JP5876892B2 - 積層フィルム及びそのフィルムロール、並びにそれから得られうる光透過性導電性フィルム及びそれを利用したタッチパネル - Google Patents

積層フィルム及びそのフィルムロール、並びにそれから得られうる光透過性導電性フィルム及びそれを利用したタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、積層フィルム及びそのフィルムロール、並びにそれから得られうる光透過性導電性フィルム及びそれを利用したタッチパネルに関する。
タッチパネルに搭載される光透過性導電性フィルムとして、PET等からなる光透過性支持層の上に酸化インジウムスズ(ITO)等からなる光透過性導電層を積層して得られる光透過性導電性フィルムが数多く使用されている。この光透過性導電性フィルムにおいては、通常、光透過性導電層が最外層となるように配置されている。この光透過性導電性フィルムは製造後の流通経路において、フィルムロールとしていったん巻き取られた上で製造場所から次の目的地まで運搬され、その目的地において巻き戻すことによりフィルムとして使用されるのが通常である。
このようにフィルムロールとして巻き取る際に光透過性導電性フィルムを保護する目的で、いわゆる保護フィルムを光透過性導電性フィルムの光透過性導電層とは反対側の面に貼付して積層フィルムとすることがある。この積層フィルムがフィルムロールとして巻き取られると、光透過性導電層と保護フィルムの表面同士が互いに隣接した状態となる。この積層フィルムは、フィルムロールを巻き戻し、さらに最終的に保護フィルムを剥離した上で、光透過性導電性フィルムとしてタッチパネルに搭載する等の用途に使用される(特許文献1〜)。
特開2003−205567号公報 特開2003−154593号公報 特開2001−332132号公報 特開2004−59860号公報
前述の積層フィルムをフィルムロールとして巻き取る際には、光透過性導電層と保護フィルムの表面同士が互いに隣接した状態となる。本発明者らは、この際にこれらの表面同士が互いに過度に接着していると、巻き取る過程で表面が適度に滑らず、光透過性導電層の表面に気泡状の外観欠点が発生してしまうことを新たに見出した。さらに、本発明者らは、この気泡欠点現象が、光透過性導電層の表面が比較的平滑である場合により顕著になる傾向があることをも見出した。
本発明は、光透過性導電層の表面が比較的平滑な光透過性導電性フィルムに保護フィルムが貼付されてなる積層フィルムであるにもかかわらず、上記のような気泡欠点現象が抑制された積層フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。具体的には、本発明者らは、光透過性導電層の表面が比較的平滑な光透過性導電性フィルム、具体的には、光透過性導電層の平均表面粗さRaが2nm以下である光透過性導電性フィルムを使用する場合、このフィルムに特定の表面性状を備える保護フィルムを貼付することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、次に掲げるものである。
項1.
(A)光透過性導電性フィルム;及び
(B)保護フィルム
を含有する積層フィルムであって、
前記光透過性導電性フィルム(A)が、
(A−1)光透過性支持層;及び
(A−2)光透過性導電層;
をそれぞれ一以上含有し、かつ
少なくとも一方の最外層が一の光透過性導電層(A−2)である光透過性導電性フィルムであって、
前記光透過性導電性フィルム(A)の最外層の前記光透過性導電層(A−2)の少なくとも一が、前記積層フィルムの一方の表面に配置され、
保護フィルム(B)が、前記積層フィルムの他方の表面に配置されており、
前記光透過性導電層(A−2)側の前記表面の平均表面粗さRaが0.4nm〜2nmであり、かつ
前記保護フィルム(B)側の前記表面が、レーザー顕微鏡観察において280μm×200μmの領域内に高さ0.3μm以上の突起が2〜10個観察されるものであることを特徴とする、積層フィルム。
項2.
前記光透過性導電層(A−2)側の表面の十点平均粗さRzjisが、4nm〜7nmである、項1に記載の積層フィルム。
項3.
Haze値が、5%以下である、項1又は2に記載の積層フィルム。
項4.
前記光透過性導電層(A−2)が、酸化インジウムスズを含む、項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
項5.
項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムを巻き取ってなるフィルムロール。
項6.
項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムから保護フィルム(B)を剥離することにより光透過性導電性フィルム(A)を得る工程を含有する方法により得られうる、光透過性導電性フィルム。
項7.
項6に記載の光透過性導電性フィルムを含有する、タッチパネル。
本発明によれば、光透過性導電性フィルムにおける光透過性導電層の表面を比較的平滑とすることと、光透過性導電性フィルムに保護フィルムを貼付してフィルムロールとして巻き取った際における気泡欠点現象を抑制することとを両立させることができる。
光透過性支持層(A−1)の片面に光透過性導電層(A−2)が配置されている光透過性導電性フィルム(A)、及び保護フィルム(B)からなる本発明の積層フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A−1)の両面に光透過性導電層(A−2)が配置されている光透過性導電性フィルム(A)、及び保護フィルム(B)からなる本発明の積層フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A−1)の片面に光透過性導電層(A−2)及び光透過性下地層(A−3)が配置されている光透過性導電性フィルム(A);及び保護層(B−1)の片面に粘着層(B−2)が配置されている保護フィルム(B)からなる本発明の積層フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A−1)の一方の面に光透過性導電層(A−2)、光透過性下地層(A−3)及びハードコート層(A−4)が、さらに光透過性支持層(A−1)の他方の面に別のハードコート層(A−4)がそれぞれ配置されている光透過性導電性フィルム(A);及び保護層(B−1)の片面に粘着層(B−2)が配置されている保護フィルム(B)からなる本発明の積層フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A−1)の片面に光透過性導電層(A−2)が配置されている光透過性導電性フィルム(A);及び保護層(B−1)の片面に粘着層(B−2)が配置されている保護フィルム(B)からなる本発明の積層フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A−1)の片面に光透過性導電層(A−2)が配置されている光透過性導電性フィルム(A);及び保護層(B−1)の片面にオリゴマーブロック層(B−3)が配置されている保護フィルム(B)からなる本発明の積層フィルムを示す断面図である。
1. 積層フィルム
本発明の積層フィルムは、二以上のフィルムが積層した構成を備えるフィルムであって、
(A)光透過性導電性フィルム;
(B)保護フィルム
を含有する。
本発明の積層フィルムにおいて、光透過性導電性フィルム(A)は、
(A−1)光透過性支持層;及び
(A−2)光透過性導電層;
をそれぞれ一以上含有し、
少なくとも一方の最外層が一の光透過性導電層(A−2)であるという構成を備える。すなわち、光透過性導電性フィルム(A)は、二以上の光透過性導電層(A−2)を含有していてもよく、また、この場合、光透過性導電性フィルム(A)は、一の光透過性導電層(A−2)が光透過性支持層(A−1)の一方の面に最外層となるように配置されていればよく、さらに別の光透過性導電層(A−2)が光透過性支持層(A−1)の他方の面に配置されていてもよい。後者のときはさらに、当該別の光透過性導電層(A−2)が光透過性支持層(A−1)の他方の面に最外層となるように配置されていてもよい。
本発明の積層フィルムにおいては、光透過性導電性フィルム(A)の最外層に配置されている光透過性導電層(A−2)の少なくとも一が、積層フィルムの一方の表面(「光透過性導電層(A−2)側の表面」ということがある。)に配置されており、かつ保護フィルム(B)が積層フィルムの他方の表面(「保護フィルム(B)側の表面」ということがある。)に配置されている。本発明の積層フィルムは、光透過性導電層(A−2)及び保護フィルム(B)がそれぞれ表面に配置されていればよく、光透過性導電性フィルム(A)と保護フィルム(B)の間に別のフィルム等、その他の構造が介在していてもよい。また、前述のように光透過性支持層(A−1)の両方の面に最外層となるようにそれぞれ光透過性導電層(A−2)が配置されているときは、いずれの光透過性導電層(A−2)が積層フィルムの表面に配置されていてもよい。
さらに、本発明の積層フィルムの表面、すなわち、光透過性導電層(A−2)側の表面、及び保護フィルム(B)側の表面は、それぞれ以下の特性を備える:(a−2)光透過性導電層(A−2)側の表面の平均表面粗さRaが0.4nm〜2nmであり;かつ
(b)保護フィルム(B)側の表面が、レーザー顕微鏡観察において280μm×200μmの領域内に高さ0.3μm以上の突起が2〜10個観察されるものである。
図1に、本発明の積層フィルムの一態様を示す。この態様では、まず、光透過性導電性フィルムが、光透過性支持層(A−1)の一方の面に、直接(すなわち、隣接して)、光透過性導電層(A−2)が配置されている構成を備える。このとき、光透過性導電層(A−2)は、光透過性支持層(A−1)の当該面の最外層となっている。そして、この光透過性導電層(A−2)が積層フィルムの一方の表面に、かつ保護フィルム(B)が積層フィルムの他方の表面に、それぞれ配置されている。
図2に、本発明の積層フィルムの別の態様を示す。この態様では、まず、光透過性導電性フィルムが、光透過性支持層(A−1)の両方の面に、直接、光透過性導電層(A−2)がそれぞれ配置されている構成を備える。このとき、二つの光透過性導電層(A−2)は光透過性支持層(A−1)の両方の面の最外層となっている。さらに、任意の一方の光透過性導電層(A−2)が積層フィルムの一方の表面に、かつ保護フィルム(B)が積層フィルムの他方の表面に、それぞれ配置されている。
1.1 光透過性導電性フィルム(A)
本発明において「光透過性」とは、光を透過させる性質を有する(translucent)ことを意味する。「光透過性」には、透明(transparent)が含まれる。「光透過性」とは、例えば、全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である性質をいう。本発明において全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色社製、商品名:NDH−2000、またはその同等品)を用いてJIS−K−7105に基づいて測定する。
本発明において、各層の厚さは、市販の反射分光膜厚計(大塚電子、FE−3000(製品名)、又はその同等品)を用いて求める。又は、代替的に、市販の透過型電子顕微鏡を用いた観察により求めてもよい。具体的には、ミクロトーム又はフォーカスイオンビームなどを用いて測定対象となるフィルムをフィルム面に対して垂直方向に薄く切断し、その断面を観察する。
本明細書において、光透過性支持層(A−1)の一方の面に配置される複数の層のうち二つの層の相対的な位置関係について言及する場合、光透過性支持層(A−1)を基準にして、光透過性支持層(A−1)からの距離が大きい一方の層を「上の」層等ということがある。
1.1.1 光透過性支持層(A−1)
本発明において光透過性支持層とは、光透過性導電層を含有する導電性フィルムにおいて、光透過性導電層を含む層を支持する役割を果たすものをいう。光透過性支持層(A−1)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用導電性フィルムにおいて、光透過性支持層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性支持層(A−1)の素材は、特に限定されないが、例えば、各種の有機高分子等を挙げることができる。有機高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。光透過性支持層(A−1)の素材は、ポリエステル系樹脂が好ましく、中でも特にPETが好ましい。光透過性支持層(A−1)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性支持層(A−1)の厚さは、特に限定されないが、例えば、2〜300μmの範囲が挙げられる。
1.1.2 光透過性導電層(A−2)
本発明の積層フィルムにおいては、少なくとも一の光透過性導電層(A−2)が、光透過性支持層(A−1)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して最外層となるように配置されている。
光透過性導電層(A−2)は、光透過性支持層(A−1)の両方の面にそれぞれ少なくとも一層ずつ配置されていてもよい。
本発明において光透過性導電層とは、導電性物質を含有し、電気を導通しかつ可視光を透過する役割を果たすものをいう。光透過性導電層(A−2)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用導電性フィルムにおいて光透過性導電層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性導電層(A−2)の素材は、特に限定されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫及び酸化チタン等が挙げられる。光透過性導電層(A−2)としては、透明性と導電性を両立する点で酸化インジウムにドーパントをドープしたものを含む光透過性導電層が好ましい。光透過性導電層(A−2)は、酸化インジウムにドーパントをドープしたものからなる光透過性導電層であってもよい。ドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、酸化スズ及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
光透過性導電層(A−2)の素材として酸化インジウムに酸化スズをドープしたものを用いる場合は、酸化インジウム(III)(In)に酸化スズ(IV)(SnO)をドープしたもの(tin−doped indium oxide;ITO)が好ましい。この場合、SnOの添加量としては、特に限定されないが、例えば、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%等が挙げられる。また、ドーパントの総量が左記の数値範囲を超えない範囲で、酸化インジウムスズにさらに他のドーパントが加えられたものを光透過性導電層(A−2)の素材として用いてもよい。左記において他のドーパントとしては、特に限定されないが、例えばセレン等が挙げられる。
光透過性導電層(A−2)は、上記の各種素材のうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性導電層(A−2)は、特に限定されないが、結晶体若しくは非晶質体、又はそれらの混合体であってもよい。
光透過性導電層(A−2)の厚さは、特に限定されないが、通常は5〜50nmである。光透過性導電層(A−2)の厚さは、好ましくは10〜40nm、より好ましくは12〜35nm、さらに好ましくは15〜30nmである。
光透過性導電層(A−2)を配置する方法は、湿式及び乾式のいずれであってもよく、特に限定されない。光透過性導電層(A−2)を配置する方法の具体例として、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。
光透過性導電層(B)を形成する方法としては、導電性物質を焼成する工程を含有する方法が好ましい。焼成方法としては、特に限定されないが、例えばスパッタリング等を行う際のドラム加熱や、熱風式焼成炉、遠赤外線焼成炉などを例として挙げることができる。焼成温度は、特に限定されないが、通常は30〜250℃であり、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜160℃である。焼成時間は、好ましくは3分〜180分、より好ましくは5分〜120分、さらに好ましくは10分〜90分である。焼成を行う雰囲気としては、真空下、大気、窒素やアルゴンなどの不活性ガス、酸素、若しくは水素添加窒素等、又はこれらのうち二種以上の組合せが挙げられる。導電性物質を焼成することにより、導電性物質の結晶化が促進される。
光透過性導電層(A−2)の平均表面粗さRaは、0.4nm〜2nmである。すなわち、光透過性導電層(A−2)の表面は比較的平滑である。光透過性導電層(A−2)の表面が比較的平滑であると、抵抗率の低いフィルムが得られるため好ましい。この平均表面粗さRaは、低抵抗率の点において、0.1〜1nmであればより好ましい。しかしながら、このように光透過性導電層(A−2)の表面がより平滑であればあるほど、フィルムを巻取る際に生じる気泡欠点現象がより顕著になる傾向がある。
本発明において平均表面粗さRaは、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される粗さの算術平均を意味する。本発明における平均表面粗さRaは、詳細には、市販の走査型プローブ顕微鏡を用いて、所定のコンタクトモードで1μm平方の測定面を探針で走査して得られる、平均線からの絶対偏差を平均した値である。
光透過性導電層(A−2)の十点平均粗さRzjisは、本発明の導電性フィルムから保護フィルムを剥離して光透過性導電性フィルムとして使用する際のHaze値が好ましい値を示す、具体的には約1%以下程度になる、という点で、4nm〜7nmであれば好ましい。
本発明において平均表面粗さRa、及び十点平均粗さRzjisは、市販の走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700、又はその同等品)および市販の走査型プローブ顕微鏡用マイクロカンチレバー(オリンパス社、OMCL−NCHR−10、バネ定数42N/m、またはその同等品)を用いて、所定のダイナミックモードで1μm×1μm平方の測定面を探針で走査して得られる512×512画素の形状像から、解析ソフト(株式会社島津製作所、SPM−9700、又はその同等品)を用いて求める。
1.1.3 光透過性下地層(A−3)
光透過性導電性フィルム(A)は、さらに、光透過性下地層(A−3)を含有し、かつ少なくとも一方の光透過性導電層(A−2)が少なくとも光透過性下地層(A−3)を介して光透過性支持層(A−1)の面に配置されていてもよい。
光透過性導電層(A−2)は、光透過性下地層(A−3)に隣接して配置されていてもよい。
図3に、本発明の積層フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性導電性フィルム(A)において、光透過性支持層(A−1)の一方の面に直接、光透過性下地層(A−3)が配置されており、この光透過性下地層(A−3)を介して、光透過性下地層(A−3)が配置されている。その他の構成は、後述する図5と同じである。
光透過性下地層(A−3)の素材は、特に限定されないが、例えば、誘電性を有するものであってもよい。光透過性下地層(A−3)の素材としては、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリコンアルコキシド、アルキルシロキサン及びその縮合物、ポリシロキサン、シルセスキオキサン、ポリシラザン及びアクリルシリカハイブリッド等が挙げられる。光透過性下地層(A−3)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。光透過性下地層(A−3)としては、ポリシラザン、アクリルシリカハイブリッド及びSiO(x=1.0〜2.0)からなる群より選択される1種を含む光透過性下地層が好ましい。光透過性下地層(A−3)は、ポリシラザン、アクリルシリカハイブリッド及びSiO(x=1.0〜2.0)からなる群より選択される1種からなる光透過性下地層であってもよい。光透過性下地層(A−3)としては、SiO(x=1.0〜2.0)を含む光透過性下地層が好ましい。光透過性下地層(A−3)は、SiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層であってもよい。以下、例えば、SiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層を、SiO層というように略記する場合がある。
光透過性下地層(A−3)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。光透過性下地層(A−3)が二層以上互いに隣接して配置されているのが好ましい。このような態様の例としては、例えば、隣接するSiO層及びSiO層からなる積層(stacking)、及び隣接するSiO層及びSiO層からなる積層が挙げられる。例えば二層が互いに隣接して配置されている場合、SiO層及びSiO層の順序は任意であるが、光透過性支持層(A−1)側にSiOからなる光透過性下地層(B−2)、光透過性導電層(A−2)側にSiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層(C−2)を配置させるのが好ましい。
光透過性下地層(A−3)の一層あたりの厚さとしては、特に限定されないが、例えば15〜25nm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全ての光透過性下地層(A−3)の合計厚さが上記範囲内であればよい。
光透過性下地層(A−3)の屈折率は、光透過性導電性フィルム(A)が、タッチパネル用途として使用できる限り特に限定されないが、例えば、1.4〜1.5が好ましい。
光透過性下地層(A−3)を配置する方法として、乾式としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法及びパルスレーザーデポジション法により隣接する層上に積層する方法等が挙げられる。
1.1.4 ハードコート層(A−4)
光透過性導電性フィルム(A)は、光透過性下地層(A−3)の代わりに、あるいは光透過性下地層(A−3)に加えてさらに、ハードコート層(A−4)を含有し、かつ少なくとも一方の光透過性導電層(A−2)が、少なくともハードコート層(A−4)を介して光透過性支持層(A−1)の面に配置されていてもよい。
光透過性導電性フィルム(A)が光透過性下地層(A−3)及びハードコート層(A−4)の両者を光透過性支持層(A−1)の同じ面に含む場合は、その光透過性下地層(A−3)が、少なくともそのハードコート層(A−4)を介して光透過性支持層(A−1)の面に配置されている。この場合、光透過性下地層(A−3)は、好ましくはハードコート層(A−4)に隣接して配置されている。
ハードコート層(A−4)は、好ましくは光透過性支持層(A−1)の少なくとも一方の面に隣接して配置されている。
ハードコート層(A−4)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。
ハードコート層(A−4)は、光透過性支持層(A−1)の両面に配置されていてもよい。
図6に、本発明の積層フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性導電性フィルム(A)において、光透過性支持層(A−1)の一方の面に直接、一方のハードコート層(A−4)が配置されており、このハードコート層(A−4)を介して光透過性下地層(A−3)がさらに配置され、この光透過性下地層(A−3)を介して光透過性導電層(A−2)がさらに配置されている。また、光透過性支持層(A−1)の他方の面にも直接、他方のハードコート層(A−4)が配置されている。その他の構成は、後述する図5と同じである。
本発明においてハードコート層とは、プラスチック表面の傷つきを防止する役割を果たすものをいう。ハードコート層(A−4)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいてハードコート層として通常用いられるものを用いることができる。
ハードコート層(A−4)の素材は、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂及びアルキド系樹脂等が挙げられる。ハードコート層(A−4)の素材としては、さらに、シリカ、ジルコニア、チタニア及びアルミナ等のコロイド粒子等を上記樹脂中に分散させたものも挙げられる。ハードコート層(A−4)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。ハードコート層(A−4)としては、ジルコニア粒子を分散したアクリル樹脂が好ましい。
ハードコート層(A−4)の一層あたりの厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜10μm、1〜7μm、及び2〜6μm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全てのハードコート層(A−4)の合計厚さが上記範囲内であればよい。左記の例示列挙においては後出のものが前出のものよりも好ましい。
ハードコート層(A−4)の屈折率は、光透過性導電性フィルム(A)が、タッチパネル用途として使用できる限り特に限定されないが、例えば、1.4〜1.7等が挙げられる。
ハードコート層(A−4)は、光透過性下地層(A−3)よりも高い屈折率を有していてもよい。この場合、光透過性下地層(A−3)は好ましくはハードコート層(A−4)の一方の面に隣接して配置されている。このような構成を採ることにより、光透過性下地層(A−3)及びハードコート層(A−4)の光学干渉作用により光透過性導電性フィルム(A)の透過率が向上するので好ましい。また、このような構成を採ることにより、パターン化された光透過性導電層(A−2)のパターン見えが軽減される。
ハードコート層(A−4)を配置する方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルムに塗布して、熱で硬化する方法、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する方法等が挙げられる。生産性の点で、紫外線により硬化する方法が好ましい。
1.1.5 その他の層(A−5)
本発明の光透過性導電性フィルムは、光透過性支持層(A−1)の少なくとも一方の面に、光透過性導電層(A−2)に加えて、光透過性下地層(A−3)、ハードコート層(A−4)及びそれらと異なる少なくとも1種のその他の層(A−5)からなる群より選択される少なくとも1種の層がさらに配置されていてもよい。
その他の層(A−5)としては、特に限定されないが、例えば、接着層等が挙げられる。
接着層とは、二層の間に当該二層と互いに隣接して配置され、当該二層間を互いに接着するために配置される層である。接着層としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて接着層として通常用いられるものを用いることができる。接着層は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
1.2 保護フィルム(B)
本発明において、保護フィルム(B)とは、主にフィルムロールとして巻き取る際に光透過性導電性フィルムを保護する目的で光透過性導電性フィルムに貼付して使用されるフィルムのことをいう。巻き取られた状態では光透過性導電層と保護フィルムの表面同士が互いに隣接した状態となり、これにより光透過性導電層が保護される。
保護フィルム(B)としては、特に限定されず、通常この目的で使用されるものの中から広範囲に選択することができる。
保護フィルム(B)は、フィルムロールとして巻き取られた状態で光透過性導電層(A−2)と対向する表面、すなわち、言い換えれば、積層フィルムの保護フィルム(B)側の面が、レーザー顕微鏡観察において280μm×200μmの領域内に高さ0.3μm以上の突起が2〜10個観察されるものである。これにより、フィルムロールを巻き取る際に発生する気泡欠点現象を抑制できる。気泡欠点現象の抑制という点では、この表面が、レーザー顕微鏡観察において280μm×200μmの領域内に高さ0.3μm以上の突起が1〜5個観察されるものであれば好ましく、3〜4.5個観察されるものであればより好ましい。
なお、上記において突起数の観察は次のようにして行う。レーザー顕微鏡(オリンパス社製VK−8710、又はその同等品)を用い、対物レンズ×50倍で対象物を測定し、得られたデータを付属のソフトを用いてデータ処理し、280×200μの範囲内における0.3μ以上の突起の数を数える。同様な測定を同一フィルムの3箇所で行い、その平均値を求める。
保護フィルム(B)は上記の通り少なくとも片面に突起を有するものであるが、突起の状態によっては透明性が損なわれ、Haze値が上昇してしまう。積層フィルムは、通常、製造後に外観欠点の検査を行う。この際にHaze値が高すぎると、外観欠点の検査の実施が困難となる。このような外観欠点の検査を問題なく実施できるか否かの点では、通常Haze値が少なくとも5%以下であればよい。したがって、保護フィルム(B)表面の突起の形態は、レーザー顕微鏡観察において特定形状の突起が特定数観察されるものであるという前記条件に加えて、フィルム全体としてのHaze値が5%以下となる範囲内で適宜設定することができる。左記において、フィルム全体としてのHaze値が3%以下であれば好ましく、2.5%以下であればより好ましい。
保護フイルム(B)の素材は、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン及びポリエチレン等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の点においてポリエステルが好ましい。
保護フィルム(B)の厚さは、特に限定されないが、通常は25〜125μmである。
保護フィルム(B)の厚さは、特に限定されないが、透明導電性フィルム(A)と保護フィルム(B)を貼り合わせた状態で合計厚さが170μm以上であれば好ましい。この合計厚さが、170〜270μmであればより好ましい。
保護フィルム(B)と、光透過性導電性フィルム(A)の熱収縮率を互いに概ね近い数値とすることにより、積層フィルムとしたときにカールしてしまう程度を抑制できる。
保護フィルム(B)を配置する方法は、特に限定されないが、通常、後述する粘着層を介して隣接面に貼付することにより配置することができる。
1.2.1 粘着層(B−2)
保護フィルム(B)は、積層構造となっていてもよく、この場合、上記1.2で説明した構成及び特性を備える層を主体となる層として(これを便宜上、「保護層(B−1)」と呼ぶ。)、さらに、例えば、粘着層(B−2)を含有していてもよい。
粘着層(B−2)とは、保護フィルム(B)を光透過性導電性フィルム(A)の面に配置する目的で使用される層のことをいう。
粘着層(B−2)としては、特に限定されず、通常この目的で使用されるものの中から広範囲に選択することができる。一般的に、加工性の観点からアクリル系粘着剤又はシリコーン系粘着剤が使用される。
本発明の積層フィルムにおいては、この場合、保護フィルム(B)が、この粘着層(B−2)を介して光透過性導電性フィルムの面に配置されている。したがって、保護フィルム(B)の面のうち、粘着層(B−2)とは反対側の面が、前記特性(b)を備える。
図5に、本発明の導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、保護フィルム(B)が、保護層(B−1)及び粘着層(B−2)からなるものである点を除けば、図1に示す態様と同様の構成となっている。
1.2.2 オリゴマーブロック層(B−3)
保護フィルム(B)は、上記1.2で説明した構成及び特性を備える層を主体となる層(保護層(B−1))として、粘着層(B−2)に加えて、あるいは、粘着層(B−2)に代えて、オリゴマーブロック層(B−3)を含有していてもよい。
オリゴマーブロック層(B−3)とは、熱処理(例えば、150℃で1時間の熱処理)を行った後にフィルム表面にオリゴマーが析出し、フィルムの外観が白濁することを防止する目的で使用される層のことをいう。
オリゴマーブロック層(B−3)の材料としては、通常この目的のために用いられる材料の中から広範に選択できる。より具体的には、透明な膜を形成しうるものから適宜選択することができ、無機物、有機物又はそれらの複合材料であってもよい。
オリゴマーブロック層(B−3)の厚さは、特に限定されないが、0.01〜2μmであれば好ましい。
本発明の積層フィルムにおいては、この場合、保護フィルム(B)が、このオリゴマーブロック層(B−3)が最外層に位置するように配置される。したがって、オリゴマーブロック層(B−3)の表面が、前記特性(b)を備えている必要がある。
図6に、本発明の導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、保護フィルム(B)が、保護層(B−1)及びオリゴマーブロック層(B−3)からなるものである点を除けば、図1に示す態様と同様の構成となっている。
1.3 本発明の積層フィルムの用途
本発明の積層フィルムから保護フィルム(B)を剥離することにより得られる光透過性導電性フィルム(A)を、タッチパネルの製造のため等に用いることができる。タッチパネルについて詳細は、3で説明する通りである。
2. 本発明のフィルムロール
本発明のフィルムロールは、本発明の積層フィルムを巻き取ってなるフィルムロールである。
特に限定されないが、本発明のフィルムロールは、通常、幅0.2〜2mかつ長さ10〜2000mの本発明の積層フィルムを巻き取ってなる。
本発明のフィルムロールは、特に限定されないが、例えば次のようにして得ることができる。光透過性支持層(A−1)の上に、必要に応じて光透過性導電層(A−2)の下地となる層、及びその他の層を配置した上で、その反対側の面に保護フィルム(B)を貼付して、この積層フィルムを巻き取ることによりフィルムロールを作成する。この際、この積層フィルムは表面処理されていてもよい。このフィルムロールをスパッタ装置にロール状のまま投入し、ロール状に巻き取りながら光透過性導電層(A−1)を形成することにより、本発明のフィルムロールを得ることができる。
このロール状に巻取った積層フィルムをシート状に裁断した後、必要に応じて種々の加工を施したシート状の積層フィルムから、さらに保護フィルム(B)を剥離することにより光透過性導電性フィルム(A)を得て、これをタッチパネル用の透明電極等として使用することができる。
3. 本発明のタッチパネル
本発明のタッチパネルは、本発明の積層フィルムから保護フィルム(B)を剥離することにより得られる光透過性導電性フィルム(A)を含有し、さらに必要に応じてその他の部材を含有してなる。
本発明のタッチパネルは、特に限定されないが、例えば静電容量型タッチパネルであってもよい。本発明の静電容量型タッチパネルの具体的な構成例としては、次のような構成が挙げられる。なお、保護層(1)側が操作画面側を、ガラス(5)側が操作画面とは反対側を向くようにして使用される。
(1)保護層
(2)本発明の光透過性導電性フィルム(Y軸方向)
(3)絶縁層
(4)本発明の光透過性導電性フィルム(X軸方向)
(5)ガラス
本発明の静電容量型タッチパネルは、特に限定されないが、例えば、上記(1)〜(5)、並びに必要に応じてその他の部材を通常の方法に従って組み合わせることにより製造することができる。
4. 本発明の積層フィルムの製造方法
本発明の積層フィルムの製造方法は、光透過性導電性フィルム(A)の製造方法に含まれる工程を含有していてもよい。光透過性導電性フィルム(A)の製造方法は、光透過性支持層(A−1)の少なくとも一方の面に、光透過性導電層(A−2)に加えて、光透過性下地層(A−3)、ハードコート層(A−4)及びそれらと異なる少なくとも1種のその他の層(A−5)からなる群より選択される少なくとも1種の層をそれぞれ配置する工程をそれぞれ含んでいてもよい。
本発明の積層フィルムの製造方法は、保護フィルム(B)の製造方法に含まれる工程を含有していてもよい。保護フィルム(B)の製造方法は、保護層(B−1)の一方の面に、粘着層(B−2)、及び/又はその他方の面にオリゴマーブロック層(B−3)をそれぞれ配置する工程をそれぞれ含んでいてもよい。
上記のそれぞれの工程において、それぞれの層を配置する工程は、それぞれの層について説明した通りである。光透過性導電層(A−2)に加えて、少なくとも1種の他の層を配置する場合は、例えば、光透過性支持層(A−1)の少なくとも一方の面に光透過性支持層(A−1)側から順次配置させてもよいが、配置の順番は特に限定されない。例えば、最初に光透過性支持層(A−1)ではない層(例えば、光透過性導電層(A−2))の一方の面に他の層を配置させてもよい。あるいは、一方で2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得てから、又はそれと同時に、他方で同様に2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得て、これらの2種の複合層をさらに互いに隣接するように配置させてもよい。
また、本発明の積層フィルムの製造方法は、上記に代えて、あるいは上記に加えて、光透過性導電性フィルム(A)の一方の面に、直接、又は他のフィルムを介して保護フィルム(B)を配置する工程を含んでいてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
1.実施例及び比較例
以下の製法により、それぞれ光透過性導電性フィルムを得た。
1.1 ハードコート用材料の調製
1.1.1 ハードコート1(H1)
光重合剤含有アクリル系オリゴマーに、トルエンとメチルイソブチルケトン(MIBK)とを5:5(重量比)の割合にて混合してなる混合溶媒を加えて、液状のハードコート用材料(固形分濃度:40重量%)を調製した。
1.1.2 ハードコート2(H2)
光重合剤含有アクリル系オリゴマーに、トルエンとメチルイソブチルケトン(MIBK)とを5:5(重量比)の割合にて混合してなる混合溶媒を加えて、さらに平均粒子径が100nmのシリカ粒子を添加し、液状のハードコート用材料(固形分濃度:40重量%)を調製した。
1.1.3 ハードコート3(H3)
光重合剤含有アクリル系オリゴマーに、トルエンとメチルイソブチルケトン(MIBK)とを5:5(重量比)の割合にて混合してなる混合溶媒を加えて、さらに平均粒子径が100nmのシリカ粒子を添加し、液状のハードコート用材料(固形分濃度:20重量%)を調製した。
1.1.4 ハードコート4(H4)
光重合剤含有アクリル系オリゴマーに、トルエンとメチルイソブチルケトン(MIBK)とを5:5(重量比)の割合にて混合してなる混合溶媒を加えて、さらに平均粒子径が50nmのシリカ粒子を添加し、液状のハードコート用材料(固形分濃度:40重量%)を調製した。
1.1.5 保護フィルム
市販のアクリル系ポリマー(乾燥重量)100部に対してイソシアネート計の架橋剤を配合し、さらに酢酸エチルを加え固形分濃度を10%に調整した粘着剤溶液を調製した。これをPETフィルム上に厚みが10μmになるように塗布し、140℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成して、保護フィルムを得た。さらに、40℃の条件下で72時間エージングして表面保護フィルムを得た。
PETフィルムとしては、いずれも市販のPET保護ラミネートフィルム(PET保護フィルム)を用いた。なお、厚さ50μmのヘイズ3%の市販のPET保護ラミネートフィルム(PET保護フィルム)を用いた場合をR1;
厚さ50μmのヘイズ1%の市販のPET保護ラミネートフィルム(PET保護フィルム)をR2;
厚さ50μmのヘイズ6%の市販のPET保護ラミネート層フィルム(PET保護フィルム)をR3;
厚さ50μmのヘイズ1.5%の市販のPET保護ラミネート層フィルム(PET保護フィルム)をR4;
厚さ50μmのヘイズ4%の市販のPET保護ラミネート層フィルム(PET保護フィルム)をR5;及び
厚さ50μmのヘイズ5%の市販のPET保護ラミネート層フィルム(PET保護フィルム)をR6
とした。
これらのPET保護フィルムは、いずれも最外層にオリゴマーブロック層を有している。
実施例1
厚さ125μmの易接着性ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:A4300)を光透過性支持層として、その一方の面に、液状のハードコート用材料(H1)をロールコーターで塗工し、さらにその塗工膜を、ドライヤーオーブンを用いて、100℃×1分の条件で加熱乾燥した。次いで、乾燥後の塗工膜に対して紫外線を照射することにより(照射量:300mJ/cm)、光透過性支持層上に厚さ約2μmのハードコート層を配置した。
光透過性支持層の他方の面に対しても同一の作業を施すことにより、光透過性支持層の両面に厚さ約2μmのハードコート層が配置されているフィルム(ハードコートフィルム)のロールを得た。このフィルムロールを巻き上げる前にハードコートフィルムの片面に保護フィルムR1をラミネートした。
得られたロール状積層フィルムの、保護フィルムがラミネートされている面とは反対側の面に、酸化インジウム95重量%及び酸化スズ5重量%からなる焼結体材料をターゲット材として用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により、光透過性導電層を形成した。具体的には、チャンバー内を5×10−4Pa以下となるまで真空排気した後に、かかるチャンバー内にArガス95%及び酸素ガス5%からなる混合ガスを導入し、チャンバー内圧力を0.2〜0.3Paとしてスパッタリングを実施した。なお、最終的に得られる透明導電層の膜厚が20nmとなるように、スパッタリングを実施した。得られた膜のアニール処理後(150℃、1時間)のシート抵抗値は150Ω/□であった。
実施例2〜16、および比較例1〜8
表1に記載のとおりハードコートフィルムにH1〜H4のHC剤を用いたことやR1〜R6の保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、光透過性導電性フィルムをそれぞれ得た。
アニール後(150℃、1時間)のシート抵抗値は表1に記載のとおりであった。
実施例1〜16及び比較例1〜8でそれぞれ得られた光透過性導電性フィルムをについて、以下の各種評価方法により評価を行った。その結果を表1に示す。
2.各種評価方法
2.1 Ra,R zjis の求め方
平均表面粗さRa、最大高さRz、及び十点平均粗さRzjisは、市販の走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700)及び市販の走査型プローブ顕微鏡用マイクロカンチレバー(オリンパス社、OMCL−NCHR-10、バネ定数42N/
m)を用いて、所定のダイナミックモードで1μm×1μm平方の測定面を探針で走査して得られる512×512画素の形状像から、株式会社島津製作所製SPM−9700の解析ソフトを用いて求めた。
2.2 突起数の測定
レーザー顕微鏡(オリンパス社製VK−8710)を用いて行った。対物レンズ×50倍で対象物を測定し、得られたデータを付属のソフトでデータ処理し、280×200μの範囲内における0.3μ以上の突起の数を数えた。同様な測定を3箇所で行いその平均値を求めた。
2.3 抵抗値測定
MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH社製の表面抵抗計(Loresta−EP)を用いて、4端子法により測定した。
2.4 ヘイズの測定
日本電色社製のヘーズメーター(NDH−2000)を用いてJIS−K−7105に基づいて測定を行った。
2.5 気泡欠点現象
フィルムをロール状に巻き取った光透過性導電層表面と保護フィルムの非粘着面が互いに過度に接着することで表面が滑らず気泡状の外観欠点が発生しまう現象が発生する場合を×、発生しない場合を〇とした。
2.6 外観検査適性
光透過性導電層を配置したハードコートフィルムと保護フィルムを貼り合わせた状態での外観欠点を確認出来るものを〇、ヘイズが高く外観検査を実施し難いものを×とした。
Figure 0005876892
1 積層フィルム
11 光透過性導電性フィルム(A)
111 光透過性支持層(A−1)
112 光透過性導電層(A−2)
113 光透過性下地層(A−3)
114 ハードコート層(A−4)
12 保護フィルム(B)
121 保護層(B−1)
122 粘着層(B−2)
123 オリゴマーブロック層(B−3)

Claims (5)

  1. (A)光透過性導電性フィルム;及び
    (B)保護フィルム
    を含有する積層フィルムであって、
    前記光透過性導電性フィルム(A)が、
    (A−1)光透過性支持層;及び
    (A−2)光透過性導電層;
    をそれぞれ一以上含有し、かつ
    少なくとも一方の最外層が一の光透過性導電層(A−2)である光透過性導電性フィルムであって、
    前記光透過性導電性フィルム(A)の最外層の前記光透過性導電層(A−2)の少なくとも一が、前記積層フィルムの一方の表面に配置され、
    保護フィルム(B)が、前記積層フィルムの他方の表面に配置されており、
    前記光透過性導電層(A−2)側の前記表面の平均表面粗さRaが0.4nm〜2nmであり、かつ
    前記保護フィルム(B)側の前記表面が、レーザー顕微鏡観察において280μm×200μmの領域内に高さ0.3μm以上の突起が2〜10個観察されるものであることを特徴とする、積層フィルム。
  2. 前記光透過性導電層(A−2)側の表面の十点平均粗さRzjisが、4nm〜7nmである、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. Haze値が、5%以下である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記光透過性導電層(A−2)が、酸化インジウムスズを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムを巻き取ってなるフィルムロール。
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