JP6459737B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、シートパッドと、シートカバーと、シートパッドとシートカバーの間に配設されるシートヒータを備えた乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートとして、シートパッドと、シートカバーと、シートヒータを有する乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。シートパッドは、シート外形をなして乗員を支持可能な部材であり、シート幅方向に延びる略U字形断面の横凹溝が形成される。またシートカバーは、シートパッドを被覆する袋状の部材であり、複数の表皮ピースを縫合することで形成される。このシートカバーには、隣り合う表皮ピースの端部同士を縫い合わせてなる線状の縫合部が形成されており、この縫合部が、シート幅方向に延びながら横凹溝に対面可能に配置する。そしてシートヒータは、発熱可能な面材であり、シートパッドとシートカバーの間に配設される。このシートヒータには、シート幅方向に長尺な貫通孔が設けられており、この貫通孔が、横凹溝に対面可能な位置に開口する。
公知技術では、シートカバーの縫合部に引き片が設けられており、この引き片に保持されたワイヤ材が横凹溝に沿って配置する。また横凹溝内にも別のワイヤ材が設けられており、この別のワイヤ材が、引き片のワイヤ材に対面状に配置する。そしてシートパッド上にシートヒータを配置したのち、これらをシートカバーで被覆する。このときシートカバーの縫合部を、引き片のワイヤ材とともにシートヒータの貫通孔を通して横凹溝に引き込む。この状態でワイヤ材と別のワイヤ材を輪状のリング材にて係止することで、シートカバーの縫合部を横凹溝に引込状に止着できる。
実開平04−83835号公報
ところで公知技術の構成では、シートカバーの縫合部を横凹溝内に止着する構成として、複数のワイヤ材と引き片とリング材が必須である。このため公知技術の構成は、シートの部品点数が増加して構成が複雑化するため、すんなり採用できる構成ではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的シンプルな構成により、シートカバーの一部を、シートヒータを通してシートパッド側に引き込みつつ取付けることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シート外形をなす樹脂製のシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーと、シートパッドとシートカバーの間に配設されるシートヒータとを備える。このシートカバーは、複数の表皮ピースを縫合してなるとともに、隣り合う表皮ピースの端部同士を縫い合わせてなる線状の縫合部が形成される。本発明では、シートパッドが、成形と同時にシートカバーとシートヒータに一体化される。このとき縫合部の延びる方向で見て縫合部の少なくとも一部が、シートヒータを通してシートパッドに引込み状に取付けられるのであるが、この種の取付け構成は極力シンプルであることが望ましい。
本発明では、シートカバーとシートヒータの間には、接着部を有し、接着部は、シートパッドの成形前にシートカバーとシートヒータを接着することで構成され、シートヒータが、面状の基材と、基材を厚み方向に貫通する孔部と、基材上において孔部を避けながら配設された線状のヒータ線とを有する。そこで縫合部の少なくとも一部が、シートヒータの孔部を通りつつ、シートパッドと同材質の取付け部を介してシートパッドに取付けられる構成とされる。そして取付け部が、シートパッドの成形時において、シートパッドの成形材料が孔部を通って縫合部の少なくとも一部に含浸したのち硬化することで形成される。本発明では、シートヒータに孔部を設けて、シートパッドの成形材料が縫合部に含浸することを許容することにより、シートパッドそのもので取付け部を形成することができる。こうしてシートパッドそのもので形成された取付け部にて、縫合部の少なくとも一部をシートパッドに取付けることができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートであって、縫合部の延びる方向に直交する向きで見て、孔部が、縫合部よりも大きく開口する。本発明では、縫合部の少なくとも一部を、相対的に大きく開口する孔部を通してシートパッドにより確実に取付けることができる。
本発明に係る第1発明によれば、比較的シンプルな構成により、シートカバーの一部を、シートヒータを通じてシートパッド側に引き込みつつ取付けることができる。また第2発明によれば、シートカバーの一部を、シートヒータを通じてシートパッド側により確実に取付けることができる。
乗物用シートの一部透視斜視図である。 シートパッドの上面図である シートカバーの斜視図である。 シートカバー一部の裏面図である。 複数のシートヒータの上面図である。 シートカバーと接着部とシートヒータの断面図である。 シートクッション一部の断面図である。 シートカバー一部の断面図である。 シートクッション一部の断面図である。 シートクッション一部の拡大断面図である。 シートパッドの成形型の概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図11を参照して説明する。各図には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DW、乗物用シート右方に符号R、乗物用シート左方に符号Lを付す。なお図9及び図11では、便宜上、接着部を省略する。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。本実施例では、シートクッション4の後部にシートバック6が起倒可能に連結するとともに、シートバック6(起立状態)の上部にヘッドレスト8が配設される。
そしてシートクッション4は、図1〜図5を参照して、上述の基本構成(4F,4P,4S)と、送風部材9と、複数のシートヒータ31,32A,32Bと、複数の接着部51〜56を有する(各部材等の詳細は適宜後述)。ここで送風部材9は、中空の箱体(円筒状)であり、送風機構を内蔵する。送風機構として、例えば遠心式の機構(装置軸方向から吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を使用できる。この種の送風機構として、多翼ファン(シロッコファン)、プレートファン、ターボファン、翼形ファン、リミットロードファンを例示できる。本実施例では、送風部材9を、シートフレーム4F(典型的に金属製で略矩形の枠体)に固定しつつ、シートパッド4Pの裏面側に配設する。
本実施例では、複数のシートヒータ31,32A,32Bを、後述するようにシートパッド4Pとシートカバー4Sの間に接着して(複数の接着部51〜56を介して)配設する。そしてシートクッション4の中央前部において、送風部材9から送り出された気体が、シートパッド4Pと特定のシートヒータ(31)とシートカバー4Sを通過して着座面側から外部に吹出す。このとき上述のシート構成では、通気性に劣る部位(特定の接着部51,52等)が気体の流れを阻害するなどして送風性能が悪化することが懸念される。そこで本実施例では、後述の構成にて、特定のシートヒータ(31)を、シートカバー4Sとシートパッド4Pの間に性能良く(送風性能を好適に維持できるように)接着して配設することとした。
さらに本実施例では、図9を参照して、後述するシートクッション4の右側部において、シートカバー4Sの一部をシートパッド4P側に引込み状に取付ける。このときシートカバー4Sの一部を、特定のシートヒータ(32A)を通してシートパッド4P側に引き込むのであるが、この種の構成では、比較的シンプルな構成により、シートカバー4Sの一部を、特定のシートヒータ(32A)を通じてシートパッド4P側に引き込みつつ取付けられることが望ましい。そこで本実施例では、後述の比較的シンプルな構成(取付け部78)により、シートカバー4Sの一部を、特定のシートヒータ(32A)を通じてシートパッド4P側に引き込みつつ取付けることとした。以下、各構成について詳述する。
[シートパッド]
シートパッド4Pは、図2及び図7を参照して、乗員を弾性的に支持可能な樹脂製の部材(略長方形状)であり、天板メイン部4aと、天板サイド部4bと、気体の通過可能な流路部10を有する。シートパッド4Pを構成する樹脂の種類は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂を例示できる。そして天板メイン部4aは、図2を参照して、シートパッド4P中央の平坦な部位である。本実施例の天板メイン部4aは、図8を参照して、シート後部側で上向きに湾曲しつつ盛り上がった形状である。また天板サイド部4bは、図9を参照して、天板メイン部4aの右側及び左側に配置する突出部位であり、例えばコーナリング走行時に乗員の側部を支持できる。
そして流路部10は、図2及び図7を参照して、シートパッド4Pをその厚み方向に貫通する複数の貫通孔からなり、複数の吹出口11〜13を有する(流路部の形成方法は後述)。複数の吹出口(中央吹出口11,内方吹出口12,外方吹出口13)は、シートパッド4P前部(表面)に適宜の間隔で形成されて、それぞれ着座状態の乗員脚部(図示省略)の周囲に配置する。例えば本実施例では、中央吹出口11(略矩形状)が、シートパッド4Pの前部中央に形成される。また内方吹出口12が、乗員脚部(着座状態)の内側に複数形成され、外方吹出口13が、乗員脚部(着座状態)の外側に複数形成される。そして本実施例では、図1及び図7を参照して、流路部10のシートパッド4P裏面の開口(図示省略)を、ダクト部材(図示省略)を介して送風部材9に連通する。こうして図1、図2及び図7を参照して、送風部材9から送り出される気体が、流路部10内に入り込みつつ各吹出口11〜13から吹出すこととなる。
[シートカバー]
シートカバー4Sは、図3、図8及び図9を参照して、シートパッド4P(着座側)を被覆可能な面状部材であり、複数の表皮ピース(SP1〜SP7等)を縫合して形成できる。例えば本実施例では、シートカバー4S中央(天板メイン部を被覆する箇所)を、第一表皮ピースSP1〜第三表皮ピースSP3で形成できる。第一表皮ピースSP1は、大型のピース(シート前後に長尺)であり、天板メイン部4aの前部分を被覆する。また第二表皮ピースSP2は、小型のピース(シート前後方向に短尺)であり、天板メイン部4aの中間部分を被覆する。また第三表皮ピースSP3も、小型のピースであり、天板メイン部4aの後部分を被覆する。そしてシートカバー4Sの周面(例えば後面表皮ピースSP4の端部)には、フック部材FMが適宜設けられており、シートフレーム4F等に係止可能である。
またシートカバー4S側部(天板サイド部4bを被覆する箇所)も複数の表皮ピースを縫合して形成できる。例えば本実施例では、図3及び図9を参照して、シートカバー4Sの右側部(天板サイド部4bを被覆する箇所)を、第五表皮ピースSP5〜第七表皮ピースSP7と、カマチ部を被覆する表皮ピースSPrで形成できる。第五表皮ピースSP5は、シート前後に長尺な表皮ピースであり、天板サイド部4bの上面を被覆する。また第六表皮ピースSP6と第七表皮ピースSP7は、ともにシート前後に延びるやや短尺な表皮ピースであり、天板サイド部4bの内面前側を被覆する。本実施例の第六表皮ピースSP6は、略横L字状をなす小型の表皮ピースであり、シートカバー4Sの被覆状態時において、シート前側で上方に湾曲して天板サイド部4bの内面上部を被覆する。また第七表皮ピースSP7は、略逆横L字状をなす中型の表皮ピースであり、シートカバー4Sの被覆状態時において、天板サイド部4bの内面下部を被覆しながらシート後側で上方に湾曲する。
そして隣り合う表皮ピースの間には、図3、図8及び図9を参照して、隣り合う表皮ピースの端部同士を縫い合わせてなる縫合部(SEW1〜SEW7等)が形成される。例えばシートカバー4Sの中央では、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の縫合部SEW1が、シート幅方向に延びつつシート側部で前方に湾曲する(意匠性に優れる構成である)。また同様に第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の縫合部SEW2も、シート幅方向に延びつつシート側部で前方に湾曲する。なお第三表皮ピースSP3と後面表皮ピースSP4の縫合部SEW3は、典型的にシート幅方向に直線状に延びる。
そしてシートカバー4Sの側部においても、隣り合う表皮ピースの間に縫合部が形成される(各図では、便宜上、シートカバーの右側部の縫合部にのみ符号を付す)。例えばシートカバー4Sの右側部においては、図3及び図9を参照して、第五表皮ピースSP5と、それに隣り合う複数の表皮ピース(第三表皮ピースSP3、第六表皮ピースSP6、第七表皮ピースSP7)の間に、シート前後に延びる第五縫合部SEW5が形成される。また天板サイド部4bの内面前側において、第六表皮ピースSP6と第七表皮ピースSP7の間に第六縫合部SEW6が形成されてシート前後方向に延びる。この第六縫合部SEW6は、図3を参照して、第六表皮ピースSP6と第七表皮ピースSP7の形状に倣ってクランク状に湾曲しており、シート前側で上方に向けて湾曲したのち直線状に延び、さらにシート後側で上方に向けて湾曲する(意匠性に優れる構成である)。そして天板サイド部4bと天板メイン部4aの間においては、第七表皮ピースSP7と、それに隣り合う複数の表皮ピース(第一表皮ピースSP1〜第三表皮ピースSP3)の間に、シート前後に延びる第七縫合部SEW7が形成される。なお縫合部SEW4は、図9を参照して、カマチ部を被覆する表皮ピースSPrと第五表皮ピースSP5の間に形成される。
[第一部位]
そしてシートカバー4Sの各表皮ピースは、図2及び図6を参照して、第一部位21と第二部位22を積層して一体化することで形成される。第一部位21は、表材21aと柔軟材21bにて形成されており、シートカバー4Sの着座面側に配置する。表材21aは、通気性を備えた面材であり、シートカバー4Sの着座面をなす。この種の表材21aの素材として、布帛(織物,編物,貫通孔を備えた不職布)、貫通孔を備えた皮革(天然皮革,合成皮革)、ネット体を例示できる。また柔軟材21bは、通気性を備えた柔軟な面材であり、表材21aの裏面側に一体化される。この種の柔軟材21bの素材として、高通気性のスラブウレタン(通気度:200cc/cm2・sec〜400cc/cm2・sec)、綿材、3Dネット体(繊維を三次元状に編製してなる部材)を例示できる。
[第二部位(開口部)]
また第二部位22は、図4及び図5を参照して、第一部位21の裏面側に積層された部位であり、複数の開口部24を有する(なお図4及び図5では、便宜上、一部の開口部にのみ符号を付す)。ここで第二部位22は、第一部位21よりも通気性に劣る素材又は非通気性の素材にて形成されており、後述するシートパッド4Pの形成材料(液状樹脂)の侵入を極力抑えることができる。この種の第二部位22の素材として、低通気性のスラブウレタン(通気度:0cc/cm2・sec〜10cc/cm2・sec)、皮革、樹脂層(フィルム状)を例示できる。そして複数の開口部24は、それぞれ気体の通過が可能な孔部であり、第二部位22をその厚み方向に貫通する(第一部位21が露出した状態とされる)。本実施例では、シートカバー4Sの被覆状態時(後述)において、複数の開口部24(上面視で略円形)を、各吹出口(11〜13)に対面可能な位置にそれぞれ複数形成できる。
[シートヒータ]
複数のシートヒータ(中央シートヒータ31、第一側方シートヒータ32A,第二側方シートヒータ32B)は、図1及び図5を参照して、通気性を備えた部材(面状)であり、それぞれヒータ機能を備える。中央シートヒータ31は、シートカバー4Sの中央形状に倣った略矩形の面材(比較的シート前後に長尺)であり、シートカバー4S中央(天板メイン部4aを被覆する箇所)に配設される。また後述する第一側方シートヒータ32Aは、略矩形の面材(比較的シート前後に短尺)であり、シートカバー4Sの右側部(右側の天板サイド部4bを被覆する箇所)に配置される。また第二側方シートヒータ32Bも、略矩形の面材であり、シートカバー4Sの左側部に配置される。そしてこれらシートヒータ31,32A,32Bは、三又に分かれる配線部材34を介して電源(図示省略)に電気的につながる。
そして中央シートヒータ31は、図3〜図5を参照して、複数の区画(第一機能部31a〜第四機能部31d)に区分けされて、複数の表皮ピースSP1〜SP3を横断して配置される。第一機能部31aと第二機能部31bは、中央シートヒータ31の前部分が二股に分かれてなる部位であり、第一表皮ピースSP1に対面状に配置される。これら第一機能部31aと第二機能部31bは、図2及び図5を参照して、シート幅方向に適宜の間隔をあけて配置しており、それぞれ内方吹出口12と外方吹出口13を横断して配置可能な幅寸法を有する。また第三機能部31cは、中央シートヒータ31の中間部分に位置する部位であり、第二表皮ピースSP2に対面可能である。そして第四機能部31dは、中央シートヒータ31の後部分に位置する部位であり、第三表皮ピースSP3に対面可能である。そして第一機能部31a(及び第二機能部31b)と第三機能部31cは、これらの間に配置する橋絡部31e(孔部が形成された箇所)で連結される。また同様に第三機能部31cと第四機能部31dは、これらの間に配置する橋絡部31fで連結される。
そして中央シートヒータ31は、図6を参照して、通電材40と通気材42と低通気材44を積層して一体化することで形成される。通電材40は、通電可能な導電線(金属線,炭素繊維,メッキ線材等)を備えた面材であり、適度な通気性(例えば表材21a又は柔軟材21bに劣らない通気性)を有する。また通気材42は、柔軟材21bとほぼ同等の通気性を備える面材であり、柔軟材21bで例示の材質にて形成できる。また低通気材44は、通気材42よりも通気性に劣る素材又は非通気性の素材にて形成されており、第二部位22で例示の素材で形成できる。そして通電材40を通電状態として発熱させることで、中央シートヒータ31がヒータ機能(加温機能)を発揮することができる。
また第一側方シートヒータ32Aは、図3、図9及び図10を参照して、右側に配置する天板サイド部4bの内面前側を加温する面材であり、第六表皮ピースSP6と第七表皮ピースSP7を跨いで配置される。この第一側方シートヒータ32Aは、図5を参照して、面状の基材70と、基材70を厚み方向に貫通する孔部72と、後述のヒータ線74を有する。基材70は、第一側方シートヒータ32Aの外形をなす略矩形の面材であり、例えば第二部位22で例示の低通気性の素材又は非通気性の素材で形成できる。また孔部72は、第一側方シートヒータ32Aを厚み方向に貫通する略矩形の貫通孔であり、第六縫合部SEW6の少なくとも一部に対面配置可能な位置に形成される。また第二側方シートヒータ32Bは、左側に配置する天板サイド部4bの内面前側を加温する面材である。この第二側方シートヒータ32Bは、孔部72を有さない点を除いて第一側方シートヒータ32Aと同一の構成を有する。
そしてヒータ線74は、通電により発熱可能な線材であり、シートカバー4Sを臨む基材70表面に縫付けや接着等の手法で取付けられる。ここでこの種のヒータ線74として、銅やアルミニウムなどの金属製の線材、ニクロム線などの合金の線材、メッキ線材を例示できる。メッキ線材は、非導電性又は導電性の芯材となる線材と、金属又は合金のメッキ層を有する。そしてヒータ線74は、基材70上において孔部72を避けながら配設されており、本実施例では、適宜のピッチで蛇行しながら上面視で略U字状をなすように基材70表面に取付けられる。そしてヒータ線74の両端が、基材70の後端でリード線LLを介して配線部材34につながることで通電可能とされる。
[接着部]
複数の接着部(第一接着部51〜第六接着部56)は、図5〜図7を参照して、シートカバー4Sと各シートヒータ31,32A,32Bの間に介装されてこれらを接着する部位である。本実施例では、中央シートヒータ31が、第一接着部51〜第四接着部54にてシートカバー4S中央に接着される。このとき第一接着部51(詳細後述)が、第一機能部31aに倣った形状(やや小寸)を有してそれをシートカバー4Sの前部分に接着する。また第二接着部52(詳細後述)が、第二機能部31bに倣った形状(やや小寸)を有してそれをシートカバー4Sの前部分に接着する。また第三接着部53が、第三機能部31cに倣った形状(やや小寸)を有してそれをシートカバー4Sの中間部分に接着する。また第四接着部54が、第四機能部31dに倣った形状(やや小寸)を有してそれをシートカバー4Sの後部分に接着する。
そして一対の側方シートヒータ32A,32Bが、第五接着部55と第六接着部56にてそれぞれシートカバー4S側部に接着される。すなわち第一側方シートヒータ32Aが、図5及び図10を参照して、第五接着部55にてシートカバー4Sの右側部に接着される。この第五接着部55には、第一側方シートヒータ32Aの孔部72と略同寸又は孔部72よりもやや大きい略矩形の貫通孔76が設けられており、この貫通孔76が、接着時において孔部72に対面可能な位置に配置する。また同様に第二側方シートヒータ32Bが、第六接着部56にてシートカバー4Sの左側部に接着される。
そして各接着部51〜56は、各々、接着剤にて形成された接着層や、面状の接着部材(両面に接着可能な面材)にて形成できる。本実施例では、各接着部51〜56が、面状の接着部材で形成されており、略同一の基本構成を備える。例えば第一接着部51は、図6を参照して、両面(他部材を接着固定可能な表裏面)にそれぞれ離型材62が貼付される。そして各離型材62を剥離させることで、第一接着部51の表面と裏面に、それぞれ対応するシートヒータ又はシートカバー4Sを接着することができる。なお各接着部の接着成分は特に限定しないが、セメントやセラミックなどの無機系成分、天然ゴムやデンプンなどの天然系成分、ニトロセルロースなどの半合成系成分、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂系成分、プロロプレンゴムやニトリルゴムなどのゴム系樹脂系成分、エラストマなどの複合系成分を例示できる。なお各接着部は、他部材を剥離不能に接着する接着強度を有していてもよく、剥離可能に接着する(粘着する)接着強度を有していてもよい。
[通路部]
そして本実施例では、図5を参照して、第一接着部51が複数の通路部(内方通路部60a、一対の外方通路部60b,60c)を有する。また同様に第二接着部52が、複数の通路部(内方通路部61a、一対の外方通路部61b,61c)を有する。ここで上述の各通路部は、第一接着部51と第二接着部52で略同一構成であることから、専ら第一接着部51を例に各通路部の構成を説明する。すなわち複数の通路部60a〜60cは、それぞれ第一接着部51を厚み方向に貫通する貫通孔であり、気体の通過が可能である。内方通路部60aは、図2、図4及び図7を参照して、上面視で略矩形の孔部(やや大寸)であり、複数の内方吹出口12(全て)と、それに対面する開口部24(全て)を網羅可能な寸法を有する。そして内方通路部60aが、シートカバー4Sの被覆時(後述)に、複数の内方吹出口12(全て)と対応する開口部24(全て)の間に配置する。また一対の外方通路部60b,60cは、図2及び図4を参照して、上面視で略矩形の孔部(やや小寸)であり、各外方吹出口13と、それに対面する開口部24(全て)を網羅可能な寸法を有する。そして各外方通路部60b,60cが、シートカバー4Sの被覆時(後述)に、各外方吹出口13と対応する開口部24(全て)の間に配置する。
[シートカバーの形成作業]
図3及び図8を参照して、複数の表皮ピースを縫合して、シートパッド4P(天板メイン部4a及び天板サイド部4b)を被覆可能なシートカバー4Sを作成する。このとき天板メイン部4aに相当する位置において、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3をこの順でシート前方から後方向に並べつつ、これらをミシン(図示省略)にて縫合する。このとき本実施例では、各表皮ピースが別体であることから、適宜向きを変えながら中表状に重ねられた表皮ピース同士を縫合できる(縫合作業に適する構成である)。このため図3を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の向きを適宜変えながら、これらの縫合部SEW1を、シート幅方向に向けて形成しつつ、シート側部でスムーズに湾曲させることができる。また同様に第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の向きを適宜変えながら、これらの縫合部SEW2を、シート幅方向に向けて形成しつつ、シート側部でスムーズに湾曲させることができる。
また天板サイド部4bに相当する位置においても、複数の表皮ピースを適宜の順で並べつつミシンにて縫合する。例えば右側の天板サイド部4bに相当する位置において、図3を参照して、第五表皮ピースSP5と第六表皮ピースSP6と第七表皮ピースSP7をこの順でシート外側から内方に並べつつ、これらをミシン(図示省略)にて縫合する。このとき第六表皮ピースSP6と第七表皮ピースSP7の向きを適宜変えながら、これらの間の第六縫合部SEW6を、シート前後方向に向けて形成しつつ、シート前後でスムーズに湾曲させることができる。
[シートカバーとシートヒータの一体化作業]
つぎに図4及び図5を参照して、シートカバー4Sと各シートヒータ31,32A,32Bを対応する接着部51〜56にて接着して一体化する。例えば本実施例では、図5を参照して、第一接着部51〜第四接着部54(表面側)を、中央シートヒータ31の適所に接着する。つぎに第一接着部51〜第四接着部54(裏面側)を、中央シートヒータ31とともにシートカバー4Sの中央裏面の適所に接着する。
そして本実施例では、第一機能部31aと第二機能部31bを、これらの間に隙間を設けつつ(中央吹出口11を配置可能なクリアランスを設けつつ)シートカバー4S中央の前部分に接着して一体化する。さらに図2、図4及び図6を参照して、気体の通過を許容するため、第一接着部51の内方通路部60aを、対応する開口部24(内方吹出口12に対面する開口部)全てを網羅しつつこれらに対面状に配置する。また第一接着部51の外方通路部60b,60cを、図2及び図4を参照して、対応する開口部24(外方吹出口13に対面する開口部)全てを網羅しつつこれらに対面状に配置する。また同様に図4を参照して、第二接着部52の内方通路部61aと外方通路部61b,61cを、各々、対応する開口部24全てを網羅しつつこれらに対面状に配置する。
また同様に第五接着部55と第六接着部56にて、各側方シートヒータ32A,32Bをシートカバー4Sの側部裏面の適所に接着して一体化する。例えば本実施例では、図5及び図10を参照して、第一側方シートヒータ32Aを、シートカバー4Sの右側部にあてがいつつ、第六表皮ピースSP6と第七表皮ピースSP7を跨いで配置する。このとき第一側方シートヒータ32Aの孔部72と第五接着部の貫通孔76を位置合わせしながらこれらを接着しつつ、第六縫合部SEW6の一部を、孔部72と貫通孔76を通して露出させる。このとき本実施例では、図10を参照して、第六縫合部SEW6の延びる方向に直交する向きで見て、孔部72の幅寸法W1を第六縫合部SEW6の寸法W2よりも大きく設定できる。こうすることで第一側方シートヒータ32Aの孔部72に、第六縫合部SEW6の一部をスムーズ且つ確実に挿入できる。なお本実施例では、第六縫合部SEW6の直線部分を、孔部72と貫通孔76を通して露出させたが、これとは異なり第六縫合部SEW6の前後の湾曲部分を、孔部72と貫通孔76を通して露出させることもできる。
[シートパッドの形成(シートカバーの被覆)作業]
本実施例では、図11の成形装置IMを用いて、図7及び図8を参照して、シートパッド4Pを成形しつつ、シートカバー4S(各シートヒータ)に一体化する。このときシートカバー4Sを、成形装置のキャビティ(成形空間)内に予め配置しつつ、キャビティ内方にシートヒータ側(低通気材44)を向ける。そして本実施例では、図8を参照して、シートパッド4Pの天板メイン部4aが、シート後部側で上向きに湾曲しつつ盛り上がった形状である。このためシートパッド4P形状に倣って、シートカバー4Sの後部側が次第に上向きになるように湾曲しながらキャビティ内に配置される。
そしてキャビティ内で成形材料MM(液状樹脂)を発泡させてシートパッド4Pを成形する。このとき本実施例では、図7を参照して、天板メイン部4aにおいて、中央シートヒータ(通気材42)側への成形材料MMの過度の含浸が低通気材44にて抑えられる。また図4及び図7を参照して、各シートヒータ31,32A,32Bで覆われていないシートカバー4S部分(柔軟材21b)への成形材料MMの過度の含浸が第二部位22にて抑えられる。こうしてシートカバー4Sを、第一部位21の柔軟性を極力損なうことなく、シートパッド4Pの外面に沿って一体化することができる。特に本実施例では、シートカバー4Sを、中央シートヒータ31とともに天板メイン部4aの後部(盛り上がった部分)に密着させて配置できる(シートカバー4Sだけが浮き上がるなどの不具合が回避される)。
(取付け部の形成)
さらに図11を参照して、右側の天板サイド部4bを形成しつつ、シートカバー4Sと第一側方シートヒータ32Aに一体化する(なお図11では、便宜上、接着部を省略する)。このとき第一側方シートヒータ32Aの基材70により、成形材料MMの過度の含浸が抑えられる。そして図10を参照して、成形材料MMが、第一側方シートヒータ32Aの孔部72を通して第六縫合部SEW6に含浸する。このように第六縫合部SEW6に含浸した成形材料MMが硬化することで、第六縫合部SEW6をシートパッド4Pに取付ける部位となる取付け部78が形成されることとなる。この取付け部78は、シートパッド4Pそのもので形成されるため、第六縫合部SEW6とシートパッド4Pを取付けるための別部材が不要となり、シートの部品点数の削減に資するとともに比較的シンプルな構成となる。
こうして図7及び図9を参照して、シートパッド4Pと各シートヒータ31,32A,32Bとシートカバー4Sを一体化したのち、シートパッド4Pに流路部10を形成する。このときシートパッド4P前部に、その裏面側(通路部の形成箇所に相当する部位)からパンチ部材(図示省略)で孔をあける。このときパンチ部材が、シートパッド4Pを貫通しつつ(流路部10を形成しつつ)、中央シートヒータ31の低通気材44を貫通して通気材42に達する。こうして本実施例では、図2、図4及び図7を参照して、流路部10(各吹出口)を、各通路部60a等と、開口部24にそれぞれ対面状に形成できる(通路部と開口部を気体の移動経路に配置できる)。また同様に流路部10を、図2及び図4を参照して、第二接着部52の各通路部61a等と、第二部位22の開口部24に対面状に形成できる。
[送風部材とシートヒータの使用]
図1を参照して、乗員が着座した乗物用シート2に、送風機能とヒータ機能の双方を発揮させる(快適性に優れる構成とする)。本実施例では、各シートヒータ31,32A,32Bを通電状態とする(ヒータ機能を発揮させる)ことにより着座状態の乗員を加温することができる。そして送風部材9から送り出される気体が、シートパッド4P(流路部10)と中央シートヒータ31とシートカバー4Sを通過してシート外に吹出す。このとき図2、図4及び図7を参照して、シートクッション4の前部(流路部10)上には、第一接着部51と第二接着部52と、シートカバー4Sの第二部位22が配置する。このため上述のシート構成では、通気性に劣る部位(接着部51,52、第二部位22)が気体の流れを阻害するなどして送風性能が悪化することが懸念される。
そこで本実施例では、図4、図5及び図7を参照して、第一接着部51(第二接着部52)に通路部60a〜60c(61a〜61c)を設けるとともに、第二部位22に開口部24を設ける。そして図2、図4及び図5を参照して、通路部60a〜60c,61a〜61cと開口部24を、それぞれ流路部10の対面位置(気体の移動経路途中)に配置する。こうすることで送風部材9から送り出される気体が、各通路部と各開口部を介して、各接着部51,52と第二部位22をスムーズに通過することができる。例えば図7を参照して、流路部10から送り出される気体が、第一機能部31aを通過して第一接着部51(通気性に劣る部位)に至る。このとき気体が、内方通路部60aを通過することでシートカバー4S側にスムーズに送り出される。そして気体が、第二部位22の開口部24を通りつつ第一部位21を通過することでシート外にスムーズに吹出すこととなる。このため本実施例では、送風部材9から送り出される気体が、通気性に劣る部位(接着部51,52、第二部位22)に極力邪魔されることなく外部に向けて吹出すことができる。
以上説明したとおり本実施例では、各シートヒータ31,32A,32Bを、シートカバー4Sとシートパッド4Pの間に対応する接着部51〜56を介して配設する(安定的に配設する)。そして特定の接着部51(52)が、通路部60a〜60c(61a〜61c)によって、シートパッド4Pからシートカバー4Sに向けて送り出される気体の流れを極力阻害しない構成とされる。また本実施例では、シートパッド4Pをその成形と同時にシートカバー4Sに一体化する構成であっても、第二部位22にて、第一部位21への成形材料の進入を極力阻止できる(第一部位21の柔軟性を極力損なわない構成とされる)。さらに第二部位22が、開口部24によって、シートカバー4Sを通過する気体の流れを極力阻害しない構成とされる。そして本実施例では、通路部60a〜60c(61a〜61c)にて開口部24を網羅することにより、中央シートヒータ31側からシートカバー4Sに向けて気体がスムーズに送り出される。このため本実施例によれば、中央シートヒータ31を、シートカバー4Sとシートパッド4Pの間に性能良く接着して配設できる。
また本実施例では、第一側方シートヒータ32Aに孔部72を設けて、成形材料MMが第六縫合部SEW6に含浸することを許容することにより、シートパッド4Pそのもので取付け部78を形成することができる。こうしてシートパッド4Pそのもので形成された取付け部78にて、第六縫合部SEW6の少なくとも一部をシートパッド4Pに取付けることができる。また本実施例では、第六縫合部SEW6の少なくとも一部を、相対的に大きく開口する孔部72を通してシートパッド4Pにより確実に取付けることができる。このため本実施例によれば、比較的シンプルな構成により、シートカバー4Sの一部を、第一側方シートヒータ32Aを通じてシートパッド4P側に引き込みつつ取付けることができる。そして本実施例では、シンプルな構成の取付け部78にて第六縫合部SEW6を保持することにより、図9の二点破線で示したように、シートカバー4Sがシートパッドから浮き上がることを極力回避できる。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。例えば本実施形態では、シートカバー4Sとシートパッド4Pを成形時に一体化する例を説明した。これとは異なりシートパッドを成形したのちに、シートカバーを被せることもできる。この場合にはシートヒータを、シートパッド側(流路部の上)に接着して一体化することができる。
また本実施形態では、シートパッド4Pとシートカバー4Sの構成を例示したが、同部材の構成は適宜変更可能である。例えば流路部(吹出口)の構成(形状,寸法,形成位置,形成数)は、シート構成に応じて適宜変更可能であり、例えば天板メイン部と天板サイド部の適宜の位置に複数又は単数形成できる。またシートカバーは、表材を有しておればよく、柔軟材と第二部位は適宜省略可能である。またシートカバーを構成する表皮ピースの形状や寸法や数は適宜変更可能であり、縫合部の構成も適宜変更可能である。そして開口部の構成も、吹出口又は通路部の構成に応じて適宜変更可能である。
また本実施形態では、各シートヒータ31,32A,32Bの構成(形状,寸法,配設位置,配設数,機能など)を例示したが、同部材の構成を限定する趣旨ではない。例えばシートヒータは、機能を発揮する部位(面状又は線状の通電材)のみで構成されていてもよい。またシートヒータを、弾性を備えた面材やマット材(例えばポリウレタンフォーム製)で形成して、シートカバーを補強する機能を持たせることができる。
また本実施形態では、接着部51〜56の構成(形状,寸法,配置位置,配置数)を例示したが、同部の構成は、シートカバーやシートパッドの構成に応じて適宜変更可能である。例えば本実施例では、シートクッション前部に、通路部を備えた接着部を配置したが、流路部の形成位置に応じて同接着部の位置を変更できる。また通路部の構成(形状,寸法,形成位置,形成数など)は、気体が通過可能である限り適宜変更可能である。例えば通路部は、気体の流れを極端に阻害しない限り、流路部の吹出口や開口部から若干ずれて配置していてもよい。また通路部は、気体の流れを極端に阻害しない限り、吹出口又は開口部よりも小寸であってもよい。
また本実施形態では、第一側方シートヒータ32Aに孔部72を設けて、第六縫合部SEW6を通す例を説明したが、シート構成を限定する趣旨ではない。また孔部の構成(形状,寸法,形成数,形成位置など)は、通すべき縫合部に応じて適宜変更可能である。例えばシートカバーを構成する複数の表皮ピースの少なくとも一つに対面配置するシートヒータに、複数又は単数の孔部を設けて、孔部に対面配置する縫合部を通しつつシートパッドに引込み状に取付けることができる。すなわち本実施例の構成は、天板サイド部に限定されず、天板メイン部等の適宜のシート位置に適用することができる。また孔部は、対応する縫合部の一部(例えば第六縫合部の直線部分と前側の湾曲部分と後側の湾曲部分の少なくとも一つ)又は縫合部の全部を通すことのできる寸法を有していてもよい。また孔部の幅寸法は、対応する縫合部を通すことが可能であればよく、必ずしも対応する縫合部の幅寸法よりも大きくする必要はない。例えば孔部の寸法を狭小化して縫合部を圧入することにより、これらの隙間から成形材料が漏れ出ることを好適に回避できる。また孔部に対面配置する接着部の貫通孔も、対応する縫合部を通すことが可能であればよく、孔部とは異なる形状や寸法の貫通孔を接着部に形成することもできる。
また本実施形態では、専らシートクッション4を一例に説明したが、本実施形態の構成は、シートバックやヘッドレスト等の各種シート構成部材に適用可能である。また送風部材は、気体を吸い込み可能な構成でもよく、この場合にはシートカバーとシートパッドを通過してシート内に気体が吹出すこととなる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用可能である。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
9 送風部材
4F シートフレーム
4P シートパッド
4S シートカバー
10 流路部
11〜13 吹出口
21 第一部位
22 第二部位
24 開口部
31,32A,32B シートヒータ
40 通電材
42 通気材
44 低通気材
51〜56 接着部
60a〜60c (第一接着部の)通路部
61a〜61c (第二接着部の)通路部
70 シートヒータの基材
72 シートヒータの孔部
74 シートヒータのヒータ線
76 接着部の貫通孔
78 取付け部
SEW1〜SEW7 縫合部

Claims (2)

  1. シート外形をなす樹脂製のシートパッドと、前記シートパッドを被覆するシートカバーと、前記シートパッドと前記シートカバーの間に配設されるシートヒータとを備え、前記シートカバーが、複数の表皮ピースを縫合してなるとともに、隣り合う表皮ピースの端部同士を縫い合わせてなる線状の縫合部が形成され、
    前記シートパッドが、成形と同時に前記シートカバーと前記シートヒータに一体化されるとともに、前記縫合部の延びる方向で見て前記縫合部の少なくとも一部が、前記シートパッドに引込み状に取付けられる構成の乗物用シートにおいて、
    前記シートカバーと前記シートヒータの間には、接着部を有し、前記接着部は、前記シートパッドの成形前に前記シートカバーと前記シートヒータを接着することで構成され、
    前記シートヒータが、面状の基材と、前記基材を厚み方向に貫通する孔部と、前記基材上において前記孔部を避けながら配設された線状のヒータ線とを有し、
    前記縫合部の少なくとも一部が、前記シートヒータの前記孔部を通りつつ、前記シートパッドと同材質の取付け部を介して前記シートパッドに取付けられる構成とされ、
    前記取付け部が、前記シートパッドの成形時において、前記シートパッドの成形材料が前記孔部を通って前記縫合部の少なくとも一部に含浸したのち硬化することで形成される乗物用シート。
  2. 前記縫合部の延びる方向に直交する向きで見て、前記孔部が、前記縫合部よりも大きく開口する請求項1に記載の乗物用シート。
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