JP4552556B2 - 液晶レンズ素子および光ヘッド装置 - Google Patents

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本発明は、液晶レンズ素子に係り、特に複数の印加電圧の切り替えに応じて複数の異なる焦点距離に切り替えることができる液晶レンズ素子およびこの液晶レンズ素子を搭載し光記録媒体への情報の記録および/または再生に使用する光ヘッド装置に関する。
情報を光学的に読取る記録媒体として、入射側の面に形成された情報記録層と、この情報記録層を覆う透明樹脂からなるカバー層とを有する光記録媒体(以後、「光ディスク」という)が各種開発されており、この光ディスクには、CD用光ディスクやDVD用光ディスクなどが知られている。一方、このDVD用光ディスクへの情報の記録および/または再生(以下、「記録・再生」という)に用いる光ヘッド装置が開発されているが、この光ヘッド装置には、光源として波長が660nm帯の半導体レーザと、NA(開口数)が0.6から0.65までの対物レンズなどが設けられている。
従来、DVD用光ディスクでは、情報記録層が単層であってカバー厚(カバー層の厚さ)が0.6mmの光ディスク(以下、「単層DVD光ディスク」という)と、情報記録層が2層(再生専用、または再生および記録可能な)の光ディスク(以下、「2層DVD光ディスク」という)などが開発されている。この2層DVD光ディスクでは、情報記録層の間隔が55±15μmであり、光入射側のカバー厚が0.56mmのところから0.63mmのところに情報記録層が形成されている。
従って、カバー厚が0.6mmの単層DVD光ディスクに対して収差がゼロとなるように最適設計された対物レンズを備えた光ヘッド装置を用いて、2層DVD光ディスクの記録・再生を行う場合、カバー厚の相違に応じて球面収差が発生し、情報記録層への入射光の集光性が劣化する。特に、記録型の2層DVD光ディスクにおいて、集光性の劣化は、記録時の集光パワー密度の低下もたらし、書き込みエラーを招くため問題となっている。
さらに、近年、光ディスクの記録密度を向上させるため、カバー厚が100μmの光ディスク(以下、「単層BD光ディスク」とよぶ)が開発されている。一方、この単層BD光ディスクの記録・再生に用いる光ヘッド装置には、光源として波長が405nm帯の青色光の半導体レーザと、NAが0.85の対物レンズなどが用いられる。この光ヘッド装置により単層BD光ディスクへ記録・再生を行う場合、単層BD光ディスクの面内でカバー厚が±5μm変動すると、RMS(Root Mean Square)波面収差として約50mλの大きな球面収差が発生し、情報記録層への入射光の集光性が劣化するため問題となる。
さらに、カバー厚が100μmと75μmの記録型の2層光ディスク(以下、「2層BD光ディスク」とよぶ)も開発されているが、この2層BD光ディスクにあっては、カバー厚の相違に応じて発生する大きな球面収差が書き込みエラーをもたらすため、問題となる。
そこで、従来、光ディスクのカバー厚の相違などに起因して発生する球面収差を補正するための手段として、特許文献1から3の各公報に記載のような可動レンズ群や液晶レンズを用いる方法が知られている。
(I)例えば、特許文献1には、可動レンズ群を用いて球面収差補正を行うために、図14に示すような、光ディスクDの記録・再生を行う光ヘッド装置100が提案されている。この光ヘッド装置100は、光源110と、各種の光学系120と、受光素子130と、制御回路140と、変調/復調回路150とのほかに、第1、第2の可動レンズ群160、170とを備えている。また、第1の可動レンズ群160には、凹レンズ161と、凸レンズ162と、アクチュエータ163とを備えている。従って、アクチュエータ163に固定された凸レンズ162を光軸方向に移動することにより、可動レンズ群160のパワーが正(凸レンズ)から負(凹レンズ)へと連続的に変わる焦点距離可変レンズ機能を発現する。この可動レンズ群160は、光ディスクDの光路中に配置することにより、光ディスクDのカバー厚の異なる情報記録層に入射光の焦点を合わせることができるため、パワー成分を含む球面収差の補正が可能となる。
(II)また、特許文献2には、DVD用光ディスクとCD用光ディスクのカバー厚の相違に起因して発生する球面収差を補正するために、図15に示すような液晶レンズ200を用いた光ヘッド装置も提案されている。この液晶レンズ200は、平坦な一面に透明電極210および配向フィルム220が形成された基板230と、軸対称で半径rのベキ乗の和である次式
Figure 0004552556
で記述される表面形状S(r)を有する曲面に透明電極240と配向フィルム250が形成された基板260と、この間に狭持されるネマティック液晶270とを備えた構成となっている。この液晶レンズ200は、透明電極210、240間に電圧が印加されると、液晶270の分子配向が変化し、屈折率が変化する。その結果、基板260と液晶270の屈折率差に応じて、液晶レンズ200の入射光の透過波面が変化する。
(III)さらに、特許文献3には、液晶層を厚くすることなく入射光の焦点変化に相当するパワー成分も変化する実質的なレンズ機能を発現するため、液晶レンズとして光変調素子が提案されている。これには、DVD用光ディスクとCD用光ディスクのカバー厚の相違に起因して発生する球面収差を補正するために、その光変調素子を用いた光ヘッド装置も提案されている。図16にその光変調素子300の側面図を示す。この光変調素子300は、略平行な2つの透明基板310、320と、その間に狭持される液晶330とを備えており、一方の透明基板310の液晶側の面が同心円状のブレーズ形状340を有する一方、2つの透明基板の液晶側の面に電極350および配向膜360が形成されている。この光変調素子300では、電界非印加時に液晶330の配向方向が透明基板に対して略平行であり、電界印加時には配向方向が透明基板に対して略垂直である。
特開2003−115127号公報 特開平5−205282号公報 特開平9−230300号公報
ところが、特許文献1に記載のものにあっては、この可動レンズ群160を用いた場合、一対のレンズ161、162とアクチュエータ163が必要となり、光ヘッド装置100の大型化を招くとともに、レンズを可動させるための機構設計が複雑になるといった問題があった。
また、特許文献2に記載のものにあっては、基板260の屈折率は電圧非印加時の液晶270に等しい。従って、この電圧非印加時の場合には、入射光の透過波面は変化しない。一方、透明電極210、240間に電圧を印加すると、基板260と液晶270とに屈折率差Δnが発生し、Δn×S(r)(但し、S(r)は(1)式参照)に相当する透過光の光路長差分布が生じる。従って、光ディスクDのカバー厚の相違に起因して発生する球面収差を補正するように基板260の表面形状S(r)を加工し、印加電圧に応じて屈折率差Δnを調整することにより収差補正が可能となる。
ところが、図15に記載の液晶レンズの場合、印加電圧に対する液晶270の屈折率変化は最大0.3程度であるため、入射光の焦点を変化させるパワー成分に相当する大きな光路長差分布Δn×S(r)を発生させるためには、S(r)の凹凸差を大きくしなければならない。その結果、液晶270の層が厚くなり、電圧に対する応答速度が遅くなる。特に、単層および2層のDVD光ディスクやBD光ディスクの記録・再生において、カバー厚のばらつきや単層と2層の記録層の切り替えにより発生する波面収差の補正には1秒以下の応答性が必要となるため、問題であった。
そこで、パワー成分を除いた球面収差のみを補正すると、収差補正量すなわち光路長差分布を低減できるため、液晶層を薄くすることができ、高速応答化に有効である。しかし、球面収差のみを補正するように基板260の表面形状S(r)を加工した場合、光ディスクの情報記録層に入射光を集光する対物レンズの光軸と液晶レンズの光軸とが偏心したとき、コマ収差が発生する。特に、対物レンズが光ディスクの半径方向に±0.3mm程度移動するトラッキング動作時に、液晶レンズとの偏心に伴う大きな収差が発生し、情報記録層への集光性が劣化して記録・再生ができないといった問題が生じる。
また、特許文献3に記載のものにあっては、液晶の常光屈折率no、異常光屈折率neのいずれか一方を透明基板のブレーズ形状340の屈折率にほぼ等しい構成とすることにより、電界非印加時と電界印加時で液晶330とブレーズ形状340との屈折率差が、Δn(=ne―no)からゼロまで変化する。また、屈折率noのブレーズ形状の凹凸部の深さを、電圧非印加時にΔn×(凹凸部の深さ)=(真空中の光の波長)の関係を満たすように形成することにより、電圧非印加時にはほぼ100%の回折効率が得られフレネルレンズとして機能する。一方、電圧印加時には液晶330の屈折率はnoとなり、フレネルレンズとして機能せず、光はすべて透過する。その結果、光変調素子300の電極350に印加する電圧を切り替えることにより、2つの焦点を切り替えることができる。このような光変調素子300を光ヘッド装置に搭載して用いることにより、DVD用とCD用でカバー厚の異なる光ディスクの情報記録層への集光性が改善される。これにより、DVD用の対物レンズを用いて、DVD用とCD用の光ディスクの記録・再生ができる。従って、この光変調素子300を用いることにより、印加電圧の切り替えにより2値の焦点切り替えはできるので、好ましい。例えば、2層BD光ディスクのカバー厚の規格中心は100μmと75μmで、この厚さのカバーについては補正が可能である。
しかしながら、この光変調素子の焦点位置は、微調整が困難であった。このため、カバー厚が100μmと75μmの時には有効であるが、光ディスクの製造ばらつきとして存在するカバー厚さには、十分な収差低減補正が可能ではなかった。具体的には、規格中心の厚さに対してそれぞれ100±5μm、75±5μmとカバー厚が±5μm変動するときに発生する球面収差50mλrms、さらには±10μm変動するときに発生する球面収差100mλrmsという大きな収差を低減することができなかった。このようにカバー厚の相違に応じて発生する大きな球面収差が充分補正できず、書き込みエラーや読み込みエラーを招くことがあり、有効な改善策が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来技術の有する前述の欠点を解消し、可動部のない小型な素子が実現可能であるとともに、印加電圧に応じて2値以上の多値焦点距離が切り替えできるレンズ機能を有する液晶レンズ素子を提供することを目的とする。また、この液晶レンズ素子を用いることにより、単層および2層の光ディスクにおけるカバー厚の相違に起因して発生する球面収差を補正し、対物レンズとの偏心に伴う収差劣化が生じない、安定した記録・再生ができる光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも第1、第2の2枚の基板を対向配置し、前記基板間に挟持された液晶に印加する電圧に応じて前記液晶を透過する光の焦点距離を変化させる液晶レンズ素子であって、前記第1の基板の一方の面には第1の透明電極と鋸歯形状または鋸歯を階段形状で近似した断面形状を有する透明材料から成る凹凸部とを入射光の光軸を中心とする複数の輪帯状に形成し、前記第2の基板の一方の面に第2の透明電極を形成し、前記第1、第2の透明電極の少なくとも一方は、輪帯状に分割した電極セグメントで構成し、前記電極セグメントの輪帯状の分割位置は、前記第1の基板の前記鋸歯状の凹凸部の輪帯状の分割位置と一致しており、前記輪帯状に分割した前記各電極セグメントと、この電極セグメントと隣合う分割された電極セグメントとは、抵抗体で電気的に接続し、前記輪帯状に分割した前記各電極セグメントとこの外周側に隣合う電極セグメントとの間の抵抗値に対して、前記電極セグメントとこの内周側に隣合う電極セグメントとの間の抵抗値は2倍である液晶レンズ素子を提供する。
また、前記第1の基板上に形成した凹凸の深さは、前記第2の基板と前記凹凸の凸部との間隔に等しい上記の液晶レンズ素子を提供する。
また、本発明は、波長λの光を出射する光源と、この光源からの出射光を光記録媒体に集光する対物レンズと、この対物レンズにより集光され前記光記録媒体により反射された光を分波するビームスプリッタと、前記分波された光を検出する光検出器とを備えた光ヘッド装置において、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に、請求項1から4いずれかに記載の液晶レンズ素子を設置していることを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
本発明によれば、印加電圧に応じて透過波面を連続に変化させ、焦点距離連続可変液晶レンズを実現することが可能となる。
また、本発明によれば、この液晶レンズを光ヘッド装置に備えることで、カバー厚の異なる光ディスクにより発生する収差を補正することができる。さらに、素子への入力端子数も3端子と少なく、制御性に優れ、小型化・低コストの光ヘッド装置を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液晶レンズ素子10を示すものであり、この液晶レンズ素子10は、透明基板11、12(以下、第1、第2の基板11、12とよぶ)と、透明電極13、14が備えられ、シール15と、液晶層(液晶)16と、凹凸部17と、駆動電源回路18とを備えている。
液晶層16には、常光屈折率noおよび異常光屈折率ne(但し、no≠ne)を有するネマティック液晶を用いている。凹凸部17は、屈折率nsの透明材料を用いて形成しており、深さdを有する断面凹凸形状となっている。この凹凸部17は、好ましくは、鋸歯状または鋸歯を階段状で近似した形状を有するものであり、有効径φの領域では入射光の光軸(Z軸)に対して回転対称性を有する。
次に、図2(A)、(B)には、第1基板11、第2基板12の平面図を示した。
第1の基板11上には、鋸歯状の輪帯からなる凹凸部17を同心状に複数形成してあるとともに、この凹凸部17の表面(外面)には、鋸歯状の輪帯を同心状に複数形成した透明電極13を設けてある。
一方、第2の基板12上には、異なる電圧が印加可能となるように輪帯状に分割された電極セグメント14A(透明電極14)を設けている。この電極セグメント14Aは、第1の基板11の凹凸部17の各半径に対応して分割されている。
また、この透明電極13および透明電極14には、素子外部からの駆動電源供給用の端子電極19A〜19Cを設けている。ここでは、説明を簡単にするため、第2の電極を輪帯状の電極セグメントに分割した例で説明したが、第1の基板の電極を輪帯状に分割しても問題はない。
次に、液晶層16のネマティック液晶分子の配向方向について詳細に説明する。このネマティック液晶分子の配向方向については、例えば、以下の3種類がある。
i)ホモジニアス配向:
液晶の異常光屈折率方向の比誘電率と常光屈折率方向の比誘電率との差である誘電率異方性△εが正の場合、図1において、透明電極13および14の表面に液晶分子の配向方向が、それぞれ、第1、第2の基板11、12面に略平行となるポリイミドなどの配向膜(図示せず)を塗布し、硬化後にX軸方向にラビング処理すると、X軸方向に液晶分子の配向方向(すなわち、異常光屈折率neの方向)が揃うホモジニアス配向となる。なお、ポリイミドのラビング処理以外に、SiO斜蒸着膜や光配向膜などを用いて液晶分子の配向を揃えてもよい。ここで、透明電極13、14に交流電圧Vを印加することにより、X軸方向の偏光面を有する直線偏光の入射光に対して、液晶層16の実質的な屈折率n(V)が、n1=neからn2=noまで変化する。
この構成により、液晶層16は低電圧で実質的な屈折率が大きな変化が得られるため、凹凸状の透明電極13の基板面を形成する凹凸部17の最大深さdを、比較的小さな値とすることができる。その結果、凹凸部17の形成工程が短縮されるとともに、液晶層16を薄くできるため、高速応答化につながる。
ii)ハイブリッド配向:
この配向を得るためには、初めに、凹凸部17上の透明電極13の表面に液晶分子の配向方向が基板面に略垂直となるポリイミドなどの配向膜(図示せず)を塗布後に硬化させる。ここで、平坦な透明電極14の表面には液晶分子の配向方向が基板面に平行となるポリイミドなどの配向膜(図示せず)を塗布後に硬化し、その後、X軸方向にラビング処理する。その結果、液晶分子の配向方向が凹凸部17の透明電極13では基板面に対して略垂直方向に揃い、透明電極14では基板面に対して略平行方向に揃うハイブリッド配向となる。凹凸部17の面にラビングによる均一な配向処理を施すことは難しいが、この場合、凹凸部17に配向処理が不要となるため、均一な液晶配向が得やすい。ここで、透明電極13、14に交流電圧Vを印加することにより、X軸方向の偏光面を有する直線偏光の入射光に対して、液晶層16の実質的な屈折率n(V)が、n1≒(ne+no)/2からn2=noまで変化する。
この構成により、液晶層16の配向は、平坦な透明電極14の基板面上の配向処理された配向膜により規定されるため、凹凸状の透明電極13の基板面上の配向膜の配向処理なしでも、液晶層16の配向方向は安定する。その結果、基板面の配向不良に起因した透過光の効率劣化が軽減できる。
iii)垂直配向:
この配向を得るためには、電界方向と垂直方向に液晶の配向が揃う誘電率異方性△εが負の液晶を用い、初めに、透明電極13および14の表面に、液晶分子の配向方向が基板面に略垂直となるポリイミドなどの配向膜(図示せず)を塗布後、硬化させる。さらに、透明電極14の配向膜にのみX軸方向にラビング処理する。その結果、液晶分子の配向方向が凹凸部17の透明電極13および14の基板面に対して略垂直方向に揃う垂直配向となる。凹凸部17の面に配向処理を施す必要がないため、均一な液晶配向が得やすい。ここで、透明電極13、14に電圧Vを印加すると、X軸方向の偏光面を有する直線偏光の入射光に対して、液晶層の実質的な屈折率n(V)がn1=noからn2=neまで変化する。
この構成により、液晶層16は低電圧で実質的な屈折率が大きな変化が得られるため、凹凸状の透明電極13の基板面を形成する凹凸部17の最大深さdを、比較的小さな値とすることができる。その結果、凹凸部17の形成工程が短縮されるとともに、液晶層16を薄くできるため、高速応答化につながる。さらに、液晶層16の配向は、透明平坦電極14の基板面上の配向処理された配向膜により規定されるため、凹凸状の透明電極13の基板面上の配向膜の配向処理なしでも液晶層16の配向方向は安定する。その結果、基板面の配向不良に起因した透過光の効率劣化が軽減できる。
次に、この液晶レンズ素子10の作製手順の一例について、以下に説明する。
はじめに、第1の基板11の一方の平坦面に、屈折率nsの透明材料で、断面が鋸歯状または鋸歯を階段状で近似した形状の凹凸部17を形成する。さらに、この凹凸部17の表面に透明電極13を形成する。ここでは、透明電極13を凹凸部17の表面に形成した例で説明するが、凹凸部17と基板11の間に形成してもよい。
さらに、図2(B)のように、輪帯状に分割された電極14が形成され基板12にギャップ制御材が混入された接着材を、印刷パターニングしてシール15を形成し、前述の透明基板11と重ね合わせ、圧着して空セルを作製する。このとき第1の基板11の凹凸部17の凸部と基板12の間隔をgとする。シール15の一部に設けられた注入口(図示せず)から常光屈折率noおよび異常光屈折率ne(但し、no≠ne)を有するネマティック液晶16を注入し、この注入口を封止して液晶16をセル内に密封し、本実施形態の液晶レンズ素子10とする。図では省略したが、透明電極14の表面に透明絶縁体膜を膜厚10〜200nm程度成膜して短絡防止とすることと、液晶の配向膜を作成することが好ましい。
このようにして、凹凸部17の少なくとも凹部に液晶を充填したのち、駆動電源回路18に図示外の交流電源を接続する。この接続方法としては、透明基板11側に駆動電源供給用の端子電極19B、19Cを形成するとともに、あらかじめシール15に導電性金属粒子を混入してシール圧着することにより、シール厚方向に導電性を発現させておき、透明電極14と端子電極19B、19Cとを導通する。また、これらの端子電極19B、19Cに駆動電源回路18を接続することで、液晶層16に電圧を印加できる。
このようにして、液晶レンズ素子10が完成する。
なお、この液晶レンズ素子10の作製では、透明材料からなる凹凸部17を、紫外線硬化樹脂や熱効果樹脂、感光性樹脂などの有機材料で形成してもよいし、SiO2やAl23やSiOxy(但し、x,yはOとNの元素比率を示す)などの無機材料で形成してもよい。また、この凹凸部17は、均一屈折率材料でも、複屈折材料で形成してもよい。要は、この凹凸部17は、印加電圧に応じて液晶層16の屈折率変化が生じる入射光の偏光方向に対して、n1とn2の間の屈折率nsの透明材料で形成してあればよい。
また、この凹凸部17は、第1の基板11の平坦面に所定の膜厚の透明材料層を形成した後、フォトリソグラフィや反応性イオンエッチングにより凹凸状に加工してもよいし、金型を用いて透明材料層に凹凸部形状を転写してもよい。なお、液晶層16は印加電圧に対して実質的な屈折率が大きな変化を得るために、この凹凸部17の凹部に充填される液晶層16の分子の配向方向は、透明電極13および14の面上で揃っていることが好ましい。
このようにして形成された本実施形態の液晶レンズ素子10に対して、交流電源を用いて、透明電極13、14に矩形波の交流電圧を印加すると、液晶の分子配向が変化し、液晶層16の実質的な屈折率がn1からn2(n1≠n2)まで変化する。その結果、入射光の特定の直線偏光に対し、印加電圧の大きさに応じて液晶と凹凸部17の屈折率差△n(V)が変化し、液晶レンズ素子10の透過光の波面が変化する。ここで、液晶層16の「実質的な屈折率」とは、入射光の偏光方向に対する透明電極13、14により狭持された液晶層16の平均屈折率を意味し、平均屈折率=(液晶層光路長)÷(液晶層厚さ)に相当する。
次に、鋸歯状または鋸歯を階段状で近似した凹凸部17の断面形状について、以下に詳細に説明する。
本発明の液晶レンズ10を光ヘッド装置に搭載し、液晶レンズ10に入射する平面波の透過波面において、光軸中心(座標原点:x=y=0)の光線に対して半径rの長さだけ離れた位置を通過する光線の光路長差OPDが、次式のようなベキ級数
Figure 0004552556
を満たすようにする。このように構成すれば、光ディスクのカバー厚の相違に起因して発生する球面収差を補正する透過波面を生成できるとともに、対物レンズとの偏心に対して収差の発生がないように正または負のパワー成分が付与された透過波面を生成できる。
ここで、(2)式の曲線の具体的な形状について、図3に符号αで示す。なお、横軸は半径r、縦軸は光路長差OPDを入射光の波長λの単位で表記している。
波長λの入射光に対して、λの整数倍の光路長差をもつ透過波面は同等と見なせる。従って、図3のαで示すグラフ(光路長差)を波長λ間隔で分割して光路長差ゼロの面に射影した光路長差を示すグラフβは、グラフαと実質的に同等である。グラフβに示す光路長差は、全てλ以内(図中では−λからゼロの範囲)であり、断面が鋸歯状となっている。
次に、断面が鋸歯状の凹凸部17の深さdについては、以下のようになる。
まず、第2の基板12の透明電極14の分割された電極セグメントすべてを同じ電位とした場合について説明する。この場合、凹凸部17の凸部と第2の基板12との間隔g(以下、この間隔を「セルギャップ」とよぶ)にある液晶には、分割電極セグメント14Aに印加される電位が等しいときは、ほぼ同一の電圧が印加される。このため、このセルギャップ内の液晶の屈折率変化は、透過光の波面を一様にシフトするのみなので、この場合は無視することができる。
透明電極13、14間に電圧Vを印加したとき、異常光偏光の光に対する液晶層16(液晶)の実質的な屈折率をn(V)とすれば、透明材料からなる液晶層16と凹凸部17の屈折率差は△n(V)=n(V)−nsである。例えば、印加電圧V+1において、図3のグラフβに相当する透過波面の光路長差を生成するためには、図1に示す凹凸部17の深さdを、次式
Figure 0004552556
の関係を満す値に穿設すればよい。
ここで、印加電圧Vを変化させることにより屈折率差△n(V)が変化する。例えば、i)△n(V0)=0となる印加電圧V0では、液晶レンズ素子10の透過波面は変化しない。また、ii)△n(V-1)=−△n(V+1)となる印加電圧V-1では、図3のグラフγに示す光路長差の透過波面が生じる。これは、光路長差ゼロの面に対して図3のグラフβと面対称の光路長差の透過波面に相当する。
このように、透過波面変化なしの状態、図3のグラフβおよびγの波面状態の都合3種類の波面状態を印加電圧により作り出すことができる。また、屈折率nsをn1あるいはn2とほぼ等しくすると、透過波面は透過波面変化なし状態と、βあるいはγの状態のいずれかの2つの波面状態を作り出すことが可能である。
なお、図5のグラフαは、図3のグラフαと同様、(2)式で表記される光路長差OPDを表すグラフである。図5のグラフαを波長λの2倍間隔(即ち、2λ)で分割して光路長差ゼロの面に射影した光路長差を図5のグラフβ2示す。このグラフβ2は、グラフαと実質的に同等であり、グラフβ2に示す光路長差は、全て2λ以内(図中では−2λからゼロの範囲)であり、断面が鋸歯状となっている。
従って、印加電圧V+2において、図5のグラフβ2に相当する透過波面の光路長差を生成するためには、図11に示す凹凸部17の深さdを、次式
Figure 0004552556
の関係を満す値に穿設すればよい。
ここで、印加電圧Vを変化させることにより屈折率差△n(V)が変化する。例えば、
i)△n(V0)=0となる印加電圧V0において、液晶レンズ素子20の透過波面は変
化しない。また、
ii)△n(V+1)=△n(V+2)/2となる印加電圧V+1において、図5のグラフβ1に示す光路長差の透過波面が生じる。
iii)△n(V-1)=−△n(V+1)となる印加電圧V-1において、図5のグラフγ1に示す光路長差の透過波面が生じる。
iV)△n(V-2)=−△n(V+2)となる印加電圧V-2において、図5のグラフγ2に示す光路長差の透過波面が生じる。
このように、図5に示す鋸歯状または鋸歯を階段状で近似した断面形状の凹凸部、つまり図11における凹凸部17を用いれば、透過波面変化なしの状態、図3のグラフβ1、β2、γ1およびγ2の5種類の波面状態を、印加電圧により作り出すことができる。
ところで、図3、図5に示す各波面状態(β、γ、β1、γ1、β2、γ2)は、ともに透過波面を離散的な状態に変化させることができる。しかしながらこの中間状態を連続的に変化させることはできない。なお、ここでの説明を簡単にするため、(3)式を満足する図3の構成例について説明する。
図6には、波面変化なし状態(以後、「0状態」とよぶ)となる印加電圧V0と、グラフβの波面形状(光路長差:OPD)となる印加電圧V+1との中間電圧Vaにおける波面形状の一例を示す。同図に示すように、グラフβの波面状態は、鋸歯状の波面の凹凸の振幅(Step)が透過する波長λと一致(あるいは波長λの整数倍と一致)することにより、連続な波面形状を実現できるが、中間電圧Vaを印加した破線aの状態では、Stepが波長λと一致しない。そのため、透過波面は不連続となり透過率(回折効率)が低下し、波面収差も劣化して問題となる。
以上は、本発明の第2の透明電極である、第2の基板12側の透明電極14の分割された電極セグメント14Aの全てを同じ電位とした場合について説明したが、中間電圧での波面の不連続を解決するために、この第2の透明電極を輪帯状に分割させ、電極セグメント14Aにそれぞれ異なる電圧を印加することがより好ましい。
前述の様に、図6に示したグラフaの状態は、Stepがλと一致しない。そのため、図7に実線で示した光路長差bのように、Stepをλと一致させる必要がある。これは、凹凸輪帯毎の領域において、液晶に印加される電圧を変えることで実現できる。そこで、図8に、液晶に印加する電圧分布の例を示した。同図のように、輪帯領域毎に、つまりe1からe8まで、電圧がステップ状に変化するような電圧分布となるように、電圧値の変化量を低減させて印加する。液晶レンズ10の素子中央からk番目の輪帯ekと隣のk+1番目の輪帯ek+1の電圧の差δV(k,k+1)と、k−1番目とk番目の電圧の差δV(k−1、k)が異なるようにすると、各領域で液晶の実効的な屈折率が変化するので、OPDの領域間のStepは波長λと一致させることができる。このとき、液晶に印加する電圧は一様ではないため、光路長は、凹凸部17内の最大厚dでの液晶と、凸部と第2の透明電極14とのギャップ(g)内での液晶の屈折率変化を考慮する必要がある。本発明者によれば、このOPDの領域間Stepを波長と一致させる電圧分布には、次のような条件があることが判明した。その条件とは、
1. d=g、
2. δV(k−1,k)=2・δV(k,k+1)、
3. 最外周の液晶印加電圧は、(3)式や(4)式の関係を満たす、
以上の3点である。
例えば、この第2の条件を容易に満たすために、分割された第2の電極セグメント14Aは、図9に示すように、各セグメント(e1からe7)の隣にあるセグメントを、それぞれ抵抗体51(各抵抗体の抵抗値はR1からR6)を介して電気的に接続する。これにより、各セグメントに異なる電圧を供給することなく、最内周の透明電極e1への電圧と最外周の透明電極(e8:電極セグメント数が8個の場合)に印加する電圧のみを、端子51、52から供給することで、第2の条件を達成できる。
即ち、両端子51、52間の電位差と各抵抗体51の抵抗値とにより、各電極セグメントe1〜e8に印加する電圧が決まる。従って、前述のδV(k−1,k)=2・δV(k,k+1)を満足するためには、ひとつの電極セグメント輪帯と外周側に隣合う電極セグメントとの間の抵抗値に対して、その電極セグメント輪帯と内周側に隣合う電極セグメントとの間の抵抗値が概ね2倍とする。つまり、素子中心からk番目とk−1番目の抵抗値をそれぞれRk、Rk-1としたとき、2・Rk=Rk-1となるように抵抗値を決定する。これにより、最内周電極セグメントe1と最外周電極セグメントe8との電位差δVをもつように2つの電圧のみを外部の駆動電源回路18により印加することで、各セグメントの電位差分布が、前述のδV(k−1,k)=2・δV(k,k+1)の関係を満たすことができる。
以上のように、δV(k−1、k)=2・δV(k、k+1)や2・Rk=Rk-1の関係を満たすことがもっとも好ましいが、δV(k−1、k)=x・δV(k、k+1)、y・Rk=Rk-1としたとき、xとyは、1.6から2.4の間であれば透過率や波面収差の大きな劣化を招くことがなく実用上好ましい。さらに、1.8から2.2の間であることが、同様の理由でさらに好ましい。
また、前述の凹凸部17の最大厚dとギャップ(g)は等しいことがもっとも好ましいが、d=z・gとしたとき、zは、0.8から1.2の間であれば、透過率や波面収差の大きな劣化を招くことがなく実用上好ましい。さらに、0.9から1.1の間であることが、同様の理由でさらに好ましい。
この抵抗体51は、透明電極と同じ材料を細線化するようにパターニングして作成したり、より高抵抗薄膜により基板上に作成することも可能である。抵抗体51の具体的な作成方法としては、図10に示すように、輪帯状のセグメントe2、e3、・・・、e8ごとに分かれた端部電極54B、54C、・・・、54Iを透明な抵抗体51で結線することで、図9のような電極引き出し線54を形成できる。これにより、電極引き出し線54は、入射光が通る領域内に複数作成しなくても済み、透過波面にこの引き出し線の与える影響が小さいので好ましい。また、液晶レンズ素子10には、位相板、回折格子、偏光ホログラムビームスプリッタ、一定の固定収差の補正面などを一体化形成してもよい。その結果、この液晶レンズ素子10を光ヘッド装置等に搭載して用いる場合、部品点数を削減できるとともに装置の小型化につながる。
次に、本発明に係る前述の液晶レンズ素子10(図1参照)を搭載した(DVD用光ディスクの記録・再生に用いる)光ヘッド装置40について、図13を参照しながら説明する。
本実施形態の光ヘッド装置40は、波長λ(=405nm)の光源である半導体レーザ1と、回折格子2と、ビームスプリッタ3と、コリメータレンズ4と、対物レンズ5と、光検出器6との他に、位相板7と、液晶レンズ素子10とを、コリメータレンズ4と対物レンズ5との間の光路上に備えている。なお、位相板7は、液晶レンズ素子10に一体化することにより部品点数が削減できるため、好ましい。また、図13では、液晶レンズ素子10がコリメータレンズ4と対物レンズ5の間の光路中に配置された例を示すが、半導体レーザ1と対物レンズ5の間の光路中に配置されていればよい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
半導体レーザ1から出射するとともに、図13の紙面内に偏光面を有する波長λの直線偏光出射光は、回折格子2によりトラッキング用の3ビームを発生する。この3ビーム光は、ビームスプリッタ3で反射され、コリメータレンズ5により平行光化されて液晶レンズ素子10に入射する。そして、この液晶レンズ素子10を透過した光は位相板7により円偏光となり、対物レンズ5により光ディスクDの情報記録層に集光される。
なお、対物レンズ5は、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボ用のアクチュエータ(図示せず)により、X軸方向およびZ軸方向に可動する。光ディスクDの反射面で反射された光は、再び対物レンズ5と位相板7を透過し、紙面と垂直方向の偏光面を有する直線偏光となって液晶レンズ素子10を透過して、コリメータレンズ4により、一部の光がビームスプリッタ3を透過して光検出器6の受光面に集光される。
次に、本発明の液晶レンズ素子10を搭載した光ヘッド装置40を用いて、カバー厚の異なる2層(第0層:L0,第1層:L1)の光ディスクDに対する記録・再生動作について、以下に説明する。なお、ここで、対物レンズ5は、カバー厚87.5μmの光ディスクDに対して収差が最小となるように設計された例で説明する。
(i)2層光ディスクL0層(カバー厚100μm)の場合:
光ディスクD中のカバー厚100μmの情報記録層への記録・再生においては、液晶レンズ素子10の透過波面が若干発散する球面波となるように、透明電極間に交流電圧V1を印加する。なお、第2の電極セグメント14Aの各電極セグメントe〜e間での電位差δV=0とする。このとき、凹凸部17に比べ液晶層16の屈折率が大きくなるため、図4の(A)に示すように、負のパワー、つまり凹レンズ相当の透過波面となる。すなわち、対物レンズ5により、カバー厚100μmの情報記録層に効率よく集光される。
(ii)2層光ディスクL1層(カバー厚75μm)の場合:
一方、2層光ディスクD中のカバー厚75μmの情報記録層への記録・再生においては、液晶レンズ素子10の透過波面が若干集光する球面波となるように、電極間に交流電圧V-1を印加する。このとき、凹凸部17に比べ液晶層16の屈折率が小さくなるため、図4の(B)に示すように、正のパワーすなわち凸レンズ相当の透過波面となる。すなわち、対物レンズ5により、カバー厚75μmの情報記録層に効率よく集光される。従って、液晶レンズ素子10の印加電圧をV0、V+1、V-1に切り替えることにより、カバー厚の異なる単層DVD光ディスクおよび2層DVD光ディスクに対して安定した記録・再生が実現する。
(iii)2層光ディスクL0層のカバー厚偏差がある(カバー厚>100μm)場合:
前述のカバー厚100μmの情報記録層へ記録・再生する場合の液晶レンズの設定では、たとえば、カバー厚が5μm薄い(95μmカバー厚)ディスクでは、球面収差が発生し、良好な記録・再生特性が得られない場合がある。そこで、液晶レンズ素子10の透過波面が若干集光する球面波(カバー厚100μmの情報記録層への記録・再生時よりも、若干集光焦点距離の長い球面波)となるように、最外周セグメント領域の液晶電極間には電圧V1を印加し、最内周の電極セグメント(例えば、図9においてe1)と最外周の電極セグメント(例えば、図9においてe8)の電位差δV≠0とする。これにより、図7の光路長差bのような波面を実現できる。すなわち、対物レンズ5により、カバー厚偏差がある情報記録層に効率よく集光される。
このように、本実施形態に係る光ヘッド装置40によれば、液晶レンズ素子10は、光ディスクDのカバー厚の相違により発生する球面収差の補正のみならず、焦点位置変化に相当するパワー成分の切替え機能と微調整機能も付加できる。このため、例えば、液晶レンズ素子10を対物レンズ5と別置きで使用し、対物レンズ5がトラッキング時に光ディスクDの半径方向に移動して液晶レンズ素子10との偏心が生じた場合でも、収差劣化はほとんどない。その結果、球面収差のみを補正する従来の液晶素子に比べて、安定した記録および/または再生が実現する。
なお、本実施形態では、光源として波長λが400nm帯の半導体レーザを用いる2層の光ディスクに対して動作する液晶レンズ素子10を搭載した光ヘッド装置40について説明したが、光源として波長が650nm帯の半導体レーザを用いる単層および2層のDVD光ディスクに対して動作する液晶レンズ素子を搭載した光ヘッド装置などについても同様の作用、効果が得られる。また、CD、DVD、BDでの使用のためにカバー厚が1.2mm、0.6mm、0.1mmと異なる規格のディスクを一つの光ヘッドで記録・再生する際にも、本発明の液晶レンズ素子は有効である。また、液晶レンズ素子10の替わりに、図5に示す光路長差を示す液晶レンズ素子に、第2の透明電極を分割する本発明の液晶レンズ素子を用いれば、5種の透過波面の切り替えが可能である。さらに、その5種類の波面を微調整できるため、カバー厚の異なる光ディスクにおいて、あるいは光ディスク内のカバー厚のばらつきにより発生する収差に対して、よりきめ細かな収差補正ができる。また、液晶レンズ素子10の替わりに、図12に示す液晶レンズ素子30を用いれば、往路の偏光のみならず復路の直交する偏光に対しても補正作用があるため、光検出器への集光性も改善される。また、単層および2層の光ディスクに限らず、今後、情報記録層がさらに多層化されるようになっても、本発明の5値あるいは7値の液晶レンズ素子を用いることにより、2端子透明電極に印加する電圧の切り替えでカバー厚に起因して発生する収差を補正できる。
次に、本発明の液晶レンズ素子10の具体的な実施例について、図1を参照しながら説明する。
初めに、この液晶レンズ素子10の作製方法について説明する。
第1の基板(透明基板)11であるガラス基板上にSiOxy(但し、x,yはOとNの元素比率を示す)をスパッタリング法により成膜する。この場合、例えばSiターゲットを用いるとともに、Arガスに酸素および窒素を混入した放電ガスを用いて、屈折率ns(=1.64)の透明な均一屈折率膜SiOxyを成膜し、その膜厚をd(=3.5μmm)としている。
さらに、図3のグラフβの形状に相当するように、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィにてレジストをパターニングした後、反応性イオンエッチング法によりSiOxy膜を加工する。その結果、有効径φ(=5.0mm)の領域に、鋸歯形状を8段の階段形状で近似した断面形状で、入射光の光軸(Z軸)に対して回転対称性を有する、図1にその断面を示すような凹凸部17を加工する。
次に、凹凸部17の表面に透明導電膜(ITO膜)を成膜し、これを透明電極13とする。さらに、ポリイミド膜(図示せず)を透明電極13上に膜厚約50nmとなるよう塗布した後に焼成し、ポリイミド膜表面をX軸方向にラビング配向処理して配向膜とする。
また、第2の基板(透明基板)12であるガラス基板上に透明電極14として透明導電膜(ITO膜)を成膜し、図2(B)に示すように輪帯状のセグメントe1・・・に分割し、各セグメントe1・・・は、図9のように、隣合うセグメントを抵抗体51(R1〜R6)で接続する。この抵抗体R1〜R6は、ひとつの電極セグメント輪帯と外周側に隣合う電極セグメント間の抵抗値に対して、内周側に隣合う電極セグメント間の抵抗値が概ね2倍とする。つまり、素子中心からk番目とk−1番目の抵抗値をそれぞれRk、Rk-1としたとき、2・Rk=Rk-1の関係となるように抵抗値を設定する。この抵抗体は、図10に示すように、輪帯状にセグメントに分かれた電極54B、54C、・・・を透明な抵抗体51で結線することで、入射光が通る領域内に作成する。
さらにその上にポリイミド膜(図示せず)を膜厚約50nm塗布した後に焼成し、ポリイミド膜表面をX軸方向にラビング配向処理して配向膜とする。さらにその上に、直径7μmのギャップ制御材が混入された接着材を印刷パターニングしてシール15を形成し、第1の基板11と重ね合わせて圧着し、透明電極間隔が最大7μm、最小3.5μm(ギャップg=3.5μm)とし、d=gの空セルを作製する。
その後、ネマティック液晶を空セルの注入口(図示せず)から注入し、その注入口を封止して図1に示す液晶レンズ素子10とする。この液晶には、常光屈折率no(=1.50)および異常光屈折率ne(=1.75)の正の誘電異方性を有するネマティック液晶を用いる。また、この液晶は、透明電極13、14の面に、平行かつX軸方向に液晶分子の配向が揃ったホモジニアス配向であり、凹凸部17の凹部に充填されている。
このようにして得られた液晶レンズ素子10の透明電極13、14に駆動電源回路18を接続することにより、液晶層16に電圧が印加される。輪帯状に分割されたセグメント電極間の電位差δVを0とし、液晶への印加電圧を0Vから増加させると、液晶層16のX軸方向の実質的な屈折率が、n1=ne(=1.75)からn2=no(=1.50)まで変化する。その結果、X軸の偏光面を有する直線偏光入射光に対して、液晶層16と凹凸部17の屈折率差が、
△nmax(=n1−ns)=0.11
から
△nmin(=n2−ns)=−0.14
まで変化し、凹凸部17の凹部に充填された液晶層16の厚さ分布に応じて、透過波面が変化する。
ここで、例えば、使用波長λ(=405nm)で、カバー厚87.5μmの光ディスクに対して、収差がゼロとなるように設計されたNA0.85の対物レンズを、カバー厚100μmと75μmの2層光ディスクに用いると、球面収差が発生する。ところが、電圧非印加時の電圧V+1=0において、液晶と凹凸部17の屈折率差△n(V+1)は、前述したように、
△n(V+1)=n1−ns=0.11
であるので、凹凸部17とこの凹部に充填された液晶とにより前述の透過波面を生成するため、0.75λ≦△n(V+1)・d≦λの条件を満たすように凹凸部17の最大深さdを決定する。本実施例では、断面が略鋸歯状の凹凸部17を8段の階段形状によって近似しているため、d=3.5μmとしている。
このようにして得られた液晶レンズ素子10に入射する波長λ(=405nm)の透過波面は、電圧非印加時(V+1=0)には図4(A)に示す発散波面となり、焦点距離(f)が負の凹レンズ作用を示す。次に印加電圧を増加させると、V0=1.8V程度で△n(V0)=0となり、透過波面は図4(B)に示すように入射波面と同じ波面のまま(パワーなし)透過する。さらに印加電圧を増加させると、V-1=4.4V程度で△n(V-1)=−△n(V+1)となり、透過波面は図4(C)に示す収束波面となり、焦点距離(f)が正の凸レンズ作用を示す。このとき、印加電圧の切り替えV+1、V0、V-1において発生する図4(A)、(B)、(C)に示す透過波面の効率(透過効率)の計算値は、それぞれ、95%、100%、95%である。
ここで、光ディスクDのカバー厚が規格中心の100μm、75μmからずれた場合について説明する。
輪帯状のセグメント電極の中心と最外周間にδVの電位差を印加する。この電位差は前述の抵抗体により、図8に示すように各セグメントに異なる電位を生じさせる。例えば、素子中央からk番目の輪帯ekと隣のk+1番目の輪帯ek+1との電圧の差δV(k,k+1)と、k−1番目の輪帯ek-1と隣のk番目の輪帯ekとの電圧の差δV(k−1、k)は、δV(k−1,k)=2・δV(k,k+1)の関係を満たす。このように、内周の液晶に印加する電圧をδV変化させることで、透過する光の光路長差は図7の実線bに表したようになり、各セグメント間の光路長のStepは波長λとなる。従って、液晶レンズ素子10を透過する光は、実質的に連続な波面形状となり、焦点距離を微調整することができる。
次に、この液晶レンズ素子10を、図13に示す第4の実施形態の光ヘッド装置40に搭載する場合について説明する。なお、この光ヘッド装置40の構成は、前述の実施形態で説明してあるので省略する。
カバー厚100μmと75μmの規格中心のディスクに対しては、δV=0とし、液晶に印加する電圧をV+1、V-1とすることで、入射光は対物レンズ5により情報記録層に効率よく集光される。また、カバー厚が上記規格中心からずれたディスクでは、δVを変更することで、収差量が最小になるように(再生信号が良好になるように)調整することで、情報記録層に効率よく集光される。
なお、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
本発明は、第1の基板に第1の透明電極と鋸歯形状または鋸歯を階段形状で近似した断面形状を有する透明な凹凸部とを複数の輪帯状に形成し、第2の基板に第2の透明電極を形成し、かつ、第1、第2の透明電極の少なくとも一方は輪帯状に分割した電極セグメントで構成し、電極セグメントの輪帯状の分割位置を、第1の基板の鋸歯状の凹凸部の輪帯状の分割位置と一致させている。これにより、印加電圧に応じて焦点距離が3値、5値あるいは7値と複数切り換わる焦点距離切り替え可能で、かつ、焦点距離の微調整可能のレンズとして利用できるようになり、特に、カバー厚の異なる単層および2層の情報記録層を有する光ディスクの記録・再生において、発生するパワー成分を含む球面収差を補正する液晶レンズ素子として利用できる。
また、本発明の液晶レンズ素子を搭載した光ヘッド装置とすることにより、液晶レンズ素子と対物レンズとが偏心したときにも収差が発生しないため、液晶レンズ素子の配置の制約が軽減され、小型で安定した光ディスクの記録・再生ができる光ヘッド装置に利用できる。
本発明に係る実施形態の液晶レンズ素子の構成を示す側面図。 (A)は図1に示す液晶レンズ素子の第1の基板の凹凸部を構成する鋸歯状輪帯を示す平面図、(B)は第2の基板の透明電極を構成する輪帯状の電極セグメントを示す平面図。 本発明の液晶レンズにより生成される透過波面の光路長差を示す一例のグラフであって、αは横軸を半径rとし光路長差を波長λ単位で表記したグラフ、βはαから波長λの整数倍を差し引き、―λ以上ゼロ以下の光路長差としたグラフ、γは光路長差ゼロの面に対してβと面対称な光路長差を示すグラフ。 液晶レンズ素子への印加電圧を切り替えたときの作用を示す側面図であって、(A)は印加電圧V+1のときの収束透過波面、(B)は印加電圧V0のときの波面変化のない透過波面、(C)は印加電圧V-1のときの発散透過波面を示す。 本発明の液晶レンズにより生成される透過波面の光路長差を示す一例のグラフであって、αは横軸を半径rとし光路長差を波長γ単位で表記したグラフ、β2はαから波長2λの整数倍を差し引き、―2λ以上ゼロ以下の光路長差としたグラフ、β1はβ2の光路長差を半分にした光路長差を示すグラフ、γ1は光路長差ゼロの面に対してβ1と面対称な光路長差を示すグラフ、γ2は光路長差ゼロの面に対してβ2と面対称な光路長差を示すグラフ。 本発明の液晶レンズ素子への印加電圧を中間の値とした場合の光路長差の一例を示すグラフ。 本発明の液晶レンズ素子への印加電圧を輪帯毎に変えた場合の光路長差の一例を示すグラフ。 本発明の液晶レンズ素子への印加電圧を輪帯毎に変えた印加電圧の一例を示すグラフ。 本発明の液晶レンズ素子の第2の電極の輪帯状のセグメントと抵抗体との接続を示す模式的平面図。 本発明の液晶レンズ素子の第2の電極の輪帯状のセグメントと抵抗体との結線状態を示す模式的平面図。 本発明の液晶レンズ素子の構成を示す側面図。 液晶分子の配向方向が互いに直交するように液晶レンズ素子が積層された本発明の液晶レンズ素子の他の構成例を示す側面図。 本発明の液晶レンズ素子を搭載した本発明の光ヘッド装置を示す構成図。 可動レンズ群が球面収差補正素子として搭載された従来の光ヘッド装置を示す構成図。 従来の液晶レンズの構成例を示す側面図。 従来の光変調素子(液晶回折レンズ)の構成例を示す側面図。
符号の説明
1 半導体レーザ(光源)
2 回折格子
3 ビームスプリッタ
4 コリメータレンズ
5 対物レンズ
6 光検出器
7 位相板
10、20、30 液晶レンズ素子
11 透明基板(第1の基板)
12、12A、12B 透明基板(第2の基板)
13、13C、13D (第1の)透明電極
14、14C、14D (第2の)透明電極
14A 電極セグメント
15、15A、15B シール
16 液晶層(液晶)
17 凹凸部
18 駆動電源回路
19A、19B、19C 駆動電源供給用の端子電極
51 抵抗体
54 引き出し電極
54B、54C、・・・、54I 端部電極
40 光ヘッド装置
D 光ディスク

Claims (3)

  1. 少なくとも第1、第2の2枚の基板を対向配置し、前記基板間に挟持された液晶に印加する電圧に応じて前記液晶を透過する光の焦点距離を変化させる液晶レンズ素子であって、
    前記第1の基板の一方の面には第1の透明電極と鋸歯形状または鋸歯を階段形状で近似した断面形状を有する透明材料から成る凹凸部とを入射光の光軸を中心とする複数の輪帯状に形成し、
    前記第2の基板の一方の面に第2の透明電極を形成し、
    前記第1、第2の透明電極の少なくとも一方は、輪帯状に分割した電極セグメントで構成し、
    前記電極セグメントの輪帯状の分割位置は、前記第1の基板の前記鋸歯状の凹凸部の輪帯状の分割位置と一致しており、
    前記輪帯状に分割した前記各電極セグメントと、この電極セグメントと隣合う分割された電極セグメントとは、抵抗体で電気的に接続し、前記輪帯状に分割した前記各電極セグメントとこの外周側に隣合う電極セグメントとの間の抵抗値に対して、前記電極セグメントとこの内周側に隣合う電極セグメントとの間の抵抗値は2倍である液晶レンズ素子。
  2. 前記第1の基板上に形成した凹凸の深さは、前記第2の基板と前記凹凸の凸部との間隔に等しい請求項1に記載の液晶レンズ素子。
  3. 波長λの光を出射する光源と、この光源からの出射光を光記録媒体に集光する対物レンズと、この対物レンズにより集光され前記光記録媒体により反射された光を分波するビームスプリッタと、前記分波された光を検出する光検出器とを備えた光ヘッド装置において、
    前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に、請求項1または請求項2に記載の液晶レンズ素子を設置していることを特徴とする光ヘッド装置。
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