JP6957135B2 - 光学素子、光学系、撮像装置及びレンズ装置 - Google Patents

光学素子、光学系、撮像装置及びレンズ装置 Download PDF

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Description

本発明は、デジタルカメラ等の光学系に用いられる光学素子に関する。
デジタルカメラ等の光学系に用いられる光学素子の一つとして、光学面内に透過率分布を有するグラデーション型のND(Neutral Density)フィルタが知られている。グラデーション型のNDフィルタ(以下GNDフィルタと称する)を用いることで、画像の明るさを任意に制御することや、焦点外れ像(ボケ像)の輪郭の先鋭度のばらつきを改善することができる。
GNDフィルタに求められる特性として、反射率が低いことが挙げられる。GNDフィルタを撮像装置等の光学系に用いた場合、GNDフィルタにおける反射光はフレアやゴーストを生じる要因となるためである。反射率を十分に低減するためには、反射防止層の最も表面側に屈折率の低い膜を設けることが有効である。
特許文献1には、基板に金属からなる膜(吸収層)と金属酸化物からなる膜を交互に積層し、最も表面側に屈折率1.23の高分子ポリマーからなる層を設けることで、反射率を低減したGNDフィルタが記載されている。
特開2009−288295号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたGNDフィルタの場合、吸収層として消衰係数の大きな金属を用いているため、吸収層の厚さを変化させて透過率分布を形成すると、GNDフィルタの位置に応じて反射条件が顕著に変化してしまう。そのため、最も表面側に高分子ポリマーからなる屈折率の低い層を設けたとしても、GNDフィルタ全域において低い反射率を実現することは困難であった。
本発明の目的は、吸収層の透過率の変化による反射率の変化を低減できる光学素子を提供することである。
本発明の光学素子は、基板と、複数の薄膜を備える表面層と、前記表面層と前記基板の間に設けられた前記基板上の位置に応じて透過率の異なる吸収層と、を有する光学素子であって、前記表面層において前記基板から最も離れた位置に配置されている第1の膜の屈折率は1.05以上1.4以下であり、前記表面層における前記第1の膜よりも前記基板に近い位置には、波長550nmにおいて前記基板よりも屈折率の高い第2の膜と、波長550nmにおいて前記第2の膜よりも屈折率の低い第3の膜が合計2層以上積層されており、前記吸収層は、二つ以下の膜で構成されており、前記吸収層の厚さ、及び前記表面層の厚さと前記吸収層の厚さの和は、前記基板上の位置に応じて変化しており、前記吸収層の消衰係数は、波長400nmから700nmにおいて0.05以上0.5以下であることを特徴とする。
本発明によれば、吸収層の透過率の変化による反射率の変化を低減できる光学素子を実現できる。
GNDフィルタの概略図である。 吸収層の消衰係数が0.218である場合のアドミタンス軌道図である。 吸収層の消衰係数が0.5である場合のアドミタンス軌道図である。 消衰係数および吸収係数の波長依存性の一例を示す図である。 吸収層が第1の吸収膜と第2の吸収膜を有する場合のGNDフィルタの概略図である。 光吸収性を有する材料により形成された微粒子を分散させた樹脂により吸収層が形成されている場合のGNDフィルタの概略図である。 透過率分布の一例を示す図である。 実施例1のGNDフィルタの反射率および透過率の波長依存性を示す図である。 実施例2のGNDフィルタの反射率および透過率の波長依存性を示す図である。 実施例3のGNDフィルタの概略図である。 実施例3のGNDフィルタの反射率および透過率の波長依存性を示す図である。 実施例4のGNDフィルタの概略図である。 実施例4のGNDフィルタの反射率および透過率の波長依存性を示す図である。 光学系の断面図および撮像装置の概略図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部位については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の光学素子としてのGNDフィルタ10を示す概略図である。本実施形態のGNDフィルタ10は、基板11と、表面層14と、入射光の一部を吸収する吸収層13と、を有する。吸収層13は、表面層14と基板11の間に配置されている。
表面層14は、少なくとも3層の薄膜によって構成されている。すなわち、表面層14は、第1の膜14cと、波長550nmにおいて基板11よりも屈折率の高い第2の膜14bと、波長550nmにおいて第2の膜14bよりも屈折率の低い第3の膜14aを有する。第1の膜14cは、表面層14において基板11から最も離れた位置に配置されており、波長550nmにおいて1.05以上1.4以下の屈折率を有する。また、第2の膜14bと第3の膜14aは、表面層14において第1の膜14cよりも基板11に近い位置に交互に合計2層以上積層されている。
吸収層13は、波長400nmから700nmにおいて0.5以下の消衰係数を有しており、GNDフィルタ10に入射した光の一部は吸収層13において吸収される。また、吸収層13の厚さは、基板11上の位置に応じて変化している。これによって、吸収層13は基板上の位置に応じて異なる透過率を有している。
また、図1に示すように、吸収層13と基板11の間に、中間層12をさらに設けても良い。なお、基板11の裏面11aには、これらと同一の層を積層したり、反射防止膜を設けたりしても良い(不図示)。
[反射率を低減する効果について]
一般に、吸収層の透過率が変化すると反射率も変化するため、透過率の異なる領域に対して反射率を低減することは困難であった。しかし、GNDフィルタ10においては、吸収層が後述する式(2)を満たし、前述のような表面層を有することにより、吸収層の透過率の変化による反射率の変化を低減することができる。この理由について、図2および図3を用いて説明する。
図2および図3は、GNDフィルタ10が中間層12を有している場合のGNDフィルタ10のアドミタンス軌道図である。図2は吸収層13の消衰係数が小さい場合のアドミタンス軌道を表しており、図3は吸収層13の消衰係数が図2よりも大きい場合のアドミタンス軌道を表している。また、中間層12は2層の薄膜からなり、基板11に近い側から順に薄膜12a、12bが積層されて構成されている。
アドミタンスとは、媒質中の磁場強度と電場強度との比で表される値であり、真空のアドミタンスYを単位とすると、媒質の屈折率は数値的にはアドミタンスと等値となる。また、アドミタンス軌道図とは、等価アドミタンスの概念を用いた膜特性を表現する図である。等価アドミタンスとは、基板の上に薄膜を加えた系全体をそれと等価な特性を持つ1つの基板に置き換えた場合のアドミタンスを指す。
なお、等価アドミタンス、および、アドミタンス軌道図の詳細については、文献「李正中著,株式会社アルバック訳,“光学薄膜と成膜技術”」に説明されている。
図2は、吸収層13の消衰係数が0.218である場合について、GNDフィルタ10におけるアドミタンス軌道図を示している。図2(a)、(b)、(c)の各図は、GNDフィルタ10において透過率が100%、79%、10%である位置に、空気側から光が入射した場合のアドミタンス軌道図である。GNDフィルタ10において、吸収層13の厚さが厚い位置ほど透過率は低くなる。すなわち、図2(a)は吸収層13の厚さが0である位置におけるアドミタンス軌道を示しており、図2(b)から図2(c)にかけて吸収層13の厚さは増している。
まず、図2(a)のアドミタンス軌道図を例として、図の見方を説明する。図2において、横軸はYを単位としたアドミタンスηの実数部Re(η)、縦軸はηの虚数部Im(η)をそれぞれ示し、図中の×印は基板11のアドミタンス、○印は空気のアドミタンスをそれぞれ表している。基板11の屈折率をNsubとすると、Yを単位とした基板11のアドミタンスはNsubと等しくなる。一方、光の吸収がある場合、その際のアドミタンスは、複素屈折率N−ikと等値となる。ここで、Nは屈折率、kは消衰係数である。
図2(a)の軌道は、基板11から順に中間層として薄膜12a、12b、吸収層13、表面層として第3の膜14a、第2の膜14b、第1の膜14cを成膜していったときの等価アドミタンスの変化を示している。第1の膜14cを成膜したときの軌道の終点が最終的な等価アドミタンスを表しており、この等価アドミタンスと空気のアドミタンス(=1)により、フレネル係数および反射率を算出することができる。等価アドミタンスが空気のアドミタンスと等しい場合、反射率は0となる。
図2(a)は、吸収層13の厚さが0の場合を示しているが、吸収層13の厚さが増加して透過率が減少すると、アドミタンス軌道は図2(b)、(c)のように変化する。吸収層13の厚さが増加すると、基板11から吸収層13までの等価アドミタンスは渦を巻くように変化して行き、最終的には吸収層13の複素屈折率に略等しい点に収束する。
図2(a)に示す吸収層13の厚さが0である場合と、図2(c)に示す吸収層13の厚さが十分に厚い場合とを比較すると、等価アドミタンスは消衰係数k=0.218に相当する分だけ変化している。
このように、吸収層13の消衰係数が0.218のとき、基板11から吸収層13までの等価アドミタンスは、図2(a)〜(c)のように変化する。ここで、図2(a)〜(c)の各図から、基板11から吸収層13までの等価アドミタンスの変化に対して、基板11から第1の膜14cまでの等価アドミタンスの変化は小さくなっていることがわかる。これは、吸収層13の上面に表面層14を設けたためである。
GNDフィルタ10の表面層14は、第2の膜14bと第3の膜14aを交互に積層した構造を有する。このように、第2の膜14bと第3の膜14aを交互に積層すると、図2(a)〜(c)の各図に示すように、アドミタンス軌道図上においてV字型の軌道を描く。
ここで、吸収層13の透過率が変化することによって基板11から吸収層13までの等価アドミタンスが図2(a)から図2(b)へと変化した場合について考える。このとき、第3の膜14aのアドミタンス軌道は図2(a)に示す場合よりも図2(b)に示す場合の方が短くなっている。一方、第2の膜14bのアドミタンス軌道は、図2(a)に示す場合よりも図2(b)に示す場合の方が長くなっている。
すなわち、第3の膜14aと第2の膜14bのアドミタンス軌道は、互いの変化を補い合うように変化する。これによって、吸収層13の透過率の変化による等価アドミタンスの変化量を低減している。
また、最終的な等価アドミタンスを空気のアドミタンスに近づけるために、表面層14の第1の膜14cとして屈折率の小さい膜を設けている。反射率を低減するためには、第1の膜14cの屈折率は小さいことが好ましい。そのため、第1の膜14cの屈折率nは波長550nmにおいて以下の条件式(2)を満たす。
1.05≦n≦1.4 (1)
が1.4よりも大きくなると、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化を十分に低減することが困難となる。また、nが1.05より小さくなると、第1の膜14cの製造が困難となる。
なお、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化をより低減するためには、式(1)の範囲を以下の式(1a)とすると良い。
1.05≦n≦1.3 (1a)
次に、吸収層13の消衰係数が大きい場合として、消衰係数が0.5であるときのGNDフィルタ10におけるアドミタンス軌道図を図3に示す。図3(a)、(b)、(c)の各図は、このようなGNDフィルタ10において透過率が100%、79%、10%である位置に、空気側から光が入射した場合のアドミタンス軌道図である。図3(c)に示すように、吸収層13の厚さが十分に厚い場合、基板11から吸収層13までの等価アドミタンスは吸収層3の複素屈折率に略等しくなる。
図3(a)に示す吸収層13の厚さが0である場合と、図3(c)に示す吸収層13の厚さが十分に厚い場合とを比較すると、等価アドミタンスは消衰係数k=0.5に相当する分だけ変化している。吸収層13の透過率の変化による基板11から吸収層13までの等価アドミタンスの変化について、図3と図2を比較することで、図3の各図に示す変化の方がより大きいことがわかる。これは、図2に示した場合に比べて図3に示した場合の方が吸収層13の消衰係数が大きいためである。
吸収層13の消衰係数が0.5よりも大きくなると、等価アドミタンスの変化は図3に示した場合よりも更に大きくなってしまう。この場合、表面層14を設けたとしても十分に反射率を低減すること難しくなる。したがって、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化を低減するために、吸収層13の消衰係数kは波長400nmから700nmにおいて以下の条件式(2)を満たす。
0<k≦0.5 (2)
吸収層13の消衰係数kが式(2)を満たし、吸収層13の上面に表面層14を設けることで、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化を低減することができる。
なお、吸収層13の消衰係数が大きいほど、吸収層13の厚さを薄くすることができる。これにより、蒸着やスパッタリングにより吸収層13を形成する場合において、成膜時間を短縮することができる。さらに、吸収層13の厚さが薄いほど吸収層13による透過波面の位相ずれを少なくすることができる。そのため、式(2)の範囲は、好ましくは以下の式(2a)の範囲とすると良い。
0.005≦k≦0.5 (2a)
より好ましくは、式(2)の範囲を以下の式(2b)の範囲とすると良い。
0.05≦k≦0.4 (2b)
また、第2の膜14bと第3の膜14aの屈折率の差の絶対値が大きいほど、吸収層13の透過率の変化による等価アドミタンスの変化量を低減する効果は大きくなる。そのため、互いに隣接する第2の膜14bと第3の膜14aの屈折率の差の絶対値は0.4以上であることが好ましい。
また、吸収層13の透過率の変化による等価アドミタンスの変化量をより低減するためには、第3の膜14aと第2の膜14bを交互に4層以上積層することが好ましい。
さらに、光が空気側からGNDフィルタへ入射した場合に、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化をさらに低減するためには、波長550nmにおいて以下の条件式(3)を満たすことが好ましい。
|Re(ηsub)/Y−Nabs,int|<0.25 (3)
ここで、ηsubは基板11から中間層12までの等価アドミタンス、Nabs,intは吸収層13における中間層12に最も近い膜の屈折率である。Re(ηsub)をYで割っているのは、Re(ηsub)の単位をYとして扱うためである。
式(3)は、GNDフィルタ10において基板11から中間層12までの等価アドミタンスの実部は吸収層13の屈折率に近い値であるということを表す。式(3)を満たすことで、吸収層13の透過率の変化による基板11から吸収層13までの等価アドミタンスの変化をさらに低減することができる。結果として、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化を更に小さくすることができる。式(3)の範囲は、より好ましくは以下の式(3a)とすると良い。
|Re(ηsub)/Y−Nabs,int|<0.15 (3a)
なお、GNDフィルタ10では、式(3)を満足するような中間層12を設けているが、吸収層13の屈折率と基板11の屈折率を近い値にすることによっても、式(3)を満たすことと同様の効果を得ることができる。
以上の説明では、GNDフィルタ10に対して空気側から光が入射した場合の反射率について説明した。しかしながら、GNDフィルタ10のように入射光の一部を吸収する吸収膜13を有する場合、光が空気側から入射した場合と基板11側から入射した場合とでは、反射率が異なる。これは、吸収層13がある場合、GNDフィルタ10の各界面におけるフレネル係数が光の入射方向によって異なるためである。
基板11側から入射した光に対する反射率を低減するためには、図1に示すように、中間層12を吸収層13と基板11との間に設けることが好ましい。
中間層12は、基板11の屈折率をNsubとしたとき、屈折率がNabs,intとNsubとの間の値の膜を備えて構成されていることが好ましい。さらに、基板11よりも屈折率の高い膜と、該膜よりも屈折率の低い膜を交互に有していることが好ましい。これによって、光が基板11側から入射した場合においても吸収層13の透過率の変化による反射率の変化を低減することができる。
また、空気から吸収層13までの等価アドミタンスの変化を低減するためには、波長550nmにおいて以下の条件式(4)を満たすことが好ましい。
|Re(ηair)/Y−Nabs,sur|<0.25 (4)
ここで、ηairは空気から表面層14までの等価アドミタンスである。また、Nabs,surは吸収層13を構成する膜のうち、表面層14に最も近い膜の屈折率である。吸収層13が単一の膜で形成されている場合、Nabs,surとNabs,intは等しい値となる。反対に、後述のように吸収層13が2つの吸収膜で構成されている場合、Nabs,surとNabs,intは異なる値となる。
式(4)を満たすことは、GNDフィルタ10において空気から表面層14までの等価アドミタンスの実部は吸収層13の屈折率に近い値であるということを表す。これにより、吸収層13の透過率の変化による空気から吸収層13までの等価アドミタンスの変化をさらに低減することができる。結果として、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化を更に小さくすることができる。式(4)の範囲は、より好ましくは以下の式(4a)とすると良い。
|Re(ηair)/Y−Nabs,sur|<0.15 (4a)
また、式(3)と式(4)を共に満たすことで、空気側から光が入射した場合と基板1側から光が入射した場合のいずれについても、吸収層13の透過率の変化による反射率の変化を低減することができる。
さらに、図1に示すようにGNDフィルタ10の中心に吸収層13の厚さが0である領域を設けた場合、該領域において中間層12と表面層14の間には吸収層13が形成されていないことになる。この場合、以下の式(5)を満たすように表面層14および中間層12を設計することが好ましい。
|Re(ηair)/Y−Re(ηsub)/Y|<0.3 (5)
式(5)を満たすことで、吸収層13の厚さが0である領域においても反射率を低減することができる。
[材料について]
次に、GNDフィルタ10を構成する材料について説明する。
基板11はガラス、プラスチックなどを用いることができる。また、基板11の形状は平板のみならず、凸、凹レンズなどでもよい。デジタルカメラ等の撮像装置の光学系にGNDフィルタ10を配置する場合、基板11の形状をレンズ形状とすることで、GNDフィルタを配置するスペースを省くことができ、光学系の小型化を図ることができる。
第1の膜14cは、上述した式(1)を満たす屈折率を有していれば良い。式(1)を満たす材料として、例えばフッ化マグネシウム(MgF)がある。また、内部に空隙が形成されている膜(以下、中空膜と称する)を用いることで、フッ化マグネシウムからなる均一な膜よりも更に低い屈折率を有する膜を得ることができる。これは、空隙に含まれる空気によって、膜の実効的な屈折率を減少させることができるためである。
第1の膜14cとして中空膜を用いる場合、フッ化マグネシウムまたはシリカ(SiO)を含む微粒子を結合して中空膜を形成することが好ましい。フッ化マグネシウムやシリカは屈折率の小さい材料であるため、中空膜を形成するに際して過度に空隙を増やさなくても実効的な屈折率を小さくすることができるためである。また、微粒子の構造としては中空粒子であっても良いし、中実粒子であっても良い。また、多孔質粒子であっても良い。なお、微粒子の粒径は40nm以下であることが好ましい。微粒子の粒径が大きくなりすぎると、粒子による光の散乱が生じるためである。
吸収層13は、波長400nmから700nmにおいて上述した式(2)を満たす消衰係数を有していれば良い。式(2)を満たす材料としては、チタン酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物などの金属酸化物がある。図4(a)に、チタン酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物の消衰係数の波長依存性を示す。図4(a)に示すように、これらの材料の消衰係数は、波長400nmから700nmにおいて上述した式(2)を満たしている。
また、吸収層13は複数の金属酸化物等を組み合わせて構成しても良い。吸収係数の波長依存性の異なる2つの材料を組み合わせて吸収層13を形成することで、GNDフィルタ10の透過率の波長依存性を低減することができる。これにより、撮像装置の光学系等にGNDフィルタ10を用いた場合において、GNDフィルタ10による像の色づきを低減することができる。
図5に、吸収層13が2つの材料を組み合わせて形成されている例として、吸収層13が第1の吸収膜13aと第2の吸収膜13bを有する場合のGNDフィルタ10を示す。第1の吸収層13aは以下の条件式(6a)を満たす第1の材料を含んでいる。また、第2の吸収層13aは以下の条件式(6b)を満たす第2の材料を含んでいる。
α(400)<α(700) (6a)
α(400)>α(700) (6b)
ただし、α(λ)は第1の材料の吸収係数、α(λ)は第2の材料の吸収係数である。ここで、式(6a)および式(6b)における括弧内の数値は、ナノメートル(nm)を単位とした光の波長を表している。すなわち、式(6a)は、第1の材料の波長400nmにおける吸収係数が波長700nmにおける吸収係数よりも小さいことを表している。また、式(6b)は第2の材料の波長400nmにおける吸収係数が波長700nmにおける吸収係数よりも大きいことを表している。
なお、吸収係数α(λ)とは、波長に依存した消衰係数をk(λ)としたとき、α(λ)=4πk(λ)/λで与えられる値である。
式(6a)および式(6b)を満たすことで、透過率の波長依存性を低減することができる理由について説明する。入射光の強度をIとし、α(λ)なる吸収係数を有する膜の厚さをtとしたとき、該吸収膜を透過した透過光の強度Iは、次の式(7)で与えられる。
I=I・exp(−α(λ)・t) (7)
式(7)より、透過光の強度の波長依存性は、吸収係数の波長依存性を起源とすることがわかる。そのため、透過率の波長依存性を低減するためには、α(λ)の波長依存性を小さくすれば良い。
上述のように、第1の材料は、短波長側の光よりも長波長側の光を多く吸収する。また、第2の材料は、長波長側の光よりも短波長側の光を多く吸収する。このような第1の材料および第2の材料は、波長400nmから700nmまでの少なくとも一部において、一方の吸収係数が波長に対して増加し、他方の吸収係数が波長に対して減少する波長帯域(以下、異符号の波長帯域と称する)を有する。
異符号の波長帯域において、第1の材料の吸収係数と第2の材料の吸収係数は、互いに波長依存性を打ち消し合う関係にある。従って、吸収層13の吸収係数の波長依存性を全体として小さくし、平坦な吸収係数を得ることができる。
また、第1の材料と第2の材料が、式(6a)および式(6b)をそれぞれ満たしていたとしても、波長400nmから700nmにおいて、吸収係数が共に増加、または共に減少する波長帯域(以下、同符号の波長帯域と称する)が存在することも考えられる。
しかしながら、吸収層13の吸収係数は、第1の材料と第2の材料の吸収係数を、第1の吸収膜13aの厚さと第2の吸収膜13bの厚さの比に応じて足し合わせた値を有する。そのため、同符号の波長帯域における吸収層13の吸収係数の波長依存性は、第1の材料と第2の材料のうち、該波長帯域における吸収係数の波長依存性が大きい方よりも大きくなることはない。
そのため、式(6a)および式(6b)を満たすことで、吸収層13の吸収係数の波長依存性を小さくすることができ、その結果、吸収層13の透過率の波長依存性を低減することができる。
図4(b)に、図4(a)に示した各材料の吸収係数の波長依存性を示す。図4(b)に示すように、第1の材料としてチタン酸化物を選択し、第2の材料としてニオブ酸化物またはタンタル酸化物を選択することで、式(6a)および式(6b)を満たすことがわかる。この場合、波長400nmから700nmまでの全波長帯域が異符号の波長帯域に相当する。
また、吸収層13の透過率の波長依存性を低減することができる材料の組み合わせとしては上記に限定されず、式(6a)および式(6b)を満たす材料の組み合わせを特性に応じて選択すれば良い。
なお、図5では吸収層13は第1の吸収膜13aと第2の吸収膜13bを積層して構成されている。このときの吸収層13の消衰係数は、第1の吸収膜13aと第2の吸収膜13bとの界面において変化することになるが、第1の吸収膜13aと第2の吸収膜13bが、共に上述の式(2)を満たしていれば、吸収層13が式(2)を満たしていることになる。
具体的には、図5における吸収層13の消衰係数は、第1の吸収膜13aにおいては第1の材料の消衰係数に等しく、第2の吸収膜13bにおいては第2の材料の消衰係数に等しい。この場合、第1の材料の消衰係数と第2の材料の消衰係数が、共に式(2)の範囲内であれば良い。
また、吸収層13は、蒸着やスパッタリングによって形成される均一な膜に限定されない。図6に示すように、光吸収性を有する材料により形成された微粒子132を樹脂131に分散させて吸収層13を形成することもできる。なお、図6は吸収層13の一部を拡大して表示した図である。
この場合、吸収層13の消衰係数は、吸収層13の吸光量と厚さから吸収係数α(λ)を算出し、該吸収係数から、α(λ)=4πk(λ)/λなる関係式を用いて求めることができる。このように得られた消衰係数が、波長400nmから700nmにおいて、上述の式(2)を満たせば良い。
また、図6に示すように吸収層13を形成する場合、上述した式(6a)および式(6b)をそれぞれ満たす第1の材料と第2の材料をそれぞれ微粒子化して樹脂に分散させても良い。これにより、吸収層13の吸収係数の波長依存性を小さくすることができ、その結果、吸収層13の透過率の波長依存性を低減することができる。
[吸収層の厚さの変化による透過波面の位相差について]
GNDフィルタ10は、基板上の位置に応じて厚さが変化している吸収層13を有する。そのため、吸収層13を透過した光の透過波面において吸収層13の厚さに応じた位相ずれが生じることが考えられる。このような透過波面の位相ずれを補償するために、図10(a)に示すGNDフィルタ30や、図12(a)に示すGNDフィルタ40のように、基板上の位置に応じて厚さが変化している位相補償層32、43をさらに設けても良い。
図10(b)は、位相補償層32を有するGNDフィルタ30における吸収層34および位相補償層32の厚さを図示したものであり、縦軸は厚さ、横軸はGNDフィルタ30の半径で規格化した面内の位置を示す。図10(b)に示すように、吸収層34の厚さはGNDフィルタ30の中心から周辺に向かって増加するのに対し、位相補償層32の厚さは中心から周辺に向かって減少するように変化している。
すなわち、位相補償層32の厚さは、吸収層34の厚さの増加する方向に対して反対の方向に増加している。なお、吸収層34の厚さとは、第1の吸収膜34aの厚さと第2の吸収膜34bの厚さを足し合わせたものである。
透過波面の位相ずれを良好に補正するためには、以下の条件式(8)を満たすように位相補償層32の厚さを変化させることが好ましい。
|ΔOPD/λ|≦0.30 (8)
ここで、λは光の波長であり、ΔOPDは吸収層34の厚さが最も薄い位置における光路長と該位置よりも吸収層34の厚さが厚い位置における光路長との差である。すなわち、ΔOPDとは、吸収層34の厚さが最も薄い位置を基準とした光路長差である。GNDフィルタ30においては、規格化半径0で示す位置(GNDフィルタ30の中心部)における光路長と、その他の位置における光路長の差がΔOPDに相当する。なお、ここで言う光路長とは、基板31に積層された各層の屈折率と厚さの積の和で定義される量である。
式(8)を満たすことにより、図10(c)に示すように、吸収層32の厚さの変化によるΔOPDを補償することができる。
また、吸収層と位相補償層の複素屈折率は相違するため、吸収層の厚さに依らず位相補償層のアドミタンスと吸収層のアドミタンスを一致させることは困難である。そのため、位相補償層の厚さ変化によっても反射率は変化する。
位相補償層を吸収層よりも基板に近い側に配置した場合、位相補償層と吸収層の厚さの変化による反射率の変化は、空気側から光が入射した場合に比べて基板側から光が入射した場合において大きくなる傾向がある。一方、吸収層を位相補償層よりも基板に近い側に配置した場合、位相補償層と吸収層の厚さの変化による反射率の変化は、基板側から光が入射した場合に比べて空気側から光が入射した場合において大きくなる傾向がある。
このように、吸収層と位相補償層の厚さの変化による反射率の変化の傾向は、位相補償層を配置する位置と光の入射方向によって異なる。一般に、基板側入射時の反射率を低減することは、空気側入射時の反射率を低減することに比べて容易である。従って、空気側から光が入射した時の反射率と基板側から光が入射した時の反射率をバランスよく低減するには、位相補償層を基板と吸収層との間に配置することが好ましい。
加えて、GNDフィルタ30のように、位相補償層32を基板31に隣接する位置に配置する場合には、以下の条件式(9)を満たすことが好ましい。
|Nsub−Ncmp|<0.10 (9)
ただし、Nsubは基板31の波長550nmの光に対する屈折率、Ncmpは位相補償層32の波長550nmの光に対する屈折率である。
式(9)を満たすことにより、基板31と位相補償層32との界面における反射率を低減することができ、結果として、位相補償層の厚さの変化による反射率の変化を低減することができる。なお、より好ましくは、式(9)の範囲を下記範囲とすると良い。
|Nsub−Ncmp|<0.05 (9a)
また、図12に示すように、位相補償層43を吸収層44に隣接する位置に配置する場合には、以下の条件式(10)を満たすことが好ましい。
|Nabs,c−Ncmp|<0.15 (10)
ただし、Nabs,cは吸収層44を構成する膜のうち、位相補償層43と隣接する膜の波長550nmの光に対する屈折率である。式(10)を満たすことにより、位相補償層43と吸収層44との界面における反射率を低減することができ、結果として、位相補償層43の厚さの変化による反射率の変化を低減することができる。なお、より好ましくは、式(10)の範囲を下記範囲とすると良い。
|Nabs,c−Ncmp|<0.10 (10a)
[製造方法について]
次に、本実施形態におけるGNDフィルタ10の製造方法について説明する。
吸収層13を形成する方法の一例としては蒸着がある。例えば、Tiを適切な酸素分圧で蒸着することにより、図4に示すような特性を有するチタン酸化物からなる薄膜を形成することができる。また、Nbを真空中で蒸着することにより、図4に示すような特性を有するニオブ酸化物からなる薄膜を得ることができる。また、Taを真空中で蒸着することにより、図4に示すような特性を有するタンタル酸化物からなる膜を得ることができる。
また、吸収層13を蒸着により形成する際に、基板11に温度勾配を生じさせたりターゲットと基板11との間にマスクを挿入したりすることで吸収層13の厚さを変化させることができる。
なお、吸収層13を形成する方法としては蒸着に限らず、材料の特性に応じて選択すれば良い。吸収層13を形成する他の方法としては、例えばスパッタリング、めっき法、スピンコート法等がある。
このように吸収層13を形成した後、蒸着やスパッタリングを用いて表面層14を形成する。このとき、表面層14の第1の膜14cとして前述の中空膜を用いる場合は、第1の膜14以外の膜を蒸着やスパッタリングで積層した後、ゾルゲル法等を用いて中空膜を形成すれば良い。まず、スピンコート法などで中空膜の原料液を塗布し、電気炉やホットプレートで加熱することで中空膜を形成することができる。
[GNDフィルタの透過率分布について]
本実施形態のGNDフィルタ10は、吸収層13の厚さに応じた透過率分布を有する。GNDフィルタ10の透過率分布としては、様々な形状を用いることができる。例えば、図7(a)、(b)に示すように同心円状に透過率分布を形成してもよいし、図7(c)、(d)に示すように一方向に透過率が変化するような構成であってもよい。これら以外にも用途に応じて様々な透過率分布の形状があるが、本実施形態は任意の透過率分布の形状に対して適用可能である。
以下に、本実施形態のGNDフィルタの特性に関して、各実施例において説明する。
[実施例1]
実施例1における光学素子としてのGNDフィルタの特性について述べる。表1に実施例1のGNDフィルタを構成する各膜の詳細を表1に示す。
Figure 0006957135
表1のnは波長550nmの光に対する屈折率、kは波長550nmの光に対する消衰係数、dは薄膜の厚さである。これらは、これ以降の実施例についても同様である。
本実施例のGNDフィルタは、表面層は3層、中間層は4層の薄膜によって構成されている。
表1より、表面層において、第1の膜は式(1)を満たしていることがわかる。また、第2の膜と第3の膜は交互に合計2層積層されている。
また、吸収層は、透過率の波長依存性を低減するために2つの吸収膜により構成されている。第1の吸収膜はチタン酸化物からなり、第2の吸収膜はタンタル酸化物からなる。本実施例におけるチタン酸化物およびタンタル酸化物の消衰係数は、図4(a)に示す通りである。図4(a)に示すチタン酸化物およびタンタル酸化物を用いて吸収層を形成することで、吸収層の消衰係数は式(2)を満たすことがわかる。
第1の吸収膜の厚さと第2の吸収膜の厚さは、共に基板上の位置に応じて変化している。第1の吸収膜の厚さと第2の吸収膜の厚さの比は1:1である。吸収層の厚さは、最も厚い位置において1000nmである。すなわち、この位置において第1の吸収膜の厚さと、第2の吸収膜の厚さは共に500nmとなっている。
図8は本実施例のGNDフィルタの反射率および透過率の波長依存性を示している。図8(a)は空気側から光が入射した場合の反射率、図8(b)は基板側から光が入射した場合の反射率、図8(c)は透過率を表している。図8(a)、(b)、(c)の各図において、実線は吸収層13の厚さが0nm、点線は厚さが50nm、破線は厚さが100nm、一点鎖線は厚さが200nm、長破線は厚さが1000nmである場合を表している。
図8(a)、(b)に示すように、本実施例のGNDフィルタは、空気側入射の場合と基板側入射の場合との両方において反射率は4%以下となっている。特に、比視感度の高い550nm付近においては、吸収層の透過率に依らず2%以下の反射率を示している。このように、吸収層の透過率の変化による反射率の変化が小さいことがわかる。さらに、図8(c)に示すように、吸収層の透過率の変化による透過率の波長依存性の変化は小さく、平坦な透過率を示している。これは、吸収層が式(6a)および式(6a)をそれぞれ満たす第1の吸収膜と第2の吸収膜を有するためである。
[実施例2]
次に実施例2における光学素子としてのGNDフィルタについて述べる。表2に実施例2のGNDフィルタを構成する各膜の詳細を表2に示す。
Figure 0006957135
実施例2のGNDフィルタでは、表面層は5層、中間層は4層の薄膜によって構成されている。実施例2は第1の膜の屈折率が実施例1と比較して更に低くなっている。また、第3の膜と第2の膜が交互に合計4層積層されている点でも実施例1と異なる。
また、吸収層は、透過率の波長依存性を低減するために2つの吸収膜により構成されている。第1の吸収膜はチタン酸化物からなり、第2の吸収膜はニオブ酸化物からなる。本実施例におけるチタン酸化物およびニオブ酸化物の消衰係数は、図4(a)に示す通りである。図4(a)に示すチタン酸化物およびニオブ酸化物を用いて吸収層を形成することで、吸収層の消衰係数は式(2)を満たすことがわかる。
第1の吸収膜の厚さと第2の吸収膜の厚さは、共に基板上の位置に応じて変化している。第1の吸収膜の厚さと第2の吸収膜の厚さの比は1:2である。吸収層の厚さは、最も厚い位置において1000nmである。すなわち、この位置において第1の吸収膜の厚さは333nm、第2の吸収膜の厚さは667nmとなっている。
図9は本実施例におけるGNDフィルタの反射率および透過率の波長依存性を示している。図9(a)は空気側から光が入射した場合の反射率、図9(b)は基板側から光が入射した場合の反射率、図9(c)は透過率を表している。図9(a)、(b)、(c)の各図において、実線は吸収層の厚さが0nm、点線は厚さが50nm、破線は厚さが100nm、一点鎖線は厚さが200nm、長破線は厚さが1000nmである場合を表している。
図9(a)、(b)に示すように、本実施例のGNDフィルタは、空気側入射の場合と基板側入射の場合との両方において、反射率は1.5%以下となっている。すなわち、本実施例では、実施例1よりも反射率を更に低減できている。これは、第1の膜の屈折率を小さくしたことと、第2の膜と第3の膜の積層数を増やしたためである。
[実施例3]
次に実施例3における光学素子としてのGNDフィルタについて述べる。図10(a)に、本実施例のGNDフィルタ30の概略図を示す。GNDフィルタ30は、基板31に近い方から順に、位相補償層32、中間層33、吸収層34、表面層35を有する。すなわち、本実施例のGNDフィルタ30は、位相補償層32を有する点で実施例2と異なる。表3に実施例3のGNDフィルタ30を構成する各膜の詳細を表3に示す。
Figure 0006957135
実施例3のGNDフィルタ30では、表面層は5層、中間層は4層の薄膜によって構成されている。
また、吸収層34は、透過率の波長依存性を低減するために2つの吸収膜により構成されている。第1の吸収膜34aはチタン酸化物からなり、第2の吸収膜34bはニオブ酸化物からなる。本実施例におけるチタン酸化物およびニオブ酸化物の消衰係数は図4(a)に示す通りである。図4(a)に示すチタン酸化物およびニオブ酸化物を用いて吸収層34を形成することで、吸収層34の消衰係数は式(2)を満たすことがわかる。
第1の吸収膜34aの厚さと第2の吸収膜34bの厚さは、共に基板上の位置に応じて変化している。第1の吸収膜34aの厚さと第2の吸収膜34bの厚さの比は1:2である。吸収層13の厚さは、最も厚い位置において1000nmである。すなわち、この位置において第1の吸収膜34aの厚さは333nm、第2の吸収膜34bの厚さは667nmとなっている。
図11は本実施例におけるGNDフィルタ30の反射率および透過率の波長依存性を示している。図11(a)は空気側から光が入射した場合の反射率、図11(b)は基板側から光が入射した場合の反射率、図11(c)は透過率を表している。図11(a)、(b)、(c)の各図において、実線は吸収層の厚さが0nm、点線は厚さが50nm、破線は厚さが100nm、一点鎖線は厚さが200nm、長破線は厚さが1000nmである場合を表している。
図11(a)、(b)に示すように、本実施例のGNDフィルタ30は、空気側入射の場合と基板側入射の場合との両方において、反射率は4%以下となっている。特に、比視感度の高い550nm付近においては、吸収層34の透過率に依らず2%以下の反射率を示しており、吸収層34の透過率の変化による反射率の変化が小さいことがわかる。
[実施例4]
次に実施例4における光学素子としてのGNDフィルタについて述べる。図12(a)に、本実施例のGNDフィルタ40の概略図を示す。GNDフィルタ40は、基板41に近い方から順に、中間層42、位相補償層43、吸収層44、表面層45を有する。すなわち、本実施例のGNDフィルタ40は、位相補償層43の位置が実施例3とは異なっている。表4に実施例4のGNDフィルタ40を構成する各膜の詳細を表4に示す。
Figure 0006957135
実施例4のGNDフィルタ40では、表面層は5層、中間層は4層の薄膜によって構成されている。
また、吸収層44は、透過率の波長依存性を低減するために2つの吸収膜により構成されている。第1の吸収膜44aはチタン酸化物からなり、第2の吸収膜44bはニオブ酸化物からなる。本実施例におけるチタン酸化物およびニオブ酸化物の消衰係数は、図4(a)に示す通りである。図4(a)に示すチタン酸化物およびニオブ酸化物を用いて吸収層44を形成することで、吸収層44の消衰係数は式(2)を満たすことがわかる。
第1の吸収膜44aの厚さと第2の吸収膜44bの厚さは、共に基板上の位置に応じて変化している。第1の吸収膜44aの厚さと第2の吸収膜44bの厚さの比は1:2である。吸収層44の厚さは、最も厚い位置において1000nmである。すなわち、この位置において第1の吸収膜44aの厚さは333nm、第2の吸収膜44bの厚さは667nmとなっている。
図13は本実施例におけるGNDフィルタ40の反射率および透過率の波長依存性を示している。図13(a)は空気側から光が入射した場合の反射率、図13(b)は基板側から光が入射した場合の反射率、図13(c)は透過率を表している。図13(a)、(b)、(c)の各図において、実線は吸収層44の厚さが0nm、点線は厚さが50nm、破線は厚さが100nm、一点鎖線は厚さが200nm、長破線は厚さが1000nmである場合を表している。
図13(a)、(b)に示すように、本実施例のGNDフィルタ40は、空気側入射の場合と基板側入射の場合との両方において、反射率は4%以下となっている。特に、比視感度の高い550nm付近においては、吸収層34の透過率に依らず2%以下の反射率を示しており、吸収層44の透過率の変化による反射率の変化が小さいことがわかる。
[光学系]
次に、本発明の実施例としての光学系について述べる。
図14(a)は本実施例における光学系70の断面図である。光学系70は、複数の光学素子としてのレンズを有する。物体からの光は光学系70を透過して、撮像面IPにおいて結像する。
ここで、光学系70の複数のレンズのうち、少なくとも1つは前述した実施例1乃至4のGNDフィルタのいずれかとなっている。
実施例1乃至4のGNDフィルタは、吸収層の透過率の変化による反射率の変化を低減している。そのため、ゴーストやフレアの発生を抑制でき、高品位な像を得ることができる。
光学系70は共軸回転対称の光学系であり、このような光学系では図7(a)、(b)に示すような同心円状の透過率分布が好ましい。また、図1、10、12に示すようにGNDフィルタの中心部に吸収層が形成されていない領域を設けることで、GNDフィルタによる透過光量の減少を抑制することができる。また、その場合、GNDフィルタの中心部を透過する光束は、GNDフィルタによる透過率の変調を受けない。そのため、光学系70を有する撮像装置が位相差方式の自動焦点合わせ機構を有している場合、GNDフィルタの中心部を透過した光束を用いて自動焦点合わせを行うことができる。
光学面の中心からの距離r、r(r<r)における透過率をT(r)、T(r)としたとき、T(r)≧T(r)となる透過率分布を有するGNDフィルタを光学系70に配置すると、アポダイゼーション効果により高品位なボケ像が得られる。
加えて、このようなGNDフィルタを絞りSPの光入射側と光出射側に少なくとも1つずつ配置する場合には、軸外光束に対しても有効にアポダイゼーション効果を得ることができ、画面全域に対して品位の高い画像が得ることができる。
また、GNDフィルタの中心部に吸収層が形成されていない領域を設けることで、アポダイゼーション効果によるボケ像の改善を行いつつ、大きなボケ像を得ることができる。
反対に、T(r)≦T(r)となる透過率分布を有するGNDフィルタを光学系70に配置する場合には、画像の周辺減光を補正することができる。
次に、本実施例の光学系70を有する撮像装置について説明する。
図14(b)は、本実施例の撮像装置としてのデジタルカメラ80である。デジタルカメラ80は、レンズ部82に前述した実施例の光学系70を有する。また、光学系70の結像面IPには、CCDやCMOSセンサーなどの撮像素子83が、本体部81に配置される。
デジタルカメラ80が光学系70を有することで、ゴーストやフレアの発生を抑制でき、高品位な画像を得ることができる。
なお、図14(b)では、本体部81とレンズ部82が一体となった例を示しているが、撮像装置本体に対して着脱可能なレンズ装置に本発明を適用してもよい。このようなレンズ装置は、例えば一眼カメラ用の交換レンズとして用いられる。この場合、図14(b)は、光学系70を有するレンズ装置82が撮像装置本体81に装着されている状態と見ることもできる。
なお、本発明の光学系は、デジタルカメラ等の撮像装置や、撮像装置本体に着脱可能なレンズ装置(交換レンズ)以外に適用することもできる。例えば双眼鏡や顕微鏡等に対しても、本発明の光学系を適用しても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
10 GNDフィルタ
11 基板
13 吸収層
14 表面層
14a 第3の膜
14b 第2の膜
14c 第1の膜

Claims (21)

  1. 基板と、複数の薄膜を備える表面層と、前記表面層と前記基板の間に設けられた前記基板上の位置に応じて透過率の異なる吸収層と、を有する光学素子であって、
    前記表面層において前記基板から最も離れた位置に配置されている第1の膜の屈折率は1.05以上1.4以下であり、
    前記表面層における前記第1の膜よりも前記基板に近い位置には、波長550nmにおいて前記基板よりも屈折率の高い第2の膜と、波長550nmにおいて前記第2の膜よりも屈折率の低い第3の膜が合計2層以上積層されており、
    前記吸収層は、二つ以下の膜で構成されており、
    前記吸収層の厚さ、及び前記表面層の厚さと前記吸収層の厚さの和は、前記基板上の位置に応じて変化しており、
    前記吸収層の消衰係数は、波長400nmから700nmにおいて0.05以上0.5以下であることを特徴とする光学素子。
  2. 互いに隣接する前記第2の膜と前記第3の膜の屈折率の差の絶対値は0.4以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記光学素子は、前記基板と前記吸収層との間に配置された中間層をさらに有し、
    前記吸収層を構成する膜のうち、前記中間層に最も近い膜の屈折率をNabs,int、前記基板の屈折率をNsubとしたとき、
    前記中間層は、屈折率がNabs,intとNsubの間の値の膜を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記基板から前記中間層までの等価アドミタンスをηsub、真空のアドミタンスをYとするとき、波長550nmにおいて、
    |Re(ηsub)/Y−Nabs,int|<0.25
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記光学素子は、前記中間層と前記表面層の間に前記吸収層が形成されていない領域を有しており、
    前記基板から前記中間層までの等価アドミタンスをηsub、空気から前記表面層までの等価アドミタンスをηair、真空のアドミタンスをYとするとき、波長550nmにおいて、
    |Re(ηsub)/Y−Re(ηair)/Y|<0.3
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項3または4に記載の光学素子。
  6. 空気から前記表面層までの等価アドミタンスをηair、真空のアドミタンスをY、前記吸収層を構成する膜のうち前記表面層に最も近い膜の屈折率をNabs,surとするとき、波長550nmにおいて、
    |Re(ηair)/Y−Nabs,sur|<0.25
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 前記第1の膜は、内部に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学素子。
  8. 前記第1の膜はシリカまたはフッ化マグネシウムを含んでいることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学素子。
  9. 前記吸収層は、波長400nmにおける吸収係数が波長700nmにおける吸収係数よりも小さい第1の材料を含む膜と、
    波長400nmにおける吸収係数が波長700nmにおける吸収係数よりも大きい第2の材料を含む膜で構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学素子。
  10. 前記表面層の厚さは、前記基板上の位置に依らず一定であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学素子。
  11. 前記基板上の位置に応じて変化している位相補償層をさらに備え、
    前記位相補償層の厚さは、前記吸収層の厚さの増加する方向に対して反対の方向に増加することを特徴とする請求項10に記載の光学素子。
  12. 前記吸収層の厚さが最も薄い位置における光路長と、該位置よりも前記吸収層の厚さが厚い位置における光路長との差をΔOPDとし、光の波長をλとしたとき、
    前記位相補償層の厚さは、
    |ΔOPD/λ|≦0.30
    なる条件式を満たすように変化していることを特徴とする請求項11に記載の光学素子。
  13. 前記位相補償層は、前記基板に隣接する位置に配置されており、
    前記基板の屈折率をNsub、前記位相補償層の屈折率をNcmpとしたとき、
    |Nsub−Ncmp|<0.10
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項11または12に記載の光学素子。
  14. 前記位相補償層は、前記吸収層に隣接する位置に配置されており、
    前記吸収層を構成する膜のうち、前記位相補償層と隣接する膜の屈折率をNabs,c、前記位相補償層の屈折率をNcmpとしたとき、
    |Nabs,c−Ncmp|<0.15
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の光学素子。
  15. 前記吸収層の透過率の等しい領域が同心円状に分布することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光学素子。
  16. 前記吸収層は、前記同心円の中心において形成されていないことを特徴とする請求項15に記載の光学素子。
  17. 前記基板はレンズであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光学素子。
  18. 複数の光学素子を有し、前記複数の光学素子のうち、少なくとも1つは、請求項1乃至17のいずれか一項に記載された光学素子であることを特徴とする光学系。
  19. 絞りと、前記絞りの光入射側と光出射側に少なくとも1つずつ配置された請求項1乃至17のいずれか一項に記載された光学素子と、を有することを特徴とする光学系。
  20. 撮像素子と、請求項18または19に記載の光学系とを有することを特徴とする撮像装置。
  21. 撮像装置に対して着脱可能であり、請求項18または19に記載の光学系を有することを特徴とするレンズ装置。
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