JP2002062419A - 回折光学素子、該回折光学素子を有する光学機器 - Google Patents

回折光学素子、該回折光学素子を有する光学機器

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JP2002062419A JP2001166424A JP2001166424A JP2002062419A JP 2002062419 A JP2002062419 A JP 2002062419A JP 2001166424 A JP2001166424 A JP 2001166424A JP 2001166424 A JP2001166424 A JP 2001166424A JP 2002062419 A JP2002062419 A JP 2002062419A
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diffraction grating
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Takehiko Nakai
中井  武彦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造上において優れた構成を有し、格子面での
反射を大幅に低減でき、高い回折効率を維持することが
可能な、安価で高精度の回折光学素子、該回折光学素子
を有する光学機器を提供する。 【解決手段】位相型の回折格子6を備えた第1の回折光
学部2と、第1の回折光学部2とは異なる材料より成る
位相型の回折格子7を備えた第2の回折光学部3の表面
に、使用波長より小さい微小凹凸構造を有する構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回折光学素子、該回
折光学素子を有する光学機器に関し、特に複数の波長、
あるいは帯域光で使用する回折光学素子、該回折光学素
子を有する光学機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、屈折光学系においては、分散の異
なる硝材の組み合わせにより色収差を減じる方法が用い
られている。これに対し、レンズ面あるいは光学系の一
部に回折作用を有する回折光学素子を設けることで、色
収差を減じる方法がSPIEVol.1354 Int
ernational Lens Design Co
nference(1990)等の文献や特開平4−2
13421号公報(米国特許第5,044,706号明
細書)、特開平6−324262号公報(米国特許第
5,790,321号明細書)等により開示されてい
る。
【0003】さらに、光学系に用いる回折光学素子とし
て、図12に示されるような回折光学素子が提案されて
いる。この回折光学素子は、基板4上に位相型の回折格
子6が形成された第1の回折光学部2と、基板5上に位
相型の回折格子7が形成された第2の回折光学部3とが
空気層8を介して近接配置した構成となっている。回折
格子6と回折格子7とは分散値の異なる材料により構成
されている。そして全層を通して一つの回折光学素子と
して作用することを特徴としている。
【0004】この回折光学素子の回折効率を図13に示
す。図12に示した複数層の回折格子を有する積層型の
回折格子では各層の回折格子を構成する材料、格子高さ
(d1.d2)を適宜設定することによって、図13に
示すように、可視域全域で高い回折効率を維持できる。
ところで、図13では回折効率を全透過光束に対する設
計次数回折光の割合として示している。しかし、実際に
は、空気と回折格子面の境界でフレネル反射が生じるた
め、1つの界面において全波長域で、数%回折効率が低
下する。したがって、空気層とそれぞれの回折格子の界
面でのフレネル反射を考慮すると全体の回折効率は図1
2の構成で10%近く低下する。この回折効率の低下を
抑止するために、空気層と格子面の境界に反射防止膜を
施すことが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空気層
と格子面の境界に反射防止膜を蒸着する場合において
は、つぎのような様々な問題を生じることとなる。まず
第1に、格子形状の作成の容易性から、回折格子には高
分子樹脂材料が使用されることが多いが、それに起因し
た問題である。すなわち、高分子樹脂材料は熱に弱いた
め高温で反射防止膜の蒸着ができなく、膜の密着力が弱
くなる傾向にあるという点である。第2に格子にはエッ
ジ部が存在するため、反射防止膜を均一に蒸着すること
が困難である点が挙げられる。これは図14に示すよう
に、膜を蒸着した後の格子形状が所望の形状にならない
ために、回折効率が低下する原因となる。所望の反射防
止特性を得るためには、多層の膜構成にする必要があ
り、格子形状の変形は膜数を増やす程に顕著になるた
め、反射防止を行いつつ、回折効率の向上を図ることは
かなり困難である。
【0006】一方、前述のような反射防止膜を蒸着によ
って形成するのではなく、使用波長より微細な凹凸を境
界面に施すことで、反射防止効果をもたせる提案が、
J.Opt.Soc.Am.A/Vol.13,No.
5/p.p988−992/1996の文献や米国特許
5,581,405号明細書の特許のFig.4Bに示
されている。
【0007】そこで、本発明は、上記課題を解決し、製
造上において優れた構成を有し、回折格子表面での反射
を大幅に低減でき、高い回折効率を維持することが可能
な、安価で高精度の回折光学素子、該回折光学素子を有
する光学機器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、つぎの(1)〜(10)のように構成した
回折光学素子、該回折光学素子を有する光学機器を提供
するものである。 (1)位相型の回折格子を備えた回折光学部を有する回
折光学素子であって、前記回折光学部の回折格子はその
表面に周期が略一定の微小凹凸構造を有し、該周期は使
用波長より小さいことを特徴とする回折光学素子。 (2)位相型の回折格子を備えた第1の回折光学部と、
前記第1の回折光学部とは異なる材料より成る位相型の
回折格子を備えた第2の回折光学部を有する回折光学素
子であって、前記第1の回折光学部及び前記第2の回折
光学部の回折格子の少なくとも一方は、その表面に使用
波長より小さい微小凹凸構造を有することを特徴とする
回折光学素子。 (3)前記第1の回折光学部と前記第2の回折光学部
は、空気層を介して近接配置されることを特徴とする上
記(2)に記載の回折光学素子。 (4)前記微小凹凸構造は、周期性を有することを特徴
とする上記(2)または上記(3)に記載の回折光学素
子。 (5)前記微小凹凸構造の周期は、略一定であることを
特徴とする上記(4)に記載の回折光学素子。 (6)前記微小凹凸構造は、それが形成される回折格子
の伸びる方向と平行な方向に周期性を有することを特徴
とする上記(4)または上記(5)に記載の回折光学素
子。 (7)前記回折格子を構成する格子の端部近傍には、前
記微小凹凸構造が形成されない領域が存在することを特
徴とする上記(2)〜(6)のいずれかに記載の回折光
学素子。 (8)前記使用波長は、可視光全域であることを特徴と
する上記(2)〜(7)のいずれかに記載の回折光学素
子。 (9)前記微小凹凸構造は、反射防止機能を有すること
を特徴とする上記(2)〜(8)のいずれかに記載の回
折光学素子。 (10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の回折光
学素子を有することを特徴とする光学機器。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、1つの実施形
態として、回折光学素子が、位相型の回折格子を備えた
回折光学部を有し、その回折光学部の回折格子がその表
面に周期が略一定で、その周期が使用波長より小さい微
小凹凸構造を有する構成としている。また、別の実施形
態として、回折光学素子が、位相型の回折格子を備えた
第1の回折光学部と、第1の回折光学部とは異なる材料
より成る位相型の回折格子を備えた第2の回折光学部を
有し、第1の回折光学部及び第2の回折光学部の回折格
子の少なくとも一方がその表面に使用波長より小さい微
小凹凸構造を有する構成としている。これらにより、製
造上において優れた構成を有し、格子面での反射を大幅
に低減でき、高い回折効率を維持することが可能な、安
価で高精度の回折光学素子を提供することができ、ま
た、これを光学機器に用いることによって、安価で高精
度な光学機器を構成することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下に本発明に係る実施例を説明する。 [実施例1]図1は本発明の実施例1における回折光学
素子の正面図及び側面図である。回折光学素子1は第1
の回折光学部2と第2の回折光学部3が空気層を介して
近接配置された構成となっている。第1、第2の回折光
学部2、3の空気層側の面には、同心円状の位相型回折
格子が形成されている。図2は図1の回折光学素子1を
図中のA−A’断面で切断した断面形状の一部である。
図2は格子高さを実際よりも相当に高く描いたデフォル
メされた図となっている。
【0011】図2に示すように、第1の回折光学部2
は、基板4上に同心円状の位相型回折格子6が形成され
ており、第2の回折光学部3は、基板5上に同心円状の
位相型回折格子7が形成されている。8は空気層であ
り、第1、第2の回折光学部2、3は、この空気層8を
介して近接配置されている。そして全層を通して一つの
回折光学素子1として作用している。また、第1の回折
光学部2、第2の回折光学部3の各回折格子部6、7
は、それぞれ異なる材料で構成されている。
【0012】このような構成にすることで、各回折光学
部の格子部は単層の回折光学素子を作成する技術が使用
できる。また、2つの材料の境界に回折格子を形成する
場合には、材料の光学特性の他に、材料の密着性、膨張
率など様々な特性を満足する材料を用いる必要があるの
に対して、本実施例のような空気層を介した積層構造の
回折光学素子では、基本的に光学特性のみを満足すれば
良いので材料の選択範囲は広くなり、素子の作成には有
利である。そして、本実施例の回折光学素子で特徴的な
ことは、回折格子6、7の表面に格子ピッチより小さ
く、且つ使用波長よりも小さな周期構造を形成したこと
である。この微細周期構造の周期は等しくなるように構
成されている。
【0013】本実施例の回折光学素子の回折効率は、従
来例と基本的には同じであるので、詳細な説明は省き、
発明の主目的である反射防止特性について詳細に説明す
る。微小な周期構造が反射防止特性を示すためには、周
期が使用波長に対して十分小さい必要がある。具体的に
は、回折の式が以下で表されているので、伝播する光に
0次回折光しか成立しないような周期を選択すればよ
い。 n2(λ)sin θ2−n1(λ)sinθ1=mλ/p (1) ここで、n1(λ)、n2(λ)はそれぞれ波長λの光
に対する入射側の材料と射出側の材料の屈折率、θ1は
入射角、θ2は射出角(回折角)、mは回折次数、λは
使用波長、pは微細周期構造の周期(ピッチ)である。
【0014】簡単な数値例で説明を補足する。使用波長
を400nmとし、その波長の光に対する入射側の材料
の屈折率をn1(λ=400nm)=1.0、射出側の
材料の屈折率をn2(λ=400nm)=1.5とす
る。微細周期構造が設けられた面に光束が垂直に入射し
た場合(θl=0°)を考える。m=1とし、射出角
(回折角)を90°とした場合(1)式から微細周期構
造の周期pはp=0.27μmとなる。従って、格子ピ
ッチpがp=0.27μm以下では、(1)式の解が存
在しないため、微細周期構造による1次以上(絶対値)
の回折光は発生せず、微細周期構造の後方に伝播する光
束は、0次回折光だけとなる。0次回折光の回折の式
は、(1)式のm=0の場合であり、これは屈折におけ
るスネルの式と等価である。つまり、図2に示した回折
光学部が有する回折格子の各ピッチP内の格子表面にお
いての伝播は、微細周期構造がない場合と同じ状態の伝
播となる。従って、回折光学部が有する回折格子による
回折は、微細周期構造の影響をうけず、独立した回折の
状態として取扱える。
【0015】以上説明したように、回折格子の格子表面
に微細周期構造を形成することで良好な反射防止特性を
表すためには、微細周期構造の周期(ピッチ)が上述の
状態を満足するように、使用波長全域で、各格子面への
入射角の範囲で成立するように微細周期を決定する必要
がある。本実施例のような積層構造の回折光学素子は、
各回折光学部の格子面が近接して配置されているため、
対応する格子ピッチに入射する光束の入射角のばらつき
は、ほぼ等しいと考えて良い。厳密には格子高さが異な
るので、入射角は異なり、各々の格子で必要な微細周期
構造の周期は異なることになる。しかし、前述で求まる
微細周期構造の周期は、それ以下であれば良いので、よ
り小さな周期のほうに合せても、大きく微細周期構造の
周期の値は変わらない。そこで、微細周期の製造の容易
性を考えると、それぞれの回折光学部の回折格子で等し
いピッチとした方が好ましい。
【0016】さらに、各格子に形成する微細周期構造の
形状も同じにするのが製造上好ましい。反射防止効果を
有する微細構造として、図4から図6までに示したよう
な、矩形波形状、三角波形状、正弦波形状など様々な形
状が知られている。さらに周期構造も1次元方向のみに
周期的なものと、2次元の直交する方向に周期的な構成
がある。これら微細周期構造の形状は、性能の面はもと
より、製造方法によって、適宜選択すべきである。積層
構造の回折光学素子の場合、各層の回折格子の対応する
格子ピッチは同じと見做して良く、また、格子形状も凸
凹の差はあれ、格子深さ(高さ)的には、同じオーダー
のものである。従って、各格子の表面に形成される微細
周期構造は、同じ製造方法で作成する方がコストや効率
の点から好ましく、そのためにも、微細周期構造は同じ
形状であるのが望ましい。
【0017】微細周期構造として図5に示すような三角
波形状を格子面に形成した場合の反射防止特性を図3に
示す。微細周期構造の周期を0.2μm、深さを0.5
μmとし、大日本インキ化学工業(株)製の紫外線硬化
樹脂C001(nd=1.524、νd=50.8)か
らなる回折格子の表面に形成されているものとする。図
3はこの格子面に垂直方向から、無偏光の光束が入射し
た場合の、各波長に対する反射率である。通常、反射防
止処理を行っていない面では、屈折率1.5近傍の材料
は4〜5%の反射が生じる。従って、回折格子表面に微
細周期構造を形成することで、反射光が良好に抑制され
ていることがわかる。
【0018】[実施例2]実施例2では、図7(b)に
示すように、微細周期構造が、回折格子の伸びる方向
(円周方向)と平行な方向に周期構造を有するように構
成した。実施例1では、この回折光学素子の格子部と微
細周期構造の関係について、全くの独立したものとして
取扱っていた。反射防止性能や回折性能についていえ
ば、その通りであるが、素子の製造を考えた場合は、回
折光学素子の格子面の形状を考慮して、微細周期構造を
製作したほうが、製造的にも性能的にも好ましい。具体
的には、図7に示すように、回折光学素子の格子の伸び
る方向と平行に伸びるように、微細周期構造を構成する
のが良い。周期構造としては、図8(b)に示すよう
に、格子の伸びる方向に直交する方向(径方向)に伸び
るような微細周期構造も考えられるが、この場合、格子
先端(エッジ部)及び格子垂直面(側面)に微小な周期
構造が形成されるので、良好に形成するのが困難とな
る。また、微小周期構造を同心円状の回折格子の表面に
設ける場合には、回折光学素子の中心側で周期が小さ
く、外周側で周期が大きくなる構造となり、製造上かな
り困難となる。それに対して、図7(b)に示すように
回折光学素子の格子面の格子の伸びる方向と平行になる
ように、微細周期構造を形成すれば、微細周期構造の周
期は、素子の中央と周辺で一定となり、製造上かなり利
点がある。
【0019】[実施例3]実施例3では、図9に示すよ
うに、回折光学素子の格子面の端部(エッジ部)近傍に
微細周期構造が形成されない領域をもうけるように構成
した。上述の微細周期構造による反射防止構造は、回折
格子の表面全域に設けることが望ましい。しかし、微細
な周期構造を形成することで、格子形状が良好に形成さ
れずに回折効率が低下してしまうと、反射防止効果によ
り回折効率を向上させる利点が大幅に削減されてしま
う。積層構造を持つ回折光学素子に於いて、空気層を介
して近接するように構成した場合には、格子エッジ部の
変形による回折光学素子の回折効率の低下が著しい。そ
こで、本実施例では、図9に示すように、格子面のエッ
ジ部近傍には、本発明の微細周期構造を施さないような
領域10を設けることで、回折効率を維持したまま、反
射防止効果をできるだけ向上するようにしている。ここ
で微細周期を施さない領域は、回折光学素子の格子ピッ
チの1割以下なら、反射防止効果は十分得られるので、
製造を考えてその領域に設定するのが好ましい。
【0020】[実施例4]本発明の実施例4を図10に
示す。図10はカメラ等の撮影光学系の断面を示したも
のであり、同図中101は撮影レンズで、内部に102
の絞りと本発明の回折光学素子1を持つ。103は結像
面であり、銀塩フィルムまたはCCD等の撮像素子が配
置される。本発明の回折光学素子を撮影光学系に用いる
ことで、回折効率の波長依存性及び不要回折光は大幅に
改善されているので、フレアが少なく低周波数での解像
力も高い高性能な撮影レンズが得られる。また本発明の
回折光学素子は、簡単な製法で作成できるので、撮影光
学系としては量産性に優れた安価な光学系を提供でき
る。
【0021】図10では前玉のレンズの貼り合せ面に本
発明の回折光学素子を設けたが、これに限定するもので
はなく、レンズ表面に設けても良いし、撮影レンズ内に
複数、本発明の回折光学素子を使用しても良い。また、
本実施例では、カメラの撮影レンズの場合を示したが、
これに限定するものではなく、ビデオカメラの撮影レン
ズ、事務機のイメージスキャナーや、デジタル複写機の
リーダーレンズなど広波長域で使用される結像光学系に
使用しても同様の効果が得られる。
【0022】[実施例5]本発明の実施例5を図11に
示す。図11は、双眼鏡等の観察光学系の断面を示した
ものであり、同図中1は回折光学素子である対物レン
ズ、104は像を成立させるためのプリズム、105は
接眼レンズ、106は評価面(瞳面)である。回折光学
素子1は対物レンズの結像面103での色収差等を補正
する目的で形成されている。本発明の回折光学素子を観
察光学系に用いることで、回折効率の波長依存性及び不
要回折光は大幅に改善されているので、フレアが少なく
低周波数での解像力も高い高性能な対物レンズが得られ
る。また本発明の回折光学素子は、簡単な製法で作成で
きるので、観察光学系としては量産性に優れた安価な光
学系を提供できる。
【0023】本実施例では、対物レンズ部に回折光学素
子を形成した場合を示したが、これに限定するものでは
なく、プリズム表面や接眼レンズ内の位置であっても同
様の効果が得られる。しかしながら、結像面より物体側
に設けることで対物レンズのみでの色収差低減効果があ
るため、肉眼の観察系の場合すくなくとも対物レンズ側
に設けることが望ましい。また本実施例では、双眼鏡の
場合を示したが、これに限定するものではなく地上望遠
鏡や天体観測用望遠鏡などであってもよく、またレンズ
シャッターカメラやビデオカメラなどの光学式のファイ
ンダーであっても同様の効果が得られる。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、製造上において優れた構成を有し、格子面での反射
を大幅に低減でき、高い回折効率を維持することが可能
な、安価で高精度の回折光学素子、該回折光学素子を有
する光学機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の回折光学素子の構成を示す図。
【図2】実施例1の回折光学素子の一部断面拡大図。
【図3】実施例1の微細周期構造の反射率を示す図。
【図4】微細周期構造の一例を示す図。
【図5】微細周期構造の他の例を示す図。
【図6】微細周期構造の他の例を示す図。
【図7】実施例2の回折光学素子の微細周期構造を示す
図。
【図8】実施例2と対比させて説明するための微細周期
構造を示す図。
【図9】実施例3の回折光学素子の微細周期構造を示す
図。
【図10】実施例4における撮影光学系を示す図。
【図11】実施例5における観察光学系を示す図。
【図12】従来例の積層型回折光学素子の断面形状を示
す図。
【図13】従来例の積層型回折光学素子の回折効率を示
す図。
【図14】反射防止膜の断面形状を示す図。
【符号の説明】
1:回折光学素子 2:第1の回折光学部 3:第2の回折光学部 4、5:格子基板部 6:回折格子 7:回折格子 8:空気層 9:格子エッジ部 10:微細周期未形成部 101:屈折レンズ 102:絞り 103:結像面 104:プリズム 105:接眼レンズ 106:評価面(瞳面)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位相型の回折格子を備えた回折光学部を有
    する回折光学素子であって、 前記回折光学部の回折格子はその表面に周期が略一定の
    微小凹凸構造を有し、該周期は使用波長より小さいこと
    を特徴とする回折光学素子。
  2. 【請求項2】位相型の回折格子を備えた第1の回折光学
    部と、前記第1の回折光学部とは異なる材料より成る位
    相型の回折格子を備えた第2の回折光学部を有する回折
    光学素子であって、 前記第1の回折光学部及び前記第2の回折光学部の回折
    格子の少なくとも一方は、その表面に使用波長より小さ
    い微小凹凸構造を有することを特徴とする回折光学素
    子。
  3. 【請求項3】前記第1の回折光学部と前記第2の回折光
    学部は、空気層を介して近接配置されることを特徴とす
    る請求項2に記載の回折光学素子。
  4. 【請求項4】前記微小凹凸構造は、周期性を有すること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の回折光学
    素子。
  5. 【請求項5】前記微小凹凸構造の周期は、略一定である
    ことを特徴とする請求項4に記載の回折光学素子。
  6. 【請求項6】前記微小凹凸構造は、それが形成される回
    折格子の伸びる方向と平行な方向に周期性を有すること
    を特徴とする請求項4または請求項5に記載の回折光学
    素子。
  7. 【請求項7】前記回折格子を構成する格子の端部近傍に
    は、前記微小凹凸構造が形成されない領域が存在するこ
    とを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の回
    折光学素子。
  8. 【請求項8】前記使用波長は、可視光全域であることを
    特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の回折光
    学素子。
  9. 【請求項9】前記微小凹凸構造は、反射防止機能を有す
    ることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載
    の回折光学素子。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項に記載の回
    折光学素子を有することを特徴とする光学機器。
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