JP5884518B2 - 給紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、給紙装置及び画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置は、画像形成装置本体に給紙するための用紙を積重して大量に収容する給紙装置を備えている。
給紙装置は、収容している最上位の用紙を吸着搬送するなどして、その用紙を画像形成装置本体に向けて給紙するようになっている。
その給紙装置に用紙として封筒を収容した場合、封筒の開口側であるフラップ側と、封筒の底側である折り返し接着部側とでは厚みが異なるために、積み重ねられた封筒の底側が高く、フラップ側が低くなり、封筒束の最上面が傾斜してしまい水平にならない。給紙装置に収容されている最上位の封筒が水平に保たれていないと吸着搬送できず、封筒を画像形成装置本体に向けて給紙することができない不具合が生じてしまう。
この不具合を解消するため、給紙装置に収容されている最上位の封筒における、搬送方向の前方側となる折り返し接着部側と、搬送方向の後方側となるフラップ側との高さを合わせて、封筒の水平姿勢を維持させる封筒整列機構が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特表平6−509786号公報
しかしながら、封筒には、角封筒、長封筒、洋封筒など様々なタイプがあり、封筒の底側の折り返し接着部の他に、例えば、封筒の搬送方向である前後方向と交差する左右方向の中央側に位置する重ね合わせ接着部を有するものや、左右方向の両端側に位置する重ね合わせ接着部を有するものがある。
封筒における重ね合わせ接着部も比較的厚い箇所であり、積み重ねられた封筒の束において高くなりやすい部分であるので、上記特許文献1の封筒整列機構ように、前後一方向の傾斜を調整するだけでは、最上位の封筒の水平姿勢を維持することはできなかった。
本発明の目的は、積み重ねられて収容されている最上位の封筒の水平姿勢を良好に維持することができる給紙装置及び画像形成装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数枚の封筒を積載する給紙トレイと、
前記給紙トレイ上に積載されている封筒のうち少なくとも最上位の封筒を水平姿勢に維持する補助部と、
を備え、
前記補助部は、前記給紙トレイ上に封筒が積載されている状態で、封筒におけるフラップ側の辺と、前記フラップ側の辺に対向する底側の辺と、の高さを調整するとともに、前記給紙トレイ上に積載された封筒のタイプに応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整することにより、少なくとも最上位の封筒を水平姿勢に維持することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、
前記補助部は、前記給紙トレイ上に積載された封筒の枚数に応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の給紙装置において、
前記補助部は、前記給紙トレイ上に積載された封筒の斤量に応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の給紙装置において、
前記補助部に、前記封筒のタイプに応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整させる制御部をさらに備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の給紙装置において、
前記封筒のタイプの入力を受け付ける操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記操作部が受け付けた前記入力に基づいて、前記補助部に、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の給紙装置において、
前記補助部は、前記給紙トレイの上面に着脱自在に配されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、画像形成装置であって、
請求項1〜6の何れか一項に記載の給紙装置を備え、
前記給紙装置から給紙された封筒に対して画像を形成することを特徴とする。
本発明によれば、積み重ねられて収容されている最上位の封筒の水平姿勢を良好に維持することができる。
本発明に係る画像形成装置を示す全体構成図である。 本発明に係る給紙装置の要部を示す斜視図である。 給紙装置を示す側面図である。 給紙装置を示す平面図である。 給紙装置を示す正面図である。 吸着搬送部による用紙の搬送過程を示す説明図であり、用紙の吸着過程(a)と、用紙の分離過程(b)である。 給紙トレイ上に配された給紙補助板の変形パターンの一例を示す斜視図であり、平板形状(a)と、両側の三角板の迫り上がり形状(b)と、中央側の連結部の迫り上がり形状(c)を示している。 給紙装置の制御構成を示すブロック図である。 積載された封筒束の形状に関する説明図であり、角・長封筒タイプの積載形状(a)と、洋封筒タイプの積載形状(b)を示している。 給紙補助板が最上位の封筒を水平姿勢に維持している状態の説明図であり、給紙補助板の三角板を迫り上げた状態(a)と、給紙補助板の連結部を迫り上げた状態(b)を示している。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
[画像形成装置の概要]
図1は、本発明に係る画像形成装置100の全体構成図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、主に画像形成装置本体100a、画像読取装置SC、自動原稿送り装置DF、給紙装置300から構成されている。
画像形成装置本体100aは、感光体1、帯電部2、像露光部3、現像部4、転写部5、クリーニング部6等からなる画像形成部と、定着部7と、用紙搬送系から構成されている。用紙搬送系は、給紙カセット10、第1給紙部11、第2給紙部12、排紙部14、搬送路切換部15、循環再給紙部16、反転排紙部17から構成されている。
自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿dは給紙部により搬送され、画像読取装置SCの光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読みとられ、イメージセンサーCCDにより読み込まれる。イメージセンサーCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部20において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、像露光部3に画像信号を送る。
画像形成部においては、感光体1に対し、帯電部2により電荷が付加され、像露光部3からのレーザ光照射により静電潜像が形成され、現像部4により静電潜像が顕像化されてトナー像となる。次いで、給紙カセット10に収容された用紙Pが第1給紙部11から搬送される。用紙Pは、レジストローラーからなる第2給紙部12でトナー像との同期がとられて搬送される。その後、用紙Pは、転写部5でトナー像が転写されてから定着部7により定着される。
また、給紙カセット10に収容された用紙Pではなく、給紙装置300に収容された用紙である封筒Pも画像形成装置本体100aに給紙されて、その封筒Pにトナー像が転写されて定着される。
定着後の用紙Pは、排紙部14により装置外に排出される。一方、クリーニング部6により感光体1上の転写残のトナーが除去される。なお、両面印刷の場合は、第1面に画像形成された用紙Pは、搬送路切換部15により循環再給紙部16に送り込まれて反転され、再び画像形成部において第2面に画像形成後、排紙部14により装置外に排出される。反転排紙の場合は、通常の排紙通路から分岐した用紙Pは、反転排紙部17においてスイッチバックして表裏反転された後、排紙部14により装置外に排出される。
[給紙装置の概要]
図2は、本発明に係る給紙装置300の要部を示す斜視図である。図3は給紙装置300の側面図、図4は給紙装置300の平面図、図5は給紙装置300の正面図である。
画像形成装置本体100aに接続された給紙装置300は、給紙装置本体30、第1送風部40、第2送風部50、吸着搬送部60等を有し、大量の用紙Pを収容して、画像形成装置本体100aに用紙Pを1枚ずつ給送する。
特に、本発明に係る給紙装置300は、用紙として大量の封筒Pを積重して収容し、画像形成装置本体100aに封筒Pを1枚ずつ給送することを可能としている。
給紙装置本体30は、給紙トレイ31、前端部規制部材32、後端部規制部材33、ガイドレール34、給紙補助板35を有する。給紙トレイ31は、ガイドレール34により給紙装置300から引き出し可能に構成されている。給紙補助板35は、給紙トレイ31上に用紙としての封筒Pを積載する際に、封筒Pの給紙姿勢を安定させるための補助具であり、給紙トレイ31の上面に着脱自在に設けられている。この給紙補助板35は、給紙トレイ31上に積載されている複数の封筒Pのうち少なくとも最上位の封筒Pを水平姿勢に維持する機能を有している。
給紙トレイ31は図示しない機構により昇降される。その給紙トレイ31に積載された封筒Pは昇降可能に収容されており、積載された封筒Pの最上位が所定の高さ位置に位置合わせされるようになっている。
また、給紙トレイ31に積載されている最上位の封筒Pは、後述する吸着搬送部60等によって、図2〜図4に示す矢印aの給送方向に給送される。
封筒Pの給送方向において、前端部規制部材32が封筒Pの前端の位置を規制し、後端部規制部材33が封筒Pの後端の位置を規制する。前端部規制部材32の位置は固定されているが、後端部規制部材33は封筒Pの給送方向である前後方向に移動可能になっている。この後端部規制部材33は、給紙トレイ31に積載された封筒Pのサイズに応じてユーザーが移動させて、封筒Pの後端側の位置を規制する。
なお、ここでいう封筒Pの給送方向の前端とは、封筒Pの底側の折り返し接着部側のことであり、封筒Pの給送方向の後端とは、封筒Pの開口側のフラップ側のことである(図4参照)。
図2、図3に示すように後端部規制部材33及び側部規制部材41には、給紙トレイ31に積載される最上位の封筒Pの高さを検知する高さ検知センサーPS1が設置されている。給紙トレイ31から封筒Pを給紙する際、給紙トレイ31に積載された封筒Pに対して第1送風部40等がエアーを吹き付けるため、給紙トレイ31に積載される最上位の封筒Pの高さが所定の高さになるよう、高さ検知センサーPS1の検知結果に基づいて給紙トレイ31が上下動する。
また、複数(例えば3つ)の高さ検知センサーPS1の検知結果に基づいて、給紙トレイ31上に積載されている最上位の封筒Pが水平姿勢を維持しているか否か判別可能になっている。
図2等に示すように、給紙トレイ31に積載された封筒Pの上方に位置するように吸着搬送部60が設置されている。吸着搬送部60は、駆動源に接続している大ローラー61と2個の小ローラー62と、大ローラー61および小ローラー62を巻回して回動する吸着ベルト63を有している。吸着ベルト63には多数の小径の貫通孔が穿設されている。吸着ベルト63の内方には吸引ファン64が設置されていて、吸引ファン64の吸引力により封筒Pが吸着ベルト63に吸着する。
吸着搬送部60は、吸着ベルト63で封筒Pを吸着しながら回動することで、給紙トレイ31に積載された最上位の封筒Pを矢印aの方向に給送して、画像形成装置本体100aへ送り込む機能を有している。
図2等に示すように、給紙トレイ31に対して封筒Pの給送方向下流側且つ吸着ベルト63の近傍には、第2送風部50が設置されている。第2送風部50は送風ファン51やガイド板52等により構成されており、送風ファン51によるエアーが吹き出される送風口53は上向きに取り付けられている。上向きに吹き上げられたエアーは、ガイド板52により向きを変えられ、斜め上方に向けて送風口53から吹き出され、吸着搬送部60の吸着ベルト63の近傍に送風する。
第2送風部50は、吸着ベルト63に吸引される用紙間にエアーを吹き込んで、1枚の封筒Pを吸着ベルト63に吸着させるように分離する機能を有している。
図2等に示すように、封筒Pの給送方向に対して側方から給紙トレイ31に積載された封筒Pの上部にエアーを吹き付ける第1送風部40が、給紙トレイ31の両側に設置されている。第1送風部40は主に側部規制部材41と、側部規制部材41の内部に設置された送風ファン42から構成されている。
第1送風部40は側部規制部材41の上部に設けた送風口43から封筒Pにエアーを吹き付ける。2つの第1送風部40は封筒Pを挟んだ配置で互いに向き合うように、封筒Pにエアーを吹き付けることとなる。そして、左右の第1送風部40からエアーが吹き付けられた封筒Pは上方に浮上する。
つまり、第1送風部40は、給紙トレイ31に積載された封筒Pの上部にエアーを吹き付けることで、封筒Pを上方に浮上させて、吸着搬送部60の方向へ移動させる機能を有している。
第1送風部40は、図5に示すように、封筒Pの給送方向と交差する左右方向である矢印bの方向に移動可能となっており、給紙トレイ31に積載された封筒Pの幅に応じてユーザーが第1送風部40を移動させ、左右の側部規制部材41により封筒Pの両側の位置が規制される。このとき、給紙トレイ31に積載された封筒Pは2つの第1送風部40に挟まれる形となる。そして、給紙トレイ31に積載される封筒Pのサイズが変更された場合でも、第1送風部40を移動させて側部規制部材41により封筒Pの側面を規制することで、どのようなサイズの封筒Pが積載されても、2つの第1送風部40によりエアーを好適に吹き付けることができる。
[用紙の給送過程]
図6は、吸着搬送部60によって封筒Pを搬送する、封筒Pの給送過程を示す断面図である。
図6(a)は用紙の吸着過程を示す。第1送風部40によるエアーの吹き付けによって給紙トレイ31に積載された上層の少数枚の封筒P(P1、P2)が自重に抗して浮上して、吸着ベルト63の負圧による吸気V1により吸着される。第2送風部50により吹き上げられたエアーV2は、吸着ベルト63の前方底部近傍に吹き付けられている。
図6(b)は、用紙の分離過程を示す。第1送風部40によるエアーの吹き付けが停止すると、第2送風部50のみの送風になり、第2送風部50によるエアーが最上位の封筒P1と、その下方の封筒P2の紙間を通過する。最上位の封筒P1は吸着搬送部60の吸気V1によって吸着され、封筒P2から分離される。分離された最上位の封筒P1の下方の封筒P2は、自重によって下降し、給紙トレイ31上の封筒Pの上に収容される。
こうして封筒P2と封筒P1を分離した後、吸着搬送部60の図示しない駆動部が駆動を開始し吸着ベルト63を回動させる。そして、回動する吸着ベルト63に吸着された1枚の封筒P1が搬送され、給紙装置300から画像形成装置本体100aに向けて給紙される。
このように、第1送風部40、第2送風部50、吸着搬送部60等の協働により、給紙トレイ31から1枚ずつ封筒Pが搬送され給送される。
[給紙補助板の概要]
次に、給紙補助板35の構成について、具体的に説明する。
図7は、給紙トレイ31上に配された給紙補助板35を示す斜視図である。図8は、給紙装置300における給紙補助板35に関係する制御構成を示すブロック図である。
図7に示すように、給紙補助板35は、左右1対の三角板35aと、左右の三角板35aを回動可能に連結する連結部35bと、給紙補助板35を変形させる駆動部であるシリンダー(36a,36b)を備えている。駆動部であるシリンダーには、三角板35aに繋がれた第1シリンダー36aと、連結部35bに繋がれた第2シリンダー36bとがある。
また、駆動部であるシリンダー36a,36bは、図8に示すように、制御部Xによって動作制御されるようになっている。
[給紙補助板の機構]
給紙補助板35は、平面視した際、略二等辺三角形形状を呈しており、連結部35bの一端側である頂点に相当する先端35cを前端部規制部材32側に向け、底辺に相当する縁部を後端部規制部材33側に向けて、給紙トレイ31上に配置されている。また、第1シリンダー36aと第2シリンダー36bは、例えば給紙トレイ31に設けられた溝部に装入されている。
図7(a)は、給紙補助板35の初期状態を示している。
第1シリンダー36aと第2シリンダー36bがシリンダー軸を収縮した場合、給紙補助板35は平板状になって給紙トレイ31の上面に接し、給紙トレイ31とほぼ一体化する。
図7(b)は、第1シリンダー36aがシリンダー軸を上昇させ、第2シリンダー36bがシリンダー軸を収縮した状態(または、第1シリンダー36aがシリンダー軸を比較的長く伸長させ、第2シリンダー36bがシリンダー軸を比較的短く伸長させた状態)であって、給紙補助板35の両側の三角板35aが迫り上がった状態を示している。なお、給紙補助板35の先端35cが給紙トレイ31の上面に接する状態を維持して、給紙補助板35が変形するようになっている。また、給紙補助板35の変形に伴い第1シリンダー36aと第2シリンダー36bは、給紙トレイ31の溝部に沿ってスライド可能になっている。
このように給紙補助板35の両側の三角板35aが迫り上がる動作は、給紙トレイ31上に積載された封筒Pの給送方向に対応し、その封筒Pの後端側を前端側に対して上昇させるとともに、給送方向と交差する左右方向に対応する封筒Pの左右両側を中央側に対して上昇させるための変形動作である。
例えば、角封筒、長封筒などの封筒タイプは、図9(a)に示すように、封筒Pの底側の折り返し接着部の他に、封筒Pの搬送方向である前後方向と交差する左右方向の中央側に位置する重ね合わせ接着部を有している。
このようなタイプの封筒Pを給紙トレイ31上に積載した場合、図9(a)に示すように、比較的厚い折り返し接着部が積み重なった前端部規制部材32側が高くなるとともに、比較的厚い重ね合わせ接着部が積み重なった封筒Pの左右中央側が高くなってしまい、給紙トレイ31上に積載された最上位の封筒Pの上面が凸面になってしまう。
最上位の封筒Pの上面が凸面になってしまうと、第1送風部40によって封筒Pを浮上させることや吸着搬送部60で封筒Pを吸着することが困難になり、給紙トレイ31から封筒Pを給送することができなくなってしまう。
そこで、図7(b)に示すように、給紙補助板35の両側の三角板35aを迫り上げて、給紙トレイ31上に積載された封筒Pの後端側を前端側に対して上昇させるとともに、封筒Pの左右両側を中央側に対して上昇させることで、図10(a)に示すように、給紙トレイ31上に積載されている封筒Pのうち少なくとも最上位の封筒Pを水平姿勢に維持することが可能になり、給紙トレイ31から封筒Pを給送することが可能になる。
なお、最上位の封筒Pの水平姿勢を維持するための給紙補助板35の変形に関し、1対の三角板35aがなす角度は、制御部Xによる第1シリンダー36aと第2シリンダー36bの動作制御によって調整される。
図7(c)は、第1シリンダー36aがシリンダー軸を収縮し、第2シリンダー36bがシリンダー軸を上昇させた状態(または、第1シリンダー36aがシリンダー軸を比較的短く伸長させ、第2シリンダー36bがシリンダー軸を比較的長く伸長させた状態)であって、給紙補助板35の中央側の連結部35bが迫り上がった状態を示している。なお、給紙補助板35の先端35cが給紙トレイ31の上面に接する状態を維持して、給紙補助板35が変形するようになっている。また、給紙補助板35の変形に伴い第1シリンダー36aと第2シリンダー36bは、給紙トレイ31の溝部に沿ってスライド可能になっている。
このように給紙補助板35の中央側の連結部35bが迫り上がる動作は、給紙トレイ31上に積載された封筒Pの給送方向に対応し、その封筒Pの後端側を前端側に対して上昇させるとともに、給送方向と交差する左右方向に対応する封筒Pの中央側を左右両側に対して上昇させるための変形動作である。
例えば、洋封筒などの封筒タイプは、図9(b)に示すように、封筒Pの底側の折り返し接着部の他に、封筒Pの搬送方向である前後方向と交差する左右方向の両側に位置する重ね合わせ接着部を有している。
このようなタイプの封筒Pを給紙トレイ31上に積載した場合、図9(b)に示すように、比較的厚い折り返し接着部が積み重なった前端部規制部材32側が高くなるとともに、比較的厚い重ね合わせ接着部が積み重なった封筒Pの左右両側が高くなってしまい、給紙トレイ31上に積載された最上位の封筒Pの上面が凹面になってしまう。
最上位の封筒Pの上面が凹面になってしまうと、第1送風部40によって封筒Pを浮上させることや吸着搬送部60で封筒Pを吸着することが困難になり、給紙トレイ31から封筒Pを給送することができなくなってしまう。
そこで、図7(c)に示すように、給紙補助板35の中央側の連結部35bを迫り上げて、給紙トレイ31上に積載された封筒Pの後端側を前端側に対して上昇させるとともに、封筒Pの中央側を左右両側に対して上昇させることで、図10(b)に示すように、給紙トレイ31上に積載されている封筒Pのうち少なくとも最上位の封筒Pを水平姿勢に維持することが可能になり、給紙トレイ31から封筒Pを給送することが可能になる。
なお、最上位の封筒Pの水平姿勢を維持するための給紙補助板35の変形に関し、1対の三角板35aがなす角度は、制御部Xによる第1シリンダー36aと第2シリンダー36bの動作制御によって調整される。
[給紙補助板の動作制御]
制御部Xは、例えば給紙装置300内に設けられており、給紙装置300全体の動作を制御する。制御部Xは、主に、CPU(Central ProcessingUnit)、ROM(Read OnlyMemory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、ROMに格納されている各種制御プログラムを読み出してRAMに展開し、各部の動作を制御する。
制御部Xは、記憶部Mに記憶された各種データーやデーターテーブルを参照し、第1シリンダー36aや第2シリンダー36bのシリンダー軸の伸縮量を調整する。
記憶部Mには、図示しない画像形成装置100の操作部を介して入力された、給紙トレイ31に積載されている封筒Pのタイプ(角・長封筒タイプ、洋封筒タイプなど)、その封筒Pの斤量(紙材の厚さ・剛性)などのデーターが記憶されている。また、記憶部Mには、給紙トレイ31上に積載されている封筒Pの枚数に応じた適正な形状に給紙補助板35が変形するためのデーターとして、1対の三角板35aがなす角度と、その角度に対応するシリンダー軸の伸縮量に関するデーターが予め記憶されている。なお、給紙トレイ31上に積載されている封筒Pの量(枚数)に応じて上下する給紙トレイ31の高さ位置に基づき、制御部Xは給紙トレイ31上に積載されている封筒Pの枚数を判断することが可能になっている。例えば、給紙装置300は、給紙トレイ31の高さ位置を検知するセンサーを備えている。
この制御部Xによって第1シリンダー36aや第2シリンダー36bのシリンダー軸の伸縮量が調整されることで、1対の三角板35aがなす角度が切り替えられ、給紙トレイ31上に積載されている封筒Pのうち少なくとも最上位の封筒Pの水平姿勢を維持するように、給紙補助板35の変形形状が調整される。
また制御部Xは、複数(例えば3つ)の高さ検知センサーPS1の検知結果に基づいて、給紙トレイ31上に積載されている最上位の封筒Pが水平姿勢を維持しているか否か判別し、最上位の封筒Pが水平姿勢となるように、給紙補助板35の変形形状を調整するようにしてもよい。
なお、制御部Xは、第1送風部40の送風ファン42の風量調整、第2送風部50の送風ファン51の風量調整、吸着搬送部60の吸引ファン64の風量調整、吸着搬送部60の吸着ベルト63の回転等の動作制御も行っている。
次に、制御部Xの動作制御による給紙補助板35の変形について説明する。
給紙補助板35は、給紙トレイ31にセットされている。
そして、ユーザーが給紙装置300の給紙トレイ31上に封筒P束を積載した後、ユーザーは図示しない操作部を介して積載した封筒Pのタイプや、その封筒Pの斤量などのデーターを入力し、そのデーターを記憶部Mに記憶させる。
制御部Xは、記憶部Mに記憶されているデーターと、給紙トレイ31の高さ位置に基づき検出した給紙トレイ31上の封筒Pの枚数を参照し、1対の三角板35aがなす角度を調整するように、第1シリンダー36aや第2シリンダー36bのシリンダー軸の伸縮量を調整し、給紙トレイ31上に積載されている封筒Pのうち少なくとも最上位の封筒Pが水平姿勢となるように、給紙補助板35を変形させる。
さらに制御部Xは、複数(例えば3つ)の高さ検知センサーPS1の検知結果に基づいて、給紙トレイ31上に積載されている最上位の封筒Pが水平姿勢を維持しているか否か判断し、1対の三角板35aがなす角度の微調整を行うように給紙補助板35を変形させる。
こうして給紙トレイ31上に積載されている最上位の封筒Pを水平姿勢に維持することで、給紙トレイ31から封筒Pを給送することが可能になり、その封筒Pを画像形成装置本体100aに給送して印刷・画像形成が実行される。
また、印刷・画像形成の実行に伴い、給紙トレイ31上に積載されている封筒Pが減ることや、補給によって封筒Pが増えることに応じて、制御部Xは速やかに第1シリンダー36aや第2シリンダー36bのシリンダー軸の伸縮量を調整し、常に最上位の封筒Pの水平姿勢を維持する。
このように、給紙装置300は、給紙トレイ31上に積載された封筒Pのタイプや枚数に応じて給紙補助板35を変形させて、給紙トレイ31上に積み重ねられて収容されている最上位の封筒Pの水平姿勢を良好に維持することができるので、給紙トレイ31から画像形成装置本体100aに向けて封筒Pを良好に給送することができる。
また、この給紙装置300を備えている画像形成装置100であれば、封筒Pの水平姿勢が良好に維持されているため、その封筒Pの搬送や封筒Pへの印刷・画像形成を好適に行うことが可能になる。
なお、以上の実施の形態においては、駆動部であるシリンダーによって給紙補助板35の変形を行うとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、モーターやリンク機構など他の駆動部を利用するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態においては、制御部Xに動作制御されたシリンダーによって給紙補助板35の変形を自動で行うとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、給紙補助板35の変形を手動で調整して1対の三角板35aがなす角度を切り替えるようにしてもよい。
この場合、給紙補助板35は、一対の三角板35aと連結部35bからなる変形可能なスペーサーであって、必要に応じてユーザーが給紙トレイ31と封筒P束の間に挟み込むように使用する部材となる。
また、給紙装置300に封筒Pでなくコピー用紙などの用紙Pを積載する際に、給紙補助板35は図7(a)に示す平板状に変形していればよい。また、給紙トレイ31から給紙補助板35を取り外して用紙Pを積載してもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
100 画像形成装置
100a 画像形成装置本体
300 給紙装置
30 給紙装置本体
31 給紙トレイ
35 給紙補助板
35a 三角板
35b 連結部
35c 先端
36a 第1シリンダー
36b 第2シリンダー
40 第1送風部
50 第2送風部
60 吸着搬送部
P 封筒(用紙)
X 制御部

Claims (7)

  1. 複数枚の封筒を積載する給紙トレイと、
    前記給紙トレイ上に積載されている封筒のうち少なくとも最上位の封筒を水平姿勢に維持する補助部と、
    を備え、
    前記補助部は、前記給紙トレイ上に封筒が積載されている状態で、封筒におけるフラップ側の辺と、前記フラップ側の辺に対向する底側の辺と、の高さを調整するとともに、前記給紙トレイ上に積載された封筒のタイプに応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整することにより、少なくとも最上位の封筒を水平姿勢に維持することを特徴とする給紙装置。
  2. 前記補助部は、前記給紙トレイ上に積載された封筒の枚数に応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記補助部は、前記給紙トレイ上に積載された封筒の斤量に応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
  4. 前記補助部に、前記封筒のタイプに応じて、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整させる制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の給紙装置。
  5. 前記封筒のタイプの入力を受け付ける操作部をさらに備え、
    前記制御部は、前記操作部が受け付けた前記入力に基づいて、前記補助部に、前記フラップ側の辺と直交する辺を封筒の中央より高くするか又は封筒の中央を前記フラップ側の辺と直交する辺より高くするかを調整させることを特徴とする請求項4に記載の給紙装置。
  6. 前記補助部は、前記給紙トレイの上面に着脱自在に配されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の給紙装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の給紙装置を備え、
    前記給紙装置から給紙された封筒に対して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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