JP6447170B2 - 給紙装置及び画像形成システム - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に用紙を供給する給紙装置、及びこの給紙装置と画像形成装置を有する画像形成システムに関する。特に、封筒を収納する給紙装置に関する。
従来から、複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、印刷機、複合機等の画像形成装置に用紙を供給する給紙装置が知られている。給紙装置は、画像形成システムとして使用する場合に画像形成装置に接続される。
近年では、用紙として封筒を給紙装置に収納し、封筒に画像を形成する画像形成システムが知られている。袋状に形成するために、フラップ部が形成される開口側と反対側である底部側だけでなく、封筒における搬送方向と直行する幅方向の中央部(いわゆるセンター貼り)、または幅方向の片側(いわゆるスミ貼り)には、用紙を重ね合わせて接着した貼り合わせ部が形成されている。
そのため、多数の封筒を給紙装置に収納し、封筒を積み重ねた場合、封筒における貼り合わせ部側が貼り合わせていない箇所に対して高くなり、最上位の封筒が水平に対して傾いていた。その結果、封筒を画像形成装置へ搬送する搬送部に封筒を搬送することできない、という不具合が生じていた。
このような不具合を解消するため、例えば、特許文献1に記載された給紙装置では、積載された封筒の傾きに応じて変形可能な給紙補助板を備えた給紙装置が開示されている。この特許文献1に記載された給紙装置では、複数のシリンダーを用いて一対の三角板からなる給紙補助板を変形させている。
特開2013−155003号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、給紙補助板を変形させるための複数のシリンダーと、最上位の封筒における姿勢の状態を検知するための複数の検知センサが必要となっていた。その結果、特許文献1に記載された技術では、複数のシリンダーや複数の検知センサにより部品点数が増加するだけでなく、最上位の封筒の姿勢を水平に保つための構造が複雑になる、という問題を有していた。
本発明は、上述のような従来の問題点に鑑み、簡略な構成で収納された封筒における最上位の封筒の姿勢を水平に維持することができる給紙装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の給紙装置は、鉛直方向に昇降可能な昇降部と、積載補助部と、搬送部と、を備えている。積載補助部は、封筒が積載され、積載された封筒を搬送方向に沿って湾曲させる。搬送部は、積載補助部に積載された封筒における鉛直方向の最上位に配置された封筒を搬送する。また、積載補助部は、昇降部に回動可能に配置される回動部材を有している。回動部材における搬送方向の下流側の先端部が昇降部から鉛直方向の上方に向けて離反する位置は、積載された封筒における搬送方向と直交し、かつ鉛直方向とも直交する幅方向の両端部を昇降部に対して離反させる位置である。また、先端部が前記昇降部に対して鉛直方向の下方に向けて接近する位置は、積載された封筒の両端部を昇降部に接近させる位置となる。昇降部が上昇する前の状態では、回動部材の先端部が昇降部から離反し、積載される封筒の枚数が減少して昇降部が上昇すると、回動部材の先端部は昇降部に接近する。
また、本発明の画像形成システムは、封筒に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置に封筒を供給する給紙装置と、を備えている。給紙装置は、上述の給紙装置を用いる。
上記構成の給紙装置及び画像形成システムによれば、簡略な構成で収納された封筒における最上位の封筒の水平姿勢を良好に維持することができる。
本発明の実施の形態例に係る画像形成システムの概略構成図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における用紙収納部を示す斜視図ある。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における搬送部を示す断面図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における積載補助部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における用紙収納部の要部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における用紙収納部の要部を示す断面図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における昇降部が上昇した際の積載補助部材を示す斜視図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における昇降部が上昇した際の積載補助部材を示す断面図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置の制御系の構成を示すブロック図である。 給紙装置に封筒を積載した状態を示す図であり、図10Aは従来の給紙装置に封筒を積載した状態を示す正面図、図10Bは本発明の実施の形態例にかかる給紙装置に封筒を積載した状態を示す正面図である。 積載した封筒の枚数が少なくなった状態を示す図で、図11Aは積載補助部が回動する前の状態を示す図、図11Bは積載補助部が回動した後の状態を示す図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置における送風部の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置に封筒を積載した状態における送風部の動作を示す説明図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置に封筒を積載した状態における送風部の動作を示す説明図である。 本発明の実施の形態例に係る給紙装置に封筒を積載した状態における送風部の動作を示す説明図である。
以下に、本発明の給紙装置及び画像形成システムを実施するための形態について、図1〜図15を参照しながら説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
1.実施の形態例
まず、図1〜図15を参照して本発明の実施の形態例(以下、「本例」という)にかかる画像形成システム及び給紙装置について説明する。
図1は、画像形成システム1の概略構成図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、用紙に画像を形成する画像形成装置2と、画像形成装置2に用紙を供給する給紙装置3から構成されている。なお、本例の給紙装置3には、画像を形成する用紙として、スミ貼りの封筒Pが収納されている。また、画像形成システム1では、画像不良の観点から中央部に貼り合わせ部が形成されるセンター貼りの封筒よりも、幅方向の片側に貼り合わせ部が形成されるスミ貼りの封筒が用いられている。
[画像形成装置]
まず、画像形成装置2について説明する。
画像形成装置2は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、装置本体201と、原稿搬送部210と、画像読取部220と、用紙収納部230と、画像形成部240と、定着部250と、用紙搬送部260と、不図示の制御部とを有している。
装置本体201は、略直方体状の箱状に形成さている。そして、画像読取部220、用紙収納部230、画像形成部240、定着部250、用紙搬送部260及び制御部は、装置本体201の内部に配設されており、原稿搬送部210は、装置本体201の上部に配置されている。
原稿搬送部210は、原稿Gをセットする原稿給紙台211と、複数のローラ212と、搬送ドラム213と、搬送ガイド214と、原稿排出ローラ215と、原稿排出トレイ216とを有している。原稿給紙台211にセットされた原稿Gは、複数のローラ212及び搬送ドラム213によって、画像読取部220の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド214及び原稿排出ローラ215は、複数のローラ212及び搬送ドラム213により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ216に排出する。
画像読取部220は、原稿搬送部210により搬送された原稿G又は原稿台221に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。画像読取部220へ搬送された原稿Gは、その片面又は両面の画像が光学系により露光され、イメージセンサ222によって読み取られる。
イメージセンサ222により光電変換されたアナログ信号は、画像処理部223において、アナログ処理、A/D変換処理、シェーデインク補正処理、画像圧縮処理等の各種の処理が行われる。そして、各種の信号処理が行われた画像信号は、画像処理部223から画像形成部240に送られる。
なお、画像形成部240に送られる画像信号は、画像読取部220から出力される画像信号に限定されず、画像形成装置2に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
用紙収納部230は、装置本体201の下部に配置されており、用紙Sのサイズや種類に応じて設けられた複数の給紙カセット231を有している。給紙カセット231に収納された用紙Sは、給紙部232により給紙されて用紙搬送部260に送られ、用紙搬送部260によって転写位置を有する転写部245に搬送される。
画像形成部240及び定着部250は、画像読取部220と用紙収納部230との間に配置されている。画像形成部240は、感光体241、帯電部242、露光部243、現像部244、転写部245、およびクリーニング部246等から構成されている。
感光体241は、像担持体であり、図示しない駆動源による駆動によって回転する。帯電部242は、感光体241に電荷を与えることによって当該感光体241の表面を一様に帯電する。露光部243は、画像読取部220から受信した画像信号又は外部装置から受信した画像信号に基づいて、感光体241の表面に対して露光を行うことにより、感光体241上に静電潜像を形成する。
現像部244は、例えば、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いて、感光体241上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する。転写部245は、感光体241上のトナー画像を、用紙搬送部260によって搬送される用紙S又は給紙装置3から供給された封筒Pに転写する。クリーニング部246は、感光体241上の残留しているトナーを除去する、即ち、感光体241の表面をクリーニングする。
定着部250は、用紙S又は封筒Pを加圧及び加熱して、転写されたトナー像を用紙S又は封筒Pに定着させる。この定着部250は、例えば、一対の定着部材である定着上ローラ251及び定着下ローラ252を有している。定着上ローラ251及び定着下ローラ252は、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラ251と定着下ローラ252との圧接部が、用紙S又は封筒Pを加圧及び加熱する定着ニップ部である。
定着上ローラ251の内部には、加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラ251の外周部が温められる。そして、定着上ローラ251の外周部の熱が用紙S又は封筒Pへ伝達されることにより、用紙S又は封筒P上のトナー画像が熱定着される。
用紙S又は封筒Pは、転写部245によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラ251と向き合うように搬送され、定着ニップ部を通過する。したがって、定着ニップ部を通過する用紙S又は封筒Pには、定着上ローラ251と定着下ローラ252とによる加圧と、定着上ローラ251の外周部の熱による加熱が行われる。
用紙搬送部260は、レジストローラ262と、排紙部263と、搬送路切換部264と、用紙反転搬送部265と、循環再給紙部266とを有している。用紙搬送部260は、給紙装置3から供給される封筒Pを受け入れる。
レジストローラ262は、用紙S又は封筒Pの搬送方向に対する曲りを矯正すると共に、感光体241の回転に同期させて用紙S又は封筒Pを転写部245に送る。排紙部263は、定着部250によってトナー画像が定着された用紙S又は封筒Pを装置本体201の外部へ排出する。
搬送路切換部264は、定着部250よりも用紙搬送方向下流に配置されている。搬送路切換部264は、定着部250を通過した用紙S又は封筒Pの搬送路を切り換える。すなわち、搬送路切換部264は、片面画像形成における画像形成面を上方に向けて排紙するフェースアップ排紙を行う場合に、用紙S又は封筒Pを直進させる。これにより、用紙S又は封筒Pは、排紙部263によって排紙される。また、搬送路切換部264は、片面画像形成における画像形成面を下方に向けて排紙するフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙S又は封筒Pを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、搬送路切換部264によって用紙S又は封筒Pを下方に案内した後に、用紙反転搬送部265によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転されて画像形成面が下方に向いた用紙S又は封筒Pは、排紙部263によって排紙される。両面画像形成を行う場合は、搬送路切換部264によって用紙S又は封筒Pを下方に案内した後に、用紙反転搬送部265によって表裏を反転し、循環再給紙部266により再び転写位置へ送られる。
[給紙装置]
次に、給紙装置3について説明する。
給紙装置3は、装置本体301と、封筒Pのサイズや種類に応じて設けられた複数の用紙収納部302とを有している。装置本体301は、略直方体状の箱状に形成されている。複数の用紙収納部302は、装置本体301の内部に配設されている。
そして、複数の用紙収納部302は、装置本体301の鉛直方向に沿って配設されている。用紙収納部302に収納された封筒Pは、用紙収納部302に設けた搬送部312により画像形成装置2に搬送される。この用紙収納部302は、不図示にガイドレールに沿って移動させることにより、装置本体301から引き出し可能に構成されている。
[用紙収納部302]
次に、図2〜図8を参照して用紙収納部302の詳細な構成について説明する。
図2は、用紙収納部302を示す斜視図である。
図2に示すように、用紙収納部302は、支持台303と、昇降板304と、2つの側部規制部材305A、305Bと、先端規制部材306と、積載補助部307と、搬送部312と、不図示の後端規制部材を有している。また、用紙収納部302は、昇降板304を昇降可能に支持する昇降駆動部308(図9参照)と、用紙収納部302に積載された封筒Pにおける鉛直方向の上部にエアーを吹き付ける送風部309と、検知センサ310(図9参照)とを有している。2つの側部規制部材305A、305B及び先端規制部材306及び昇降駆動部308は、支持台303の一面に設けられている。
昇降部の一例を示す昇降板304は、昇降駆動部308(図9参照)により鉛直方向に沿って昇降可能に支持されている。昇降板304は、略長方形をなす平板状に形成されている。昇降板304における封筒Pの搬送方向と直交し、かつ鉛直方向とも直交する幅方向の両側には、それぞれ切り欠き部304aが形成されている。また、昇降板304における幅方向の中央部には、搬送方向に沿って開口する挿入孔304bが形成されている。そして、切り欠き部304aには、側部規制部材305A、305Bが配置され、挿入孔304bには、積載補助部307が配置されている。
また、挿入孔304bには、不図示の後端規制部材が移動可能に配置される。後端規制部材は、支持台303に搬送方向に沿って移動可能に支持される。そして、後端規制部材は、支持台303から略垂直に立設する。後端規制部材は、後述する積載補助部307に積載された封筒Pにおける搬送方向の上流側、すなわち封筒Pの後端に当接する。そして、後端規制部材は、封筒Pにおける搬送方向の上流側の端部の位置を規制する。
2つの側部規制部材305A、305Bは、支持台303の幅方向の両側で、かつ支持台303の搬送方向の下流側に配置されている。2つの側部規制部材305A、305Bは、支持台303の一面に対して略垂直に立設している。また、2つの側部規制部材305A、305Bは、ガイドレールにより支持台303に幅方向に移動可能に支持されている。2つの側部規制部材305A、305Bは、昇降板304に設けた切り欠き部304a内に挿入される。2つの側部規制部材305A、305Bの間隔は、用紙収納部302に積載された封筒Pの幅方向の長さに対応している。そして、2つの側部規制部材305A、305Bは、用紙収納部302に積載された封筒Pの幅方向の両側から軽く押圧することにより、封筒Pの幅方向の位置を規制する。
2つの側部規制部材305A、305Bには、それぞれ送風部309が収納されている。また、2つの側部規制部材305A、305Bにおける互いに対向する一面において、鉛直方向の上部には、吹き出し口305aが形成されている。吹き出し口305aからは、送風部309から送風されるエアーが吹き出される(図13参照)。エアーは封筒Pの幅方向の一方の端部から用紙間を通り抜けて他方の端部に向けて吹き付けられる。このエアーの吹き付けによって封筒Pが捌かれ、上部数枚が1枚ずつに分離される。
図2に示すように、先端規制部材306は、支持台303における搬送方向の下流側に配置されている。先端規制部材306は、支持台303から垂直に立設されている。そして、先端規制部材306には、用紙収納部302に収納された封筒Pにおける搬送方向の下流側の端部の位置を規制する。先端規制部材306の鉛直方向の上部には、後述する搬送部312の下ガイド315が連続して設けられている。
また、先端規制部材306の鉛直方向の上方には、搬送部312が配置されている。さらに、先端規制部材306における幅方向の略中央部には、挿通孔306aが形成されている。挿通孔306aは、先端規制部材306における鉛直方向の下部から鉛直方向に沿って延在している。そして、挿通孔306aの延長方向の上端部は、先端規制部材306の鉛直方向の上部から連続する下ガイド315の下方に位置している。この挿通孔306aには、後述する積載補助部307の当接片335が鉛直方向に沿って移動可能に挿入される。
図3は、搬送部312を示す断面図である。
図3に示すように、搬送部312は、用紙収納部302に収納された封筒Pにおける鉛直方向の最上位に位置する封筒(以下、最上位封筒という)P1を画像形成装置2へ搬送する。図4に示すように、搬送部312は、給紙ローラ313と、上ガイド314と、下ガイド315と、複数の搬送ローラ316とを有している。給紙ローラ313は、最上位封筒P1の上面に当接する。また、給紙ローラ313は、積載補助部307における搬送方向の下流側の端部の鉛直方向の上方に配置されている。
上ガイド314及び下ガイド315は、給紙ローラ313の搬送方向の下流側に配置されている。下ガイド315は、先端規制部材306と連続している。上ガイド314は、下ガイド315の鉛直方向の上方に所定の間隔を開けて配置されている。上ガイド314及び下ガイド315は、給紙ローラ313から搬送された封筒Pを一対の搬送ローラ316までガイドする。そして、複数の搬送ローラ316は、搬送された封筒Pを画像形成装置2(図1参照)に送り出す。
次に、積載補助部307について説明する。
図4は、積載補助部307を示す斜視図、図5は、用紙収納部302の要部を示す斜視図である。図6は、用紙収納部302の要部を示す側面図である。図7及び図8は、昇降板304が上昇した際の積載補助部307の状態を示す図である。
図4に示すように、積載補助部307は、載置板321と、回動部材322と、付勢部材323と、を有している。載置板321は、略平板状に形成されている。図5に示すように、載置板321は、昇降板304における挿入孔304bの上方を塞ぐように配置される。そして、積載補助部307は、昇降板304と一体となって鉛直方向に昇降する。
図4に示すように、載置板321には、一対の軸受け部331が設けられている。一対の軸受け部331は、載置板321における搬送方向の略中央部において、幅方向の両側に設けられている。一対の軸受け部331には、回動部材322に設けた回動軸334が回動可能に挿通される。
さらに、載置板321における搬送方向の下流側の端部には、凹部332が形成されている。図6に示すように、凹部332は、載置板321の一面から鉛直方向の下方に向けて凹んでいる。この凹部332には、付勢部材323が配置される。
付勢部材323としては、例えば、コイルばねが適用される。付勢部材323は、載置板321の凹部332と、回動部材322の間に介在される。付勢部材323は、後述する回動部材322の先端部322aを鉛直方向の上方に向けて付勢する。また、付勢部材323の付勢力は、用紙収納部302に積載可能な複数の封筒Pの重量よりも大きき設定されている。
なお、本例では、付勢部材323としてコイルばねを用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、付勢部材323としては、ゴムや板ばね等その他各種の弾性を有する部材を用いることができる。
図4に示すように、回動部材322は、一部が屈曲した略長方形状の部材で形成されている。回動部材322における長手方向の略中央部、すなわち搬送方向の略中央部は、鉛直方向の下方に向けて屈曲している。そのため、図6に示すように、回動部材322は、水平方向から見た形状が略V字状に形成されている。
図5及び図6に示すように、回動部材322における鉛直方向の一面には、封筒Pが積載される。そして、封筒Pは、回動部材322により、搬送方向、すなわち長手方向に湾曲する。すなわち、回動部材322は、封筒Pに長手方向のコルゲーションを付与する。また、回動部材322における幅方向の長さは、積載される封筒Pの幅方向の長さよりも短く設定されている。
また、図4及び図5に示すように、回動部材322は、一対の回動軸334を有している。一対の回動軸334は、回動部材322における搬送方向の略中央部において、幅方向の両端部に設けられている。一対の回動軸334は、載置板321に設けた一対の軸受け部331に回動可能に挿通される。これにより、図5に示すように、回動部材322は、載置板321を介して昇降板304に対して回動可能に配置される。
そして、回動部材322における一対の回動軸334よりも長手方向の一側の先端部322aが、搬送方向の下流側に配置される。また、回動部材322における一対の回動軸334よりも長手方向の他側である後端部322bは、搬送方向の上流側に配置される。上述したように、先端部322aの下方には、付勢部材323が配置されている。そのため、先端部322aは、付勢部材323により鉛直方向の上方に向けて付勢される。
図5及び図6に示すように、回動部材322に積載される封筒Pの枚数が多く、昇降板304が上昇していない状態では、回動部材322は、先端部322a側が上昇する。そのため、先端部322aは、昇降板304及び載置板321から離反する。
先端部322aには、当接片335が設けられている。積載補助部307を昇降板304に配置した際に、当接片335は、先端規制部材306に設けた挿通孔306aに挿入される。図7及び図8に示すように、昇降板304が鉛直方向の上方に向けて上昇した際に、当接片335は、挿通孔306aにおける鉛直方向の上端部306bに当接する。
図7及び図8に示すように、当接片335が挿通孔306aの上端部306bに当接した状態で、昇降板304がさらに昇降すると、付勢部材323が回動部材322の先端部322aにより押圧される。そして、回動部材322は、一対の回動軸334を中心に回動する。そのため、先端部322aが昇降板304及び載置板321に接近し、後端部322bが鉛直方向の上方に向けて跳ね上がる。
なお、本例では、回動部材322を略V字状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、回動部材322は、水平方向から見て円弧状に形成してもよい。また、回動部材としては、平板状の部材の搬送方向の上流側と下流側の端部に、鉛直方向の上方に向けて突出する突起を設けてもよい。なお、突起は、少なくとも搬送方向の上流側の端部に設けることが好ましい。
また、回動部材322を載置板321に回動可能に取り付けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、回動部材322を直接昇降板304に回動可能に取り付けてもよい。この場合、付勢部材323は、回動部材322の先端部322aと昇降板304との間に介在される。
[制御系の構成]
次に、給紙装置3の制御系の構成について図9を参照して説明する。
図9は、給紙装置3の制御系の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、給紙装置3は、制御部351を備えている。制御部351は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)と、を有する。また、制御部351には、送風部309と、昇降駆動部308と、検知センサ310が接続されている。
検知センサ310は、用紙収納部302における積載補助部307に積載された封筒Pの高さを検知する。そして、検知センサ310が検知した封筒Pの高さ情報は、制御部351に送信される。
昇降駆動部308は、制御部351から送信される信号に基づいて昇降板304及び積載補助部307を昇降させる。また、送風部309は、制御部351から送信される信号に基づいて駆動し、吹き出すエアーの風量を調整する。
なお、本例では、給紙装置3に制御部351を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、給紙装置3に制御部を設けずに、画像形成装置2に設けた制御部によって送風部309及び昇降駆動部308を駆動させ、検知センサ310が検知した情報を画像形成装置2に設けた制御部に送信するようにしてもよい。
[従来と本例の比較]
次に、図10〜図11を参照して、本例の給紙装置3と従来の給紙装置との比較を説明する。
図10A及び図10Bは、給紙装置に封筒Pを積載した状態を示す正面図である。図10Aは、従来の給紙装置を示し、図10Bは、本例の給紙装置3を示している。
図10Aに示すように、従来の給紙装置では、封筒Pは、昇降板304に積載される。ここで、スミ貼りの封筒Pは、幅方向の一側に貼り合わせ部が形成されているため、幅方向の一側が他側に対して厚くなる。そのため、昇降板304に封筒Pを積載させると、幅方向の一側が他側よりも高くなり、最上位封筒P1の一面は、水平面Hに対して傾斜する。その結果、給紙ローラ313から上ガイド314及び下ガイド315(図3参照)に最上位封筒P1を搬送する際に、最上位封筒P1が上ガイド314と下ガイド315の間に挿入されずに、紙詰まりが発生するおそれがある。
これに対し、本例の給紙装置3は、昇降板304に積載補助部307を設けて、回動部材322に封筒Pを積載している。図10Bに示すように、回動部材322の幅方向の長さは、封筒Pの幅方向の長さよりも短く設定されている。さらに、回動部材322は、封筒Pの幅方向の略中央部に配置される。また、回動部材322の先端部322aは、付勢部材323に付勢されて、昇降板304及び載置板321から離反している。
そのため、回動部材322に積載された封筒Pにおける幅方向の両端部は、回動部材322から幅方向の両側に向けて突出する。すなわち、封筒Pにおける幅方向の両端部は、鉛直方向の下方から支持されるものがないため、浮いた状態となる。そして、回動部材322に積載された封筒Pは、その自重により鉛直方向の下方に向けて垂れ下がる。
これにより、最上位封筒P1の一面を水平面Hと略平行に矯正することができ、最上位封筒P1の水平姿勢を良好に維持することができる。その結果、最上位封筒P1を給紙ローラ313によって上ガイド314及び下ガイド315に搬送する際に、最上位封筒P1が上ガイド314と下ガイド315の間にスムーズに挿入することができる。
また、封筒Pを昇降板304に積載した場合、封筒Pの搬送方向(いわゆる長手方向)の上流側には、開口部であるフラップ部が形成されている。また、封筒Pの搬送方向の下流側である底部には、貼り合わせ部が形成されている。そのため、封筒Pにおける搬送方向の下流側が上流側に対して厚くなる。そのため、昇降板304に封筒Pを積載させると、搬送方向の下流側が上流側よりも高くなり、最上位封筒P1の一面は、水平面Hに対して傾斜する。
これに対し、図6に示すように、回動部材322は、略V字状に形成されている。そのため、回動部材322の後端部322bは、先端部322aと同様に、昇降板304及び載置板321から離反している。その結果、封筒Pは、回動部材322により長手方向のコルゲーションを付与される。さらに、封筒Pにおける搬送方向の下流側の一面を上ガイド314及び下ガイド315の間にスムーズに挿入することができる。
図11A及び図11Bは、積載補助部307に積載された封筒Pの積載枚数が少なくなった状態を示す正面図である。
図11Aに示すように、積載補助部307に積載された封筒Pの積載枚数が少なくなると、封筒Pの幅方向の両端部は、鉛直方向の下方から支持するものがない。そのため、封筒Pの幅方向の両端部は、回動部材322の幅方向の両側から垂れ下がり、浮いた状態であるため、最上位封筒P1の一面の幅方向の両端部も、水平面Hに対して鉛直方向の下方に垂れ下がる。
上述したように、回動部材322は、封筒Pに長手方向のコルゲーションを付与している。また、封筒Pの搬送方向の下流側の端部は、給紙ローラ313によって回動部材322側に押さえられ、略水平に保たれている。れにより、封筒Pに長手方向のコルゲーションが付与されることで、封筒Pにおける幅方向の両端部の垂れ下がりが抑制される。
なお、剛性が低い封筒Pの場合、長手方向のコルゲーションが付与されても、その効果が薄くなる。そのため、封筒Pの搬送方向の下流側における幅方向の両端部は、鉛直方向の下方に向けて垂れ下がる。
しかしながら、図7及び図8に示すように、積載補助部307に積載された封筒Pの積載枚数が少なくなり、昇降板304が給紙ローラ313の近傍まで上昇すると、先端部322aに設けた当接片335が挿通孔306aの上端部306bに当接する。これにより、先端部322aにおける鉛直方向の上方への移動が規制される。
さらに、昇降板304が上昇すると、先端部322aは、当接片335を介して上端部306bに押圧される。そして、回動部材322は、一対の回動軸334を中心に回動する。そのため、先端部322aが昇降板304及び載置板321に接近し、後端部322bが鉛直方向の上方に向けて跳ね上がる。
そして、図11Bに示すように、先端部322aが昇降板304及び載置板321に接近するため、封筒Pの搬送方向の下流側における幅方向の両端部は、昇降板304及び載置板321に支持される。これより、封筒Pにおける幅方向の両端部の垂れ下がりが抑制される。その結果、積載枚数が少なくなっても、最上位封筒P1の一面を水平面Hに対して略平行に維持させることができる。
上述したように、本例の給紙装置3によれば、簡略な構成により、収納された封筒Pの姿勢を水平に維持することができる。
[送風部の動作]
次に、図12〜図15を参照して、本例の給紙装置3における送風部309の動作について説明する。
図12は、送風部309の動作の一例を示すフローチャートである。図12〜図15は、封筒Pに吹き付けられるエアーの状態を示す説明図である。
まず、図12に示すように、制御部351は、送風部309を駆動する(ステップS11)。そのため、図13に示すように、回動部材322に積載された用紙Pにおける鉛直方向の上部の封筒Pには、幅方向の両側に配置された吹き出し口305aからエアーが吹き付けられる。これにより、封筒Pが捌かれ、上部枚数が1枚ずつ分離されると共に、最上位封筒P1の一面を略水平にすることができる。
ここで、図14に示すように、積載枚数が少なくなると、回動部材322が回動し、先端部322aが昇降板304及び載置板321に接近する。そして、封筒Pは、昇降板304及び載置板321に支持され、略水平な状態が維持されている。この状態で、吹き出し口305aから封筒Pの幅方向の両端部に向けて必要以上にエアーを吹き付けると、封筒Pの幅方向の両端部が、エアーによって鉛直方向の上方に向けて跳ね上がる。その結果、最上位封筒P1が上ガイド314と下ガイド315の間に挿入されずに、紙詰まりが発生するおそれがある。
そのため、図12に示すように、制御部351は、検知センサ310からの情報に基づいて、用紙収納部302に積載された封筒Pの枚数が所定の枚数以下が否かを判断する(ステップS12)。ステップS12において、制御部351は、積載枚数が所定の枚数以下でないと判断した場合(ステップS12のNO判定)、送風部309によるエアーの風量を維持させる。
また、ステップS12において、制御部351は、積載枚数が所定の枚数以下であると判断した場合(ステップS12のYES判定)、制御部351は送風部309を制御し、エアーの風量を低下させる(ステップS13)。
図15に示すように、吹き出し口305aから吹き出されるエアーの風量が低下することで、積載枚数が少なくなっても、封筒Pの幅方向の両端部がエアーによって鉛直方向の上方に向けて跳ね上げられることを防ぐことができる。なお、本例では、風量を低下させる例を説明したが、これに限定されるものではなく、所定の枚数以下になると、送風部309の駆動を停止させるようにしてもよい。
以上、給紙装置及び画像形成システムの実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の給紙装置及び画像形成システムは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態例では、搬送部として給紙ローラ313を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。搬送部としては、例えば、最上位封筒P1を吸着することで、上ガイド314及び下ガイド315に搬送するエアー方式の搬送方法を適用してもよく、その他各種の搬送方法を用いてもよい。
1…画像形成システム、 2…画像形成装置、 3…給紙装置、 301…装置本体、
302…用紙収納部、 303…支持台、 304…昇降板(昇降部)、 304c…主面部、 305a…吹き出し口、 305A,305B…側部規制部材、 306…先端規制部材、 306a…挿通孔、 306b…上端部、 307…積載補助部、 308…昇降駆動部、 309…送風部、 310…検知センサ、 312…搬送部、 313…給紙ローラ、 314…上ガイド、 315…下ガイド、 316…搬送ローラ、 321…載置板、 322…回動部材、 322a…先端部、 322b…後端部、 323…付勢部材、 331…軸受け部、 332…凹部、 334…回動軸、 335…当接片、 351…制御部、P…封筒、 P1…最上位封筒

Claims (7)

  1. 鉛直方向に昇降可能な昇降部と、
    封筒が積載され、積載された前記封筒を搬送方向に沿って湾曲させる積載補助部と、
    前記積載補助部に積載された前記封筒における鉛直方向の最上位に配置された封筒を搬送する搬送部と、を備え、
    前記積載補助部は、
    前記昇降部に回動可能に配置される回動部材を有し、
    前記回動部材における搬送方向の下流側の先端部が前記昇降部から鉛直方向の上方に向けて離反する位置は、積載された前記封筒における搬送方向と直交し、かつ鉛直方向とも直交する幅方向の両端部を前記昇降部に対して離反させる位置であり、
    前記先端部が前記昇降部に対して鉛直方向の下方に向けて接近する位置は、積載された前記封筒の両端部を前記昇降部に接近させる位置となり、
    前記昇降部が上昇する前の状態では、前記回動部材の前記先端部が前記昇降部から離反し、積載される前記封筒の枚数が減少して前記昇降部が上昇すると、前記回動部材の前記先端部は前記昇降部に接近する
    給紙装置。
  2. 前記積載補助部は、前記先端部を鉛直方向の上方に向けて付勢する付勢部材を有する
    請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記積載補助部は、前記昇降部に着脱可能に設けられる
    請求項1又は2に記載の給紙装置。
  4. 前記積載補助部に積載された前記封筒に対して幅方向の両側からエアーを吹き付ける送風部を備えた
    請求項1〜3のいずれかに記載の給紙装置。
  5. 前記積載補助部に積載された前記封筒の枚数に応じて前記送風部の風量を制御する制御部を備えた
    請求項4に記載の給紙装置。
  6. 前記付勢部材の付勢力は、前記積載補助部に積載可能な複数の前記封筒の重量よりも大きく設定されている
    請求項2に記載の給紙装置。
  7. 封筒に画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置に前記封筒を供給する給紙装置と、を備え、
    前記給紙装置は、
    鉛直方向に昇降可能な昇降部と、
    封筒が積載され、積載された前記封筒を搬送方向に沿って湾曲させる積載補助部と、
    前記積載補助部に積載された前記封筒における鉛直方向の最上位に配置された封筒を前記画像形成装置に搬送する搬送部と、を備え、
    前記積載補助部は、
    前記昇降部に回動可能に配置される回動部材を有し、
    前記回動部材における搬送方向の下流側の先端部が前記昇降部から鉛直方向の上方に向けて離反する位置は、積載された前記封筒における搬送方向と直交し、かつ鉛直方向とも直交する幅方向の両端部を前記昇降部に対して離反させる位置であり、
    前記先端部が前記昇降部に対して鉛直方向の下方に向けて接近する位置は、積載された前記封筒の両端部を前記昇降部に接近させる位置となり、
    前記昇降部が上昇する前の状態では、前記回動部材の前記先端部が前記昇降部から離反し、積載される前記封筒の枚数が減少して前記昇降部が上昇すると、前記回動部材の前記先端部は前記昇降部に接近する
    画像形成システム。
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