JP5870855B2 - 隙隠し構造 - Google Patents

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Description

本発明は、隙隠し構造に関する。詳しくは、車両用シートの表皮カバーに隣る隙間を外部に対して覆い隠す覆隠部を備える隙隠し構造に関する。
従来、車両用シートに形成される隙形状を隠すための構成として、シート表面に被覆される表皮カバーに別のカバー部材を縫合して、このカバー部材により隙形状を覆い隠すようにした技術が知られている(特許文献1)。上記カバー部材は、表皮材と表皮材との間の継ぎ目に共縫いされて、隙形状を覆うように張り出した状態として設けられている。
特開平6−278571号公報
しかし、上記特許文献1に開示された従来技術では、カバー部材が表皮材と表皮材との間の継ぎ目に縫合される別部材の構成となっているため、部品点数の増大を招くと共に、設置箇所が制約されやすくなるという問題がある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、部品点数を増大させることなく、自由な位置に設定しやすい隙隠し構造を提案することにある。
上記課題を解決するために、本発明の隙隠し構造は次の手段をとる。
第1の発明は、車両用シートの表皮カバーに隣る隙間を外部に対して覆い隠す覆隠部を備える隙隠し構造である。覆隠部が、表皮カバーを構成する面材の中間面部を面外方向に屈曲させて形成した屈曲部と、屈曲部を隙間内に突出させた状態に保持する保持部と、から構成されている。
この第1の発明によれば、表皮カバーを構成する面材自体を用いて、表皮カバーに隣る隙間を外部に対して覆い隠す覆隠部を形成することができる。この覆隠部は、面材の中間面部を面外方向に屈曲させて形成する屈曲部と、屈曲部を隙間内に突出させた状態に保持する保持部と、から成る構成であるため、部品点数を増大させることなく、比較的自由な位置に設定することができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、屈曲部が次のように形成されているものである。すなわち、中間面部を一の面外方向に屈曲させてその屈曲させた屈曲面同士を互いに重ね合わせて互いの突出した両サイドの縁部同士を縫合することで中間面部を袋状に形成し、この袋状の中間面部を袋内に通して反対側の面外方向に突出させるように裏返すことにより屈曲部が形成されている。
この第2の発明によれば、屈曲部を上記のように中間面部を袋状に形成した後に裏返して形成することにより、袋状にする際に縫合した両サイドの縁部の縫合部位が裏返されて外部から見えなくなる。また、上記の縫合部位は、屈曲部を隙間内に突出させた状態に保持する保持部として機能するものとなる。このように、屈曲部を隙間内に突出させた状態に保持する保持部を見栄え良く形成することができる。
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、保持部が、屈曲部の屈曲した2枚の屈曲面の根本側の縁部同士を縫合する構成とされたものである。
この第3の発明によれば、中間面部から面外方向に屈曲されることで互いに内向する側に撓む2枚の屈曲面の根元側の縁部同士を縫合することにより、これら屈曲面同士が互いに寄り添うように重ね合わされて一体的に結合された状態となる。これにより、屈曲部の自立性及び形状安定性を更に高めることができる。
実施例1の隙隠し構造が採用された車両用シートの概略構成を表す平面図である。 車両用シートの斜視図である。 車両用シートの要部拡大斜視図である。 図2のIV-IV線断面図である。 カバー部材に屈曲部を形成する前の最初の状態を表した斜視図である。 図5の状態からカバー部材を半分に折り畳んで一部を縫合した状態を表した斜視図である。 図6の状態からカバー部材を広げた状態を表した斜視図である。 図7の状態からカバー部材の袋状の中間面部を奥側へ押し込んで裏返した状態を表した斜視図である。 図8の状態からカバー部材の突出部を図示手前側に向けて表した斜視図である。 図9の状態からカバー部材の突出部の根本側の縁部同士を縫合した状態を表した斜視図である。 実施例2の隙隠し構造を備えた車両用シートの概略構成を表す断面図である。 他の実施例として示した隙隠し構造を備えた車両用シートの概略構成を表す平面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の隙隠し構造について、図1〜図10を用いて説明する。本実施例の隙隠し構造は、図1に示すように、自動車の運転席シート1に設けられており、運転席シート1とその車両内側(図1の左側)に隣るセンターコンソールCとの間の隙間Aを外部に対して覆い隠すための覆隠部11を備えた構成となっている。ここで、運転席シート1が本発明の「車両用シート」に相当する。上記運転席シート1は、図2に示すように、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭凭れとなるヘッドレスト4と、を備える。
シートバック2は、その内部の骨格を成す正面視逆U字型(図示省略)に組まれたバックフレーム2Aの前部に、発泡ウレタン製のマット型のバックパッド2Bが組み付けられ、更にその表面全体を覆うように布製の表皮カバー2Cが被せ付けられた構成となっている。シートクッション3も同様に、その内部の骨格を成す平面視逆U字型(図示省略)に組まれたクッションフレーム3Aの上部に、発泡ウレタン製のマット型のクッションパッド3Bが組み付けられ、更にその表面全体を覆うように布製の表皮カバー3Cが被せ付けられた構成となっている。
上述した運転席シート1は、その車両内側(図2の右側)の側部に、図示しないシートベルト装置の使用時に、着座乗員の身体に掛けられるウェビングに通されたタングを装着するためのバックル5が設けられている。上記バックル5は、図4に示すように、その根本部に備付けられた金属製のプレート5Aを介して、クッションフレーム3Aの車両内側のサイドフレーム3A1の後端部にボルト5B・ナット5Cの締結具により締結されて設けられている。詳しくは、上記バックル5のプレート5Aは、シートクッション3の車両内側のサイドフレーム3A1の外側の面(図4の左側の面)にあてがわれて、サイドフレーム3A1の内側(図示右側)から外側(図示左側)へ挿通されるボルト5Bの脚部5B1に通されて、同脚部5B1に螺合されるナット5Cによりサイドフレーム3A1に締め付けられて固定された状態とされている。
図2〜図3に示すように、上述したシートクッション3の左右両サイドの後端部には、図示しないリクライニング装置を介して、シートバック2の左右両サイドの下端部が連結されている。この連結により、シートバック2がシートクッション3に対して背凭れ角度の調節が行える状態に連結された状態とされている。上記連結部となるシートクッション3の左右両サイドの後端部には、樹脂製のシールド7が外側から装着されて、同部が被覆保護された状態とされている。
シートクッション3の車両内側の側面は、上述した布製の表皮カバー3Cにより、その着座面側となる上面側から下面側に亘って外側から広く覆い被された状態となっている。詳しくは、上記側面のうち、上述したバックル5のプレート5Aが配設された領域を覆う側面箇所は、表皮カバー3Cよりも厚手の耐久性の高いカーペット材10により覆い被されている。ここで、カーペット材10が、本発明の「表皮カバーを構成する面材」に相当する。
上記厚手のカーペット材10によってバックル5のプレート5Aの配設箇所が外側から覆い被されていることにより、上述したプレート5Aの他、上述したボルト5B・ナット5Cの角張った内部の形状が外部に尖り出ないように被覆保護された状態とされている。そして、本実施例では、上記カーペット材10に、その車両内側に隣るセンターコンソールCとの間の隙間Aを覆い隠すための覆隠部11が形成されている。上記覆隠部11は、カーペット材10の中間面部12を外側(車両内側)に屈曲させて形成した屈曲部11Aと、屈曲部11Aを屈曲させた形状状態に保持する保持部(第1の縫合部位11B及び第2の縫合部位11C)と、から構成されている。ここで、第1の縫合部位11B及び第2の縫合部位11Cが、それぞれ本発明「保持部」に相当する。
上記覆隠部11は、カーペット材10の中間部から外側(車両内側)に真っ直ぐひれ状に突出する形に形成されており、シート前後方向に長尺状に延びる形に形成されている。上記覆隠部11は、カーペット材10から折り曲げられて形成されていることや、屈曲部11Aが後述するように袋状に形成されて、第1の縫合部位11Bや第2の縫合部位11Cによって所定箇所が縫合された構成となっていることにより、自由状態において、そのひれ状に突出した姿勢形状を維持可能な自立性(剛性)を備えた構成とされている。
上記カーペット材10は、図2〜図3に示すように、その上縁部の中央を残す各周縁部が、上述した表皮カバー3Cを構成する他の表皮材の周縁部と縫合されて、互いに連続した1枚に繋ぎ合わされた状態とされている。上述したバックル5は、上述したカーペット材10の開口した上方中央部から外部に露出して設けられている。以下、上述したカーペット材10に覆隠部11を形成する方法について、図5〜図10を用いて詳しく説明する。なお、以下の説明では、覆隠部11の形成方法を分かりやすく説明するために、カーペット材10の面形状を単純な矩形形状に簡略化して説明することとする。
図5に示すように、先ず、カーペット材10の覆隠部11を形成する中間面部12に対し、その前後両サイド(図示左右両サイド)から中央付近まで、横長状の切り込みを入れて、短冊状の切り抜き孔12A,12Aを形成する。各切り抜き孔12A,12Aは、中間面部12の両サイドから中央付近まで、一定の高さ幅となる横長な短冊形状に切り込まれており、中央側の各端部が、三角形の先細り状に切り込まれた形状となっている。これら切り抜き孔12A,12Aの間に残された中央部分が、後に屈曲部11Aとして形成される部分である。
次に、上記各切り抜き孔12A,12Aの先細り状の先端部間を繋ぐラインを折り線12Bとして、カーペット材10を上下方向に山折りして、中間面部12を半分に折り畳む(図6参照)。これにより、中間面部12が、半分に折り重ねられたカーペット材10の上縁部に台形状に突出した形となって形成される。次に、図6に示すように、上記カーペット材10の半分に折り重ねられた各面の各切り抜き孔12A,12Aに臨む上縁部同士を、これらの周縁形状に沿って隙間なく縫合する(第1の縫合部位11B)。具体的には、上記の縫合は、上述した台形状に突出する中間面部12の折り重ねられた各屈曲面12C,12Cの両サイドの縁部(「台形」の両斜面を成す各縁部)同士も隙間なく縫合するようにするように行われる。この縫合により、上述した台形状に突出する中間面部12が、その両サイドの縫合された縁部(「台形」の両斜面を成す各縁部)を側部とする袋状に形作られた状態となる。
次に、図7に示すように、上述した半分に折り畳んだカーペット材10を元の状態に広げる。これにより、上述した袋状に形作られた中間面部12が、カーペット材10に対して図示手前方向(面外方向D2)に突出した状態となって形成される。次に、上記袋状の中間面部12を、袋内に押し込んで反対側の面外方向D1に突出させるように裏返す(図8参照)。これにより、図9に示すように、上述した袋状に裏返された中間面部12が、上述した第1の縫合部位11Bの縫合ラインが外部から見えない面外方向D1側に突出した状態となり、カーペット材10の中間部に、第1の縫合部位11Bの縫合ラインの見えない袋状に突出した屈曲部11Aが形成された状態となる。
次に、図10に示すように、上記袋状に形成した屈曲部11Aの構成面である2枚の屈曲面12C,12Cの根本側の縁部同士を互いに縫合する(第2の縫合部位11C)。ここで、各屈曲面12C,12Cは、カーペット材10からそれぞれ面外方向D1に屈曲されることで、互いに内向する側(接近する側)に撓む面構成となっている。したがって、これら屈曲面12C,12Cのカーペット材10から屈曲された根本側の屈曲ライン12Dに近い根本側の縁部同士を互いに寄り添わせるように重ね合わせた状態で結合(縫合)することにより、2枚の屈曲面12C,12Cが互いに重ね合わされた状態に一体化されて、屈曲部11Aが自立性及び形状安定性が高められた厚手のひれ形状となって形成された状態となる。以上の手順により、カーペット材10から屈曲して突出する屈曲部11Aと、屈曲部11Aを屈曲させた形状状態に保持する保持部(第1の縫合部位11B及び第2の縫合部位11C)と、から成る覆隠部11が形成されている。
上記形成された覆隠部11は、図4に示すように、シートクッション3の車両内側の側部とセンターコンソールCとの間の隙間A内に突出して、この隙間Aを外部に対して覆い隠した状態となる。具体的には、本実施例におけるセンターコンソールCは、シートクッション3の上面高さよりも低い高さ位置に配置された状態とされており、このセンターコンソールC上の凹部Ca内に嵌め込まれて設置されるコンパクトディスクなどの設置物Tが、シートクッション3の車両内側の側面とシート幅方向に隙間Aを空けて対面した状態となっている。そして、上記覆隠部11は、上記シートクッション3の車両内側の側面とセンターコンソールC上の設置物Tの側面との間の隙間A内に張り出した状態として、上方側に面を向けてこの隙間Aを覆い隠した状態となっている。これにより、上記隙間Aが外部から見えないようになっていると共に、隙間A内にライター等の小物が落下したり指が入れられたりしにくいようになっている。
詳しくは、上記覆隠部11は、上述した図示しないシートベルト装置のバックル5のプレート5Aをシートクッション3の車両内側のサイドフレーム3A1に締結するボルト5B・ナット5Cの締結具の締結位置よりも僅かに高い位置で、かつ、上記締結位置を前後方向に跨る位置に配置された状態とされている。これにより、使用者が上記隙間A内に指を入れて、覆隠部11が下側に押し撓まされた際に、覆隠部11が、ボルト5B・ナット5Cの締結具を覆う下側のカーペット材10に折り重なるように3重に畳み込まれた状態となり、ボルト5B・ナット5Cの角張った内部形状の異物感が、3重に重ねられた厚手のカバー構造によって感じられにくくなっている(同図の仮想線状態)。併せて、ボルト5B・ナット5Cの角張った内部形状による危害性の抑止効果も高められている。また、覆隠部11が運転席シート1に車両内側に突出した状態として設けられていることにより、運転席シート1をシートクッション3とフロアとの間に配設されたスライド装置6の動作によって、フロアに対して前後移動させても、上述した隙間Aを覆った状態(ボルト5B・ナット5Cによる締結位置を覆った状態)を一定に保つことができる。
このように、本実施例の隙隠し構造によれば、表皮カバー3Cを構成する面材(カーペット材10)を用いて、表皮カバー3Cに隣る隙間Aを外部に対して覆い隠す覆隠部11を形成することができる。この覆隠部11は、カーペット材10の中間面部12を面外方向D1に屈曲させて形成する屈曲部11Aと、屈曲部11Aを隙間A内に突出させた状態に保持する保持部(第1の縫合部位11B及び第2の縫合部位11C)と、から成る構成であるため、部品点数を増大させることなく、比較的自由な位置に設定することができる。
また、前述したしたように、屈曲部11Aを中間面部12を袋状に形成した後に裏返して形成することにより、袋状にする際に縫合した両サイドの縁部の縫合部位(第1の縫合部位11B)が裏返されて外部から見えなくなる。また、上記第1の縫合部位11Bは、袋状の屈曲部11Aを隙間A内に突出させた状態に保持する保持部として機能するものとなる。このように、屈曲部11Aを隙間A内に突出させた状態に保持する保持部を見栄え良く形成することができる。
また、カーペット材10の中間面部12から面外方向D1に屈曲されることで互いに内向する側に撓む2枚の屈曲面12C,12Cの根元側の縁部同士を縫合(第2の縫合部位11C)することにより、これら屈曲面12C,12C同士が互いに寄り添うように重ね合わされて一体的に結合された状態となる。これにより、屈曲部11Aの自立性及び形状安定性を更に高めることができる。
このように、本発明の隙隠し構造は、運転席シート1の表皮カバー3Cに隣る隙間Aを外部に対して覆い隠すものとして、被覆対象となる隙間Aに臨む運転席シート1の車両内側の側部に被覆されるカーペット材10の適宜箇所(中間面部12)を外側に屈曲させて覆隠部11を形成することで簡便に設定することができる。
続いて、実施例2の隙隠し構造について、図11を用いて説明する。なお、以下の説明では、実施例1で説明した隙隠し構造と同一の構成及び作用を奏する箇所については同一の符号を付して説明を省略し、構成の異なる箇所について詳しく説明することとする。本実施例の隙隠し構造は、実施例1で説明した隙隠し構造と同様に、運転席シート1の車両内側の側部に被せられたカーペット材10の中間面部12を外側(車両内側)に屈曲させることで形成した覆隠部11によって、運転席シート1の車両内側の側面と、センターコンソールCと、の間に形成される隙間Aを外部に対して被覆する構成となっている。ここで、運転席シート1が本発明の「車両用シート」に相当し、カーペット材10が本発明の「表皮カバーを構成する面材」に相当する。
なお、本実施例では、上記実施例1で示した構成とは異なり、センターコンソールCがシートクッション3の上面高さよりも高い位置まで突出して設けられており、覆隠部11が、図示しないシートベルト装置のバックル5が配設されていない領域に配置設定された構成となっている。このように、本発明の隙隠し構造は、運転席シート1の表皮カバー3Cに隣る隙間Aを外部に対して覆い隠すものとして、被覆対象となる隙間Aに臨む運転席シート1の車両内側の側部に被覆されるカーペット材10の適宜箇所(中間面部12)を外側に屈曲させて覆隠部11を形成することで簡便に設定することができる。
以上、本発明の実施形態を2つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、上記各実施例では、本発明の「隙隠し構造」を運転席シート1に適用した構成を例示したが、隙隠し構造は、助手席シートやリヤシート等の他のシートにも適用可能である。また、上記各実施例では、隙隠し構造として、運転席シート1の車両内側の側部とセンターコンソールC(設置物T)との間に形成される隙間Aを被覆するものを例示したが、「車両用シートの表皮カバーに隣る隙間」であれば、他の隙間を隠すためのものとして適用可能である。
具体的には、例えば、図12に示すように、互いに隣り合って配設されるリヤシート1’,1’のシートバック2’,2’間やシートクッション3’,3’間に形成される各隙間を外部に対して覆い隠すように覆隠部11’,11’を設けてもよい。各覆隠部11’,11’は、隣り合うシートバック2’,2’間やシートクッション3’,3’間のうちの一方の側面に形成されていればよいが、両方の側面にそれぞれ形成されていてもよい。両方の側面にそれぞれ形成されることにより、隙間をより良好に覆い隠すことができる。各覆隠部11’,11’は、上述したシートバック2’,2’間やシートクッション3’,3’間におけるどの位置に設けられていてもよいが、隙間内の比較的浅い位置に設けられることにより、隙間の奥行きが良好に覆い隠されるようになる。また、覆隠部11’,11’が隙間内の比較的深い位置に設けられることにより、覆隠部11’,11’の形状自体が見えにくくなるため、隙隠し構造をより見栄え良く配設することができる。
また、図12に示すように、上記リヤシート1’と車両の側壁Wとの間に形成される隙間を覆い隠すように覆隠部11’を設けてもよい。同図に示す例では、覆隠部11’は、リヤシート1’のシートバック2’の車両外側の側面に外側に突出するように形成されている。この場合も、覆隠部11’は、上記隙間内におけるどの位置に設けられていてもよいが、隙間内の比較的浅い位置に設けられることにより、隙間の奥行きが良好に覆い隠されるようになる。また、覆隠部11’が隙間内の比較的深い位置に設けられることにより、覆隠部11’の形状自体が見えにくくなるため、隙隠し構造をより見栄え良く配設することができる。また、上記構成において、リヤシート1’のシートクッション3’とその車両外側の乗降ドアとの間に形成される隙間を覆うように覆隠部を設けてもよい。こうすることにより、乗降ドアが閉められた状態時に、リヤシート1’のシートクッション3’とその車両外側の乗降ドアとの間に形成される隙間を覆い隠すことができる。
また、その他にも、本発明の隙隠し構造は、車両用シートにおいて、ヘッドレストがシートバックに対して前側に倒し込み可能に構成されたもの(特開2011−036540号公報等の文献に開示されたもの)において、ヘッドレストの倒し込み時にヘッドレストステーを通せるようにシートバックに形成された通し用のスリットを覆い隠すように設けられたものであってもよい。すなわち、本発明の隙隠し構造は、車両用シートの表皮カバーに隣る隙間を外部に対して覆い隠す覆隠部を備えるように構成されるものであればよく、上記例示した適用箇所以外にも、広く様々な箇所に適用することができるものである。
また、上記実施例では、覆隠部11を構成する屈曲部11Aとして、カーペット材10(面材)の中間面部12を面外方向D1に屈曲させて袋状に縫合する(第1の縫合部位11B)と共に、その屈曲した根本側の縁部を袋を閉じるように縫合して(第2の縫合部位11C)形成したものを例示したが、覆隠部は、その他の形態で形成することもできる。例えば、覆隠部が形成される表皮カバーを構成する面材は、上記実施例で示したような厚手のカーペット材10でなくてもよく、織物や編物等の布帛から成る面材や合成皮革や人工皮革等の皮製の面材であってもよい。また、覆隠部の自立性を高めるために、袋状に形成される覆隠部の袋の中に更に綿材や芯材等を詰めてもよい。
また、覆隠部は袋状になっていなくてもよく、単に、面材の中間面部を面外方向に屈曲させることで折り畳まれた形に形成されるものであってもよい。また、屈曲部を表皮カバーに隣る隙間内に突出させた状態に保持する保持部として、上記実施例では、「縫合」を例示したが、縫合以外の吊込み手段や接着手段や結束手段を用いた結合により、屈曲部を表皮カバーに隣る隙間内に突出させた状態に保持する構成であってもよい。また、表皮カバーにおける覆隠部の形成箇所は、表皮カバーを構成する面材の中間面部を面外方向に屈曲させて屈曲部を形成することができる箇所であればよく、中央に近い領域であっても縁部に近い領域であってもよい。
1 運転席シート(車両用シート)
1’ リヤシート(車両用シート)
2 シートバック
2’ シートバック
2A バックフレーム
2B バックパッド
2C 表皮カバー
3 シートクッション
3’ シートクッション
3A クッションフレーム
3A1 サイドフレーム
3B クッションパッド
3C 表皮カバー
4 ヘッドレスト
5 バックル
5A プレート
5B ボルト
5B1 脚部
5C ナット
6 スライド装置
7 シールド
10 カーペット材(表皮カバーを構成する面材)
11 覆隠部
11’ 覆隠部
11A 屈曲部
11B 第1の縫合部位(保持部)
11C 第2の縫合部位(保持部)
12 中間面部
12A 切り抜き孔
12B 折り線
12C 屈曲面
12D 屈曲ライン
C センターコンソール
Ca 凹部
T 設置物
D1 面外方向
D2 面外方向
A 隙間
W 側壁

Claims (2)

  1. 車両用シートの表皮カバーに隣る隙間を外部に対して覆い隠す覆隠部を備える隙隠し構造であって、
    前記覆隠部が、
    前記表皮カバーを構成する面材の中間面部に形成された面外方向に屈曲する屈曲部と、
    該屈曲部を前記隙間内に突出させた状態に保持する保持部と、から構成されており、
    前記屈曲部が、前記中間面部から一の面外方向に屈曲する2枚の屈曲面の両サイドの縁部同士の縫合部により袋状とされ、かつ、反対側の面外方向に突出する裏返し状の形とされた構成となっていることを特徴とする隙隠し構造。
  2. 請求項1に記載の隙隠し構造であって、
    前記保持部が、前記屈曲部の屈曲した2枚の屈曲面の根本側の縁部同士の縫合部により構成されている隙隠し構造。
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