JP5870814B2 - 複数の原反からウェブを同時給送可能なウェブ搬送装置 - Google Patents

複数の原反からウェブを同時給送可能なウェブ搬送装置 Download PDF

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本発明は、ウェブ搬送装置に関する。
図3を参照して、従来のウェブ搬送装置を含んだグラビア印刷機について説明する。図3は、従来のグラビア印刷機の構成の一例を示す概略図である。このグラビア印刷機は、図3に示すように、給送部502と、インフィード部503と、印刷部504と、アウトフィード部505と、巻取部506と、により構成されている。そして、ロール状の原反500が、給送部502の給送軸にセットされるようになっている。当該給送軸が駆動されることに伴って、ロール状の原反からウェブ(紙、プラスチックフィルム、金属箔等の印刷対象物)501がインフィード部503に給送される。給送されるウェブ501は、インフィード部503を介して印刷部504へと給送され、当該印刷部504において印刷処理される。その後、アウトフィード部505を介して排送されて、巻取部506によって巻取られる。
図4は、従来の印刷機の給送機構部をより詳細に説明するための模式図である。図4の給送機構部は、ロール状の原反500がセットされる給送軸510と、当該給送軸510によってロール状の原反500から給送されるウェブ501を狭持して搬送するニップローラ511と、からなる。ニップローラ511は、回転駆動される駆動ローラ512と、当該駆動ローラ512と対向するように配置されて当該駆動ローラ512との間でウェブ501を押圧するゴムローラ513と、により構成されている。ロール状の原反500が給送軸510にセットされた後、給送軸510の回転によってロール状の原反500からウェブ501が給送される。給送されるウェブ501は、駆動ローラ512とゴムローラ513とによって狭持されながら搬送される。ここで、給送されるウェブ501の張力が、給送軸510の回転速度と駆動ローラ512の回転速度とを調整することによって制御される。
更に、図5を参照して、ウェブの張力とロール状の原反の径との関係について説明する。図5は、ロール状の原反の径とウェブの張力との関係を説明するための模式図である。図5に示すように、従来の印刷装置の給送機構部において、相対的に大径である径rを有するロール状の原反と、相対的に小径である径rを有するロール状の原反と、の両方が同一の給送軸510にセットされる場合を考える。この場合、給送軸510の回転によって各原反から給送されるウェブ501a(径rに対応)及びウェブ501b(径rに対応)は、駆動ローラ512とゴムローラ513とによって共通に狭持されながら搬送されていく。ここで、各原反の角速度と給送軸510の角速度ωとは当然に同一であるから、大きい径rの原反から給送されるウェブ501aの給送速度Vの方が、小さい径rの原反から給送されるウェブ501bの給送速度Vより速くなる。そのため、ウェブ501aに弛みが生じて張力が掛からなくなり、ウェブ501aの給送が上手くいかなくなるか、あるいは、ウェブ501bに過大な張力が掛かってウェブ501bが破断してしまう、というおそれがある。
一方、給送軸に1つの幅の広いロール状の原反をセットして、処理工程の中でスリッタ装置等を利用してウェブを分断し、分断された複数のウェブを同時平行的に巻取るようなウェブ搬送装置は知られている(特許文献1)。しかしながら、複数のロール状の原反をセットすることができるウェブ搬送装置は知られていない。
特許第2888704号公報
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、複数のロール状の原反をセットすることができるウェブ搬送装置を提供することにある。
本発明は、ロール状の第一原反がセットされる第一給送軸と、ロール状の第二原反がセットされる、中空空間を有する第二給送軸と、前記第二給送軸に対して前記第一給送軸の反対側に配置された差動装置と、前記ロール状の第一原反及び前記ロール状の第二原反からそれぞれ給送されるウェブを共通に狭持して搬送するニップローラと、を備え、前記第一給送軸と前記第二給送軸とは、同軸に配置されており、前記差動装置の2つのサイドギヤのうち前記第二給送軸側にあるサイドギヤが、中空空間を有していて、前記第二給送軸に接続されており、前記第一給送軸は、前記第二給送軸の中空空間及び前記第二給送軸が接続されたサイドギヤの中空空間を貫いて延びて、前記差動装置の他方のサイドギヤに接続されており、前記差動装置のピニオンギヤにそれぞれ対応するピニオンシャフトが駆動軸に接続されていて、当該ピニオンシャフトが前記駆動軸の回転によって公転するようになっていることを特徴とするウェブ搬送装置である。
本発明によれば、2つのロール状の原反がセットされる各給送軸(第一給送軸及び第二給送軸)の角速度差を許容することができるため、2つのロール状の原反の径に差が存在する場合であっても、各ウェブの張力を好適に制御することができる。このため、2つのロール状の原反からウェブを同時に給送可能な、実用に耐え得るウェブ搬送装置が実現できる。
好ましくは、前記差動装置の他方のサイドギアも、中空空間を有していて、前記第一給送軸は、前記差動装置の他方のサイドギヤの中空空間をも貫いて更に他方に延びており、当該他方のサイドギヤよりも他方に延びた部分が、軸受により回転可能に支持されている。このような構成により、第一給送軸が安定して軸支される。
好ましくは、前記ウェブ搬送装置は、更に、印刷部を備える。印刷部においては、各ウェブの張力をより高精度に制御することが要求されるが、本発明によれば十分にその要求に応えることができる。
あるいは、好ましくは、前記ウェブ搬送装置は、更に、コーティング部を備える。コーティング部においても、各ウェブの張力をより高精度に制御することが要求されるが、本発明によれば十分にその要求に応えることができる。
本発明によれば、2つのロール状の原反がセットされる各給送軸(第一給送軸及び第二給送軸)の角速度差を許容することができるため、2つのロール状の原反の径に差が存在する場合であっても、各ウェブの張力を好適に制御することができる。このため、2つのロール状の原反からウェブを同時に給送可能な、実用に耐え得るウェブ搬送装置が実現できる。
本発明の一実施の形態におけるウェブ搬送装置を示す概略図である。 図1のウェブ搬送装置の要部を示す概略図である。 従来のグラビア印刷機の構成の一例を示す概略図である。 従来の印刷機の給送機構を説明するための模式図である。 ロール状の原反の径とウェブの張力との関係を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるウェブ搬送装置を示す概略図である。本実施の形態のウェブ搬送装置は、図1に示すように、給送部20と、インフィード部30と、印刷部40と、アウトフィード部50と、巻取部60と、により構成されている。そして、ロール状の原反10が、給送部20の給送軸にセットされるようになっている。当該給送軸が駆動されることに伴って、ロール状の原反からウェブ11がインフィード部30に給送される。給送されるウェブ11は、インフィード部30を介して印刷部40へと給送され、当該印刷部40において印刷処理される。その後、アウトフィード部50を介して排送されて、巻取部60によって巻取られる。
図2は、図1のウェブ搬送装置の要部を示す概略図である。本実施の形態におけるウェブ搬送装置は、ロール状の第一原反10aがセットされる第一給送軸21aと、ロール状の第二原反10bがセットされる、中空空間を有する第二給送軸21bと、当該第二給送軸21bに対して第一給送軸21aの反対側に配置された差動装置22と、差動装置22を介して第一給送軸21a及び第二給送軸21bを回転させる駆動軸28と、からなる。また、ウェブ搬送装置は、ロール状の第一原反10a及び第二原反10bからそれぞれ給送されるウェブ11a及び11bを共通に狭持して搬送するニップローラ31を備えている。
第一給送軸21a及び第二給送軸21bには、種々の幅を有するロール状の原反10がセットできるようになっている。第一給送軸21aと第二給送軸21bとは、同軸に配置されており、それぞれ差動装置22のサイドギヤ23a及び23bに接続されている。これにより、各サイドギヤ23a及び23bと、第一給送軸21a及び第二給送軸21bと、第一原反10a及び第二原反10bとは、それぞれ一体に回転することができるようになっている。
より詳細には、図2に示すように、第二給送軸21b及び当該第二給送軸21bが接続されたサイドギヤ23b(第二給送軸21b側にあるサイドギヤ23b)は、中空空間を有している。そして、第一給送軸21aが、第二給送軸21bの中空空間及びサイドギヤ23bの中空空間を貫いて延びている。更に、本実施の形態では、差動装置22の他方側にあるサイドギヤ23aも、中空空間を有している。そして、第一給送軸21aは、差動装置22の他方のサイドギヤ23aの中空空間をも貫いて更に他方に延びており、当該他方のサイドギヤ23aよりも他方に延びた部分が、ラジアル軸受26aにより回転可能に支持されている。一方、第一給送軸21aの他方の端部は、不図示のハウジングに固定された自由回転する支持軸部材27により回転可能に支持されている。第一給送軸21aの他方の端部と支持軸部材27とは、それぞれ切頭円錐面状に形成された凹嵌合部と凸嵌合部とが互いに押圧されることで、結合されている。このような構成により、第一給送軸21aが安定して軸支されている。
また、第二給送軸21bの中空空間にも、ラジアル軸受26bが嵌入されており、第二給送軸21bが安定して第一給送軸21aに軸支されている。
ニップローラ31は、回転駆動される駆動ローラ32と、当該駆動ローラ32と対向するように配置されて当該駆動ローラ32との間でウェブ11を押圧するゴムローラ33と、により構成されている。駆動ローラ32とゴムローラ33は、ウェブ11の搬送方向に対して直角かつ水平に回転可能に支持されている。更に、駆動ローラ32は、モータにより回転駆動される。
差動装置22は、第一給送軸21a及び第二給送軸21bにそれぞれ接続される各サイドギヤ23a及び23bと、各サイドギヤ23a及び23bの回転軸と直交する回転軸を有し各サイドギヤに噛合する一対のピニオンギヤ24と、一対のピニオンギヤ24にそれぞれ対応しており、当該一対のピニオンギヤ24を回転可能に軸支する一対のピニオンシャフト25と、を備えている。
図2の例では、サイドギヤ23a及び23bと一対のピニオンギヤ24とは、かさ歯車として構成されており、サイドギヤ23a及び23bは、一対のピニオンギヤ24に直交して噛み合っている。このような構成により、一対のピニオンギヤ24は、サイドギヤ23aとサイドギヤ23bとの間の回転速度差(角速度差)を吸収するようになっている。
駆動軸28は、第一給送軸21a及び第二給送軸21bに対して同軸となっている。そして、駆動軸28は、一対のピニオンシャフト25と、互いの軸線が直交するように、一対の接続部材29を介して接続されている。より詳細には、接続部材29は、差動装置22の外縁を周り込むような形状を有しており、一端において駆動軸28に接続され、他端においてピニオンシャフト25に接続されている。ここで、駆動軸28の初期回転速度は、ウェブ11へ微張力をかけるために、ニップローラ31(駆動ローラ32)の回転速度に対して給送軸21a及び21bの回転速度が相対的に遅くなるように決定される。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について図2を参照しながら説明する。
駆動軸28が回転駆動されると、駆動軸28に接続された差動装置22の一対のピニオンシャフト25が回転する。この一対のピニオンシャフト25の回転は、一対のピニオンギヤ24から各サイドギヤ23a及び23bを介して各給送軸21a及び21b(第一給送軸21a及び第二給送軸21b)へと等しく伝わり、各給送軸21a及び21bが等しい角速度で回転し始める(この回転は「差動装置の公転」と呼ばれる)。これにより、各給送軸21a及び21bから、各ウェブ11a及び11bが給送され始める。給送されるウェブ11a及び11bは、駆動ローラ32とゴムローラ33とによって共通に狭持されながら搬送されていく。
ここで、ロール状の原反10aの径rとロール状の原反10bの径rとが異なる場合を考える(相対的に大径である径rを有するロール状の原反(第一原反)を10a、相対的に小径である径rを有するロール状の原反(第二原反)を10bとする)。この場合、各給送軸21a及び21bが等速で回転し続けるならば、径rの大きい原反10aから給送されるウェブ11aの給送速度Vの方が、径rの小さい原反10bから給送されるウェブ11bの給送速度Vより速くなる。すると、ウェブ11aは給送過剰のために張力が弱くなる一方で、ウェブ11bは給送不足のため張力が強くなる。ウェブ11bに作用するこの強い張力は、ウェブ11bを引張って、給送軸21bを速く回転させようとする。給送軸21bの回転速度が少しでも速くなると、サイドギヤ23bの回転速度とサイドギヤ23aの回転速度との間に速度差が生じることとなり、一対のピニオンギヤ24がサイドギヤ23bによって回転して、サイドギヤ23aの回転速度、すなわち給送軸21aの回転速度、の方が遅くなるような作用が生じる(この回転は「差動装置の自転」と呼ばれる)。この結果、ウェブ11bの張力過剰が抑えられると共に、ウェブ11aの給送過剰が抑えられウェブ11aの必要な張力が維持されるようになる。
以上のように、本実施の形態によれば、2つのロール状の原反10a及び10bがセットされる各給送軸21a及び21b(第一給送軸21a及び第二給送軸21b)の角速度差を許容することができるため、2つのロール状の原反10a及び10bの径に差が存在する場合であっても、各ウェブ11a及び11bの張力を好適に制御することができる。このため、2つのロール状の原反10a及び10bからウェブ11a及び11bを同時に給送可能な、実用に耐え得るウェブ搬送装置が実現できる。
なお、本件出願人は、先願(特願2011−194983)において、複数の原反からウェブを同時給送可能なウェブ搬送装置に係る発明を既に提案している。この先願発明の特に図3に示された発明では、差動装置から遠い方の給送軸についても中空軸として構成されている。これに対して、本実施の形態では、差動装置から遠い方の給送軸については、中実軸として構成することができるので、当該給送軸の強度という点で優れている。
10、10a、10b ロール状の原反
11、11a、11b ウェブ
20 給送部
21a 第一給送軸
21b 第二給送軸
22 差動装置
23、23a、23b サイドギヤ
24 ピニオンギヤ
25 ピニオンシャフト
26a、26b ラジアル軸受
27 支持軸部材
28 駆動軸
29 接続部材
30 インフィード部
31 ニップローラ
32 駆動ローラ
33 ゴムローラ
40 印刷部
50 アウトフィード部
60 巻取部
500 ロール状の原反
501、501a、501b ウェブ
502 給送部
503 インフィード部
504 印刷部
505 アウトフィード部
506 巻取部
510 給送軸
511 ニップローラ
512 駆動ローラ
513 ゴムローラ

Claims (4)

  1. ロール状の第一原反がセットされる第一給送軸と、
    ロール状の第二原反がセットされる、中空空間を有する第二給送軸と、
    当該第二給送軸に対して前記第一給送軸の反対側に配置された差動装置と、
    前記ロール状の第一原反及び前記ロール状の第二原反からそれぞれ給送されるウェブを共通に狭持して搬送するニップローラと、
    を備え、
    前記第一給送軸と前記第二給送軸とは、同軸に配置されており、
    前記差動装置の2つのサイドギヤのうち前記第二給送軸側にあるサイドギヤが、中空空間を有していて、前記第二給送軸に接続されており、
    前記第一給送軸は、前記第二給送軸の中空空間及び前記第二給送軸が接続されたサイドギヤの中空空間を貫いて延びて、前記差動装置の他方のサイドギヤに接続されており、
    前記差動装置のピニオンギヤにそれぞれ対応するピニオンシャフトが駆動軸に接続されていて、当該ピニオンシャフトが前記駆動軸の回転によって公転するようになっている
    ことを特徴とするウェブ搬送装置。
  2. 前記差動装置の他方のサイドギアも、中空空間を有していて、
    前記第一給送軸は、前記差動装置の他方のサイドギヤの中空空間をも貫いて更に他方に延びており、当該他方のサイドギヤよりも他方に延びた部分が、軸受により回転可能に支持されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のウェブ搬送装置。
  3. 前記ウェブ搬送装置は、更に、印刷部を備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のウェブ搬送装置。
  4. 前記ウェブ搬送装置は、更に、塗工部を備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のウェブ搬送装置。
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