JP6406968B2 - 光透過性導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、光透過性導電性フィルムの製造方法、その方法で製造された光透過性導電性フィルム、及びその光透過性導電性フィルムを有するタッチパネルに関する。
タッチパネルに搭載される光透過性導電性フィルムとして、PET等からなる光透過性支持層の上に酸化インジウムスズ(ITO)等からなる光透過性導電層を形成して得られる光透過性導電性フィルムが数多く使用されている。
この光透過性導電性フィルムにおいて、光透過性支持層側の表面に光透過性接着層が形成されることがある。このようにしておくことで、運搬や加工等の間に傷つき易い光透過性支持層を保護する目的で、剥離可能な保護層を積層することができる。また、タッチパネルやこれを利用する製品の製造過程において、別の光透過性導電性フィルム、ガラス、偏光板等の他の材料に容易に貼付することができる。
光透過性接着層が形成される場合、通常、まず光透過性支持層上に光透過性導電層を形成してから(特許文献1)、その後、光透過性接着層や保護層を形成することにより製造される。この光透過性接着層の形成は、効率性や経済性の観点から、フィルムを搬送ロールに載置して行われるのが一般的である。
国際公開第2013/100031号
本発明者らは、光透過性導電層を有するフィルムに光透過性接着層を形成するために塗布装置を用いた際に、光透過性導電層を有するフィルムが搬送ロールに接触し、光透過性導電層を有するフィルムが巻き取りロールに巻き取られると、最終的に得られる光透過性導電性フィルムの耐屈曲性が大幅に低下するという、全く新しい問題を見出した。そこで、本発明は、光透過性接着層を有していながらもより高い耐屈曲性を有する光透過性導電性フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。具体的には、本発明者らは、予め光透過性接着層を形成してから、光透過性導電層を形成することにより、上記問題を生じさせることなく、より高い耐屈曲性を有する光透過性導電性フィルムを製造できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、次に掲げるものを包含する。
項1.
(A−1)光透過性支持層;及び
(B−1)光透過性接着層
を有する接着性基材フィルムの前記光透過性支持層(A−1)側の表面に光透過性導電層(A−2)を形成する工程
を含むことを特徴とする、光透過性導電性フィルムの製造方法。
項2.
前記接着性基材フィルムが更に保護層(B−2)を有し、且つ
前記保護層(B−2)が、前記光透過性接着層(B−1)の前記光透過性支持層(A−1)とは反対側の面に直接配置されている、
項1に記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
項3.
前記光透過性導電層(A−2)の形成方法がスパッタリング法である、項1又は2に記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
項4.
前記光透過性導電層(A−2)が酸化インジウムスズを含有する、項1〜3のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
項5.
前記接着性基材フィルムが更に光透過性下地層(A−3)及び/又はハードコート層(A−4)を有する、項1〜4のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
項6.
前記接着性基材フィルムが光透過性下地層(A−3)及びハードコート層(A−4)を有し、
前記ハードコート層(A−4)が、前記光透過性支持層(A−1)の前記光透過性接着層(B−1)とは反対側の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置され、且つ
前記光透過性下地層(A−3)が、前記ハードコート層(A−4)の前記光透過性接着層(B−1)とは反対側の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている、
項5に記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
本発明によれば、光透過性接着層が形成されていながらも、より高い耐屈曲性を有する光透過性導電性フィルムを製造することができる。
光透過性導電性フィルムに対する耐屈曲性の試験器具の概略図である。 実施例1及び比較例1の光透過性導電性フィルムに対する耐屈曲性試験の屈曲回数と表面抵抗変化率との関係図である。
1. 光透過性導電性フィルムの製造方法
本発明の光透過性導電性フィルムの製造方法は、
(A−1)光透過性支持層;及び
(B−1)光透過性接着層
を有する接着性基材フィルムの前記光透過性支持層(A−1)側の表面に光透過性導電層(A−2)を形成する工程
を含むことを特徴とする、光透過性導電性フィルム製造方法である。
本発明において「光透過性」とは、光を透過させる性質を有する(translucent)ことを意味する。「光透過性」には、透明(transparent)が含まれる。「光透過性」とは、例えば、全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である性質をいう。本発明において全光線透過率は、ヘーズメーター(日本電色社製、商品名:NDH−2000、またはその同等品)を用いてJIS−K−7105に基づいて測定する。
本発明において、各層の厚さは、市販の反射分光膜厚計(大塚電子、FE−3000(製品名)、又はその同等品)を用いて求める。又は、代替的に、市販の透過型電子顕微鏡を用いた観察により求めてもよい。具体的には、ミクロトーム又はフォーカスイオンビームなどを用いて光透過性導電性フィルムをフィルム面に対して垂直方向に薄く切断し、その断面を観察する。
本明細書において、光透過性支持層(A−1)の一方の面に配置される複数の層のうち
二つの層の相対的な位置関係について言及する場合、光透過性支持層(A−1)を基準に
して、光透過性支持層(A−1)からの距離が大きい一方の層を「上の」層等ということ
がある。
1.1 接着性基材フィルム
本発明において、接着性基材フィルムとは、光透過性支持層(A−1)及び光透過性接着層(B−1)を有するフィルムである。接着性基材フィルムにおいては、光透過性支持層(A−1)の一方の面に、光透過性接着層(B−1)が直接又は一以上の他の層を介して配置されている。また、光透過性支持層(A−1)の光透過性接着層(B−1)とは反対側の面、及び光透過性接着層(B−1)の光透過性支持層(A−1)とは反対側の面には、一以上の他の層が配置されていてもよい。
他の層としては、例えば、後述の光透過性下地層(A−3)、ハードコート層(A−4)、保護層(B−2)、その他の層(A−6)等が挙げられる。
1.1.1 光透過性支持層(A−1)
本発明において光透過性支持層とは、本発明の製造方法で得られる光透過性導電性フィルムにおいて、光透過性導電層を含む層を支持する役割を果たすものをいう。光透過性支持層(A−1)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用導電性フィルムにおいて、光透過性支持層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性支持層(A−1)の素材は、特に限定されないが、例えば、各種の有機高分子等を挙げることができる。有機高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。光透過性支持層(A−1)の素材は、ポリエステル系樹脂が好ましく、中でも特にPETが好ましい。光透過性支持層(A−1)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。また、複数の光透過性支持層を粘着剤等で貼り合わせたものであってもよい。複数の光透過性支持層を使用する場合は、同種のものを複数使用してもよいし、複数種のものを使用してもよい。
光透過性支持層(A−1)の厚さは、特に限定されないが、例えば、5〜200μmの範囲が挙げられる。
1.1.2 光透過性接着層(B−1)
本発明において光透過性接着層は、保護層(B−2)を接着させる目的や、本発明の製造方法で得られる光透過性導電性フィルムを、タッチパネルやこれを利用する製品の製造過程において他の材料(別の光透過性導電性フィルム、ガラス、偏光板等)に接着させる目的に使用される。このため、本発明の製造方法で得られる光透過性導電性フィルムにおいて、光透過性接着層(B−1)は、最外層に位置しているか、或いはその上の層を剥離することにより容易に最外層に露出させることができることが好ましい。
光透過性接着層(B−1)の素材は、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂接着剤、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ゴム系接着剤等を挙げることができる。中でも、ウレタン樹脂接着剤、例えば2液硬化型ウレタン樹脂接着剤は、接着力等の点で好ましい。2液硬化型ウレタン樹脂接着剤としては、ポリオール化合物を主剤とし、これに硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いた接着剤を使用できる。ポリオール化合物としては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオールなどである。又、ポリイソシアネート化合物は、例えば、トリレンジイソシアネート系、キシリレンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系等である。尚、ここで、各「・・系イソシアネート化合物」の中には、各イソシアネート化合部物の多量体、付加体、ブロック体等が包含される。上記のポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物は、各々複数種使用してもよい。
光透過性接着層(B−1)の一層あたりの厚さとしては、特に限定されないが、例えば5〜100μm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全ての光透過性接着層(B−1)の合計厚さが上記範囲内であればよい。
光透過性接着層(B−1)を形成する方法は、特に限定されないが、効率性や経済性の観点から、通常、基材フィルムを搬送ロールに接触させ巻き取りロールで巻き取りながら(例えば、ロールを有する塗工機を用いて)、光透過性接着層(B−1)の素材を塗布する方法である。ここで、基材フィルムとは、接着性基材フィルムから光透過性接着層(B−1)を除いたフィルムを意味する。
また、光透過性接着層(B−1)と共に保護層(B−2)を形成する場合は、通常、接着性基材フィルムの光透過性接着層(B−1)の上に保護層(B−2)を貼り付けるか、予め光透過性接着層(B−1)と保護層(B−2)とからなる接着性フィルムを作成し、これを基材フィルムに貼り付ける。この貼り付け工程も、効率性や経済性の観点から、通常、ロールラミネータを用い、基材フィルム又は接着性基材フィルムに光透過性接着層(B−1)や保護層(B−2)が形成された光透過性導電性フィルムを得た後、ロールに巻き取る。
本発明の光透過性導電性フィルムの製造方法の一態様としては、光透過性接着層(B−1)の上記形成工程を含む以下の態様が挙げられる。
(1)光透過性支持層(A−1)を有する基材フィルムの一方の表面に光透過性接着層(B−1)を形成して、接着性基材フィルムを得る工程、及び
(2)前記接着性基材フィルムの光透過性支持層(A−1)側の表面に光透過性導電層(A−2)を形成する工程
を含むことを特徴とする、光透過性導電性フィルムの製造方法。
1.1.3 光透過性下地層(A−3)
接着性基材フィルムは、さらに、光透過性下地層(A−3)を有していてもよい。この場合、光透過性下地層(A−3)は、光透過性支持層(A−1)の光透過性接着層(B−1)とは反対側の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている。
光透過性下地層(A−3)の素材は、特に限定されないが、例えば、誘電性を有するものであってもよい。光透過性下地層(A−3)の素材としては、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリコンアルコキシド、アルキルシロキサン及びその縮合物、ポリシロキサン、シルセスキオキサン、ポリシラザン、アクリルシリカハイブリッド等が挙げられる。光透過性下地層(A−3)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。光透過性下地層(A−3)としては、ポリシラザン、アクリルシリカハイブリッド及びSiO(x=1.0〜2.0)からなる群より選択される1種を含む光透過性下地層が好ましい。光透過性下地層(A−3)は、ポリシラザン、アクリルシリカハイブリッド及びSiO(x=1.0〜2.0)からなる群より選択される1種からなる光透過性下地層であってもよい。光透過性下地層(A−3)としては、SiO(x=1.0〜2.0)を含む光透過性下地層が好ましい。光透過性下地層(A−3)は、SiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層であってもよい。以下、例えば、SiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層を、SiO層というように略記する場合がある。
光透過性下地層(A−3)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。光透過性下地層(A−3)が二層以上互いに隣接して配置されているのが好ましい。このような態様の例としては、例えば、隣接するSiO層及びSiO層からなる積層(stacking)、及び隣接するSiO層及びSiO層からなる積層が挙げられる。例えば二層が互いに隣接して配置されている場合、SiO層及びSiO層の順序は任意であるが、光透過性支持層(A−1)側にSiOからなる光透過性下地層、その反対側にSiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層を配置させるのが好ましい。
光透過性下地層(A−3)の一層あたりの厚さとしては、特に限定されないが、例えば15〜30nm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全ての光透過性下地層(A−3)の合計厚さが上記範囲内であればよい。
光透過性下地層(A−3)の屈折率は、本発明の製造方法で得られる光透過性導電性フィルムが、タッチパネル用途として使用できる限り特に限定されないが、例えば、1.4〜1.5が好ましい。
光透過性下地層(A−3)を形成する方法として、乾式としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法及びパルスレーザーデポジション法により隣接する層上に積層する方法等が挙げられる。
1.1.4 ハードコート層(A−4)
接着性基材フィルムは、光透過性下地層(A−3)の代わりに、あるいは光透過性下地層(A−3)に加えてさらに、ハードコート層(A−4)を有していてもよい。この場合、ハードコート層(A−4)は、好ましくは光透過性支持層(A−1)の一方又は両方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、より好ましくは光透過性支持層(A−1)の光透過性接着層(B−1)とは反対側の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている。
ハードコート層は、好ましくは光透過性支持層(A−1)に隣接して配置されている。
接着性基材フィルムが光透過性下地層(A−3)及びハードコート層(A−4)の両者を光透過性支持層(A−1)の同じ面に有する場合は、その光透過性下地層(A−3)が、そのハードコート層(A−4)の光透過性接着層(B−1)とは反対側の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されていることが好ましい。この場合、光透過性下地層(A−3)は、好ましくはハードコート層(A−4)に隣接して配置されている。
ハードコート層(A−4)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。
本発明においてハードコート層とは、プラスチック表面の傷つきを防止する役割を果たすものをいう。ハードコート層(A−4)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいてハードコート層として通常用いられるものを用いることができる。
ハードコート層(A−4)の素材は、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂及びアルキド系樹脂等が挙げられる。ハードコート層(A−4)の素材としては、さらに、シリカ、ジルコニア、チタニア、アルミナ等のコロイド粒子等を上記樹脂中に分散させたものも挙げられる。ハードコート層(A−4)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。ハードコート層(A−4)としては、ジルコニア粒子を分散したアクリル樹脂が好ましい。
ハードコート層(A−4)の一層あたりの厚さは、特に限定されないが、例えば0.03〜10μm、0.5〜5μm、1〜3μm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全てのハードコート層(A−4)の合計厚さが上記範囲内であればよい。左記の例示列挙においては後出のものが前出のものよりも好ましい。
ハードコート層(A−4)の屈折率は、本発明の製造方法で得られる光透過性導電性フィルムが、タッチパネル用途として使用できる限り特に限定されないが、例えば、1.4〜1.7等が挙げられる。
ハードコート層(A−4)は、光透過性下地層(A−3)よりも高い屈折率を有していてもよい。この場合、光透過性下地層(A−3)は好ましくはハードコート層(A−4)の一方の面に隣接して配置されている。このような構成を採ることにより、光透過性下地層(A−3)及びハードコート層(A−4)の光学干渉作用により光透過性導電性フィルム(A)の透過率が向上するので好ましい。また、このような構成を採ることにより、本発明の製造方法で得られる光透過性導電性フィルムにおいて、パターン化された光透過性導電層(A−2)のパターン見えが軽減される。
ハードコート層(A−4)を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルムに塗布して、熱で硬化する方法、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する方法等が挙げられる。生産性の点で、紫外線により硬化する方法が好ましい。
1.1.5 保護層(B−2)
接着性基材フィルムは、さらに、保護層(B−2)を有していてもよい。この場合、保護層(B−2)は、光透過性接着層(B−1)の光透過性支持層(A−1)とは反対側の面に直接配置されている
本発明において、保護層(B−2)とは、主に運搬や加工等の間に傷つき易い光透過性支持層を保護する目的で配置される層である。
保護層(B−2)としては、特に限定されず、通常この目的で使用されるものの中から広範囲に選択することができる。
保護層(B−2)の素材は、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の点においてポリエステルが好ましい。
保護層(B−2)の厚さは、特に限定されないが、通常は10〜150μmである。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全ての保護層(B−2)の合計厚さが上記範囲内であればよい。
保護層(B−2)を形成する方法は、特に限定されないが、通常、光透過性接着層(B−1)を介して隣接面に貼付することにより形成することができる。
保護層(B−2)は、光透過性接着層(B−1)から剥離可能であることが好ましい。このようにすることにより、保護層(B−2)を有していても光透過性接着層(B−1)を容易に露出させることができる。なお、剥離力を高めるために、保護層(B−2)は光透過性接着層(B−1)側の面に離型層が形成されていることが好ましい。離型層を形成する離型剤としては、例えば、シリコーン離型剤、フッ素離型剤、エチレン‐α‐オレフィン共重合体からなる離型剤、長鎖アルキル基を側鎖に有する高分子離型剤等が挙げられる。
1.1.6 その他の層(A−6)
その他の層(A−6)としては、特に限定されないが、例えば、接着層等が挙げられる。
接着層は、二層の間に当該二層と互いに隣接して配置され、当該二層間を互いに接着するために配置される層である。接着層としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて接着層として通常用いられるものを用いることができる。接着層は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
1.2 光透過性導電層(A−2)の形成
本発明の製造方法においては、接着性基材フィルムの光透過性支持層(A−1)側の表面に光透過性導電層(A−2)を形成する。
本発明において光透過性導電層とは、導電性物質を含有し、電気を導通しかつ可視光を透過する役割を果たすものをいう。光透過性導電層(A−2)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用導電性フィルムにおいて光透過性導電層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性導電層(A−2)の素材は、特に限定されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。光透過性導電層(A−2)としては、透明性と導電性を両立する点で酸化インジウムにドーパントをドープしたものを含む光透過性導電層が好ましい。光透過性導電層(A−2)は、酸化インジウムにドーパントをドープしたものからなる光透過性導電層であってもよい。ドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、酸化スズ及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
光透過性導電層(A−2)の素材として酸化インジウムに酸化スズをドープしたものを用いる場合は、酸化インジウム(III)(In)に酸化スズ(IV)(SnO)をドープしたもの(tin−doped indium oxide;ITO)が好ましい。この場合、SnOの添加量としては、特に限定されないが、例えば、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%等が挙げられる。また、ドーパントの総量が左記の数値範囲を超えない範囲で、酸化インジウムスズにさらに他のドーパントが加えられたものを光透過性導電層(A−2)の素材として用いてもよい。左記において他のドーパントとしては、特に限定されないが、例えばセレン等が挙げられる。
光透過性導電層(A−2)は、上記の各種素材のうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性導電層(A−2)は、特に限定されないが、結晶体若しくは非晶質体、又はそれらの混合体であってもよい。
光透過性導電層(A−2)の厚さは、特に限定されないが、通常は5〜50nmである。光透過性導電層(A−2)の厚さは、好ましくは10〜40nm、より好ましくは12〜35nm、さらに好ましくは15〜30nmである。
光透過性導電層(A−2)を配置する方法は、湿式及び乾式のいずれであってもよく、特に限定されない。光透過性導電層(A−2)を配置する方法の具体例として、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、パルスレーザーデポジション法等が挙げられ、好ましくはスパッタリング法が挙げられる。
本発明の製造方法で得られた光透過性導電性フィルムは、従来の製造方法、すなわち光透過性導電層を形成してからロールを用いて光透過性接着層を形成する方法で得られた光透過性導電性フィルムに比べて、耐屈曲性が向上している。限定的な解釈を望むものではないが、これは、従来の製造方法では、光透過性導電層に極めて微小な傷や割れが生じてしまい、これが耐屈曲性を大幅に低下させているためであると考えられる。したがって、本発明の製造方法で得られた光透過性導電性フィルムは、このような微小な傷や割れがより少ないという点で、従来の製造方法で得られた光透過性導電性フィルムより優れている。
本発明の光透過性導電性フィルムは、保護層(B−2)を有している場合は、運搬や加工等の間に傷つき易い光透過性支持層(A−1)を保護することができる。また、保護層(B−2)を有さない場合、或いは保護層(B−2)を有していてもこれを剥離することにより、タッチパネルやこれを利用する製品の製造過程において、別の光透過性導電性フィルム、ガラス、偏光板等の他の材料に、光透過性接着層(B−1)を介して容易に積層することができる。
本発明の光透過性導電性フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、上記「1. 光透過性導電性フィルム製造方法」で説明した各層の厚さを合計した厚さが挙げられる。具体的には、40〜500μm等が挙げられる。本発明の光透過性導電性フィルムは、取り扱い易さの観点からは、より厚い方が望ましい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに
限定されるものではない。
実施例1
一方の面にハードコート層を有する透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)を用意した。一方で、ロールコータを用いてシリコーン離型剤で剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さが125μm)の剥離処理された面に厚さ20μmの粘着性を有するアクリル接着剤層を形成し、得られたフィルムを、このアクリル接着剤層を介して、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のハードコート層が形成されていない面の上に貼りつけた。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のハードコート面に、シリコンターゲットを用いてスパッタリングを行い、付着量2μg/cmのSiO(x=0.1〜2.0)層を形成した。次いで、SiO層の上に、酸素分圧6×10−3Paの不活性ガス雰囲気下で酸化インジウムスズターゲットを用いてスパッタリングを行い、25nmの厚さのITO膜を形成した。これにより、保護層と光透過性接着層を有する光透過性導電性積層フィルムを作製した。
比較例1
一方の面にハードコート層を有する透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)を用意した。このポリエチレンテレフタレートフィルムのハードコート面に、シリコンターゲットを用いてスパッタリングを行い、付着量2μg/cmのSiO(x=0.1〜2.0)層を形成した。次いで、SiO層の上に、酸素分圧6×10−3Paの不活性ガス雰囲気下で酸化インジウムスズターゲットを用いてスパッタリングを行い25nmの厚さのITO膜を形成した。次いで、ロールコータを用いて上記ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のITO膜が形成されていない面に厚さ20μmの粘着性を有するアクリル接着剤層を形成し、得られたフィルムを、このアクリル接着剤層を介して、シリコーン離型剤で剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さが125μm)の剥離処理された面の上に貼りつけた。これにより、保護層と光透過性接着層を有する光透過性導電性積層フィルムを作製した。
<耐屈曲性試験>
図1のように、光透過性導電層が上向きとなるように、フィルムを直径5mmのステンレス製の棒に巻きつけ、500gの荷重で両端を鉛直下方に引っ張りフィルムを摺動させ、1往復ごとに四探針法で表面抵抗値を測定した。該測定値を初期表面抵抗値で除したものを表面抵抗変化率とした。フィルムの屈曲回数(往復回数)と表面抵抗変化率との関係を図2に示した。

Claims (6)

  1. (A−1)光透過性支持層;及び
    (B−1)光透過性接着層
    を有する接着性基材フィルムの前記光透過性支持層(A−1)側の表面に光透過性導電層(A−2)を形成する工程
    を含むことを特徴とする、光透過性導電性フィルムの製造方法。
  2. 前記接着性基材フィルムが更に保護層(B−2)を有し、且つ
    前記保護層(B−2)が、前記光透過性接着層(B−1)の前記光透過性支持層(A−1)とは反対側の面に直接配置されている、
    請求項1に記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
  3. 前記光透過性導電層(A−2)の形成方法がスパッタリング法である、請求項1又は2に記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
  4. 前記光透過性導電層(A−2)が酸化インジウムスズを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
  5. 前記接着性基材フィルムが更に光透過性下地層(A−3)及び/又はハードコート層(A−4)を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
  6. 前記接着性基材フィルムが光透過性下地層(A−3)及びハードコート層(A−4)を有し、
    前記ハードコート層(A−4)が、前記光透過性支持層(A−1)の前記光透過性接着層(B−1)とは反対側の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置され、且つ
    前記光透過性下地層(A−3)が、前記ハードコート層(A−4)の前記光透過性接着層(B−1)とは反対側の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている、
    請求項5に記載の光透過性導電性フィルムの製造方法。
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