本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、2つのロール状の原反をセットすることができるウェブ搬送装置を提供することにある。
本件出願人は、2つまたは複数の原反からウェブを同時給送可能なウェブ搬送装置を既に提案している(特願2011−194983)。本発明は、当該発明に対して更に改良を施したものである。
すなわち、本発明は、ロール状の第一原反がセットされる第一給送軸と、ロール状の第二原反がセットされる、中空空間を有する第二給送軸と、当該第二給送軸に対して前記第一給送軸の反対側に配置された差動装置と、前記ロール状の第一原反及び前記ロール状の第二原反からそれぞれ給送されるウェブを共通に狭持して搬送するニップローラと、を備え、前記第一給送軸と前記第二給送軸とは、同軸に配置されており、前記差動装置の2つのサイドギヤのうち前記第二給送軸側にあるサイドギヤが、中空空間を有していて、前記第二給送軸に接続されており、前記第一給送軸は、前記第二給送軸の中空空間及び前記第二給送軸が接続されたサイドギヤの中空空間を貫いて延びて、前記差動装置の他方のサイドギヤに接続されており、前記差動装置のピニオンギヤにそれぞれ対応するピニオンシャフトが駆動軸に接続されていて、当該ピニオンシャフトが前記駆動軸の回転によって公転するようになっており、前記第一給送軸は、前記ロール状の第一原反がセットされる第一原反セット部と、前記差動装置のサイドギヤとの接続部と、前記第一原反セット部から前記接続部まで延びる中間部と、を有しており、前記第二給送軸は、前記ロール状の第二原反がセットされる第二原反セット部と、前記差動装置のサイドギヤとの接続部と、前記第二原反セット部から前記接続部まで延びる中間部と、を有しており、前記第一給送軸は、当該第一給送軸の前記中間部において着脱可能に分離可能になっており、前記第二給送軸も、当該第二給送軸の前記中間部において着脱可能に分離可能になっていることを特徴とするウェブ搬送装置である。
本ウェブ搬送装置によれば、2つのロール状の原反がセットされる各給送軸の角速度差を許容することができるため、2つのロール状の原反の径に差が存在する場合であっても、各ウェブの張力を好適に制御することができる。このため、2つのロール状の原反からウェブを同時に給送可能な、実用に耐え得るウェブ搬送装置が実現できる。また、第一給送軸及び第二給送軸が各々の中間部において着脱可能に分離できるため、第一給送軸の第一原反セット部側の分離される部分と第二給送軸の第二原反セット部側の分離される部分とを分離した状態で、第一原反及び第二原反を新たな原反に交換することができる。すなわち、一般には重量及び寸法の大きい差動装置と第一給送軸の接続部及び第二給送軸の接続部とが組付けられた状態を維持したままで、原反の交換作業を行うことができる。
好ましくは、前記第一給送軸の分離される一方の端部は、テーパ状の先端を有する雄部を有しており、前記第一給送軸の分離される他方の端部は、前記雄部と嵌合する雌部を有している。このような形態により、第一給送軸を容易に着脱可能に分離することができる。
また、好ましくは、前記第二給送軸の分離される一方の端部は、周方向に複数設けられた凸部を有する雄部を有しており、前記第二給送軸の分離される他方の端部は、前記凸部と互いに係合する周方向に複数設けられた凹部を有する雌部を有している。このような形態により、第二給送軸を容易に着脱可能に分離することができる。
また、好ましくは、前記差動装置の他方のサイドギヤも、中空空間を有していて、前記第一給送軸は、前記差動装置の他方のサイドギヤの中空空間をも貫いて更に他方に延びており、当該他方のサイドギヤよりも他方に延びた部分が、軸受により回転可能に支持されていることが好ましい。このような構成により、第一給送軸が安定して軸支される。
更に、好ましくは、前記第二給送軸の接続部側の分離される中間部の部分と、前記第一給送軸の接続部側の分離される中間部の部分と、の間には、軸受が設けられている。これにより、第二給送軸の接続部側の分離される中間部の部分と、第一給送軸の接続部側の分離される中間部の部分とが、互いに対して安定して回転することができる。
また、好ましくは、前記ウェブ搬送装置は、更に、印刷部を備える。印刷部においては、各ウェブの張力をより高精度に制御することが要求されるが、本発明によれば十分にその要求に応えることができる。
あるいは、好ましくは、前記ウェブ搬送装置は、更に、コーティング部を備える。コーティング部においても、各ウェブの張力をより高精度に制御することが要求されるが、本発明によれば十分にその要求に応えることができる。
あるいは、本発明は、前記いずれかの特徴を有するウェブ搬送装置と共に用いられるキャップ部材であって、前記第一給送軸の第一原反セット部側の分離される端部に対して結合可能な第一給送軸結合部と、前記第二給送軸の第二原反セット部側の分離される端部に対して結合可能な第二給送軸結合部と、を備え、前記第一給送軸の第一原反セット部側の分離された端部と前記第一給送軸結合部とが結合され、且つ、前記第二給送軸の第二原反セット部側の分離された端部と前記第二給送軸結合部とが結合されている際には、前記第一給送軸と前記第二給送軸とを互いに固定するようになっていることを特徴とするキャップ部材である。
本キャップ部材によれば、第一給送軸の第一原反セット部側の分離される部分と第二給送軸の第二原反セット部側の分離される部分とを取外して運搬する際に、これらの端部に当該キャップ部材を結合することで、第一給送軸と第二給送軸とを互いに固定することができる。この場合、第一給送軸の第一原反セット部と第二給送軸の第二原反セット部とが互いに対して自由回転することがないため、原反交換の作業性(運搬の作業性も含む)が良い。
具体的には、例えば、当該キャップ部材は、円筒状であって、前記第一給送軸結合部は、当該キャップ部材の軸方向一端側の中央領域に設けられており、前記第二給送軸結合部は、当該キャップ部材の前記軸方向一端側の周縁領域に設けられている。
好ましくは、前記第一給送軸の第一原反セット部側の分離される端部と前記第一給送軸結合部との一方は、テーパ状の先端を有する雄部と、前記雄部と嵌合する雌部と、のいずれか一方を有しており、前記第一給送軸の第一原反セット部側の分離される端部と前記第一給送軸結合部との他方は、テーパ状の先端を有する雄部と、前記雄部と嵌合する雌部と、のいずれか他方を有している。このような形態により、第一給送軸の第一原反セット部側の分離される端部と第一給送軸結合部とを容易に着脱可能に結合することができる。
また、好ましくは、前記第二給送軸の第二原反セット部側の分離される端部と前記第二給送軸結合部との一方は、周方向に複数設けられた凸部を有する雄部と、前記凸部と互いに係合する周方向に複数設けられた凹部を有する雌部と、のいずれか一方を有しており、前記第二給送軸の第二原反セット部側の分離される端部と前記第二給送軸結合部との他方は、周方向に複数設けられた凸部を有する雄部と、前記凸部と互いに係合する周方向に複数設けられた凹部を有する雌部と、のいずれか他方を有している。このような形態により、第二給送軸の第二原反セット部側の分離される端部と第二給送軸結合部とを容易に着脱可能に結合することができる。
あるいは、本発明は、前記特徴のいずれかを有するウェブ搬送装置と共に用いられるコネクタ部材であって、前記第一給送軸の接続部側の分離される端部に対して結合可能な第一給送軸結合部と、前記第二給送軸の接続部側の分離される端部に対して結合可能な第二給送軸結合部と、を一方側に備え、前記第一給送軸の第一原反セット部側の分離される部分と前記第二給送軸の第二原反セット部側の分離される部分とに換えて取付けられる第三給送軸の端部に対して結合可能な第三給送軸結合部を他方側に備え、前記第一給送軸の接続部側の分離された端部と前記第一給送軸結合部とが結合され、且つ、前記第二給送軸の接続部側の分離された端部と前記第二給送軸結合部とが結合されている際には、前記第一給送軸と前記第二給送軸とを互いに固定するようになっていることを特徴とするコネクタ部材である。
本コネクタ部材によれば、第一給送軸の第一原反セット部側の分離される部分と第二給送軸の第二原反セット部側の分離される部分とを取外して、第一給送軸の接続部側の分離された端部及び第二給送軸の接続部側の分離された端部に本コネクタ部材を結合することで、第一給送軸と第二給送軸とを互いに固定することができる。これにより、差動装置の2つのサイドギヤが互いに等速で回転される。この場合、幅広の原反がセットされた第三給送軸の端部を第三給送軸結合部に結合することにより、ウェブ搬送装置が1つの幅広の原反からウェブを給送することもできるようになる。
具体的には、例えば、当該コネクタ部材は、円筒状であって、前記第一給送軸結合部は、当該コネクタ部材の軸方向一端側の中央領域に設けられており、前記第二給送軸結合部は、当該コネクタ部材の前記軸方向一端側の周縁領域に設けられており、前記第三給送軸結合部は、当該コネクタ部材の軸方向他端側の中央領域に設けられている。
好ましくは、前記第一給送軸の接続部側の分離される端部と前記第一給送軸結合部との一方は、テーパ状の先端を有する雄部と、前記雄部と嵌合する雌部と、のいずれか一方を有しており、前記第一給送軸の接続部側の分離される端部と前記第一給送軸結合部との他方は、テーパ状の先端を有する雄部と、前記雄部と嵌合する雌部と、のいずれか他方を有している。このような形態により、第一給送軸の接続部側の分離される端部と第一給送軸結合部とを容易に着脱可能に結合できる。
また、好ましくは、前記第二給送軸の接続部側の分離される端部と前記第二給送軸結合部との一方は、周方向に複数設けられた凸部を有する雄部と、前記凸部と互いに係合する周方向に複数設けられた凹部を有する雌部と、のいずれか一方を有しており、前記第二給送軸の接続部側の分離される端部と前記第二給送軸結合部との他方は、周方向に複数設けられた凸部を有する雄部と、前記凸部と互いに係合する周方向に複数設けられた凹部を有する雌部と、のいずれか他方を有している。このような形態により、第二給送軸の接続部側の分離される端部と第二給送軸結合部とを容易に着脱可能に結合できる。
本ウェブ搬送装置によれば、2つのロール状の原反がセットされる各給送軸の角速度差を許容することができるため、2つのロール状の原反の径に差が存在する場合であっても、各ウェブの張力を好適に制御することができる。このため、2つのロール状の原反からウェブを同時に給送可能な、実用に耐え得るウェブ搬送装置が実現できる。また、第一給送軸及び第二給送軸が各々の中間部において着脱可能に分離できるため、第一給送軸の第一原反セット部側の分離される部分と第二給送軸の第二原反セット部側の分離される部分とを分離した状態で、第一原反及び第二原反を新たな原反に交換することができる。すなわち、一般には重量及び寸法の大きい差動装置と第一給送軸の接続部及び第二給送軸の接続部とが組付けられた状態を維持したままで、原反の交換作業を行うことができる。
本キャップ部材によれば、第一給送軸の第一原反セット部側の分離される部分と第二給送軸の第二原反セット部側の分離される部分とを取外して運搬する際に、これらの端部に当該キャップ部材を結合することで、第一給送軸と第二給送軸とを互いに固定することができる。この場合、第一給送軸の第一原反セット部と第二給送軸の第二原反セット部とが互いに対して自由回転することがないため、原反交換の作業性(運搬の作業性も含む)が良い。
本コネクタ部材によれば、第一給送軸の第一原反セット部側の分離される部分と第二給送軸の第二原反セット部側の分離される部分とを取外して、第一給送軸の接続部側の分離された端部及び第二給送軸の接続部側の分離された端部に本コネクタ部材を結合することで、第一給送軸と第二給送軸とを互いに固定することができる。これにより、差動装置の2つのサイドギヤが互いに等速で回転される。この場合、幅広の原反がセットされた第三給送軸の端部を第三給送軸結合部に結合することにより、ウェブ搬送装置が1つの幅広の原反からウェブを給送することもできるようになる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるウェブ搬送装置を示す概略図である。本実施の形態のウェブ搬送装置は、図1に示すように、給送部20と、インフィード部30と、印刷部40と、アウトフィード部50と、巻取部60と、により構成されている。そして、ロール状の原反10が、給送部20の給送軸にセットされるようになっている。当該給送軸が駆動されることに伴って、ロール状の原反からウェブ11がインフィード部30に給送される。給送されるウェブ11は、インフィード部30を介して印刷部40へと給送され、当該印刷部40において印刷処理される。その後、アウトフィード部50を介して排送されて、巻取部60によって巻取られる。
図2は、図1のウェブ搬送装置の要部を示す概略図である。本実施の形態におけるウェブ搬送装置は、ロール状の第一原反10aがセットされる第一給送軸21aと、ロール状の第二原反10bがセットされる、中空空間を有する第二給送軸21bと、当該第二給送軸21bに対して第一給送軸21aの反対側に配置された差動装置22と、差動装置22を介して第一給送軸21a及び第二給送軸21bを回転させる駆動軸28と、からなる。また、ウェブ搬送装置は、ロール状の第一原反10a及び第二原反10bからそれぞれ給送されるウェブ11a及び11bを共通に狭持して搬送するニップローラ31を備えている。
第一給送軸21a及び第二給送軸21bには、種々の幅を有するロール状の原反10がセットできるようになっている。第一給送軸21aと第二給送軸21bとは、同軸に配置されており、それぞれ差動装置22のサイドギヤ23a及び23bに接続されている。第一給送軸21aは、具体的には、ロール状の第一原反10aがセットされる第一原反セット部211aと、差動装置22のサイドギヤ23aとの接続部212aと、第一原反セット部211aから接続部212aまで延びる中間部213aと、を有している。同様に、第二給送軸21bは、ロール状の第二原反10bがセットされる第二原反セット部211bと、差動装置22のサイドギヤ23bとの接続部212bと、第二原反セット部211bから接続部212bまで延びる中間部213bと、を有している。これにより、各サイドギヤ23a及び23bと、第一給送軸21a及び第二給送軸21bと、第一原反10a及び第二原反10bとは、それぞれ一体に回転することができるようになっている。
より詳細には、図2に示すように、第二給送軸21b及び当該第二給送軸21bが接続されたサイドギヤ23b(第二給送軸21b側にあるサイドギヤ23b)は、中空空間を有している。そして、第一給送軸21aが、第二給送軸21bの中空空間及びサイドギヤ23bの中空空間を貫いて延びている。更に、本実施の形態では、差動装置22の他方側にあるサイドギヤ23aも、中空空間を有している。そして、第一給送軸21aは、差動装置22の他方のサイドギヤ23aの中空空間をも貫いて更に他方に延びており、当該他方のサイドギヤ23aよりも他方に延びた部分が、ラジアル軸受26aにより回転可能に支持されている。一方、第一給送軸21aの他方の端部は、不図示のハウジングに固定された自由回転する支持軸部材27により回転可能に支持されている。第一給送軸21aの他方の端部と支持軸部材27とは、それぞれ切頭円錐面状に形成された凹嵌合部と凸嵌合部とが互いに押圧されることで、結合されている。このような構成により、第一給送軸21aが安定して軸支されている。また、支持軸部材27は、軸方向に(図2における右方向に)待避移動可能となっている。
また、第二給送軸21bの第二原反セット部211bの中空空間にも、複数のラジアル軸受26bが嵌入されており、第二給送軸21bが安定して第一給送軸21aに軸支されている。
更に、第二給送軸21bの接続部212b側の分離される中間部213bの部分と、第一給送軸21aの接続部212a側の分離される中間部213aの部分と、の間にも、ラジアル軸受26cが設けられている。これにより、第二給送軸21bの接続部212b側の分離される中間部213bの部分と、第一給送軸21aの接続部212a側の分離される中間部213aの部分とが、互いに対して安定して回転することができる。
また、第一給送軸21aは、当該第一給送軸21aの中間部213aにおいて着脱可能に分離可能になっている。より詳細には、第一給送軸21aは、第二給送軸21bの中間部213bの中空空間内において分離可能になっている。同様に、第二給送軸21bも、当該第二給送軸21bの中間部213bにおいて着脱可能に分離可能になっている。
図3は、第一給送軸21a及び第二給送軸21bの分離された状態を示す概略図である。図3に示すように、第一給送軸21aの分離される一方の端部、より具体的には第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される端部215aは、テーパ状の先端を有する雄部を有している。一方、第一給送軸21aの分離される他方の端部、より具体的には第一給送軸21aの接続部212a側の分離される端部214aは、前記雄部と嵌合する雌部を有している。このような形態により、第一給送軸21aを容易に着脱可能に分離することができる。
更に、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される端部215aの雄部のテーパ状の先端には、当該第一給送軸21aの軸方向に対して垂直に貫通孔218aが設けられており、当該貫通孔218aを貫通してピン217aが接合されている。一方、第一給送軸21aの接続部212a側の分離される端部214aの雌部内には、ピン217aの両端部を受容するための対向する溝孔216aが設けられている。ピン217aの両端部が対向する溝孔216a内にそれぞれ受容されることによって、第一給送軸21aの接続部212a側の回転が、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の部分に確実に伝達されるようになっている。
また、図3に示すように、第二給送軸21bの分離される一方の端部、より具体的には第二給送軸21bの接続部212b側の分離される端部214bは、周方向に複数設けられた軸方向に延びる凸部を有する雄部を有している。一方、第二給送軸21bの分離される他方の端部、より具体的には第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される端部215bは、前記凸部と互いに係合する周方向に複数設けられた凹部を有する雌部を有している。このような形態により、第二給送軸21bを容易に着脱可能に分離することができる。
ニップローラ31は、回転駆動される駆動ローラ32と、当該駆動ローラ32と対向するように配置されて当該駆動ローラ32との間でウェブ11を押圧するゴムローラ33と、により構成されている。駆動ローラ32とゴムローラ33は、ウェブ11の搬送方向に対して直角かつ水平に回転可能に支持されている。更に、駆動ローラ32は、モータにより回転駆動される。
差動装置22は、第一給送軸21a及び第二給送軸21bにそれぞれ接続される各サイドギヤ23a及び23bと、各サイドギヤ23a及び23bの回転軸と直交する回転軸を有し各サイドギヤに噛合する一対のピニオンギヤ24と、一対のピニオンギヤ24にそれぞれ対応しており、当該一対のピニオンギヤ24を回転可能に軸支する一対のピニオンシャフト25と、を備えている。
図2の例では、サイドギヤ23a及び23bと一対のピニオンギヤ24とは、かさ歯車として構成されており、サイドギヤ23a及び23bは、一対のピニオンギヤ24に直交して噛み合っている。このような構成により、一対のピニオンギヤ24は、サイドギヤ23aとサイドギヤ23bとの間の回転速度差(角速度差)を吸収するようになっている。
駆動軸28は、第一給送軸21a及び第二給送軸21bに対して同軸となっている。そして、駆動軸28は、一対のピニオンシャフト25と、互いの軸線が直交するように、一対の接続部材29を介して接続されている。より詳細には、接続部材29は、差動装置22の外縁を周り込むような形状を有しており、一端において駆動軸28に接続され、他端においてピニオンシャフト25に接続されている。ここで、駆動軸28の初期回転速度は、ウェブ11へ微張力をかけるために、ニップローラ31(駆動ローラ32)の回転速度に対して給送軸21a及び21bの回転速度が相対的に遅くなるように決定される。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について図2を参照しながら説明する。
駆動軸28が回転駆動されると、駆動軸28に接続された差動装置22の一対のピニオンシャフト25が回転する。この一対のピニオンシャフト25の回転は、一対のピニオンギヤ24から各サイドギヤ23a及び23bを介して各給送軸21a及び21b(第一給送軸21a及び第二給送軸21b)へと等しく伝わり、各給送軸21a及び21bが等しい角速度で回転し始める(この回転は「差動装置の公転」と呼ばれる)。これにより、各給送軸21a及び21bから、各ウェブ11a及び11bが給送され始める。給送されるウェブ11a及び11bは、駆動ローラ32とゴムローラ33とによって共通に狭持されながら搬送されていく。
ここで、ロール状の原反10aの径raとロール状の原反10bの径rbとが異なる場合を考える(相対的に大径である径raを有するロール状の原反(第一原反)を10a、相対的に小径である径rbを有するロール状の原反(第二原反)を10bとする)。この場合、各給送軸21a及び21bが等速で回転し続けるならば、径raの大きい原反10aから給送されるウェブ11aの給送速度Vaの方が、径rbの小さい原反10bから給送されるウェブ11bの給送速度Vbより速くなる。すると、ウェブ11aは給送過剰のために張力が弱くなる一方で、ウェブ11bは給送不足のため張力が強くなる。ウェブ11bに作用するこの強い張力は、ウェブ11bを引張って、給送軸21bを速く回転させようとする。給送軸21bの回転速度が少しでも速くなると、サイドギヤ23bの回転速度とサイドギヤ23aの回転速度との間に速度差が生じることとなり、一対のピニオンギヤ24がサイドギヤ23bによって回転して、サイドギヤ23aの回転速度、すなわち給送軸21aの回転速度、の方が遅くなるような作用が生じる(この回転は「差動装置の自転」と呼ばれる)。この結果、ウェブ11bの張力過剰が抑えられると共に、ウェブ11aの給送過剰が抑えられウェブ11aの必要な張力が維持されるようになる。
次に、第一原反10a及び第二原反10bを新たな原反に交換する作業について図2及び図3を参照して説明する。まず、支持軸部材27が待避位置まで軸方向に(図2における右方向に)待避移動されていき、それと共に、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される部分とが、待避移動されていく。これにより、第一給送軸21a及び第二給送軸21bが、各々の中間部213a及び213bにおいて分離される。第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された部分とは、支持軸部材27からも取外されて、所定の原反交換作業位置まで運搬され、第一給送軸21aの第一原反セット部211a及び第二給送軸21bの第二原反セット部211bから第一原反10a及び第二原反10bが取外されて、これらに新たな原反がセットされる。
次に、それぞれ新たな原反がセットされた第一給送軸21aの分離された部分と第二給送軸21bの分離された部分とが、支持軸部材27に対して組付けられる。そして、第一給送軸21aの分離された部分の端部215aのピン217aの両端部が、第一給送軸21aの分離された部分の端部214aの溝孔216aに対して位置決めされる。この時、同時に、第二給送軸21bの分離された部分の端部215bの凹部が、第二給送軸21bの接続部212b側の分離された部分の端部214bの凸部に対して互いに係合するような位置関係(位相)に位置決めされる。続いて、支持軸部材27が待避位置から組付位置に戻されていき、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された部分及び第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された部分が、前記位置決め状態を維持されながら、第一給送軸21aの接続部212a側の分離された端部214a及び第二給送軸21bの接続部212b側の分離された端部214bに近づいていく。支持軸部材27が組付位置まで戻されると、第一給送軸21a及び第二給送軸21bが結合される。
以上のように、本実施の形態によれば、2つのロール状の原反10a及び10bがセットされる各給送軸21a及び21b(第一給送軸21a及び第二給送軸21b)の角速度差を許容することができるため、2つのロール状の原反10a及び10bの径に差が存在する場合であっても、各ウェブ11a及び11bの張力を好適に制御することができる。このため、2つのロール状の原反10a及び10bからウェブ11a及び11bを同時に給送可能な、実用に耐え得るウェブ搬送装置が実現できる。また、第一給送軸21a及び第二給送軸21bが各々の中間部213a及び213bにおいて着脱可能に分離できるため、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される部分とを分離した状態で、第一原反10a及び第二原反10bを新たな原反に交換することができる。すなわち、一般には重量及び寸法の大きい差動装置22と第一給送軸21aの接続部212a及び第二給送軸21bの接続部212bとが組付けられた状態を維持したままで、原反の交換作業を行うことができる。
なお、前述したように、本件出願人は、先願(特願2011−194983)において、2つまたは複数の原反からウェブを同時給送可能なウェブ搬送装置に係る発明を既に提案している。この先願発明の特に図3に示された発明では、差動装置から遠い方の給送軸についても中空軸として構成されている。これに対して、本実施の形態では、差動装置から遠い方の給送軸については、中実軸として構成することができるので、当該給送軸の強度という点で優れている。
さて、前述した原反交換作業において、第一給送軸21aの第一原反セット部211aと第二給送軸21bの第二原反セット部211bとが互いに対して自由回転してしまうと、原反交換の作業性(運搬の作業性も含む)が低下してしまう。本件発明者らは、当該作業性の低下を防止するべく、図1に示すウェブ搬送装置と共に用いられるキャップ部材300をも開発した。
図4は、図1のウェブ搬送装置と共に用いられるキャップ部材300と、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された端部215aと、第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された端部215bと、を示す概略図である。図4に示すように、本実施の形態のキャップ部材300は、円筒状の本体部311と、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される端部215aに対して結合可能な第一給送軸結合部312と、第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される端部215bに対して結合可能な第二給送軸結合部314と、を備えている。
本実施の形態では、第一給送軸結合部312は、キャップ部材300の軸方向一端側の中央領域に設けられており、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される端部215aの雄部と嵌合する雌部を有している。そして、第一給送軸結合部312の当該雌部内には、第一給送軸21aのピン217aの両端部を受容するための対向する溝孔313が設けられている。このような形態により、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される端部215aと第一給送軸結合部312とは、容易に着脱可能に結合することができる。
第二給送軸結合部314は、キャップ部材300の軸方向一端側の周縁領域に設けられており、第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される端部215bの凹部と互いに係合する周方向に複数設けられた凸部を有する雄部を有している。このような形態により、第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される端部215bと第二給送軸結合部314とは、容易に着脱可能に結合することができる。
また、第一給送軸結合部312と第二給送軸結合部314とは、本体部311を構成する部材に一体に設けられている。これにより、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された端部215aと第一給送軸結合部312とが結合され、且つ、第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された端部215bと第二給送軸結合部314とが結合されている際には、第一給送軸21aと第二給送軸21bとが互いに固定されるようになっている。
次に、キャップ部材300の使用方法について説明する。キャップ部材300は、原反交換作業の際に使用される。まず、支持軸部材27が待避位置まで軸方向に(図2における右方向に)待避移動されていき、それと共に、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される部分とが、待避移動されていく。これにより、第一給送軸21a及び第二給送軸21bが、各々の中間部213a及び213bにおいて分離される。続いて、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された端部215aにキャップ部材300の第一給送軸結合部312が結合されると共に、これと同時に、第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された端部215bにキャップ部材300の第二給送軸結合部314が結合される。これにより、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された部分とが互いに固定される。
そして、キャップ部材300が結合された第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された部分及び第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された部分は、支持軸部材27からも取外されて、所定の原反交換作業位置まで運搬される。第一給送軸21aの第一原反セット部211a及び第二給送軸21bの第二原反セット部211bから第一原反10a及び第二原反10bが取外されて、これらに新たな原反がセットされる。この時、キャップ部材300が取付けられていることにより、第一給送軸21aの第一原反セット部211aと第二給送軸21bの第二原反セット部211bとが互いに対して自由回転することがないため、原反交換の作業性(運搬の作業性も含む)が良い。
次に、それぞれ新たな原反がセットされた第一給送軸21aの分離された部分と第二給送軸21bの分離された部分とが、支持軸部材27に対して組付けられる。そして、キャップ部材300が結合された状態で、第一給送軸21aの分離された部分の端部215aのピン217aの両端部が、第一給送軸21aの接続部212a側の分離された端部214aの溝孔216aに対して位置決め(位相合わせ)される(この目付のために、キャップ部材300の周面及び/または端面には、周方向の位相を示す目印が設けられている。)。この時、同時に、キャップ部材300を介して固定された第二給送軸21bの分離された部分の端部215bの凹部も、第二給送軸21bの接続部212b側の分離された端部214bの凸部に対して位置決め(位相合わせ)される(この目付のために、キャップ部材300の周面及び/または端面には、周方向の位相を示す目印が設けられている。)。続いて、キャップ部材300が取外され、支持軸部材27が待避位置から組付位置に戻されていき、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された部分及
び第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された部分が、前記位置決め状態を維持されながら、第一給送軸21aの接続部212a側の分離された端部214a及び第二給送軸21bの接続部212b側の分離された端部214bに近づいていく。支持軸部材27が組付位置まで戻されると、第一給送軸21a及び第二給送軸21bが結合される。
本キャップ部材300によれば、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される部分とを取外して運搬する際に、これらの端部215a及び215bに当該キャップ部材300を結合することで、第一給送軸21aと第二給送軸21bとを互いに固定することができる。この場合、第一給送軸21aの第一原反セット部211aと第二給送軸21bの第二原反セット部211bとが互いに対して自由回転することがないため、原反交換の作業性(運搬の作業性も含む)が良い。
また、図1に示すウェブ搬送装置は、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される部分とに換えて、幅広の一本の第三給送軸21cを用いることにより、1つの幅広の原反からウェブを給送することもできる。この場合、第一給送軸21aの接続部212a側の分離される部分及び第二給送軸21bの接続部212b側の分離される部分と幅広の第三給送軸21cとの間に、本件発明者が開発したコネクタ部材400を介在させることが便利である。
図5は、そのようなコネクタ部材400と、第一給送軸21aの接続部212a側の分離された端部214aと、第二給送軸21bの接続部212b側の分離された端部214bと、第三給送軸21cと、を示す概略図である。図5に示すように、本実施の形態のコネクタ部材400は、全体的には略円筒状である。そして、コネクタ部材400は、第一給送軸21aの接続部212a側の分離される端部214aに対して結合可能な第一給送軸結合部413と、第二給送軸21bの接続部212b側の分離される端部214bに対して結合可能な第二給送軸結合部416と、を一方側に備え、第三給送軸21cの端部215cに対して結合可能な第三給送軸結合部417を他方側に備えている。
第三給送軸21cには、例えば幅広のロール状の原反10がセットできるようになっている。本実施の形態の第三給送軸21cとしては、例えば、市場で一般に入手可能なエアシャフト(例えば、ニューロング社製ラグ平行タイプ)が用いられ得る。第三給送軸21cの一方の端部215cは、テーパ状の先端を有する雄部を有している。そして、第三給送軸21cの端部215cの雄部のテーパ状の先端には、当該第三給送軸21cの軸方向に対して垂直に貫通孔218cが設けられており、当該貫通孔218cを貫通してピン217cが接合されている。一方、第三給送軸21cの他方の端部(不図示)は、支持軸部材27により回転可能に支持されるようになっている。
一方、本実施の形態のコネクタ部材400では、第一給送軸結合部413は、コネクタ部材400の軸方向一端側の中央領域に設けられており、第一給送軸21aの接続部212a側の分離される端部214aの雌部と嵌合するテーパ状の先端を有する雄部を有している。また、第一給送軸結合部413の雄部のテーパ状の先端には、コネクタ部材400の軸方向に対して垂直に貫通孔415が設けられており、当該貫通孔415を貫通してピン414が接合されている。そして、ピン414の両端部が対向する溝孔216a内にそれぞれ受容されるようになっている。このような形態により、第一給送軸21aの接続部212a側の分離される端部214aと第一給送軸結合部413とは、容易に着脱可能に結合することができる。
本実施の形態では、第二給送軸結合部416は、コネクタ部材400の軸方向一端側の周縁領域に設けられており、第二給送軸21bの接続部212b側の分離される端部214bの凸部と互いに係合する周方向に複数設けられた凹部を有する雌部を有している。このような形態により、第二給送軸21bの接続部212b側の分離される端部214bと第二給送軸結合部416とは、容易に着脱可能に結合することができる。
本実施の形態では、第三給送軸結合部417は、コネクタ部材400の軸方向他端側の中央領域に設けられており、第三給送軸21cの端部215cの前記雄部と嵌合する雌部を有している。また、第三給送軸結合部417の雌部内には、ピン217cの両端部を受容するための対向する溝孔418が設けられている。
さらに具体的には、本実施の形態のコネクタ部材400は、第一給送軸結合部413と第三給送軸結合部417とを含む中実シャフト部411と、第二給送軸結合部416を含み前記中実シャフト部411と同軸であって当該中実シャフト部411より大径な中空シャフト部412と、からなっている。そして、中実シャフト部411と中空シャフト部412とは、互いに接合されている。これにより、第一給送軸21aの接続部212a側の分離された端部214aと第一給送軸結合部413とが結合され、且つ、第二給送軸21bの接続部212b側の分離された端部214bと第二給送軸結合部416とが結合されている際には、第一給送軸21aと第二給送軸21bとが互いに固定されるようになっている。
次に、コネクタ部材400の使用方法について説明する。まず、支持軸部材27が待避位置まで軸方向に(図2における右方向に)待避移動されていき、それと共に、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される部分とが、待避移動されていく。これにより、第一給送軸21a及び第二給送軸21bが、各々の中間部213a及び213bにおいて分離される。また、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離された部分及び第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離された部分は、支持軸部材27からも取外される。次に、第一給送軸21aの接続部212a側の分離された端部214aにコネクタ部材400の第一給送軸結合部413が結合されると共に、これと同時に、第二給送軸21bの接続部212b側の分離された端部214bにコネクタ部材400の第二給送軸結合部416が結合される。これにより、第一給送軸21aと第二給送軸21bとが互いに固定されるため、差動装置22の2つのサイドギヤ23a及び23bが互いに等速で回転される状態になる。次に、幅広の第三原反10cがセットされた第三給送軸21cが、支持軸部材27に対して組付けられた後、コネクタ部材400の第三給送軸結合部417に結合される。
このような状態で、駆動軸28が回転駆動されると、駆動軸28に接続された差動装置22の一対のピニオンシャフト25が回転する。この一対のピニオンシャフト25の回転は、一対のピニオンギヤ24から各サイドギヤ23a及び23bを介して第三給送軸21cへと伝わり、第三給送軸21cが回転し始める(「差動装置の公転」)。これにより、ウェブ11が、給送軸21cから給送され始め、駆動ローラ32とゴムローラ33とによって狭持されながら搬送されていく。ここで、差動装置22の2つのサイドギヤ23a及び23bが常に互いに等速で回転されるため、一対のピニオンギヤ24がサイドギヤ23bによって回転させられることはない(すなわち、差動装置22は「自転」しない)。このようにして、第三給送軸21cにセットされた1つの幅広の第三原反10cからウェブ11が安定的に給送されていく。
本コネクタ部材400によれば、第一給送軸21aの第一原反セット部211a側の分離される部分と第二給送軸21bの第二原反セット部211b側の分離される部分とを取外して、第一給送軸21aの接続部212a側の分離された端部214a及び第二給送軸21bの接続部212b側の分離された端部214bに本コネクタ部材400を結合することで、差動装置22のサイドギヤ23a及び23bを等速で回転させることができる。この場合、幅広の原反10がセットされた第三給送軸21cを本コネクタ部材400の第三給送軸結合部417に結合することにより、1つの幅広の原反10からウェブ11を給送することができる。
また、コネクタ部材400の周面及び/または端面に、周方向の位相を示す目印を設けて、当該目印がキャップ部材300の目印と同位相となるように位置合わせされることにより、前記原反交換作業における、分離された第一給送軸21a及び第二給送軸21bをそれぞれ結合する際の位相合わせを更に容易化することもできる。