JP7244755B2 - 車両用シート - Google Patents
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そして、硬質フェルトは、各サイドカバーとバックカバーとの間に介在した状態となっているため、各サイドカバーとバックカバーとの間に生じる隙間を塞ぎ、各サイドカバーの内部に異物が入り込むことを抑制している。
そのため、車両用シートにおけるシート本体を被覆する表皮に対して直接、異物が入り込むことを抑制する部材を設けたいという要望があった。
前記表皮の端縁部には、当該端縁部の厚みを増すための厚み増し部が設けられていることを特徴とする。
前記厚み増し部は、前記表皮と前記クッションパッドとの間に位置し、前記クッションパッドに密着していることを特徴とする。
前記連結部は、前記一方側表皮及び前記他方側表皮に沿って設けられ、かつ前記一方側表皮と前記他方側表皮の並び方向と直交する方向に長尺に形成されており、
前記厚み増し部は、前記連結部と重ならない位置であって、かつ前記連結部における長さ方向の外側に配置されていることを特徴とする。
前記一方側表皮は、前記他方側表皮よりも厚みが薄く設定され、
前記表皮は、前記一方側表皮と前記連結部の角部との間に設けられて前記一方側表皮の厚みを部分的に厚くする補助表皮を有し、
前記厚み増し部は、前記補助表皮とは別部材として形成されていることを特徴とする。
前記厚み増し部は、前記表皮と前記クッションパッドとの間であって、かつ前記クッションパッドの端部に位置し、
前記表皮は、前記厚み増し部及び前記クッションパッドの端部を被覆するとともに、前記厚み増し部を回り込んで前記クッションパッドにおける前記厚み増し部側とは反対側の面に引き込まれる隠し用表皮を有することを特徴とする。
前記表皮は、基端部が前記表皮のうち前記厚み増し部の近傍に設けられ、先端部が前記シートフレームに係止される係止部を有することを特徴とする。
前記表皮の側縁部は、前記カバーの縁に沿って配置されていることを特徴とする。
さらに、厚み増し部によって異物が入り込むことを抑制できるので、カバーの有無に左右されずに車両用シートの設計ができる。そのため、車両用シートにおける設計自由度を向上させることができる。
さらに、厚み増し部は、補助表皮とは別部材として形成されているので、厚み増し部と補助表皮とを繋ぐ他の部材を省略することができ、コストの削減を図ることができる。
また、シートバック3,4の上端部には、人の頭部を支持するヘッドレスト3a,4aがそれぞれ設けられている。
このようなシートクッション2は、骨格となるシートクッションフレーム(図示省略)と、シートクッションフレームを被覆するように設けられたクッションパッド21と、シートクッションフレーム及びクッションパッド21を被覆する表皮22と、から主に構成されている(図4~図6参照)。
シートクッション2におけるクッションパッド21は、人の臀部及び腰部が載せられる上面側はもちろんのこと、両側面や背面側にも設けられている。
第一シートバック3は、骨格となるシートバックフレーム30と、シートバックフレーム30を被覆するように設けられたクッションパッド31と、シートバックフレーム30及びクッションパッド31を被覆する表皮32と、から主に構成されている(図8参照)。
第二シートバック4も、第一シートバック3と同様に、シートバックフレーム(図示省略)と、クッションパッド(図示省略)と、表皮42と、から主に構成されている。
また、複数のブラケットのうち、シートクッション2における左右方向の外側に設けられたブラケットは、高剛性のピボットブラケットとされている。
また、第二シートバック4の上端部左側(着座者の左肩側)には、第二シートバック4におけるリクライニング機構を操作するための操作部4bが設けられている。
カバー5,6には、第一シートバック3の角度を調整するためのリクライニング機構におけるリクライニングブラケットと、第二シートバック4の角度を調整するためのリクライニング機構におけるリクライニングブラケットと、を被覆するセンターカバー5が含まれている。すなわち、センターカバー5は、第一シートバック3側と第二シートバック4側とで共有され、双方のリクライニングブラケットを被覆した状態となっている。
また、カバー5,6には、左側の第一シートバック3における左側面を支持する位置に設けられたピボットブラケットと、右側の第二シートバック4における右側面を支持する位置に設けられたピボットブラケットと、を被覆するサイドカバー6が含まれている。
また、センターカバー5は、図1に示すように、上部が第一シートバック3と第二シートバック4との間に位置して設けられている。
第一シートバック3における表皮32及び第二シートバック4における表皮42のうち背面に位置する表皮32a,42aは、その下端部が、シートクッション2における表皮22のうち背面に位置する表皮22aの上端部に対して被せられた状態となっている。
すなわち、シートクッション2における表皮22のうち背面に位置する表皮22aの上端部と、第一シートバック3における表皮32及び第二シートバック4における表皮42のうち背面に位置する表皮32a,42aの下端部は、互いに重なり合った状態となっている。
第一シートバック3における表皮32及び第二シートバック4における表皮42のうち背面に位置する表皮32a,42aは上方に位置するため、以下、上側表皮32a,42aと称する。
なお、上側表皮32a,42aは、下側表皮22aに比べて厚みが大きく(厚く)設定されている。
下側係合部材23と上側係合部材33,43との係合状態を解除することで、下側表皮22aを下方に捲ることができ、上側表皮32a,42aを上方に捲ることができる。これにより、下側表皮22aと上側表皮32a,42aの内側の状態を確認することができるので、メンテナンスが行いやすい。
また、下側係合部材23は、その基端部が、後述する折り返し表皮26を間に挟んだ状態で下側表皮22aに対して縫い付けられて取り付けられている(縫い目23a参照)。
断面視略J字状に形成された下側係合部材23の先端部は、上側係合部材33,43に接して引っ掛かる状態で、上側係合部材33,43に係合する形態となっている。
より詳細に説明すると、センターカバー5の下部は、当該下部の縁5aが、シートクッション2の後端部における凹部2aの位置に設けられた下側表皮22aに接した状態となっている。ところが、センターカバー5の縁5aとシートクッション2の凹部2aにおける下側表皮22aとの間には隙間が生じる場合がある。そのため、下側表皮22aの端縁部(センターカバー5の縁5aに沿う部位)の内側に、当該部位の厚み増し部10が設けられている。
また、厚み増し部10は、下側表皮22aの端縁部の長さ方向に沿って下側表皮22aに留め付けられている。より具体的には、下側表皮22aに縫い付けられて取り付けられている(縫い目10a参照)。
この収納凹部21aは、クッションパッド21が部分的に厚みを薄くした状態に形成されたものであり、後方、側方、上方に向かって開放されている。
収納凹部21aの上下方向及び左右方向の寸法は、厚み増し部10の上下方向及び左右方向の寸法よりも若干大きく(長く)設定されており、厚み増し部10が確実に収納できるようになっている。
より具体的に説明すると、厚み増し部10は、収納凹部21aに収納された場合に、少なくとも前方のクッションパッド21部分(収納凹部21aにおける深さ方向底部)に密着することになる。また、本実施形態における厚み増し部10は、収納凹部21aに収納された場合に、下方のクッションパッド21部分にも密着することになる。
換言すれば、厚み増し部10と収納凹部21aは、連結部である下側係合部材23と上側係合部材33,43によって下側表皮22aと上側表皮32a,42aとが連結された範囲の外側であって、かつ下側係合部材23及び上側係合部材33,43のセンターカバー5側の端部よりもセンターカバー5側に配置されている。すなわち、厚み増し部10と収納凹部21aは、下側係合部材23及び上側係合部材33,43とセンターカバー5との間に位置しており、下側係合部材23及び上側係合部材33,43には重なり合わない位置に設けられている。
ただし、本実施形態における厚み増し部10は、図7に示すように、下側表皮22aよりも厚みのある布材11によって構成され、かつ、当該布材11が積層された状態となっている。より詳細に説明すると、本実施形態における厚み増し部10は、一枚の布材11が折り重ねられて形成されている。
厚み増し部10は、以上のように布材11で構成され、当該布材11が積層された状態となっているため、ある程度の柔らかさがあるとともに弾性があり、例えば指で押し込むなどの外力を加えた際に反発し、押し込む前の形状に戻ろうとする。
より詳細に説明すると、下側表皮22aは、図4~図6,図8に示すように、厚み増し部10及びクッションパッド21の端部(収納凹部21aの位置)を被覆するとともに、厚み増し部10を回り込んでクッションパッド21における厚み増し部10側とは反対側の面(前側面)に引き込まれる隠し用表皮24を有する。また、この隠し用表皮24は、センターカバー5の縁5aに接する。
なお、下側表皮22aは、その上端部が、上側表皮32a,42aの下端部によって被覆される形態であるため、隠し用表皮24によって厚み増し部10の上端部が完全に被覆されなくてもよい。換言すれば、隠し用表皮24は、下側表皮22aと上側表皮32a,42aが、連結部である下側係合部材23と上側係合部材33,43によって連結された状態になったときに厚み増し部10を隠すことができる面積で形成され、かつ厚み増し部10を隠すことができる位置に設けられていればよい。
延出表皮25bは、下側表皮22aの端縁部における上縁(すなわち、厚み増し部10の上方側縁部)に一体形成されており、上方に向かって延出している。そして、その延出方向の先端部に係止片25aが設けられている。
係止片25aは、図4,図5に示すように、断面視略J字(略U字でもよい)型のフック状に形成されている。
係止部25は、係止片25aがシートバックフレーム30に引っ掛けられたときに、延出表皮25bが、厚み増し部10における長さ方向の延長線上に沿って、かつ下方から上方に向かって延出する。
なお、本実施形態においては、厚み増し部10は、下側表皮22aの端縁部に設けられているものとしたが、これに限られるものではなく、上側表皮32a,42aの端縁部に設けられてもよい。
補助表皮である折り返し表皮26は、図2,図4に示すように、下側表皮22aにおけるサイドカバー6側端部の内側に、下側係合部材23側に折り返すようにして一体的に設けられている。
このようにして折り返し表皮26が下側表皮22aに留め付けられることで、下側表皮22aの厚みを部分的に厚くすることができる。そして、その位置が下側係合部材23における角部の位置であるため、下側表皮22aの表側(外側)から触れたときに、下側係合部材23の角部が角張った感触を与えにくくなる。
さらに、厚み増し部10によって異物が入り込むことを抑制できるので、カバー(センターカバー5、サイドカバー6)の有無に左右されずに車両用シート1の設計ができる。そのため、車両用シート1における設計自由度を向上させることができる。
さらに、厚み増し部10は、補助表皮(折り返し表皮26)とは別部材として形成されているので、厚み増し部10と補助表皮(折り返し表皮26)とを繋ぐ他の部材を省略することができ、コストの削減を図ることができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
また、以下の各変形例において、上記の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
本変形例における車両用シート100は、自動車等の車両に設けられ、人(着座者)が着座するシート本体を備えている。なお、本実施形態における車両用シート100は、図9に示すように、リクライニングが可能な一人掛けのシートとされている。
シートクッション102は、シートクッションフレーム(図示省略)と、クッションパッド(図示省略)と、シートクッションフレーム及びクッションパッドを被覆する表皮122と、から主に構成されている。
シートバック103は、シートバックフレーム(図示省略)と、クッションパッド(図示省略)と、シートバックフレーム及びクッションパッドを被覆する表皮32と、から主に構成されている。
下側表皮22aと上側表皮132aは、下側表皮122aと上側表皮132aとの間に位置する図示しない連結部(下側係合部材、上側係合部材)によって連結されている。
より詳細に説明すると、サイドカバー106の下部は、当該下部の縁106aが、シートクッション102の後端部に設けられた下側表皮22aに接した状態となっている。ところが、サイドカバー106の縁106aとシートクッション102の下側表皮122aとの間には隙間が生じる場合がある。そのため、下側表皮122aの左右端縁部(サイドカバー106の縁106aに沿う部位)の内側に、当該部位の厚み増し部110が設けられている。
さらに、厚み増し部110によって異物が入り込むことを抑制できるので、カバーの有無に左右されずに車両用シート100の設計ができる。そのため、車両用シート100における設計自由度を向上させることができる。
上記の実施形態においては、センターカバー5の縁5aに沿う部位に相当するシートクッション2の下側表皮22aの端縁部に厚み増し部10が設けられているものとしたが、本変形例においては、第一シートバック3及び第二シートバック4における表皮32,42の端縁部に設けられている。
本変形例における厚み増し部は、操作部3b,4bの縁に沿う部位に相当する第一シートバック3及び第二シートバック4における表皮32,42の端縁部に設けられている。
さらに、厚み増し部10によって異物が入り込むことを抑制できるので、カバーの有無に左右されずに車両用シート1の設計ができる。そのため、車両用シート1における設計自由度を向上させることができる。
上記の実施形態における上側表皮32a,42aの下端部は、断面視略J字状に形成されているが、本変形例における上側表皮32Aa,42Aaの下端部は、図10に示すように直線的に形成されている。そして、本変形例において、下側表皮22aと上側表皮32aA,42Aaとを連結する連結部は、下側係合部材23Aと、上側係合部材33A,43Aと、を備えており、下側係合部材23Aと上側係合部材33A,43A同士が係合し合うことにより連結されている。
また、下側係合部材23A及び上側係合部材33A,43Aは、左右方向に長尺に形成されており、下側表皮22aと上側表皮32a,42aとを、左側端部から右側端部に亘って連結できるようになっている。すなわち、連結部である下側係合部材23A及び上側係合部材33A,43Aは、下側表皮22a及び上側表皮32a,42aの並び方向(上下方向)と直交する方向(左右方向)に長尺に形成されている。
上側係合部材33A,43Aは、車両用シート1の背面側には露出しないように、上側表皮32Aa,42Aaの下端部よりも上方に配置されている。
2 シートクッション
2a 凹部
21 クッションパッド
21a 収納凹部
22 表皮
22a 下側表皮
23 下側係合部材
23a 縫い目
24 隠し用表皮
25 係止部
25a 係止片
25b 延出表皮
26 折り返し表皮
3 第一シートバック
3a ヘッドレスト
3b 操作部
30 シートクッションフレーム
31 クッションパッド
32 表皮
32a 上側表皮
33 上側係合部材
33a 縫い目
4 第二シートバック
4a ヘッドレスト
4b 操作部
42 表皮
42a 上側表皮
43 上側係合部材
43a 縫い目
5 センターカバー
5a 縁
6 サイドカバー
10 厚み増し部
10a 縫い目
11 布材
Claims (10)
- 表皮によって被覆されたシート本体を備えており、
前記表皮の端縁部には、当該端縁部の厚みを増すための厚み増し部が設けられていることを特徴とする車両用シート。 - 前記シート本体は、前記表皮の内側に配置されるクッションパッドを有し、
前記厚み増し部は、前記表皮と前記クッションパッドとの間に位置し、前記クッションパッドに密着していることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。 - 前記厚み増し部は、前記表皮よりも厚みのある布材によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。
- 前記布材は積層された状態となっていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
- 前記厚み増し部は、前記表皮の端縁部の長さ方向に沿って長尺に形成され、前記表皮の端縁部の長さ方向に沿って前記表皮に留め付けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用シート。
- 前記表皮は、一方に位置する一方側表皮と、他方に位置する他方側表皮と、前記一方側表皮と前記他方側表皮とを連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記一方側表皮及び前記他方側表皮に沿って設けられ、かつ前記一方側表皮と前記他方側表皮の並び方向と直交する方向に長尺に形成されており、
前記厚み増し部は、前記連結部と重ならない位置であって、かつ前記連結部における長さ方向の外側に配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の車両用シート。 - 前記連結部は、前記一方側表皮及び前記他方側表皮よりも内側に設けられ、
前記一方側表皮は、前記他方側表皮よりも厚みが薄く設定され、
前記表皮は、前記一方側表皮と前記連結部の角部との間に設けられて前記一方側表皮の厚みを部分的に厚くする補助表皮を有し、
前記厚み増し部は、前記補助表皮とは別部材として形成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の車両用シート。 - 前記シート本体は、前記表皮の内側に配置されるクッションパッドを有し、
前記厚み増し部は、前記表皮と前記クッションパッドとの間であって、かつ前記クッションパッドの端部に位置し、
前記表皮は、前記厚み増し部及び前記クッションパッドの端部を被覆するとともに、前記厚み増し部を回り込んで前記クッションパッドにおける前記厚み増し部側とは反対側の面に引き込まれる隠し用表皮を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の車両用シート。 - 前記シート本体は、当該シート本体の骨格となるシートフレームを有し、
前記表皮は、基端部が前記表皮のうち前記厚み増し部の近傍に設けられ、先端部が前記シートフレームに係止される係止部を有することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の車両用シート。 - 前記シート本体の一部に、前記表皮に沿って配置されたカバーを更に備えており、
前記表皮の側縁部は、前記カバーの縁に沿って配置されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の車両用シート。
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