JP2013147059A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】表皮材の性能を良好に保ちつつ、表皮材の快適性を向上させることにある。
【解決手段】送風装置のエアを、流路部20を介して通気部44から吹出し可能である車両用シートにおいて、表皮材6Sに、流路部20に非対面の第一領域AR1と、流路部20に対面可能な第二領域AR2とを設け、送風装置のエアを第二領域AR2の通気部44からの吹出し可能とし、第一領域AR1の表材42の厚み寸法を、第二領域AR2の表材42の厚み寸法よりも小さく設定するとともに、第一領域AR1の表材44とパッド材46を接着して一体化し、第二領域AR2の表材44とパッド材46を非接着状態とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、クッション材と、表皮材(皮革製の表材とパッド材を有する部材)と、送風装置を備える車両用シートに関する。
典型的な車両用シートは、シート外形をなすクッション材と、クッション材を被覆する表皮材を有する。クッション材は、乗員を弾性的に支持する部材であり、ポリウレタンフォーム等の発泡樹脂にて形成できる。
また表皮材は、典型的に袋状の面材であり、複数の部材にて構成できる。例えば特許文献1に開示の表皮材は、通気孔を備えた皮革製の表材と、パッド材を有する。パッド材は、通気性を有する面材(スラブウレタン製)であり、表材裏面に配設される。
公知技術では、表材とパッド材を重ねたのち接着する(ラミネート加工する)ことで、表皮材を作製する。このように表材をパッド材で補強することにより、表皮材に皺等が極力生じにくい構成となる。
ここで上述の車両用シートでは、シート構成部材に送風装置を取付けて、乗員に向かって送風することができる。
例えば車両用シート(クッション材の裏面側)に送風装置を内設するとともに、クッション材に、流路部(クッション材を厚み方向に貫通する部位)を設けて、送風装置のエアを通過可能とする。そして送風装置から吹出される気体を、流路部を通じて表皮材側に送風しつつ、表材の通気孔から吹出すことができる。
特開2005−192635号公報
ところで公知技術の構成では、表材として、典型的に熱容量が大きい(温めにくく冷めにくい)皮革を使用する。このため公知技術では、夏場に表皮材に熱がこもったり、冬場に表皮材が温まりにくかったりすることがあった(やや快適性に劣る構成であった)。
もっとも表材(皮革)の厚み寸法を小さくするなどして熱容量を下げることもできるが、そうすると表皮材の剛性が落ちるなどして皺が生じやすくなる。このため表材を、比較的強固にパッド材に接着して補強するのであるが、両材の間に接着層が介在するなどして通気性に劣る構成になりがちである。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、表皮材の性能を良好に保ちつつ、表皮材の快適性を向上させることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートは、シートクッションやシートバック等のシート構成部材と、シート構成部材に配設の送風装置とを有する。
シート構成部材は、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するクッション材と、クッション材を被覆する表皮材と、クッション材に設けられてエアの通過可能な流路部とを有する。また表皮材は、シート着座側に配置する皮革製の表材と、表皮に設けられてエアの通過可能な通気部と、表材の裏面に配置して通気性を備えるパッド材とを有する。
そして送風装置のエアを、流路部を介して通気部から吹出し可能とするのであるが、この種の構成では、表皮材の性能(剛性や通気性等)を良好に保ちつつ、表皮材の快適性を向上できることが望ましい。
そこで本発明では、上述の表皮材に、流路部に非対面の第一領域と、流路部に対面可能な第二領域とを設け、送風装置のエアを第二領域の通気部からの吹出し可能とする。そして第一領域の表材の厚み寸法を、第二領域の表材の厚み寸法よりも小さく設定するとともに、第一領域の表材とパッド材を接着して一体化し、第二領域の表材とパッド材を非接着状態とした。
本発明では、第一領域の表材(皮革製)の厚み寸法を比較的小さく設定することで、表皮材の快適性を向上させる。このとき第一領域の表材とパッド材を接着することにより、表皮材の剛性を好適に維持することができる。また第二領域の表材とパッド材を非接着状態とすることで、表皮材の通気性を好適に維持することができる。
本発明に係る第1発明によれば、表皮材の性能を良好に保ちつつ、表皮材の快適性を向上させることができる。
車両用シートの斜視図である。 シートバック一部の断面図である。 シートバックの表材の正面図である。 図3のIV−IV線に対応するシートバック一部の断面図である。 実施例2にかかるシートクッションの表材の正面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図5を参照して説明する。なお各図には、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを適宜付す。また各図では、便宜上、一部の通気部にのみ符号を付すことがある。
図1の車両用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすフレーム部材(4F,6F,8F)と、シート外形をなすクッション材(4P,6P,8P)と、クッション材に被覆の表皮材(4S,6S,8S)を有する。
ここでフレーム部材(4F,6F)は、典型的に略矩形又は略長方形状の枠体であり、クッション材(4P,6P)を支持できる。
<実施例1>
シートバック6は、上述の構成(6F,6P,6S)と、送風装置10と、流路部20を有する(各部材の詳細は後述、図1及び図2を参照)。
本実施例では、シートバック6に送風装置10を取付けつつ、シートバック6内の流路部20に連通する。そして送風装置10から吹出されるエアを、流路部20を介して表皮材6S(後述の通気部44)から吹出し可能とする。この種の構成では、表皮材6Sの性能(剛性や通気性等)を良好に保ちつつ、表皮材6Sの快適性を向上できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述の構成により、表皮材6Sの性能を良好に保ちつつ、表皮材6Sの快適性を向上することとした。以下、各構成について詳述する。
[クッション材]
クッション材6P(略長方形状の部材)は、複数の部位(着座部31,土手部32)と、収納部6Xと、流路部20(後述)を有する(図1、図2及び図4を参照)。
ここでクッション材6Pの材質は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)を例示できる。
そして着座部31は、乗員(図示省略)の着座位置となる凹み部位であり、シート中央に形成できる。本実施例の着座部31は、シート下部中央の幅広部分(第一部位R1)と、シート下部側方の幅狭部分(第二部位R2)と、シート上部の横長部分(第三部位R3)に区分けできる。
また土手部32は、着座部31両側の凸状部位であり、乗員の側部を支持できる。
そして収納部6Xは、クッション材6Pの裏面中央の凹み箇所であり、送風装置10(後述)を収納可能である(図2を参照)。本実施例では、収納部6X(クッション材6Pの裏面側)を、図示しないボード部材(樹脂製)などで被覆できる。
(流路部)
流路部20は、送風装置10(後述)の送風を着座側に導く流路であり、溝部22と、複数の孔部24と、蓋部材26を有する(図2及び図4を参照)。
溝部22は、例えば略矩形状(正面視)の凹み部位であり、クッション材6P裏面(収納部6X内)に形成できる。また複数の孔部24は、それぞれクッション材6Pを厚み方向に貫通する貫通孔であり、一端側が着座側に開口し、他端側が溝部22に開口する。
また蓋部材26は、溝部22を被覆可能な略矩形状(正面視)の部材であり、一般的に非通気性又は低通気性の材質(発泡樹脂等)で構成できる。
本実施例では、複数の孔部24を、第二部位R2と第三部位R3の双方に設けて、それぞれ第二領域AR2(後述)に対面可能とする(図1及び図4を参照)。そして各部位の孔部24を溝部22で連通することにより、送風装置10の送風を各孔部24に導く構成とする。
[送風装置]
本実施例の送風装置10は、中空の箱体(短尺な円筒状)であり、送風機構(図示省略)を内蔵する(図1及び図2を参照)。
送風機構として、例えば遠心式の機構(装置軸方向から吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を使用できる。この種の送風機構として、多翼ファン(シロッコファン)、プレートファン、ターボファン、翼形ファン、リミットロードファンを例示できる。
本実施例では、クッション材6P内(収納部6X)に送風装置10を配置しつつ、フレーム部材6Fに固定する。
つぎに送風装置10を、ダクト部材11を介して流路部20に接続することにより、送風装置10を流路部20に連通する。そしてクッション材6Pを表皮材6S(後述)で被覆することで、送風装置10から吹出されるエアを、流路部20を通じて表皮材6S(通気部44)から吹出し可能とする。
[表皮材]
表皮材6Sは、クッション材6Pを被覆可能な袋状部材であり、表材42(通気部44)と、パッド材46と、後述の領域AR1,AR2を有する(図2〜図4を参照)。
表材42は、皮革製(天然皮革、合成皮革)の面状部材であり、表皮材6Sの着座側を構成する。合成皮革として、商品名「アルカンターラ(登録商標)」を例示できる。
そして通気部44は、表材42を厚み方向に貫通する孔部24であり、表材42一部(後述の第二領域AR2)に複数又は単数形成できる(図2又は図4を参照)。本実施例の通気部44は、孔部24よりも小径の貫通孔であり、第二領域AR2に適宜の間隔で複数形成できる。通気部44の形成方法は特に限定しないが、パンチ機構(物理的手段)やレーザ(光学的手段)を例示できる。
本実施例の表材42は、複数の表皮ピース(例えば第一ピースSP1〜第四ピースSP4)を袋状に縫製することで作製できる(図3を参照)。
第一ピースSP1は、縦長の長方形状(比較的幅広)のピースであり、第一部位R1(シート下部中央)を覆うことができる。また第二ピースSP2は、縦長の長方形状(比較的幅狭)のピースであり、第二部位R2(シート下部側方)を覆うことができる。また第三ピースSP3は、長方形状(横長)のピースであり、第三部位R3(シート上部)を覆うことができる。
そして第四ピースSP4は、長方形状(縦長)のピースであり、土手部32を覆うことができる。
またパッド材46は、通気性を有する面状部材であり、表材42の裏面に配設できる(図4を参照)。このようにパッド材46を表材42の裏面に配置する(表材42を補強する)ことで、表皮材6Sに皺等が生じることを極力防止できる(意匠性に優れる構成となる)。
ここでパッド材46(材質)は特に限定しないが、高通気性のスラブウレタン(通気度:200cc/cm2・sec〜400cc/cm2・sec)を例示できる。
(第一領域)
第一領域AR1は、流路部20に非対面の部位である(図1、図3及び図4を参照)。本実施例では、第一領域AR1を、乗員荷重が比較的かかりやすい表皮材6Sの部位(第一ピースSP1,第四ピースSP4)に形成できる。
ここで第一ピースSP1(第一部位R1)は、乗員腰部に対面可能な部位であり、最も乗員荷重がかかりやすい部位である。また第四ピースSP4(土手部32)は、コーナリング走行時などに乗員荷重がかかりやすい部位である。
(第二領域)
第二領域AR2は、流路部20に対面可能な部位であり、通気部44が形成される。本実施例では、第二領域AR2を、乗員荷重が比較的かかりにくい部位(第二ピースSP2,第三ピースSP3)に形成できる。
ここで第二ピースSP2(第二部位R2)は、第一部位R1の側方に位置する部位であり、比較的乗員荷重がかかりにくい部位である。また第三ピースSP3(第三部位R3)は、乗員背部に対面可能な部位であり、比較的乗員荷重がかかりにくい部位である。
本実施例では、第二ピースSP2(略全面)に、複数の通気部44が適宜の間隔で形成される(図2及び図4では、便宜上、一部の通気部にのみ符号を付すこととし、他の図では図示を省略する)。また同様に第三ピースSP3(略全面)に、複数の通気部(符号省略)が適宜の間隔で形成される。
(各領域の厚み寸法)
本実施例では、第一領域AR1の厚み寸法を、第二領域AR2の厚み寸法よりも小さく設定できる(図4を参照)。
例えば本実施例では、第二ピースSP2の厚み寸法T2を、製品としての皮革本来(例えばなめし加工後の皮革)の厚み寸法に設定できる(典型的に1mm〜1.5mm)。また同様に第三ピースSP3の厚み寸法(符号省略)を、第二ピースSP2と実質的に同一に設定できる。
そして第一ピースSP1の厚み寸法T1を、第二ピースSP2及び第三ピースSP3よりも小さく(例えば第半分程度に)設定できる(典型的に0.5mm〜0.75mm)。同様に第四ピースSP4の厚み寸法(符号省略)を、第一ピースSP1と実質的に同一に設定できる。
ここで第一領域AR1の厚み寸法は、漉き(削り)加工や研磨加工を施すことで適宜調節できる。また各ピースの素材を変更する(皮革の種類を変える)などして、第一領域AR1の厚み寸法を、第二領域AR2よりも薄くすることもできる。
このように第一領域AR1を薄くして皮革の質量を低下させることにより、同領域における表皮材6Sの熱容量を低減できる。
[表皮材の作製]
図4を参照して、表材42とパッド材46を重ね合わせつつ、両材を部分的に接着固定することで表皮材6Sを作製する。
このとき本実施例では、第一領域AR1の表材42とパッド材46を接着して一体化する。このように表材42とパッド材46を接着固定する(接着層43を形成する)ことで、表皮材6Sの剛性を好適に維持できる。
また第二領域AR2の表材42とパッド材46を非接着状態とすることで、接着層43による通気性の悪化を回避できる(表皮材6Sの通気性を好適に維持できる)。
ここで表材42又はパッド材46を、接着剤を直接塗布して接着することができる。また表材42とパッド材46を、ラミネート加工や熱融着にて接着することもできる。
接着剤の種類は特に限定しないが、セメントやセラミックなどの無機系接着剤、天然ゴムやデンプンなどの天然系接着剤、ニトロセルロースなどの半合成系接着剤、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂系接着剤、プロロプレンゴムやニトリルゴムなどのゴム系樹脂系接着剤、エラストマなどの複合系接着剤を例示できる。
[表皮材の配置と送風]
図1〜図4を参照して、クッション材6Pを表皮材6Sで被覆しつつ、各ピースSP1〜SP4を、それぞれ対応するクッション材6Pの部位に対面配置する。このとき第二領域AR2(第二ピースSP2,第三ピースSP3)の各通気部44の少なくとも一部を、それぞれ対応する流路部20(孔部24)に対面配置する。
つぎに送風装置10のエアを、流路部20を介して表皮材6S側(第二領域AR2)に送風したのち、通気部44から乗員に向けて吹出す。このとき送風装置10のエアが、接着層43に邪魔されることなくパッド材46を通じて、第二領域AR2の通気部44からスムーズに吹出される。
このように本実施例では、第二領域AR2の表材42とパッド材46を非接着状態とすることで、接着層43による通気性の悪化を回避できる(表皮材6Sの通気性を好適に維持できる)。
そして本実施例では、第一領域AR1(乗員荷重のかかりやすい部位)の表材42を薄くしたことで、表皮材6Sの快適性を向上させることができる。
例えば夏場において、表材42に熱がこもることを極力防止することにより、表皮材6Sの快適性を向上させることができる。また冬場においては、車両用シート2にヒータ部材を設けて乗員を暖房する。例えばヒータ部材(面状)を、第一領域AR1の表皮材6Sとクッション材6Pの間に配置する。そしてヒータ部材の熱により、第一領域AR1の表材42(薄い部分)が比較的速やかに暖房されるため、表皮材6Sの快適性を向上させることができる。
そして本実施例では、第一領域AR1の表材42とパッド材46を接着固定する(接着層43を形成する)ことで、同領域における表皮材6Sの剛性を好適に維持できる。
以上説明したとおり本実施例では、第一領域AR1の表材42(皮革製)の厚みを比較的薄くすることで、表皮材6Sの快適性を向上させることができる。
そして第一領域AR1の表材42とパッド材46を接着することにより、表皮材6Sの剛性を好適に維持できる。また第二領域AR2の表材42とパッド材46を非接着状態とすることで、表皮材6Sの通気性を好適に維持できる(送風効率に優れる構成となる)。
また本実施例では、複数のピースSP1〜SP4にて表材42を形成したため、第一領域AR1と第二領域AR2を比較的容易に形成できる。
このため本実施例によれば、表皮材6Sの性能を良好に保ちつつ、表皮材6Sの快適性を向上させることができる。
<実施例2>
本実施例の車両用シートは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を有するため、同一の構成については対応する符号を付すなどして詳細な説明を省略する。
シートクッション4は、上述の構成(4F,4P,4S)を有する(図1及び図5を参照)。
クッション材4Pは、着座部31と、土手部32と、図示省略の流路部を有する(図1を参照)。着座部31は、乗員(図示省略)の着座箇所となる凹み部位であり、シート中央に形成できる。本実施例の着座部31は、シート後部(第五部位R5)と、シート中央(第六部位R6)と、シート前部(第七部位R7)に区分けできる。
なお送風装置10は、シートクッション4に直接設けることができる(図1を参照)。またシートバック6に送風装置10を設けたのち、ダクト部材(図示省略)を介してシートクッション4に連通することもできる。
[表皮材]
表皮材4Sは、表材42(通気部)と、パッド材(図示省略)と、第一領域AR1と、第二領域AR2を有する(図5を参照)。
表材42(皮革製の面状部材)は、複数の表皮ピース(第五ピースSP5〜第八ピースSP8)を袋状に縫製することで作製できる。本実施例では、第五ピースSP5が第五部位R5(シート後部)を被覆し、第六ピースSP6が第六部位R6(シート中央)を被覆し、第七ピースSP7が第七部位R7(シート前部)を被覆できる。また第八ピースSP8は、土手部32を覆うことができる。
(第一領域・第二領域)
第一領域AR1は、乗員荷重が比較的かかりやすい表皮材4Sの部位(第五ピースSP5、第六ピースSP6、第八ピースSP8)に形成できる。ここで第五ピースSP5(第五部位R5)と第六ピースSP6(第六部位R6)は、乗員臀部に対面可能であり、最も乗員荷重がかかりやすい部位である。
また第二領域AR2は、乗員荷重が比較的かかりにくい部位(第七ピースSP7)に形成できる。ここで第七ピースSP7(第七部位R7)は、乗員膝部等に対面可能であり、比較的乗員荷重がかかりにくい部位である。
そして本実施例においても、第一領域AR1の厚み寸法を、第二領域AR2の厚み寸法よりも小さく設定する。また第一領域AR1の表材42とパッド材を接着して一体化し、第二領域AR2の表材42とパッド材を非接着状態とする。
図1及び図5を参照して、クッション材4Pを表皮材4Sで被覆しつつ、各ピースSP5〜SP8を、それぞれ対応するクッション材4Pの部位に対面配置する。
つぎに送風装置10のエアを、流路部を介して表皮材4S側(第二領域AR2)に送風したのち、通気部(図示省略)から乗員に向けて吹出す。このとき送風装置10のエアが、接着層43に邪魔されることなくパッド材46を通じて、第二領域AR2の通気部からスムーズに吹出される(図4を参照)。
そして本実施例においても、第一領域AR1(乗員荷重のかかりやすい部位)の表材42を薄くしたことで、表皮材4Sの快適性を向上させることができる。さらに第一領域AR1の表材42とパッド材46を接着固定することで、表皮材4Sの剛性を好適に維持しつつ、表皮材4Sの快適性を向上させることができる。
このため本実施例によっても、表皮材4Sの性能を良好に保ちつつ、表皮材4Sの快適性を向上させることができる。
本実施形態の車両用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、第一領域AR1と第二領域AR2の形成位置を例示したが、各領域の形成位置を限定する趣旨ではない。なお第一領域に貫通孔を設けて、シートの意匠性等を向上させることもできる。
(2)また本実施形態では、通気部44の構成(形成位置,形成数,形状,寸法等)を例示したが、同部の構成を限定する趣旨ではない。
(3)また本実施形態では、表皮材6S(4S)を複数のピースSP1〜SP4(SP5〜SP8)で形成する例を説明した。各ピースの形状等は例示であり、シート構成に応じて適宜変更可能である。また一枚物の皮革で表材を作製することもできる。
(4)また本実施形態では、第一領域の各ピース(SP2,SP3,SP7)全体の厚み寸法を変更する例を説明したが、通気部の周辺のみの厚み寸法を小さくすることもできる(ピースの厚み寸法を部分的に小さくすることもできる)。
(5)また本実施形態では、専らシートバック6とシートクッション4を一例に説明したが、本実施例の構成は、ヘッドレスト等の各種シート構成に適用できる。
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
6P クッション材
6F フレーム部材
6S 表皮材
10 送風装置
20 流路部
31 着座部
32 土手部
42 表材
43 接着層
44 通気部
46 パッド材
AR1 第一領域
AR2 第二領域

Claims (1)

  1. シートクッションやシートバック等のシート構成部材と、シート構成部材に配設の送風装置とを有するとともに、
    前記シート構成部材が、シート外形をなして乗員を弾性的に支持するクッション材と、前記クッション材を被覆する表皮材と、前記クッション材に設けられてエアの通過可能な流路部とを有し、
    前記表皮材が、シート着座側に配置する皮革製の表材と、前記表皮に設けられてエアの通過可能な通気部と、前記表材の裏面に配置して通気性を備えるパッド材とを有し、
    前記送風装置のエアを、前記流路部を介して前記通気部から吹出し可能である車両用シートにおいて、
    前記表皮材に、前記流路部に非対面の第一領域と、前記流路部に対面可能な第二領域とを設け、前記送風装置のエアを前記第二領域の前記通気部からの吹出し可能とし、
    前記第一領域の前記表材の厚み寸法を、前記第二領域の前記表材の厚み寸法よりも小さく設定するとともに、前記第一領域の前記表材と前記パッド材を接着して一体化し、前記第二領域の前記表材と前記パッド材を非接着状態とした車両用シート。
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