JP5585008B2 - 筆記具の軸筒 - Google Patents
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Description
しかし、軸筒本体の軸線から鉛直方向へ、つまり、軸筒本体の内径側から外周面へ向けて押圧した場合、前記閉鎖部材の係止部は軸筒本体との係止部の斜面に沿って内側に倒れ込んでしまい、十分な係止がなされず、前記軸筒本体から前記閉鎖部材が外れてしまう不具合が発生してしまっていた。
これらの問題の発生を恐れ、組立作業者や使用者は、前記閉鎖部材がきちんと軸筒本体に係止されているか意識、視認し、その係止状態に対して常に注意を図らなければならなかった。
前記軸筒1の軸線方向に対して前方には、雄ネジ部1eが形成されており、その雄ネジ部1eには先金2の雌ネジ部2aが螺合している。また、前記軸筒1の軸線方向に対して前方に形成されている中間段部1dを覆うように形成された2次成形グリップ1bの前端部1cには、前記先金2の後端面2bが当接している。軟質な2次成形グリップ1bに先金2を当接させることによって、その先金2の1次成形軸1aに対する緩みを防止しているのである。
前記軸筒1の外周面1fには、軸線方向に対して水平方向に、且つ、前方に位置する前記2次成形グリップ1bを跨ぐように、軸筒1の中央付近に大きく窓孔1gが形成されている。その窓孔1gは、細長い楕円形状をなしていて、且つ、デザインの制約上、前後に方向性がある。具体的には、巾が1に対して長手方向の長さが10となっている。また、その窓孔1gには、相似形ではあるものの若干小形な窓部材3が嵌め込まれている。この嵌め合いは、窓孔1gの長手方向における内側面に形成された嵌め合い部1hと窓部材3の長手方向における外側面に形成された嵌め合い部3aとによってなされている。その窓部材3は、幅方向の断面形状において、中央部が膨出した半円弧状をなしている。窓部材3を半透明状な樹脂材質から成形することによって、レンズ効果が発生し、1次成形軸1a内に収納されるボールペンリフィールやシャープペンシルユニットなどの視認性が向上するのである。
詳しく説明すると、前記軸筒1の窓孔1gの嵌め合い部1hには、長方形状の突起部1iが設けられているが、その突起部1iは軸線に対して前方の左右と後方の左右の計4ケ所に設けられている。一方、前記窓部材3には、前記突起部1iと相似形ではあるものの若干大形な凹状の係止部3bが形成されており、前記突起部1iを嵌め込んでいる。若干大形な凹状の係止部3bと言っても、前記軸筒1の軸線に対して鉛直方向の隙間を0.02mm〜0.20mmに設定している。即ち、係止部3bと突起部1hとの隙間は、鉛直方向において、0.02mm〜0.20mmとなっている。この設定により、筆記などの使用中に前記軸筒1と前記窓部材3が接触する時、つまり、窓部材3が撓んだり、復元したりする時に発生する音が極力抑えられ、且つ、前記窓部材3が前記窓孔1gから前記軸筒1の軸線に対して鉛直方向に抜けないようになっている。
また、前記係止部3bの下部は、1次成形軸1aの中心方向に向かって延設されており、1次成形軸1の内面から突出している(突出部3c)。
更に、前記窓孔1gの嵌め合い部1hの前端部と後端部には、前記軸筒1の軸線に対して前後の方向に突出した突起部1jが形成されている。そして、前記窓孔1gの嵌め合い部1hの内側面に設けた隣り合う突起部1i間には、突起部1kが形成されており、その突起部1kは、対向する位置にも形成されている。一方、前記窓部材3の嵌め合い部3aの前端部と後端部には、切り欠き部3dが形成されており、また、長手方向の側面の左右にも切り欠き部3eが形成されている。そして、それら突起部1jが切り欠き部3dに当接しており、突起部1kも切り欠き部3eに当接している。
ちなみに、前記窓孔1gと、その窓孔1gに対して相似形ではあるものの小形な窓部材3との嵌め合い部分には、若干の隙間が形成されているが、その隙間は片側で0.03mm〜0.30mmを設定している。その理由として、筆記時などの使用中、前記軸筒1と前記窓部材3に小さな撓みが出ることは、前述の通りであるが、この時、前記隙間が0.03mmより小さいと、軸筒1の嵌め合い部1hと窓部材3の嵌め合い部3aとの間で擦れが生じ、その擦れによって擦れ音が発生してしまうからである。ちなみに、前記隙間が0.30mmを超えてしまうと、その隙間が目立ってしまい、デザイン性が損なわれてしまう。
図7に示す例は、突起部1iの形状を二等辺三角形状にした例であり、図8に示す例は、下方に向けて傾斜させたくさび状の突起部1iになっている。くさび状にすることによって、装着しやすくなると共に、抜けにくくなっている。また、図9に示す例は、図8に示す例とは逆側方向にくさび状に形成した例である。一見抜けやすい様に見えるが、抜けようとすると、傾斜面によって復帰させようとする作用が発生し、ある一定の力を付与しないと抜けないのである。図10に示す例は、突起部1iの形状を台形状にした例であり、図11に示すように半円状にしても良い。そして、さらには、軸筒に係止部を形成する一方、窓部材には突起部を形成しても良い。更に、抜け落ちや撓み防止用として上記形状を2種類以上組み合わせて使用しても良い。尚、着脱する時の構成としては、特に、台形状や半円状が好ましい。
また、前例においては、軸筒1を色付き不透明樹脂、窓部材3を透明樹脂で成形しているが、それらを逆転させても良く、さらには、不透明樹脂同士や透明樹脂同士でも適宜選択可能である。
尚、前例においては、1次成形品1の成形性を向上させるため、その1次成形品1の中間部に貫通孔1mが形成されている。即ち、1次成形品を成形する際、その1次成形品の中空部を形成するために、コアピンが挿入されるが、そのコアピンが流入する樹脂の圧力によって曲がらないように、金型本体に固定されたピンによって前記のコアピンが支えられるのである。そのピンによって形成される貫通孔1mである。
ちなみに、前例においては、1次成形軸1a内にシャープペンシルユニットを収納しているが、ボールペンリフィールなどであっても良い。次に、そのシャープペンシルユニットについて、簡単に説明する。1次成形軸1a内には、芯を複数収納する芯タンク4が前後動可能に配置されており、その芯タンク4の前端には、芯の把時・開放を行うチャック体5が固定されている。そのチャック体5の前方外周には、チャック体5の開閉を行うチャックリング6が囲繞している。また、そのチャック体5の前方には、前記先金2内を摺動するスライダー7が前後動可能に配置されており、そのスライダー7の内面には、繰り出された芯の後退を阻止するゴム状弾性体からなる芯戻り止め部材8が固定されている。符号9は、前記チャック体5や芯タンク4を後方に向けて付勢するコイルスプリングなどの弾撥部材である。また、その芯タンク4の後方には、消しゴム受け部材10が嵌め込まれており、その消しゴム受け部材10の後端部には、消しゴム11が着脱自在に取り付けられている。この消しゴム11を下方に向けて押圧することによって、芯の繰り出しがなされるのである。尚、本例においては、前記芯タンク4にコイルスプリング12が前後動可能に囲繞している。即ち、1次成形軸1を上下に振ることによって、コイルスプリング12も上下動し、このコイルスプリング12の移動によっても芯の繰り出しが行えるようになっているのである。
1a 1次成形軸
1b 2次成形グリップ
1c 前端部
1d 中間段部
1e 雄ネジ部
1f 外周面
1g 窓孔
1h 嵌め合い部
1i 突起部
1j 突起部
1k 突起部
1l 角部
1m 貫通孔
1n 延設部
2 先金
2a 雌ネジ部
2b 後端面
3 窓部材
3a 嵌め合い部
3b 係止部
3c 突出部
3d 切り欠き部
3e 切り欠き部
3f 面
3g 斜面
4 芯タンク
5 チャック体
6 チャックリング
7 スライダー
8 芯戻り止め部材
9 弾撥部材
10 消しゴム受け部材
11 消しゴム
12 コイルスプリング
Claims (3)
- 軸筒本体の側面に窓孔が設けられ、その窓孔に窓部材が装着された軸筒であって、前記窓孔の軸筒長手方向における内側面に設けた嵌め合い部と前記窓部材の長手方向における外側面に設けた嵌め合い部に、突起部と、その突起部に嵌り合う係止部を複数形成すると共に、前記窓部材の嵌め合い部の端部及び長手方向の外側面に切り欠き部を複数設け、その切り欠き部と当接する突起部を前記窓孔の内側面に設けた嵌め合い部に複数形成した筆記具の軸筒。
- 前記窓孔と窓部材の嵌め合い部に隙間を形成した請求項1記載の筆記具の軸筒。
- 前記突起部の大きさを係止部の大きさよりも小さくした請求項1、或いは、請求項2に記載の筆記具の軸筒。
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