JP5880692B2 - モジュール型データセンター - Google Patents

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Description

本発明は、モジュール型データセンターに関する。
近年、高度情報化社会の到来にともなって計算機で多量のデータが取り扱われるようになり、多数の計算機を一括して管理するデータセンターの必要性がますます重要になってきている。
一般的なデータセンターは、広大な土地に建設された建屋と、大規模な空調設備と、大規模な電気設備とを有する。このため、完成までに長期間を要し、需要の増減に迅速に対応することは困難である。
そこで、コンテナと呼ばれる所定の大きさの構造物内にサーバ等を収納したラックと空調設備及び電気設備とを配置したモジュール型データセンターが開発され、実用化されている。モジュール型データセンターでは、コンテナ内に外気を取り入れ、サーバから発生する熱を外気で冷却するものが多い。これにより、サーバの冷却に使用する電力の削減を図っている。
特開平11−204974号公報 特開2007−293936号公報
暖気の循環量を精密に制御できるモジュール型データセンターを提供することを目的する。
開示の技術の一観点によれば、一方の面吸気口他方の面排気口とを備える筐体と、電子機器を収納して前記筐体内に配置されるラックと、前記吸気口を介して前記ラックの前面に送風するファンユニットと、前記ファンユニットが送風する空気の温度を測定した測定温度を出力する温度センサと、前記排気口に設けられ、開状態又は閉状態にそれぞれ変化する複数の遮蔽板と前記複数の遮蔽板を駆動する駆動装置とにより、前記排気口の開口率を変化させる遮蔽板ユニットと、前記吸気口と前記ファンユニットとにより区画される第1の空間に対する、前記排気口と前記ラックとにより区画される第2の空間からの空気の量を調整するとともに、前記ラックの上面部と、前記ファンユニットの上面部と、前記ラックの上面部と前記ファンユニットの上面部とを連絡する仕切り板と、前記筐体の内部の天井部とにより区画される第3の空間に配置されるダンパーと、前記測定温度に基づき前記駆動装置を制御して前記排気口の開口率を変化させるとともに、前記測定温度が予め設定された設定温度より低い場合、前記測定温度が前記設定温度以上になるまで、前記駆動装置を制御して変化させた前記排気口の開口率を所定時間維持する制御部とを有するデータセンターが提供される。
上記一観点に係るデータセンターによれば、遮蔽板ユニットの複数の遮蔽板を開閉制御するので、暖気の循環量は会場体の遮蔽板の数と閉状態の遮蔽板の数との比にほぼ比例し、暖気の循環量を精密に制御することができる。
図1は、モジュール型データセンターの一例を示す模式的斜視図である。 図2は、同じくその模式的側面図である。 図3は、第1の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式的側面図である。 図4(a)〜(c)は、遮蔽板ユニットを示す模式図である。 図5は、温度センサ、湿度センサ、制御部及び駆動装置の接続状態を示すブロック図である。 図6は、遮蔽板ユニットの制御方法を示すフローチャートである。 図7は、排気口の遮蔽率と暖気の循環率との関係を調べた結果を示す図である。 図8は、第2の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式的側面図である。 図9は、第3の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式的側面図である。 図10は、排気口の中央よりも上側部分の遮蔽板を閉状態とし下側部分の遮蔽板を開状態とした場合の循環率と、排気口の中央よりも上側部分の遮蔽板を開状態とし下側部分の遮蔽板を閉状態とした場合の循環率とを示す図である。 図11は、第4の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式側面図である。 図12は、遮蔽板ユニットの制御方法を示すフローチャートである。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
前述したように、モジュール型データセンターでは、外気を利用してサーバを冷却するものが多い。この場合、外気の温度が、サーバの正常な動作を保障する設置下限温度よりも低くなることがある。そこで、外気温が低いときにはサーバから排出された暖気の一部を吸気側に戻し外気と混合して、サーバに供給するエアーの温度を設置下限温度以上となるようにしている。
図1はモジュール型データセンターの一例を示す模式的斜視図、図2は同じくその模式的側面図である。図1,図2に例示したモジュール型データセンターでは、直方体形状のコンテナ10と、コンテナ10内に配置されたファンユニット12と、複数のラック13とを有する。コンテナ10の相互に対向する2つの面のうちの一方には吸気口11aが設けられており、他方には排気口11bが設けられている。また、ファンユニット12とラック13との間の空間の上には仕切り板15が配置されている。
各ラック13内には、サーバ、ストレージ又は電源等の電子機器が収納されている。また、ファンユニット12には複数のファン12aが設けられている。更に、吸気口11a及び排気口11bには、雨水の侵入を防ぐ雨水侵入防止板や虫等の侵入を防ぐ防虫網が設けられている。
コンテナ10内の空間は、ファンユニット12、ラック13及び仕切り板15により、外気導入部21、コールドアイル22、ホットアイル23及び暖気循環路24に分割されている。外気導入部21は吸気口11aとファンユニット12との間の空間であり、コールドアイル22はファンユニット12とラック13との間の空間であり、ホットアイル23はラック13と排気口11bとの間の空間である。
暖気循環路24はラック13及び仕切り板15の上方の空間であり、ホットアイル23と外気導入部21との間を連絡している。暖気循環路24には、暖気の循環量を調整するためのダンパー16が設けられている。
このようなモジュール型データセンターにおいて、ファンユニット12のファン12aの回転により吸気口11aを介して外気導入部21にエアー(外気)が導入される。そして、外気導入部21内に導入されたエアーは、ファンユニット12を介してコールドアイル22に移動し、更にラック13の前面側からラック13内に入って各サーバを冷却する。サーバを冷却することにより温度が上昇したエアー(暖気)は、ラック13の背面からホットアイル23に排出され、排気口11bから屋外に排出される。
外気温が高いときにはダンパー16を閉状態とし、ホットアイル23から外気導入部21に暖気が移動しないようにする。一方、外気温が低く、ラック13内に導入されるエアーの温度が設置下限温度よりも低くなるおそれがあるときにはダンパー16を開状態とし、ホットアイル23から暖気循環路24を介して外気導入部21に暖気の一部を戻している。
しかし、上述したモジュール型データセンターでは、ダンパー16を開状態としてもラック13から排出される暖気の大部分は排気口11bから外に排出され、ホットアイル23から外気導入部21に流入する暖気の量が少ない。このため、ラック13から排出される暖気の利用効率が低く、外気温が更に低い場合は、ラック13内に導入されるエアーの温度が設置下限温度よりも低くなってしまう。
このような問題を回避するために、排気口11bに風量調整用ダンパーを配置し、風量調整用ダンパーのフィンの角度を変化させて暖気の循環量を調整することが考えられる。しかし、その場合も、ラック13から排出されるエアーの流速が速いため、フィン間にある程度の隙間があると、暖気の大部分はフィン間の隙間を通って外に排出されてしまう。そのため、ダンパーに設けられた複数のフィンの角度を一律に調整するだけでは、暖気の循環量を精密に制御することは難しい。
以下の実施形態では、ラックから排出される暖気の循環量を精密に制御できるモジュール型データセンターについて説明する。
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式的側面図である。
本実施形態に係るモジュール型データセンターは、直方体形状のコンテナ30と、コンテナ30内に配置されたファンユニット32と、複数のラック33とを有する。コンテナ30の相互に対向する2つの面のうちの一方には吸気口31aが設けられており、他方には排気口31bが設けられている。また、ファンユニット32とラック33との間の空間上には仕切り板35が配置されている。なお、コンテナ30は筐体の一例であり、ファンユニット32は送風機の一例である。
各ラック33内には、サーバ(計算機)33a、ストレージ又は電源等の電子機器が収納されている。また、ファンユニット32には複数のファン32aが設けられている。更に、吸気口31a及び排気口31bには、雨水の侵入を防ぐ雨水侵入防止板や虫等の侵入を防ぐ防虫網が設けられている。
本実施形態では、排気口31の内側又は外側(図3の例では内側)に、排気口31bの開口率を調整する遮蔽板ユニット36が配置されている。遮蔽板ユニット36の詳細については後述する。
コンテナ30内の空間は、ファンユニット32、ラック33及び仕切り板35により、外気導入部41、コールドアイル42、ホットアイル43及び暖気循環路44に分割されている。外気導入部41は吸気口31aとファンユニット32との間の空間であり、コールドアイル42はファンユニット32とラック33との間の空間であり、ホットアイル43はラック33と排気口31bとの間の空間である。コールドアイル42には、コールドアイル42内の温度及び湿度を測定する温度センサ45a及び湿度センサ45bが配置されている。
外気導入部41及びコールドアイル42は第1の空間の一例であり、ホットアイル43は第2の空間の一例であり、暖気循環路44は第3の空間の一例である。
暖気循環路44はラック33及びコールドアイル42の上方に設けられており、仕切り板35によりコールドアイル42と分離されている。暖気循環路44は、ラック33からホットアイル43に排出された暖気を外気導入部41に戻すための空間であり、暖気循環路44内には暖気の循環量を調整するためのダンパー37が設けられている。
なお、図3には図示していないが、外気導入部41には外気温が高いときに水の気化熱を利用して外部導入部41に導入するエアーの温度を下げる気化式冷却装置が配置されている。
図4(a)〜(c)は、遮蔽板ユニット36を示す模式図である。この図4(a)〜(c)のように、遮蔽板ユニット36は、上下方向に配列して個別に角度調整可能な複数の遮蔽板51と、それらの遮蔽板51を駆動する駆動装置52とを有する。駆動装置52は、図5に示すように制御部50に接続されている。制御部50は、温度センサ45a及び湿度センサ45bから出力された信号に基づいて、各駆動装置52を個別に制御する。
全ての遮蔽板51を図4(a)のようにほぼ垂直にした場合、排気口31bの開口率は0%となる。この場合、暖気循環路44内のダンパー37を開状態とすると、ラック33からホットアイル43に排出された暖気が全て外気導入部41に戻り、コールドアイル42内のエアーの温度が上昇する。以下、図4(a)のようにほぼ垂直に配置された状態の遮蔽板51を、閉状態の遮蔽板51と呼ぶ。
全ての遮蔽板51を図4(b)のように水平にした場合、排気口31bの開口率は100%となる。この場合、暖気循環路44内のダンパー37を閉状態とすると、ホットアイル43の暖気は全て屋外に排出される。以下、図4(b)のように水平に配置された状態の遮蔽板51を、開状態の遮蔽板51と呼ぶ。
図4(c)のように、いくつかの遮蔽板51を開状態とし、他の遮蔽板51を閉状態とした場合は、開状態の遮蔽板51の数と閉状態の遮蔽板51の数との割合に応じて排気口31の開口率が変化する。開状態の遮蔽板51の割合が多いほど排気口31bの開口率は高くなり、ホットアイル43から外気導入部41に戻るエアーの量が少なくなる。
なお、遮蔽板51はラック33から排出されるエアーの圧力により変形しない程度の強度を有するものであればよく、遮蔽板51の材質は特に限定されない。遮蔽板51は、例えばプラスチック又は金属等により形成することができる。
図6は、制御部50による遮蔽板ユニット36の制御方法を示すフローチャートである。ここでは、初期状態において、図4(b)のように全ての遮蔽板51が開状態であるとする。
まず、ステップS11において、制御部50はパラメータiを初期化する。すなわち、パラメータiの値を1とする(i←1)。
次に、ステップS12に移行し、制御部50は温度センサ45a及び湿度センサ45bからコールドアイル42内のエアーの温度及び湿度の測定値を取得する。その後、ステップS13に移行し、制御部50はコールドアイル42内の温度が予め設定された下限温度以上であるか否か、及びコールドアイル42内の温度が予め設定された下限湿度以上か否かを判定する。下限温度は例えば10℃とし、下限湿度は例えば10%RHとする。
ステップS13において、コールドアイル42内のエアーの温度が下限温度以上であり、且つコールドアイル42内のエアーの湿度が下限湿度以上であると判定した場合(YESの場合)は、ステップS14に移行する。また、ステップS13でコールドアイル42内のエアーの温度が下限温度よりも低いと判定した場合、又はコールドアイル42内のエアーの湿度が下限湿度よりも低いと判定した場合(NOの場合)は、ステップS13からステップS16に移行する。
ステップS16において、制御部50は駆動装置52を制御して、上からi番目の遮蔽板51を閉状態とする。そして、ステップS17に移行し、iの値に1を加算して得た値を、新たにiの値とする(i←i+1)。その後、ステップS15に移行する。
一方、ステップS13からステップS14に移行した場合、制御部50はコールドアイル42内のエアーの温度が予め設定された上限温度以下か否か、及びコールドアイル42内のエアーの湿度が予め設定された上限湿度以下か否かを判定する。上限温度は例えば35℃とし、上限湿度は例えば85%RHとする。
ステップS14でコールドアイル42内のエアーの温度が上限温度以下であり、且つコールドアイル42内のエアーの湿度が上限湿度以下であると判定した場合(YESの場合)は、ステップS15に移行する。また、コールドアイル42内のエアーの温度が上限温度を超えていると判定した場合、又はコールドアイル42内のエアーの湿度が上限湿度を超えていると判定した場合(NOの場合)は、ステップS14からステップS18に移行する。
ステップS18において、制御部50は、駆動装置52を制御して、上からi−1番目の遮蔽板51を開状態にする。そして、ステップS19に移行し、iの値から1を減算して得た値を、新たにiの値とする(i←i−1)。その後、ステップS15に移行する。
ステップS15では、一定時間経過するのを待つ。その後、ステップS11に戻り、上述した処理を繰り返す。なお、全ての遮蔽板51を開状態又は閉状態にしても所望の温度範囲内又は湿度範囲内にならない場合は、前述した気化式冷却装置を稼働させるなどの別の処理を実施する。
本実施形態においては、上述したように、遮蔽板ユニット36の全ての遮蔽板51の角度を一律に制御するのではなく、温度及び湿度に応じて上から順に遮蔽板51の開閉状態を制御する。このため、暖気の循環量は開状態の遮蔽板51の数と閉状態の遮蔽板51の数との比にほぼ比例し、暖気循環量を精密に制御することができる。
(実験1)
図3に示す構造のモジュール型データセンターを使用し、排気口の遮蔽率と暖気の循環率との関係を調べた。
コンテナ30の大きさは、幅が2331.6mm、長さが3474.6mm、高さが2769.7mmである。また、吸気口31aの大きさは、幅が1400mm、高さが1570mmであり、排気口31bの大きさは、幅が1920mm、高さが1150mmである。吸気口31a及び排気口31bには、それぞれ雨水侵入防止板と防虫網とが設けられている。
吸気口31aの内側には、ビニル製の遮蔽板51を備えた遮蔽板ユニット36を配置した。また、コンテナ10内には、複数のサーバ33aを収納した3台のラック33を設置した。更に、サーバ33aの総電力消費量を7.2kWとし、ラック33からホットアイル43に排出される暖気の風速を0.69mm/sとした。そして、遮蔽板ユニット36により排気口31bの遮蔽率(=100%−開口率)を変化させて、排気口の遮蔽率と暖気の循環率との関係を調べた。
なお、暖気の循環率は、循環したサーバ熱量をサーバ発熱量で除した値(循環率=循環したサーバ熱量/サーバ発熱量)である。循環したサーバ熱量は、ラック33の吸気側のエアーの温度と風量、ラック33の排気側のエアーの温度と風量、及び外気の温度と導入量とから算出した。また、サーバ発熱量は、サーバ33aの総電力消費量から算出した。
図7は、横軸に排気口31bの遮蔽率をとり、縦軸に暖気の循環率をとって、両者の関係を調べた結果を示す図である。この図7から、遮蔽率が高くなると循環率が上昇し、暖気の循環が促進されることがわかる。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式的側面図である。図8において、図3と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、コールドアイル42のエアーの温度及び湿度の情報に加えて、ラック33内の各サーバ33aの電力消費量と、ファンユニット32の各ファン32aの電力消費量の情報とが制御部50に与えられる。
制御部50は、各サーバ33a及び各ファン32aの電力消費量の情報から各サーバ33aの発熱量と各ファン32aの回転数とを計算する。そして、その計算結果に基づき、制御部50は、コールドアイル42内のエアーの温度及び湿度が所望の範囲内となるように、遮蔽板ユニット36(図4参照)の遮蔽板51のうち、開状態にする遮蔽板51と閉状態にする遮蔽板51とを決定する。その決定に基づき、制御部50は遮蔽板ユニット36の各駆動装置52を制御して、所定の遮蔽板51を開状態又は閉状態とする。
上述したように、本実施形態では、ラック33内に収納された各サーバ33aの電力消費量やフィンユニット32の各ファン32aの回転数により、開状態にする遮蔽板51と閉状態にする遮蔽板51とを決定する。これにより、ラック33から排出される熱量の変化に対応して遮蔽板ユニット36を迅速に制御でき、排気口31の開口率を迅速に変化させることができる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式的側面図である。図9において、図8と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ファンユニット32の各ファン32aの稼働状況やラック33内に搭載するサーバ33a又はコンテナ30内の障害物等の影響により、ラック33の排気面側の風速分布が均一にならないことがある。この場合、更に風速分布を加味して風量及び循環量を制御することが好ましい。そのため、本実施形態では、ホットアイル43に複数の風速センサ46を配置し、ラック33から排出される暖気の風速分布を測定する。複数の風速センサ46は、風速分布検出器の一例である。
制御部50は、遮蔽板ユニット36の遮蔽板51(図4参照)のうち、風速が速い個所の遮蔽板51を優先的に閉状態とする。これにより、少ない遮蔽率で多くの暖気を循環させることができ、圧力抵抗を抑制してファンユニット32で消費する電力を抑制できる。
(実験2)
実験1で使用したのと同様のモジュール型データセンターを使用し、排気口11bの中央よりも上側の部分の風速を1.01m/secとし、下側の部分の風速を0.86m/secとした。そして、排気口11bの中央よりも上側部分の遮蔽板51を閉状態とし、下側部分の遮蔽板51を開状態とした場合の循環率を測定した。また、排気口11bの中央よりも上側部分の遮蔽板51を開状態とし、下側部分の遮蔽板51を閉状態とした場合の循環率とを測定した。それらの結果を、図10に示す。
図10に示すように、排気口11bの上側部分の遮蔽板51を閉状態(遮蔽)とし下側部分の遮蔽板51を開状態としたときの循環率は58.1%であった。これに対し、排気口11bの上側部分の遮蔽板51を開状態とし下側部分の遮蔽板51を閉状態(遮蔽)としたときの循環率は53.1%であった。
図10から、排気口31bの開口率が同じであっても、風速が速い部分を優先的に閉状態とするほうが、風速が遅い部分を優先的に閉状態にするよりも、循環率が高くなることがわかる。
(第4の実施形態)
図11は、第4の実施形態に係るモジュール型データセンターを示す模式側面図である。図11において、図9と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
サーバ33aの稼働状態が異なるなどの理由によりホットアイル43内の温度分布や湿度分布が均一でない場合、温度分布や湿度分布を加味して遮蔽板ユニット36を制御することが好ましい。そのため、本実施形態では、複数の風速センサ46に加えて複数の温湿度センサ47をホットアイル43内に配置し、ラック33から排出される暖気の風速分布、温度分布及び湿度分布を測定する。複数の温湿度センサ47は、温度分布検出器及び湿度分布検出器の一例である。
制御部50は、遮蔽板ユニット36の遮蔽板51(図4参照)のうち、風速が速い個所、温度が高い個所又は湿度が高い個所の遮蔽板51を優先的に閉状態とする。
図12は、制御部50による遮蔽板ユニット36の制御方法を示すフローチャートである。ここでは、初期状態において、図4(b)のように全ての遮蔽板51が開状態であるとする。なお、ここでは、説明を簡単にするために、コールドアイル42の温度及び湿度が上限値を超えないものとしている。
まず、ステップS21において、制御部50はパラメータiを初期化する。すなわち、パラメータiの値を1とする(i←1)。
次に、ステップS22において、制御部50は温度センサ45a及び湿度センサ45bからコールドアイル42内のエアーの温度及び湿度の測定値を取得する。その後、ステップS23に移行し、制御部50はコールドアイル42内の温度が予め設定された下限温度以上であるか否か、及びコールドアイル42内の湿度が予め設定された下限湿度以上か否かを判定する。
ステップS23において、コールドアイル42内のエアーの温度が下限温度以上であり、且つコールドアイル42内のエアーの湿度が下限湿度以上であると判定した場合(YESの場合)は、遮蔽板ユニット36を制御する必要がないので、処理を終了する。
一方、ステップS23でコールドアイル42内のエアーの温度が下限温度よりも低いと判定した場合、又はコールドアイル42内のエアーの湿度が下限湿度よりも低いと判定した場合(NOの場合)は、ステップS23からステップS24に移行する。
ステップS24において制御部50は、風速センサ46及び温湿度センサ47から、ホットアイル43の風速分布、温度分布及び湿度分布を取得する。そして、ステップS25に移行し、制御部50はステップS24で取得した風速分布、温度分布及び湿度分布から遮蔽板ユニット36の各遮蔽板毎に優先順位を決定する。例えば、風速をV、温度をT,湿度をMとしたときに、aV+bT+cM(但し、a,b,cはいずれも定数)の値が高いものから順に優先順位を決定する。
次に、ステップS26に移行し、制御部50は優先順位がi番目の遮蔽板51を閉状態とする。その後ステップS27に移行し、制御部50は、iに1を加算して得た値を、新たにiの値とする(i←i+1)。
次に、ステップS28に移行し、制御部50は、コールドアイル42内の温度が予め設定された下限温度以上であるか否か、及びコールドアイル42内の湿度が予め設定された下限湿度以上か否かを判定する。そして、ステップS28でNOと判定したときは、ステップS26に戻り、次の遮蔽板51を閉状態にする。
このように、制御部50は、ステップS28でYESと判定するまで遮蔽板51を優先順位が高いものから順に閉状態にする。上述した処理は、一定の時間毎に繰り返し実施する。
(実験3)
実験1で使用したのと同様のモジュール型データセンターを使用し、ラック33の上側部分のサーバ発熱量を12kW、下側部分のサーバ発熱量を3.5kWとした。そして、排気口11bの中央よりも上側部分の遮蔽板51を閉状態とし、下側部分の遮蔽板51を開状態とした場合の循環率と、排気口11bの中央よりも上側部分の遮蔽板51を開状態とし、下側部分の遮蔽板51を閉状態とした場合の循環率とを測定した。
その結果、排気口11bの上側部分の遮蔽板51を閉状態とし下側部分の遮蔽板51を開状態としたときの循環率は57.9%、排気口11bの上側部分の遮蔽板51を開状態とし、下側部分の遮蔽板51を閉状態としたときの循環率は56.1%であった。
この実験結果から、排気口31bの開口率が同じであっても、温度が高い部分の遮蔽板を優先的に閉状態とするほうが、温度が低い部分を優先的に閉状態にするよりも循環率が高くなることがわかる。

Claims (5)

  1. 一方の面吸気口他方の面排気口とを備える筐体と、
    電子機器を収納して前記筐体内に配置されるラックと、
    前記吸気口を介して前記ラックの前面に送風するファンユニットと、
    前記ファンユニットが送風する空気の温度を測定した測定温度を出力する温度センサと、
    前記排気口に設けられ、開状態又は閉状態にそれぞれ変化する複数の遮蔽板と前記複数の遮蔽板を駆動する駆動装置とにより、前記排気口の開口率を変化させる遮蔽板ユニットと、
    前記吸気口と前記ファンユニットとにより区画される第1の空間に対する、前記排気口と前記ラックとにより区画される第2の空間からの空気の量を調整するとともに、前記ラックの上面部と、前記ファンユニットの上面部と、前記ラックの上面部と前記ファンユニットの上面部とを連絡する仕切り板と、前記筐体の内部の天井部とにより区画される第3の空間に配置されるダンパーと、
    前記測定温度に基づき前記駆動装置を制御して前記排気口の開口率を変化させるとともに、前記測定温度が予め設定された設定温度より低い場合、前記測定温度が前記設定温度以上になるまで、前記駆動装置を制御して変化させた前記排気口の開口率を所定時間維持する制御部と
    を有するデータセンター。
  2. 前記制御部は、
    前記測定温度が予め設定された設定温度よりも低い場合、前記ファンユニットの電力消費量又は前記電子機器の電力消費量の情報に基づき、前記複数の遮蔽板のうち、閉状態にする遮蔽板を決定する請求項1に記載のデータセンター。
  3. 前記制御部は、
    前記測定温度が予め設定された設定温度よりも低い場合、閉状態にすると決定された遮蔽板のうち、上部に位置する遮蔽板から順に閉状態にする請求項2に記載のデータセンター。
  4. 前記データセンターはさらに、
    前記第2の空間内の風速分布を測定する風速分布検出器を備え、
    前記制御部は、
    前記測定温度が予め設定された設定温度よりも低い場合、前記風速分布に基づき、風速が速い個所に対応する遮蔽板から順に閉状態にする請求項2又は3に記載のデータセンター。
  5. 前記データセンターはさらに、
    前記第2の空間内の温度分布を測定する温度分布検出器を備え、
    前記制御部は、
    前記測定温度が予め設定された設定温度よりも低い場合、前記温度分布に基づき、温度が高い個所に対応する遮蔽板から順に閉状態にする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のデータセンター。
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