JP5871553B2 - 多芯式筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、筆記具に関し、特に、例えば複数の交換可能なリフィルを備える多芯式筆記具に関する。
多芯式筆記具では、軸筒の中心軸線に平行に軸筒の後端に形成される複数の窓孔内に個々にノック部材が組み込まれる。ノック部材の前端にはリフィルの後端が取り付けられる。各リフィルは、ノック部材よりも軸筒の前端側で軸筒内に固定されるスペーサの中心軸線周りに均等に配置された貫通孔を通って軸筒の前端に向かって延びる。ノック部材の前端とスペーサの後端との間でリフィルにはコイルばねが取り付けられる。リフィルはコイルばねの中を貫通して配置されている。コイルばねは、ノック部材を軸筒の後端に向かって押し付ける弾性力を発揮する。
非筆記状態では、ノック部材は、中心軸線に平行に軸筒の後端に形成されるレール上にスライド可能に配置される。筆記時、ばねの弾性力に抗して軸筒の前端に向かってノック部材を移動させると、ノック部材はレール上をスライド移動する。その後、ノック部材がレールの先端から離脱すると、ノック部材は中心軸線に直交する径方向に軸筒内に入り込む。ばねの弾性力によってノック部材の後端がレールの先端に係合すると、リフィルの先端が軸筒の前端の孔から突出する。こうして筆記状態が確立される(特許文献1〜3)。
特開平11−139080号公報 特開2001−113883号公報 特開2008−132706号公報
リフィルの搭載時には、リフィルが支柱の役割を果たし、隣接するコイルばね同士の絡み合いは発生しにくい。しかし、特にリフィルの未搭載時、隣接するコイルばねは、リフィルという支柱を失い、互いに絡み合ってしまうことがある。すなわち、リフィル未搭載時であってもノック部材はスライド可能であることから、前端に向かってノック部材を移動させるとコイルばねが収縮する。収縮したコイルばねは、周方向又は径方向内側に湾曲し、座屈することによって隣接するコイルばね同士が互いに接近し、さらに絡み合う可能性が高くなる。コイルばねは一旦絡み合うと、それを解きほぐすことは困難である。
本発明は、コイルばね同士の絡み合いが防止される多芯式筆記具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、中心軸線を有する筒状の軸筒と、該軸筒内に配置される円柱状のスペーサ本体と、該スペーサ本体の前端面から後端面まで中心軸線に対して平行に延びる複数の貫通孔と、第1の端部が前記複数の貫通孔の各々の後端面側の開口をそれぞれ包囲するように配置され且つ第2の端部が前記スペーサ本体よりも後方に延びる複数のコイルばねと、前記複数のコイルばねの前記第1の端部の各々の周囲に配置されたガイド突起であって、前記コイルばねの収縮時に該コイルばねに当接して該コイルばねを前記軸筒の内周面側へ湾曲させるガイド面を有するガイド突起と、を具備することを特徴とする多芯式筆記具が提供される。
また、請求項2に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、前記ガイド突起が、前記貫通孔の前記開口と前記軸筒の前記内周面との間に配置される多芯式筆記具が提供される。
また、請求項3に記載の発明によれば請求項2に記載の発明において、前記ガイド面が、前記内周面側へ延びるテーパ面である多芯式筆記具が提供される。
各請求項に記載の発明によれば、コイルばね同士の絡み合いが防止されるという共通の効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具の構造を概略的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具の構造を概略的に示す縦断面図である 本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具の構造を概略的に示す部分破断斜視図である。 図2の4−4線に沿った拡大断面図である。 ノック部材の斜視図である。 ノック部材を概略的に示す側面図である。 スペーサを概略的に示す斜視図である。 スペーサを概略的に示す正面図である。 図2の8−8線に沿った拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具の構造を概略的に示す部分破断斜視図である。 本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具の構造を概略的に示す部分破断斜視図である。 本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具の部分縦断面図である。 コイルばねの変形の様子を概略的に示す部分横断面図である。 別のスペーサを概略的に示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具11の構造を概略的に示す側面図である。多芯式筆記具11は、中心軸線Xに沿って例えば円筒状に延びる軸筒12を有する。軸筒12は、多芯式筆記具11の前端側に配置される例えば円筒状の先軸13と、先軸13の後端に連結されて多芯式筆記具11の後端側に配置される例えば円筒状の後軸14と、を備える。ここで、本明細書中では、チップすなわちペン先が突出する側を「前」側と規定し、ペン先とは反対側を「後」側と規定する。
先軸13は例えば金属材料又は樹脂材料から形成される。後軸14は例えば樹脂材料から形成される。先軸13の前端には、後述のリフィルのペン先を突出させるための孔15が中心軸線Xに沿って形成される。先軸13には例えば円筒状のグリップ部材16が取り付けられる。グリップ部材16は例えば弾性樹脂材料から形成される。先軸13及び後軸14は、例えば先軸13の後端の外周面に形成される雄ねじ(図示せず)に後軸14の前端の内周面に形成される雌ねじ(図示せず)が噛み合うことによって連結される。
後軸14の後端には中心軸線Xに平行に延びる複数の窓孔17が形成される。窓孔17は、後軸14の後端から後軸14の前端に向かって延びる。ここでは、中心軸線Xの周りに例えば等間隔に5つの窓孔17が形成される。なお、窓孔17の数はリフィルの数に合わせて設定されてよい。各窓孔17内にはそれぞれノック部材18、19が配置される。ノック部材18、19は窓孔17に対応して中心軸線X周りに等間隔に配列される。ノック部材18、19は窓孔17内で中心軸線Xに平行に前後移動することができる。このノック部材18、19の前後移動によって、軸筒12の前端から後述のリフィルのペン先が突出したり後退したりする。なお、ノック部材は、本明細書に記載された実施形態においては単一の部品から構成されているが、装飾用の部品等と共に2つ以上の部品で構成される場合もある。
本実施形態の多芯式筆記具11には、ボールペン用の4つのノック部材18と、シャープペンシル用の1つのノック部材19とが組み込まれる。ノック部材18を収容する窓孔17は、ノック部材19を収容する窓孔17よりも、中心軸線Xに沿った方向に短い。シャープペンシル用のノック部材19の後端には例えばクリップ(図示せず)が装着されてよい。ノック部材18、19は、相互に異なる形状を有するものの、ほぼ同様の構造を有する。以下、本明細書ではボールペン用のノック部材18について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具11の構造を概略的に示す縦断面図である。図2から明らかなように、多芯式筆記具11は、ノック部材18の前端に後端で連結されるリフィル21を備える。なお、図2では1つのリフィル21のみを示す。リフィル21は例えばボールペンリフィルである。リフィル21は、円筒状のチューブ21aと、チューブ21aの前端に取り付けられる台座21bと、を備える。台座21bの前端にチップ21cが組み込まれる。チューブ21a内にはインクが充填される。チューブ21aは例えば樹脂材料から形成される。チューブ21aの後端にはノック部材18の前端から突き出る取付部22が挿入される。
図3は、本発明の一実施形態に係る多芯式筆記具11の構造を概略的に示す部分破断斜視図である。図3ではリフィル21の図示を省略する。軸筒12内には、ノック部材18の前端よりも前方で例えば円柱状のスペーサ23が配置される。スペーサ23は後軸14の内周面に固定される。スペーサ23は、円柱状のスペーサ本体24と、スペーサ本体24の前端から後端まで中心軸線Xに平行に延びる複数の貫通孔25と、を備える。各貫通孔25はリフィル21をそれぞれ受け入れる。スペーサ本体24の後端面から中心軸線Xに沿って後方にツノ部26が突出する。貫通孔25はツノ部26の周りに等間隔に配列される。スペーサ本体24の後端面において、各貫通孔25と、軸筒12、すなわち後軸14との間には一対のガイド突起40が配置される。ガイド突起40の機能については、図13を参照しながら説明する。スペーサ23は例えば樹脂材料から一体成形によって形成される。
スペーサ23のスペーサ本体24の後端面とノック部材18の前端面との間にはコイルばね27が挟み込まれる。コイルばね27の一方の端部は、貫通孔25の開口を包囲するように配置される。コイルばね27の他方の端部は、ノック部材18の前端部を収容する。コイルばね27内にはリフィル21(図示せず)が挿入される。コイルばね27は、スペーサ23とノック部材18とを相互に遠ざける方向に弾性力を発揮する。この弾性力の働きで、ノック部材18は後軸14の後端に向かって押し付けられた状態で維持される。コイルばね27はスペーサ23のツノ部26の周りに配置される。ツノ部26は、その湾曲した外周面である規制面26aと後軸14の内周面との間にコイルばね27を挟み込んでコイルばね27の座屈を防止する。同時に、ツノ部26は、相互に隣接するコイルばね27、27同士の絡み合いを防止する。
図2及び図3を参照すると、ノック部材18は、軸筒12内に収容されて窓孔17内で露出するスライダ本体28を備える。スライダ本体28の前端面には前述の取付部22が形成される。スライダ本体28の後端面は後軸14の後端に受け止められる。スライダ本体28の上端面には突起29が形成される。突起29は、後軸14の外周面から中心軸線Xに直交する径方向に外側に向かって突き出る。突起29はスライダ本体28の後端に隣接して配置される。スライダ本体28にはその後端面から後方に平板状に突き出るタブ31が形成される。タブ31は、後軸14の後端に形成される平坦面に受け止められる。
図4は図2の4−4線に沿った拡大断面図である。図4を併せて参照すると、スライダ本体28の各側面にはスライダ本体28の後端から前端に向かって延びる1筋の突片32が形成される。突片32、32は、スライダ本体28の両側面から相互に反対向きに突出する。突片32、32は、後軸14内に形成される第1案内レール33、33上にそれぞれ支持される。第1案内レール33は中心軸線Xに平行に延びる。案内レール33は、後軸14の内壁から径方向内側に延びる5つのブロック34の側面に形成される。ブロック34は後軸14の内壁に一体化される。ブロック34は中心軸線X周りに等間隔に配列される。
相互に隣り合うブロック34、34同士の間に1つのノック部材18が配置される。ノック部材18は、相互に隣り合うブロック34、34同士の間から中心軸線Xに向かって延びる。図4から明らかなように、中心軸線Xに直交する方向に規定される窓孔17の幅は、同様に中心軸線Xに直交する方向に規定される突片32、32の両端の距離よりも小さいことから、ノック部材18の突片32は後軸14の内周面と第1案内レール33との間に挟み込まれる。その結果、窓孔17から外側にスライダ本体28すなわちノック部材18が脱落することを防止することができる。
図5は、ノック部材18の斜視図である。図2〜図5を併せて参照すると、ノック部材18は、突片32の側面から外側に突出する突部35を備える。突部35は突片32の前端に隣接して配置される。突部35は、中心軸線Xに直交する方向に突片32から相互に反対側に突出する。スライダ本体28の下端には、当該スライダ本体28の前端に隣接して配置される前側カム36と、当該スライダ本体28の後端に隣接して配置される後側カム37と、が形成される。スライダ本体28、突起29、タブ31、突片32、突部35、前側カム36及び後側カム37は一体成形によって形成される。
図2及び図5から明らかなように、前側カム36及び後側カム37の各前端には、その前端に向かうにつれてスライダ本体28の下端面に近づく傾斜端が形成される。同様に、前側カム36及び後側カム37の各後端には、その後端に向かうにつれてスライダ本体28の下端面に近づく傾斜端が形成される。その一方で、図4から明らかなように、前側カム36(及び後側カム37)は、その下端に向かうにつれて先細るテーパ形状を有する。ノック部材18は、前側カム36(及び後側カム37)の下端で隣り合うノック部材18の前側カム36(及び後側カム37)にほぼ接して配置される。
図6は、ノック部材18を概略的に示す側面図である。このノック部材18では、前側カム36の前端からリフィル21の後端までの第1距離D1は、スライダ本体28の後端から前側カム36の前端までの第2距離D2に対して例えば40%以下の大きさに設定される。リフィル21の後端の位置は、リフィル21の後端が当接するスライダ本体28の前端の位置でもある。本実施形態では、ノック部材18の第1距離D1は0.3mmに設定される一方で、第2距離D2は14.3mmに設定される。従って、第1距離D1は第2距離D2に対して2.1%の大きさに設定される。
図3から明らかなように、スペーサ23は、スペーサ本体24の後端面から後方に向かって突き出る例えば5本の支柱38を備える。相互に隣り合う支柱38、38の間にコイルばね27が配置される。支柱38は、スペーサ本体24の外縁に隣接しつつ中心軸線Xに平行、すなわち中心軸線X方向に延びる。
図7は、スペーサ23を概略的に示す斜視図であり、図8は、スペーサ23を概略的に示す正面図である。各支柱38の両側面には1対の第2案内レール39、39が形成される。図2から明らかなように、第2案内レール39は、第1案内レール33の前端よりも前方にその後端を配置する。すなわち、第2案内レール39の後端と第1案内レール33の前端との間には所定の距離が規定される。本実施形態では、各貫通孔25に対して1対のガイド突起40が配置される。各ガイド突起40は、スペーサ本体24の後端面上の外周縁に沿って配置される。また、ガイド突起40は、図8から明らかなように、貫通孔25と同心円の円弧状のガイド面40aを有する。同時に、ガイド面40aは、スペーサ本体24の後端面から後軸14の近接する内周面側へ延びるテーパ形状のテーパ面を形成する。
図9は、図2の8−8線に沿った拡大断面図である。図9ではリフィル21の図示を省略する。後軸14の内周面には、1つの支柱38に対応して1対の支持レール41、41が形成される。支持レール41は後軸14の内周面に一体的に形成される。1対の支持レール41、41が1つの支柱38を挟み込むことによって、支柱38すなわち第2案内レール39のがたつきを防止することができる。図9から明らかなように、第2案内レール39の形状は、ノック部材18の突部35を受け入れ可能に形成される。
次に、本発明に係る多芯式筆記具11の使用方法を説明する。非筆記状態の多芯式筆記具11は、図2に示すように、後端位置のノック部材18はその後端で後軸14の後端に受け止められる。例えばユーザが突起29に指を置いてコイルばね27の弾性力に抗してノック部材18を前方にスライド移動させると、突片32、32が第1案内レール33に案内されてノック部材18はスライド移動する。ノック部材18が前方に所定の距離を移動すると、図10に示すように、ノック部材18の突部35、35は第2案内レール39、39に受け入れられる。ノック部材18の前方へのスライド移動によってコイルばね27には弾性力が蓄積されていく。
ノック部材18がさらに前方にスライド移動すると、突片32、32の後端が第1案内レール33、33から離脱する。このとき、突部35は第2案内レール39に案内され続ける。図11に示すように、ノック部材18の後端側は後軸14内に入り込む。その一方で、突部35、35が第2案内レール39、39に受け止められるので、ノック部材18の前端側の後軸14内への入り込みを回避することができる。このとき、ノック部材18の後端側の入り込みによって、ノック部材18の後端面は第1案内レール33の前端に係合する。同時に、ノック部材18の後端のタブ31は第1案内レール33上に受け止められる。
こうしてノック部材18が前端位置に位置決めされると、リフィル21の台座21bの先端すなわちチップ21cが先軸13の孔15から突出する。コイルばね32には最大の弾性力が蓄積される。コイルばね32の弾性力によってノック部材18の後端は第1案内レール33の前端に押し付けられる。こうして多芯式筆記具11では筆記状態が確立される。図12から明らかなように、ノック部材18が前端位置に位置決めされても、ノック部材18の前端とスペーサ23のツノ部26との干渉は回避される。言い替えれば、スペーサ23の位置は、前端位置のノック部材18がツノ部26と干渉しないように決定されてよい。
筆記状態から非筆記状態への復帰にあたって、後端位置にある別のノック部材18を例えばユーザが前方に向かってスライド移動させると、別のノック部材18の前側カム36が、前端位置にあるノック部材18の後側カム37に接触する。その結果、前端位置にあるノック部材18の後端側は後軸14の外側に向かって移動する。こうして前端位置にあるノック部材18の後端と第1案内レール33との係合が解除される。このとき、コイルばね27の弾性力によってノック部材18は後端位置に向かって押し戻される。リフィル21の台座21bは先軸13内に収容される。こうして多芯式筆記具11は非筆記状態に復帰する。
以上のような多芯式筆記具11では、ノック部材18のスライド移動中に突部35、35が第2案内レール39、39に案内されることから、例えばノック部材18にリフィル21が取り付けられていない時、ノック部材18の前端側が後軸14内に没入することを防止することができる。同時に、コイルばね27の座屈や絡まりを防止することができる。こうした構成によれば、結果的に、従来のノック部材に比べてノック部材18の全長を飛躍的に短縮することができるので、リフィル21の長さを従来に比べて増大させることができる。その結果、リフィル21の交換の頻度を減らすことができる。
さらに、ノック部材18の全長が従来に比べて短縮することができるので、例えば従来と同様の長さのリフィル21を用いる場合であって多芯式筆記具11の長さが従来と同様の場合に、軸筒12内にノック部材18が短縮された分のスペースを確保することができる。本発明に係る多芯式筆記具11では、例えばノック部材18の後端よりも後方にこうしたスペースを確保することができる。例えばこうしたスペースには消し具やライト、USBメモリなどの様々な用途の物を収容することができる。その結果、さらに多芯式筆記具11の用途や機能を拡大させることができる。
図13は、コイルばね27の変形の様子を概略的に示す部分横断面図である。コイルばね27は、平常時、すなわち非筆記状態では、中心軸線に対して略平行に真っ直ぐ延びている。このとき、コイルばね27のスペーサ23側の端部は、貫通孔25の開口を包囲すると共にガイド突起40のガイド面40aの下部(後端面側の部分)に対して当接している。より正確には、テーパ形状のガイド面40aの下部は、僅かばかり貫通孔25寄りに配置されている。従って、コイルばね27の末端部は、ガイド面40a上に乗り上げた状態となっている。言い換えると、コイルばね27の末端部は、ガイド面40aによって貫通孔25方向(矢印S)に付勢されている。同時に、コイルばね27のガイド突起40と反対側の側面は、ツノ部26の規制面26aによって規制されている。
この状態で、ノック部材18に力(矢印F)を加えて前方にスライド移動させると、コイルばね27が収縮する。同時に、コイルばね27の末端部よりも後方の部分のコイルばね27は、ガイド突起40のガイド面40aに倣って当接し、ガイド突起40による付勢方向(矢印S)とは反対方向(矢印S’)へ移動する。従って、コイルばね27全体では、後軸14の内周面側(矢印M)へと湾曲することとなる。その結果、隣接するコイルばね27の各々は、互いに遠ざかる方向へ湾曲することとなる。従って、例えリフィルの未搭載時であっても、隣接するコイルばね27同士が絡み合うことが防止される。
以上のような多芯式筆記具では、比較的短いノック部材を用いていた。従って、支柱38が必要であった。図14は、別のスペーサ43を概略的に示す斜視図である。これは従来のタイプの多芯式筆記具でも使用できるスペーサ43である。スペーサ43は、支柱38がない点以外、上述のスペーサ23と同様である。
上述の実施形態では、スペーサ本体のガイド突起が、スペーサ本体の後端面上の外周縁に沿って配置されていた。しかしながら、コイルばねを後軸14の内周面側へ湾曲させることができる範囲において、ガイド突起の任意の配置及び形状を採用しうる。例えば、上述の実施形態における1対のガイド突起間の中央に1つだけ配置するような構成でもよく、または1対ではなく3つ以上であってもよい。また、スペーサの中心軸線寄りで移動を規制できる限り、ツノ部の代わりに別の部材、より小さい部材を用いてもよい。
11 多芯式筆記具
12 軸筒
13 先軸
14 後軸
24 スペーサ本体
25 貫通孔
27 コイルばね
40 ガイド突起
40a ガイド面
X 中心軸線

Claims (3)

  1. 中心軸線を有する筒状の軸筒と、
    該軸筒内に配置される円柱状のスペーサ本体と、
    該スペーサ本体の前端面から後端面まで中心軸線に対して平行に延びる複数の貫通孔と、
    第1の端部が前記複数の貫通孔の各々の後端面側の開口をそれぞれ包囲するように配置され且つ第2の端部が前記スペーサ本体よりも後方に延びる複数のコイルばねと、
    前記複数のコイルばねの前記第1の端部の各々の周囲に配置されたガイド突起であって、前記コイルばねの収縮時に該コイルばねに当接して該コイルばねを前記軸筒の内周面側へ湾曲させるガイド面を有するガイド突起と、
    を具備することを特徴とする多芯式筆記具。
  2. 前記ガイド突起が、前記貫通孔の前記開口と前記軸筒の前記内周面との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の多芯式筆記具。
  3. 前記ガイド面が、前記内周面側へ延びるテーパ面であることを特徴とする請求項2に記載の多芯式筆記具。
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