ方向において変化している。具体的には、凸部052aの幅は第2の層053及びベース部材051に近いほど大きくなっており、凹部052bの幅はその逆に変化している。053は第2の層であり、均質層である。
この場合の第1の層052の等価屈折率は、厚さ方向にて変化する。このことを図6に示す。061はベース部材051の屈折率、062は第1の層052の屈折率(等価屈折率)、063は第2の層053の屈折率である。また、図6の縦軸は屈折率を、横軸は厚さ方向の位置を示す。
第1の層052の凸部052aは、第2の層側から先細りの形状を有するため、等価屈折率は、第2の層側から空気側(光入射側)に向けて徐々に低くなる。
このような屈折率構造では、入射光は第1の層052内で無数に干渉し合って第2の層053に入射する。この場合、従来の光学干渉膜とは異なり、屈折率の勾配と第1の層052の厚みとに対応して光が減衰しながら第2の層053に入射する。そこで、残留した光のベース部材051での反射を抑えるために、第2の層053の屈折率と厚さを調整することで、光学特性に優れた反射抑制構造が得られる。
以上説明した本実施例の反射抑制構造によれば、従来の光学干渉を用いずに光を減衰させることができる。光学干渉は、層の厚さや屈折率に対して敏感であるため、広帯域特性や入射角度特性に優れた反射抑制構造を得ることが難しい。これに対し、本実施例では、入射光の入射角度や波長に対して鈍感になるため、高性能な反射抑制構造を得やすい。
また、本実施例では、第1の層の構造に適した第2の層を導入することで、第1の層の材料や形状によらず、様々な透過光学部材に適用できる反射抑制構造が得られる。さらに、本実施例の第2の層には、第1の層で減衰した光が入射するため、本実施例は、従来の光学干渉膜を用いる場合に比べて、第2の層の屈折率や厚さに鈍感である。このため、本実施例の光学素子は、従来に比べて製作精度の余裕度が大きい。
さらに、図20に示すように、式(1),(2)又は式(3),(4)を満たす第2の層013と第1の層012との間に、以下の式(5)の条件を満足する別の層(第3の層)014が配置されていてもよい。
ただし、nB及びdBはそれぞれ、第3の層の屈折率及び厚さである。
この条件を満足する第3の層014は厚さが薄いために光学素子の光学特性への影響は少ないが、第1の層012と第2の層013との間の接着性をより良くする効果を持つ。
また、第1の層と該第1の層に接する層(図1及び図2の構造における第2の層や、前述した第3の層:以下、隣接層という)は互いに異なる材料により形成されていてもよい。入射光の波長λよりも小さなピッチの凹凸構造を作成する場合は、はじめに均質な層を形成した後に凹凸形状を形成するための加工を施すことが一般的である。この場合、第1の層と隣接層とを互いに異なる材料で作成することで、凹凸形状の加工による隣接層に与えるダメージを回避又は低減することができる。なお、互いに異なる材料は、互いに同じ材料を一部の成分として含有していてもよい。
図3には、厚さ方向において幅が均一な凹凸構造を有する第1の層032が、ベース部材031上に直接形成されている(つまり、第2の層を持たない)光学素子を比較例として示す。この場合でも、第1の層032の構造を変化させることで屈折率を調整できる。この場合、以下の条件(6)を満たす構造を採用することで、図4に203で示すような反射率特性が得られる。なお、図4中の202は、ベース部材の反射率である。
ただし、図3に示す構造では単層膜と同等であるため、波長帯域が狭く、入射角特性も悪い。これに対し、図1に示す構造では、図4に201で示すような広帯域での良好な反射抑制特性が得られる。なお、図示はしないが、図5に示す構造でも、図1に示す構造と同様に、広帯域での良好な反射抑制特性が得られる。
図7及び図9には、厚さ方向において構造が変化する第1の層を有する比較例を示す。図7は、ベース部材071と、これとは異なる材料で形成された第1の層072とが互いに隣接している場合(第2の層を持たない場合)を示す。また、図9は、ベース部材091と、これと同じ材料で形成された第1の層092とが互いに隣接している場合(第2の層を持たない場合)を示す。
図7の構造での屈折率構造を図8に示す。081はベース部材071の屈折率、082は第1の層072の屈折率(等価屈折率)である。図7の構造では、第1の層072とベース部材071とに異なる材料を用いているため、これらの界面に大きな屈折率差が生じる。このため、空気側から入射する光は第1の層072で減衰されても、第1の層072とベース部材071との界面での反射が大きく、光学性能が劣る。
図9の構造での屈折率構造を図10に示す。101はベース部材091の屈折率、102は第1の層092の屈折率(等価屈折率)である。図9の構造では、第1の層092とベース部材091とに同じ材料を用いているため、第1の層092におけるベース部材側の屈折率とベース部材091の屈折率とはほとんど変わらない。このため、ベース部材091に入射する光は減衰された光のみとなるため、良好な光学特性を得ることができる。
しかし、このような構造を光学ガラスや光学プラスチックをベース部材として実現するには、製作が困難であり、量産性に乏しいという問題が生ずる。さらに、ベース部材091によってはこのような加工自体が難しく、この構造を適用できるベース部材091の範囲が狭い。
図7に示した構造で、第1の層072の材料や形状を調整することで、図10に示すような屈折率構造を得ることも可能である。ただし、屈折率が1.8を超えるような高屈折率を有するベース部材への適用は、材料の選択と構造の最適化が難しく、製作が困難であるとともに量産性が乏しい。
図11及び図12には、本実施例にて説明した反射抑制構造の光学素子への適用例を示す。図11は光学素子の1つであるレンズの断面図を、図12は別の光学素子であるプリズムの断面図である。
これらの図において、111,121はそれぞれ、反射抑制機能を付加するベース部材(光学透明部材)としてのレンズ本体及びプリズム本体である。112,122はそれぞれ、入射光の波長λよりも小さなピッチの凹凸構造を有する第1の層である。113,123は第2の層である。
レンズ本体及びプリズム本体111,121は、一般的な光学機器に搭載できる程度の厚さを有し、また第1の層112,122及び第2の層113,123は、入射光の波長λ以下の凹凸ピッチや厚さを持っている。
このようなレンズやプリズム等の光学素子は、多くの光学機器で使用することができる。例えば、図21には、本実施例の光学素子を用いた光学機器としてのデジタルカメラを示している。
20はカメラ本体、21は本実施例の光学素子であるレンズを用いて構成された撮影光学系である。撮影光学系21は、複数のレンズによって構成されており、このうち少なくとも1つのレンズが本実施例の光学素子により構成されている。22はカメラ本体20に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
23は固体撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリ、24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するための電子ビューファインダである。
このように実施例の光学素子を用いて撮像光学系を構成することで、撮像光学系内での不要な反射を抑えた高い光学性能を有するカメラを実現することができる。
なお、本実施例の光学素子は、カメラのファインダ光学系や、液晶プロジェクタの照明光学系及び投射光学系等にも使用することができる。そして、該光学素子が上述した反射抑制構造を有することで、透過光量が十分に多く、不要な反射によるゴーストやフレアの発生を十分に抑えることができる。
以上説明したように、上記実施例によれば、広帯域特性及び入射角度特性に優れた反射抑制性能等、良好な光学性能を有し、かつ設計自由度の高い光学素子を実現することができる。
以下、上記各実施例に対応した数値例(シミュレーション例)について説明する。全ての数値例において、入射光の波長は500nmである。ただし、このことは、本発明の実施例(数値例)における入射光の波長が500nmに限定されることを意味するものではない。また、層の厚さは物理的層厚(膜厚)とした。
(数値例1)
本数値例の光学素子では、屈折率が1.8の光学ガラスをベース部材として用いた。ひして、ベース部材上に、屈折率が1.46の第2の層(均質層)を95nmの厚さで形成し、さらにその上に第1の層を150nmの厚さで形成した。第1の層を、屈折率が1.46の材料により構成し、材料充填率を30%とした。このときの等価屈折率は1.13である。また、第1の層は、その厚さ方向に一様な構造とした。
本数値例の特性を図13に示す。図13は、光の入射角が0°、30°及び60°での反射率特性を示す。
この光学素子では、低入射角では長波長側において、高入射角では短波長側においてそれぞれ非常に良好な反射抑制特性(低反射率)が得られた。また、入射角が変化しても、最も低い反射率の変化は抑えられた。
(数値例2)
本数値例の光学素子では、屈折率が1.5の光学ガラスをベース部材として用いた。そして、ベース部材上に、屈折率が1.38の第2の層(均質層)を100nmの厚さで形成し、さらにその上に第1の層を100nmの厚さで形成した。第1の層を、屈折率が1.46の材料により構成し、材料充填率を30%とした。このときの等価屈折率は1.13である。また、第1の層は、その厚さ方向に一様な構造とした。
本数値例の特性を図14に示す。図14は、光の入射角が0°、30°及び60°での反射率特性を示す。
この光学素子では、特に、高入射角で広帯域にわたって反射抑制特性が得られた。
(数値例3)
本数値例の光学素子では、屈折率が1.8の光学ガラスをベース部材として用いた。そして、ベース部材上に、第2の層を85nmの厚さで形成し、さらにその上に第1の層を300nmの厚さで形成した。第2の層を、屈折率が1.68の材料により凹凸構造を有するように形成し、材料充填率を90%とした。このときの等価屈折率は1.61である。また、第1の層を、屈折率が1.53の材料により形成し、最もベース部材側での材料充填率を70%とした。このときの等価屈折率は1.37となった。第1の層は、光入射側に近づくにつれて徐々に充填率が低下するように構成した。
本数値例の特性を図15に示す。図15は、光の入射角が0°、30°及び60°での反射率特性を示す。
この光学素子では、低入射角から高入射角まで広い入射角範囲で良好な反射抑制特性が得られた。また、全入射角範囲で広帯域にわたって良好な反射抑制特性が得られた。
(数値例4)
本数値例の光学素子では、屈折率が1.8の光学ガラスをベース部材として用いた。そして、ベース部材上に、屈折率が1.64の第2の層(均質層)を70nmの厚さで形成し、その上に、屈折率が1.53の第3の層(均質層)を25nmの厚さで形成した。さらに、その上に、第1の層を300nmの厚さで形成した。第1の層を、屈折率が1.53の材料により形成し、材料充填率を最もベース部材側で70%とした。このときの等価屈折率は1.37である。第1の層は、光入射側に近づくにつれて徐々に充填率が低下するように構成した。
本数値例の特性を図16に示す。図16は、光の入射角が0°、30°及び60°での反射率特性を示す。
この光学素子では、第1の層と第2の層との間に配置された第3の層での干渉の影響は小さいため、入射角特性と広帯域特性に優れた反射抑制構造が得られた。
以下、上記数値例に対する比較例(シミュレーション例)について説明する。全ての数値例において、入射光の波長は500nmである。
(比較例1)
本比較例では、屈折率が1.8の光学ガラスをベース部材として用いた。そして、ベース部材上に、第1の層を300nmの厚さで形成した。第1の層を、屈折率が1.46の材料により構成し、材料充填率を30%とした。このときの等価屈折率は1.13となった。また、第1の層は、その厚み方向にて一様な構造を有するものとした。
本比較例の特性を図17に示す。図17は、光の入射角が0°、30°及び60°での反射率特性を示す。
この比較例では、ベース部材と第1の層との屈折率差が大きいために、反射率が全入射角において3%以上となっている。つまり、良好な反射抑制特性は得られなかった。
(比較例2)
本比較例では、屈折率が1.8の光学ガラスをベース部材として用いた。そして、ベース部材上に、第1の層を300nmの厚さで形成した。第1の層を、屈折率が1.53の材料により構成し、材料充填率を最もベース部材側で70%とした。このときの等価屈折率は1.37となった。第1の層は、光入射側に近づくにつれて徐々に充填率が低下するように構成した。
本比較例の特性を図18に示す。図18は、光の入射角が0°、30°及び60°での反射率特性を示す。
本比較例では、ベース部材と第1の層(グレーテッド層)との屈折率差が大きいため、400nm付近の波長域で60°入射の場合に、反射率が5%程度と非常に大きくなった。
(比較例3)
本比較例では、屈折率が1.8の光学ガラスをベース部材として用いた。そして、ベース部材上に、屈折率が2.3の均質層(実施例の第2の層に相当する)を50nmの厚さで形成し、第1の層を300nmの厚さで形成した。第1の層を、屈折率が1.53の材料により形成し、材料充填率を最もベース部材側で70%とした。このときの等価屈折率は1.37となった。第1の層は、光入射側に近づくにつれて徐々に充填率が低下するように構成した。
本比較例の特性を図19に示す。図19は、光の入射角が0°、30°及び60°での反射率特性を示す。
本比較例では、均質層が式(1)を満たさず、反射抑制特性が悪かった。
表1には、以上説明した数値例1〜4と、比較例1〜3をまとめて示す。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。例えば、上記実施例では、第1及び第2の層をベース部材上に設けることによって反射抑制機能を得る場合について説明したが、他の光学機能を得るために上記第1及び第2の層をベース部材上に設けてもよい。
本発明の実施例である光学素子の構成を示す概略図。 図1の光学素子の屈折率構造を示す図。 比較例としての光学素子の構成を示す概略図。 図1及び図3の光学素子における反射抑制性能を示す図。 本発明の別の実施例である光学素子の構成を示す概略図。 図5に示す光学素子の屈折率構造を示す図。 他の比較例としての光学素子の構成を示す概略図。 図7に示す比較例の屈折率構造を示す図。 さらに他の比較例としての光学素子の構成を示す概略図。 図9に示す比較例の屈折率構造を示す図。 実施例の反射抑制構造のレンズへの適用例を示す図。 実施例の反射抑制構造のプリズムへの適用例を示す図。 実施例に対応する数値例1の反射率特性を示す図。 数値例2の反射率特性を示す図。 数値例3の反射率特性を示す図。 数値例4の反射率特性を示す図。 比較例1の反射率特性を示す図。 比較例2の反射率特性を示す図。 比較例3の反射率特性を示す図。 本発明のさらに別の実施例である光学素子の構成を示す概略図。 実施例の光学素子を用いたデジタルカメラの概略図。
符号の説明
011,051 ベース部材
012,052 第1の層
013,053 第2の層
014 第3の層
L 入射光

Claims (3)

  1. 光入射側から順に、第1の層と、第2の層と、ベース部材とを有し、さらに前記第1の層と前記第2の層との間に第3の層を有し、
    前記第1の層は、入射光の波長よりも小さいピッチで凸部と凹部が交互に形成された凹凸構造を有し、
    前記第2および第3の層は、以下の条件を満足することを特徴とする光学素子。
    nb=1.8
    ns=1.37
    ds=300nm
    nA=1.64
    dA=70nm
    nB=1.53
    dB=25nm
    ただし、nbは前記ベース部材の屈折率であり、ns及びdsはそれぞれ前記第1の層の等価屈折率及び厚さであり、nA及びdAはそれぞれ前記第2の層の屈折率及び厚さであり、nB及びdBはそれぞれ前記第3の層の屈折率及び厚さである。
  2. 前記凸部及び前記凹部は、該第1の層の厚さ方向において幅が変化しており、
    前記nsは、該凹凸構造のうち最もベース部材側での等価屈折率であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光学素子を含むことを特徴とする光学機器。
JP2007196745A 2007-07-27 2007-07-27 光学素子及び光学機器 Expired - Fee Related JP5294584B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196745A JP5294584B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 光学素子及び光学機器
EP08791945A EP2137557A4 (en) 2007-07-27 2008-07-24 OPTICAL ELEMENT AND OPTICAL DEVICE
CN2008800215684A CN101688929B (zh) 2007-07-27 2008-07-24 光学元件和光学装置
CN2012102897027A CN102819055A (zh) 2007-07-27 2008-07-24 光学元件和光学装置
PCT/JP2008/063716 WO2009017182A1 (en) 2007-07-27 2008-07-24 Optical element and optical apparatus
KR1020107001196A KR101058992B1 (ko) 2007-07-27 2008-07-24 광학 소자 및 광학 기기
US12/446,713 US7859768B2 (en) 2007-07-27 2008-07-24 Optical element and optical apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196745A JP5294584B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 光学素子及び光学機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009031610A JP2009031610A (ja) 2009-02-12
JP2009031610A5 JP2009031610A5 (ja) 2010-08-12
JP5294584B2 true JP5294584B2 (ja) 2013-09-18

Family

ID=40304410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007196745A Expired - Fee Related JP5294584B2 (ja) 2007-07-27 2007-07-27 光学素子及び光学機器

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7859768B2 (ja)
EP (1) EP2137557A4 (ja)
JP (1) JP5294584B2 (ja)
KR (1) KR101058992B1 (ja)
CN (2) CN102819055A (ja)
WO (1) WO2009017182A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009042472A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Canon Inc 光学素子
JP5257066B2 (ja) * 2008-12-26 2013-08-07 ソニー株式会社 光学素子、表示装置、反射防止機能付き光学部品、および原盤
CN103620356B (zh) 2011-04-20 2016-04-13 惠普发展公司,有限责任合伙企业 光探测系统
TWI487932B (zh) * 2013-11-21 2015-06-11 Global Wafers Co Ltd 光學元件及其製造方法
JP2016178234A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 株式会社東芝 半導体受光デバイス
EP3671310A1 (en) * 2018-12-18 2020-06-24 Thomson Licensing Optical manipulation apparatus for trapping or moving micro or nanoparticles

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1462618A (en) * 1973-05-10 1977-01-26 Secretary Industry Brit Reducing the reflectance of surfaces to radiation
US5337183A (en) * 1991-02-01 1994-08-09 Yeda Research And Development Co. Ltd. Distributed resonant cavity light beam modulator
JP3135944B2 (ja) 1991-07-19 2001-02-19 ワシ興産株式会社 低反射透明体
DE60333715D1 (de) * 2002-10-30 2010-09-23 Hitachi Ltd Verfahren zur Herstellung funktioneller Substrate, die kolumnare Mikrosäulen aufweisen
JP4156415B2 (ja) * 2003-03-20 2008-09-24 大日本印刷株式会社 賦型方法、賦型フィルム、及び射出成形品
US7595927B2 (en) * 2003-11-01 2009-09-29 Olympus Corporation Spatial light modulator with sub-wavelength structure
US7542197B2 (en) * 2003-11-01 2009-06-02 Silicon Quest Kabushiki-Kaisha Spatial light modulator featured with an anti-reflective structure
CN100476464C (zh) * 2004-04-15 2009-04-08 Api毫微制造及研究公司 光学膜及其制造方法
JP4552556B2 (ja) * 2004-08-04 2010-09-29 旭硝子株式会社 液晶レンズ素子および光ヘッド装置
JP4520418B2 (ja) * 2005-02-18 2010-08-04 キヤノン株式会社 光学用透明部材及びそれを用いた光学系
US8213085B2 (en) * 2008-01-18 2012-07-03 Visera Technologies Company Limited Image sensor device with high photosensitivity
US7903318B2 (en) * 2008-01-29 2011-03-08 Jds Uniphase Corporation MEMS micromirror devices with anti-reflective structures
CN101930086B (zh) * 2008-02-27 2012-11-28 索尼株式会社 防反射用光学元件以及原盘的制造方法
JP5511258B2 (ja) * 2008-08-29 2014-06-04 キヤノン株式会社 光学素子及び光学系

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009031610A (ja) 2009-02-12
US7859768B2 (en) 2010-12-28
KR20100022116A (ko) 2010-02-26
EP2137557A4 (en) 2012-06-27
US20100091376A1 (en) 2010-04-15
CN101688929A (zh) 2010-03-31
EP2137557A1 (en) 2009-12-30
KR101058992B1 (ko) 2011-08-23
WO2009017182A1 (en) 2009-02-05
CN102819055A (zh) 2012-12-12
CN101688929B (zh) 2012-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5773576B2 (ja) 反射防止構造および光学機器
TWI432770B (zh) 光學系統
JP5294584B2 (ja) 光学素子及び光学機器
US9715044B2 (en) Antireflection film, and optical element and optical system that include the same
JP5885649B2 (ja) 反射防止膜を有する光学素子、光学系および光学機器
JP6808355B2 (ja) 光学フィルタおよびそれを有する光学系、撮像装置
JP2015004919A (ja) 反射防止膜及びそれを有する光学素子
JP2008276059A (ja) 光学素子およびそれを有する光学系
JP4988282B2 (ja) 光学フィルタ
JP5473472B2 (ja) 光学素子及び光学機器
JP2010079274A (ja) 光学素子及び光学系
WO2019024572A1 (zh) 抗反射结构、显示装置及抗反射结构制作方法
JP2015094878A (ja) 反射防止膜、光学素子、光学系および光学機器
JP2010271534A (ja) 光学素子およびそれを有する光学装置
JP5885595B2 (ja) 反射防止膜、および、それを有する光学素子、光学系、光学機器
JP2010066704A (ja) 光学素子、光学系及び光学機器
JP2016218436A (ja) 回折光学素子、光学系、および、光学機器
JP2009042472A (ja) 光学素子
JP2015084024A (ja) 反射防止膜、光学素子および光学機器
JP2017134362A (ja) 光学素子及びそれを有する光学系
JP2018185394A (ja) 反射防止膜およびそれを有する光学素子,光学系,光学装置
JP2002062419A (ja) 回折光学素子、該回折光学素子を有する光学機器
JP2018005139A (ja) 反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学機器
JP2017219653A (ja) 反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学機器
JP2018185392A (ja) 反射防止膜およびそれを有する光学素子,光学系,光学機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100625

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130611

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees