JP2023172718A - 光学フィルタ、およびそれを有する光学素子、および光学系、撮像装置 - Google Patents

光学フィルタ、およびそれを有する光学素子、および光学系、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、作製が容易な構成でありながら、透過率の異なる領域に対して優れた反射防止性能を有する、ゴーストやフレア等の少ない光学フィルタを実現することである。【解決手段】 本発明は、連続的に透過率が変化する領域を有する光学フィルタであって、前記光学フィルタは、第1の透明材料と第2の透明材料の間に、前記第1の透明材料から順に第1の反射防止層、吸収層、第2の反射防止層の順に構成され、前記第1の透明材料の屈折率をNs、前記第2の透明材料の屈折率をNgとしたとき、1<Ng<Ns を満たし、前記第1の反射防止膜の層数をL1、前記第2の反射防止膜の層数をL2としたとき、L1≧L2 を満たすことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は光学フィルタ、およびそれを有する光学素子、および光学系、撮像装置に関するものであり、特にグラデーション型のNDフィルタに関するものである。
撮像装置内の光学フィルタとして透過率を制限するND(Neutral Density)フィルタが用いられる場合がある。特に、画像の明るさを任意に制御したり、焦点外れ像(ボケ像)の輪郭の先鋭度のばらつき(による画像の品位の低下)を改善する目的で、光学面内の領域に応じて徐々に透過率の異なるグラデーション型のNDフィルタが用いられる。
特許文献1では、領域ごとに積層膜の膜厚を適切に制御することにより、透過率と反射率を制御したグラデーション型のNDフィルタの例が開示されている。また、特許文献2では、反射防止構造体を用いて反射率を低減させたNDフィルタが開示されている。
特開2007-178822号公報 特許第5067133号明細書 李正中著, 株式会社アルバック訳, "光学薄膜と成膜技術"
特許文献1の方法では、光学濃度が0.1から1の範囲において可視光領域の反射率を5%以下にまで低減しているが、ゴーストやフレアのない高品位な画像を得るためには、さらに反射率を低減する必要がある。特許文献2の方法では、NDフィルタの反射率を1%以下に低減しているが、グラデーション型のNDフィルタに対しての構成および反射防止効果は開示されていない。また、一般に、反射防止構造体は作製が容易ではなく、反射防止構造体が壊れてしまうため触れることができない。
また、不要光を吸収するタイプのNDフィルタの場合、その反射率は表面側から入射する場合と基板側から入射する場合とで反射率が異なるが、特許文献1または2では、基板側入射光に対する反射率については何ら言及されていない。
本発明は、作製が容易な構成でありながら、透過率の異なる領域に対して優れた反射防止性能を有する、ゴーストやフレア等の少ない光学フィルタを実現することを課題とする。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、連続的に透過率が変化する領域を有する光学フィルタであって、前記光学フィルタは、第1の透明材料と第2の透明材料の間に前記第1の透明材料から順に第1の反射防止層、吸収層、第2の反射防止層の順に構成され、前記第1の透明材料の屈折率をNs、前記第2の透明材料の屈折率をNgとしたとき、1<Ng<Ns を満たし、前記第1の反射防止膜の層数をL1、前記第2の反射防止膜の層数をL2としたとき、L1≧L2を満たすことを特徴とする光学フィルタを提供することである。
本発明によれば、基板面内で透過率の異なる領域に対し、表面側および基板側から入射する光に対して高い反射防止効果を有する、作製が容易なグラデーション型のNDフィルタを提供することができる。
本発明の光学素子の一実施形態を示す断面模式図である。 本発明の光学素子の一実施形態のある位置における膜構成を示す断面模式図である。 本発明の光学素子の一実施形態における分光透過率、および分光反射率を示す図である。 (a)(b)本発明の光学素子の一実施形態における等価アドミタンス軌道図である。 本発明の実施例1、2および5に使用する材料の屈折率を示す図である。 本発明の実施例1,2に使用する吸収材料の屈折率及び消衰係数を示す図である。 本発明の実施例2の光学素子分光透過率、および分光反射率を示す図である。 本発明の実施例3、4および6に使用する材料の屈折率を示す図である。 本発明の実施例3および4に使用する吸収材料の屈折率及び消衰係数を示す図である。 本発明の実施例3の光学素子分光透過率、および分光反射率を示す図である。 本発明の実施例4の光学素子分光透過率、および分光反射率を示す図である。 本発明の実施例5および7に使用する吸収材料の屈折率及び消衰係数を示す図である。 本発明の実施例5の光学素子分光透過率、および分光反射率を示す図である。 本発明の実施例6に使用する吸収材料の屈折率及び消衰係数を示す図である。 本発明の実施例6の光学素子分光透過率、および分光反射率を示す図である。 本発明の実施例7に使用する材料の屈折率を示す図である。 本発明の実施例7の光学素子分光透過率、および分光反射率を示す図である。 透過率分布の一例を示す図である。 実施例7の撮影機器を示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は本発明の実施形態である光学素子001を示す概略図である。光学素子001は、透明材料1と光学フィルタ100、透明材料5を有する。
光学フィルタ100は透明材料1側から順に、第1の反射防止層2、吸収層3、第2の反射防止層4を有しており、その上には透明材料5が存在する。
また、第1の反射防止層2と第2の反射防止層4はそれぞれ1層以上からなる薄膜で構成されている。各反射防止層は、屈折率の調整、反射防止帯域の拡大、入射角度依存性の低減、偏光依存性の低減を図るためにその層数を増やしても構わない。さらに、吸収層3においても1層以上の吸収を有する材料で構成されている。
図1(b)は光学フィルタ100の各領域における透過率分布を示す図である。本発明の光学フィルタ100は吸収層3の膜厚により透過率が変化する構成となっており、吸収層3の膜厚が連続的に変化することによりグラデーション型のNDフィルタを実現している。
通常、図1のように吸収層の膜厚を変化させてグラデーション型のNDフィルタを得る場合、吸収層の膜厚変化に応じて反射率が大きく変化するため、全領域で反射率を低減することが困難である。しかし、本発明の光学フィルタ100は、全領域において、透明材料5側から光を入射した場合、透明材料1側から入射した場合のどちらであっても反射率を低く抑えることができる。
図2は本発明の一実施例である光学フィルタ100の、ある位置における膜構成の詳細を示した図である。説明の便宜上、吸収層3の膜厚を一定として示している。光学フィルタ100を構成する、第1の反射防止層2は透明材料1側から順に、薄膜21、22で構成されている。また、吸収層3は薄膜31から、第2の反射防止層4は、吸収層3側から順に、薄膜41、42、43、44で構成されている。一例として、第1の反射防止層を2層構成、吸収層を1層構成、第2の反射防止層を4層構成としたが、本発明においては、層数は1層以上であればよく、限定はしない。図3に上記一実施形態の光学濃度OD(Optical Density)が0、0.1、0.3、1、2の領域における400nmから800nmでの分光透過率、分光反射率を示す。以降、本発明の説明に出てくる分光透過率、分光反射率は垂直入射時の特性である。ここで、光学濃度ODとは透過率T(0≦T≦1)を用いて次式で定義される値である。
Figure 2023172718000002
光学濃度OD=0の領域は、吸収層3の膜厚が0の領域であり、透明材料5側から入射した場合の反射率R_S5と、透明材料1側から入射した場合の反射率R_S1は同じ値となっている。一方、光学濃度OD≠0の吸収層3の膜厚が0でない領域では、透明材料5側から入射した場合の反射率R_S5と透明材料1側から入射した場合の反射率R_S1は異なる。これは吸収層3がある場合は、各界面におけるフレネル係数が入射方向により異なるためである。
図3に示すように、本発明の光学フィルタ100は光学濃度、光の入射方向に依らず、可視光領域である420から680nmまで、低い反射率を実現している。以下に、その理由についてアドミタンス軌道図を用いて説明する。アドミタンスとは、媒質中の磁場強度と電場強度の比で表される値で、自由空間のアドミタンスY0を単位とすると、媒質の屈折率は数値的にはアドミタンスと等値となる。以下、本明細書中では屈折率はアドミタンスと等値として扱う。また、アドミタンス軌道図とは、等価アドミタンスの概念を用いた膜特性を表現する図である。等価アドミタンスは、基板の上に薄膜を加えた系全体をそれと等価な特性を持つ1つの基板に置き換えた場合の等価基板のアドミタンスを指す。なお、等価アドミタンス、アドミタンス軌道図の詳細については上記、非特許文献を参照されたい。
図4は、縦軸に光学濃度OD=0、0.1、1.0、横軸に可視領域の波長である420nm、550nm、680nmのときの、本発明の一実施例である光学フィルタ100のアドミタンス軌道図である。
(a)が透明材料5側から入射時の等価アドミタンスを、(b)が透明材料1側から入射時の等価アドミタンスを示している。
まず、図4(a)の透明材料5側から入射時のアドミタンス軌道図を例に、図の見方を説明する。
図は横軸にアドミタンスηの実数部Re(η)、縦軸にアドミタンスの虚数部Im(η)をとっており、図中の□印は透明材料1のアドミタンス、○印は透明材料5のアドミタンス、×印は薄膜31のアドミタンスを表している。ここで、透明材料1、および透明材料5に吸収はない。透明材料1の屈折率をnS1とすると、透明材料1のアドミタンスηs1= nS1Y0となるが、本明細書中ではアドミタンスにおいては自由空間のアドミタンスY0を単位としているため、数値的にはηs1とnS1は等しくなる。一方、薄膜31には吸収がある。吸収がある場合、複素屈折率はn-iκなり、その際のアドミタンスは、(n-iκ)Y0となる。ここで、κは消衰係数である。こちらの場合も、アドミタンスにおいて、自由空間のアドミタンスY0を単位とすると、数値的にはアドミタンスと複素屈折率は等しくなる。
一実施例である光学フィルタ100は図2で示すように、透明材料1側から順に、第1の反射防止層2、吸収層3、第2の反射防止層4、透明材料S5で構成されている。さらに、図2で示したように、第1の反射防止層2は薄膜21、22から、吸収層3は薄膜31から、第2の反射防止層4は薄膜41、42、43、44で構成されている。第1の反射防止層2は透明材料1と吸収層3の界面での反射を低減する機能を果たし、第2の反射防止層4は吸収層3と透明材料5の界面での反射を低減する機能を果たしている。
図4(a)においては、透明材料1から薄膜21,22,31,41,42,43、44までの等価アドミタンス軌道を表す。この透明材料1から薄膜44までの等価アドミタンスと透明材料5のアドミタンスによりフレネル係数、反射率が計算できる。透明材料1から薄膜44までの等価アドミタンスが、透明材料5のアドミタンスと等しい場合は反射率が0となる。一方、図4(b)においては、透明材料5から薄膜44、43,42,41,31,22,21までの等価アドミタンス軌道を表す。この場合も、透明材料5から薄膜21までの等価アドミタンスが透明材料1のアドミタンスに等しいときに反射率が0となる。
図4(a)、(b)の1列目は、波長λ=420nmの場合、2列目は波長λ=550nmの場合、3列目は波長λ=680nmの場合の等価アドミタンスを示す。等価アドミタンスは、波長λの関数であるため、光学濃度ODが同じであっても、使用波長が異なると変化する。
また、図4(a)、(b)の1段目は、光学濃度OD=0の場合、2段目は光学濃度OD=0.1の場合、3段目は光学濃度1の場合の等価アドミタンスを示す。図4(a)の場合、それぞれの波長において、光学濃度が異なっても、透明材料1から薄膜22までの光学アドミタンスの軌道は同じである。光学濃度ODによって、吸収層3の膜厚が異なるため、吸収層3以降の等価アドミタンス軌道が変化する。これは、図4(b)においても同様である。
図4の1段目であるOD=0は、吸収層3の膜厚が0の場合であり、吸収層3による等価アドミタンスの変化はない。図4の2段目はOD=0.1、3段目はOD=1.0であり、吸収層3の膜厚が増加していくため、アドミタンス軌道は図のように変化していく。吸収層3の膜厚が十分に厚いと、図4の3段目に示すように、透明材料5側から入射した場合、透明材料1から薄膜31までの等価アドミタンスは、薄膜31のアドミタンスである×印に近づいており、ほぼ薄膜31のアドミタンスに等しくなるといえる。同様に、透明材料1側から入射した場合、透明材料5から吸収層3までの等価アドミタンスはほぼ薄膜31のアドミタンスに等しくなるといえる。
以上のように、グラデーション型のNDフィルタの等価アドミタンスは、使用波長および光学濃度により変化するといえる。しかしながら、反射率を0に近づけるためには、波長や光学ODにかかわりなく、透明材料1から薄膜44までの等価アドミタンスは透明材料5のアドミタンスに、透明材料5から薄膜21までの等価アドミタンスは透明材料1のアドミタンスに近づけなければならない。そのためには、光学フィルタ100において、波長や光学ODが変化しても等価アドミタンスの変化が少ないような膜構成にすればよい。
波長や光学ODが変化しても等価アドミタンスの変化が少ない膜構成にするには、透明材料1から薄膜22までの等価アドミタンス、および透明材料5から薄膜41までの等価アドミタンスを、薄膜31のアドミタンスに近づければよい。これにより、吸収層3の膜厚変化による等価アドミタンスの変化を小さくすることができる。
透明材料1の屈折率Ns、透明材料5の屈折率Ngの関係は、
1<Ng<Ns (1)
を満たしている。また、吸収のある材料は、高屈折率材であるため、薄膜31の複素屈折率 n31-iκ31とすると、
1<Ng<Ns<n31 (2)
を満たす。
アドミタンス軌道図上での、Ng、Ns、n31の位置関係から、Ngからn31の距離よりも、Nsからn31の距離の方が短いといえる。よって、透明材料1から薄膜22までの等価アドミタンスの軌道を、透明材料5から薄膜41までの等価アドミタンスの軌道よりも短くした方が、都合がよい。このようなアドミタンス軌道とするためには、透明材料1側の第1の反射防止膜の層数をL1、透明材料5側の第2の反射防止膜の層数をL2としたとき、
L1≧L2 (4)
を満たすことが好ましい。
さらに、
Ns-Ng ≦ 0.45 (5)
を満たすことが望ましい。
さらに
Ns > 1.40 かつ Ng > 1.40 (6)
を満たすことが望ましい。
第1の反射防止層2と第2の反射防止層4の層数は2層以上である。層数が少ないと、反射防止効果が低くなるためである。
本発明の光学フィルタを作製するにあたり、透明材料1および透明材料5は、可視領域において透明な材料であればよい。このとき、透明材料1および透明材料5のどちらか一方は、ガラスおよびプラスチックなどの透明材料であり、もう一方は、接合レンズを形成する場合に使用する接着剤であってもよい。透明材料がガラス、プラスチックであった場合、面の形状は、平板であってもよいし、凸、凹レンズなどでもよく、曲面であっても良い。また、接着剤であった場合は、エポキシ系、ポリエンポリチオール系、アクリル系が望ましい。特に、UV硬化型であるポリエンポリチオール系の接着剤は、段階反応であることや、加工タクトが短いことから、さらに望ましい。
膜厚分布を有する吸収層3を形成する方法としては、蒸着やスパッタリングがある。蒸着やスパッタリングの際に任意の形状のマスクを用いることで、任意の透過率分布を有する吸収層3を形成することができる。その他、めっき法やスピンコート等のウェットプロセス法を用いてもよい。
吸収層3の材料は消衰係数kの条件を満たせば何でも良く、例えば、酸素欠損型のTiO2、Nb2O5、Ta2O5が挙げられる。また、NDフィルタの分光透過率の波長平坦性を得るために、使用波長帯域における消衰係数kの波長分散が正負異なる材料を組み合わせてもよい。
グラデーション型のNDフィルタの透過率分布については、様々な形状を用いることができる。例えば、図18(a)、(b)に示すように同心円方向に透過率分布を形成してもよく、また、図18(c)、(d)に示すように一方向に透過率が変化するような構成であってもよい。上記以外にも用途に応じて様々な透過率分布形状があるが、本発明の構成は任意の透過率分布形状に対して適用することができる。
以下に具体的な実施例を示す。ただし、これらは例に過ぎず、本発明の実施例はこれらの条件に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1の光学素子の概略構成図である。実施例1の光学素子は、光学面内において中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション型のNDフィルタを透明材料1と透明材料5で挟んだ構成である。
表1に本実施例の光学フィルタの膜構成を示す。
本実施例においては、透明材料1は、硝材S1、透明材料5は接着剤S5を使用する。硝材S1および接着剤S5は吸収のない材料である。図5に硝材S1と接着剤S5の屈折率を示す。また、第1の反射防止層2は、薄膜21、22からなり、第2の反射防止層3は、薄膜41、42、43、44からなる。第1の反射防止層2は、膜材料H1、M1の2層構成膜であり、第2の反射防止層4は、膜材料M1と膜材料H1の交互層からなる4層構成膜である。膜材料M1およびH1も吸収のない材料である。膜材料M1および、膜材料H1の屈折率についても、図5に示す。さらに、吸収層3は薄膜31の1層構成膜であり、薄膜31は吸収材料A1からなる。吸収材料A1の屈折率、および消衰係数を図6に示す。
図3は本実施例の光学フィルタの分光透過率、分光反射率である。R_S5が透明材料S5側から入射した場合の分光反射率を示し、R_S1が透明材料S1側から入射した場合の分光反射率を示す。本実施例は、条件式(4)を満たしており、R_S5およびR_S1ともに、低い反射率を実現している。
Figure 2023172718000003
本発明の実施例2の光学素子の構成は、実施例1と同様である。実施例1と同様に、実施例2の光学素子は、光学面内において中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション型のNDフィルタを透明材料1と透明材料5で挟んだ構成である。
表2に本実施例の光学フィルタの膜構成を示す 本実施例においては、実施例1と同様に、透明材料1は、硝材S1、透明材料5は接着剤S5を使用する。また、第1の反射防止層2は、薄膜21、22からなり、第2の反射防止層3は、薄膜41、42、43、44からなる。第1の反射防止層2は、膜材料H1、M1の2層構成膜であり、第2の反射防止層4は、膜材料H1と膜材料M1の交互層からなる4層構成膜である。さらに、吸収層3においては、実施例1と同様に、薄膜31の1層構成膜であり、薄膜31は吸収材料A1からなる。
図7は本実施例の光学フィルタの分光透過率、分光反射率である。R_S5が透明材料S5側から入射した場合の分光反射率を示し、R_S1が透明材料S1側から入射した場合の分光反射率を示す。本実施例は、条件式(4)を満たしており、R_S5およびR_S1ともに、低い反射率を実現している。
Figure 2023172718000004
本発明の実施例3の光学素子の構成は、実施例1と同様である。実施例3の光学素子は、実施例1および3の光学素子と同様に、光学面内において中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション型のNDフィルタを透明材料1と透明材料5で挟んだ構成である。
表3に本実施例の光学フィルタの膜構成を示す。
本実施例においては、透明材料1は、硝材S2、透明材料5は接着剤S5を使用する。硝材S2および接着剤S5は吸収のない材料である。図8に硝材S2、および接着剤S5の屈折率を示す。
また、第1の反射防止層2は、薄膜21からなり、第2の反射防止層3は、薄膜41、42、43、44からなる。第1の反射防止層2は、膜材料H2の1層構成膜であり、第2の反射防止層4は、膜材料H2と膜材料M2の交互層からなる4層構成膜である。
膜材料M2およびH2も吸収のない材料である。膜材料M2および、膜材料H2の屈折率についても、図8に示す。さらに、吸収層3は薄膜31の1層構成膜であり、薄膜31は吸収材料A2からなる。吸収材料A2の屈折率、および消衰係数を図9に示す。
図10は本実施例の光学フィルタの分光透過率、分光反射率である。R_S5が透明材料S5側から入射した場合の分光反射率を示し、R_S1が透明材料S1側から入射した場合の分光反射率を示す。本実施例は、条件式(4)を満たしており、R_S5およびR_S1ともに、低い反射率を実現している。
Figure 2023172718000005
本発明の実施例4の光学素子の構成は、実施例1と同様である。
実施例4の光学素子は、実施例1から3の光学素子と同様に、光学面内において中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション型のNDフィルタを透明材料1と透明材料5で挟んだ構成である。
表4に本実施例の光学フィルタの膜構成を示す。
本実施例においては、実施例3と同様に、透明材料1は硝材S2、透明材料5は接着剤S5を使用する。また、第1の反射防止層2は、薄膜21、22からなり、第2の反射防止層4は、薄膜41、42、43、44からなる。第1の反射防止層2は、膜材料H2、M2の2層構成膜であり、第2の反射防止層4は、膜材料H2と膜材料M2の交互層からなる4層構成膜である。それぞれの屈折率を図8に示す。硝材S2および接着剤S5、膜材料M2およびH2も吸収のない材料である。さらに、吸収層3は薄膜31の1層構成膜であり、薄膜31は吸収材料A2からなる。吸収材料A2の屈折率、および消衰係数を図9に示す。
図11は本実施例の光学フィルタの分光透過率、分光反射率である。R_S5が透明材料S5側から入射した場合の分光反射率を示し、R_S1が透明材料S1側から入射した場合の分光反射率を示す。本実施例は、条件式(4)を満たしており、R_S5およびR_S1ともに、低い反射率を実現している。
Figure 2023172718000006
本発明の実施例5の光学素子の構成は、実施例1と同様である。
実施例5の光学素子は、実施例1から4の光学素子と同様に、光学面内において中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション型のNDフィルタを透明材料1と透明材料5で挟んだ構成である。
表5に本実施例の光学フィルタの膜構成を示す。
本実施例においては、透明材料1は、硝材S1、透明材料5は接着剤S5を使用する。また、第1の反射防止層2は、薄膜21、22、23からなり、第2の反射防止層4は、薄膜41、42、43、44、45からなる。第1の反射防止層2は、膜材料H1、M1、H1の3層構成膜であり、第2の反射防止層4は、膜材料M1と膜材料H1の交互層からなる5層構成膜である。硝材S1、接着剤S5、膜材料M1および、膜材料H1の屈折率は、図5に示す。
さらに、吸収層3は薄膜31、32からなり、薄膜31は吸収材料A4で、薄膜32を吸収材料A5で構成される。吸収材料A4および、A5の屈折率および消衰係数を図12に示す。
図13は本実施例の光学フィルタの分光透過率、分光反射率である。R_S5が透明材料S5側から入射した場合の分光反射率を示し、R_S1が透明材料S1側から入射した場合の分光反射率を示す。本実施例は、条件式(4)を満たしているため、R_S5およびR_S1ともに、低い反射率を実現している。
Figure 2023172718000007
本発明の実施例6の光学素子の構成は、実施例1と同様である。実施例6の光学素子は、実施例1から5の光学素子と同様に、光学面内において中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション型のNDフィルタを透明材料1と透明材料5で挟んだ構成である。
表6に本実施例の光学フィルタの膜構成を示す。
本実施例においては、透明材料1は、硝材S2、透明材料5は接着剤S5を使用する。
また、第1の反射防止層2は薄膜21からなり、第2の反射防止膜層4は、薄膜41、42、43、44からなる。さらに、第1の反射防止層2は1層構成、および第2の反射防止層4は膜材料H2と膜材料M2の交互層の4層構成である。硝材S1、接着剤S5、膜材料M1および、膜材料H1の屈折率は、図8に示す。さらに、吸収層3は薄膜31、32の2層構成膜からなり、薄膜31は吸収材料A5で、薄膜32を吸収材料A6で構成する。吸収材料A5および、A6の屈折率および消衰係数を図14に示す。
図15は本実施例の光学フィルタの分光透過率、分光反射率である。R_S5が透明材料S5側から入射した場合の分光反射率を示し、R_S1が透明材料S1側から入射した場合の分光反射率を示す。本実施例は、条件式(4)を満たしているため、R_S5およびR_S1ともに、低い反射率を実現している。
Figure 2023172718000008
本発明の実施例7の光学素子の構成は、実施例1と同様である。実施例7の光学素子は、実施例1から6の光学素子と同様に、光学面内において中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション型のNDフィルタを透明材料1と透明材料5で挟んだ構成である。
表7に本実施例の光学フィルタの膜構成を示す。
本実施例においては、透明材料1は、硝材S6、透明材料5は接着剤S7を使用する。
また、第1の反射防止層2は、薄膜21、22からなり、第2の反射防止層4は、薄膜41、42、43、44、45、46、47からなる。さらに、第1の反射防止層2、および第2の反射防止層4は膜材料M1と膜材料H2の交互層で構成される。硝材S6、接着剤S7、膜材料M1および、膜材料H2の屈折率は、図16に示す。さらに、吸収層3は薄膜31、32からなり、薄膜31は吸収材料A3で、薄膜32は吸収材料A4で構成される。
吸収材料A5および、A6の屈折率および消衰係数を図12に示す。
図17は本実施例の光学フィルタの分光透過率、分光反射率である。R_S5が透明材料S5側から入射した場合の分光反射率を示し、R_S1が透明材料S1側から入射した場合の分光反射率を示す。本実施例は、条件式(4)を満たしているため、R_S5およびR_S1ともに、低い反射率を実現している。
Figure 2023172718000009
本発明の実施例8の撮影装置400について説明する。
図19は本発明の撮像装置400の光学系断面図である。物体光は光学系を透過して、撮像面IPに結像する。ここで絞り位置SP、絞り前後の面の少なくとも1つの面に、本発明の実施例1乃至6のグラデーション型NDフィルタが配置されている。
図19は共軸回転対称光学系であり、このような光学系では図18(a)、(b)に示すような同心円状の透過率分布が好ましい。また、図1に示すようにグラデーション型NDフィルタの中心部に吸収層の膜厚が0の領域を設けると、フィルタによる透過率の減少を抑制することができるため好ましい。また、撮像装置400が位相差方式の自動焦点合わせ機構を有している場合においても、位相差の検出に使用される光束の透過率が変化しないように、中心領域に吸収層の膜厚が0の領域を設けることが好ましい。
光学面の中心からの距離r1、r2(r1<r2)における透過率をT(r1)、T(r2)としたとき、T(r1)≧T(r2)となるようなグラデーション型NDフィルタを配置すると、アポダイゼーション効果により品位の高いボケ像を得ることができる。さらに絞りの前後に本発明のグラデーション型NDフィルタを配置することにより、軸外光束に対しても有効にアポダイゼーション効果を得ることができ、画面全域に対して品位の高い画像が得られる。また、反対にT(r1)≦T(r2)のような特性を有するグラデーション型NDフィルタを用いると、画像の周辺減光を補正することができる。
このような位置に光学フィルタを入れた場合、通常、反射光が迷光となりゴーストやフレアの原因となる。しかし、本発明のグラデーション型NDフィルタの場合、透過率分布を有しつつ反射率を低く抑制しているため、像側、物体側の双方からの光に対してもゴーストやフレアを抑制した高品位な像が得られる。なお、図19のレンズ断面図はあくまで一例であり、1つの撮影光学系レンズに限定されることなく様々な光学系に適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
1 透明材料
2 第1の反射防止層
3 吸収層
4 第2の反射防止層
5 透明材料
41、42、43、44 薄膜
100 光学フィルタ

Claims (7)

  1. 連続的に透過率が変化する領域を有する光学フィルタであって、
    前記光学フィルタは、
    第1の透明材料と第2の透明材料の間に、前記第1の透明材料から順に第1の反射防止層、吸収層、第2の反射防止層の順に構成され、
    前記第1の透明材料の屈折率をNs、前記第2の透明材料の屈折率をNgとしたとき、
    1<Ng<Ns
    を満たし、
    前記第1の反射防止膜の層数をL1、前記第2の反射防止膜の層数をL2としたとき、
    L1≧L2
    を満たすことを特徴とする光学フィルタ。
  2. 請求項1に記載の光学フィルタにおいて、
    前記光学フィルタは、
    Ns-Ng ≦ 0.45
    を満たすことを特徴とする光学フィルタ。
  3. 請求項1又は2に記載の光学フィルタにおいて、
    前記第1の反射防止層と前記第2の反射防止層は、2層以上で構成されていることを特徴とする光学フィルタ。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の光学フィルタにおいて、
    前記吸収層は1層以上で構成されていることを特徴とする光学フィルタ。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の光学フィルタにおいて、
    前記吸収層は同心円状の膜厚分布を有することを特徴とする光学フィルタ。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の光学フィルタにおいて、
    前記吸収層は中心から周辺に向かって厚みが増加することを特徴とする光学フィルタ。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の光学フィルタにおいて、
    前記吸収層は中心部に膜厚が0nmの領域を有することを特徴とする光学フィルタ。
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